JP4592303B2 - 擬似中性新聞用紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、擬似中性新聞用紙の製造方法に関し、詳しくは、紙支持体抄紙pHを硫酸バンドを用いて調整し、填料として炭酸カルシウム、サイズ剤として酸性抄紙用サイズ剤をそれぞれ使用して、特に表裏の不透明性及びサイズ度(耐水性)にすぐれた擬似中性新聞用紙の製造方法に関するものである。
新聞用紙は表裏面に印刷がなされることから用紙に対する高い不透明性が求められる。この不透明性(用紙に対する印刷後の高い不透明性、いわゆる印刷不透明性を含む)は新聞用紙の軽量化に伴い一層重要なものとなっている。
一方、新聞印刷のオフセット輪転印刷化および高速化の急進により、それに付随して印刷媒体となる新聞用紙に対しても印刷適性や印刷作業性、耐水性が求められている。
また、抄紙機の高速化に伴い、抄紙機での歩留り、濾水性の改善も重要な課題となっている。特に、DIP(脱墨古紙パルプ)を多量に含む新聞用紙は、印刷適性などの点から填料および微細繊維をできるだけ多量に留まらせることが求められる。
こうした新聞用紙は、抄紙前の原料を酸性領域で抄造して製造するのが一般的であったが、近年、新聞用紙ではDIPに代表される古紙パルプの高配合率化が急進により、DIPや塗工ブロークから流入する炭酸カルシウムの影響による系のpHの不安定化、それに伴うサイズ剤の定着剤として添加する硫酸バンドの凝結効果やその他の添加剤の効果の低下といった問題が生じはじめている。
そこで、DIP等由来の炭酸カルシウムの影響を低減すべく、近年では、硫酸バンドや他の添加剤を多量に使用する抄紙技術、中性ないしアルカリ性領域で填料を多量に添加する抄紙技術、中性ないしアルカリ性領域で抄造した原紙の表面にサイズ剤を主成分とする塗工層を新たに形成する抄紙技術も行なわれはじめている(例えば、下記特許文献1等)。
このうち、中性ないしアルカリ性領域における抄紙技術は、パルプ本来の紙力を低下させることなく抄紙でき、また、填料の紙中の添加率が酸性紙に比べて増加し、しかも添加する炭酸カルシウムが古紙由来のものと比較して白色度が高く粒子も細かいため、高不透明度の新聞用紙が得られる。
特許第2889159号公報
しかしながら、中性領域で抄紙を行うために必要となるサイズ剤としては主として、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)等であり、これらはいずれも非常に高価である。このため、用紙が高価格化するという欠点がある。
そこで、本発明は、従来の中性抄紙、アルカリ性抄紙、pH5未満の酸性抄紙の有する欠点を解決するとともに、特に不透明度、耐水性がともに向上された安価な新聞用紙の製造方法を提供することをその課題とするものである。
本発明では、填料として炭酸カルシウムを用い、サイズ剤として酸性抄紙用のサイズ剤を用いて新聞用紙を製造する方法について検討してきたが、抄紙系のpHがpH5〜6となるように、すなわち抄紙前の紙支持体の熱水抽出液がpH5〜6になるように、硫酸バンドを加えてpH調整した擬似中性域で紙支持体の抄紙を行えば、上記課題を満たす新聞用紙が製造できることを見出した。次記の本発明はこれに基づいてなされたものである。その本発明は下記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
硫酸バンドを主成分とするpH調整剤により、原料パルプをpH5〜6の酸性側に調整して、抄紙する擬似中性抄紙法による擬似中性新聞用紙の製造方法であって、
前記原料パルプの80〜100%を脱墨古紙パルプとし、
サイズ剤の主成分として酸性抄紙用サイズ剤を添加し、
カチオン性凝結剤を純分で100〜5000ppm添加し、その後、カチオン性凝集剤を純分で50〜200ppm添加し、
填料の主成分として炭酸カルシウムを、JIS P 8128に規定される灰分が4.0〜12.0%となるように添加する、
ことを特徴とする擬似中性新聞用紙の製造方法。
