JP4179167B2 - オフセット印刷用中性新聞用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、抄造時の灰分歩留まりが高く、かつオフセット印刷において断紙や紙粉トラブルがなく走行性に優れ、更に裏抜けが少なく印面品質に優れる中性新聞印刷用紙に関するものである。
新聞印刷用紙の軽量化、新聞抄紙機の高速化と両面脱水化、DIP高配合化などが重なり、新聞印刷用紙抄造時の灰分歩留まりは極めて低い状況にある。
一方、品質面では、新聞印刷用紙はいうまでもなく、高速大量印刷に耐えうることが最重要品質であり、断紙に関係する引張り強さに対する要求は極めて厳しい。また、大量印刷を短時間で行うため紙粉堆積による印面カスレなどの問題も重要視される。最近は、これらの走行性に関係する品質に加えて、カラーページの増加によって印刷品質への要求が年々厳しくなっている。特に印刷時に印刷された文字や画像が反対面から透けて見える現象、いわゆる裏抜けについては年々要求レベルが高くなっている。
新聞印刷用紙の裏抜けを少なくするためには、紙の不透明度及び吸油度を上げることが最も効果的であることが知られている。不透明度を上げるには、比散乱係数の大きい二酸化チタンを配合すると効果的であるが、二酸化チタンは高価であり、多く配合することは経済的ではない。酸性新聞印刷用紙の裏抜けを抑える方法としては、吸油度が高い填料を配合することが有効であり、ホワイトカーボンが広く使用されて来た。
最近の新聞印刷用紙に関する新技術として、新聞印刷用紙の中性抄造がある。酸性新聞用紙と同等以上の強度、不透明度、樹脂歩留、耐オフセット印刷版摩耗性の中性新聞用紙の提供を課題として、5〜15重量%の炭酸カルシウムを填料として含有する中性新聞用紙とその製造方法が開示されている。しかし、炭酸カルシウムの増添による紙の強度の低下については、有効な対策手段が述べられていない(特許文献1参照)。
更に、新聞印刷用紙の高灰分化の動きもある。本出願人は、填料(炭酸カルシウムを含む)を紙重量当たりの灰分として15重量%以上40重量%未満の含有率で含有するオフセット印刷用新聞用紙について出願している。しかし、填料増添による灰分歩留まりの低下と紙の強度低下に関する有効な対策手段が述べられていない。(特願2003-083046)。
新聞用紙の抄造においては、原料パルプ由来のリグニン成分や樹脂成分、原料パルプの漂白に使用した亜硫酸分、更にDIP由来の珪酸分や界面活性剤など、多種・多量のアニオン性物質が紙料中に存在し、パルプが短繊維であることと相俟って、パルプの歩留まりや填料の歩留まりが極めて低くなっている。従来の酸性抄造においては硫酸バンドを高添加できたため、硫酸バンドの添加のみ、または硫酸バンドと有機高分子凝集剤の添加により、ある程度の歩留まりを維持できていた。しかし、填料に炭酸カルシウムを使用する新聞用紙の中性抄造においては、この炭酸カルシウムと硫酸バンドとの反応により硫酸カルシウムが生成し、これが抄紙機内でスケールとなり、これが原因で紙面欠陥が発生するという問題があることから、硫酸バンドの添加量は制限される。従って、酸性抄造時と同レベルの歩留まりを維持するためには、高価な有機高分子凝集剤を高添加しなければならないという問題があった。このように、新聞印刷用紙の中性抄造において、高い歩留(特に灰分歩留まり)を達成できる技術の開発が望まれていた。
填料の歩留まりを高める技術として、填料を予備凝集させ、この凝集物を紙料へ添加する次のような技術がある。例えば、安価な一般の粒度の細かい白色顔料を用いて、比散乱係数の増加を効率良く行わせ、しかも紙層への歩留が良好で紙力や剛度の少ない紙の製造方法の提供を課題として、屈折率1.45〜1.65の顔料の基本粒子を凝集させて、内部空隙を多数形成するようにした前記顔料の凝集粒子をパルプスラリーに添加して、抄造することを特徴とする紙の製造方法が開示されており、該顔料として炭酸カルシウム、カオリン、無水硫酸カルシウム、石膏、亜硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、珪藻土が例示され、凝集方法として酸、塩基によるpH調整、硫酸アルミニウム等の無機凝集剤、有機高分子凝集剤の添加が示されている。しかし、この技術は内部空隙の孔径を約0.1μm以上かつ0.1μm近くに調整するものであり、この調整は難しい(特許文献2参照)。安価な炭酸カルシウムを使用し、不透明度を効率よく向上させしかも紙層への歩留が良好で、紙力や剛度の低下が少ない填料入り紙製品及びその製造法の提供を課題として、主としてパルプ及び炭酸カルシウムからなる紙製品において、前記炭酸カルシウム粒子直径0.1〜0.3μmの粒子を凝集させ、凝集粒子を乾燥パルプに対して5〜80重量%含有する填料入り紙製品とその製造方法が開示され、凝集方法として酸、塩基によるpH調整、硫酸アルミニウム等の無機凝集剤、有機高分子凝集剤の添加が示されている。しかし、この技術では凝集粒子径を安定化させるために脱水乾燥を行う必要があり、実用的ではない(特許文献3参照)。重質炭酸カルシウムを抄紙用填料として用いる際に生じる抄紙機のワイヤー摩耗を大幅に改善した抄紙法の提供を課題として、抄紙用填料として重質炭酸カルシウムも用いる抄紙方法において、該重質炭酸カルシウムを予めカチオン変性澱粉水溶液と混合した後、紙料中に添加する抄紙方法が開示されている(特許文献4参照)。主としてパルプおよび炭酸カルシウム填料からなる紙を製造する方法において、凝集剤としてカチオン化澱粉およびカチオン化グアーガムを使用して該填料を凝集させ、あるいは硫酸アルミニウムやポリ塩化アルミニウムなどの無機凝集剤を使用して該填料を凝集させた後にカチオン化澱粉およびカチオン化グアーガムを使用してさらに凝集させ、該凝集粒子を紙中に1〜50重量%添加する填料内添紙の製造方法が開示されている。しかし、この技術は2種類以上の凝集剤を使用するものであり、実用的ではない(特許文献5参照)。
