JP2009056615A - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009056615A
JP2009056615A JP2007223567A JP2007223567A JP2009056615A JP 2009056615 A JP2009056615 A JP 2009056615A JP 2007223567 A JP2007223567 A JP 2007223567A JP 2007223567 A JP2007223567 A JP 2007223567A JP 2009056615 A JP2009056615 A JP 2009056615A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
paper
pigment
water
printing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007223567A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Oshima
享 大嶋
Kiyofumi Nagai
希世文 永井
Yuji Kojima
勇二 小島
Koji Onoki
康治 小野木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Fuji Kako Inc
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Fuji Kako Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd, Fuji Kako Inc filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2007223567A priority Critical patent/JP2009056615A/ja
Priority to US12/671,484 priority patent/US8425031B2/en
Priority to CN2008801014235A priority patent/CN101772423B/zh
Priority to EP08828761.0A priority patent/EP2183117B1/en
Priority to PCT/JP2008/066020 priority patent/WO2009028733A1/en
Publication of JP2009056615A publication Critical patent/JP2009056615A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5218Macromolecular coatings characterised by inorganic additives, e.g. pigments, clays
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5236Macromolecular coatings characterised by the use of natural gums, of proteins, e.g. gelatins, or of macromolecular carbohydrates, e.g. cellulose
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5254Macromolecular coatings characterised by the use of polymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. vinyl polymers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】安価で印字品位が良好でハンドリング性を備え、商業印刷物に近い印字物が簡便に印字でき、オフセット印刷のように、マット地合のメディア上でも高い画像光沢を実現できる記録方法の提供。キャレンダー処理が可能で、メディアの地肌光沢をマット風にもグロス風にも調整でき、インクジェット適性が変わらないメディアの提供。商業用印刷として使用可能なインクジェットメディア、水系顔料インク、インクジェット記録方式の提供。
【解決手段】セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、顔料と接着剤を含有する塗工層を一層、もしくは多層塗布した水系顔料インクジェット用メディアにおいて、最表層の塗工層を形成する顔料として少なくとも軽質炭酸カルシウム、カオリン、ゲル法シリカを含み、これら顔料の吸油度の平均が70ml/100g以上120ml/100g以下であることを特徴とするインクジェットメディア。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット方式によりオフセット印刷等の商業用印刷に近い高画質画像と風合いを低コストで実現することができ、とりわけマット地合のメディアでも後処理せずに高い画像光沢が得られる記録用メディア、インクメディアセット及びこれを用いたインクジェット記録方法、並びに、インク記録物に関する。
インクジェット記録方法はインク・メディア双方の進歩により現在では写真画質を実現できるレベルまで高画質化が達成されている。特に特許文献1(特開2005−212327号公報)や特許文献2(特開平11−078225号公報)に開示されるように水系のインクと空隙型メディアを利用したインクジェット記録方法はその手軽さや安全性の点から広く普及し、写真分野では従来の銀塩方式を代替するまでになった。
一方、商業印刷分野でも普通紙やIJ用マット紙に対してはもちろん、IJ用コート紙に対して水系インクジェット記録方法が使われ出しているが、印字コストや速度、画質に厳しいこれらの分野では残念ながらプルーフや広幅印刷などの一部の分野でのみの利用に限られている。一般のオフセット印刷もしくはグラビア印刷に用いられるコート紙(商業印刷用コート紙)に水系インクジェット記録方法を使用して十分な速度で商業印刷同等の画質が出力できる方法はまだ実現できていない。通常の商業印刷用コート紙にインクジェット印字を行なうと、インクの吸収性や濡れ性が悪く、画像が滲んだり、乾燥しないなどの問題が発生し、実用に耐えないのが現状である。
従来、水系インクジェット記録で、A2グロスコート紙、A2マットコート紙、アート紙のような商業印刷用紙の風合いをもつ印字物を実現するためには、これらの用紙を基体に用いて、表層に透明なインクジェット受容層を形成する方法が取られる。これは先に述べたプルーフなどの用途で実用化されているが、通常の印刷用紙に比べメディアの製造コストが非常に高く、ひいては印字コストが非常に高くなるため、チラシ配布等に用いるのは全く現実的でない。
もう一つの方法は、原紙上にコロイダルシリカやアルミナ水和物等の吸油量の比較的大きな材料を使用して十分なインク吸収性を持たせたまま、炭酸カルシウムやその他の顔料を併用し、風合いを印刷用紙に似せたコート層を塗布する方法がある。この方法もコロイダルシリカやアルミナ水和物等の原材料が高価なため、どうしてもメディアコストが高くなりがちである。そのため、このタイプの用途もプルーフ等に限られているのが現状であり、チラシやカタログ等の印字コストが重要視されるような用途への応用は困難な状況である。
また、特にこれらシリカやアルミナ水和物を使って塗工層の風合いを印刷用紙に似せたタイプのメディアの場合、特有な問題が生じやすい。即ち、このタイプのメディアの場合、インクジェット印字で高画質画像を得るために通常のインクジェット用紙同様、多量のインクを吸収する必要から、塗工層に比較的吸油量の大きい顔料を多量に配合してインクの吸収を確保する必要がある。これら吸油量の多い顔料を多量に配合すると、インクの吸収は改善されるものの、コート層の脆化(粉落ち)が生じやすい。脆化を防ぐにはバインダーの配合比を増やせばよいが、逆にインクの吸収を妨げることになり、目的と背反する。特許文献3(特開2005−288696号公報)などに代表されるように、これらの問題をいかに改善するかがこのタイプのメディアの技術のポイントの一つであるが、どうしても商業印刷用紙に比べて劣る傾向がある。また、このようなメディアを商業印刷分野へ応用しようとする際、大量の枚数を一度に裁断しても安定した加工性が得られることは必要不可欠であり、粉落ちのしやすいメディア、特に従来のインクジェットコート紙のように裁断時に化粧裁ち(2度裁ち)が必要とされるようなメディアは、裁断、折り曲げが必須の商業印刷分野では品質トラブルを招き利用できない。特に加工コストが重視される商業印刷分野では既存の印刷用紙に比べて新たな加工工程が必要とされたり、慎重な取り扱いが要求されるようなメディアは生産性の観点からみても使用できない状況にある。
これら空隙型のメディアに関して、粉落ちを防ぐとともに光沢と画質を両立すべくコート層を構成している顔料の吸油量を最適化する試みが過去に多数行なわれている。
例えば特許文献4(特開2006−240017号公報)ではインク受理層が顔料、バインダー、カチオン樹脂からなり、吸油量が210〜330ml/100gであり、バインダーとしてポリビニルアルコールを顔料に対して30〜70%使用したインクジェット記録用キャストコート紙が開示されている。この中では、吸油量が210ml/100gに満たないとインク吸収性が悪化し、一方、330ml/100gを超えると顔料がバインダーを吸収してしまい塗膜強度が低下することが示されている。またこのメディアの場合は受容層の上に光沢層を設け、キャストドラムを用いた高コストな処理を行なうことで白紙光沢を出している。このようにインク吸収・白紙光沢・塗膜強度のバランスを取ることは技術的に非常に難しく、特に低価格でこれらのバランスが取れているインクジェットメディアはこれまで実現されていない。
ところで、商業印刷用コート紙に通常のオフセット印刷をした場合、グロスタイプはもちろん、マットタイプの用紙でも、比較的高い画像光沢が得られる。一方、IJメディアの場合、染料インクを用いると画像部は地肌部と同等であるのが一般的である。近年実用化された水系顔料インクの場合は地肌光沢よりも画像光沢が低くなりやすい。この地肌光沢と画像光沢のバランスの違いにより、通常見慣れた商業印刷物と比較して違和感が生じ、IJ方式があまりコマーシャル用途の商業印刷に使われない一因でもある。また商業印刷分野では水に濡れたり、むき出しのまま使用されたりと、アルバム保存やフォトフレーム掲示が中心の写真用途とはレベルの異なる画像信頼性が要求されるため、その点からも水系染料インクは使用しにくく、水系顔料インクの方が本来望ましい。この水系顔料インクと画像光沢の改善については写真用途向けのメディアと記録方法に関してさまざまな技術が開発されているが、商業印刷用途として使用可能な高生産性(高速印字性)を有した画像光沢改善技術にはいまだ有力なものはない。
また一般的な商業印刷用コート紙は、非常に多くの種類の風合いの異なる用紙、特に地肌光沢の異なる用紙が用意されており、ユーザーが望みに応じて使い分けが可能となっている。これは、商業印刷の場合は出版デザイナーの、紙の質感、特に地肌光沢や画像光沢に対する要求が複雑かつ厳しいため、それに対応すべく製紙業界全体で品種を増やしていった結果である。商業印刷分野にIJ方式を適用させようとすると、写真印刷以上にさまざまな種類のメディアを用意する必要に迫られる。
また商業印刷用コート紙は地肌光沢毎にコート層処方も異なっているのが普通である。近年、抄紙設備が大型化し、一度に生産される量が非常に大きくなっていることが、紙の製造コストを大きく左右している。すなわち装置の生産性を極力上げることが、低コスト化を図るための必要条件となっている。一般的な商業印刷用紙の場合、ユーザー需要により消費される量も十分多いため、品種ごとに多少処方を変えても、装置の生産性を上げたほうがコスト的に優位であるという状況が背景にある。マットタイプやグロス(光沢)タイプの作り分けは顔料組成比を変化させることが簡便で生産安定性も高いため、結果、品質ごとに処方を変える手法が好んで用いられる。
一方、インクジェットメディアの現状を見た場合、インクジェット記録方式が普及したとは言え、商業印刷用紙に比べると、非常に市場規模が小さい。実際インクジェット専用紙のコーターは製造コストが高くなりがちなオフマシンコーターを使って比較的低速の塗布速度で生産されている。一般に、安価なメディアを作るための第一条件は規模が大きく、塗布スピードの速い抄紙機を使って生産することであるが、これら生産設備を使って低コストに製造することを考えた場合、一度に製造できる量に比べてメディアのユーザー需要がまだ非常に小さく、製造装置に見合わない生産量になりがちか、もしくは需要量に見合わない膨大な量のメディアが一度に生産されてしまうことになる。従って商業印刷用コートに比べ、ただでさえ原材料価格が高くなりがちであるインクジェット用紙の場合、地肌光沢の品揃えのためにメディア毎に処方を変えるのは現状を考えると困難な状況であり、仮に行なったとしても、製造効率を非常に低下させ、逆に製造コストをさらに大きく上げてしまうことになり、安価なメディアの供給がなおさら困難となる。
商業印刷用コート紙の場合、コート層処方を変えずに地肌光沢(グロス)を簡便に変える方法としては、コート層塗布後のキャレンダー工程でその条件を調整することも行なわれる。この方法を同様にインクジェットメディアに適用すればよいと考えられるが、通常のインクジェット光沢紙はキャレンダー工程を行なわずに地肌光沢が出るよう設計されているし、逆にインクジェット用マット紙はキャレンダーをかけても光沢が出ず、加えて商業印刷のような画像光沢も出ない。
またもう一つの問題として、グロス、マットかかわらず、従来の空隙型インクジェット用紙の場合、キャレンダー処理を行なうと、インク吸収層処方の工夫によりせっかく作ったインクを吸収するための空隙が、キャレンダー処理の強さに比例して縮小し、それに伴いインク吸収層のインクの吸収特性が極度に劣化し、処理前と全く別のマッチング特性となってしまうという点もある。そのため、キャレンダー処理していないメディアに最適化した印字条件で印字すると、画質も大きく劣化してしまうのが普通であり、仮に印字可能であったとしても異なる画像処理(印字条件設定)が必要となる。インクジェット記録の場合、メディアのインク吸収特性にあわせて画像処理を変えるのが普通であるため、プリンタ側の印字モードが膨大になり、全く現実的でない。
ちなみに顔料の吸油量を規定した例は、従来のインクジェットメディアに関して、過去に開示された技術にも数多く見受けられるが、いずれも本発明の目的とは異なっており、その考え方や規定する範囲も異なっている。代表的なものを以下に例示する。
