JP2005256237A - 印刷用塗工紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のオフセット印刷適性を維持し、多色印刷後、オンデマンド方式による高速インクジェット印刷システムに適用した場合にも、水性インクの裏ヌケが発生せず、高い印字濃度を呈する極薄ないしは60g/m未満のオフセット印刷用塗工紙を提供する。
【解決手段】基紙の両面に顔料とバインダーを主成分とする塗工液を塗工して塗工層を設けた坪量40〜55g/mの印刷用塗工紙において、JIS K 3832「精密ろ過膜エレメントおよびモジュールのバブルポイント試験方法」に準じて測定したバブルポイント値から求めた最大細孔径が1〜10μm、表面張力45mN/mの液体との接触時間0.1秒における接触角が55〜70度の基紙に、塗工層が片面あたり5.5〜10g/m形成されてなることを特徴とするオフセット印刷用塗工紙。

Description

本発明は、60g/m未満の印刷用塗工紙に関するものであり、詳しくは、フルカラーのオフセット印刷後に高速インクジェット印刷システムに適用されるオフセット印刷用塗工紙に関する。
近年、記録方式としてインクジェット印刷方式が商業印刷にも普及してきている。インクジェット記録方式では、プリンタのノズルから紙などの記録媒体に向けてインクの微小液滴を高速に飛翔させ、記録面に付着させて画像や文字等の記録を行うため、記録媒体も、このような記録方式に適したものが開発されている。更には、オンデマンド方式による高速インクジェット印刷システムも開発され、品質面や効率面の向上により、今後益々の成長が予測されている。
従来のオフセット印刷用紙分野においても、近年の国民的な環境保護意識の高まりによる省資源化の要求や、ダイレクトメール、カタログ販売などの増加、出版物の増刷ないし増ページ化などに伴う印刷業界、出版業界の省資源化と低コスト化の要求が強い用途のオフセット印刷用紙については、軽量化が一気に進みつつあり、60g/m未満のオフセット印刷用紙が注目されている。
一般に、坪量が25〜60g/m程度の印刷用紙としては、表面サイズ処理された普通紙(非塗工紙)や表面に両面で12g/m前後顔料塗工された塗工紙(微塗工紙や上質ベースの超軽量コート紙など)が使用されていた。
なお、印刷物に関しては、そのヴィジュアル化、高級化がますます要求される傾向にあり、60g/m未満の印刷用紙といえども、一般の印刷用紙なみのオフセット印刷適性が要求されており、用紙自体の平滑性や印刷光沢の要求に応えるため顔料とバインダーからなる塗工層の設けられた印刷用紙が多く使用されている。
しかし、最近では上記インクジェット印刷を組み合わせた用途も多く見られるようになっている。例えば、フルカラーによる固定情報をオフセット印刷した後に、宛名や顧客の個人情報などの可変データをオンデマンド方式の高速インクジェット印刷システムを用いて印刷するものである。しかし、従来のフルカラーのオフセット印刷に、インクジェット印刷用の用紙をそのまま使用することはできなかった。
これは、従来のインクジェット記録方式用の印刷用紙にオフセット印刷すると、イ)インキのセットに時間が掛かる。ロ)平滑性に乏しく、画線部の光沢が不足する。ハ)多孔質であるために耐擦過性が劣り、オフセット印刷の際に表層が版に取られる。ニ)吸油性の高い顔料が塗工されており、オフセット印刷のインキ中のビヒクルのみを急激に吸収してしまうために、インキ中の顔料が転移し難い。ホ)カチオン化剤が添加されており、これがオフセット印刷の版の疎水部に親水性を持たせてしまい、インキの乳化が発生する。という問題があったため、これまではそれぞれの方式に適する印刷用紙が使い分けられていたが、両方式に適する印刷用紙が強く望まれている。
両方式に適する印刷用紙として基紙上にバインダー樹脂と微粒子シリカを主成分とするインク受理層を設けてなる印刷用紙やシリカを主体とした顔料とバインダーを含み、塗料を支持体上にオンマシンで塗工する印刷用紙が開示されている。
特開2001−301316号公報 特開2002−127587号公報
また、ブリストー法による吸収時間0.7秒の時のインク転移量が9.0ml/m以上であり、塗工層を形成する顔料として軽質炭酸カルシウムを30質量%以上含有する印刷用塗工紙が開示されている。
特開2002−138391号公報
しかし、これら両方式に適する印刷用紙は、坪量が100g/m以上の厚口のコート紙に限られており、前記のような坪量が60g/m未満の印刷用紙はないのが現状であった。