また、砕木パルプや再生パルプなどの低等級パルプを全パルプ中に30%以上含む完成紙料(特に新聞用紙用完成紙料)に予備凝集填料を添加する紙の製造方法が開示されている。填料としてはクレイ、チャイナクレイ、リトポン、硫酸塩フィラー、チタン顔料、二酸化チタン、サチンホワイト、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏、白亜などが挙げられており、凝集剤としては水溶性ビニルポリマー、ガム、硫酸アルミニウム、マンノガラクタン、アニオン系澱粉誘導体、カチオン系澱粉誘導体が挙げられているしかし、紙の強度と裏抜けを同じに満たす手段や、填料凝集による表面強度低下に対する有効な手段の記述がない(特許文献6参照)。
特許第2889159号明細書 特許第1167392号明細書 特開昭54-116405号公報 特開昭60-119299号公報 特開平10-60794号公報 特開2000-129589号公報
本発明が解決しようとする課題は、抄造時の灰分歩留まりが高く、かつオフセット印刷時に断紙や紙粉発生が少なく、更に不透明度が高く裏抜けが少なく印刷品質に優れる中性新聞印刷用紙を提供することにある。
パルプ原料として脱墨パルプを含有するカチオン要求量が10μeq/l以上である紙料に、填料にロゼッタ型軽質炭酸カルシウム、凝集剤に置換度(DS)が0.01〜0.15のカチオン化澱粉または架橋型カチオン化澱粉を使用し、炭酸カルシウム/カチオン化澱粉または架橋型カチオン化澱粉=100/0.5〜10.0(固形分重量比)で調整した、レーザー回折法による平均粒子径が5〜130μmの予備凝集填料を、紙中灰分として5〜40固形分重量%含有する新聞印刷用紙原紙に、表面紙力剤を塗工して、坪量が37〜52g/m2のオフセット印刷用中性新聞用紙を得る。予備凝集填料を添加する紙料のカチオン要求量は、10μeq/l以上であることが好ましい。表面紙力剤はヒドロキシエチル化澱粉であることが好ましい。
抄造時の灰分歩留まりが高く、かつオフセット印刷時に断紙や紙粉発生が少なく、更に不透明度が高く裏抜けが少なく印刷品質に優れる中性新聞印刷用紙を提供できる。
本発明で製造されるオフセット印刷用中性新聞用紙のパルプ原料としては、特に限定されるものではなく、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、脱墨パルプ(DIP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)など、新聞印刷用紙の抄紙原料として一般的に使用されているものであればよい。その中でも、これらの原料パルプを混合した紙料のカチオン要求量が10μeq/l以上の紙料に本発明を適用すると、本発明の効果、特に灰分歩留まりの改善が顕著になる。好ましくは30μeq/l以上、更に好ましくは50μeq/l以上である。カチオン要求量が大きいほど、紙料中に含有されているアニオン性物質の量が多く、無機凝集剤や有機高分子凝集剤を内添する通常の歩留向上方法では、添加した凝集剤がアニオン性物質に消費されてしまう結果、目的とする填料の歩留まりが余り向上しない。一方、予備凝集填料を紙料に添加する方法では、予め填料を凝集させているため、紙料中のアニオン性物質の影響を受けにくいため、填料の歩留まりが大きく改善される。
本発明者らは、填料と凝集剤との組み合わせについて検討した結果、填料は炭酸カルシウム、凝集剤はカチオン化澱粉または架橋型カチオン化澱粉の組み合わせが最適であることを見出した。その理由は明らかではないが、次のようなことが考えられる。比表面積が大きく不透明度向上効果に優れる炭酸カルシウムを使用することで予備凝集填料を添加配合した紙の不透明度が向上しやすい。更にできた凝集填料粒子がカチオン性を帯びるため、パルプ繊維に効果的に定着しやすいことなどが考えられる。タルクを使用することも考えられるが、タルクは粒子が大きく、紙表面から脱離する填料が多くなり、印刷時の紙粉発生量が多くなってしまう。また、焼成クレーやカオリンでは、不透明度が低く、裏抜けが大きくなってしまう。
予備凝集用の填料は炭酸カルシウムであり、炭酸カルシウムの中でも軽質炭酸カルシウムがより好ましい。更に軽質炭酸カルシウムの形状は、ロゼッタ型が好ましい。填料の平均粒子径は0.1〜20μm、比表面積は3〜20mが好ましい。予備凝集填料の平均粒子径は特に紙の強度と不透明度に影響する。好適な平均粒子径は5〜130μmである。凝集の程度が弱く平均粒子径が5μm未満のときには、紙の不透明度は高いが強度は低くなり、歩留り向上効果も小さくなる。反対に凝集の程度が強く平均粒子径が130μmを超えるときには、紙の強度は高くなるが不透明度は低くなる。
