JP6246542B2 - 塗工紙およびその製造方法 - Google Patents
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Description
1. 顔料と接着剤とを含む顔料塗工層を原紙上に有する塗工紙であって、下記の(1)〜(3)を満たす、塗工紙。
(1)塗工紙1mgに含まれるスチレンの含有量が、0.5μg以下である
(2)蒸留水を滴下後0.1秒後の塗工紙の接触角が、75°以下である
(3)顔料塗工層中の接着剤の含有量が顔料100重量部に対し15重量部未満である
2. 前記顔料塗工層に、さらにアルキルケテンダイマー、ワックス、ポリアミン及び/又はアミド系樹脂、ポリアクリルアミド系ポリマーのうちの1種以上を含有する、1に記載の塗工紙。
3. 前記顔料塗工層に、スチレン系共重合体を含まない、1または2に記載の塗工紙。
4. 前記顔料塗工層に、澱粉系高分子を該接着剤として含む、1〜3のいずれかに記載の塗工紙。
5. 前記澱粉系高分子が、白色デキストリンである、1〜4に記載の塗工紙。
6. 前記顔料が炭酸カルシウムを含む、1〜5のいずれかに記載の塗工紙。
7. 前記顔料塗工層が、最外層の顔料塗工層である、1〜6のいずれかに記載の塗工紙。
8. 顔料と接着剤とを含む顔料塗工層を原紙上に有する塗工紙の製造方法であって、
顔料塗工層中の接着剤の含有量が顔料100重量部に対し15重量部未満であり、スチレン系共重合体を接着剤として含有しない塗工液を原紙上に塗工することを含む、上記方法。
本発明の塗工紙は、塗工層に疎水性である化学的に合成された合成系接着剤としてスチレン系共重合体を含有せず、代わりに水溶性の澱粉系高分子を含有するため、水に溶けやすく離解しやすいという特徴も有する。昨今は、循環型社会へ移行しているため、故紙をリサイクルして再生紙を製造することが盛んに行われており、離解しやすい故紙への需要が高い。離解しやすいということは、離解時のパルパーの電力使用量を抑えたり、離解薬品の使用を抑えたりすることができ、省資源に繋がる。また、本発明の塗工紙は、合成系接着剤であるスチレン系共重合体を含まないので、離解後の排水に化学物質を含まず、環境負荷も低い塗工紙である。
本発明の塗工紙は、原紙の上に、顔料を含む顔料塗工層を1層以上設ける。原紙上には、顔料を含まない塗工液(サイズプレス液)を塗工しても塗工しなくてもよい。
本発明の塗工紙の紙中灰分は、30重量%以上であることが好ましい。特に印刷用塗工紙として用いるときは、灰分を多くして不透明度を高くすることが好ましい。
本明細書において、合成系接着剤とは、疎水性であり、化学的に合成された合成系の接着剤の総称であり、具体的には、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系等共重合体、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、およびアクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤をいう。本発明においては、合成系接着剤であるスチレン系共重合体の含有量の指標として、合成系接着剤であるスチレン系共重合体に含まれるスチレンの量を用いている。
本発明においては、塗工紙1mgに含まれるスチレンの含有量が、0.5μg以下である。この含有量は、顔料塗工層に接着剤としてスチレン系共重合体を含有しないことを示している。本来、スチレンは含有しないことが好ましいが、0.5μg以下としているのは、原料のパルプで使用する古紙から、または他の製紙用薬品などからスチレンが意図せずに混入する可能性を考慮している。スチレン系共重合体とは、スチレン重合単位を有する重合体である、スチレンの単独重合体(ポリスチレン)や、スチレンと共重合可能な単量体との共重合体であり、スチレンブタジエンラテックスなどが製紙用で用いられる接着剤としては代表的なものである。
標品としてポリスチレン(日本ゼオン社製、LX303A)を用い、塗工紙0.5mg〜1mgを切り出して、GC−MSを用いた瞬間熱分解法により、スチレン量を測定し、塗工紙1mg中のスチレンの量を算出した。詳細な測定条件は以下の通りである。
熱分解炉:フロンティアラボ社製 PY−2020iD
GC:Agilent Technologies製 6890N
使用カラム:DV-1(30m×0.25mm、膜厚1μm)
MASS:JEOL社製JMS-AX505HA
GCの使用条件
熱分解炉
・550℃でサンプルの熱分解
・GCへのInjection temperature 280℃