本発明に従って、pHが5〜6になるように硫酸バンドを主としたpH調整手法による擬似中性抄紙法により抄造することにより、中性〜アルカリ性抄紙に用いられるサイズ剤と比較して安価な硫酸バンド、ロジン等の酸性抄紙用サイズ剤を利用できる。そしてpHが5〜6の領域では、炭酸カルシウムによるサイズ剤の効果の阻害が少ないことから、硫酸バンドやロジン等の酸性抄紙用サイズ剤を過度に添加する必要がなく、両者の反応に起因するスケール発生等がなくなる。
また、従来、中性ないしアルカリ性領域においてしか使用することが困難であった炭酸カルシウムを填料として新たに添加する場合にしても、適当量とすることが可能となる。また、硫酸バンドの過度の使用削減にともない、他の添加剤への影響は少なくなり、カチオン性凝集剤の効果が十分に発揮できる環境とされ、このカチオン性凝集剤を純分で50〜400ppm添加することにより炭酸カルシウム等の紙中の歩留まりが格段に向上し、紙の不透明度および耐水性が高まる。さらに当該カチオン性凝集剤の使用による前記硫酸バンドの使用量の削減も図られる。また、前記カチオン性凝集剤と合わせてあるいは単独で、カチオン性凝結剤を添加することができ、このようにした場合にも、同様に、炭酸カルシウムその他の填料の紙中への留まりが向上するとともに硫酸バンドの使用量の削減が図られる。このように填料の紙中への留まりが向上することにより、抄紙された新聞用紙の不透明度および耐水性が向上する。
してみると、本発明によれば、抄紙pHが5〜6の擬似中性でありながら、填料として炭酸カルシウムの適当量の添加ができるとともに、効率のよい紙中への留まりが発揮される。併せて、これに従来の安価な酸性抄紙用サイズ剤の使用できるようになった。
なお、本発明の新聞用紙は、中性またはアルカリ性で抄造されるのではなく、むしろ幾分酸性側で抄造されることから、“擬似中性”新聞用紙というべきものである。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
硫酸バンドはAl2(SO43・14H2Oで表される硫酸アルミニウム化合物で、抄造工程において一般的な酸性側でのpH調整剤である。一方、炭酸カルシウムは酸性側で使用すると、硫酸バンドと反応して炭酸ガスと硫酸カルシウムが生じる。炭酸ガスは泡立ちの原因となり、硫酸カルシウムは配管内部に固着してトラブルを引き起こす。
本発明は、pHが5〜6になるように擬似中性抄紙を行うに際して、填料として炭酸カルシウム、サイズ剤として硫酸バンド、ロジン等の従来の酸性抄紙用のサイズ剤を使用するというものである。ほぼ中性のpH域に硫酸バンドの添加量を抑えることによって抄造系内を中性域から若干酸性側へ移動させ、所望のpH値に変えることができる。ここで用いられるpHの調整剤としては、酸性の代表例として硫酸バンド、アルカリ性の代表例としては、苛性ソーダなどが挙げられる。硫酸バンド、苛性ソーダは、系内における汚染が少なく、他の添加剤への阻害影響が少ない。
pHが5〜6に調整されて抄造する場合には、炭酸カルシウムはもはや硫酸バンドとは反応しなくなり、填料として有効に使用される。本発明で使用される填料は炭酸カルシウムを主成分とするが、この他にもホワイトカーボン、クレー、タルクなどが使用できる。また、サイズ剤としては酸性抄紙で使用される硫酸バンドやロジンサイズ剤が好適に使用できる。硫酸バンドを酸性抄紙用サイズ剤として用いる場合には、新たに添加せずにpH調整剤として添加した硫酸バンドの未反応分を酸性抄紙用サイズ剤として作用させてもよい。なお、炭酸カルシウムの添加はできるだけ抄紙工程の後段において添加するのが好ましい。
そして上記のように、炭酸カルシウムが反応せずにスケールとなって析出しないことから、炭酸カルシウムを適当量新たに添加することが可能となる。それとともに新たに添加した炭酸カルシウムあるいはDIP等由来の炭酸カルシウムを紙中へ効率よく留まらせるべく、このような効果を奏するカチオン性凝集剤を使用することにより、従来抄紙方法と比較して炭酸カルシウムの紙中への留まりが格段に向上する。この紙中への留まりの向上によりコスト安に新聞用紙の不透明度の向上が図られる。また、カチオン性凝集剤は、炭酸カルシウムと硫酸バンドとの反応性を阻害する効果およびサイズ効果を奏することを本発明者らは知見しており、カチオン性凝集剤の使用により、サイズ剤としての硫酸バンドの使用量がより削減される効果も奏する。