予備凝集填料の調整に使用する凝集剤の種類は、カチオン化澱粉または架橋型カチオン化澱粉であり、第3級アミン基または第4級アンモニウム基を有する澱粉誘導体であり、その置換度(DS)は0.01〜0.15のものが使用される。好ましくは0.02〜0.07である。その原料はコーン、タピオカ、ポテトなど特に限定は無いが、糊化後の澱粉分子が大きいほど凝集力が強くなるので、コーンよりはタピオカ、タピオカよりはポテトのほうが好ましい。また、この観点から、架橋型カチオン化澱粉も好適に使用される。
炭酸カルシウムの水分散液にカチオン化澱粉または架橋型カチオン化澱粉の糊化液を添加する。炭酸カルシウム水分散液の濃度は5〜40固形分重量%、カチオン化澱粉または架橋型カチオン化澱粉の糊化液の濃度は0.05〜10固形分重量%が好ましい。予備凝集填料の平均粒子径の安定化、及び得られるオフセット印刷用中性新聞用紙の品質の安定化の観点から、炭酸カルシウム水分散液と、カチオン化澱粉または架橋型カチオン化澱粉の糊化液の流量はそれぞれ一定として一定の混合比でスタチックミキサーのような混合機を用いて混合することが好ましい。
凝集剤の量は凝集される炭酸カルシウムに対して0.5〜10.0固形分重量%とすることで、凝集填料の粒径を5〜130μmに調整しやすく、また凝集填料が抄紙機内で壊れ難くその形状を維持しやすい。凝集剤の量が炭酸カルシウムの0.5固形分重量%以下であると、凝集填料の平均粒子径は5μmより小さくなりやすく、反対に10.0固形分重量%以上になると平均粒子径が130μm以上になりやすい。
該炭酸カルシウム予備凝集物は、新聞印刷用紙用の混合パルプ原料に添加される。抄紙工程では各種のパルプが混合されるミキサー以後、ヘッドボックス以前に添加されることが好ましい。ヘッドボックスへ添加することが最適である。
本発明のオフセット印刷用中性新聞用紙中の該予備凝集填料の率は、5〜40固形分重量%である。好ましくは5〜30固形分重量%、更に好ましくは5〜20固形分重量%である。5固形分重量%未満では、填料の歩留まりは良好でオフセット輪転機での断紙、紙粉も問題ないが、不透明度が十分ではないため裏抜けが大きいという問題がある。40固形分重量%を超えると、パルプ繊維分が少ないため填料の歩留まりが低下してしまい、また紙粉量も多く問題となる。
本発明のオフセット印刷用中性新聞用紙を抄造するために用いられる抄紙機は、紙の2面性を抑制する意味で、両面脱水機構を有しているギャップフォーマー、ハイブリッドフォーマー、オントップフォーマーなどが望ましいが、これに限定されるものではない。プレス、キャレンダーなどは通常の操業範囲内の条件で処理を行えば良い。
本発明のオフセット印刷用中性新聞用紙の製造には、表面強度の強化を目的とした表面処理剤の外添塗工が必須である。塗工する薬剤は、生澱粉や、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉、アルデヒド化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉などの変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコールなどの変性アルコール、スチレンブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミドなどを単独または併用する。その中でも表面強度向上効果にすぐれるヒドロキシエチル化澱粉の塗工が最も好ましい。
また、外添塗工の薬剤は前記の薬剤以外に、スチレンアクリル酸、スチレンマレイン酸、オレフィン系化合物など一般的な表面サイズ剤を併用塗工することができるが、サイズ剤のイオン性がカチオン性であることで非常に良好な表面強度を得られることを見出した。その理由は、本発明での予備凝集填料はカチオン性であるので、カチオン性の表面サイズ剤の方がより表面にサイズ剤が留まって塗工され、紙のサイズ性が向上する。サイズ性が向上すれば、オフセット印刷時に水のしみ込みが少ないため、表面強度をより高く維持できる。
表面紙力剤と表面サイズ剤から成る表面塗工剤をオフセット印刷用新聞用紙原紙に塗工する場合、表面紙力剤と表面サイズ剤との混合比率は公知の範囲で行えば良く、特に限定はない。
オフセット印刷用中性新聞用紙原紙に表面塗工剤を塗工する装置は公用のものであれば良く、特に限定はないが、新聞抄紙機ではゲートロールサイズプレスが一般的であり、好ましい。
内添薬品としては、ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉などの乾燥紙力剤、ポリアミドアミンエピクロロヒドリンなどの湿潤紙力剤を添加することができる。また、填料の歩留まりを更に高める目的で、公知の無機凝集剤(硫酸バンドなど)や有機高分子系凝集剤を添加することもでき、公知の高歩留まりシステム(例えば、ハイドロコールシステム、コンポジルシステムなど)を併用することもできる。
得られるオフセット印刷用中性新聞用紙の坪量は37〜52g/m2の範囲であれば良く、通常のオフセット印刷用新聞用紙程度の平滑度、摩擦係数などを有するレベルであれば良い。