GC
・40℃ 5分保持
・5℃/分で90℃まで昇温
・20℃/分で240℃まで昇温
・5℃/分で280℃まで昇温
・5分保持
・Mass Interface 260℃
本発明の塗工紙の接触角は、塗工紙表面に、蒸留水5μlを滴下後0.1秒後の値で、75°以下である。下限は25°とすることができる。液体を接触させると、紙はそれを吸収する。液体の紙への浸透度合いについては、紙の液体に対する接触角で表すことができる。本発明の接触角とは、塗工紙の一方の面と他方の面の接触角をそれぞれ測定し、その平均値を示す。
また、本発明の塗工紙は、化学合成系接着剤としてスチレン系共重合体を含まないので、離解後の排水に化学物質を含まず、環境負荷も低い塗工紙である。
本発明の塗工紙は、顔料塗工層を1以上有する。
本発明においては、顔料塗工層を設けるため、主として顔料、接着剤(バインダー)、水を含む顔料塗工液を用いるが、接着剤(バインダー)として、顔料塗工層にスチレン系共重合体を配合しない。接着剤以外の目的であってもスチレンは含有しないことが好ましい。スチレン系共重合体とは、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系等共重合体が挙げられ、モノマーとしてスチレンを含有する各種共重合体等の合成系接着剤をいう。また、スチレンを含有していない合成系接着剤も配合しない方が好ましい。合成系接着剤を使用しないことによって、バッキングロール汚れの防止、耐ブリスター性の向上、さらには、高価な合成系接着剤の使用削減によるコストダウン、古紙として利用する際に離解性が向上するという利点が得られる。
澱粉系高分子
本発明においては、接着剤(バインダー)として用いる澱粉系高分子としては、特に制限されず、変性方法、原料の品種なども自由である。澱粉由来の高分子化合物としては、各種加工澱粉を始めとする澱粉、澱粉を加水分解して得られるデキストリンを好適に使用することができる。澱粉とは、アミロース、アミロペクチンからなる混合物のことをいい、一般に、その混合比は澱粉の原材料である植物によって異なる。
澱粉を変性、修飾、加工などしたものとしては、例えば、酸化澱粉、ヒドロキシエステル化澱粉(HES)、燐酸エステル澱粉、エステル化澱粉、デキストリンなどが挙げられる。なかでも塗料に配合した際、流動性がさらに良好(低粘度)となることから、デキストリンが好ましい。また、本発明で使用する澱粉系高分子の好ましい原料としては、トウモロコシ、ポテト、タピオカなどを挙げることができ、ワキシー種のトウモロコシ(ワキシーコーン)やタピオカが特に好ましい。
本発明の白色デキストリンは、デキストリン中の分岐が多い方が好ましい。分岐が多いと強度が発現しやすい。
分岐の程度は、慣性半径と関係があり、同じ分子量であれば慣性半径が小さいと分岐が多く、慣性半径が大きいと分岐が少ない直鎖状と考えられる。よって、本発明の白色デキストリンは、慣性半径が小さい方が好ましい。
本発明の一態様では白色デキストリンを顔料塗工層の接着剤として使用するが、そのスラリーを蒸煮(クッキング)することによってバインダーとしての接着力が発現する。
その他の接着剤を加えた全接着剤含有量としても、顔料100重量部当たり15重量部未満とする。
本発明の塗工層に用いる顔料(白色顔料)は特に制限されず、塗工紙用に従来から用いられているものを使用することができ、例えば、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを必要に応じて単独または2種類以上混合して使用することができる。また、顔料の種類としては、バインダー要求量が少なく少量の接着剤で表面強度を向上できることと、高い白色度の観点から、重質炭酸カルシウムおよび軽質炭酸カルシウムが好ましく、また不透明度をも向上させる観点から、粒子径や形状が揃った軽質炭酸カルシウムが特に好ましい。嵩高な塗工層構造は光を効率的に散乱するためである。
本発明においては、通常用いられるコータであればいずれを用いても良い。オンマシンコータでもオフマシンコータでも良く、オンマシンコータであれば、サイズプレスコータ、ゲートロールコータ、ロッドメタリングサイズプレスコーターなどのロールコータ、ビルブレイドコータ、ブレードメタリングサイズプレスコータ、ショートドゥエルブレードコーター、ジェットファウンテンブレードコーターなどのコータを使用できる。塗工速度は、特に限定されないが、現在の技術ではブレードコータでは500〜1800m/分、サイズプレスコータでは500〜2000m/分が好ましい。
