JP2588211B2 - 中性紙の製造方法 - Google Patents

中性紙の製造方法

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【発明の詳細な説明】 (A)産業上の利用分野 本発明は、填料として炭酸カルシウムを含み、且つく
すみ付け剤を含有するパルプスラリーを以て中性領域で
抄紙する紙の製造方法に関するものであり、更に詳しく
は、炭酸カルシウム及びくすみ付け剤を含有させること
により白色度を調整し、不透明度を向上させることによ
りますます薄紙化及び軽量化する傾向にあるコート紙の
原紙として有用な中性紙の製造方法に関するものであ
る。
(B)従来の技術 通常、抄紙用填料は紙の白色度、不透明度、平滑性、
筆記性、印刷適性及び塗工適性等を向上させ、あるいは
紙の手触り、風合いを良くする為に使用され、更にはパ
ルプに代替して増量剤として使用されて来た。従来一般
的に行なわれているpH4.5前後で抄紙するいわゆる酸性
抄紙法においては、かかる抄紙用填料としてカオリン、
クレー、タルク、二酸化チタン、水酸化アルミニウム等
が使用され、一部には合成有機顔料等も使用されてい
る。最近中性抄紙方法の発展に伴い、従来酸性抄紙法で
は使えなかったアルカリ性填料が使える様になり特に炭
酸カルシウム系填料はその需要が増している。かかる炭
酸カルシウムは、例えば石灰乳に炭酸ガスを吹き込んで
沈澱させて製造する軽質炭酸カルシウムと石灰石を機械
的に粉砕して製造される重質炭酸カルシウムがある。こ
のうち軽質炭酸カルシウムは不透明度を改良する能力に
優れ、かつ白色度の高い安定した品質が得られるが、重
質炭酸カルシウムに比べ紙力の低下が大きく高価であ
る。一方重質炭酸カルシウムは、その原料の石灰石が我
国に於いて多量に産出し、安価に入手出来るが機械的粉
砕、分級といった手段で製造されるため、粒度分布の巾
が大きく、不透明化の能力は軽質炭酸カルシウムより劣
り、更にプラスチックワイヤーの摩耗性に問題がある。
中性抄紙系に於いては、このような特徴を持つ炭酸カ
ルシウムの能力を引き出し使いこなす為に、種々抄紙方
法が工夫され提案されている。しかし、より薄紙化、高
品質化の要求に応じてこれらの填料をより多く含有させ
ることは、紙の強度が低下するために限界がある。填料
の添加による強度の低下を少なくする試みとしては、A.
J.Hayesがペーパーテクノロジーアンドインダストリー
誌、1985年4月号に記載しているような、填料をカチオ
ン性高分子電解質で凝集後、紙料に添加する技術が知ら
れている。又、特公昭57−13680号には屈折率1.45〜1.6
5の顔料を凝集させた粒子をパルプスラリーに添加して
抄造し不透明度、白色度を向上させ、かつ填料の歩留り
を向上させることのできる紙の製造方法が、更に特開昭
54−116405号には直径0.1〜0.3μmの大きさの粒子を凝
集させ、凝集粒子を乾燥パルプに対して5〜80重量%含
有させた填料入り紙製品が開示されている。又、特公昭
62−24560号にはアルカリ性填料とカチオン性第3級ア
ミン系ポリアクリルアミド紙力増強剤及び水溶性アルミ
ニウム塩を含ましめて抄紙pHを6.5〜8.5に調整したパル
プスラリーを以て抄紙する紙の製造方法が開示されてい
る。更には特開昭60−119299号に重質炭酸カルシウムを
予めカチオン変性澱粉水溶液と混合した後、紙料中に添
加するワイヤー摩耗を改善した抄紙法についての開示が
ある。
(C)発明が解決しようとする問題点 パルプスラリー中に填料を分散し、抄造することによ
って必要とする不透明度を持つ紙あるいはコート用原紙
を得ようとすると、不透明度の要求が高くなるほど填料
の含有量が増し、それにつれて繊維間の結合が阻害され
強度が低下することになる。また予め填量を凝集させて
から紙料に添加し、抄造する技術によれば填料の増加に
よる紙の強度低下をある程度緩和させることが可能であ
るが、同時に不透明化の能力も低下し、不透明度の向上
と紙の強度は相反する関係にある。この相反する要求を
満足させるために本発明者は特願昭61−92547号で炭酸
カルシウムと黒色水溶性染料を使う方法を提案した。黒
色水溶性染料を使う方法は炭酸カルシウム含有量を減ら