以下、本発明を実施例及び比較例をあげてより具体的に説明するが、当然のことながら、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の%は特に断りのない限り重量%を示す。
(1)予備凝集填料調整方法
予備凝集填料はスタティックミキサーを用いて凝集剤と填料を混合することで得た。
(2)平均粒子径測定方法
填料および予備凝集填料の平均粒子径はマルバーン(Malvern Instruments)社製マスターサイザー2000によって測定した。測定原理はレーザー回折法である。
各種填料と各種凝集剤との組み合わせが、灰分歩留まりに及ぼす影響について実験を行った。新聞印刷用の原料パルプは実際の抄紙機から採取した(日本製紙株式会社)。そのパルプ配合はDIP/TMP/NKP=60/25/15であり、カチオン要求量は34μeq/lであった。この原料パルプスラリーに予備凝集填料をパルプ/予備凝集填料=100/20となるように添加し、ダイナミックドレネージジャーテスターを用いて1,000rpmで填料歩留まりを測定した。
[予備凝集填料1] 填料を重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.5μm)、凝集剤をカチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、重質炭酸カルシウム/カチオン化澱粉=100/2の混合比で予備凝集させ、平均粒子径32μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。填料歩留まりは64%であった。
[予備凝集填料2]、
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、凝集剤をカチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、軽質炭酸カルシウム/カチオン化澱粉=100/2の混合比で予備凝集させ、平均粒子径38μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは67%であった。
[予備凝集填料3]
填料を重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.5μm)、凝集剤を架橋型カチオン化澱粉(原料はタピオカ、カチオン化DS=0.03)とし、重質炭酸カルシウム/架橋型カチオン化澱粉=100/2の混合比で予備凝集させ、平均粒子径41μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。填料歩留まりは68%であった。
[予備凝集填料4]
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、凝集剤を架橋型カチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、軽質炭酸カルシウム/カチオン化澱粉=100/2の混合比で予備凝集させ、平均粒子径48μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは73%であった。
[予備凝集填料5]
填料を二酸化チタン(平均粒子径0.4μm)、凝集剤をカチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、二酸化チタン/カチオン化澱粉=100/2の混合比で予備凝集させ、平均粒子径21μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。填料歩留まりは42%であった。
[予備凝集填料6]
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、凝集剤を両性ポリアクリルアミド(分子量300万)とし、軽質炭酸カルシウム/両性ポリアクリルアミド=100/2の混合比で予備凝集させ、平均粒子径21μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは44%であった。
[予備凝集填料7]
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、凝集剤をカチオン性ポリアクリルアミド(分子量300万)とし、軽質炭酸カルシウム/カチオン性ポリアクリルアミド=100/2の混合比で予備凝集させ、平均粒子径25μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは58%であった。
[予備凝集填料8]
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、凝集剤を両性澱粉(原料はタピオカ)とし、軽質炭酸カルシウム/両性化澱粉=100/2の混合比で予備凝集させ、平均粒子径20μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは61%であった。