オフセット印刷用塗工紙は、油性のオフセット印刷用インキによる印刷を念頭に設計するため、インクジェット印刷における水性インクの浸透に対する耐性は全く考慮されていない。したがって、通常のオフセット印刷用塗工紙にインクジェット印刷を行うと水性インクは紙の内部に容易に浸透することとなる。特に、超軽量コート紙のように60g/m未満の印刷用塗工紙は、厚さがより薄くなるため紙の内部に浸透した水性インクが容易に裏面に達し、インクの裏ヌケが発生し易くなる。
市販の超軽量コート紙5種、微塗工紙2種について、実際に、汎用のインクジェットプリンタ(エプソン製、商品名カラリオPM−770C)を用いて、OHPシート印刷用モードにおけるインクジェット印刷適性を評価したところ、表1に示したように超軽量コート紙、微塗工紙ともいずれも印字適性は乏しいものであった。なお、表1には透気抵抗度、ステキヒトサイズ度、表面張力45mN/mの液体との表面接触角など紙の物性も示した。ドット形状にやや差は見られたが、ドット形状の差と紙の物性の間に関連性は見出せなかった。インクの裏ヌケについては、乾燥装置を備えたオンデマンド方式の印刷システムとは異なるためサンプル間の相対評価とせざるを得なかったが、印字直後に裏ヌケが発生していずれも不満足なレベルであった。透気抵抗度、ステキヒトサイズ度、表面接触角など紙の物性との関係では、ステキヒトサイズ度よりも透気抵抗度が高くなるほど裏ヌケが軽減される傾向がうかがえた。このように、60g/m未満の印刷用塗工紙である超軽量コート紙、微塗工紙は、水性インクの印字適性も含め、水性インクの裏ヌケ防止策は考慮されておらず、オフセット印刷後の高速インクジェット印刷システムに適用できるものはなかった。
なお、60g/m未満の前記印刷用塗工紙は、製造コスト面で安価なことが望まれており、オンデマンド(インクジェット)印刷に対応可能な60g/m未満の印刷用塗工紙も、大幅な処方の変更や特殊な加工手段などを用いずに従来の製造方法で製造されることが好ましい。
従って、本発明の課題は、現在の製造方法を大きく変更せずに従来のオフセット印刷適性を維持し、多色印刷後、オンデマンド方式のインクジェット印刷システムに適用した場合にも、水性インクの裏ヌケが発生せず、高い印字濃度を呈する60g/m未満のオフセット印刷用塗工紙を提供することにある。
上記の課題について検討を進める際に、本発明者らは、塗工紙の透気抵抗度やサイズ度よりも、塗工前の基紙の貫通孔の大きさとサイズ剤の添加量によって異なってくる基紙の表面接触角に着目した。
本発明者らは、鋭意検討した結果、製紙用パルプ繊維の叩解度が特定の範囲内にあるとき、基紙の貫通孔の大きさの指標である最大細孔径が一定以下になり、さらに、表面接触角が特定の範囲内にある基紙に設けられた塗工層が特定の塗布量範囲にあるとき、高速インクジェット印刷システムにおける水性インクの裏ヌケが解消されるとともに高い印字適性を示すことを見いだし本発明に到達した。
請求項1の発明は、基紙の両面に顔料とバインダーを主成分とする塗工液を塗工して塗工層を設けた坪量40〜55g/mの印刷用塗工紙において、JIS K 3832「精密ろ過膜エレメントおよびモジュールのバブルポイント試験方法」に準じて測定したバブルポイント値から求めた最大細孔径が1〜10μm、表面張力45mN/mの液体との接触時間0.1秒における接触角が55〜70度の基紙に、塗工層が片面あたり5.5〜10g/m形成されてなることを特徴とするオフセット印刷用塗工紙である。
最大細孔径とは、JIS K3932「精密ろ過膜エレメント及びモジュールのバブルポイント試験方法」に準じて測定したバブルポイント値P((kPa):最初の泡が発生したときの圧力)を用いて式(1)から求めた細孔直径dをいうものであり、測定器としては、Porous Materials社製パームポロメーターCSF−1100Aが挙げられる。
d=(4cosφBγ)/P (1)
φ:接触角、B:キャピラリー定数、γ:液体の表面張力
即ち、最大細孔径は、シートを泡が通過することができる孔径を測定するものであり、シートの最大の貫通孔を測定する方法として適している。
請求項2の発明は、基紙が、ショッパーろ水度55°SR以上の製紙用パルプ繊維に填料とサイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤が内添されてなり、塗工層が塗工液をオンマシン塗工して設けたことを特徴とする請求項1に記載のオフセット印刷用塗工紙である。
請求項3の発明は、塗工層が、顔料100質量部あたりバインダー10〜30質量部、バインダーの疎水性樹脂成分が顔料100質量部あたり10質量部以上、バインダーの疎水性樹脂成分と親水性樹脂成分の混合比が45:55〜72:28であることを特徴とする請求項1または2に記載のオフセット印刷用塗工紙である。