して必要とする不透明度と紙の強度を得ることが可能で
ある。しかしこの黒色水溶性染料特にアゾ系の染料は塩
素系の漂白剤に弱く、最近中性抄紙系のスライムコント
ロール剤として注目されている二酸化塩素には特に弱く
一緒に使えないと言う問題点がある。スライムコントロ
ール剤は酸性抄紙系で培われて来た知識や技術が、中性
抄紙系にそのまま当てはまるとは限らず、色々苦心をし
ているのが現状である。最近二酸化塩素を中性抄紙系の
スライムコントロールに使うことが検討されつつあり、
効果を挙げている。ところが二酸化塩素は漂白剤でも有
り、製紙業者が通常使用している青味付けやくすみ付け
用の染料、主として直接染料、酸性染料、塩基性染料等
を破壊してその効果を著しく低下させることが判明し
た。スライムコントロール剤は菌の抗体化を防ぐ為に一
種類のみを長期間使えないので種々な系統のスライムコ
ントロール剤を組み合わせて用いるのが一般的である
が、その中の一つとして二酸化塩素を使っても問題のな
いと言うことは操業上大切な要件である。かかる問題点
を解決する為に、不透明度を高く保ち、填料の内添率を
出来るだけ下げて紙力の低下を少なくし、更に塩素系の
スライムコントロール剤と一緒に使える方法について研
究を重ねた結果、本発明を成すに至った。
(D)問題点を解決するための手段 即ち、本発明は(a)抄紙用填料として炭酸カルシウ
ムを含有し(b)白色度調整用くすみ付け剤として水に
分散した黒色顔料及び更に(c)カチオン性あるいは両
性の水溶性高分子物質を含有せしめて抄紙pHを6.5〜9.0
に調整したパルプスラリーを以て抄紙することを特徴と
する中性紙の製造方法の提供である。つまり、白色度が
高く不透明化効果の大きい炭酸カルシウムを填料として
使い、必要以上に向上した白色度をくすみ付け剤で調整
することにより、不透明度を向上させ、炭酸カルシウム
添加量を減らし、強度の低下を極力減少させることに成
功し、更にスライムコントロールに塩素系の薬剤を使え
る様にした中性紙の製造方法である。
本発明に於いて使用する填料は重質炭酸カルシウムあ
るいは軽質炭酸カルシウムである。重質炭酸カルシウム
は乾式粉砕あるいは湿式粉砕により平均粒子系を4μm
以下、好ましくは0.5μm〜3μmにしたもので、これ
らは通常塗工用顔料としても用いられるため、塗工機、
カッター、スーパーカレンダー等の工程から発生する損
紙を回収し、再離解して抄紙工程で使用すれば塗工用顔
料類も抄紙填料としてバージンフィラーと共に有効に使
用できる。軽質炭酸カルシウムは石灰石を焼成して得ら
れる生石灰と炭酸ガスを精製し、生石灰を水に溶かして
石灰乳としその中に炭酸ガスを吹き込んでつくる炭酸ガ
ス化合法または、石灰乳や塩化カルシウム溶液と炭酸塩
とを反応させて作る炭酸塩溶液化合法によって、合成さ
れた炭酸カルシウムが使用される。これら炭酸カルシウ
ムは紙中含有重量%で3%〜25%、好ましくは5%〜18
%にするのが良い。また本発明では填料として炭酸カル
シウムを単独で用いるだけでなく、一般的に用いられて
いる他の填料、カオリン、クレー、タルク、酸化チタン
などを併用することはなんら差し支えない。その場合本
発明の所望の効果を得る為には、炭酸カルシウム分が前
記範囲に成るようにする。特に軽質炭酸カルシウムは不
透明度効果が大きいので好ましい。
本発明に於いて使用するくすみ付け剤は黒色の顔料
で、通常界面活性剤あるいは高分子物質の保護コロイド
性を利用して水に分散可能にしたカーボンブラック等が
使われる。これらの顔料を紙に含有させる方法として
は、水に分散して紙料中に添加して抄造するいわゆる内
添法や製紙後サイズプレスやコーター等で付着させるい
わゆる外添法がある。中でも内添法が本発明の効果を発
揮する上にも、染着の均一性の点からも好ましく、この
場合顔料の定着を助けるためにカチオン性あるいは両性
の水溶性高分子物質を添加する必要がある更に極く少量
の水溶性アルミニウム塩を添加することも出来る。本発
明で使用するカチオン性あるいは両性の高分子物質とし
ては第二級アミン、第三級アミンあるいは第四級アンモ
ニウム基等を持つカチオン性あるいは両性の澱粉、ポリ
アクリルアミド等を挙げることが出来る。特に置換率0.
