JPH11323785A - 蛍光発色する粒状物、及びこれを使用した偽造防止用紙、及び偽造防止印刷物 - Google Patents

蛍光発色する粒状物、及びこれを使用した偽造防止用紙、及び偽造防止印刷物

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JPH11323785A
JPH11323785A JP16427398A JP16427398A JPH11323785A JP H11323785 A JPH11323785 A JP H11323785A JP 16427398 A JP16427398 A JP 16427398A JP 16427398 A JP16427398 A JP 16427398A JP H11323785 A JPH11323785 A JP H11323785A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線の照射による発色強度が強く、耐光性
に優れ、蛍光発色する粒状物を製造する際の蛍光剤の歩
留まりが良く、用紙製造中に蛍光剤が離脱することがな
く、簡単な装置で小ロットでも製造でき、抄紙時の歩留
まりもよい蛍光発色する粒状物を得ること、及びこれを
使用した偽造防止用紙、及びこの用紙を使用した偽造防
止印刷物を得ること。 【解決作用】 紫外線の照射により蛍光発色する平均粒
径が0.1〜100μmの水不溶性の顔料を、高速気流
中衝撃法により、物理的若しくは化学的作用で自着性を
発現する粒子表面に固着して蛍光発色する粒状物を得
る。またこの粒状物を用紙に含ませて偽造防止用紙を得
る。またこの偽造防止用紙に所定の印刷を施して偽造防
止印刷物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光発色する粒状
物、及びこれを使用した偽造防止用紙、及び偽造防止印
刷物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紫外線の照射により蛍光発色する物質
や、これらを用紙に含む偽造防止用紙の提案は種々なさ
れている。この偽造防止用紙は、紫外線を用紙に照射す
ることで用紙に含まれた蛍光発色する物質が可視光領域
の特定波長の光を発し、用紙が偽造されたものであるか
否かを直ちに判定できる特徴を有している。
【0003】例えば、特開昭58−54099号や、特
公昭56−16328号には、紙中に、蛍光染色した繊
維を蛍光染色を施していない繊維と配合して抄造するこ
とを特徴とする偽造防止用紙の製造方法が提案されてい
る。また、特開平6−128807号等には、酸化物系
の蛍光顔料を紡糸時に添加した蛍光発色性繊維が提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭58−54
099号や、特公昭56−16328号に提案されてい
るような蛍光染料を使用した場合は、紫外線の照射によ
り発色する強度が弱く、発色する色相の種類に限りがあ
り、また耐光性が悪く用紙保存中に色相が変化したり、
退色するという大きな問題点があった。
【0005】また、特開平6−128807号に提案さ
れているような、蛍光染料、或いは蛍光顔料等を合成繊
維を紡糸する際に添加し蛍光発色性繊維を製造する方法
は、蛍光顔料を使用した場合は耐光性が向上する反面、
蛍光顔料が粒子形状であるため紡糸する際に糸切れを起
こしやすく、使用できる合成繊維や蛍光剤の種類に制限
があり、また製造に複雑な装置を必要とし、製造量を多
くしないと経済的に引き合わないという問題点があっ
た。
【0006】蛍光顔料を、定着剤を使用して繊維に定着
する場合は、蛍光染料を使用した場合の耐光性が悪いと
いう問題は解消できるが、蛍光顔料の繊維に対する定着
歩留まりが悪く、また、これらの繊維をスラリーに添加
して用紙を抄造する場合、蛍光顔料が繊維状物から離脱
しやすいという問題点もあった。
【0007】また、これら用紙に共通した特徴である
が、顧客に繊維状以外(例えば粒子状)の形状を要求さ
れた場合には、要求に応えられないという問題点もあっ
た。本発明はこれらの問題点を解決することを課題とす
る。即ち、紫外線の照射による発色強度が強く、耐光性
に優れ、蛍光発色する粒状物を製造する際の蛍光剤の歩
留まりが良く、用紙製造中に蛍光剤が離脱することがな
く、簡単な装置で小ロットでも製造でき、抄紙時の歩留
まりもよい蛍光発色する粒状物を得ること、及びこれを
使用した偽造防止用紙、及びこの用紙を使用した偽造防
止印刷物を得ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検討
を進めた結果、高速気流中衝撃法を用いて、蛍光発色す