特許文献5(特開2006−231914号公報)では、支持体上に2層以上の塗工層を有するインクジェット記録体において、支持体に近い第1塗工層中に少なくともBET比表面積が100m/g未満の顔料AとBET比表面積が100m/g以上の顔料Bを含有し、且つ顔料Aと顔料Bの含有比率は9/1〜1/9の範囲であり、さらに支持体に遠い第2塗工層は平均粒子径0.7μm以下のシリカ、アルミナ、アルミナ水和物から選ばれる超微粒子と水溶性樹脂を含有することを特徴とするインクジェット記録体が開示されている。これはキャスト法により写真メディアもしくは印刷プルーフ用メディアを実現するためのものであり、インクを受容する最表層は粒径0.7μm以下の超微粒子を必要としているため、非常に高価なメディアとなる。また下塗り層としての機能を追求したものであり、当然最上層としては地肌光沢も画像光沢も得られない。
特許文献6(特開2006−240270号公報)では、インク受理層の塗工量が2〜10g/mとなるように設けられ、かつインク受理層に含有される顔料は吸油量150〜250ml/100gの合成非晶質シリカであることを特徴とするインクジェット記録用紙が開示されているが、これは非水系顔料インクを対象としたもので、水系インクではマッチングが悪く、画像が劣ることが示されている。
特許文献7(特開2006−218697号公報)では支持体上に、顔料と親水性結着剤とを主成分とするインク受理層を1層以上設けたインクジェット記録媒体で、前記顔料の吸油量が100〜350ml/100gであり、さらに前記インク受理層中に、30℃の水に対する溶解度が3g/100g以下であるリン酸カルシウム系化合物が前記顔料100質量部に対して20質量部以下含有されていることを特徴とするインクジェット記録媒体が開示されている。このメディアはインク吸収性に優れ、染料インクと顔料インクのいずれを用いても画像発色性に優れたインクジェット記録媒体を提供することができるとされるが、これらの系はインクジェット用マット紙に関するものであり、地肌光沢や画像光沢は得られない。
特許文献8(特許第3074743号公報)では吸油量(JIS K 5101による)が50ml/100g以上の顔料50〜90重量%と変性澱粉を全水溶性接着剤の固形分当り3〜30重量%含む水溶性接着剤10〜50重量%とを主成分とするインク受容性被覆層を、セルロースパルプを主成分とする紙の表面に設けてなり、かつ前記水溶性接着剤は、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール及びカゼインより選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子と変性澱粉とからなることを特徴とするインクジェット記録用紙が開示されている。これによれば、塗工の均一性と共にインクの吸収の均一性が著しく改善できるが、水溶性接着剤の使用が必須であり、粉落ちの問題から全顔料の比率を90%以上にはできない。これは塗工液粘度が高く、高速な塗布を行なう際に大きな欠点となる。
ところで、以上述べてきたことに加え、IJ適性を付与したメディアは全般的に、色材染料の定着性を上げるため、カチオン系の添加剤やサイズ剤を使用し紙面のpHを酸性寄りにすることが行われる。特許文献9(特許第3349803号公報)のように添加剤を用いるものや、特許文献10(特開2003−80837号公報)のようにカチオン系微粒子を用いるもの、特許文献11(特開2006−321978号公報)に見られるようにフィラーの表面をカチオン樹脂で処理する等も行なわれている。一般的に、染料系インクジェットインクにはアニオン性の性質を示す酸性染料が用いられる場合が多い。酸性染料の持つスルホン基などが紙中のカチオン物質と結合することにより染料の定着性を上げることができるためで、この技術は現在広範に使用されている。顔料系インクジェットインクの着色顔料もアニオン性である場合が多く、同様のメカニズムで定着性を上げることができる。これらの理由からインクジェット用紙の場合はインクジェット画像の保存性を優先し、紙面pHを下げる(酸性側)処理が積極的に行われ、インクジェット向けと銘打たれたメディアは殆んど全て紙面pHが7以下となっている。
一般に、オフセット印刷に代表される商業印刷用インキは、溶剤として沸点の非常に高い油を使用している場合が多く、インクジェットインクと異なり、印刷後の画像定着は溶剤が酸化重合することで実現されている。オフセット印刷においても作業性の面から乾燥定着(酸化重合反応)が早いことが望まれるため、一般にインキ中にドライヤーと呼ばれる乾燥(重合)促進剤を添加する場合が多い。このドライヤーは酸性雰囲気では金属イオン成分の析出等が発生して効果がなくなってしまうため、インクジェットメディアのような紙面pHが低い紙では乾燥性が大きく低下することが知られている。その他にも、オフセット印刷の際に使用される湿し水(H液)はインクジェットメディアのカチオン物質と反応する場合があり、版の疎水・親水のバランスが崩れ、画像汚れ等の印刷不良が発生しやすいことが知られている。コスト要因だけでなくこのような技術的な理由からも、インクジェットメディアにオフセット印刷をかけることは非常に難しいとされている。インクジェット専用メディアとは言え、商業印刷用途に使用する場合、オフセット印刷適性は必要不可欠な機能であり、この点の改善も必要とされている。
以上のような理由から、インクジェット記録方式を商業印刷分野に適用させていくためには、安価に様々な風合い、光沢のメディアを製造できる技術や、種々のメディア毎のマッチング特性を近づける技術、マット地合でも画像光沢を安価に実現できる技術、粉落ち防止などの後加工特性改善、オフセット印刷適性等、いくつもの技術課題の解決が必要な状況にある。
我々は、水系顔料を用いたインクジェット記録方法を商業印刷分野にも利用すべく、低コストで商業印刷に近い質感を再現できるインクジェット記録方法について検討を行なってきた。
我々はこれらの問題を解決するための方法として、特許文献12(特願2006−43240号明細書)のように浸透性の高い顔料インクと、従来とは逆の、インク吸収性の低いメディアとを組み合せて、商業印刷用紙等に低コストな画像形成方法を実現した例を示している。即ち、インク中の色材顔料が極力染み込まないようインク吸収性(浸透性)を抑制するためのコート層が設けられた記録メディアに対し、少量の超高浸透性顔料インクを使用して印字することにより、インクを形成する溶媒(水や有機溶剤)のみを選択的に支持体に染み込ませ、カチオン定着剤のような特殊な材料を使用せずともインク中の色材(顔料)だけを効率よくメディア表面に留まらせることができる。このため少量のインクでも十分な濃度と乾燥性を両立することができるのみならず、インク中の色材をメディアの表面に極力留めおくことで従来のインクジェットメディアの必要機能であった層の透明性が必ずしも必要でなくなることから、塗工層の材料構成に関する自由度を飛躍的に広げることが可能となったのである。この方法の応用によりこれまで困難とされてきた商業印刷用紙や出版印刷用紙のようなインク吸収性の低い紙でもインクジェット印字を行なうことが可能となってきた。しかしこの方法を用いても、商業印刷用紙に直接、従来のオフセット印刷なみの画質で、商業的に実用的な速度で印字することは難しかった。これら用紙は乾燥性が悪いため、高速に印字してプリンタ排紙後にすぐに積み重ねると裏移りが発生してしまい、印刷業のようなビジネス応用に対して利用上の制約が非常に多い状況である。
特開2005−212327号公報 特開平11−78225号公報 特開2005−288696号公報 特開2006−240017号公報 特開2006−231914号公報 特開2006−240270号公報 特開2006−218697号公報 特許第3074743号公報 特許第3349803号公報 特開2003−80837号公報 特開2006−331978号公報 特願2006−43240号明細書
本発明は上記実績に鑑みて下記の課題を解決するためになされたものである。
すなわち、本発明で示されたインクジェットメディア、インク、および記録方法により、安価で、印字品位が良好であって、かつ通常のインクジェット用紙のようなハンドリング性を兼ね備え、商業印刷物に近い質感の印字物が簡便に高速に印字でき、特にオフセット印刷方式の場合のように、マット地合のメディア上でも高い画像光沢を実現できる、理想的なインクジェット記録方法を提供することにある。また、インクジェットメディアでは通常行なわれないキャレンダー処理が可能で、その強弱を調整することにより、メディアの地肌光沢をマット風にもグロス風にも調整できるインクジェットメディアであり、キャレンダー条件を変えてもインクジェット適性が大きく変わらないメディアを提供することにある。さらに、オフセット印刷適性も有することで商業用印刷用紙としても使用可能な、理想的な水系顔料インク用インクジェットメディア、ならびにそのメディアに最適化された水系顔料インク、並びにインクジェット記録方式を提供することである。
上記の目的は、以下の本発明により達成される。
(1)「セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、顔料と接着剤を含有する塗工層を一層、もしくは多層塗布した水系顔料インクジェット用メディアにおいて、最表層の塗工層を形成する顔料として少なくとも軽質炭酸カルシウム、カオリン、ゲル法シリカを含み、これら顔料の吸油度の平均が70ml/100g以上120ml/100g以下であることを特徴とするインクジェットメディア」、
(2)「前記最表層の塗工層に含まれるゲル法シリカの全顔料に占める割合が15重量%以下であり、塗工層の接着剤として少なくとも澱粉あるいはカチオン化澱粉とSBRラテックスを含むことを特徴とする前記第(1)項に記載のインクジェットメディア」、
(3)「前記最上層の塗工層におけるカチオン性樹脂の含有量が2%以下であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載のインクジェットメディア」、
(4)「塗布後にカレンダー処理を行ないJIS P 8142による75°光沢が地肌光沢が5%〜75%に調整されていることを特徴とする前記第(1)項に記載のインクジェットメディア」、
(5)「前記第(1)項に記載されるインクジェットメディアに用いられるインクであり、少なくとも粒子状の色材、グリセリン、水溶性有機溶剤、水、界面活性剤、および樹脂エマルジョンから構成され、表面張力が15〜30mN/mであることを特徴とするインク」、
(6)「前記インクが、着色剤として分散性着色剤を含有し、該分散性着色剤の平均粒径が0.01〜0.16μmであることを特徴とする前記第(5)項に記載のインク」、
(7)「前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載のメディアを使用し、少なくとも粒子状の色材、グリセリン、水溶性有機溶剤、水、界面活性剤、および樹脂エマルジョンから構成され、表面張力が15〜30mN/mであるインクを使用し、インクの最大付着量を20g/m以下として印字することを特徴とするインクジェット記録方法」、
(8)「前記インクに刺激を印加し、該インクを飛翔させて前記記録メディアに画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とする前記第(7)項に記載のインクジェット記録方法」、
(9)「前記刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(8)項に記載のインクジェット記録方法」。
本発明によれば、インクジェット記録を行なう場合に、印字品位が良好であってかつ高速で低コスト、高信頼な記録方法を提供することが可能となるという極めて優れた効果を奏するものである。
以下、本発明のインクジェット記録メディアについて詳細に説明する。
我々はより低コストで高速かつ画像信頼性、後加工性の高いインクジェット記録方法を実現するにあたり、特に従来のインクジェット専用コート紙のコート層の処方構成の延長ではなく、水系顔料インクに特化した新たな処方構成のメディアと超浸透性の水系顔料インクで商業印刷画質を実現すべく、メディア、インクの処方構成とそのマッチング特性について検討を行なった。また、メディアコート層処方はそのままで、コート層塗布後のキャレンダー処理条件を変えることにより、一般の商業印刷用紙の様に様々な地肌光沢に対応できるメディアを実現することも目標とした。
すなわち、塗布工程後のキャレンダー処理だけで地肌光沢の品ぞろえを増やすことができるメディア処方の開発を目標のひとつとした。
より詳細に説明すると、我々の検討に拠れば、メディアのコート層を構成する顔料の種類を詳細に限定し、かつ塗工層全体の吸油量特性を一定の範囲にすることで、低コストかつ高画質かつ高速に印字可能で、さらにキャレンダー加工条件だけで様々な地肌光沢を調節可能で、かつキャレンダー処理で地肌光沢を変えてもマッチング特性が大きく変わらず、マット地合のメディアに印字した際の画像光沢も高く、商業印刷の風合いに非常に近いメディアを実現することが可能となった。
<コート層>
本発明によれば、前記コート層は、顔料及びバインダー(結着剤)を含有してなり、更に界面活性剤、その他の成分を含有してなる。前記顔料としては、少なくとも軽質炭酸カルシウム、カオリン、ゲル法シリカを同時に含むことにより、風合いを印刷用紙に似せたまま一定のインク吸収を確保でき、かつキャレンダー加工条件の強弱によって地肌光沢を調整することができると同時にキャレンダーの強弱や有無でインク吸収特性が大きく変わらないメディアが実現できる。
まず必須顔料の一つであるカオリンはキャレンダーを掛けた際に地肌光沢を上げるために必要な成分であり、この成分が無いと、キャレンダー工程で地肌光沢を調整することが困難となる。前記カオリンには、デラミネーテッドカオリン、焼成カオリン、含水カオリン等があるが、光沢発現性を考慮すると、平均粒子径が2μm以下であることが望ましい。
前記カオリンの添加量は、前記塗工層の全顔料100質量部に対し60質量部以上が好ましい。前記添加量が60質量部未満であると、光沢度において十分な効果が得られないことがある。前記添加量の上限は特に制限はないが、カオリンの流動性、特に高せん断力下での増粘性を考慮すると、塗工適性の点から、80重量%以下がより好ましい。
次の必須顔料である軽質炭酸カルシウムはメディアの白色度と水系顔料インク着弾後のドット直径を調整する、特にインクとの濡れ性を改善し、ドットを新円状のまま大きくするのに役立っており、この成分が無いとドット径が小さくなり、高速印字の際にベタが埋まり難く、バンディングや画像濃度低下が生じてしまう。また、添加しないとキャレンダー行程で地肌光沢を調整した際、インクの吸収性に応じてドット系が変動しやすくなり、マッチング特性が大きく低下してしまう。この軽質炭酸カルシウムの平均粒子径は、キャレンダー処理した際の光沢の観点から3μm以下が望ましく、より望ましくは1.5μm以下が望ましい。この軽質炭酸カルシウムの配合比は全顔料の20重量%以上であることが望ましく、更に望ましくは30重量%以上が望ましい。
