JPH11200281A - 蛍光発色性デンプン粒子、およびそれを使用した特殊 紙 - Google Patents

蛍光発色性デンプン粒子、およびそれを使用した特殊 紙

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JPH11200281A
JPH11200281A JP2390498A JP2390498A JPH11200281A JP H11200281 A JPH11200281 A JP H11200281A JP 2390498 A JP2390498 A JP 2390498A JP 2390498 A JP2390498 A JP 2390498A JP H11200281 A JPH11200281 A JP H11200281A
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JP
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fluorescent
paper
starch
starch particles
weight
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JP2390498A
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Toru Murakami
徹 村上
Yasuhiko Asai
靖彦 浅井
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Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特異な形状や、蛍光発色能等の偽造防止能を
有した全く新規な蛍光発色性粒子を開発し、これを偽造
防止用紙等の特殊紙に利用すること。 【解決手段】 カチオン変性デンプン粒子にアニオン性
の蛍光発色剤を定着させるか、またはアニオン変性デン
プン粒子にカチオン性の蛍光発色剤を定着させ蛍光発色
性デンプン粒子を得る。この蛍光発色性デンプン粒子を
用紙中に含ませることで、偽造防止用紙の用途に好適に
使用できる特殊紙を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光発色性デンプ
ン粒子、およびそれを使用した特殊紙に関する。さらに
詳しくは、特定の蛍光発色剤を、特定のカチオン変性デ
ンプン粒子、またはアニオン変性デンプン粒子に定着さ
せた蛍光発色性デンプン粒子に関し、さらにこの蛍光発
色性デンプン粒子を紙中に含ませた特殊紙に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線の照射で特定波長の可視光を発す
る物質は種々知られており、これら物質を用紙中に含ま
せた特殊紙も種々知られている。これら特殊紙の主な用
途に偽造防止用紙がある。以下、本発明では偽造防止用
紙を例にとり説明する。
【0003】上記したように、紫外線の照射で蛍光発色
する物質を用紙に含む偽造防止用紙は種々提案されてい
る。この偽造防止用紙は、例えばブラックライトのよう
な紫外線を用紙に照射することで、用紙に含まれた蛍光
発色する物質が可視光領域の特定波長の光を発し、用紙
が偽造されたものであるか否かを判定できる特徴を有し
ている。
【0004】例えば、特公昭10−5193号には、サ
リチル酸ナフトール又はナフテン酸又はそれらの塩を紙
に浸潤させ、紫外線で蛍光発色する偽造防止用紙の製造
方法が提案されている。
【0005】また、特開昭58−54099号や、特公
昭56−16328号、特開平6−8678号等には、
紙中に、蛍光染色した繊維や蛍光顔料を紡糸時に添加し
た蛍光発色性繊維を含んだ偽造防止用紙が提案されてい
る。
【0006】また、本出願人は、先に出願した実願平4
−51094号(実開平6−6500号)で、紫外線の
照射で蛍光色を発する物質を紙に塗工し、それを粉砕し
て粒子状とした蛍光発色性粒子を用紙に抄き込んだ偽造
防止用紙を提案した。
【0007】また、本出願人は、先に出願した特願平5
−343106号(特開平7−166498号)で、紫
外線の照射で蛍光色を発し、抄紙工程で基紙と接着可能
な性能を有する細片を基紙の全面に遍在、若しくは筋状
に偏在させた偽造防止用紙を提案した。