る顔料をある特定の粒子表面に固着することで、前記問
題点を解決することができることを見出し本発明を完成
したものである。即ち、本発明の要旨とするところは、
紫外線の照射により蛍光発色する平均粒径が0.1〜1
00μmの水不溶性の顔料を、高速気流中衝撃法によ
り、物理的若しくは化学的作用で自着性を発現する粒子
表面に固着させ蛍光発色する粒状物を得ることにある。
【0009】また、本発明の要旨とするところは、こう
して得られた蛍光発色する粒状物が用紙中に固着された
偽造防止用紙を得ることにある。
【0010】また、本発明の要旨とするところは、こう
して得られた偽造防止用紙の表面に所定の印刷を施して
偽造防止印刷物を得ることにある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳しく説明する。本
発明で使用する高速気流中衝撃法とは、2種類以上の材
料を高速の気流中で互いに衝突させて衝撃を与え材料の
改質を行う方法を意味し、これを実現する装置は、例え
ば特開平5−168895号、日本接着学会誌(Vo
l.33、No.5(1997)26頁〜)などに開示
されている。
【0012】本発明者らは、この高速気流中衝撃法の特
異な作用に注目して、物理的若しくは化学的作用で自着
性を発現する粒子表面に無機あるいは有機の、紫外線の
照射により蛍光発色する水不溶性の顔料を固着すること
を試みた結果、本発明の課題を解決できることを見い出
したものである。
【0013】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、前記特開平5−168895号公報に
開示されたもので、図1は、高速気流中衝撃装置の一例
をその前後装置と共に系統的に示した概念的な説明図
を、図2は、図1の装置の側面断面図を示す。
【0014】この装置は、衝撃室8内に、衝撃ピン5を
周設した回転盤4及び衝突リング7を配置した粉体衝撃
装置の前カバー2の開口部から、固体粒子と小さな他の
固体粒子とから構成される固体粒子群を投入し、衝撃室
8を通過させることにより、衝撃式打撃作用を与える場
合において、衝撃ピン5の回転によって発生した気流と
共に、衝突リング7の一部に開口する排出口9より粉体
群の全量を排出して、粉体粒子群を過熱された気流から
分離した後、再び粉体粒子群のみを衝撃室8内に投入す
るようにして外粉体粒子群に前記衝撃式打撃作用を繰り
返し与えることにより、前記固体粒子の表面に前記固体
粒子よりも小さな他の固体粒子を付着させながら、また
は付着させた後、該他の固体粒子を埋設または固着させ
る装置である。
【0015】高速気流中衝撃法は、ある臨界以上の応力
が固体に加わるとき、その作用点近くに局所的な原子・
分子の配列の乱れが生じ、物性が変化するメカノケミカ
ル現象を利用した粒子設計法の一つである。物性の変化
は、従来は衝撃により部分的に温度の上昇するホットス
ポットによる熱的な現象によって生じると考えられてい
たが、現在は衝撃などの応力による短寿命の高エネルギ
ーフォノンの励起によると考えられている。そのエネル
ギーの一部が非弾性変形によって構造不整として残留し
固体内に蓄積され、それによる物性の変化がメカノケミ
カル現象として観察される。このようなメカノケミカル
現象から、興味ある粒子付着を生じさせていると考えら
れている。
【0016】本発明は、この装置を使用して無機あるい
は有機の、紫外線の照射により蛍光発色する水不溶性の
顔料(以下本発明では単に「蛍光顔料」と呼ぶ)と物理
的若しくは化学的作用で自着性を発現する粒子(以下本
発明では単に「自着性粒子」と呼ぶ)を前記したような
高速気流中衝撃装置で処理することにより蛍光発色する
粒状物を製造する。この方法は数gの少量から数百kg
の多量に至る処理量の装置を自由に設計設置でき、受注
ロットの大小に制限されることがなく対応できるという
特徴がある。
【0017】本発明で使用する蛍光顔料は、水に難溶性
か不溶性であることが必要である。水への溶解性が高い
と蛍光剤が水に溶出してしまい本発明の目的を達成でき
なくなるからである。
【0018】本発明で使用する蛍光顔料は耐光性が優れ
ていれば無機および有機のものがいずれも使用できる。
有機の蛍光顔料としては具体的にはポリ塩化ビニル樹
脂、アルキッド樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、
ユリア樹脂、メラミン樹脂等の樹脂にフルオレッセイ
ン、エオシン、ローダミン6G、ローダミンB、ベーシ
ックイエローHG等の染料を均一に溶解させ粉砕させた
もの等を挙げることができる。これら染料が水に溶解性
があっても樹脂中に含まれた状態で粒子になっており、