カチオン性凝集剤としては、分子量300万〜2000万、好適には500万〜2000万であり、かつカチオン性単量体のモル%が5〜100モル%、好適には10〜100モル%のカチオン性水溶性重合体または共重合体が使用できる。具体的にはポリアクリルアミド等である。カチオン性水溶性重合体または共重合体の分子量が300万未満であると効果が十分ではなく、2000万より多くても効果の向上が小さくコスト高となる。
前記カチオン性凝集剤の添加は抄紙原料を抄紙網に対して供給する直前、いわゆるヘッドボックスの直線において添加するのが好適である。抄紙網において欠損する炭酸カルシウム量を格段に低減させることができる。ここで、本発明においては、カチオン性凝集剤の添加量は純分で50〜400ppmとする。好適には、100〜150ppmとする。50ppm未満では、炭酸カルシウムの歩留まり向上の効果が得られづらい。また、400ppmを超えて添加すると地合いが悪化する。
さらに、前記カチオン性凝集剤とともにまたは単独で添加剤として、カチオン性凝結剤を添加することができる。カチオン性凝結剤の添加によっても、前記カチオン性凝集剤とほぼ同様の効果が得られる。ただし、カチオン性凝結剤の場合は、カチオン性凝集剤よりも炭酸カルシウムの紙中への留まり効果が小さい。添加量については純分で100〜5000ppmとする。好適には、1000〜4000ppmとする。カチオン性凝結剤としては、カチオン性凝集剤と同様の組成の高分子、すなわちカチオン性水溶性重合体または共重合体が使用できるが、その分子量は小さいものを用いる。すなわち、カチオン性凝集剤としては、分子量1万〜500万、好適には10万〜200万であり、かつカチオン性単量体のモル%が5〜100モル%、好適には10〜100モル%のカチオン性水溶性重合体または共重合体が使用できる。具体例としてはポリアミン、カチオン化澱粉が挙げられる。カチオン性水溶性重合体または共重合体の分子量が1万未満であると効果が十分ではなく、500万より多くても効果の向上が小さくコスト高となる。その他、カチオン性凝結剤としては硫酸バンド等も使用できる。
カチオン性凝結剤の添加は、抄紙工程のいずれで添加してもよいが、特に前記カチオン性凝集剤と併用する場合には、抄紙工程の初期段階、すなわち、原料パルプスラリーに対して早い段階で添加するのが好ましい。そして、その後、カチオン性凝集剤を抄紙網前のヘッドボックスにおいて添加するのが最適である。かかる添加手順を採ると、抄紙原料が抄紙網にのる前のスラリー溶液状態においてカチオン性凝結剤の凝集効果によりパルプ繊維と炭酸カルシウムとの付着性が高まるとともに、抄紙網ではカチオン性凝集剤の凝集効果により繊維と炭酸カルシウムの付着性がより強固となって炭酸カルシウムの紙中への歩留まりが向上する。そして、このような添加手順をとる他の効果としては、炭酸カルシウムのさらなる歩留まりの向上とスムーズな抄紙作業ができる効果がある。
他方、本発明においては、不透明度を高めるために、原料パルプ中の機械パルプの含有割合を高めるのが望ましい。ここで機械パルプの種類は、特に限定されない。機械パルプは、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGP)、レファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプを原料とすることができる。
上記のように原料中の機械パルプの割合を増加させる手段としては、使用する原料パルプの80〜100%を、一般的に機械パルプの割合が多いDIPとすればよい。特に、本発明は、炭酸カルシウムを効果的に紙中へ留まらせることができることから、DIP高配合の原料パルプは、DIPの有する古紙由来の填料の多くを再利用することができ、炭酸カルシウムの添加量削減にもつながる。さらには、古紙を原料とするDIPの使用は、近年の環境保護などの見地からも望ましいことである。ここで、本発明に使用するDIPは、新聞印刷古紙、中質印刷古紙から脱墨されたDIPを使用することができる。