本発明のオフセット印刷用塗工紙は、従来の超軽量コート紙よりやや厚い塗工層範囲にシフトするため、オフセット印刷適性が向上し、固定情報をフルカラーでオフセット印刷した後に、宛名や顧客の個人情報などの可変データをオンデマンド方式の高速インクジェット印刷システムなどで印刷した場合にも、低坪量であるにもかかわらず、水性インクが裏ヌケせず、かつ良好な印刷結果が得られる。従って本発明によってオンデマンド印刷システムにおけるインクジェット印刷適性を有し、フルカラー印刷が可能な60g/m未満のオフセット印刷用塗工紙が提供される。
さらに本発明によれば、上記60g/m未満のオフセット印刷用塗工紙を従来の製造方法を大きく変更することなく製造できるので効率よく製造できる。
本発明のオフセット印刷用塗工紙の坪量は、省資源化や、ダイレクトメールなどの用途における郵送料金の削減などの要望を満足し、かつ十分な情報量を確保する観点から坪量は40〜55g/mに限定される。好ましくは、坪量45〜55g/mである。坪量が40g/mより低いと本発明によっても水性インクの裏ヌケを防止することは困難となり好ましくない。
本発明のオフセット印刷用塗工紙は、片面あたり5.5〜10.0g/m、好ましくは6.0〜9.0g/mの塗工層を基紙の表面に形成するが、塗工前の基紙が以下に示す構成であることが望ましい。
本発明のオフセット印刷用塗工紙の基紙に使用されるパルプは、NBKP、LBKPなどの化学パルプ、麻、ケナフ、竹などの非木材パルプ、更には古紙パルプなどを混合して使用することができる。好ましくはNBKP、LBKPを単独あるいは混合して使用される。
パルプの叩解度は、基紙の貫通孔の大きさ、透気抵抗度に関係するため特に重要である。ろ水度55°SR以上のパルプを用いると、後述する最大細孔径が10μmを超えるような大きな貫通孔(ピンホール)の存在しない適切な透気抵抗度を有する基紙を製造することができ、塗工後に好適な透気抵抗度を与える。ろ水度の上限は特に限定されるものではないが、基紙の抄紙性を考慮すると75°SR以下が好ましい。従って、本発明の基紙に用いるパルプの叩解度の範囲は、ショッパーろ水度55〜75°SRが好ましく、60〜75°SRがより好ましい。
フルカラーのオフセット印刷用紙は、通常、不透明度80%以上の高い不透明性が求められており、本発明における基紙も不透明度70〜80%であることが好ましい。そのため基紙にはパルプと混合して填料が内添されており、内添された填料は、パルプ繊維間の空隙を埋めて貫通孔を小さくするため裏ヌケの発生を防止する効果もある。填料は種類、形状によって限定されるものではなく、炭酸カルシウム、カオリン、二酸化チタンなどを単独又は混合して使用することができる。本発明においては、炭酸カルシウムと二酸化チタンを混合して使用するのが好ましく、内添量は基紙質量に対して10〜30質量%が好ましく、15〜25質量%がより好ましい。10質量%未満では、オフセット印刷用紙およびインクジェット印刷用紙に求められる不透明性を十分満足することができないだけでなく、繊維間の空隙を埋めて貫通孔を小さくする効果も期待できない。30質量%を超えると紙のこわさや強度が弱くなり好ましくない。
基紙の表面張力45mN/mの液体との接触時間0.1秒における表面接触角は、50〜70度が好ましく、55〜70度がより好ましい。表面接触角が50度以上であれば、オフセット印刷用塗工紙にインクジェット印刷した際に、塗工層に浸透した水性インクが基紙の内部まで浸透するのを基紙の表面付近で阻止できるため、裏ヌケの発生を防止でき好ましいが、表面接触角50度未満では、水性インクが基紙の内部まで浸透するのを阻止できないため裏ヌケが発生しやすくなる。70度を越えるような表面接触角は必要なく、コストアップにもなり好ましくない。基紙に内添または外添されるサイズ剤については、表面張力45mN/mの液体との接触時間0.1秒における表面接触角50〜70度が得られる限り、アルキルケテンダイマー系、スチレンアクリル系、スチレン系など、特に限定されないで使用できる。また、内添と外添を併用することも可能である。サイズ剤を内添して、塗工層をオンマシン塗工して設ける工程が製造コストの点で最も好ましく、その場合、塗工層の接着強度の面から、サイズ性の発現が遅い遅効性のサイズ剤が好ましく、通常、アルキルケテンダイマー系サイズ剤が使用される。その内添量は、基紙の坪量30g/mのとき、ステキヒトサイズ度として3.5秒以上を目安として調節する。塗工して得られるオフセット印刷用塗工紙のステキヒトサイズ度は、坪量が45〜50g/mの場合、5〜10秒である。