粒子から染料の溶出がないか、溶出がわずかであれば本
発明に使用できる。
【0019】また、無機の蛍光顔料としては具体的に
は、銅、銀、マンガン等で活性化した硫化亜鉛、マンガ
ン等で活性化したケイ酸亜鉛、銀、銅等で活性化した硫
化亜鉛カドミウム、ビスマス等で活性化した硫化カルシ
ウム、サマリウム、セリウム等で活性化した硫化ストロ
ンチウム、鉛等で活性化したタングステン酸カルシウ
ム、ユーロピウム等で活性化したSr5(PO43
l、マンガン等で活性化したZn2GeO2、ユーロピウ
ム等で活性化したY22S、ユーロピウム等で活性化し
たY23等を挙げることができる。またこれらにアント
ラキノン系やアセトフェノン系等の増感剤を併用するこ
とも適宜行うことができる。
【0020】本発明で使用する蛍光顔料は、平均粒径が
0.1〜100μmであることが必要である。平均粒径
が、0.1μm未満では粒子が小さすぎ、軽くなりすぎ
るため装置中で舞ってしまい、その結果機械的衝撃を受
けにくくなり自着性粒子表面への粒子の効率的な固着が
できなくなってしまい、また、平均粒径が100μmを
越えると自着性粒子表面に付着する蛍光顔料の数が少な
くなり表面積に対する顔料被覆率が低くなり効率的でな
くなるからである。なお、本発明では、平均粒径は沈降
式粒度分布測定装置(商品名「ミクロン・フォート・サ
イザーMPS−Z」、(株)セイシン企業製造)で測定
した値を意味する。
【0021】本発明で得られる蛍光発色する粒状物を用
紙中に固着して使用するときは、粒状物は昼光若しくは
蛍光灯や白熱電球等の可視光領域の光を発する光源(以
下本発明では普通光と呼ぶ)のもとでは色相を有さない
か若しくは淡い色相を有するものが好ましい。これらの
蛍光発色する粒状物が用紙に含まれていても、普通光の
もとでは含まれていることが判らず、それだけ偽造防止
能が高まるからである。
【0022】無機系の蛍光顔料は耐光性に優れるので本
発明では好適に使用される。その中でも普通光では白色
か淡い色相のものが特に好ましい。例を挙げるとユーロ
ピウムで活性化したY22Sは、普通光のもとでは白色
であるが紫外線を照射することで赤色に発色する。また
マンガンで活性化したZn2GeO2は、普通光のもとで
は白色であるが紫外線を照射することで緑色に発色す
る。またマンガンで活性化した硫化亜鉛は、普通光のも
とでは淡い赤色であるが紫外線を照射することで橙色に
発色する。
【0023】本発明では、蛍光発色する粒状物を製造す
るに際して、異なった色相で蛍光発色する2種類以上の
蛍光顔料を使用することもできる。蛍光顔料は色相の選
択において選択できる種類が多く、2種類以上を併用す
ることで、種々の色相に蛍光発色する粒状物を自在に得
ることができ、紫外線照射下の顕微鏡的な観察等で2種
類以上の顔料を使用していることを特定でき、それだけ
偽造防止効果を高めることができる。蛍光染料は色相の
選択において選択できる種類が少なく、従って選られる
蛍光色の種類も少なくなる。
【0024】本発明で使用する自着性粒子とは、雰囲気
の温度を上昇すること、高温体に接触させて温度を上昇
すること、高周波を与えて温度を上昇すること、電磁波
を与えて温度を上昇すること、水温を上昇させること、
溶媒を付与すること、等の種々の物理的若しくは化学的
手段で、セルロース繊維、バインダー、白色顔料等の種
々の物質に固着する性質を発現する粒子を意味する。
【0025】本発明では、蛍光発色顔料を、高速気流中
衝撃法により自着性を発現する粒子表面に固着するに際
して、本発明の目的を阻害しない範囲で、蛍光顔料と自
着性粒子の他に添加剤、例えば二酸化チタン、二酸化ケ
イ素、カオリン、タルク等の白色顔料、着色顔料、高分
子物質からなる粉体等を添加できる。特に、蛍光顔料と
自着性粒子との固着強度が弱い場合は、固着強度と自着
性を向上する目的で、冷水では溶解しないで熱水で膨潤
またはその一部が溶解するデンプンやポリビニルアルコ
ール等の高分子物質からなる粉体を併用すると効果的で
ある。
【0026】また、自着性粒子の不透明度が低く(透明
度が高く)、蛍光発色する粒状物が用紙中に固着された
ときに、粒状物の不透明度が周辺(紙の部分)と異なる
ために、粒状物が用紙に固着されていることが明瞭に視
認できる場合がある。従って本発明では、抄紙工程上で
自着性を発現する蛍光発色する粒状物自体が実質的に不
透明であることが望ましい。実質的に不透明とは、蛍光
発色する粒状物が紙に固着された時に、その存在が判ら
ないか、若しくは注意して観察しないとその存在が判ら
ないことを意味する。これを実現する方法については後
に詳述する。
【0027】本発明で使用する自着性粒子を偽造防止用
紙に使用するときは、用紙を構成するセルロース繊維と