本発明において、湿潤塗工層を乾燥させる方法に制限はなく、例えば蒸気過熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等各種の方法が単独もしくは併用して用いることができる。
本発明における塗工液の塗工量は、用途に応じて適宜選定できるが、一般的には、片面あたり固形分で2〜13g/m2である。
本発明の塗工液の濃度は、特に限定されないが、印刷品質を考慮すると、60重量%〜75重量%程度が好ましい。また、本発明の塗工液の粘度は、操業性などの点から、2000mPa・s〜3000mPa・s程度が好ましい。
本発明の塗工紙は少なくとも原紙層を有する。原紙は公知の方法により製造することができ、例えば、抄紙原料(紙料)をワイヤーパートにて抄紙し、次いでプレスパート、プレドライヤーパートに供して原紙を製造することができる。本発明に用いる原紙は、単層抄きであっても多層抄きであってもよいが、白板紙を製造する場合は多層抄き原紙を用いることが好ましい。本発明の原紙の製法は特に制限されず、公知の原料を用いて公知の方法によることができる。本発明で使用される原紙は特に制限されず、一般に使用される上質紙、中質紙、更紙、マシンコート紙、アート紙、キャストコート紙、合成紙、レジンコーテッド紙、プラスチックフィルム等を例外なく使用できる。
本発明の原紙に用いるパルプ原料としては、化学パルプを使用することができる。化学パルプ以外にも、用途に応じて各種パルプを使用することができ、例えば、脱墨パルプ(DIP)、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)などが挙げられる。脱墨パルプとしては、上質紙、中質紙、下級紙、新聞紙、チラシ、雑誌などの選別古紙やこれらが混合している無選別古紙を原料とする脱墨パルプなどを使用することができる。
本発明においては、原紙の填料として公知の填料を任意に使用でき、例えば、重質炭酸カルシム、軽質炭酸カルシウム、クレー、シリカ、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、ホワイトカーボン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、ケイ酸ナトリウムの鉱産による中和で製造される非晶質シリカ等の無機填料や、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂などの有機填料を単用又は併用できる。この中でも、中性抄紙やアルカリ抄紙における代表的な填料である重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムが不透明度向上のためにも好ましく使用される。紙中填料率は特に制限されないが、1〜40固形分重量%が好ましく、10〜35固形分重量%がさらに好ましい。
本発明の塗工紙は、上述した原紙の片面または両面にクリア(透明)塗工層を有していてもよい。原紙上にクリア塗工を施すことにより、原紙の表面強度や平滑性を向上させることができ、また、顔料塗工をする際の塗工性を向上させることができる。本発明においては、クリア塗工層にバインダーとして、本発明の澱粉由来の高分子化合物を含有してもよい。クリア塗工の量は、片面あたり固形分で0.1〜4.0g/m2が好ましく、0.5〜2.5g/m2がより好ましい。
本発明においては、オンラインソフトキャレンダ、オンラインチルドカレンダなどにより塗工前の原紙にプレカレンダー処理を行い、原紙を予め平滑化しておくことが、塗工後の塗工層を均一化する上で好ましい。この場合、処理線圧は、好ましくは30〜100kN/m、より好ましくは50〜100kN/mである。また、プレカレンダー処理する際の原紙の水分率も重要であり、水分率は3〜5%が好ましい。
本発明においては、以上のように製造した紙を必要に応じて表面処理する。平滑化処理には、通常のスーパーキャレンダ、グロスキャレンダ、ソフトキャレンダ、熱キャレンダ、シューキャレンダ等の平滑化処理装置を用いることができる。平滑化処理装置は、オンマシンやオフマシンで適宜用いられ、加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も適宜調整される。好ましい態様において、本発明の塗工紙は、スーパーカレンダーや高温ソフトニップカレンダー等のカレンダーで表面処理を行うことができる。表面処理により、塗工紙の平滑度や光沢性を向上させることができる。本発明においては、ソフトニップカレンダ処理が好ましい。ソフトニップカレンダ処理をすることにより、白色度、不透明度共に向上する。ソフトニップカレンダ処理において、金属ロールの表面温度が20℃〜60℃の線圧は、30〜60kN/m、より好ましくは、40〜60kN/mである。また、金属ロールの表面温度が40℃〜250℃の高温ソフトニップカレンダ処理であれば、線圧は60〜400kN/m、好ましくは、150〜300kN/m、より好ましくは100〜350kN/mである。温度を上げると、塗工紙の表面の光沢、平滑度が向上する。