【0008】これらの提案に共通したことは、蛍光発色
する何らかの物質を用紙に添加することである。蛍光発
色して見える形態は、上記特公昭10−5193号の場
合は用紙全面であり、特開昭58−54099号や、特
公昭56−16328号、特開平6−8678号では繊
維状であり、実開平6−6500号では粒子状であり、
特開平7−166498号では細片状である。これらの
蛍光発色する物質は、特異な形状と、蛍光発色する特性
を併せ持っていることで偽造防止能を高めているわけで
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来にない特異な形状を持ち、蛍光発色能を有する物質を
開発できれば、新たな偽造防止用紙を開発できることと
なる。また、蛍光発色能を有する物質が上記2つの性能
以外の特異な他の性能を持っていれば、より偽造防止能
が高まることとなる。本発明は、このような背景からな
されたものであり、特異な形状や、蛍光発色能等の偽造
防止能を有した全く新規な蛍光発色性粒子を開発し、こ
れを偽造防止用紙等の特殊紙に利用することを課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ある種の蛍光
発色剤にイオン性があることに注目し、カチオン性また
はアニオン性を付与したデンプンとそのイオン性と逆の
イオン性の蛍光発色剤とを水および/または有機溶媒中
で混合するだけで、簡単に蛍光発色剤が定着したデンプ
ン粒子(以下本発明では、単に蛍光発色性デンプン粒子
と呼ぶ)を製造でき、本発明の目的を達成できることを
見い出し本発明を完成させた。
【0011】即ち、本発明の要旨とするところは、カチ
オン変性デンプン粒子にアニオン性の蛍光発色剤を定着
させるか、またはアニオン変性デンプン粒子にカチオン
性の蛍光発色剤を定着させた蛍光発色性デンプン粒子を
得ることにある。
【0012】また、本発明の要旨とするところは、上記
蛍光発色性デンプン粒子を用紙中に含んだ特殊紙を得る
ことにある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳しく説明する。本
発明で用いられる蛍光発色性デンプン粒子を製造するに
は、特定のカチオン性またはアニオン性のデンプンを使
用する。カチオン性またはアニオン性のデンプンはデン
プン原料を使用して製造する。デンプン原料は特に限定
されるものではなく、例えば、小麦デンプン、米デンプ
ン、キビデンプン、サツマイモデンプン、ジャガイモデ
ンプン、サトイモデンプン、カンナデンプン、トウモロ
コシデンプン、タピオカデンプン、等が挙げられる。デ
ンプン粒子が小さいものを要求される場合には米デンプ
ン、サトイモデンプン、キビデンプン、等が、大きいも
のを要求される場合にはジャガイモデンプン、カンナデ
ンプン、等が選ばれる。
【0014】本発明で用いられるカチオン変性デンプン
は、前述した原料デンプンにカチオン化剤(例えば、ジ
エチルアミノエチルクロリド、3−クロロ−2−ヒドロ
キシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、2,3
−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド
等)を常法により反応させることによって得られる。
【0015】本発明で用いるカチオン変性デンプンの置
換度は0.01以上、好ましくは0.02〜0.1であ
る。置換度が0.01未満であると蛍光発色剤の吸着量
が少なくなり発色強度が大きい蛍光発色性デンプン粒子
が得られ難くなるからである。置換度が0.1を越える
とデンプンが冷水で膨潤しやすくなるので架橋処理する
必要がある。
【0016】この架橋カチオン変性デンプンは、高置換
度にすることによって、発色強度が大きい蛍光発色性デ
ンプン粒子を得る場合に使用できる長所があり、また水
中で蛍光発色剤と混合する温度が高くてもデンプンが糊
化する恐れがないという長所がある。架橋カチオン変性
デンプンは、上記のカチオン化反応の前後、あるいは同
時にホルムアルデヒド、グリオキザール、エピクロルヒ
ドリン、オキシ塩化リン、ポリリン酸塩、ジイソシアネ
ート、ビスエチレン尿素、アジピン酸、アクロレイン等
の架橋剤を作用させることによって得られる。架橋は、
定着処理水中でデンプンが糊化しない程度(糊化開始温
度がほぼ70℃以上になるように)に行う。