接着し、強固に固着することが好ましい。後に詳しく説
明するが、例えば抄紙機の乾燥ゾーンの温度や、オンマ
シンで、またはオフマシンで熱ロールの間を通過させる
ことで自着性を発現することが好ましい。自着性がない
と、蛍光発色する粒状物を抄込んだ偽造防止用紙の印刷
時、特にオフセット印刷においてブランケットに蛍光発
色する粒状物が転移してしまう問題を起こすからであ
る。
【0028】本発明で得られる蛍光発色する粒状物は、
自着性のある粒子表面に蛍光顔料が固着している。前に
述べたように、製紙工程の熱や熱水で自着性のある粒子
を構成する高分子物質が活性化して、粒子表面に固着し
ている蛍光顔料の間から滲み出て用紙を構成するセルロ
ース繊維と接着し固着する。
【0029】前述の自着性を発現する機構としては、自
着性粒子が用紙を構成するセルロース繊維と水素結合を
生ずるもの、または抄紙機の乾燥ゾーンの温度(通常8
0〜110℃)で軟化またはその一部が溶融してセルロ
ース繊維と接着するか、湿紙が乾燥する際に湿紙に含ま
れる水の温度が上昇することで自着性粒子が膨潤または
その一部が溶解してセルロース繊維と接着するか、いず
れかが考えられるが、本発明においてはいずれの発現機
構でも良い。
【0030】また、熱ロールの間を通過させることで物
理的若しくは化学的作用で自着性を発現する機構として
は、抄紙機の乾燥ゾーンの後に位置するマシンカレンダ
ーの表面温度を高くする方法や、マシンカレンダー前の
用紙の温度を赤外線ヒーター等を使用して高めておく方
法や、一度用紙を巻き取り、その後で熱カレンダーで処
理する方法等をいずれも採用できる。
【0031】本発明で使用する自着性粒子としては、天
然、合成、半合成を問わず、自着性を発現できればあら
ゆる粒子を使用でき、粒子状セルロース、ポリアクリル
酸エステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂等の熱可塑性高
分子粒子、ポリビニルアルコール粒子、デンプン粒子等
が挙げられるが、損紙等を熱水で処理することでセルロ
ース繊維を容易に回収できることから、本発明ではポリ
ビニルアルコール粒子、デンプン粒子が好適に使用され
る。
【0032】ポリビニルアルコールの場合は、冷水に不
溶で乾燥ゾーンの温度で膨潤若しくはその一部が溶解し
て用紙を構成するセルロース繊維と強固に接着すること
が望ましく、鹸化度が大きく、かつ重合度が大きいポリ
ビニルアルコールが好適に使用される。また、デンプン
粒子は普通熱水で容易に溶解(糊化)してしまうので、
ホルムアルデヒド、グリオキザール、エピクロルヒドリ
ン、オキシ塩化リン、ポリリン酸塩、ジイソシアネー
ト、ビスエチレン尿素、アジピン酸、アクロレイン等の
架橋剤を作用させることによって耐熱性を向上させるこ
とが好ましい。
【0033】本発明で使用できる自着性粒子の粒径は、
平均粒径50μm〜2mmが好ましい。平均粒径が50
μm未満であると、蛍光発色強度が低くなり、また2m
mを越えると用紙表面が粗くなりすぎるからである。特
に150〜500μmの粒径のものは、用紙表面を粗す
ことが少なく、大きさも適度であるので偽造防止用紙の
用途に好適に使用できる。
【0034】また、本発明で使用できる自着性粒子の形
状は、真球状、楕円形状、不定形粒子状のいずれも使用
可能であるが、紫外線の照射により蛍光発色させた時に
きれいに見え、従来にない形状を有することから偽造防
止効果が高まるので、真球状のものを使用することが特
に好ましい。ポリビニルアルコールやデンプン粒子は、
もともと親水性を有しているので、蛍光発色する粒状物
を水に浸漬すると膨潤して不定形粒子状が真球状に近く
変形するという別の利点もあり、本発明では好適に利用
できる。
【0035】上記真球状の粒子は、不定形の熱可塑性樹
脂粉末とこれと相溶性のない溶剤を媒体として、溶剤及
び熱可塑性樹脂粉末に不活性な無機質の分散剤を添加し
て、熱可塑性樹脂粉末の溶融温度以上で加熱攪拌してそ
の後冷却すること等の公知の製造方法を使用して製造す
る。
【0036】熱可塑性樹脂の中では、ポリエチレン系樹
脂(ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体な
ど)、アクリル酸エステル共重合体等は融点が低く、ま
た真球状の粒子を比較的簡単な方法で得ることができる
ので本発明では好適に使用できる。特に融点90℃〜1
00℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体は、抄紙機の乾
燥ゾーンの温度で樹脂の一部が軟化若しくは溶融し用紙
を構成するセルロース繊維と強固に接着する機能に優れ
る。