その他基紙には、抄紙工程で用いられる紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、定着剤、着色剤、増白剤、歩留り向上剤、消泡剤、pH調整剤などを必要に応じて組み合わせて使用することができる。
基紙の製造には、一般的な長網抄紙機が好ましく用いられ、特に表裏差が小さくなるツインワイヤー式ないしはオントップ式長網抄紙機が好ましい。
その抄紙工程で得られる基紙の貫通孔の大きさを、最大細孔径として表すと、本発明における基紙の最大細孔径は10μm以下が好ましく、8.5μm以下がより好ましい。最大細孔径は基紙坪量が増すほど、パルプの叩解処理が進むほど小さくなり、水性インクの裏ヌケを防止しやすくなる。最大細孔径の下限は特に限定されるものではないが、本発明のオフセット印刷用塗工紙における基紙の最大細孔径の範囲は、1〜10μmが好ましく、より好ましくは、1〜8.5μmである。
最大細孔径を10μm以下とするときの透気抵抗度の目安は、55s以上が好ましく、60s以上がより好ましい。上限は特に限定されるものではないが、抄紙性を考慮すると250s以下が好ましい。ちなみに、ショッパーろ水度30〜40°SR(430〜310CSF)に叩解されたパルプに同様に填料を内添して抄紙した原紙の最大細孔径は20〜30μmを示す。叩解処理を進め、ショッパーろ水度72°SR(約65CSF)のパルプを用いたとき、透気抵抗度220s、最大細孔径は1.08μmを示した。
以上から、高叩解されたパルプ繊維に填料、サイズ剤の内添された基紙は、最大細孔径が小さく、且つ発現したサイズ性によって水性インクの浸透に対する高い抵抗性を有するため、このような基紙に塗布して得られるオフセット印刷用塗工紙は、オンデマンド方式の高速インクジェット印刷システムにおける水性インクの裏ヌケを防止できるようになる。
基紙の配合例の一例として、NBKP40質量%とLBKP60質量%をショッパーろ水度で65°SRに叩解した後、填料として沈降性炭酸カルシウム13質量%と二酸化チタン2質量%、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤を対パルプ1質量%、さらに少量のカチオン澱粉を内添した紙料が挙げられる。この紙料を用い、オントップ式長網抄紙機で所定の坪量に抄紙することによって本発明のオフセット塗工紙用の基紙が得られる。
得られた基紙の両面に顔料とバインダーを主成分とする塗工液を塗布して本発明のオフセット印刷用塗工紙を製造する。塗工液の組成については、通常の超軽量コート紙や微塗工紙の製造に用いられる標準的な構成の塗工液を使用することができる。塗工方式も、特に限定されるものではなく、通常のゲートロールコーター、ブレードコーターを用いて塗布できる。
塗工量は、片面あたり5.5〜10g/mが好ましく、6.0〜9.0g/mがより好ましい。片面5.5g/mに満たないと、基紙の表面を被覆する塗工層に厚さのバラツキが大きかったり、完全に被覆しきれなかったりするためか、インクジェット印刷における水性インクの受理性のバラツキが大きく、フェザリングやブリーディングによる印字の濃度ムラが生じ易く好ましくない。オフセット印刷においてもインクの受理性のバラツキが生じ、印刷品質の低下を引き起こすおそれが生じ好ましくない。
一方、片面10g/mを超えると、オフセット印刷においてはさらに良好な印刷品質を得られるものの基紙の坪量を薄くしなければならず、紙のこわさが弱くなり好ましくない。また、インクジェット印刷の水性インクの沈み込みにより塗工層表面に止まるインク量が少なくなり、印字濃度の低下を引き起こすおそれが生じ好ましくない。
塗工液組成については前述のように一般的な構成の広い範囲のものが使用可能である。塗工液に用いられる顔料は、通常のオフセット印刷用塗工紙に用いられる吸油量20〜50ml/100gのものが主に使用される。吸油量50ml/100gを越え、特に100ml/100g前後の顔料、例えば、塗工タイプのインクジェット用紙の塗工層に用いられるような、高い吸油度を有するある種の炭酸カルシウムやシリカ、アルミナのような顔料が全体の30%を越えるとグロスタイプのオフセット印刷用途に適した印刷品質は得にくくなる。使用可能な顔料の種類としては、種々のグレードの塗工用カオリン、軽質および重質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタンなどである。カオリンおよび炭酸カルシウムの組み合わせは、オフセット印刷適性の高い顔料として最も一般的に用いられ、生産効率等を踏まえると特に好ましい。なお、オフセット印刷におけるインクセット性と印刷光沢を向上させる目的で、吸油量50ml/100g以上の顔料、例えば、デラミネートカオリン、プラスチックピグメントなどを顔料全体の15%以内で使用するのは、通常の印刷用塗工紙の製造において一般的に行われており、本発明にとっても好ましい構成の1つである。