【0017】本発明で用いるアニオン変性デンプンは、
前述した原料デンプンにプロパンサルトン、ブタンサル
トン、モノクロル酢酸、クロロスルホン酸、無水マレイ
ン酸、無水コハク酸、オルトリン酸、ポリリン酸、メタ
リン酸塩等のアニオン化剤を常法により反応させること
によって得られる。
【0018】本発明で用いるアニオン変性デンプンの置
換度は0.01以上、好ましくは0.02〜0.1であ
る。置換度が0.01未満であると蛍光発色剤の吸着量
が少なくなり発色強度が大きい蛍光発色性デンプン粒子
が得られ難くなるからである。置換度が0.1を越える
とデンプンが冷水で膨潤しやすくなるので架橋処理する
必要がある。この場合、架橋カチオン変性デンプンの場
合と同様にアニオン変性デンプンに架橋剤を作用させて
架橋アニオン変性殺紛を製造する。
【0019】本発明では、予めデンプンを水または熱水
に溶解して、これをキャスト法等の方法で造膜してから
粉砕したり、造粒装置で造粒して、これらデンプン粒子
を前述した方法で処理することで、粒径の大きなイオン
性デンプン粒子を製造することもできる。
【0020】本発明で用いる蛍光発色剤としては、酸性
染料、金属錯塩染料、酸性媒染染料、反応染料、直接染
料等の中からアニオン性を有するものが用いられる。カ
チオン性染料としては、カチオン染料、塩基性染料等の
カチオン性を有するものが用いられる。
【0021】また、本発明ではイオン性を有する有機ま
たは無機の蛍光顔料を使用することもできる。例えばカ
チオン性顔料としては、有機または無機顔料粒子表面が
カチオン性界面活性剤またはカチオンポリマーで被覆さ
れたものを挙げることができる。有機顔料としては、フ
ルオレッセイン系、クマリン系、オキサゾール系、ピラ
ゾリン系、チアジアゾール系、スピロピラン系、ピレン
スルホン酸系、ベンゾイミダゾール系、ジアミノスチル
ベン系等の蛍光発色剤をアミノ基等のカチオン基を有す
るポリマーに混合し造粒したものを挙げることができ
る。また無機顔料としては、硫化亜鉛/銅活性顔料,硫
化亜鉛/マンガン活性顔料,硫化亜鉛/銀活性顔料等の
硫化物系やCaWO4,Y23/Eu活性等の無機蛍光
発色剤等をカチオン界面活性剤またはカチオンポリマー
で被覆したものを挙げることができる。
【0022】本発明の蛍光発色性デンプン粒子は、カチ
オン変性デンプンまたはアニオン変性デンプンにアニオ
ン性またはカチオン性の蛍光発色剤を水および/または
有機溶媒中で混合し、定着させて製造する。本発明の蛍
光発色性デンプン粒子の着色度合いはカチオン(アニオ
ン)化度により異なるが、通常はカチオン(アニオン)
変性デンプンとアニオン(カチオン)性の蛍光発色剤の
割合が重量比で、100:0.01〜10、好ましくは
100:0.1〜5の範囲である。蛍光発色性染料や顔
料が0.01より少ないときは蛍光発色強度が弱く、1
0以上にしてもそれ以上発色強度が大きくなることは余
り期待できず、むしろコストアップになるので好ましく
ない。
【0023】以下、蛍光発色性デンプン粒子の製造例を
記す。以下本発明では重量部、重量%はいずれも乾燥重
量部、乾燥重量%を意味する。また、本発明では「普通
光」とは、太陽光、蛍光灯、白熱灯、等の光を意味す
る。
【0024】蛍光発色性デンプン粒子の製造例1 (普通光のもとでは無色であり、紫外線の照射(ブラッ
クライトを使用)のもとで青色に発色する蛍光発色性デ
ンプン粒子の製造例)水200重量部に、アニオン性の
蛍光染料(商品名「ケイコールBUL」、日本曹達
(株)製造)0.2重量部を添加し、80℃に昇温して
から水200重量部を加え、40℃の染料溶解液を作っ
た。これに架橋4級カチオン変性デンプン(原料:ジャ
ガイモデンプン、窒素量0.8%、糊化開始温度83
℃)40重量部を投入し5分間攪拌し染料をカチオン変
性デンプンに定着させた。
【0025】蛍光発色性デンプン粒子の製造例2 (普通光のもとでは赤色であり、紫外線の照射(ブラッ
クライトを使用)のもとで赤色に発色する蛍光発色性デ
ンプン粒子の製造例)水200重量部に、カチオン性蛍
光染料(商品名「ローダミンB(L)」、保土谷化学工
業(株)製造)0.2重量部を添加し、80℃に昇温し
てから水200重量部を加え、40℃の染料溶解液を作
った。これにアニオン変性デンプン(原料:ジャガイモ
デンプン、カルボキシメチル化置換度0.05)40重