【0037】前述した自着性を発現する蛍光発色する粒
状物自体を実質的に不透明とする方法は、自着性粒子自
体を実質的に不透明にする方法、自着性粒子の表面に実
質的に不透明な物質を被覆する方法のいずれの方法によ
ってもよい。
【0038】自着性粒子自体を実質的に不透明にする方
法は、前述した自着性を有する樹脂に予め二酸化チタ
ン、二酸化ケイ素、カオリン、タルク等の白色顔料を混
合してから粒子化する方法や、先ず白色顔料を自着性粒
子に高速気流中衝撃法により固着させ、次いでこの表面
に蛍光発色する水不溶性の顔料を、同じく高速気流中衝
撃法により固着させる方法を採用できる。これらの方法
は、二酸化チタンによる発色強度の低下を軽減でき、蛍
光発色強度の大きな蛍光発色する粒状物を製造できる利
点がある。
【0039】以下、本発明の蛍光発色する粒状物の製造
例と得られた粒状物の特徴を述べる。 製造例1 紫外線の照射により緑色に発色する粒状物の製造例 自着性粒子として、平均粒径が850μmの真球状のポ
リエチレン粒子(住友精化(株)製造)100gと、蛍
光顔料として平均粒子径3.0μmのMn活性化Zn2
GeO2粒子100gを高速気流衝撃処理装置(商品名
「ハイブリタイザー」、(株)奈良機械製作所製造)に
投入し、8000回転で5分間処理することによってポ
リエチレン粒子の表面へ蛍光顔料を固着させた粒状物を
得た。この粒状物は普通光のもとでは無色であるが紫外
線の照射(ブラックライトの照射)で真球状の緑色に発
色した。この粒状物は、用紙上に振り掛けた後に熱ロー
ルを通過させると、用紙を構成するセルロース繊維と強
固に固着する性質を有していた。
【0040】製造例2 紫外線の照射により緑色に発色する粒状物の製造例 自着性粒子として、平均粒径が360μmの真球状のポ
リエチレン粒子(住友精化(株)製造)50gと、蛍光
顔料として平均粒子径3.0μmのMn活性化Zn2
eO2粒子50g、二酸化チタン50gを高速気流衝撃
処理装置(同上)に投入し、8000回転で5分間処理
後篩掛けすることによってポリエチレン粒子の表面へ蛍
光顔料を固着させた粒状物を得た。この粒状物は普通光
のもとでは無色であるが紫外線の照射(ブラックライト
の照射)で真球状の緑色に発色した。この粒状物は、用
紙上に振り掛けた後に熱ロールを通過させると、用紙を
構成するセルロース繊維と強固に固着する性質を有して
いた。また、併用した二酸化チタンの影響で、粒状物の
不透明度が向上しており、違和感のない用紙が得られ
た。
【0041】製造例3 紫外線の照射により緑色に発色する粒状物の製造例 自着性粒子として、平均粒径が250μmの真球状のポ
リエチレン粒子(同上)100gと、二酸化チタン10
0gを高速気流衝撃処理装置(同上)に投入し、800
0回転で5分間処理後篩掛けした。次いでこの処理物5
0gと、蛍光顔料(平均粒子径3.0μmのMn活性化
Zn2GeO2粒子)50gを高速気流衝撃処理装置(同
上)に投入し、8000回転で5分間処理後篩掛けする
ことによってポリエチレン粒子の表面へ二酸化チタンと
蛍光顔料を固着させた粒状物を得た。この粒状物は普通
光のもとでは無色であるが紫外線の照射(ブラックライ
トの照射)で真球状の緑色に発色した。発色強度は製造
例2で製造したものより大きかった。この粒状物は、用
紙上に振り掛けた後に熱ロールを通過させると、用紙を
構成するセルロース繊維と強固に固着する性質を有して
いた。また、併用した二酸化チタンの影響で、粒状物の
不透明度が向上しており、違和感のない用紙が得られ
た。
【0042】製造例4 紫外線の照射により緑色に発色する粒状物の製造例 自着性粒子として、二酸化チタンを15重量%含んだ平
均粒径が500μmの真球状のエチレン−酢酸ビニル共
重合体粒子(融点92℃)50gと、蛍光顔料(平均粒
子径3.0μmのMn活性化Zn2GeO2粒子)50g
を高速気流衝撃処理装置(同上)に投入し、8000回
転で5分間処理後篩掛けすることによってエチレン−酢
酸ビニル共重合体粒子の表面へ蛍光顔料を固着させた粒
状物を得た。この粒状物は普通光のもとでは無色である
が紫外線の照射(ブラックライトの照射)で真球状の緑
色に発色した。この粒状物をスラリーに添加して抄紙す
ると乾燥ゾーンの温度で、用紙を構成するセルロース繊
維と強固に固着する性質を有していた。また、併用した
二酸化チタンの影響で、粒状物の不透明度が向上してお
り、違和感のない用紙が得られた。
【0043】製造例5 紫外線の照射により赤色に発色する粒状物の製造例 自着性粒子として、完全鹸化型で分子量1800のポリ
ビニルアルコール粉砕品(商品名「クラレポバール」、
クラレ(株)製造)を篩に掛けて平均粒子径が1.5m
mの粒子を準備した。これを100gと、蛍光顔料とし