最後の必須顔料であるゲル法シリカはインクの乾燥速度向上に役立っており、この成分が無いと紙積み性が極度に悪化する。シリカには乾式シリカ、湿式シリカ等、他にも製法によって種類があり、IJメディアのインク吸収性を改善するために一般的に良く使用されているが、本発明ではゲル法シリカであることが必要である。湿式シリカ等、他の種類のシリカを使用すると、顔料粒径を同一にしても、キャレンダー加工した際に光沢が出なくなってしまう。このゲル法シリカの平均粒径は5μm以下であることが望ましく、更に望ましくは2μm以下であることが望ましい。
このゲル法シリカの配合比が多いほどインクの吸収性は向上するが、逆にキャレンダー加工時の地肌光沢が低下することに加え、ドット径が小さくなる傾向がある。ドット径が小さくなってしまうと高速印字を行なった際にバンディングが目立つようになる。またこれらシリカは酸性度が強く、紙の表面pHを下げてしまう傾向がある。表面pHが7より下がるとオフセット印刷適性が大きく低下する傾向があることに加え、これらシリカゲルはオフセットインキが乾燥過程で紙中に染み込み画像濃度が低下するドライダウンの原因となりやすい。そのため全顔料の15%以下であることが望ましく、更に望ましくは10%以下であることが望ましい。またシリカを多く入れることにより、キャレンダー処理の有無によるマッチング特性の変化が非常に大きくなる傾向があり、その点からも15%以下であることが望ましい。また、少なすぎると、インク吸収性が不十分となりやすいため、全顔料の5重量%以上は含まれていることが望ましい。
以上はメディアの地肌光沢の面からの制約であるが、印字後の画像光沢とインク吸収性のバランスの面から、コート層を構成する顔料の配合比を決定する上でトータル(平均)吸油量を制限する必要がある。ここで、各顔料の給油量とはJIS K5101に基づき測定された値のことである。また、トータル吸油量とは、コート層を構成する顔料の単位あたりの吸油量に、各々の配合比を掛けて、平均値としたものである。
各顔料の給油量はJIS K5101に基づき測定された値を用いた。
トータル吸油量は成分となる各顔料の吸油量に各顔料の配合比を掛けたものの和とした。即ち、顔料Aの吸油量がA(ml/100g)、顔料Bの吸油量がB(ml/100g)、顔料Cの吸油量がC(ml/100g)で、各々の配合比がa:b:cの場合、(A×a+B×b+C×c)/(a+b+c)となる。
キャレンダー処理を行わず、マット状の地肌光沢のメディアでも、印字後の画像光沢を十分に発現させるためには、これら顔料の吸油量の平均が120ml/100g以下である必要がある。これより多いと画像光沢が出にくくなり、オフセット印刷様の質感が得られない。
逆に吸油量の平均がこれ以下であると、本発明のインクを用いても、高速に印字した際に画像濃度の高い部分でビーディングやブリードが顕著となってくる。これを防ぐためには平均吸油量が70ml/100g以上である必要がある。
上記の条件を満たす範囲であれば、さらに必要に応じて、その他の無機顔料や有機顔料を使用することができる。
前記無機顔料としては、例えば、タルク、亜硫酸カルシウム、チタンホワイト、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クローライトなどが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、スチレン−アクリル共重合体粒子、スチレン−ブタジエン共重合体粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレン粒子等の水溶性ディスパージョンがある。これら有機顔料は2種以上が混合されてもよい。
前記有機顔料には、その形態において、密実型、中空型、ドーナツ型等があるが、光沢発現性、表面被覆性及び塗工液の流動性のバランスを鑑み、平均粒子径は0.2〜3.0μmが好ましく、より好ましくは空隙率40%以上の中空型が採用される。
<コート層構成材料 バインダー>
本発明で使用されるコート層のバインダーは、コート層を構成する顔料及び基紙との接着力が強いと共に、ブロッキングを起こさない特定水性樹脂、エマルジョンであることがが極めて好ましく、さらに商業印刷用紙で用いるインクとのマッチング性も兼ね備えたものであることが極めて好ましい。特に印刷のトラブルとなりやすいパイリングや浮き汚れの発生を防ぐためには、一般的な印刷用紙に使用されている澱粉、もしくは変性澱粉に加え、インクジェット用紙ではあまり用いられない、スチレン−ブタジエン(SBR)ラテックスを含有させることが極めて好ましい。通常このSBRラテックスをインクジェットメディアに入れるとメディア表面が疎水性になり、インクジェットインクの濡れ性が悪化すること、またインクジェットインクの定着剤として用いられるカチオン剤との相性が悪いため、従来はインクジェット用紙には殆んど用いられないが、オフセット印刷適性を高めるために極めて好ましい。
スチレン・ブタジエンラテックスは、モノマーとしてスチレンとブタジエンを含み、必要に応じ他のモノマーを共重合させたり、化学反応により共重合体を変性した、紙塗工用に一般的に使用される共重合体ラテックスで良い。他のモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸あるいはメタクリル酸のアルキルエステル、アクリロニトリル、マレイン酸、フマル酸、酢酸ビニルなどのビニル系モノマーが良く使用されるものである。また、メチロール化メラミン、メチロール化尿素、メチロール化ヒドロキシプロピレン尿素、イソシアネート等の架橋剤を含有してよいし、N−メチロールアクリルアミドなどの単位を含む共重合体で自己架橋性を持つものを用いてもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの樹脂を含めばその他の水溶性結着剤を併用しても構わず、特に限定されるものではない。
前記澱粉としては、酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプン、カチオン化デンプンなどのデンプン類が挙げられる。
前記水性結着剤としては、カゼイン、大豆タンパク質類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の繊維素誘導体、スチレン−アクリル樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂、アクリルエマルジョン、酢ビエマルジョン、塩化ビニリデンエマルジョン、ポリエステルエマルジョン、アクリルニトリルブタジエンラテックス等を挙げることができる。
本発明で使用されるコート層における前記水性結着剤の添加量(バインダー)の使用比率は、全被覆層固形分の5〜30重量%が好ましく、より好ましくは10〜20重量%である。少ないと接着力が不十分となり、インク受容層の強度の低下、内部結合強度の低下粉落ちの発生が懸念される。
本発明のコート層には本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、更に必要に応じて、その他の成分を添加することができる。該その他の成分としては分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等、通常の塗工紙用顔料に配合される各種助剤のほか、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、を使用しても良い。
コート層に使用される界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、アニオン活性剤、カチオン活性剤、両性活性剤、非イオン活性剤のいずれも使用することができるが、これらの中でも、非イオン活性剤が特に好ましい。前記界面活性剤を添加することにより、画像の耐水性が向上するとともに、画像濃度が高くなり、ブリーディングが改善される。
前記非イオン活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙られる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット、ソルビトール、ショ糖などが挙げられる。またエチレンオキサイド付加物については、水溶性を維持できる範囲で、エチレンオキサイドの一部をプロピレンオキサイドあるいはブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドに置換したものも有効である。置換率は50%以下が好ましい。前記非イオン活性剤のHLB(親水性新油性比)は4〜15が好ましく、7〜13がより好ましい。
また、本発明の場合、通常のインクジエットメディアと異なりカチオン性有機化合物は配合する必要は無く、どうしても必要な場合のみ、コート層総量の2%以下の範囲で必要最低限度、選択使用することができる。これは塗膜にオフセット印刷適性を持たせるためと、製造時の塗工層塗工液の増粘による生産性低下を防ぐために必要である。添加量が2%を超えると塗工液が増粘する傾向が出始め、さらに添加量を増やしていくと塗工液の増粘傾向が非常に顕著になり、塗工不可能な程まで増粘してしまう。
前記カチオン性有機化合物としては、例えば、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルアミン・アンモニア・エピクロルヒドリン縮合物、ポリ(メタクリル酸トリメチルアミノエチル・メチル硫酸塩)、ジアリルアミン塩酸塩・アクリルアミド共重合物、ポリ(ジアリルアミン塩酸塩・二酸化イオウ)、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリ(アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩)、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジアミド、ジシアンジアミド・塩化アンモニウム・尿素・ホルムアルデヒド縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクローライド、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクローライド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクローライド・二酸化イオウ)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクローライド・ジアリルアミン塩酸塩誘導体)、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウムクローライド共重合物、アクリル酸塩・アクリルアミド・ジアリルアミン塩酸塩共重合物、ポリエチレンイミン、アクリルアミンポリマー等のエチレンイミン誘導体、ポリエチレンイミンアルキレンオキサイド変性物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<インク>
本発明のインクは、インク吸収の少ないメディアへの適性を鑑みて発明されたものであり、通常のインクジェットインクに比べて表面張力が小さいために濡れ性に優れ、空隙の少ないメディアに対してもキャリアの浸透性が強く、かつ微量のキャリアが浸透しただけでインク粘度が大きく上昇する特性を示す。このため従来は隣接ドットが簡単に融合してしまうような浸透性が劣るメディアに対しても着弾後隣接ドットと融合し難く、安定的にドット形成が可能である。さらに、色材はメディア内部にほとんど浸透せずに表面に残るため、同じアドレスに重ねて滴を置く必要が少なく、トータルで非常に少量のインクでも十分な発色、画像濃度が得られる。
こうして、従来よりもインク総量を非常に抑えた形で描画を行なうことにより、メディア内部に浸透させるべきキャリアの量が少なくてすみ、カールやコックリングばかりでなく、印字後の紙の剛度も印字前とほとんど変わらないため、従来に比べて極度にインク吸収を考慮していないメディアでも基体にダメージを与えずに印字が可能である。また、その濡れ性の高さから、メディア表面を指で触った際に付く指紋などに対しても耐性が高く、均一な印字が可能となる。表面張力の高いインクの場合、指紋の跡に応じてインクがはじき、指紋状の斑ができてしまう。
インク滴をメディア表面に置いた後、キャリアの吸収が完了すると、微量な湿潤剤が含まれた状態で色材がセットされる。ちょうど大豆油を使用したインキを使ってオフセット印刷した直後の状態のようになる。このとき、表面に残った色材と結着材成分が均一に混ざっていること、かつ十分にレベリングが起き、表面が平滑になることが必要である。
<インク付着量>
本発明では、インク中の色材の染み込み過ぎを防ぎ、効率的にメディア表面近傍に偏在させると同時に、インクの乾燥性を確保するために、インク総量が厳しく制限される必要がある。インク総量とは、画像を形成する際の重要なパラメーターであり、最高濃度のベタ画像を形成する際の単位面積当たりのインク量のことを指す。本発明では、このインク総量を規定することで、インク吸収の悪いメディアに対しても、ビーディングやブリードの少ない均一な画像を形成することが可能となる。逆にこの上限を超えて、従来のインクジェット記録のように多量のインクを使用すると、コート層の色材分離能力が追いつかず、インク溶媒と一緒にインクの色材顔料が浸透してしまい裏抜けしたり、インクの溶媒成分の浸透が間に合わず、作像に大きく支障をきたすため、品質の良い画像が得られない。
具体的には、本発明のインクを用いる場合、画像作成時の最大インク付着量(インク総量規制値)は20g/mで良く、それ以下のインク付着量で作像を行なうことで、ビーディングやブリードの無い、非常に高画質な画像を得ることができる。また望ましくは16g/m以下であることも判明した。
これは、従来の染料インクとインクジェット専用メディアの組み合わせと異なり、本発明の顔料インクとメディアの場合、色材はメディア表面に堆積した形で存在しており、メディアの表面を覆うのに必要な量の色材があれば、それ以上の色材は無駄となるばかりか、本発明の高浸透インクを用いてさえも、余ったインク溶剤が隣接ドットと干渉し、ビーディングやブリードを発生させてしまうためである。
特に本発明のインクを使用しても、従来のインクジェット記録のようにインクの総量規制値を高く設定してしまうと、ベタ部やシャドー部で多くのインク量が使用され、メディアの色材分離能を超え、画像が滲んだり、乾燥性が大きく低下したりする。
本発明の画像形成に使用するインク総量は、画像濃度が必要な場合でも従来のインクジェット記録方法に比べ少なくて済むことに併せ、従来のインクジェットメディアと違ってメディアのインク吸収能自体は低い方が、色材がメディア表面で均等に広がりやすい。言い換えればメディア表面でインクが薄く広がるが故にインク吸収能力が低くても、乾燥可能であり、かつブリードやビーディングが発生し難いのである。