量部を投入し5分間攪拌し染料をアニオン変性デンプン
に定着させた。
【0026】蛍光発色性デンプン粒子の製造例3 (普通光のもとでは黄色であり、紫外線の照射(ブラッ
クライトを使用)のもとで黄色に発色する蛍光発色性デ
ンプン粒子の製造例)水200重量部に、アニオン性蛍
光染料(商品名「ダイレクトファーストイエロー T5
GN」、日本化薬(株)製造)0.2重量部を添加し、
80℃に昇温してから水200重量部を加え、40℃の
染料溶解液を作った。これに架橋4級カチオン変性デン
プン(原料:コーンスターチ、窒素量0.7%、糊化開
始温度78℃)40重量部を投入し5分間攪拌し染料を
カチオン変性デンプンに定着させた。
【0027】蛍光発色性デンプン粒子の製造例4 (普通光のもとでは無色であり、紫外線の照射(ブラッ
クライトを使用)のもとで青色に発色する蛍光発色性デ
ンプン粒子の製造例)カチオン化架橋デンプン粒子(原
料:ジャガイモデンプン、第四級アンモニウムクロリド
でカチオン化、カチオン化度:窒素含有率1.0%)5
0重量部を、水(40℃)450重量部に分散させた。
これにアニオン性界面活性剤で水に分散した蛍光顔料
(Eu活性化St5(PO43Cl)を2.5重量部添
加して蛍光発色性デンプン粒子を製造した。
【0028】本発明の蛍光発色性デンプン粒子は以上説
明したようにして製造されるが、この蛍光発色性デンプ
ン粒子を用いた特殊紙の製造について以下に説明する。
本発明の特殊紙は、針葉樹晒クラフトパルプ(NBK
P)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒
サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパ
ルプ(TMP)等の製紙用パルプを主体としこれに乾燥
紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、サイズ剤、定着剤、歩留
り向上剤、濾水性向上剤、消泡剤、染料、着色顔料など
を適宜併用した紙料を調製し、これに前述したような方
法で製造した蛍光発色性デンプン粒子を添加し、通常フ
リーネス550〜250mlC.S.F.で長網抄紙機
や円網抄紙機等の公知の抄紙機を使用して抄紙する。
【0029】あるいは長網抄紙機へのスラリーの流送途
中で蛍光発色性デンプン粒子を添加し抄紙する。あるい
は円網抄紙機のバット中に蛍光発色性デンプン粒子を流
送し抄紙する。多槽型円網抄紙機の場合は抄合わせによ
り用紙を製造できるので、任意の紙層に蛍光発色性デン
プン粒子を添加できる。あるいは、従来種々提案されて
いるように、蛍光発色性デンプン粒子をストライプ状に
添加したり、ノズルを使用して間欠的にワイヤ上の紙匹
に噴射してもよい。この際、抄紙途上で紙面に澱粉、ポ
リビニルアルコール、各種表面サイズ等をサイズプレス
装置等で塗工することも可能である。さらに必要に応
じ、マシンカレンダー処理やスーパーカレンダー処理を
施し、表面平滑性を向上させることも適宜行われる。
【0030】また、本発明の特殊紙はいわゆる塗工法に
よっても製造できる。即ち、本発明で得られる蛍光発色
性デンプン粒子を、デンプン、ポリビニルアルコール、
合成ゴムラテックス、合成樹脂エマルジョン、等の公知
のバインダーに添加して紙の表面にエアナイフコーター
等の公知の塗工機を使用して塗工することで製造でき
る。ストライプ塗工機を使用して用紙の表面にストライ
プ状に塗工することでも本発明の特殊紙は製造できる。
【0031】さらに、和紙などの薄紙に、本発明の蛍光
発色性デンプン粒子とバインダー等で構成される塗料を
塗工し、それを細片化して用紙に抄き込むことでも本発
明の特殊紙は製造できる。
【0032】また、本発明の特殊紙はいわゆる印刷法に
よっても製造できる。即ち、本発明で得られる蛍光発色
性デンプン粒子を、適当なビヒクルに混合してグラビア
印刷機等の公知の印刷機を用いて紙の表面に印刷するこ
とで製造できる。この際印刷は紙の全面に施しても、あ
るパターンを形成して施してもいずれでもよい。
【0033】また、本発明の特殊紙はいわゆる含浸法に
よっても製造できる。即ち、本発明で得られる蛍光発色
性デンプン粒子を、合成ゴムラテックス、合成樹脂エマ
ルジョン、等の公知のバインダーに添加して紙に含浸す
ることで製造できる。
【0034】
【実施例】実施例1 NBKP20重量部,LBKP80重量部を250ml