01〜0.1のカチオン性置換基を持つカチオン澱粉あるい
は両性澱粉が好ましい。この場合のカチオン性あるいは
両性の水溶性高分子物質の添加量は対パルプ重量当たり
0.1重量%〜3.0重量%が好ましいが、特に好ましくは対
パルプ重量当たり0.3重量%〜1.5重量%である。また水
溶性アルミニウム塩を併用する場合のそれらの例とて
は、硫酸アルミニウム(バンド)、塩化アルミニウム、
カリミョウバン、ポリ塩化アルミ、ポリ水酸化アルミな
どが挙げられる。通常硫酸バンドが使用され、コートブ
ローク等から入って来る余計なアニオン物質を封鎖して
カチオン性紙力剤の効率を高めたり、染料等の必要なア
ニオン性添加剤の定着性を高めたりするために使用され
る。この場合の水溶性アルミニウム塩の添加量は対パル
プ重量当たり0.1重量%〜1.2重量%であるが紙料のpHが
6.5以下になるほどの量を添加することは好ましくな
い。黒色顔料の添加量は対繊維重量あたり5ppm〜300pp
m,好ましくは10ppm〜250ppmである。
本発明に於ける紙料には、通常抄紙で用いられる添加
剤、例えばサイズ剤、填料、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力
向上剤、スライムコントロール剤、水性向上剤、保留
り向上剤等を必要に応じて含ませることが出来る。サイ
ズ剤としてはアルキルケテンダイマー系サイズ剤やアル
ケニルコハク酸無水物系サイズ剤が代表的例として挙げ
られるがこれらに限定されるものではない。また填料と
しては通常抄紙系で使用される物やコートブローク(故
紙や回収損紙)が併用出来ることは前に述べた。更に本
発明では通常用いられるスライムコントロール剤のほか
に最近使用が検討されている塩素系の殺菌剤、特に二酸
化塩素を使用することが出来る。
また本発明の紙料から抄造した紙の表面に澱粉、ポリ
ビニルアルコール、各種表面サイズ剤等の水溶性高分子
物質及び白色顔料等によるサイズプレスやゲートロール
等による加工をすることはなんら差し支えない。このよ
うにして製造された紙はそのまま、筆記用紙あるいは印
刷用紙として使用したり、アート紙やコート紙の原紙と
して使用される。特にコート原紙として使用した場合
は、実用上充分な強度、不透明度及び適当な白色度が得
られる為に好ましい。
(E)作用 填料の含有量に比例して不透明度は向上し、強度は低
下する。不透明度の向上は填料自体の光の散乱と、填料
によって繊維間結合が阻害され繊維間の非結合面積が増
えたことによる光の散乱度合いの向上とによって説明さ
れる。
強度低下は紙中の繊維分の含有率の低下と繊維間結合
面積の低下によって説明される。ここで不透明度は、主
に光の散乱によって得られている訳であるが、不透明度
が入射した光の何%が透過しないかの度合いと考える
と、光の散乱に加えて光りの吸収も影響する。従って、
強度を保つには填料の含有量を減らす必要があるが、同
時に減少する光散乱能力を染料等による光の吸収で補う
ことで不透明度を保てると考えられる。高白色度の炭酸
カルシウム填料による紙の白色度増加分を、丁度相殺す
るような黒色くすみ付け剤の添加がこの条件を満たして
いるために、填料の減少による紙力の向上と黒色くすみ
付け剤による不透明度の向上の相乗作用が成されている
のであろう。
また黒色くすみ付け剤として通常パルプの染着には用
いられない黒色顔料が良い理由はさだかではないが、水
に分散するために用いた物質が水中でアニオン性を持
ち、後で添加されるカチオン性基を持つ高分子物質によ
って繊維に定着されるため、中性抄紙系の紙料で使うこ
とが出来るのではないかと考えられる。
(F)実施例 以下に実施例を挙げて本発明の詳細な説明を行なう。
実施例において記載の部、%、ppmは、すべて重量によ
るものである。
なお実施例中の各測定値は以下の条件で測定したもの
である。原紙は坪量60g/m2,密度約0.63〜0.75の手抄き
した紙を用いた。また塗工紙は上記原紙の両面に各12g/