また、キャリアの浸透量は、浸透剤(EHD)の量並びに、フッ素系界面活性剤のFS300の添加量で、容易に調整することができる。
さらに印字に必要なインク総量を少なくすることで、従来のインクジェットプリンタに比べインクカートリッジの容量を小さくすることができ、装置のコンパクト化も可能となった。また従来と同様のカートリッジサイズであるならば、インクカートリッジの交換頻度を減らすことができ、より低コストな印字が可能となる。
基本的にこのインク総量は少なければ少ないほどコート層の顔料分離能力が発揮されるが、あまりに少なくすると印字後の画像ドット径が小さくなりすぎてしまうという副作用もあるため、目的とする画像に応じてこの範囲内でインク総量を設定するのが望ましい。
<総量規制>
次に「総量規制」処理について説明する。
総量規制処理は図19のような処理となる。ここで示す総量規制値とはインクが過多に付着することにより発生する現象、例えばインク溢れ(ビーディング)や耐コックリング性低下により発生するコスレや転写、用紙詰まりが発生しないよう評価した結果から求まるインク滴量のことである。
総量規制値の規定の仕方としては、例えば600×600dpi 100×100のマスクサイズにおける滴量(単位はpl)で表わすことができる。
本発明にて実施される、前記記録メディア上に印写を行なう場合の総量規制値としては、発明者らが実験を行なったところ普通紙の総量規制値と同程度、絹目光沢紙における総量規制値の約55%の滴量が妥当である。また、実際に総量規制処理が掛かる事象としては入力値から得られた滴量が総量規制値よりも多い場合であり、その場合、Bkインクの滴量は保存し、CMY各色のインク滴量を減らすことによって、総量規制値以下の滴量に抑える処理を行なう。総量規制処理部とγテーブルは順序を逆にすることもできる。なお本発明においては、インク総量は、重量法を用いて測定した。具体的にはインクジェット専用紙であるスーパーファイン専用紙(エプソン社製)に5cm×20cmの矩形ベタ画像を最高濃度で印字し、印字直後に重量を測定し、印字前の重量を差し引き、その値を100倍してインク総量とした。
<インク定着剤>
また、さらに本発明の顔料インクの条件としては、インク中に色材顔料の定着を促進する樹脂成分を含むことが極めて好ましい。定着を促進する樹脂成分とは、色材顔料とメディア表面、もしくは色材顔料間の接着力を一定以上に保つものであり、この樹脂成分が無いと印字した後に色材顔料が剥がれてしまう。定着成分は単独でインクに含まれていても、色材粒子の表面に吸着・化学結合されていても良い。この定着剤としては低分子や水溶性樹脂でも良いが、インクの粘度調整の観点から樹脂エマルジョンであることが望ましい。
<インク表面張力>
また、本発明に必須の顔料インクの条件としては、非常に浸透性が高いものでなくてはならず、その条件とは表面張力が30mN/m以下であることが判明した。表面張力が30mN/mより大きいとインクの浸透が遅く画像が滲んでしまう現象が発生するため、高品位な画像が得られない。表面張力は低ければ低いほど顔料と溶剤の分離能が向上するため、より低いほうが望ましい。インクの表面張力は、浸透剤(EHD)の量並びに、フッ素系界面活性剤のFS300の添加量により、容易に調整することができる。
本発明の超高浸透インクは、従来の空隙型インクジェット専用メディアにも印字可能である。但し、本発明の記録メディアに印字した場合と比べてインク吸収速度が速すぎるため、インク滴がメディア表面に着弾した後ドットが濡れ広がる前に溶媒が浸透してしまい、ドット径が小さくなってしまう。その結果濃度の低下や粒状感の増大等が発生し易くなる。そのため高品位な画像を作成するためには本発明の記録メディアよりも解像度を上げて印字する必要が生じてしまうため、印字速度の低下やインク消費量の増大を招く。したがって本発明の記録メディアを使用するほうが望ましい。
前記インクは、25℃における表面張力が、15〜30mN/mであり、20〜25mN/mがより好ましい。前記表面張力15/m未満であると、本発明のノズルプレートに濡れすぎてインク滴の形成(粒子化)がうまくできなかったり、本発明の記録用メディア上での滲みが顕著となり、安定したインクの吐出が得られないことがあり、40mN/mを超えると、記録用メディアへのインク浸透が十分に起こらず、ビーディングの発生や乾燥時間の長時間化を招くことがある。
ここで、前記表面張力は、例えば、表面張力測定装置(協和界面科学株式会社製、CBVP−Z)を用い、白金プレートを使用して25℃で測定することができる。
<インクの固形分>
本発明のインクの固形分は、3wt%以上であることが望ましい。この濃度より低いと、乾燥時の粘度上昇が緩やかで、画像が滲みやすい傾向がある。高ければ高いほど良いが、あまりに高いとノズル詰まりが激しくなり、画像に抜け等が生じやすくなる、従って5〜15wt%であることが望ましい。
本発明で使用される支持体としては、化学パルプ、機械パルプ及び古紙回収パルプ等を任意の比率で混合して用いられ、必要に応じて内添サイズ剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等を添加した原料を長網フォーマやギャップタイプのツインワイヤーフォーマ、長網部の後半部をツインワイヤーで構成するハイブリッドフォーマ等で抄紙されたものが使用される。
<メディアその他>
本発明の支持体に使用するパルプは、バージンのケミカルパルプ(CP)、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、広葉樹未晒亜硫酸パルプ、針葉樹未晒亜硫酸パルプなどの木材及びその他の繊維原料を化学的に処理して作成されたバージンのケミカルパルプ、及び、バージンの機械パルプ(MP)、例えば、グランドパルプ、ケミグランドパルプ、ケミメカニカルパルプ、セミケミカルパルプなどの木材及びその他の繊維原料を主に機械的に処理して作成されたバージンの機械パルプを含有させてもよい。
また古紙パルプを用いてもよく、古紙パルプの原料としては、財団法人古紙再生促進センターの古紙標準品質規格表に示されている、上白、罫白、クリーム白カード、特白、中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、別上切、新聞、雑誌などが挙げられる。具体的には、情報関連用紙である非塗工コンピュータ用紙、感熱紙、感圧紙等のプリンタ用紙;PPC用紙等のOA古紙;アート紙、コート紙、微塗工紙、マット紙等の塗工紙;上質紙、色上質、ノート、便箋、包装紙、ファンシーペーパー、中質紙、新聞用紙、更紙、スーパー掛け紙、模造紙、純白ロール紙、ミルクカートン等の非塗工紙、などの紙や板紙の古紙で、化学パルプ紙、高歩留りパルプ含有紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記古紙パルプは、一般的に、以下の4工程の組み合わせから製造される。
(1)離解は、古紙をパルパーにて機械力と薬品で処理して繊維状にほぐし、印刷インキを繊維より剥離する。
(2)除塵は、古紙に含まれる異物(プラスチックなど)及びゴミをスクリーン、クリーナー等により除去する。
(3)脱墨は、繊維より界面活性剤を用いて剥離された印刷インキをフローテーション法、又は洗浄法で系外に除去する。
(4)漂白は、酸化作用や還元作用を用いて、繊維の白色度を高める。
前記古紙パルプを混合する場合、全パルプ中の古紙パルプの混合比率は、記録後のカール対策から40%以下が好ましい。
本発明の支持体に用いることができる填料としては、炭酸カルシウムが有効であるが、カオリン、焼成クレー、パイロフィライト、セリサイト、タルク等のケイ酸類等の無機填料や、サチンホワイト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫化亜鉛、プラスチックピグメント、尿素樹脂等の有機顔料も併用することができる。
本発明における支持体に使用する内添サイズ剤は、特に限定されるものではなくインクジェット記録用紙や商業印刷用紙に使用される公知の内添サイズ剤の中から適宜選択して使用することができる。例えば、ロジンエマルジョン系サイズ剤等を挙げることができるが、紙面pHを高くするために、中性抄紙に用いられる中性ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)、アルキルケテンダイマー(AKD)、石油樹脂系サイズ剤などが望ましい。これらの中でも、中性ロジンサイズ剤又はアルケニル無水コハク酸が特に好適である。
内添サイズ剤の使用量は、絶乾パルプ100重量部に対して0.1〜0.7重量部であるが、これに限定されるものではない。
前記支持体に使用される内添填料としては、例えば、白色顔料として従来公知の顔料が用いられる。該白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等のような白色無機顔料;スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等のような有機顔料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<塗工層の製法>
本発明の支持体にコート層を塗布により付与する方法としては特に規定しないが、直接塗布する方法、他の基材上に一度塗布したものを原紙に転写する方法、スプレー等によって噴霧する方法等が利用できる。直接塗布する方法としては、例えば、ロールコーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコーター法、サイズプレス法、シムサイザー法、ロッドメタリングサイズプレスコータ等フィルムトランスファー方式あるいはファウンテンあるいはロールアプリケーション等によるブレードコーター方式等を挙げることができる。
これらの中でも、エアナイフコーターで仕上げる方法が好ましい。
前記塗工層液の付着量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、固形分で、5〜20g/mが好ましい。5g/m未満であるとインク色材成分を十分分離することができないため色材が紙中に浸透し濃度低下や文字滲みが生じてしまう。
前記含浸又は塗布の後、必要に応じて乾燥させてもよく、この場合の乾燥の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜250℃程度が好ましい。
コート層の乾燥処理は、例えば、熱風乾燥炉、熱ドラム等を用いて行なうことができる。
本メディアは、コート層の乾燥後、目的とする光沢度に併せてカレンダー処理することができる。
カレンダーの方法としては、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー等があり、特に限定されない。
光沢を調整する方法としては、カレンダーの段数の増減、ニップ圧の増減等、線速の増減、カレンダー温度の高低等が挙げられる。
本発明の記録用メディアの坪量は、50〜250g/mであることが好ましい。50g/m未満であるとコシがないために搬送経路の途中で記録用メディアが詰まってしまうなどの搬送不良が生じやすい。250g/mを超えるとコシが大きくなりすぎるため搬送経路の途中にある曲線部で記録用メディアが曲がりきれず、やはり記録用メディアが詰まってしまうなどの搬送不良が生じやすい。
<インク>
本発明に必須な顔料インクは、少なくとも水、粒子状の色材、色剤の定着剤、及び水溶性有機溶剤、グリセリン、界面活性剤を含有してなり、表面張力が15〜30mN/mに調整されたものであり、湿潤剤、更に必要に応じて、等のその他の成分を含有してなる。
−着色剤−
本発明に用いられるシアン色材としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15(銅フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、15:34、16、17:1、22、56、60、63、C.I.バットブルー4、同60等が挙げられる。特にフタロシアニンブルー15:3がコストや安全性当の点からも望ましい。
その他のカラー用の色材としては、粒子状の色材であれば特に限定されない。
前記着色剤としては、顔料、染料、及び着色微粒子の少なくともいずれかを用いることが好ましい。
前記着色微粒子としては、顔料及び染料の少なくともいずれかの色材を含有させたポリマー微粒子の水分散物が好適に用いられる。
ここで、前記「色材を含有させた」とは、ポリマー微粒子中に色材を封入した状態及びポリマー微粒子の表面に色材を吸着させた状態の何れか又は双方を意味する。この場合、本発明のインクに配合される色材はすべてポリマー微粒子に封入又は吸着されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、該色材がエマルジョン中に分散していてもよい。前記色材としては、水不溶性又は水難溶性であって、前記ポリマーによって吸着され得る色材であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ここで、前記「水不溶性又は水難溶性」とは、20℃で水100質量部に対し色材が10質量部以上溶解しないことを意味する。また、「溶解する」とは、目視で水溶液表層又は下層に色材の分離や沈降が認められないことを意味する。
前記色材を含有させたポリマー微粒子(着色微粒子)の体積平均粒径は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。0.01μm未満であると微粒子が流動しやすいための文字滲みが大きくなったり、耐光性が劣ってしまう。逆に、0.16μmを超えると、ノズルが目詰まりやすくなったり、発色性が悪くなってしまう。
前記着色剤としては、例えば、水溶性染料、油溶性染料、分散染料等の染料、顔料等が挙げられる。良好な吸着性及び封入性の観点からは油溶性染料及び分散染料が好ましいが、得られる画像の耐光性からは顔料が好ましく用いられる。
なお、前記各染料は、ポリマー微粒子に効率的に含浸される観点から、有機溶剤、例えば、ケトン系溶剤に2g/リットル以上溶解することが好ましく、20〜600g/リットル溶解することがより好ましい。
前記水溶性染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料であり、好ましくは耐水性、及び耐光性に優れたものが用いられる。
前記顔料としては、少なくとも1種の親水性基が顔料の表面に直接若しくは他の原子団を介して結合した分散剤を使用することなく安定に分散させることができる自己分散型顔料が好適に用いられる。その結果、従来のインクのように、顔料を分散させるための分散剤が不要となる。前記自己分散型顔料としては、イオン性を有するものが好ましく、特にアニオン性に帯電したものが好適である。