予備凝集填料1、2と予備凝集填料5との比較から、予備凝集させる填料は炭酸カルシウムが優れていること、また、重質炭酸カルシウムよりは軽質炭酸カルシウムのほうが優れていることが解る。重質炭酸カルシウムはワイヤー磨耗が大きく、その点からも、軽質炭酸カルシウムの方が望ましい。また、予備凝集填料2、4と予備凝集填料6〜8の比較から、予備凝集に使用する凝集剤は、カチオン化澱粉、架橋型カチオン化澱粉が優れており、またカチオン化澱粉よりは架橋型カチオン化澱粉が優れていることが解る。
填料に炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム)、凝集剤にカチオン化澱粉または架橋型カチオン化澱粉を使用した場合の填料/凝集剤び配合比が、予備凝集填料の平均粒子径と灰分歩留まりに及ぼす影響について実験を行った。新聞印刷用の原料パルプは実際の抄紙機から採取した(日本製紙株式会社)。そのパルプ配合はDIP/TMP/NKP=60/25/15であり、カチオン要求量は34μeq/lであった。これを以下の予備凝集填料9〜28に示す。
[予備凝集填料9]
填料を重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.5μm)、凝集剤をカチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、重質炭酸カルシウム/カチオン化澱粉=100/0.5の混合比で予備凝集させ、平均粒子径13μmの予備凝集填料を得た。灰分歩留まりは57%であった。
[予備凝集填料10]
填料を重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.5μm)、凝集剤をカチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、重質炭酸カルシウム/カチオン化澱粉=100/3.0の混合比で予備凝集させ、平均粒子径49μmの予備凝集填料を得た。灰分歩留まりは68%であった。
[予備凝集填料11]
填料を重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.5μm)、凝集剤をカチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、重質炭酸カルシウム/カチオン化澱粉=100/7.0の混合比で予備凝集させ、平均粒子径98μmの予備凝集填料を得た。灰分歩留まりは71%であった。
[予備凝集填料12]
填料を重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.5μm)、凝集剤をカチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、重質炭酸カルシウム/カチオン化澱粉=100/0.3の混合比で予備凝集させ、平均粒子径8μmの予備凝集填料を得た。灰分歩留まりは52%であった。
[予備凝集填料13]
填料を重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.5μm)、凝集剤をカチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、重質炭酸カルシウム/カチオン化澱粉=100/12.0の混合比で予備凝集させ、平均粒子径131μmの予備凝集填料を得た。灰分歩留まりは74%であった。
[予備凝集填料14]
填料を重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.5μm)、凝集剤を架橋型カチオン化澱粉(原料はタピオカ、カチオン化DS=0.03)とし、重質炭酸カルシウム/架橋型カチオン化澱粉=100/0.5の混合比で予備凝集させ、平均粒子径16μmの予備凝集填料を得た。灰分歩留まりは63%であった。
[予備凝集填料15]
填料を重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.5μm)、凝集剤を架橋型カチオン化澱粉(原料はタピオカ、カチオン化DS=0.03)とし、重質炭酸カルシウム/架橋型カチオン化澱粉=100/3.0の混合比で予備凝集させ、平均粒子径69μmの予備凝集填料を得た。灰分歩留まりは72%であった。
[予備凝集填料16]
填料を重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.5μm)、凝集剤を架橋型カチオン化澱粉(原料はタピオカ、カチオン化DS=0.03)とし、重質炭酸カルシウム/架橋型カチオン化澱粉=100/7.0の混合比で予備凝集させ、平均粒子径112μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは75%であった。
[予備凝集填料17]
填料を重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.5μm)、凝集剤を架橋型カチオン化澱粉(原料はタピオカ、カチオン化DS=0.03)とし、重質炭酸カルシウム/架橋型カチオン化澱粉=100/0.3の混合比で予備凝集させ、平均粒子径7μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは60%であった。
[予備凝集填料18]