m2,宛、下記塗工液を卓上ブレードコーターにて塗布
し、スーパーカレンダー掛けをして用いた。
密度はやく1.19〜1.28であった。
<塗工液組成> カオリン 70 部(ジョージアカオリン) 湿式重カル 30 部(カービタル90) SBR 8 部 酸化澱粉 5 部 分散剤 0.1部 PH 9.5 (NaOHで調整) Conc. 63 % 不透明度の測定は、ハンター反射率計でグリーンフィ
ルター(557nm)で測定し、裏面に白色度90%の標準板
を当てたRwと黒色標準板を当てたRoの反射光量の比Ro/R
wを百分率で表わした。
内部結合強度はインターナルボンドテスター(熊谷理
機製)で1インチ角の紙片について測定した値を1cm2
に換算した値を用いた。
炭酸カルシウム含有量は絶乾重量を測定した紙片を1
%HCl溶液に約5分浸し、炭酸カルシウムを溶解して洗
浄した紙片の絶乾重量との差から炭酸カルシウム含有%
として表わした。
実施例1〜6 ディスクリファイナーによりカナダ標準水度で370m
lに叩解した広葉樹クラフトパルプ80部、470mlに叩解し
た針葉樹クラフトパルプ20部から成るパルプスラリーを
調成した。このパルプ固形分100部に対し、重質炭酸カ
ルシウム15部を添加し、黒色顔料としてサンダイDPブラ
ックPペースト2904(山陽色素社製 アニオン性界面活
性剤分散カーボンブラック)を各々8ppm,20ppm,40ppm,8
0ppm,160ppm,240ppm添加した。次いで硫酸バンド0.5
部、3級カチオン澱粉(王子ナショナル社製 Cato2M)
0.4部、アルキルケテンダイマーサイズ剤0.06部を添加
し、歩留り向上剤として高分子量のカチオン性ポリアク
リルアマイドを0.02部添加して紙料スラリーを調成し
た。このスラリーのpHは7.8であった。
このスラリーから坪量60g/m2,の紙を抄造し、90℃の
円筒ドライヤーで3分間乾燥して、実施例1〜6の原紙
を得た。またこれらの原紙に塗工層を設け各々実施例1
〜6の塗工紙とした。原紙物性及び塗工紙物性について
測定した結果を表1に示す。
比較例1 実施例1に於いて、黒色顔料を全く添加しない他は実
施例1と同様にして比較例1の試料を得た。
物性を測定した結果を表1に示す。
実施例7〜11 ディスクリファイナーによりカナダ標準水度で370m
lに叩解した広葉樹クラフトパルプ50部、470mlに叩解し
た針葉樹クラフトパルプ20部、330mlに叩解したセミケ
ミカルパルプ20部及び重質炭酸カルシウムを含むコート
ブローク10部から成るパルプスラリーを調成した。この
パルプ固形分100部に対し、軽質炭酸カルシウムを各々
3.5部、10部、16部、23部、30部添加し、黒色顔料とし
てエマコールNSブラック4901(山陽色素社製 高分子量
ポリマー分散カーボンブラック)を各々40ppm添加し
た。次いで硫酸バンド0.5部、両性澱粉(王子ナショナ
ル社製 Cato3210)1.2部、アルキルケテンダイマーサ
イズ剤0.1部を添加し、歩留り向上剤として高分子量の
アニオン性ポリアクリルアマイドを0.02部及びベントナ
イトを0.5部添加して紙料スラリーを調成した。これら
のスラリーのpHは各々6.8、7.7、8.2、8.8、8.9であっ
た。このスラリーから坪量60g/m2,の紙を抄造し、90℃
の円筒ドライヤーで3分間乾燥して、実施例7〜11の原
紙を得た。またこれらの原紙に塗工層を設け各々実施例
7〜11の塗工紙とした。原紙物性及び塗工紙物性につい
て測定した結果を表2に示す。
比較例2〜6 実施例7〜11に於いて、黒色顔料を全く添加しない他
は実施例7〜11と同様にして比較例2〜6の試料を得
た。物性を測定した結果を表2に示す。
実施例7〜11及び比較例2〜6の結果から炭酸カルシ
ウムの含有量が同じ場合は黒色顔料を入れた実施例に於
いて不透明度が高く、また同じ程度の不透明度の場合は
炭酸カルシウムと黒色顔料の両方を使った実施例の方が
比較例より強度が強いことは明らかである。