(1)スチレン量
標品としてポリスチレン(日本ゼオン社製、LX303A)を用い、塗工紙0.5mg〜1mgを切り出して、GC−MSを用いた瞬間熱分解法により、スチレン量を測定し、塗工紙1mg中のスチレンの量を算出した。詳細な測定条件は以下の通りである。
熱分解炉:フロンティアラボ社製 PY−2020iD
GC:Agilent Technologies製 6890N
使用カラム:DV-1(30m×0.25mm、膜厚1μm)
MASS:JEOL社製JMS-AX505HA
GCの使用条件
熱分解炉
・550℃でサンプルの熱分解
・GCへのInjection temperature 280℃
GC
・40℃ 5分保持
・5℃/分で90℃まで昇温
・20℃/分で240℃まで昇温
・5℃/分で280℃まで昇温
・5分保持
・Mass Interface 260℃
JIS−P8111に規定する標準条件で前処置をした塗工紙の表面に蒸留水を5μl滴下した後0.1秒後の接触角を、接触角測定装置(DAT1100 FIBRO System AB製)で測定する。一方の面と他方の面をそれぞれ測定し、その平均値を、本発明の塗工紙の接触角とした。
RI−I型印刷機(明製作所製)を用い、印刷用インキ(東洋インキ製ハイユニティM)を使用して印刷後、ゴムロールについて印刷跡を転写紙に手動で転写してピッキングの程度を目視で相対評価した。評価基準は以下の通りである。
◎=全く発生しない、○=ほとんど発生しない、△=発生する、×=発生が著しい
JIS P−8151に従い、測定した。クランプ圧は1MPa、ハードバッキングとした。
72時間連続操業した後、ロールの汚れ状態を目視評価した。
◎=バッキングロール汚れが発生しない、○=バッキングロール汚れが若干発生する、
△=バッキングロール汚れがかなり発生する、×=バッキングロール汚れが著しく発生する
オフセット輪転機(東芝オフセットBT600)、オフセット印刷用インキ(東洋インキ製造(株)製:レオエックスM)を使用し4色(墨、藍、紅、黄)印刷した後、ドライヤーにて乾燥し、印刷物のブリスターの発生状況を目視判定した。
◎=全く発生しない、○=ほとんど発生しない、△=発生する、×=発生が著しい
オフセット輪転機(東芝オフセットBT600)、オフセット印刷用インキ(東洋インキ製造(株)製:レオエックスM)を使用し4色(墨、藍、紅、黄)印刷した後、2万部印刷後のブランケットへの堆積の程度を目し判定した。
◎=全く発生しない、○=ほとんど発生しない、△=発生する、×=発生が著しい
JAPAN Tappi No.39に従い、標準離解機で離解濃度約4.5%、離解温度50〜60℃、薬品として、脱墨剤0.1〜0.2%(対パルプ)、水酸化ナトリウム1.0〜2.0%(対パルプ)、3号珪酸2.0〜4.0%(対パルプ)、過酸化水素0.5〜2.0%(対パルプ)を加えて離解した。未離解片がなくなるまでの時間を、比較例1の時間を標準として、評価した。
○=比較例1よりも早く離解された △=比較例1と同等の時間で離解された ×=比較例1よりも離解が遅かった
古紙パルプ60部とNBKP30部、LBKP10部とからなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウムを塗工紙の紙中灰分が13%になるように添加し、内添紙力剤としてカチオン化澱粉を3部添加して紙料を調整した。
この紙料を用いて、抄紙速度1500m/分にてロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機で抄紙し、プレスパートに2基のタンデムシュープレス(プレス線圧1000kN/m、2基目の紙のワイヤー面側にトランスファーベルトが接触)を用いて湿紙を搾水して乾燥し、45.6g/m2の中質塗工原紙を得た。
次に、顔料として、重質炭酸カルシウムを用い、接着剤として、白色デキストリン(Stabilys A030、Roquette社:160rpmでのRVA粘度が374mPa・s、重量平均分子量17万〜24万)を配合して固形分濃度68.5%の塗工液を調製した。重質炭酸カルシウム100部に対して、白色デキストリンを7.5重量部配合した。