填料を重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.5μm)、凝集剤を架橋型カチオン化澱粉(原料はタピオカ、カチオン化DS=0.03)とし、重質炭酸カルシウム/架橋型カチオン化澱粉=100/12.0の混合比で予備凝集させ、平均粒子径138μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは79%であった。
[予備凝集填料19]
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、凝集剤をカチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、軽質炭酸カルシウム/カチオン化澱粉=100/0.5の混合比で予備凝集させ、平均粒子径16μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは60%であった。
[予備凝集填料20]
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、凝集剤をカチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、軽質炭酸カルシウム/カチオン化澱粉=100/3.0の混合比で予備凝集させ、平均粒子径55μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは70%であった。
[予備凝集填料21]
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、凝集剤をカチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、軽質炭酸カルシウム/カチオン化澱粉=100/7.0の混合比で予備凝集させ、平均粒子径104μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは74%であった。
[予備凝集填料22]
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、凝集剤をカチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、軽質炭酸カルシウム/カチオン化澱粉=100/0.3の混合比で予備凝集させ、平均粒子径8μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは56%であった。
[予備凝集填料23]
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、凝集剤をカチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、軽質炭酸カルシウム/カチオン化澱粉=100/12.0の混合比で予備凝集させ、平均粒子径133μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは77%であった。
[予備凝集填料24]
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、凝集剤を架橋型カチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、軽質炭酸カルシウム/架橋型カチオン化澱粉=100/0.5の混合比で予備凝集させ、平均粒子径18μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは67%であった。
[予備凝集填料25]
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、凝集剤を架橋型カチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、軽質炭酸カルシウム/架橋型カチオン化澱粉=100/3.0の混合比で予備凝集させ、平均粒子径81μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは76%であった。
[予備凝集填料26]
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、凝集剤を架橋型カチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、軽質炭酸カルシウム/架橋型カチオン化澱粉=100/7.0の混合比で予備凝集させ、平均粒子径122μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは78%であった。
[予備凝集填料27]
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、凝集剤を架橋型カチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、軽質炭酸カルシウム/架橋型カチオン化澱粉=100/0.3の混合比で予備凝集させ、平均粒子径9μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは63%であった。
