JPH07238497A - グラビア印刷用塗工紙の製造方法 - Google Patents

グラビア印刷用塗工紙の製造方法

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JPH07238497A
JPH07238497A JP3056394A JP3056394A JPH07238497A JP H07238497 A JPH07238497 A JP H07238497A JP 3056394 A JP3056394 A JP 3056394A JP 3056394 A JP3056394 A JP 3056394A JP H07238497 A JPH07238497 A JP H07238497A
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JP
Japan
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starch
paper
coated paper
coating
parts
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JP3056394A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Terao
知之 寺尾
Shigehiro Fukuda
繁宏 福田
Terunobu Fukui
照信 福井
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ブレードコーター用塗工液の塗工適性を改良
し、剛度とグラビア印刷適性に優れた塗工紙を効率良く
製造することができるグラビア印刷用塗工紙の製造方法
を提供する。 【構成】顔料と接着剤を主成分とする塗工液をブレード
コーターによって原紙上に塗工するにあたって、接着剤
として重量平均分子量5×104 〜26×104の澱粉
を顔料100重量部に対して5〜15重量部含有するグ
ラビア印刷用塗工紙の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグラビア印刷用塗工紙の
製造方法に関し、特に、ブレードコーター用塗工液の塗
工適性を改良し、剛度と印刷適性に優れた塗工紙を効率
良く製造することができるグラビア印刷用塗工紙の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】グラビア印刷は、ハイライト部から中間
調にかけての再現性が優れており、美しい写真印刷がで
きるため広く利用されている。そして、グラビア印刷は
金属ロールの凹版から直接紙面に転移させる印刷方式で
あるため、グラビア印刷用紙には高度な平滑性と同時に
高いクッション性が要求される。
【0003】グラビア印刷用塗工紙は印刷の再現性が良
好であるが、網点抜け(以下、ミッシングドットと記
す)を起こすと印刷効果が阻害されるので、十分な平滑
性とクッション性が必要である。そのため、グラビア印
刷用塗工紙の原紙に機械パルプを高率配合してクッショ
ン性を持たせたり、塗工層の接着剤として比較的クッシ
ョン性の良好なガラス転移点(以下、Tgと記す)の低
いソールバインダータイプのラテックスが好ましく使用
される。そして、塗工紙の仕上工程において平滑化のた
めに高圧のキャレンダー処理を行っている。
【0004】グラビア印刷用塗工紙は印刷適性として特
にミッシングドットを重要視して、サイズプレスを水塗
りにしたりサイズプレスを行わないようにし、塗工液の
配合にはソールバインダータイプのラテックスを使用し
澱粉類をできるだけ使用しないようにしている。その結
果、ブレードコーターの塗工時にスタラクタイトやブリ
ーディングと称する、ブレードの先端に高濃度あるいは
半固化した塗工液が堆積する問題が起こりやすい。この
問題点は続いてストリークやスクラッチの原因となっ
て、良好な塗工紙表面を形成させることができなくな
る。
【0005】スタラクタイトやブリーディングの改良手
段として、共重合体ラテックスをカルボン酸等の官能基
で変性したアルカリ感応型ラテックスとしてアルカリに
よって増粘させて塗工液の保水性を向上させたり、CM
C、アルギン酸ソーダ、ガム類、合成保水性改良剤、増
粘剤等の助剤を配合して塗工液に保水性を付与する方法
があるが、ブレードコーターの塗工適性を改良する手段
として十分な効果を得るには及ばないのが現状である。
【0006】しかも、Tgの低いソールバインダータイ
プのラテックスや高圧のキャレンダー処理は、紙の剛度