前記自己分散型顔料の体積平均粒径は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。
前記アニオン性親水性基としては、例えば、−COOM、−SOM、−POHM、−PO、−SONH、−SONHCOR(ただし、式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わす。Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表わす。)等が挙げられる。これらの中でも、−COOM、−SOMがカラー顔料表面に結合されたものを用いることが好ましい。
また、前記親水性基中における「M」は、アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、等が挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、例えば、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。前記アニオン性に帯電したカラー顔料を得る方法としては、カラー顔料表面に−COONaを導入する方法として、例えば、カラー顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法、スルホン化による方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられる。
本発明においては、顔料分散剤を用いた顔料分散液を用いることもできる。
前記顔料分散剤としては、前記親水性高分子化合物として、天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子などが挙げられる。半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子などが挙げられる。純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホモポリマーや他の親水基を有するモノマーの共重合体からなるようなカルボキシル基を導入したものが高分子分散剤として特に好ましい。
前記共重合体の重量平均分子量は3,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がより好ましく、7,000〜15,000が更に好ましい。前記顔料と前記分散剤との混合質量比としては1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、1:0.125〜1:3の範囲がより好ましい。
前記着色剤の前記インクにおける添加量は、2〜15質量%が好ましく、3〜12質量%がより好ましい。前記添加量が2質量%未満であると、着色力の低下により、画像濃度が低くなったり、粘度の低下によりフェザリングや滲みが悪化することがあり、15質量%を超えると、インクジェット記録装置を放置しておいた場合等に、ノズルが乾燥し易くなり、不吐出現象が発生したり、粘度が高くなりすぎることにより浸透性が低下したり、ドットが広がらないために画像濃度が低下したり、ぼそついた画像になることがある。
−浸透剤−
前記浸透剤としては、ポリオール化合物やグリコールエーテル化合物等の水溶性有機溶剤が用いられ、特に、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物の少なくともいずれかが好適に用いられる。
前記ポリオール化合物の炭素数が8未満であると、十分な浸透性が得られず、両面印刷時に記録用メディアを汚したり、記録用メディア上でのインクの広がりが不十分で画素の埋まりが悪くなるため、文字品位や画像濃度の低下が生じることがある。
前記炭素数8以上のポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(溶解度:4.2%(25℃))、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール(溶解度:2.0%(25℃))、などが好適である。
前記グリコールエーテル化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
前記浸透剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
前記水溶性有機溶剤の添加量は0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
−湿潤剤−
前記湿潤剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール化合物、ラクタム化合物、尿素化合物及び糖類から選択される少なくとも1種が好適である。
前記ポリオール化合物としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用して使用してもよい。
前記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1、3−プルパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール1,3−プロパンジオール、1,5ペンタンジオール、1、6ヘキサンジオール、グリセロール、1、2、6−ヘキサントリオール、1、2、4−ブタントリオール、1、2、3−ブタントリオール、ペトリオールなどが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプローラクタムなどが挙げられる。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノ−ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。
これらの中でも、溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる点から、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドンが好適である。
前記ラクタム化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、ε−カプローラクタムから選択される少なくとも1種が挙げられる。
前記尿素化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選択される少なくとも1種が挙げられる。前記尿素類の前記インクへの添加量は、一般的に0.5〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
前記糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類及び四糖類を含む)、多糖類、又はこれらの誘導体などが挙げられる。これらの中でも、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースが好適であり、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン、マルトースが特に好ましい。
前記多糖類とは、広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることができる。
前記糖類の誘導体としては、前記糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(ただし、一般式:HOCH(CHOH)nCHOH(ただし、nは2〜5の整数を表わす)で表わされる)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、特に糖アルコールが好ましい。該当アルコールとしては、例えば、マルチトール、ソルビット、などが挙げられる。
前記湿潤剤の前記インク中における含有量は、10〜50質量%が好ましく、20〜35質量%がより好ましい。前記含有量が少なすぎると、ノズルが乾燥しやすくなり液滴の吐出不良が発生することがあり、多すぎるとインク粘度が高くなり、適正な粘度範囲を超えてしまうことがある。
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、又はフッ素系界面活性剤などが挙げられ、 前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、などが挙げられる。
前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。該アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品として、例えば、エアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485、TGなどが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。具体的には、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタイン、などが挙げられる。
これら界面活性剤の中でも特に、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)から選択される界面活性剤が好適である。
Figure 2009056615
ただし、前記一般式(I)中、Rは、アルキル基を表わす。hは、3〜12の整数を表わす。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表わす。
Figure 2009056615

ただし、前記一般式(II)中、Rは、アルキル基を表わす。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表わす。
Figure 2009056615
ただし、前記一般式(III)中、Rは、炭化水素基を表わす。kは5〜20の整数を表わす。
Figure 2009056615
ただし、前記一般式(IV)中、Rは、炭化水素基を表わす。jは、5〜20の整数を表わす。
Figure 2009056615
ただし、前記一般式(V)中、Rは、炭化水素基を表わす。L及びpは、1〜20の整数を表わす。
Figure 2009056615

ただし、前記一般式(VI)中、q及びrは0〜40の整数を表わす。
以下、前記一般式(I)、及び(II)の界面活性剤を具体的に遊離酸型で示す。
(I−1):CH(CH12O(CHCHO)CHCOOH
(I−2):CH(CH12O(CHCHO)CHCOOH
(I−3):CH(CH12O(CHCHO)CHCOOH
(I−4):CH(CH12O(CHCHO)CHCOOH
Figure 2009056615
Figure 2009056615
Figure 2009056615
Figure 2009056615
Figure 2009056615
Figure 2009056615

前記フッ素系界面活性剤としては、下記一般式(II−5)で表わされるものが好適である。
Figure 2009056615
ただし、前記一般式(II−5)中、mは0〜10の整数を表わす。nは1〜40の整数を表わす。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物、などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少なく、近年問題視されているフッ素化合物の生体蓄積性についても低く安全性の高いものであり、特に好ましい。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルカルボン化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩、などが挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも旭硝子社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも住友スリーエム社製)、メガファックF−470、F1405、F−474(いずれも大日本インキ化学工業社製)、ゾニールTBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれもデュポン社製)、FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも株式会社ネオス社製)、PF−151N(オムノバ社製)などが挙げられる。これらの中でも、信頼性と発色向上に関して良好な点から、ゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO(デュポン社製)が特に好ましい。
前記表面張力としては、25℃で、30mN/m以下であることが好ましく、さらに望ましくは25mN/m以下であることが望ましい。
顔料定着剤としては、任意の樹脂エマルジョンが使用できる。
−樹脂エマルジョン−
前記樹脂エマルジョンは、樹脂微粒子を連続相としての水中に分散したものであり、必要に応じて界面活性剤のような分散剤を含有しても構わない。
前記分散相成分としての樹脂微粒子の含有量(樹脂エマルジョン中の樹脂微粒子の含有量)は一般的には10〜70質量%が好ましい。また、前記樹脂微粒子の粒径は、特にインクジェット記録装置に使用することを考慮すると、平均粒径10〜1000nmが好ましく、20〜300nmがより好ましい。
前記分散相の樹脂微粒子成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン‐ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられ、これらの中でも、アクリルシリコーン系樹脂が特に好ましい。
前記樹脂エマルジョンとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販の樹脂エマルジョンとしては、例えば、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、プライマルAC−22、AC−61(アクリル系樹脂エマルジョン、ローム・アンド・ハース製)、ナノクリルSBCX−2821、3689(アクリルシリコーン系樹脂エマルジョン、東洋インキ製造株式会社製)、#3070(メタクリル酸メチル重合体樹脂エマルジョン、御国色素社製)などが挙げられる。
前記樹脂エマルジョンにおける樹脂微粒子成分の前記インクにおける添加量としては、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が更に好ましい。前記添加量が0.1質量%未満であると、耐目詰まり性及び吐出安定性の向上効果が十分でないことがあり、50質量%を超えると、インクの保存安定性を低下させてしまうことがある。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、などが挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて任意の物質を使用することができる。