他方、本発明において填料として使用する炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウム(GCC)、或いは炭酸ガス化法や炭酸塩溶液化合法等の化学的方法によって製造された軽質炭酸カルシウム(PCC)であり、平均粒径が0.5〜10μmであれば製造方法は問わない。
本発明の擬似中性新聞用紙の製造は、前記原料パルプをほぼ中性pH域に硫酸バンドを添加してpH5〜6に調整し、これに例えば酸性抄紙用サイズ剤としてロジンや適宜の新たな硫酸バンドを添加し、抄紙工程の付着物の原因となる樹脂成分を繊維に定着させる。続いて、カチオン性凝結剤及び/又はカチオン性凝集剤を添加し、さらに、炭酸カルシウムを添加して抄造を行う。炭酸カルシウムの添加量は、DIP由来の填料成分を考慮して、紙中のJIS P 8128に規定される灰分が4.0〜12.0%となるようにするのが望ましい。灰分が多すぎると印刷時に粉落ちが発生しやすくなり、少ないと紙のコシがなくなり新聞としたときに読者が読みづらいものとなる。さらに、近年のオフセット印刷化に伴う印刷の鮮明化を考慮して不透明度についても、JIS P 8138に規定される不透明度が85〜95%となるように考慮して添加するのが望ましい。
ここで、本発明における新聞用紙の坪量は、近年の軽量化を考慮して、坪量35〜50g/m2好ましくは40〜46g/m2とするのが好適である。本発明では、このように軽量にしても、十分な不透明性が得られる。
その他、本発明の新聞用紙の抄造において、カレンダー処理、加圧処理、平滑化処理等の従来既知の処理を施して製品に仕上げることができる。
次に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。なお、ここでの部は重量基準である。
(比較例8)
バージンパルプ(機械パルプ100%)20部、DIP80部からなる原料パルプに、ロジンサイズ剤0.5部、炭酸カルシウム10部を添加し、さらに、カチオン性凝結剤(ハイモ株式会社製:ハイモロックNR−70)を純分で4000ppm添加した製紙原料に、苛性ソーダ及び硫酸バンドを適宜添加して抄紙pHを6に調整しつつ抄紙して、坪量43g/m2の新聞用紙を製造した。
(比較例9)
比較例8と同様にパルプ組成を混合し、これに苛性ソーダ及び硫酸バンドにて抄紙pHを5に調整し、さらに、ロジンサイズ剤0.5部、炭酸カルシウム10部と、カチオン性凝集剤(ハイモ株式会社製:ハイモロックDR−3015)を純分で150ppm添加し、坪量43g/m2の新聞用紙を製造した。
(実施例1)
比較例8と同様にパルプ組成を混合し、これに苛性ソーダ及び硫酸バンドにて抄紙pHを5.5に調整し、さらに、ロジンサイズ剤0.5部、炭酸カルシウム10部と、カチオン性凝結剤(ハイモ株式会社製:ハイモロック NR−70を純分で5000ppm、カチオン性凝集剤(ハイモ株式会社製:ハイモロック DR−3015)を純分で200ppm添加し、坪量43g/m2の新聞用紙を製造した。
(比較例1)
比較例8と同様にパルプ組成を混合し、これに苛性ソーダ及び硫酸バンドにて抄紙pHを6.5に調整し、さらに、ロジンサイズ剤0.5部、炭酸カルシウム10部を添加し、坪量43g/m2の新聞用紙を製造した。
(比較例2)
比較例8と同様にパルプ組成を混合し、これに苛性ソーダ及び硫酸バンドにて抄紙pHを4.5に調整し、さらに、ロジンサイズ剤0.5部、炭酸カルシウム10部、カチオン性凝結剤(商品名:NR−70)(純分1000ppm)、カチオン性凝集剤(商品名:ハイモロックDR−3015)(純分100ppm)を添加し、坪量43g/m2の新聞用紙を製造した。
(比較例3)
比較例8と同様にパルプ組成を混合し、これに苛性ソーダ及び硫酸バンドにて抄紙pHを5.5に調整し、さらに、ロジンサイズ剤0.5部、炭酸カルシウム10部、カチオン性凝結剤(商品名:NR−70)(純分1000ppm)、カチオン性凝集剤(商品名:ハイモロックDR−3015)(純分300ppm)を添加し、坪量43g/m2の新聞用紙を製造した。
(比較例4)
比較例8と同様にパルプ組成を混合し、これに苛性ソーダ及び硫酸バンドにて抄紙pHを5に調整し、さらに、ロジンサイズ剤0.5部、炭酸カルシウム10部、カチオン性凝結剤(商品名:NR−70)(純分6000ppm)、カチオン性凝集剤(商品名:ハイモロックDR−3015)(純分70ppm)を添加し、坪量43g/m2の新聞用紙を製造した。