を損なう方向となる。紙の剛度が低いと印刷作業上好ま
しくなく、また、得られた印刷物は例えば雑誌のグラビ
アページに見られるように、いわゆる腰抜けの紙とな
る。そして、原紙にクッション性の良い機械パルプを高
率配合すると結束繊維等で表面の外観が劣り、紙の白さ
も低いものになり高級感を与えない。
【0007】一般のオフセット印刷用塗工紙の紙の剛度
を改良する技術については、原紙に剛直な針葉樹のクラ
フトパルプ(NKP)を高率配合する方法、澱粉をサイ
ズプレスや塗工層に高率配合する方法、さらに、Tgの
高いラテックスを使用する等の公知の方法がある。しか
し、いずれの方法も紙の剛度を向上させると紙表面の平
滑性およびクッション性を低下させて、グラビア印刷用
塗工紙としての印刷適性を低下させてしまう。
【0008】特開平4−370293号公報は塗工層を
原紙に設けた後に加熱蒸気を付与した後にソフトキャレ
ンダー処理する方法、特開平3−234895号公報は
塗工紙をソフトキャレンダー処理した後にスーパーキャ
レンダー仕上げする方法を提案しているが、これらの方
法は紙の剛度の改良効果が不十分である。
【0009】特開昭62−206098号公報は放射線
硬化型モノマーを含有する塗料を塗被し、特定工程後に
放射線照射する方法を提案しているが、この方法は特殊
な装置が必要でコストアップが避けられない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ブレードコ
ーター適性に優れた塗工液を用い、紙の剛度が高く、グ
ラビア印刷適性に優れた塗工紙を効率良く製造すること
ができるグラビア印刷用塗工紙の製造方法を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、顔料と接着剤
を主成分とする塗工液をブレードコーターによって原紙
上に塗工するグラビア印刷用塗工紙の製造方法におい
て、接着剤として重量平均分子量5×104 〜26×1
4 の澱粉を顔料100重量部に対して5〜15重量部
含有することを特徴とするグラビア印刷用塗工紙の製造
方法である。
【0012】そして、その澱粉が過硫酸塩を用いた熱化
学変性澱粉であることが望ましく、さらに、原紙が漂白
化学パルプを全パルプに対して80重量%以上含有する
場合により効果的である。
【0013】本発明者等は、グラビア印刷用塗工紙をブ
レードコーターで製造する時の塗工適性に優れた塗工液
であり、しかも、紙の剛度が高く十分な印刷適性を有す
るグラビア印刷用塗工紙を得るための塗工液について鋭
意研究した結果、塗工液に特定の重量平均分子量を有す
る澱粉を特定量配合することにより、ブレードコーター
適性が良く、紙の剛度が高く、グラビア印刷適性に優れ
た塗工紙が効率良く得られる製造方法を見出し本発明を
完成するに至った。
【0014】一般的にグラビア印刷用塗工紙の塗工液に
おける澱粉の配合量が同じであれば、澱粉の分子量が高
くなると塗工紙の剛度は向上し、逆にグラビア印刷適性
は低下する。乾燥により成膜した澱粉フィルムの強度は
澱粉分子間の水素結合に起因していると考えられ、高分
子量の澱粉ではこの分子間の水素結合の数が多いために
フィルム強度が向上し、結果的に塗工紙の剛度が向上す
ると考えられる。一方、強い澱粉フィルムは塗工層のク
ッション性を低下させるため、グラビア印刷適性を損な
うようになると考えられる。
【0015】本発明の塗工液に使用する澱粉はその重量
平均分子量を5×104 〜26×104 に設定すること
が重要である。重量平均分子量が26×104 を越える
と澱粉の重量平均分子量の増加に従って効果を示す塗工
紙の剛度向上が頭打ちになるのに対し、グラビア印刷適
性は急激に低下するので好ましくない。また、塗工液の
増粘が甚だしく、コーターでの塗りむら等を発生させ塗
工操業性を悪化させる。一方、重量平均分子量が5×1
4 未満では塗工紙の剛度が十分得られないばかりか、
グラビア印刷適性の低下をも引き起こす。この作用は必
ずしも明らかではないが、分子量が低すぎる澱粉はフィ
ルム形成能に乏しく、乾燥後の塗工層の平滑性が劣るの
ではないかと考えられる。
【0016】本発明における澱粉の重量平均分子量の測
定は、澱粉の分子量測定において重量平均分子量として
規定されている一般的な高速液体クロマトグラフィーを
用いた。なお、測定条件の詳細は実施例の評価方法に示
した。
【0017】澱粉の重量平均分子量は本発明の目的を達
する指標として優れている。一般に使用されているブラ
ベンダー粘度やB型粘度では見掛け粘性の判断基準には
なるが、本発明のブレードコーター塗工の流動性と保水