該pH調製剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物;水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、などが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、などが挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、等が挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、等が挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、等が挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、等が挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)、等が挙げられる。
本発明のインクは、少なくとも水、着色剤、及び水溶性有機溶剤、湿潤剤、界面活性剤、更に必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、さらに必要に応じて攪拌混合して製造する。前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行なうことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行なうことができる。
前記インクの物性としては、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
前記インクの粘度は、25℃で、1cps以上30cps以下が好ましく、2〜20cpsがより好ましい。前記粘度が20cpsを超えると、吐出安定性の確保が困難になることがある。
前記pHとしては、例えば、7〜10が好ましい。
前記インクの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが挙げられる。これらの着色を2種以上併用したインクセットを使用して記録を行なうと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行なうと、フルカラー画像を形成することができる。
<添加剤、物性>
本発明の記録液を所望の物性にするため、あるいは乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止するためなどの目的で、色材の他に、水溶性有機溶媒を使用することが好ましい。水溶性有機溶媒には湿潤剤、浸透剤が含まれる。湿潤剤は乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止することを目的に添加される。湿潤剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエ−テル額;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプローラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノ−ル等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチローラクトン等である。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。
また、浸透剤は記録液と被記録材の濡れ性を向上させ、浸透速度を調整する目的で添加される。浸透剤としては、下記式(1)〜(4)で表わされるものが好ましい。すなわち、下記式(1)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤、式(2)のアセチレングリコール系界面活性剤、下記式(3)のポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤ならびに式(4)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系界面活性剤は、液の表面張力を低下させることができるので、濡れ性を向上させ、浸透速度を高めることができる。
Figure 2009056615
Figure 2009056615
(m,nは0〜40を表わす。)
Figure 2009056615
(Rは分岐してもよい炭素数6〜14の炭化水素鎖を表わす。nは5〜20を表わす。)
Figure 2009056615
(Rは炭素数6〜14の炭化水素鎖を表わす。m、nは20以下の数を表わす。)
前記式(1)〜(4)の化合物以外では、例えばジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類を用いることができるが、特にジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
本発明の記録液の表面張力は、25dyne/cm以下であることが好ましく、被記録材との濡れ性と液滴の粒子化の両立の観点からは23dyne/cm以下であることがさらに好ましい。
本発明の記録液の粘度は、1.0〜20.0cPであることが好ましく、吐出安定性の観点からは3.0〜10.0cPであることがさらに好ましい。
本発明の記録液のpHは3〜11であることが好ましく、接液する金属部材の腐食防止の観点からは6〜10であることがさらに好ましい。
本発明の記録液は防腐防黴剤を含有することができる。防腐防黴剤を含有することによって、菌の繁殖を押さえることができ、保存安定性、画質安定性を高めることができる。
防腐防黴剤としてはベンゾトリアゾール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、イソチアゾリン系化合物、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が使用できる。
本発明の記録液は防錆剤を含有することができる。防錆剤を含有することによって、ヘッド等の接液する金属面に被膜を形成し、腐食を防ぐことができる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が使用できる。
本発明の記録液は酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を含有することによって、腐食の原因となるラジカル種が生じた場合にも酸化防止剤がラジカル種を消滅させることで腐食を防止することができる。酸化防止剤としては、フェノール系化合物類、アミン系化合物類が代表的であるがフェノール系化合物類としては、ハイドロキノン、ガレート等の化合物、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のヒンダードフェノール系化合物が例示され、アミン系化合物類としては、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−テトラメチル−ジアミノジフェニルメタン等が例示される。また、後者としては、硫黄系化合物類、リン系化合物類が代表的であるが、硫黄系化合物としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が例示され、リン系化合物類としては、トリフェニルフォスファイト、トリオクタデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールフォスファイト等が例示される。
本発明の記録液はpH調整剤を含有することができる。pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ジエタノールアミン、トリエタノ−ルアミン等のアミン類、硼酸、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等を用いることができる。
<プリンタ>
本発明のインクメディアセットにおけるインクは、インクジェットヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などいずれのインクジェットヘッドを搭載するプリンタにも良好に使用できる。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記インクメディアセットにおけるインクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
次に、インクカートリッジについて、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1は、本発明のインクカートリッジの一例を示す図であり、図2は図1のインクカートリッジのケース(外装)も含めた図である。
インクカートリッジ(200)は、図1に示すように、インク注入口(242)からインク袋(241)内に充填され、排気した後、該インク注入口(242)は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口(243)に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク袋(241)は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋(241)は、図2に示すように、通常、プラスチック製のカートリッジケース(244)内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記インクメディアセットにおけるインクを収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述する本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。
<インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程等を含む。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行なうことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行なうことができる。
<インク飛翔工程及びインク飛翔手段>
前記インク飛翔工程は、本発明の前記インクメディアセットにおけるインクに、刺激を印加し、該インクを飛翔させて前記インクメディアセットにおける記録用メディアに画像を記録する工程である。
前記インク飛翔手段は、本発明の前記インクメディアセットにおけるインクに、刺激を印加し、該インクを飛翔させて前記インクメディアセットにおける記録用メディアに画像を記録する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
本発明においては、該インクジェットヘッドの液室部、流体抵抗部、振動板、及びノズル部材の少なくとも一部がシリコン及びニッケルの少なくともいずれかを含む材料から形成されることが好ましい。
また、インクジェットノズルのノズル径は、30μm以下が好ましく、1〜20μmが好ましい。
また、インクジェットヘッド上にインクを供給するためのサブタンクを有し、該サブタンクにインクカートリッジから供給チューブを介してインクが補充されるように構成することが好ましい。
また、本発明のインクジェット記録方法では、300dpi以上の解像度において、最大インク付着量が8〜20g/mであることが好ましい。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
なお、前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト、などが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等、などが挙げられる。
前記インクメディアセットにおけるインクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
前記飛翔させる前記インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、1〜40plとするのが好ましく、その吐出噴射の速さとしては5〜20m/sが好ましく、その駆動周波数としては1kHz以上が好ましく、その解像度としては300dpi以上が好ましい。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明のインクジェット記録装置により本発明のインクジェット記録方法を実施する一
の態様について、図面を参照しながら説明する。図3に示すインクジェット記録装置は、装置本体(101)と、装置本体(101)に装着した用紙を装填するための給紙トレイ(102)と、装置本体(101)に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ(103)と、インクカートリッジ装填部(104)とを有する。
インクカートリッジ装填部(104)の上面には、操作キーや表示器などの操作部(105)が配置されている。インクカートリッジ装填部(104)は、インクカートリッジ(201)の脱着を行なうための開閉可能な前カバー(115)を有している。
装置本体(101)内には、図4及び図5に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド(131)とステー(132)とでキャリッジ(133)を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ(不図示)によって図5で矢示方向に移動走査する。