C.S.F.に叩解し、これに白土10重量部、紙力増
強剤(商品名「ポリストロン191」、荒川化学工業
(株)製造)0.3重量部、サイズ剤(商品名「サイズ
パインE」、荒川化学工業(株)製造)1.0重量部、
硫酸バンドを適量加え紙料を調製した。この紙料に前記
製造例1及び2で得られた蛍光発色性デンプン粒子をそ
れぞれ0.1重量部ずつ添加して、長網抄紙機を使用し
て坪量100g/m2の特殊紙を常法により製造した。
得られた特殊紙は普通光のもとでは赤色のみの蛍光発色
性デンプン粒子が視認でき、紫外線を照射(市販のブラ
ックライトを使用)することで赤及び青色の蛍光色を発
するデンプン粒子が視認できた。この特殊紙は偽造防止
用紙の用途に好適に使用できた。
【0035】実施例2 NBKP20重量部、LBKP80重量部を350ml
C.S.F.に叩解し、これに白土10重量部、紙力増
強剤(商品名「ポリストロン191」、荒川化学工業
(株)製造)0.3重量部、サイズ剤(商品名「サイズ
パインE」、荒川化学工業(株)製造)1.0重量部、
硫酸バンドを適量加え紙料を調製した。この紙料を用い
て長網抄紙機で坪量110g/m2の用紙を抄造する途
中の、抄紙網上に形成された紙匹に特願平5−3173
95号で提案した振りかけ装置を用いて上記製造例1の
蛍光発色性デンプン粒子をパルプに対して0.02重量
%になるように全面に振りかけて坪量110g/m2
特殊紙を抄造した。得られた特殊紙は普通光のもとでは
蛍光発色性デンプン粒子が視認できず、紫外線を照射
(市販のブラックライトを使用)することで青色の蛍光
色を発するデンプン粒子が視認できた。この特殊紙は偽
造防止用紙の用途に好適に使用できた。
【0036】実施例3 NBKP20重量部、LBKP80重量部を350ml
C.S.F.に叩解し、これに白土10重量部、紙力増
強剤(商品名「ポリストロン191」、荒川化学工業
(株)製造)0.3重量部、サイズ剤(商品名「サイズ
パインE」、荒川化学工業(株)製造)1.0重量部、
硫酸バンドを適量加え紙料を調製した。この紙料を用い
て長網抄紙機で坪量110g/m2の用紙を抄造する途
中の、第1群シリンダードライヤーと第2群シリンダー
ドライヤーの間に設置されたサイズプレス装置を用いて
上記製造例3の蛍光発色性デンプン粒子をカチオン化コ
ーンスターチ((商品名「CATO SIZE」、王子
ナショナル(株)製造)水溶液に添加し(乾燥換算の重
量比で1:10)この塗工液を2g/m2表面塗工し特
殊紙を製造した。得られた特殊紙は普通光のもとではご
くわずかに黄色を帯びた蛍光発色性デンプン粒子が視認
でき、紫外線を照射(市販のブラックライトを使用)す
ることで黄色の蛍光色を発するデンプン粒子が視認でき
た。この特殊紙は偽造防止用紙の用途に好適に使用でき
た。
【0037】実施例4 カオリン(商品名「UW90」、エンゲルハード(株)
製造)50重量部、炭酸カルシウム(商品名「タマパー
ルTP222H」、奥多摩工業(株)製造)50重量
部、分散剤(トリポリリン酸ナトリウム)0.25重量
部、酸化澱粉(日澱化学(株)製造)6重量部、スチレ
ン・ブタジエン共重合ラテックス(商品名「ニポールL
X407C」、日本ゼオン(株)製造)14重量部より
なる塗工液に上記製造例1の蛍光発色性デンプン粒子を
塗料に対して0.1重量%混合し、基紙の表面にエアー
ナイフコーターを使用して15g/m2塗工し、次いで
スーパーキャレンダー処理し特殊紙を製造した。得られ
た特殊紙は普通光のもとでは蛍光発色性デンプン粒子が
視認できず、紫外線を照射(市販のブラックライトを使
用)することで青色の蛍光色を発するデンプン粒子が視
認できた。この特殊紙は偽造防止用紙の用途に好適に使
用できた。
【0038】実施例5 NBKP:LBKP=1:1の配合で40重量部を45
0mlC.S.F.に叩解した。このスラリーに水酸化
アルミニウム粉体(商品名「B703」、日本軽金属
(株)製造)を75重量部混入し10重量%濃度のスラ
リーを調製した。このスラリーの固形分重量に対して湿
潤紙力増強剤を1重量%(商品名「WS−570」、日
本PCM(株)製造)、サイズ剤(商品名「サイズパイ
ンK−902」、荒川化学工業(株)製造)を0.3重
量%添加した後、アンモニア水でPHを8〜9に調整し
た。更にこのスラリーに高分子アニオン凝集剤(商品名
「ハイホルダー351」、栗田工業(株)製造)を0.