性を相乗した場合の指標としては実用性に不十分であ
る。
【0018】本発明に使用する澱粉の重量平均分子量を
調整する方法は例えば、過硫酸塩等による熱化学変性、
α−アミラーゼ等による酵素変性、次亜塩素酸塩等によ
る酸化変性等によって低分子化処理することができる。
また、エーテル化、アセチル化、α化、カチオン化等の
変性処理も可能で、冷水糊化可能の形態として使用する
と高濃度塗工液を得ることもできる。その原料澱粉は例
えばトウモロコシ、馬鈴薯、小麦、タピオカ等が使用さ
れる。
【0019】上記の澱粉を低分子化処理する方法の中で
も、生澱粉に過硫酸アンモニウムを添加して熱化学変性
した澱粉を塗工液の接着剤として使用することは、製紙
工場で自家変性することによって、コーター条件に最適
な重量平均分子量に調整することができるので最も好ま
しい方法である。この変性ではpH調節剤、アルカリ
剤、ゲル化防止剤、防腐剤、着色防止剤等の助剤を適宜
添加する。
【0020】この澱粉の配合部数は顔料100重量部当
たり、5〜15重量部、より好ましくは5〜10重量部
の範囲に設定する必要がある。澱粉の配合部数が5重量
部未満では塗工紙の剛度改良効果が少なく、塗工適性が
不十分となってブレードコーター塗工時にスタラクタイ
トを発生させやすく塗工操業性を損なう。一方、15重
量部を越えると剛度の向上よりも印刷適性の悪化が著し
く、また塗工液の増粘が甚だしく、ブレードコーターと
その後の乾燥での塗りむら等を発生させ塗工操業性を損
なうため好ましくない。
【0021】塗工液の接着剤は、本発明で使用する澱粉
以外に、本発明の効果を妨げない限りスチレン・ブタジ
エン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アク
リル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの
重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテック
ス、エチレン・酢酸ビニル系共重合体等のビニル系重合
体ラテックス;あるいはこれらの各種重合体ラテックス
をカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアル
カリ感応性あるいはアルカリ非感応性の重合体ラテック
ス等の共重合体ラテックス;ポリビニルアルコール、メ
ラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤;カゼイン、大豆蛋
白、合成蛋白等の蛋白質;カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体
等の通常の塗被紙用接着剤の一種以上を適宜選択して併
用しても構わない。但し、共重合体ラテックスのTgは
塗工層の平滑性やクッション性を考慮して−60〜0℃
のものを使用すると良い。
【0022】塗工層の接着剤合計量は顔料100重量部
に対して5〜30重量部程度の範囲で調整される。
【0023】本発明の塗工層に使用する顔料は、当業界
で使用されている顔料が使用され、特に限定されるもの
ではないが、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カル
シウム、サチンホワイト、亜硫酸カルシウム、石膏、硫
酸バリウム、タルク、カオリン、クレー、焼成カオリ
ン、ホワイトカーボン、デラミネートカオリン、構造化
カオリン、ケイソウ土、炭酸マグネシウム、二酸化チタ
ン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化亜鉛等、酸化亜鉛、酸化マグネシウ
ム、ベンドナイト、セリサイト等の無機顔料やポリスチ
レン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空
粒子等の有機顔料等が例示され、必要に応じて顔料を適
宜組み合わせて使用する事も可能である。
【0024】また、塗工液中には必要に応じて分散剤、
増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、滑剤、染料、pH
調節剤等の各種助剤も適宜配合される。
【0025】上記の条件で得られた塗工液は、原紙上に
塗工されるが、原紙の米坪については特に限定されるも
のではなく、30〜300g/m2 程度の範囲で目的に
応じて適宜選択され使用される。
【0026】原紙に塗工液を塗工する際は、ブレードコ
ーターによって一層および多層の塗工層を任意に設けて
よく、塗工装置は、例えばトレーリングブレード、フレ