塗工層に用いるバインダーとしては、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アクリル系、アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系などの各種ラテックスや、ポリビニルアルコールなどの合成バインダー、エステル化澱粉、酸化澱粉など各種澱粉やカゼイン、ゼラチンなどの天然系バインダー、CMCなどのセルロース誘導体の1種以上を適宜選択して使用することができる。これらバインダーは顔料100質量部あたり10〜30質量部、より好ましくは15〜25質量部の範囲で使用される。本発明においては疎水性樹脂成分を顔料100質量部あたり10質量部以上配合することが好ましい。疎水性樹脂成分の配合量が10質量部未満では、オフセット印刷において表面強度の不足によるパイリングが発生し易くなり好ましくない。但し、バインダー中の疎水性樹脂成分の比率が72質量%を越えると、水性インクの吸収が遅くなり印刷汚れが生じやすくなり、できればこれを避ける方が好ましい。従って、スチレン−ブタジエン系ラテックスのような疎水性樹脂成分とリン酸エステル化澱粉のような親水性樹脂成分を45:55〜72:28の比率で混合して用いるとより好ましい。
更にこの塗工層には、粘度調節剤、保水剤、滑剤、pH調節剤、界面活性剤、印刷適性向上剤、耐水化剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、分散剤、消泡剤、香料など、各種助剤を必要に応じて添加することができる。
本発明では、基紙の両面に顔料とバインダーを主成分とする塗工液が塗布され、片面あたり5.5〜10g/mの塗工層が形成される。塗工液の塗布は、製造コストの点でオンマシンコートが好ましいが、オフマシンコートも可能である。
基紙に直接オンマシン塗工する場合、基紙のサイズ性が完全に発現する前に基紙表面に塗工層が設けられると、基紙に塗工液、特にバインダー成分が部分的に浸透するため、その疎水性樹脂成分が水性インクの浸透を抑制して裏ヌケ防止に効果があり好ましい。
得られた塗工紙には、一般に知られるカレンダー加工装置、例えばスーパーカレンダー、ソフトニップカレンダー、グロスカレンダーなどによりグロスタイプあるいはマットタイプと、目的のオフセット印刷用途に合わせて表面の平滑化処理を行う。なお、カレンダー加工後の平滑度は、マットタイプの場合、50〜200秒、グロスタイプの場合、500〜2000秒である。
本発明のオフセット印刷用塗工紙は、坪量40〜55g/m、表面張力45mN/mの液体との接触時間0.1秒における表面接触角が50〜65度、透気抵抗度が1,800〜15,000sの特性を有する。
本発明のオフセット印刷用塗工紙は、高いオフセット印刷適性を有し、固定情報をフルカラーでオフセット印刷した後に、可変情報をオンデマンド方式の高速インクジェット印刷システムなどで印刷した場合にも、低坪量であるにもかかわらず、水性インクが裏ヌケせず、かつ良好な印刷結果が得られる。従って本発明によってオンデマンド印刷システムにおけるインクジェット印刷適性を有し、多色印刷用の60g/m未満のオフセット印刷用塗工紙が提供される。さらに本発明によれば、かかる60g/m未満のオフセット印刷用塗工紙が、効率よく製造できる。
Figure 2005256237
<実験例1〜9>
NBKP40部とLBKP60部を叩解したショッパーろ水度65°SRのパルプ繊維スラリーに、パルプ繊維に対してカチオン澱粉(商品名マーメイドC−50、敷島スターチ)0.5%、アルキルケテンダイマー(AKD)系サイズ剤(商品名サイズパインK−903、荒川化学工業)1.0%および填料含有量として炭酸カルシウム13%、二酸化チタン2%相当内添して抄紙用の紙料を調成した。この紙料を抄紙した坪量30g/mの基紙の両面に、塗液のバインダー比率を顔料100部に対し20部に固定した以下の塗液1、塗液2、塗液3を用いて、テスト用ブレードコーターで各々3水準の塗布量の塗工紙を製造し、テスト用スーパーカレンダーにより表面平滑化処理して印刷用塗工紙とした。