キャリッジ(133)には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド(134)を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド(134)を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどをインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ(133)には、記録ヘッド(134)に各色のインクを供給するための各色のサブタンク(135)を搭載している。サブタンク(135)には、図示しないインク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部(104)に装填された本発明のインクカートリッジ(200)から本発明の前記インクメディアセットにおけるインクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ(102)の用紙積載部(圧板)(141)上に積載した用紙(142)を給紙するための給紙部として、用紙積載部(141)から用紙(142)を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ(143))、及び給紙コロ(143)に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド(144)を備え、この分離パッド(144)は給紙コロ(143)側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙(142)を記録ヘッド(134)の下方側で搬送するための搬送部として、用紙(142)を静電吸着して搬送するための搬送ベルト(151)と、給紙部からガイド(145)を介して送られる用紙(142)を搬送ベルト(151)との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ(152)と、略鉛直上方に送られる用紙(142)を略90°方向転換させて搬送ベルト(151)上に倣わせるための搬送ガイド(153)と、押さえ部材(154)で搬送ベルト(151)側に付勢された先端加圧コロ(155)とが備えられ、また、搬送ベルト(151)表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ(156)が備えられている。
搬送ベルト(151)は、無端状ベルトであり、搬送ローラ(157)とテンションローラ(158)との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト(151)は、例えば、抵抗制御を行なっていない厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行なった裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト(151)の裏側には、記録ヘッド(134)による印写領域に対応してガイド部材(161)が配置されている。なお、記録ヘッド(134)で記録された用紙(142)を排紙するための排紙部として、搬送ベルト(151)から用紙(142)を分離するための分離爪(171)と、排紙ローラ(172)及び排紙コロ(173)とが備えられており、排紙ローラ(172)の下方に排紙トレイ(103)が配されている。
装置本体(101)の背面部には、両面給紙ユニット(181)が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット(181)は、搬送ベルト(151)の逆方向回転で戻される用紙(142)を取り込んで反転させて再度カウンタローラ(152)と搬送ベルト(151)との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット(181)の上面には手差し給紙部(182)が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙(142)が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙(142)は、ガイド(145)で案内され、搬送ベルト(151)とカウンタローラ(152)との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド(153)で案内されて先端加圧コロ(155)で搬送ベルト(151)に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ(156)によって搬送ベルト(151)が帯電されており、用紙(142)は、搬送ベルト(151)に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ(133)を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド(134)を駆動することにより、停止している用紙(142)にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙(142)を所定量搬送後、次行の記録を行なう。記録終了信号又は用紙(142)の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙(142)を排紙トレイ(103)に排紙する。
そして、サブタンク(135)内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ(200)から所要量のインクがサブタンク(135)に補給される。
このインクジェット記録装置においては、本発明のインクカートリッジ(200)中のインクを使い切ったときには、インクカートリッジ(200)における筐体を分解して内部のインク袋だけを交換することができる。また、インクカートリッジ(200)は、縦置きで前面装填構成としても、安定したインクの供給を行なうことができる。したがって、装置本体(101)の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納したり、あるいは装置本体(101)の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ(200)の交換を容易に行なうことができる。
なお、ここでは、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
また、本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピー複合機などに特に好適に適用することができる。
次に、本発明を適用したインクジェットヘッドについて説明する。
図6は本発明を適用したインクジェットヘッドの要素拡大図、図7は同ヘッドのチャンネル間方向の要部拡大断面図である。
このインクジェットヘッドは、図示してないインク供給口(図6の表面方向から奥方向(紙の裏面方向)に向かってインクを供給する)と共通液室(12)となる彫り込みを形成したフレーム(10)と、流体抵抗部(21)、加圧液室(22)となる彫り込みとノズル(31)に連通する連通口(23)を形成した流路板(20)と、ノズル(31)を形成するノズル板(30)と、凸部(61)、ダイヤフラム部(62)およびインク流入口(63)を有する振動板(60)と、振動板(60)に接着層(70)を介して接合された積層圧電素子(50)と、積層圧電素子(50)を固定しているベース(40)を備えている。ベース(40)はチタン酸バリウム系セラミックからなり、積層圧電素子(50)を2列配置して接合している。
積層圧電素子(50)は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層(51)と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層(52)とを交互に積層している。内部電極層(52)は両端で外部電極(53)に接続する。
積層圧電素子(50)はハーフカットのダイシング加工により櫛歯上に分割され、1つ毎に駆動部(56)と支持部(57)(非駆動部)として使用(図7)する。
2つの外部電極(53)のうち一方(図の表面方向又は奥方向(紙の裏面方向)で内部電極層(52)の一端に連なる)の外側端はハーフカットのダイシング加工で分割されるように、切り欠き等の加工により長さを制限しており、これらは複数の個別電極(54)となる。他方はダイシングでは分割されずに導通しており、共通電極(55)となる。
駆動部の個別電極(54)にはFPC(80)が半田接合されている。また、共通電極(55)は積層圧電素子の端部に電極層を設けて回し込んでFPC(80)のGnd電極に接合している。FPC(80)には図示しないドライバICが実装されており、これにより駆動部(56)への駆動電圧印加を制御している。
振動板(60)は、薄膜のダイヤフラム部(62)と、このダイヤフラム部(62)の中央部に形成した駆動部(56)となる積層圧電素子(50)と接合する島状凸部(アイランド部)(61)と、図示してない支持部に接合する梁を含む厚膜部と、インク流入口(63)となる開口を電鋳工法によるNiメッキ膜を2層重ねて形成している。ダイヤフラム部の厚さは3μm、幅は35μm(片側)である。
この振動板(60)の島状凸部(61)と積層圧電素子(50)の可動部(56)、振動板(60)とフレーム(10)の結合は、ギャップ材を含んだ接着層(70)をパターニングして接着している。
流路板(20)はシリコン単結晶基板を用いて、流体抵抗部(21)、加圧液室(22)となる彫り込み、およびノズル(31)に対する位置に連通口(23)となる貫通口をエッチング工法でパターニングした。
エッチングで残された部分が加圧液室(22)の隔壁(24)となる。また、このヘッドではエッチング幅を狭くする部分を設けて、これを流体抵抗部(21)とした。
ノズル板(30)は金属材料、例えば電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成したもので、インク滴を飛翔させるための微細な吐出口であるノズル(31)を多数を形成している。このノズル(31)の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい)に形成している。また、このノズル(31)の径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmである。また各列のノズルピッチは150dpiとした。
インク供給口と共通液室(12)となる彫り込みを形成するフレーム(10)は樹脂成形で作製している。
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、記録信号に応じて駆動部(56)に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、駆動部(56)に積層方向の変位が生起し、ノズル板(30)を介して加圧液室(22)が加圧されて圧力が上昇し、ノズル(31)からインク滴が吐出される。
その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧液室(22)内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧液室(22)内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、インクタンクから供給されたインクは共通液室(12)に流入し、共通液室(12)からインク流入口(63)を経て流体抵抗部(21)を通り、加圧液室(22)内に充填される。
流体抵抗部(21)は、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果がある反面、表面張力による最充填(リフィル)に対して抵抗になる。流体抵抗部を適宜に選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次のインク滴吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くできる。
<ノズルプレート、インク、メディアの関係説明>
本発明の画像形成方法に用いられるインクのように、比較的低い表面張力を有するインクを用いる場合、ノズルプレートは撥水性、撥インク性に優れていることが望ましい。これは、撥水性、撥インク性に優れるノズルプレートを用いることで、低い表面張力のインクでもインクのメニスカスが正常に形成でき、その結果、インク滴の形成(粒子化)が良好にできるためである。メニスカスが正常に形成されると、インクが噴射する際に一方方向にインクが引っ張られることがなくなり、その結果、インクの噴射曲がりが少なく、ドット位置精度が高い画像を得ることができる。
また、本発明のインクメディアセットに用いられるメディア(用紙)のように、吸収性が低いメディアに印刷する際にはドット位置精度の善し悪しが画像品質に顕著に現れる。つまり、吸収性が低いメディアの上ではインクが広がりづらいため、ドット位置精度が少しでも低くなるとメディアをインクが埋めきらない箇所、つまり、白抜け部が生じてしまう。この埋めきれない箇所は画像濃度ムラ、画像濃度低下につながり、画像品質の低下に現れる。
ところが、本発明で用いるインクジェットヘッドは低表面張力のインクを用いてもドット位置精度が高いため、吸収性が低いメディアを用いてもインクがメディアを埋めることができるため、画像濃度ムラや画像濃度低下にならず、高い画像品質の印刷物を得ることができる。
<撥インク層>
(表面粗さ)
本発明で用いられる撥インク層の表面粗さRaは、0.2μm以下にすることが好ましい。表面粗さRaを0.2μm以下にすることで、ワイピング時の拭き残しを低減することができる。
図8、図9、図10は、本発明により作成したインクジェットヘッドノズル板の断面図である。
本実施形態では、インクジェットヘッドの基材であるノズル板(2)がNiの電鋳により作製され、その表面に膜厚0.1μm以上のシリコーン樹脂皮膜である撥インク膜(1)が形成されており、その表面粗さはRa=0.2以下にすることが好ましい。また、撥インク膜(1)の膜厚は0.5μm以上であることがより好ましい。
インク(3)の充填時には、図9(c)に示すように、シリコーン樹脂皮膜による撥インク膜(1)とノズル板(2)の境界部分にメニスカス(液面)Pが形成される。
(ラウンド形状)
インクジェットヘッドのインク吐出用の開口部が開設された面に形成された撥インク膜の該開口部近傍における当該開口部の中心線に垂直な平面での断面積が、基材表面から離れるにつれて順次大きくなっていくよう形成される。
上記した撥インク膜の開口部近傍における形状は、曲面形状であることが好ましい。
上記した開口部の中心線を含む平面での断面における撥インク膜の当該開口部近傍の曲線の曲率半径が、該撥インク膜の厚み以上であることが好ましい。
上記した開口部の中心線を含む平面での断面における撥インク膜の当該開口部縁端から当該開口部近傍の曲線が略円弧曲線をなし、該円弧の曲率半径が、該撥インク膜の厚み以上であることが好ましい。
上記した開口部の中心線を含む平面での断面における撥インク膜の当該開口部縁端を通る接線が、当該端部を含むノズル部材表面からの角度が90度未満であることが好ましい。
ノズル板(2)の開口部は、図9中に一点鎖線で示す中心線に垂直な平面による断面が、この中心線を中心とした略円形となるよう開設されている。また、ノズル板(2)におけるインク吐出面に形成された撥インク膜(1)は、この中心線に垂直な平面による開口部分の断面積がノズル板(2)から離れるにつれて順次大きくなっていくよう形成されている。