キシブルブレード、パドルブレード、ロールアプリケー
ションブレード、ファウンテンアプリケーションブレー
ド、ショートドウエルブレード、ファウンテンブレード
アプリケーションブレード等のベベルタイプあるいはベ
ントタイプ等の一般に使用されている塗工装置が適宜使
用され、紙の両面または片面に塗工される。勿論、これ
らの装置はオンマシンでもオフマシンであってもよい。
【0027】原紙への塗工量は一般に乾燥重量で片面当
たり3〜50g/m2 程度であるが、得られるグラビア
用印刷塗工紙の白紙品質、印刷品質および適性あるいは
高速塗工における乾燥能力を考慮すると5〜20g/m
2 程度の範囲で調整することが望ましい。また、湿潤塗
工層を乾燥する方法としては、例えば蒸気乾燥、ガスヒ
ーター乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥等
の各種方式が採用される。
【0028】塗工紙はキャレンダー仕上げ処理するが、
キャレンダー圧力、ニップ数、金属ロール温度について
は特に限定されず、要求される品質に応じて適宜選択さ
れる。また、キャレンダー装置としてはスーパーキャレ
ンダー、ソフトキャレンダー、グロスキャレンダー、コ
ンパクトキャレンダー、マットスーパーキャレンダーマ
ットキャレンダー等の一般に使用されているキャレンダ
ー装置が適宜使用できる。
【0029】本発明のグラビア印刷用塗工紙に使用する
原紙は、パルプ、填料、サイズ剤、紙力増強剤、歩留り
向上剤および各種助剤等を添加して抄紙する。
【0030】パルプは、木材や麻等の植物繊維を原料と
するKP、SP等の化学パルプあるいはGP、TMP、
CTMP、CGP、SCP等の機械パルプや高歩留パル
プ、それらの漂白パルプ、また、古紙パルプ、合成パル
プ、無機質繊維等の中から適宜選択して使用される。
【0031】一般に原紙に漂白化学パルプを高率配合す
ると、塗工紙の平滑性は良くなるが、クッション性に欠
けるようになるため、グラビア印刷のミッシングドット
が悪くなる傾向がある。そして、漂白化学パルプを高率
配合した原紙は、同時にブレードコーター塗工時に塗工
液から選択吸収を起こしやすく、従来のグラビア印刷用
塗工液ではスタラクタイトの問題が顕著になる。また、
原紙に機械パルプを高率配合すると、クッション性は良
くなるが、塗工紙の平滑性に欠けるようになってしま
う。それを改善するためにキャレンダー処理によりさら
に平滑性を向上させミッシングドットの改良を行うと、
塗工紙の剛度は低下してしまう。
【0032】本発明の特定の澱粉を使用した塗工液をブ
レードコーター塗工によって原紙に塗工すると、ブレー
ドコーター塗工適性が優れているためスタラクタイト等
の問題点がなく効率良い塗工ができて、グラビア印刷の
ミッシングドットが少なく、紙の剛度低下を招かないグ
ラビア印刷用塗工紙を得ることが可能になる。特に、原
紙の漂白化学パルプ配合量が80%以上の場合に、本発
明による特定の澱粉を使用した効果が顕著である。そし
て望ましくは、グラビア印刷用塗工紙の外観とクッショ
ン性を良好とするために、漂白化学パルプとして繊維長
が短い広葉樹のパルプをできるかぎり高率使用すると良
い。
【0033】抄紙填料としては、当業界で一般に使用さ
れている填料が使用され、例えば重質炭酸カルシウム、
軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、石膏、タル
ク、カオリン、クレー、焼成カオリン、非晶質シリカ、
デラミカオリン、ケイソウ土、炭酸マグネシウム、二酸
化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水
酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等の無機顔料やポリスチ
レン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空
粒子等の有機顔料等が例示され、更に古紙やブローク等
に含まれる顔料も再生使用できる。また、必要に応じて
1種あるいは2種以上の填料を適宜組み合わせて使用す
ることも可能である。
【0034】なお、原紙中にはパルプ繊維や填料の他
に、本発明の目的効果を損なわない範囲で、従来から使
用されている各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン
性或いは両性の歩留り向上剤、濾水性向上剤、紙力向上
剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤が必要に応じて適