(比較例5)
比較例8と同様にパルプ組成を混合し、これに苛性ソーダ及び硫酸バンドにて抄紙pHを7に調整し、さらに、ロジンサイズ剤0.5部、炭酸カルシウム10部、カチオン性凝結剤(商品名:NR−70)(純分1000ppm)、カチオン性凝集剤(商品名:ハイモロックDR−3015)(純分70ppm)を添加した。
(比較例6)
比較例8と同様にパルプ組成を混合し、これに苛性ソーダ及び硫酸バンドにて抄紙pHを6.5に調整し、さらに、アルケニルコハク酸系サイズ剤0.7部、炭酸カルシウム10部、カチオン性凝結剤(商品名:NR−70)(純分1000ppm)、カチオン性凝集剤(株式会社ハイモ社製:ハイモロックDR−3015)(純分100ppm)を添加した。
(比較例7)
比較例8と同様にパルプ組成を混合し、これに苛性ソーダ及び硫酸バンドにて抄紙pHを7.0に調整し、さらに、アルキルケテンダイマーサイズ剤0.8部、炭酸カルシウム10部、カチオン性凝結剤(商品名:NR−70)(純分1000ppm)、カチオン性凝集剤(商品名:ハイモロックDR−3015)(純分100ppm)を添加した。
上記の実施例および比較例について下記に示す試験を行い評価した。
[操業トラブル]実施例および比較例を実際に抄紙し、抄紙系において炭酸カルシウムの反応によってスケールが発生するか否かを目視にて確認した。評価は、スケールの発生がない、または、スケールの発生は確認されたが操業に影響を与えるほどではないと判断できたものを○、スケール発生が多く何らかの操業に問題が生じたものを×とした。
[コスト]最も原料コストのかからないものを1位として、他のものについて順位をつけた。
[不透明度]JIS P 8138 に基づいて測定した。
[印刷不透明度]オフセット輪転印刷機で、オフセット輪転印刷用インキ(墨)のインキ量を変えて印刷し、印刷面反射率が9%のときの、印刷前の裏面反射率に対する印刷後の裏面反射率の比率を求めた。なお、反射率の測定には分光白色度測色機(スガ試験機社製)を用いた。
[耐水性]JIS P 8140に基づいて測定した。
[地合い]東洋精機製作所製シーホーメンションテスターを用いて測定した。測定した地合いの変動係数が8%以下のものを○、8%を越えるものを×と評価した。
Figure 0004592303
表1からも見て取れるように、本願発明の実施例については、単純にpHを擬似中性領域にした比較例1と比べて、凝集剤、凝結剤を使用する分コストは高くなっているが、不透明度、印刷不透明度に関しては、格段に向上している、また、pH6.5以上の抄紙系でサイズ剤としてASAやAKDを使用した比較例6および比較例7と比べてコスト安である。さらには、pH4.5の酸性領域で抄紙した、比較例2では操業トラブルが発生したのに対して本実施例ではそのようなことはなかった。そして、比較例3および比較例4より、本願発明のカチオン性凝結剤およびカチオン性凝集剤の添加量の適当性が示されている。してみると、本願発明は、従来例と比較してコスト安で、かつ不透明度の高い新聞用紙であることが示されたといえる。
本発明は、新聞印刷により新聞紙とされる新聞用紙に利用でき、特に、オフセット新聞印刷の対象となる新聞用紙に適する。

Claims (1)

  1. 硫酸バンドを主成分とするpH調整剤により、原料パルプをpH5〜6の酸性側に調整して、抄紙する擬似中性抄紙法による擬似中性新聞用紙の製造方法であって、
    前記原料パルプの80〜100%を脱墨古紙パルプとし、
    サイズ剤の主成分として酸性抄紙用サイズ剤を添加し、
    カチオン性凝結剤を純分で100〜5000ppm添加し、その後、カチオン性凝集剤を純分で50〜200ppm添加し、
    填料の主成分として炭酸カルシウムを、JIS P 8128に規定される灰分が4.0〜12.0%となるように添加する、
    ことを特徴とする擬似中性新聞用紙の製造方法。
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