塗液の構成は、顔料として、1級カオリン(UW−90、エンゲルハード社)80部、軽質炭酸カルシウム(商品名ブリリアント15、白石工業)20部に、バインダー20部の疎水性樹脂成分としてスチレン・ブタジエン(SBR)系共重合ラテックス(P−2401R、日本エイアンドエル社)と親水性樹脂成分としてリン酸エステル化澱粉(SK−3000、日本コーンスターチ社)の混合比率の異なるものを用い、ダスティング防止剤としてステアリン酸カルシウム、印刷適性向上剤として変性アミン樹脂、保水剤、蛍光染料等を添加した。
(塗液) 塗液1 塗液2 塗液3
1級カオリン 80部 80部 80部
(UW−90、エンゲルハード社)
軽質炭酸カルシウム 20部 20部 20部
(商品名ブリリアント15、白石工業)
SBR 6部 11部 15部
(P−2401R、日本エイアンドエル)
リン酸エステル化澱粉 14部 9部 5部
(SK−3000、日本コーンスターチ)
その他添加剤等を適量添加して固形分濃度60%とした。
得られた塗工紙の物性、汎用インクジェットプリンタを用いた印刷評価およびオフセット印刷ウエット強度の評価としてRIテスターを用いた結果を表2に示した。インクジェットインクの裏ヌケおよびドットの形状にバインダーの疎水性樹脂樹脂成分と親水性樹脂成分の混合比が影響しており、親水性成分の比率が高いほど裏ヌケしにくく、ドット形状も良好になり、疎水性成分が高くなるほど裏ヌケも多くなり、ドット形状も劣化する傾向が確認された。また塗液によって得られるレベルは異なるものの塗布量が増加するほど裏ヌケしにくく、ドット形状も良好になる傾向がみられ、5.5g/m未満ではいずれの塗液でも良好なインクジェット印刷適性が得られないことも明白となった。
オフセット印刷におけるウエット強度については、バインダーの疎水性樹脂成分が対顔料10部以下の塗液1はどの塗布量でも劣り、オフセット印刷においてダスティングを引き起こす評価となった。従って、本発明の適切な塗液組成であるバインダーが顔料100質量部あたり10〜30質量部、疎水性樹脂成分を顔料100質量部あたり10質量部以上配合し、バインダー中の疎水性樹脂成分と親水性樹脂成分の比率が45:55〜72:28の塗液が適切な塗布量範囲に塗布された実験例5、実験例6は、本発明のオフセット印刷用塗工紙として適していることが確認された。
Figure 2005256237
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の部および%はそれぞれ質量部、質量%を示す。また、塗布前の基紙、得られた印刷用塗工紙について以下に示すような評価法に基づいて測定した。
<評価方法>
(1)ステキヒトサイズ度:JIS P8122に基づいて測定した。
(2)透気抵抗度:JAPAN TAPPI No.5に基づいて測定した。
(3)最大細孔径:Porous Materials社製パームポロメーターCSF−1100Aを用い、JIS K3932「精密ろ過膜エレメント及びモジュールのバブルポイント試験方法」に準じて測定したバブルポイント値P((kPa):最初の泡が発生したときの圧力)を用いて式(1)から求めた細孔直径dを最大細孔径(μm)とする。
d=(4cosφBγ)/P (1)
φ:接触角、B:キャピラリー定数、γ:液体の表面張力
(4)表面接触角:TAPPI T458om−84に基づき、FIBRODAT1100(FIBRO system ab社製)を用いて、紙表面と表面張力45mN/mの液体との接触時間0.1秒、0.5秒および1秒における接触角を測定した。
(5)オンデマンド印刷適性
1)水性インクの裏ヌケ:オンデマンドインクジェット印刷システム(サイテックスバーサ マーク)における印刷条件、使用インク1036(黒)、印刷速度150m/分で印刷したベタ印刷部の裏面裏ヌケ状況を目視判定した。判定基準は、◎:優(裏ヌケしない)、○:良(ほとんど抜けない…許容)、△:やや不良(ヌケる)、×:不良(ヌケが多い)
2)インクジェット印字濃度1:評価方法(5)におけるベタ印刷部および文字部の濃度を目視判定した。判定基準は、◎:濃い、○:やや薄い(許容)、△:やや不良、×:薄い
3)インクジェット印字品質:評価方法(5)における文字部およびベタ印刷部の印刷品質を目視判定した。判定基準は、◎:優、○:良(許容)、△:不良、×:著しく不良
(6)汎用プリンタ印刷適性
1)水性インクの裏ヌケ:エプソンインクジェットプリンタを用い、印刷条件として用紙種類:専用OHPシート、インク:黒、モード:推奨設定、38ポイント(字体:Times New Romanの半角太字)の“P”印字の裏面裏ヌケ状況を目視判定した。判定基準は、○:良、△:不良、×:かなり不良、××:著しく不良 の順に相対評価した。
2)インクジェットドット形状:評価方法(6)におけるドット形状を顕微鏡観察により目視判定した。判定基準は、◎:優、○:良、△:やや不良、×:不良