宜選択して使用される。例えばアルミニウム、鉄、ス
ズ、亜鉛等の多価金属化合物(硫酸バンド、塩化アルミ
ニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性塩化アルミニウム、
塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アルミニウム
化合物や水に易分散性のアルミナゾル等の水溶性アルミ
ニウム化合物あるいは硫酸第一鉄、塩化第二鉄等)や各
種サイズ剤(アルキルケテンダイマー系、アルケニル無
水コハク酸系、スチレン−アクリル系、高級脂肪酸系、
石油樹脂系サイズ剤やロジン系のサイズ剤等)および各
種澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹
脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド・ポリ
アミン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミン、植物ガ
ム、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリエチレン
オキサイド、親水性架橋ポリマー粒子分散物およびこれ
らの誘導体あるいは変成物等の各種化合物が例示でき
る。
【0035】さらに、染料、蛍光増白剤、PH調整剤、
消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール
剤等の抄紙用内添助剤を用途に応じて適宜添加すること
もできる。
【0036】抄紙方法については、例えば抄紙PHが
4.5付近である酸性抄紙によるもの、あるいは炭酸カ
ルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み抄紙P
Hが約6の弱酸性〜約9の弱アルカリ性で行う中性抄紙
によるもの等の方法がある。また、抄紙機も長網抄紙
機、ツインワイヤー機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機等
を適宜使用できる。
【0037】抄紙された原紙はサイズプレス処理も可能
である。サイズプレス液は、水、澱粉、各種化工澱粉、
各種水溶性セルロース、各種ポリビニールアルコール、
各種ポリアクリルアミド、ラテックス、アルキルケテン
ダイマー、スチレン−アクリル系、オレフィン−無水マ
レイン酸系、高級脂肪酸系の各種表面サイズ剤、エポキ
シ化合物等の耐水化剤、蛍光増白剤、消泡剤、湿潤剤、
帯電防止剤、各種無機顔料、各種有機顔料、染料、澱粉
粒子および各種添加剤も目的に応じて添加することも可
能である。
【0038】サイズプレス液の塗工方法については、例
えばツーロールサイズプレス、メタリングブレード式の
サイズプレス、ビルブレードサイズプレス、ゲートロー
ルサイズプレス、キャレンダーサイブプレス等の一般に
使用されているサイズプレス装置やコーター等の一般に
使用されている塗工装置が適宜使用され、紙の両面また
は片面に塗布される。
【0039】
【実施例】以下に本発明の効果を明確にするために、実
施例を挙げて説明するが、もちろんこれらに限定される
ものではない。なお例中の部および%はそれぞれ重量
部、重量%を示す。
【0040】実施例1 〔原紙〕LBKP(ユーカリ材、C.S.F 400ml)8
0部、NBKP(スプルース材、C.S.F 400ml)2
0部からなるパルプスラリー100部に軽質炭酸カルシ
ウム(タマパールTP−121/奥多摩工業社製)8部
を添加した後に順次、硫酸アルミニウム0.5部、カチ
オン澱粉(アミロファックス2200/松谷化学工業社
製)0.4部、アルキルケテンダイマー(サイズパイン
K−287/荒川化学工業社製)0.1部、アニオン性
ポリアクリルアミド(アラフィクス−504/荒川化学
工業社製)0.02部を添加し、紙料を調成した。得ら
れた紙料をツインワイヤー抄紙機で抄紙し47g/m2
の原紙を得た。
【0041】〔澱粉低分子化〕生トウモロコシ澱粉粉末
(王子コーンスターチ社製)100部(絶乾換算:以下
同様)に、過硫酸アンモニウム0.20部、NaOH
0.3部を添加し、固形分29%濃度の澱粉スラリーに
して、ジェットクッカー(TCC 12GPM型/加藤
化学社製)を使用して温度を30℃から150℃に昇温
した後に、温度150℃で5分間保持して澱粉を糊化低
分子化処理した。その糊液を温度を80℃に保持して澱
粉糊液を調製した。得られた澱粉は重量平均分子量5.