て平均粒子径2.2μmのEu活性化Y22S粒子10
0gを高速気流衝撃処理装置(同上)に投入し、120
00回転で5分間処理後篩掛けすることによってポリビ
ニルアルコール粒子の表面へ蛍光顔料を固着させた粒状
物を得た。この粒状物は普通光のもとでは無色であるが
紫外線の照射(ブラックライトの照射)で赤色に発色し
た。この粒状物を紙料に添加したところ、水分により膨
潤を起こしたが蛍光顔料が脱落することはなかった。ま
た、この粒状物を湿紙中に含ませ乾燥ゾーンを通過させ
ると用紙を構成するセルロース繊維と強固に固着した。
【0044】製造例6 紫外線の照射により青色に発色する粒状物の製造例 自着性粒子として、フラッシュドライ方式で製造した平
均粒子径1.0mmの耐熱性デンプン粒子100gと、
蛍光顔料として、平均粒子径0.8μmのEu活性化S
5(PO43Cl粒子100gを高速気流衝撃処理装
置(同上)に投入し、8000回転で5分間処理後篩掛
けすることによってデンプン粒子の表面へ蛍光顔料を固
着させた粒状物を得た。この粒状物は普通光のもとでは
無色であるが紫外線の照射(ブラックライトの照射)で
青色に発色した。この粒状物を紙料に添加したところ、
水分により膨潤を起こしたが蛍光顔料が脱落することは
なかった。また、この粒状物を湿紙中に含ませ乾燥ゾー
ンを通過させると用紙を構成するセルロース繊維と強固
に固着した。
【0045】製造例7 紫外線の照射により白色に発色する粒状物の製造例 自着性粒子として、平均粒径400μmの球状の結晶セ
ルロース粒子(商品名「セルフィアCP305」、旭化
成(株)製造)50gと、蛍光顔料として、Mn活性化
Zn2GeO250g、及びEu活性化Sr5(PO43
Cl50gを高速気流衝撃処理装置(同上)に投入し、
5000回転で5分間処理後篩掛けすることによってデ
ンプン粒子の表面へ蛍光顔料を固着させた粒状物を得
た。この粒状物は普通光のもとでは無色であるが紫外線
の照射(ブラックライトの照射)で白色に発色した。こ
の粒状物を紙料に添加したところ、水分によりわずかに
膨潤を起こしたが蛍光顔料が脱落することはなかった。
また、この粒状物を湿紙中に含ませ乾燥ゾーンを通過さ
せると用紙を構成するセルロース繊維と強固に固着し
た。結晶セルロース粒子はもともと不透明度が大きいの
で、違和感のない用紙が得られた。
【0046】このようにして製造した蛍光発色する粒状
物を電子顕微鏡で拡大して観察してみると、自着性粒子
の表面に蛍光顔料が固着している様子が観察された。製
造例1で得られた蛍光発色する粒状物の電子顕微鏡での
観察結果(写真)を図3と図4に示す。図4で判るよう
に、蛍光顔料(Mn活性化Zn2GeO2粒子)は自着性
粒子の内部にまで進入して固着されているので、蛍光顔
料が自着性粒子から脱落することはほとんどなくなる。
なお、本発明で得られる他の蛍光発色する粒状物もすべ
て同様な特徴を有している。
【0047】次に本発明の偽造防止用紙の製造例につい
て説明する。本発明の偽造防止用紙は、針葉樹晒クラフ
トパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LB
KP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、サ
ーモメカニカルパルプ(TMP)、藁パルプ、麻パル
プ、ケナフパルプ、等の製紙用パルプ単独あるいは2種
類以上を併用し、これに乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強
剤、サイズ剤、定着剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、
消泡剤、染料、着色顔料などを適宜併用した紙料を調製
し、これに前述したような方法で製造した蛍光発色する
粒状物を1種類若しくは異なった色相で蛍光発色する2
種類以上の粒状物を添加し、通常フリーネス550〜2
50mlC.S.F.で長網抄紙機や円網抄紙機等の公
知の抄紙機を使用して抄紙する。あるいは長網抄紙機へ
のスラリーの流送途中で蛍光発色する粒状物を添加し抄
紙する。あるいは円網抄紙機のバット中に蛍光発色する
粒状物を流送し抄紙する。多槽型円網抄紙機の場合は抄
合わせにより用紙を製造できるので、任意の紙層に蛍光
発色する粒状物を添加できる。
【0048】この蛍光発色する粒状物の添加量は、通常
用紙に対して0.01〜0.5重量%(乾燥重量換算)
であり、偽造防止用紙を製造するに際しての坪量は通常
50〜300g/m2である。
【0049】紙料中に蛍光発色する粒状物を添加するに
際しては、粒状物の比重が0.9〜1.2であること、
理想的には0.97〜1.03が好ましい。比重が0.