(7)オフセット印刷ウエット強度:RI印刷機(明製作所)を用い、湿し水ロールでサンプルに水分を付与した後、オフセット印刷用プロセスインキ(GEOS−G黄S、大日本インキ製)0.5mlで印刷し、印刷面のピッキングの程度を目視判定した。判定基準は、◎:優、○:良(許容)、△:やや不良、×:不良
<紙料の調成>
(紙料1)NBKP40部とLBKP60部を叩解したショッパーろ水度35°SRのパルプ繊維スラリーに、パルプ繊維に対してカチオン澱粉(商品名マーメイドC−50、敷島スターチ)0.5%、アルキルケテンダイマー(AKD)系サイズ剤(商品名サイズパインK−903、荒川化学工業)0.25%および填料含有量として炭酸カルシウム13%、二酸化チタン2%相当内添して抄紙用の紙料1を調成した。
(紙料2)パルプ繊維の叩解度をショッパーろ水度65°SRとし、填料含有量として炭酸カルシウム10%と二酸化チタン2%相当に減らして内添した以外は紙料1と同様にして紙料2を調成した。
(紙料3)パルプ繊維の叩解度をショッパーろ水度65°SRとし、アルキルケテンダイマー系サイズ剤の添加量を0.5%に増量した以外は、紙料1と同様にして紙料3を調成した。
(紙料4)アルキルケテンダイマー系サイズ剤の添加量を1.0%に増量した以外は、紙料3と同様にして実験例で用いた紙料と同じ紙料4を調成した。
(紙料5)パルプ繊維の叩解度をショッパーろ水度55°SRとした以外は、紙料1と同様にして紙料5を調成した。
<塗工液の調成> 実験例の塗液と同様、顔料として1級カオリン(UW−90、エンゲルハード社)、軽質炭酸カルシウム(商品名ブリリアント15、白石工業)に、バインダーの疎水性樹脂成分としてスチレン・ブタジエン(SBR)系共重合ラテックス(P−2401R、日本エイアンドエル社)、親水性樹脂成分としてリン酸エステル化澱粉(SK−3000、日本コーンスターチ社)、その他塗工紙用各種添加剤には、ダスティング防止剤としてステアリン酸カルシウム、印刷適性向上剤として変性アミン樹脂、その他、保水剤、蛍光染料等が含まれる。
(塗工液1)
1級カオリン(UW−90、エンゲルハード社) 80部
軽質炭酸カルシウム(ブリリアント15、白石工業) 20部
SBR(P−2401R、日本エイアンドエル) 10部
リン酸エステル化澱粉(SK−3000、日本コーンスターチ) 10部
その他塗工紙用各種添加剤を 適量
添加して固形分濃度60%の塗工液1を調成した。
(塗工液2)
1級カオリン(UW−90、エンゲルハード社) 80部
軽質炭酸カルシウム(ブリリアント15、白石工業) 20部
SBR(P−2401R、日本エイアンドエル) 10部
リン酸エステル化澱粉(SK−3000、日本コーンスターチ) 10部
アニオン系表面サイズ剤(ポリマロン1308、荒川化学工業) 1部
その他塗工紙用各種添加剤を 適量
添加して固形分濃度60%の塗工液2を調成した。
<比較例1>
オントップ式長網抄紙機で紙料1を用いて抄紙した基紙の両面に、抄紙機乾燥ゾーンの中間に設けられているゲートロール塗工装置を用いて塗工液1を片面当たり4.5g/m塗布して塗工紙を製造し、次に、スーパーカレンダーにより表面平滑化処理して印刷用塗工紙を製造した。塗布前の基紙および塗工紙の物性等を表3に示した。
<比較例2>
紙料2を抄紙した基紙を用いて、塗工液1の塗布量を各々F面10g/m、W面7g/mに増量した以外は、比較例1と同様にして印刷用塗工紙を製造した。塗布前の基紙および塗工紙の物性等を表3に示した。
<比較例3>
紙料3を抄紙した基紙を用いて、塗工液1の片面当たりの塗布量を6.5g/mに増量した以外は、比較例1と同様にして印刷用塗工紙を製造した。塗布前の基紙および塗工紙の物性等を表3に示した。
<実施例1>
紙料4を用いてオントップ式長網抄紙機で抄紙した基紙の両面に、抄紙機乾燥ゾーンの中間に設けられているゲートロール塗工装置を用いて塗工液1を片面当たり6.5g/m塗布して塗工紙を製造した後、スーパーカレンダーにより表面平滑化処理して本発明のオフセット印刷用塗工紙とした。塗布前の基紙および塗工紙の物性等は表3に示した。
<実施例2>
紙料4を用いて基紙の坪量を下げた以外は実施例1と同様にして塗工紙を製造し、スーパーカレンダーにより表面平滑化処理して本発明のオフセット印刷用塗工紙とした。塗布前の基紙および塗工紙の物性等は表3に示した。
<比較例4>