5×104であった。
【0042】〔塗工液と塗工紙〕カオリン(HT/エン
ゲルハード社製)70部、炭酸カルシウム(FMT−9
0/ファイマティック社製)30部、分散剤0.2部、
防腐剤0.05部、消泡剤0.1部、スチレン−ブタジ
エン共重合体ラテックス(L−1453/旭化成工業社
製)5.5部(固形分:以下同様)、上記条件で調製し
た澱粉糊液5部(固形分)を配合し固形分濃度55%の
塗工液として、上記条件で抄紙した47g/m2 の原紙
に乾燥重量が片面当たり15g/m2 となるようにブレ
ードコーターで両面塗工し乾燥後、スーパーキャレンダ
ー処理を行い、グラヒア印刷用塗工紙を得た。
【0043】実施例2 実施例1における澱粉量を10部とした以外は、実施例
1と同様にして塗工紙を得た。
【0044】実施例3 実施例1における澱粉量を15部とした以外は、実施例
1と同様にして塗工紙を得た。
【0045】実施例4 針葉樹GP(C.S.F 80ml)60部、NBKP(C.S.
F 400ml)40部からなるパルプスラリー100部
にタルク(NK−80/中央カオリン社製)8部を添加
した後に順次、強化ロジン(サイズパインE/荒川化学
工業社製)0.4部、硫酸アルミニウム2.4部を添加
し、紙料を調成した。得られた紙料を長網抄紙機で抄紙
し47g/m2 の原紙を得て、実施例2の塗工液を塗工
して実施例2と同様に塗工紙を得た。
【0046】実施例5 針葉樹GP(C.S.F 80ml)25部、NBKP(C.S.
F 400ml)25部、LBKP(C.S.F 400ml)
50部からなるパルプスラリー100部にタルク(NK
−80/中央カオリン社製)8部を添加した後に順次、
強化ロジン(サイズパインE/荒川化学工業社製)0.
4部、硫酸アルミニウム2.4部を添加し、紙料を調成
した。得られた紙料を長網抄紙機で46g/m2 に抄紙
し、ツーロールサイズプレスにより酸化変性澱粉(エー
スA/王子コーンスターチ社製)1.0g/m2 (固形
分)処理して原紙を調製した。この原紙に実施例1の塗
工液を塗工して実施例1と同様に塗工紙を得た。
【0047】実施例6 実施例1の澱粉低分子化において、新たにNa2 CO3
を0.05部添加した以外は、実施例1と同様にして塗
工紙を得た。この時に得られた澱粉の重量平均分子量は
25×104 であった。
【0048】実施例7 実施例6において、澱粉量を10部とした以外は、実施
例6と同様にして塗工紙を得た。
【0049】実施例8 実施例6において、澱粉量を15部とした以外は、実施
例6と同様にして塗工紙を得た。
【0050】実施例9 〔澱粉低分子化〕酸化変性トウモロコシ澱粉粉末(エー
スA/王子コーンスターチ社製)100部に、α−アミ
ラーゼ(スピターゼPG/長瀬産業社製)0.03部を
添加し、固形分20%濃度の澱粉スラリーにして、オー
トクレーブを使用して温度を30℃から120℃に30
分間で昇温した後、温度120℃で20分間保持して澱
粉を糊化低分子化処理した。得られた澱粉の重量平均分
子量は23×104 であった。
【0051】〔塗工液と塗工紙〕実施例1における澱粉
に上記澱粉を用いた以外は、実施例1と同様にして塗工
紙を得た。
【0052】実施例10 実施例9における澱粉量を10部とした以外は実施例9
と同様にして塗工紙を得た。
【0053】実施例11 実施例9における澱粉量を15部とした以外は実施例9
と同様にして塗工紙を得た。
【0054】比較例1 実施例1における澱粉量を5部から3部にした以外は、
実施例1と同様にして塗工紙を得た。
【0055】比較例2 実施例6における澱粉量を5部から3部にした以外は、
実施例6と同様にして塗工紙を得た。
【0056】比較例3 実施例1における澱粉量を5部から17部にした以外
は、実施例1と同様にして塗工紙を得た。
【0057】比較例4 実施例1において、過硫酸アンモニアの添加量を0.2
0部から0.25部にすると同時に塗工液に添加する澱
粉量を5部から15部にした以外は、実施例1と同様に
して塗工紙を得た。なお、得られた澱粉の重量平均分子
量は4×104であった。
【0058】比較例5 実施例1における過硫酸アンモニウムの添加量を0.2
0部から0.13部にした以外は、実施例1と同様にし
て塗工紙を得た。なお、得られた澱粉の重量平均分子量