9未満であると粒状物が水に浮きやすくなり、また比重
が1.2を越えると水に沈みやすくなり、用紙中に不均
一に分布するようになるからである。
【0050】偽造防止用紙を製造するに際しては、用紙
を多層抄合わせ円網抄紙機等を使用して3層以上の紙層
で構成し、最外層以外の層に前記蛍光発色する粒状物を
固着させることもできる。この構成にすることで、蛍光
発色する粒状物が用紙の表面に露出せず、自着性の弱い
蛍光発色する粒状物も使用できること、表面平滑性が向
上すること、部分的な不透明度の低下が緩和されるこ
と、等の利点を生じる。
【0051】以上は用紙の全面に蛍光発色する粒状物が
分布した偽造防止用紙の製造例であるが、蛍光発色する
粒状物を筋状に用紙に偏在させた偽造防止用紙も公知の
方法を利用して製造することができる。例えば特公平6
−63200号で提案されている方法、即ち、円網抄紙
機の円網槽内の紙料液面と円網との境界部の上側に、ホ
ースの付いたノズルを設置し、蛍光発色する粒状物を含
んだ紙料を流し込み、任意の部分に一定幅で蛍光発色す
る粒状物を抄き込む方法を採用できる。
【0052】また、本出願人が先に出願した特願平5−
343107号(特開平7−166497号)で提案し
たように、貯留槽、貯留槽中に設置された撹拌羽根、傾
斜板からなる筋状振りかけ装置を長網抄紙機の抄紙網上
に設置し抄紙する方法も採用できる。
【0053】また、特開平6−108399号で提案さ
れているように、抄紙機上の紙匹に噴射作用を用いて蛍
光発色する粒状物を噴射して抄紙する方法も採用でき
る。
【0054】偽造防止用紙を製造するに際して、抄紙途
上で紙面に澱粉、ポリビニルアルコール、各種表面サイ
ズ等をサイズプレス装置等で塗工することも可能であ
る。さらに必要に応じ、マシンカレンダー処理やスーパ
ーカレンダー処理を施し、表面平滑性を向上させること
も適宜行われる。
【0055】本発明の偽造防止用紙は、以上述べた方法
の他に、蛍光発色する粒状物を抄紙機上のサイズプレス
装置等を使用して用紙表面に塗工することでも製造でき
る。この際、デンプンやポリビニルアルコール等の接着
剤を併用することもできる。
【0056】また、本発明の偽造防止用紙は、カオリ
ン、炭酸カルシウム、酸化チタン等の白色顔料と、デン
プン、スチレン−ブタジエン系合成ゴムラテックス、メ
チルメタアクリレート−ブタジエン系合成ゴムラテック
ス、ポリアクリル酸エステル系合成樹脂エマルジョン等
のバインダーを主成分とするアート紙やコート紙製造用
の塗料を調製し、この塗料中に前記蛍光発色する粒状物
を混合して原紙に塗工し、必要に応じて熱ロールの間を
通過させ、蛍光発色する粒状物を固着させた後に表面を
スーパーキャレンダー処理することでも製造できる。
【0057】また、本発明の偽造防止用紙は、デンプ
ン、スチレン−ブタジエン系合成ゴムラテックス、メチ
ルメタアクリレート−ブタジエン系合成ゴムラテック
ス、ポリアクリル酸エステル系合成樹脂エマルジョン等
を主成分とする塗料を調製し、この塗料中に前記蛍光発
色する粒状物を混合して原紙に塗工し、必要に応じて熱
ロールの間を通過させ、蛍光発色する粒状物を固着させ
た後に表面をスーパーキャレンダー処理することでも製
造できる。
【0058】また、本発明の偽造防止用紙は、印刷イン
キ中に混合して、スクリーン印刷機等を使用して用紙上
に印刷を施すことでも製造できる。この際、自着性粒子
をわずかに膨潤させる性質を有する溶剤を使用すること
が好ましい。こうすることで蛍光発色する粒状物が用紙
と強固に固着する。
【0059】本発明で得られた偽造防止用紙は、さらに
所定の印刷を施して偽造防止印刷物を製造することがで
きる。この偽造防止印刷物を原稿としてカラーコピー機
や写真製版を利用した多色印刷等により普通紙を使用し
た偽造を試みても、ブラックライト等を使用して紫外線
を照射することで、蛍光発色する粒状物の発光の有無を
容易に確認でき、真贋を容易に判定できる。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように本発明は構成され、下
記に述べるような顕著な効果が得られる。 1.本発明で得られる蛍光発色する粒状物は、蛍光染料
を繊維状物に固着させた従来の蛍光発色繊維状物と比較
して、従来にない真球状の発光が得られ、蛍光発色強度
が強く、耐光性に優れ、歩留まりも高く、安価に製造でき
る特徴を有している。 2.この蛍光発色する粒状物には蛍光顔料が強固に固着
しているので、用紙製造中に自着性を有する粒子からか
ら蛍光顔料が離脱することがなく抄紙できる。 3.蛍光顔料自体は比重が4〜5と大きいため、これ単
独で紙料に添加しても紙料の流送中に蛍光顔料が沈澱し
てしまう問題を引き起こす。これに対して本発明で得ら
れる蛍光発色する粒状物は比重を小さくすることがで
き、この問題を起こさない。 4.この蛍光発色する粒状物は、用紙を構成するセルロ
ース繊維と強固に接着させることができるので、オフセ
ット印刷等の印刷時に用紙から粒状物が離脱することが
ない。 5.必要に応じて自着性を発現する蛍光発色する粒状物
が実質的に不透明とすることができ、この粒状物が用紙
に含まれた時の違和感を無くすことができる。 6.このようにして製造した偽造防止用紙に所定の印刷
を施し、偽造防止印刷物を得ることができ、例えば、商
品券、株券、紙幣、身分証明書、各種チケット類、パス