[予備凝集填料28]
填料を軽質炭酸カルシウム(ロゼッタ型、平均粒子径3μm)、凝集剤を架橋型カチオン化澱粉(原料はタピオカ、DS=0.03)とし、軽質炭酸カルシウム/架橋型カチオン化澱粉=100/12.0の混合比で予備凝集させ、平均粒子径143μmの予備凝集填料を得た。これを原料パルプに添加して測定した。灰分歩留まりは81%であった。
重質炭酸カルシウム/カチオン化澱粉(凝集填料9〜13)、重質炭酸カルシウム/架橋型カチオン化澱粉(凝集填料14〜18)、軽質炭酸カルシウム/カチオン化澱粉(凝集填料19〜23)、軽質炭酸カルシウム/架橋型カチオン化澱粉(凝集填料24〜28)のいずれにおいても、凝集剤(カチオン化澱粉または架橋型カチオン化澱粉)の比率が高いほど、凝集填料の平均粒子径は大きく、歩留まりが高いことが解る。
カチオン要求量が異なる原料パルプのスラリーに予備凝集填料を添加し、ギャップフォーマー型抄紙機にて抄速1,600m/分で坪量40.5g/m2の新聞印刷用原紙を中性抄造し、オンマシンのゲートロールコーターで表面紙力剤または表面塗工剤(表面紙力剤、または表面紙力剤+表面サイズ剤)を両面で1.0g/m2塗工し、オフセット印刷用中性新聞用紙を得た。実施例1〜10、比較例1〜6。このオフセット印刷用中性新聞用紙について、オフセット輪転機による印刷試験で断紙、紙粉、裏抜けの評価を行った。
(1)カチオン要求量の測定方法
各種原料パルプを混合した完成紙料について、200メッシュの網で濾過し、この濾液のカチオン要求量を流動電流法により測定した。測定にはMuetekPCD-03(Muetek社製)を用いた。
(2)断紙、紙粉、裏抜けの評価方法
東芝オフセット輪転機を用い、印刷速度900rpmで墨単色印刷を行い、6万部印刷した時の断紙回数をカウントした。紙粉については、6万部印刷後のブランケット上に堆積している紙粉をかきとり、その重量を測定し、100cm2あたりの重量で表した。湿し水の膜厚は0.9μmとした。また、裏抜けは6万部印刷時の墨ベタ面を裏面から目視して評価した。
(3)供試原料パルプ
・原料パルプA:13μeq/l、DIP/TMP/NKP=80/5/15
・原料パルプB:34μeq/l、DIP/TMP/NKP=70/15/15
・原料パルプC:61μeq/l、DIP/TMP/NKP=60/25/15
[実施例1]
原料パルプAのスラリーに前記の予備凝集填料20を添加した紙料を抄紙し、表面紙力剤としてヒドロキシエチル化澱粉を塗工し、紙中灰分が15%のオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。断紙、紙粉、裏抜けの評価結果を表1に示す。
[実施例2]
原料パルプBのスラリーに前記の予備凝集填料20をヘッドボックスで添加した紙料を抄紙し、表面紙力剤としてヒドロキシエチル化澱粉を塗工し、紙中灰分が15%のオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。断紙、紙粉、裏抜けの評価結果を表1に示す。
[実施例3]
原料パルプCのスラリーに前記の予備凝集填料20をヘッドボックスで添加した紙料を抄紙し、表面紙力剤としてヒドロキシエチル化澱粉を塗工し、紙中灰分が15%のオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。断紙、紙粉、裏抜けの評価結果を表1に示す。
[実施例4]
原料パルプBのスラリーに前記の予備凝集填料20をヘッドボックスで添加した紙料を抄紙し、表面紙力剤としてヒドロキシエチル化澱粉を塗工し、紙中灰分が30%のオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。断紙、紙粉、裏抜けの評価結果を表1に示す。
[実施例5]
原料パルプBのスラリーに前記の予備凝集填料20をヘッドボックスで添加した紙料を抄紙し、表面紙力剤としてヒドロキシエチル化澱粉を塗工し、紙中灰分が40%のオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。断紙、紙粉、裏抜けの評価結果を表1に示す。
[実施例6]
原料パルプBのスラリーに前記の予備凝集填料25をヘッドボックスで添加した紙料を抄紙し、表面紙力剤としてヒドロキシエチル化澱粉を塗工し、紙中灰分が15%のオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。断紙、紙粉、裏抜けの評価結果を表1に示す。
参考例7]
原料パルプBのスラリーに前記の予備凝集填料10をヘッドボックスで添加した紙料を抄紙し、表面紙力剤としてヒドロキシエチル化澱粉を塗工し、紙中灰分が15%のオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。断紙、紙粉、裏抜けの評価結果を表1に示す。
参考例8]
原料パルプBのスラリーに前記の予備凝集填料1をヘッドボックスで添加した紙料を抄紙し、表面紙力剤としてヒドロキシエチル化澱粉を塗工し、紙中灰分が15%のオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。断紙、紙粉、裏抜けの評価結果を表1に示す。
[実施例9]