は30×104 であった。
【0059】比較例6 実施例1における澱粉配合量を0部にし、ラテックスを
7部とした以外は、実施例1と同様にして塗工紙を得
た。
【0060】比較例7 実施例5で調製した原紙に比較例2の塗工液を塗被した
以外は比較例2と同様にして塗工紙を得た。
【0061】なお、各実施例および比較例で得られた1
7種類について、塗工適性と塗工紙の品質評価を下記の
方法によって行い、得られた結果を表1に示した。
【0062】〔評価方法〕 (1)澱粉の重量平均分子量 高速液体クロマトグラフィーでカラムにTOSO−G5
000PWXL+G3000PWXL(東ソー社製)を
使用してプルラン換算で求めた。なお、検出器にはRI
を用いた。
【0063】(2)ブレードコーター塗工適性 ブレードコーター塗工時の操業性について、スタラクタ
イトの発生と塗りむらを評価した。 ◎:スタラクタイトと塗りむらがなく操業性が極めて良
好であった。 ○:スタラクタイトと塗りむらがわずかで操業性が良好
であった。 △:スタラクタイトが少量発生し塗りむらはなく操業性
がやや不良であった。 ×:スタラクタイトの発生と塗りむらが多く操業性が不
良であった。
【0064】(3)塗工紙の剛度 JIS−P−8142に基いてクラーク剛度を測定し
た。試験幅30mmにおける紙のMD、CD方向の臨界
長を測定し、それらの平均値L(cm)を求め、クラー
クこわさ(cm3 /100)=L3 /100で表現し
た。
【0065】(4)塗工紙のグラビア印刷適性 ミッシングドット(網点抜け)率 印刷局式グラビ印刷適性試験機(熊谷理機工業社製)を
用い、印圧20Kg/cm、印刷速度50m/分の条件
で、ザーンカップ法で測定したインキ粘度が25秒のグ
ラビア印刷インキを用いて印刷した後、網点面積が15
%の部分についてドットアナライザーDA−2000
(KSシステムズ社製)を用い、網点の欠落数を測定
し、その百分率を計算した。
【0066】(5)塗工紙の白紙外観の評価 ◎:塗工紙表面にパルプよりの挟雑物が全く見られず白
紙外観が優れている。 ○:塗工紙表面に挟雑物が僅かに見られるが白紙外観が
良好である。 △:塗工紙表面に挟雑物がかなり見られ白紙外観がやや
劣る。 ×:塗工紙表面に挟雑物が多量に見られ白さも低く白紙
外観が劣る。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】表からも明らかなように、本発明のグラ
ビア印刷用塗工紙の製造方法は、ブレードコーター塗工
適性が良く効率良く操業できて、得られた塗工紙は剛度
とグラビア印刷適性のバランスのとれた優れたものであ
った。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料と接着剤を主成分とする塗工液をブレ
    ードコーターによって原紙上に塗工するグラビア印刷用
    塗工紙の製造方法において、接着剤として重量平均分子
    量5×104 〜26×104 の澱粉を顔料100重量部
    に対して5〜15重量部含有することを特徴とするグラ
    ビア印刷用塗工紙の製造方法。
  2. 【請求項2】澱粉が過硫酸塩を用いた熱化学変性澱粉で
    ある請求項1記載のグラビア印刷用塗工紙の製造方法。
  3. 【請求項3】原紙が漂白化学パルプを全パルプに対して
    80重量%以上含有する請求項1または2記載のグラビ
    ア印刷用塗工紙の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000345492A (ja) * 1999-03-29 2000-12-12 Nippon Paper Industries Co Ltd 印刷用塗工紙
JP2014208936A (ja) * 2013-03-29 2014-11-06 日本製紙株式会社 塗工紙
CN105143552A (zh) * 2013-04-24 2015-12-09 罗盖特公司 基于糊精的涂覆物
CN109183500A (zh) * 2018-07-25 2019-01-11 华南理工大学 一种高光涂料、高光纸及其制备方法

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