ポート等、偽造防止を要求される分野に好適に利用でき
る。 7.また、前記蛍光発色する粒状物の特徴を利用して、
不織布の製造時に添加したり、フィルム等の表面にバイ
ンダーと共に塗工することで、ファッション性や意匠性
に特徴を持たせた不織布やフィルムを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 高速気流中衝撃装置の一例をその前後装置と
共に系統的に示した概念的な説明図である。
【図2】 図1の装置の側面断面図を示す。粉体処理装
置の一例をその前後装置と共に系統的に示した概念的な
説明図である。
【図3】 製造例1で得られた蛍光発色する粒状物の倍
率50倍での電子顕微鏡の観察結果(写真)である。
【図4】 製造例1で得られた蛍光発色する粒状物の倍
率2000倍の電子顕微鏡の観察結果(写真)である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 前カバー 3 後カバー 4 回転盤 5 衝撃ピン 6 回転軸 7 衝突リング 8 衝撃室 9 排出口 10 投入口 11 排出管 12 固気分離装置 13 投入管 14 原料供給用のシュート 15 原料ホッパー 16 開閉弁 17 切替弁 18 切替制御装置 19 循環回路 20 捕集器 21 排風管 22 吸引ブロワー 23 送風管 24 エアフィルター 25 調節弁 26 原料計量フィーダー 27 プレプロセッサー 28 ジャケット 29 ジャケット 30 ジャケット

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線の照射により蛍光発色する平均粒
    径が0.1〜100μmの水不溶性の顔料を、高速気流
    中衝撃法により、物理的若しくは化学的作用で自着性を
    発現する粒子表面に固着したことを特徴とする蛍光発色
    する粒状物。
  2. 【請求項2】 前記化学的作用で自着性を発現する粒子
    が、平均粒径5μm〜2mmの、冷水では溶解しないで
    熱水で膨潤またはその一部が溶解するポリビニルアルコ
    ール粒子であることを特徴とする請求項1記載の蛍光発
    色する粒状物。
  3. 【請求項3】 前記化学的作用で自着性を発現する粒子
    が、平均粒径5μm〜2mmの、冷水では溶解しないで
    熱水で膨潤またはその一部が溶解するデンプン粒子であ
    ることを特徴とする請求項1記載の蛍光発色する粒状
    物。
  4. 【請求項4】 前記物理的作用で自着性を発現する粒子
    が、平均粒径5μm〜2mmの真球形状のポリエチレン
    系樹脂粒子であることを特徴とする請求項1記載の蛍光
    発色する粒状物。
  5. 【請求項5】 前記ポリエチレン系樹脂粒子が酢酸ビニ
    ル−エチレン共重合体樹脂粒子であることを特徴とする
    請求項4記載の蛍光発色する粒状物。
  6. 【請求項6】 前記物理的若しくは化学的作用で自着性
    を発現する粒子が、抄紙工程上で自着性を発現すること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の蛍光
    発色する粒状物。
  7. 【請求項7】 前記抄紙工程上で自着性を発現する蛍光
    発色する粒状物の比重が0.9〜1.2であることを特
    徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の蛍光発色
    する粒状物。
  8. 【請求項8】 前記自着性を発現する蛍光発色する粒状
    物が実質的に不透明であることを特徴とする請求項1乃
    至7のいずれか1項記載の蛍光発色する粒状物。
  9. 【請求項9】 前記蛍光発色する粒状物が、白色顔料を
    含有した粒子表面に紫外線の照射で蛍光発色する水不溶
    性の顔料を、高速気流中衝撃法により固着したものであ
    ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載
    の蛍光発色する粒状物。
  10. 【請求項10】 前記自着性を発現する蛍光発色する粒
    状物が白色顔料を高速気流中衝撃法により、物理的若し
    くは化学的作用で自着性を発現する粒子表面に固着し、
    次いで蛍光発色する水不溶性の顔料を、高速気流中衝撃
    法により、固着したことを特徴とする請求項1乃至9の
    いずれか1項記載の蛍光発色する粒状物。
  11. 【請求項11】 前記紫外線の照射により蛍光発色する
    水不溶性の顔料が、異なった色相で蛍光発色する2種類
    以上の顔料であることを特徴とする請求項1乃至10の
    いずれか1項記載の蛍光発色する粒状物。
  12. 【請求項12】 前記蛍光発色する粒状物が用紙中に固
    着されていることを特徴とする偽造防止用紙。
  13. 【請求項13】 3層以上の紙層から構成され、最外層
    以外の層に前記蛍光発色する粒状物が固着されているこ
    とを特徴とする請求項12記載の偽造防止用紙。
  14. 【請求項14】 前記偽造防止用紙の表面に所定の印刷
    を施したことを特徴とする偽造防止印刷物。
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