実施例12〜16 ディスクリファイナーによりカナダ標準水度で370m
lに叩解した広葉樹クラフトパルプ70部、470mlに叩解し
た針葉樹クラフトパルプ20部更にコートブローク(重質
炭酸カルシウム3部、カオリン3部及びパルプ分10部か
ら成る)10部から成るパルプスラリーを調成した。この
パルプ固形分100部に対し、軽質炭酸カルシウム13部を
添加し、黒色顔料としてポルックスブラックPP−8TO85
(住化カラー社製 アニオン性分散カーボンブラック)
を50ppm添加した。次いで硫酸バンド0.5部、4級カチオ
ン澱粉(AVEBE社製 パーフェクトアミルPW)0.7部、ア
ルキルケテンダイマーサイズ剤0.06部を添加し、歩留り
向上剤として高分子量のカチオン性ポリアクリルアマイ
ドを0.02部添加してパルプ濃度1%の紙料スラリーを調
成した。このスラリーのpHは7.9であった。
この紙料スラリーに対しスライムコントロール剤とし
てClO2を各々0.1ppm,0.3ppm,0.5ppm,0.8ppm,1.2ppm添加
した。
このスラリーから坪量60g/m2,の紙を抄造し、90℃の
円筒ドライヤーで3分間乾燥して、実施例12〜16の原紙
を得た。またこれらの原紙に塗工層を設け各々実施例12
〜16の塗工紙とした。原紙物性及び塗工紙物性について
測定した結果を表3に示す。
比較例7〜14 実施例12〜16に於いて、黒色顔料を全て直接染料カヤ
フェクトブラックS(日本化薬社製 C.I.direct Black
159)120ppmに代えた他は実施例12〜16と同様にして比
較例7〜11の試料を得た。また実施例15に於いてカチオ
ン澱粉を添加せず、黒色顔料を直接染料カヤフェクトブ
ラックS(日本化薬社製 C.I.direct Black 159)120p
pmに代えた他は実施例15と同様にして比較例12の試料を
得た。また実施例15に於いて黒色顔料を添加せず他は実
施例15と同様にして比較例13の試料を得た。更に実施例
15に於いて填料及びカチオン澱粉を添加せず他は実施例
15と同様にして比較例14の試料を得た。比較例14のスラ
リーのpHは6.2であった。原紙物性及び塗工紙物性につ
いて測定した結果を表3に示す。
(G)発明の効果 炭酸カルシウムの含有量が3〜25重量%であり、黒色
顔料及びカチオン性澱粉を含ましめて抄紙した紙は、炭
酸カルシウムのみで黒色顔料を使わないものに比べて、
同じ炭酸カルシウム含有量なら不透明度が高く、また同
じ不透明度なら強度が高く、印刷用紙特にコート紙用の
原紙として使用するに適当な紙が得られる。通常パルプ
の着色や紙の調色には用いられない黒色顔料の使用、特
に中性抄紙領域での使用が可能であることを見出したの
は本発明が初めてであり、またこれらの紙を抄造する
際、使用されることのある塩素系のスライムコントロー
ル剤、特にClO2と併用した場合でも上記効果が損なわれ
ないことは黒色顔料の使用によって初めて可能になっ
た。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)抄紙用填料として炭酸カルシウムを
    3重量%〜25重量%含有し、(b)白色度調整用くすみ
    付け剤として黒色顔料を対繊維重量あたり5ppm〜300ppm
    及び更に(c)カチオン性あるいは両性の水溶性高分子
    物質を含有せしめて抄紙pHを6.5〜9.0に調整したパルプ
    スラリーを以て抄紙することを特徴とする中性紙の製造
    方法。
  2. 【請求項2】炭酸カルシウムが主として軽質炭酸カルシ
    ウムである特許請求の範囲第1項記載の中性紙の製造方
    法。
  3. 【請求項3】くすみ付け剤を含有させることによって紙
    の白色度を60%〜80%に調整する特許請求の範囲第1項
    あるいは第2項記載の中性紙の製造方法。
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