この塗工液を用いて、塗工量が原紙片面当たり7.0g/m2となるようにジェットファウンテン方式のブレードコータで両面に上記塗工液を連続して塗工し、乾燥した。
引き続き、仕上げ工程にてショア硬度がD94°の弾性ロールを有する2ロール・6スタックのソフトカレンダーを使用し、各金属ロール表面温度130℃、各ニップ線圧を250kN/mとして塗工紙の表面処理を行った。
抄紙、塗工、カレンダー処理を連続して行ったため、塗工速度、カレンダー速度も1500m/分であった。
紙への水の吸水、浸透を遅らせたり、防止する効果を有する薬剤として、アルキルケテンダイマー系サイズ剤(星光PMC社製 SE2401)を前記塗工液に顔料100重量部に対し、0.2重量部添加した以外は、実施例1と同様にして塗工紙を製造した。
紙への水の吸水、浸透を遅らせたり、防止する効果を有する薬剤として、変性ポリアミド系樹脂(田岡化学社製 Sumirez Rezin SPI-106N)とした以外は、実施例1と同様にして塗工紙を製造した。
紙への水の吸水、浸透を遅らせたり、防止する効果を有する薬剤として、アクリルアミド・アクリル酸共重合ポリマー(田岡化学社製 Sumirez Rezin 7200A)とした以外は、実施例1と同様にして塗工紙を製造した。
紙への水の吸水、浸透を遅らせたり、防止する効果を有する薬剤として、ワックス系サイズ剤(BYK社製 AQUACER498)とした以外は、実施例1と同様にして塗工紙を製造した。
接着剤として、白色デキストリン(Stabilys A023、Roquette社:160rpmでのRVA粘度が660mPa・s、重量平均分子量27万〜34万)を9重量部配合した以外は、実施例1と同様にして塗工紙を製造した。
接着剤として、白色デキストリン(Stabilys A023、Roquette社:160rpmでのRVA粘度が660mPa・s、重量平均分子量27万〜34万)を11.5重量部配合した以外は、実施例1と同様にして塗工紙を製造した。
接着剤として、白色デキストリン(Stabilys A023、Roquette社:160rpmでのRVA粘度が660mPa・s、重量平均分子量27万〜34万)を9重量部配合し、紙への水の吸水、浸透を遅らせたり、防止する効果を有する薬剤として、アルキルケテンダイマー系サイズ剤(星光PMC社製 SE2401)を前記塗工液に顔料100重量部に対し、0.2重量部添加した以外は、実施例1と同様にして塗工紙を製造した。
塗工層への接着剤として、白色デキストリン(M210 敷島スターチ社製:160rpmでのRVA粘度が1486mPa・s)6.0部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックス4.0部を配合したものと用いた以外は、実施例1と同様にして塗工紙を製造した。
Claims (8)
- 顔料と接着剤とを含む顔料塗工層を原紙上に有する塗工紙であって、
顔料塗工層の接着剤としてスチレン系共重合体が配合されておらず、塗工紙1mgを瞬間熱分解法によって測定した場合のスチレン含有量が0.5μg以下であり、
顔料塗工層が、サイズ剤、ワックス、ポリアミン及び/又はアミド系樹脂、ポリアクリルアミド系ポリマーのうちの1種以上の薬剤をさらに含有し、蒸留水を滴下して0.1秒後の塗工紙の接触角が75°以下であり、
顔料塗工層中の接着剤の含有量が顔料100重量部に対し15重量部未満である、上記塗工紙。 - 前記サイズ剤として、アルキルケテンダイマーを使用する、請求項1に記載の塗工紙。
- 前記ワックスとして、パラフィンワックスを使用する、請求項1に記載の塗工紙。
- 前記顔料塗工層に、澱粉系高分子を該接着剤として含む、請求項1〜3のいずれかに記載の塗工紙。
- 前記澱粉系高分子が、白色デキストリンである、請求項1〜4のいずれかに記載の塗工紙。
- 前記顔料が炭酸カルシウムを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の塗工紙。
- 前記顔料塗工層が、最外層の顔料塗工層である、請求項1〜6のいずれかに記載の塗工紙。
- 顔料と接着剤とを含む顔料塗工層を原紙上に有する塗工紙の製造方法であって、
顔料塗工層中の接着剤の含有量が顔料100重量部に対し15重量部未満であり、
サイズ剤、ワックス、ポリアミン及び/又はアミド系樹脂、ポリアクリルアミド系ポリマーのうちの1種以上の薬剤と顔料と接着剤とを含有するが、スチレン系共重合体を接着剤として含有しない塗工液を、原紙上に塗工することを含む、上記方法。
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