原料パルプBのスラリーに前記の予備凝集填料20をヘッドボックスで添加した紙料を抄紙し、表面紙力剤として酸化澱粉を塗工し、紙中灰分が15%のオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。断紙、紙粉、裏抜けの評価結果を表1に示す。
[実施例10]
原料パルプBのスラリーに前記の予備凝集填料20をヘッドボックスで添加した紙料を抄紙し、表面塗工剤(ヒドロキシエチル化澱粉/カチオン性表面サイズ剤=100/10)を塗工し、紙中灰分が15%のオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。断紙、紙粉、裏抜けの評価結果を表1に示す。
[比較例1]
原料パルプAのスラリーに、前記の予備凝集填料20用の軽質炭酸カルシウムとカチオン化澱粉とをヘッドボックスで別々に添加した紙料を抄紙し、表面紙力剤としてヒドロキシエチル化澱粉を塗工し、紙中灰分が15%のオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。なお、軽質炭酸カルシウムとカチオン化澱粉の比率は予備凝集填料20の比率と同じとした。断紙、紙粉、裏抜けの評価結果を表1に示す。
[比較例2]
原料パルプBのスラリーに、前記の予備凝集填料20用の軽質炭酸カルシウムとカチオン化澱粉とをヘッドボックスで別々に添加した紙料を抄紙し、表面紙力剤としてヒドロキシエチル化澱粉を塗工し、紙中灰分が15%のオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。なお、軽質炭酸カルシウムとカチオン化澱粉の比率は予備凝集填料20の比率と同じとした。断紙、紙粉、裏抜けの評価結果を表1に示す。
[比較例3]
原料パルプCのスラリーに、前記の予備凝集填料20用の軽質炭酸カルシウムとカチオン化澱粉とをヘッドボックスで別々に添加した紙料を抄紙し、表面紙力剤としてヒドロキシエチル化澱粉を塗工し、紙中灰分が15%のオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。なお、軽質炭酸カルシウムとカチオン化澱粉の比率は予備凝集填料20の比率と同じとした。断紙、紙粉、裏抜けの評価結果を表1に示す。
[比較例4]
原料パルプBのスラリーに前記の予備凝集填料20をヘッドボックスで添加した紙料を抄紙し、表面紙力剤としてヒドロキシエチル化澱粉を塗工し、紙中灰分が4%のオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。断紙、紙粉、裏抜けの評価結果を表1に示す。
[比較例5]
原料パルプBのスラリーに前記の予備凝集填料20をヘッドボックスで添加した紙料を抄紙し、表面紙力剤としてヒドロキシエチル化澱粉を塗工し、紙中灰分が50%のオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。断紙、紙粉、裏抜けの評価結果を表1に示す。
[比較例6]
原料パルプBのスラリーに前記の予備凝集填料23を添加した紙料を抄紙し、表面紙力剤としてヒドロキシエチル化澱粉を塗工し、紙中灰分が15%のオフセット印刷用新聞用紙を得た。断紙、紙粉、裏抜けの評価結果を表1に示す。
実施例1〜10では、填料歩留まり、断紙回数、紙粉量、裏抜けがいずれも良好であることが解る。実施例1〜3と比較例1〜3との比較から、凝集填料を添加した方が填料と凝集剤を別添加する方法よりも填料歩留まりが高くなること、この填料歩留まり向上幅は原料パルプのカチオン要求量が低いほど縮小することが解る。実施例2と比較例4、5との比較から、オフセット印刷用中性新聞用紙の紙中灰分が5%未満では裏抜けが大きく、紙中灰分40%を超えると断紙回数が多くしかも紙粉量も多く、いずれも実用できないことが解る。また、実施例1と比較例6から、凝集填料の平均粒子径が130μmを超えると裏抜けが悪化することが解る。
Figure 0004179167

Claims (4)

  1. パルプ原料として脱墨パルプを含有するカチオン要求量が10μeq/l以上である紙料に、填料にロゼッタ型軽質炭酸カルシウム、凝集剤に置換度(DS)が0.01〜0.15のカチオン化澱粉または架橋型カチオン化澱粉を使用して調整した、レーザー回折法による平均粒子径が5〜130μmの予備凝集填料を添加し、紙中灰分が5〜40固形分重量%である新聞印刷用紙原紙に、表面塗工剤を塗工して得られる坪量が37〜52g/m 2 であることを特徴とするオフセット印刷用中性新聞用紙。
  2. 予備凝集に用いる凝集剤の添加量が填料に対して0.5〜10.0固形分重量%であることを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷用中性新聞用紙。
  3. 表面塗工剤がヒドロキシエチル化澱粉であることを特徴とする請求項1または2に記載のオフセット印刷用中性新聞用紙。
  4. 予備凝集填料が抄紙工程のミキサー以後、ヘッドボックス以前に添加されることを特徴とする請求項1〜3に記載のいずれか1つのオフセット印刷用中性新聞用紙。
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