002重量%添加した後、前記製造例1の蛍光発色性デ
ンプン粒子をスラリーに対して0.0005重量%添加
して、常法により長網抄紙機で坪量70g/m2の原紙
を得た。次に水酸化アルミニウム(同上)84重量部に
分散剤を加えて分散し、これに塩化ビニリデン樹脂エマ
ルション(商品名「サランL115A」旭化成(株)製
造)16乾燥重量部を加え、さらに保水剤、消泡剤を加
え、濃度45重量%の塗料を調製した。この塗料を前記
原紙にエアナイフ塗工機を使用して、表裏25g/m2
ずつ塗工し、坪量120g/m2の特殊紙を得た。この
特殊紙を紙層から剥離させ普通光のもとで観察しても蛍
光発色性デンプン粒子が視認できず、紫外線を照射(市
販のブラックライトを使用)しながら顕微鏡で観察する
ことで青色の蛍光色を発するデンプン粒子が明瞭に視認
できた。この特殊紙は壁紙用基紙の用途に好適に使用で
きた。製造月ごとに蛍光発色性デンプン粒子を変更する
ことで製造日を特定できる壁紙用基紙が製造できること
となる。
【0039】
【発明の効果】1.本発明で使用するカチオンまたはア
ニオン変性デンプン粒子は、抄紙機の乾燥ゾーンの高温
でも溶解せず粒子状を保つので、これに蛍光剤を定着さ
せて用紙に混抄すると、紫外線の照射で特定の色相に発
色する特異な形状の粒子が視認でき、偽造防止用紙の用
途に好適に利用できる。
【0040】2.発色強度は単なるデンプン粒子を染着
させるよりはるかに強度が大きな発色が得られる。これ
はアニオン−カチオンまたはカチオン−アニオンの組み
合わせで、定着効率が飛躍的に高まっているからであ
る。従って用紙抄造中に蛍光発色剤がデンプン粒子から
離脱する(いわゆる「泣き出し」)ことがなくなる。ま
た、蛍光発色剤の歩留まりも高く製造できる。
【0041】3.この蛍光発色性デンプン粒子を使用し
て特殊紙を製造すれば、用紙製造中に蛍光発色性デンプ
ン粒子がドライヤーゾーンの熱と水分でわずかに膨潤し
用紙を構成するセルロース繊維と強固に接着するので粒
子が離脱することがなく抄紙できる。従ってキャンバス
やドライヤー表面を汚染することがなく、また印刷時に
粒子が脱落(例えばオフセット印刷でのブランケットの
汚れ)することもない。
【0042】4.また、本発明の特殊紙は、「沃素−デ
ンプン反応」によってデンプンの検出を容易に行うこと
ができ、これを偽造防止用紙等の用途に使用すると前記
した特異な形状と、蛍光発色能と併せ偽造防止能をより
高めることができる。
【0043】5.このようにして製造した特殊紙に所定
の印刷を施し、偽造防止印刷物を得ることができ、例え
ば、商品券、株券、紙幣、身分証明書、各種チケット
類、パスポート等、偽造防止を要求される分野に好適に
利用できる。
【0044】6.また、前記蛍光発色性デンプン粒子の
特徴を利用して、不織布の製造時に添加したり、撚糸製
造時等に添加することで、ファッション性に特徴を持た
せた不織布や織物を製造できる。
【0045】7.実施例5に述べたように、紙に顕微鏡
的なコードを付与する用途にも好適に利用できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン変性デンプン粒子にアニオン性
    の蛍光発色剤を定着させるか、またはアニオン変性デン
    プン粒子にカチオン性の蛍光発色剤を定着させたことを
    特徴とする蛍光発色性デンプン粒子。
  2. 【請求項2】 カチオン変性デンプン粒子、またはアニ
    オン変性デンプン粒子の置換度が0.01〜0.1であ
    ることを特徴とする請求項1記載の蛍光発色性デンプン
    粒子。
  3. 【請求項3】 カチオン変性デンプン粒子、またはアニ
    オン変性デンプン粒子の置換度が0.1を越え、かつ架
    橋されていることを特徴とする請求項1記載の蛍光発色
    性デンプン粒子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の蛍光
    発色性デンプン粒子を用紙中に含むことを特徴とする特
    殊紙。
JP2390498A 1998-01-20 1998-01-20 蛍光発色性デンプン粒子、およびそれを使用した特殊 紙 Pending JPH11200281A (ja)

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