紙料5を用いて抄紙した原紙に、さらにアルキルケテンダイマー系サイズ剤(商品名サイズパインK−903、荒川化学工業)をテスト用サイズプレス装置で原紙に対し0.25%塗布してサイズ度を高めた比較例4の基紙を作製した。得られた基紙の両面に、塗工液1を用いて、テスト用ブレードコーターで片面当たり5g/m塗布して塗工紙を製造し、テスト用スーパーカレンダーにより表面平滑化処理して印刷用塗工紙とした。比較例4の基紙および塗工紙の物性等を表3に示した。
<比較例5>
紙料5を用いて抄紙した原紙に、さらにスチレン系表面サイズ剤(商品名ポリマロン360、荒川化学工業)をテスト用サイズプレス装置で原紙に対し0.5%塗布してサイズ度を高めた比較例4の基紙を作製した。得られた基紙の両面に、塗工液1を用いて、テスト用ブレードコーターで片面当たり5g/m塗布して塗工紙を製造し、テスト用スーパーカレンダーにより表面平滑化処理して印刷用塗工紙とした。比較例5の基紙および塗工紙の物性等を表3に示した。
<実施例3>
坪量以外は比較例5とほぼ同様に、紙料5を抄紙した原紙にさらにスチレン系表面サイズ剤(商品名ポリマロン360、荒川化学工業)を、テスト用サイズプレス装置で原紙に対し0.5%塗布してサイズ度を高めた基紙の両面に、塗工液1を用いて、テスト用ブレードコーターで片面当たり8g/m塗布して塗工紙を製造し、テスト用スーパーカレンダーにより表面平滑化処理して本発明のオフセット印刷用塗工紙とした。基紙および塗工紙の物性等は表3に示した。
<比較例6>
紙料5を用いて抄紙した基紙の両面に、塗工液2を片面当たり5g/m塗布して塗工紙を製造し、次に、スーパーカレンダーにより表面平滑化処理して塗工層にサイズ剤が添加された印刷用塗工紙を製造した。塗布前の基紙および塗工紙の物性等を表3に示した。
Figure 2005256237
比較例1〜3は、サイズ剤が内添された基紙の最大細孔径、表面接触角の両方および表面接触角だけが適切な範囲から外れた例であって、塗工層の塗布量が少なくても適切な場合も、ともに良好なインクジェット印刷適性は得られない。また、比較例4、5は、サイズ剤が内添および外添された基紙に塗布された塗工紙の場合で、比較例4は最大細孔径については適切であるが、表面接触角が適切な範囲より小さい基紙を用いると、比較例1〜3と同様、水性インクが基紙に浸透し裏面まで到達して裏ヌケが発生し、比較例5は、基紙の最大細孔径、表面接触角の両方が適切な範囲の基紙を用いても、塗布量が適切な範囲より少ないと裏ヌケは発生しないが、水性インクの浸透不良によって印字濃度は高いものの濃度ムラが発生し、印字品質が低下してやはり良好なインクジェット印刷適性は得られないことを示している。比較例6は、最大細孔径は適切な範囲に入っているものの表面接触角の小さい基紙に、塗工液にサイズ剤を添加して高い表面接触角を示す塗工層を形成した例で、水性インクの浸透不良が発生し、印字の濃度ムラが比較例5よりも著しく劣る評価となった例を示す。
実施例1、2は、叩解処理の進んだパルプを用い、サイズ剤の内添によって最大細孔径と表面接触角が適切な基紙に、適切な組成の塗工液を適切な塗布量の塗工層を形成したことによって、優れたオフセット印刷適性とともに良好なインクジェット適性を達成している。実施例3は、叩解処理の進んだパルプを用い、サイズ剤の内添と外添を併用したことによって基紙の最大細孔径と表面接触角を適切な範囲としたことによって、優れたオフセット印刷適性と良好なインクジェット適性を達成している例を示している。

Claims (3)

  1. 基紙の両面に顔料とバインダーを主成分とする塗工液を塗工して塗工層を設けた坪量40〜55g/mの印刷用塗工紙において、JIS K 3832「精密ろ過膜エレメントおよびモジュールのバブルポイント試験方法」に準じて測定したバブルポイント値から求めた最大細孔径が1〜10μm、表面張力45mN/mの液体との接触時間0.1秒における接触角が55〜70度の基紙に、塗工層が片面あたり5.5〜10g/m形成されてなることを特徴とするオフセット印刷用塗工紙。
  2. 基紙が、ショッパーろ水度55°SR以上の製紙用パルプ繊維に填料とサイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤が内添されてなり、塗工層が塗工液をオンマシン塗工して設けたことを特徴とする請求項1に記載のオフセット印刷用塗工紙。
  3. 塗工層が、顔料100質量部あたりバインダー10〜30質量部、バインダーの疎水性樹脂成分が顔料100質量部あたり10質量部以上、バインダーの疎水性樹脂成分と親水性樹脂成分の混合比が45:55〜72:28であることを特徴とする請求項1または2に記載のオフセット印刷用塗工紙。

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