より詳細には、撥インク膜(1)の開口部分は、図9(a)に示すように、ノズル板(2)の開口部縁端から開口部近傍の曲線が曲率半径(r)のラウンド形状となっている。この曲率半径rは、撥インク膜(1)の開口部分近傍以外における厚み(d)以上であることが好ましい。
この厚み(d)は、撥インク膜(1)の開口部分であるラウンド部分以外の部分における厚みであり、好ましくは撥インク膜の最大厚みであってよい。
このように、ノズル板(2)の開口部と連接される撥インク膜(1)の開口部分が、略尖鋭端のない形状(尖形部分のないなめらかな曲線)で、引っ掛かり部分のない曲線になっていることにより、ゴムなどの材料で形成されたワイパーでワイピングした場合であっても、尖形部分がワイパーに引っ掛かって撥インク膜(1)がノズル板(2)から剥離するといったことのないようにすることができる。
また、図9(b)に示すように、ノズル板(2)の開口部の中心線を含む平面での断面における、撥インク膜(1)の開口部分縁端を通る接線は、この開口部分縁端に連接されるノズル板(2)の開口部縁端を含むノズル板(2)表面からの角度(θ)が90度未満となっていることが好ましい。
このように、撥インク膜(1)の開口部分縁端での接線とノズル板表面(2)との角度(θ)が90度未満であることにより、図9(c)に示すように、撥インク膜(1)とノズル板(2)との境界部分にメニスカス(液面)(P)が安定的に形成され、他の部分にメニスカス(P)が形成される可能性を大きく減らすことができる。
このことにより、メニスカスの形成面を安定させることができるため、本ノズル板(2)を含むインクジェットヘッドを用いた画像形成装置で画像形成を行なう際のインクの噴射安定性を良好なものとすることができる。
本実施形態で用いるシリコーン樹脂としては、室温硬化型の液状シリコーンレジンが望ましく、特に加水分解反応を伴うものが好ましい。下記の実施例では東レ・ダウコーニング株式会社製のSR2411を用いた。
下記の表1は、本実施形態でのインクジェットヘッドでの撥インク膜(1)における、ノズル板(2)の開口部縁端から開口部縁端近傍の形状と、ノズル周囲のインク溜まり、エッジ剥離、噴射安定性に関して評価した結果である。
Figure 2009056615
撥インク膜(1)のエッジ部(開口部分縁端近傍)に略尖鋭端が含まれる形状の物では、ノズル周囲にインク溜まりが見られ、ワイピングによるエッジの剥離が発生した。
ラウンド形状のものでは、何れもインク溜まりは発生しなかったが、比較例として図10(a)に例示するようなr<dのもので一部エッジの剥離が発生し、図10(b)に例示するようなθ>90度のものでは液滴の噴射が不安定な結果であった。
すなわち、図10(c)に示すように、(r)<(d)のものや、(θ)>90度のものでは、インク(3)の充填時に、撥インク膜(1)とノズル板(2)の境界部分にメニスカス(液面)(P)が形成される場合と、撥インク膜(1’)における開口部分中心に向けての凸部(開口部分における中心線に垂直な断面積が最も小さくなる部分)にメニスカス(Q)が形成される場合とがありうる。このため、こうしたノズル板(2)を含むインクジェットヘッドを用いた画像形成装置で画像形成を行なう際のインクの噴射安定性にばらつきが発生してしまうこととなった。
次に、上述した本実施形態に係るインクジェットヘッドのノズル部材の製造方法について説明する。
図11は、本実施形態に係るディスペンサ(4)を用いた塗布により、シリコーン樹脂を塗布して撥インク膜(1)を形成する構成を示す図である。
Ni電鋳によるノズル(2)のインク吐出面側にシリコーン溶液を塗布するためのディスペンサ(4)が配置され、ノズル板(2)とニードル(5)先端とが予め定められた一定の距離間隔を保ったままとなるように、ニードル(5)先端からシリコーンを吐出しながらディスペンサ(4)を走査することにより、上述した図9、図10に示したようにノズル板(2)のインク吐出面に選択的にシリコーン樹脂皮膜を形成することができた。
本実施形態で使用したシリコーン樹脂は、常温硬化型シリコーンレジンSR2411(東レ・ダウコーニング株式会社製)粘度:10mPa・sを用いた。ただし、ノズル孔及びノズル板裏面に若干のシリコーンの周り込みが見られた。このようにして選択的に形成したシリコーン樹脂皮膜の厚さは1.2μmであり、表面粗さ(Ra)は0.18μmであった。
本実施形態に係るニードル(5)先端の塗布口は、図12(a)に示すように、塗布対象であるノズル板(2)への塗布幅だけの幅が確保されている。このことにより、ディスペンサ(4)を塗布方向に1回走査するだけで、塗布対象全体への塗布を完了させることができる。
すなわち、塗布動作のための走査方向を1方向のみとすることができ、図12(b)のように方向を変えたり、反対方向に走査したりといった必要をなくすることができる。
ここで一般のニードル(5)の先端は、図12(b)に示すように、塗布対象であるノズル板(2)への塗布幅よりはるかに狭いため、塗布対象全体への塗布を完了させるためには、塗布動作のための走査方向を90度変えて移動させたり、反対方向に走査したりして複数方向に走査する必要があり、塗布対象全体への均一な厚みでの塗布が困難であった。
本実施形態によれば、ニードル(5)先端の塗布口の幅が塗布対象であるノズル板(2)への塗布幅だけ確保されることにより、塗布対象全体に渡って塗布する厚みを均一とすることができ、精度のよい表面仕上がりとすることができる。
図13は、本実施形態に係るディスペンサ(4)を用いた塗布動作を示す図である。基本構成は上述した図11と同様であるが、ノズル板(2)のノズル孔(開口部)から気体(6)を噴射しながらシリコーンを塗布する。この気体(6)としては、塗布するシリコーンと化学反応を起こしにくい気体であれば各種のものを用いてよく、例えば空気であってもよい。
このように気体(6)をノズル孔から噴射しながら塗布を行なうことにより、ノズル板(2)のノズル孔を除くノズル表面だけにシリコーン樹脂皮膜を形成することができる。
また、上述のように気体(6)を噴射しないで同様のシリコーン樹脂を用いて塗布し、予め定められた深さまでシリコーン樹脂が進入した後、ノズル(2)から気体(6)を噴射させると、図14に示すように、ノズル内壁の所望の深さ(たとえば数μm程度)までシリコーン樹脂の撥インク層を形成することができる。
すなわち、上述したインク吐出面の撥インク膜(1)に加えて、ノズル板(2)の開口部縁端から予め定められた深さまでごく薄い撥インク膜(1a)(開口部内壁の撥インク膜)を形成することができる。
このようにして作製したノズル板の撥インク膜(1)に対して、EPDMゴム(ゴム硬度50度)を用いてワイピングを実施した。その結果、1000回のワイピングに対してもノズル板の撥インク膜(1)は、良好な撥インク性を維持することができた。また撥インク膜が形成されたノズル部材を、70℃のインクに14日間浸漬処理した。その結果、その後も初期と変わらない撥インク性を維持することができた。
(撥水層膜厚)
図15は、本発明のインクジェットヘッドの一実施例を示した図で、エキシマレーザ加工でノズル孔が形成された状態を示している。ノズル板(43)は樹脂部材(121)と高剛性部材(125)とを熱可塑性接着剤(126)で接合したもので、樹脂部材(121)の表面はSiO薄膜層(122)とフッ素系撥水層(123)を順次積層形成したものであり、樹脂部材(121)に所要径のノズル孔(44)を形成し、高剛性部材(125)にはノズル孔(44)に連通するノズル連通口(127)を形成している。SiO薄膜層(122)の形成には、比較的熱のかからない、すなわち、樹脂部材に熱的影響の発生しない範囲の温度で成膜可能な方法で形成する。具体的にはスパッタリング、イオンビーム蒸着、イオンプレーティング、CVD(化学蒸着法)、P−CVD(プラズマ蒸着法)などが適しているといえる。
SiO薄膜層(122)の膜厚は、密着力が確保できる範囲で必要最小限の厚さとするのが工程時間、材料費から見て有利である。この膜厚があまり厚くなると、エキシマレーザでのノズル孔加工に支障がでてくる場合があるからである。すなわち、樹脂部材(121)はきれいにノズル孔形状に加工されていても、SiO薄膜層(122)の一部が十分に加工されず、加工残りになることがある。したがって、具体的には密着力が確保でき、エキシマレーザ加工時にSiO薄膜層(122)が残らない範囲として、膜厚1A〜300Aの範囲が適しているといえる。より好適には、10A〜100Aの範囲が適している。実験結果では、SiO膜厚が30Aでも密着性は十分であり、エキシマレーザによる加工性についてはまったく問題がなかった。また、300Aでは僅かな加工残りが観察されたが使用可能範囲であり、300Aを超えるとかなり大きな加工残りが発生し、使用不可能なほどのノズル異形が見られた。
<撥インク層材料>
撥インク層の材料はインクをはじく材料であればいずれも用いることができるが、具体的には、フッ素系撥水材料、シリコーン系撥水材料を挙げることができる。
フッ素系撥水材料については、いろいろな材料が知られているが、ここでは、パーフルオロポリオキセタン及び変性パーフルオロポリオキセタンの混合物(ダイキン工業製、商品名:オプツールDSX)を1A〜30Aの厚さに蒸着することで必要な撥水性を得ている。実験結果では、オプツールDSXの厚さは、10Aでも20A,30Aでも撥水性,ワイピング耐久性能に差は見られなかった。よって、コストなどを考慮するとより好適には、1A〜20Aが良い。また、フッ素系撥水層(123)の表面には樹脂製のフィルムに粘着材を塗布した粘着テープ(124)が貼り付けられていて、エキシマレーザ加工時の補助機能をはたしている。
また、シリコーン系撥水材料を用いることもできる。
シリコーン系撥水材料としては、室温硬化型の液状シリコーンレジンもしくはエラストマーがあり、基材表面に塗布され、室温で大気中に放置することにより重合硬化して撥インク性の皮膜が形成されることが好ましい。
上記したシリコーン系撥水材料は加熱硬化型の液状シリコーンレジンもしくはエラストマーであり、基材表面に塗布され、加熱処理することにより硬化し撥インク性の皮膜を形成することであってもよい。
シリコーン系撥水材料は紫外線硬化型の液状シリコーンレジンもしくはエラストマーであり、基材表面に塗布され、紫外線を照射することにより硬化し撥インク性の皮膜を形成することであってもよい。
シリコーン系撥水材料の粘度が1000cp(センチポイズ)以下であることが好ましい。
図16は、ノズル孔を加工する際に使用するエキシマレーザ加工機の構成を示した図で、レーザ発振器(81)から射出されたエキシマレーザビーム(82)はミラー(83)、(85)、(88)によって反射され、加工テーブル(90)に導かれている。レーザビーム(82)が加工テーブル(90)に至るまでの光路には、加工物に対して最適なビームが届くように、ビームエキスパンダ(84)、マスク(86)、フィールドレンズ(87)、結像光学系(89)が所定の位置に設けられている。加工物(ノズルプレート)(91)は加工テーブル(90)の上に載置され、レーザビームを受けることになる。加工テーブル(90)は、周知のXYZテーブル等で構成されていて、必要に応じて加工物(91)を移動し所望の位置にレーザビームを照射することができるようになっている。
ここでレーザは、エキシマレーザを利用して説明したが、アブレーション加工が可能である短波長な紫外光レーザであれば、種々なレーザが利用可能である。
図17は、本発明のインクジェットヘッドの製造方法におけるノズル板製造工程を模式的に示した図で、図17(A)は、ノズル形成部材の基材となる材料を示しており、ここでは、樹脂フィルム(121)として、例えば、Dupont製ポリイミドフィルムであるカプトン(商品名)の粒子無しのフィルムを使用している。一般的なポリイミドフィルムはロールフィルム取り扱い装置での取り扱い性(滑り)からフィルム材料の中にSiO(シリカ)などの粒子が添加されている。ところが、エキシマレーザでノズル孔加工を行なう場合には、SiO(シリカ)の粒子がエキシマレーザによる加工性が悪いためノズル異形が発生する。よって、本発明の材料は、SiO(シリカ)の粒子が添加されていないフィルムを使用しているのである。
図17(B)は、樹脂フィルム(121)の表面にSiO薄膜層(122)を形成する工程を示しており、このSiO薄膜層(122)の形成は真空チャンバ内で行なわれるスパッタリング工法が適しており、膜厚は数A〜200A程度が適しており、ここでは10〜50Aの厚さに形成している。ここで、スパッタリングの方法としては、Siをスパッタした後、Si表面にOイオンを当てることでSiO膜を形成する方法を用いることが、SiO膜の樹脂フィルム(121)への密着力が向上すると共に、均質で緻密な膜が得られ、撥水膜のワイピング耐久性向上により効果的であることがわかった。
図17(C)は、フッ素系撥水剤(123a)を塗布する工程であり、塗布方法としては、スピンコータ、ロールコータ、スクリーン印刷、スプレーコータなどの方法が使用可能であるが、真空蒸着で成膜する方法が撥水膜の密着性を向上させることにつながるので、より効果的であることが確認された。また、その真空蒸着は、図17(B)でのSiO薄膜層(122)を形成した後、そのまま真空チャンバ内で実施することでさらに良い効果が得られることもわかった。すなわち、従来は、SiO薄膜層(122)を形成後、一旦真空チャンバからワークを取り出すので、不純物などが表面に付着することにより密着性が損なわれるものと考えられる。なお、フッ素系撥水材料については、いろいろな材料が知られているが、ここでは、フッ素非晶質化合物としてパーフルオロポリオキセタンまたは変形パーフルオロポリオキセタンまたは双方の混合物を使用することで、インクに対する必要な撥水性を得ることができた。前述のダイキン工業製「オプツールDSX」は「アルコキシシラン末端変性パーフルオロポリエーテル」と称されることもある。
図17(D)は、撥水膜蒸着後の空中放置工程であり、これによりフッ素系撥水剤(123a)とSiO薄膜層(122)とが、空気中の水分を仲介として化学的結合をし、フッ素系撥水層(123)になる。
図24(E)は、粘着テープ(124)を貼り付ける工程であり、フッ素系撥水層(123)の塗布された面に粘着テープ(124)を貼り付ける。この粘着テープ(124)を貼るときには気泡が生じないように貼り付けることが必要である。気泡があると、気泡のある位置に開けたノズル孔は、加工時の付着物などで品質の良くないものになってしまうことがあるからである。
図17(F)は、ノズル孔(44)の加工工程で、ポリイミドフィルム(121)側からエキシマレーザを照射してノズル孔(44)を形成する。ノズル孔(44)の加工後は、粘着テープ(124)を剥がして使用することになる。なお、ここでは、図17で説明したノズル板(43)の剛性をるために用いられる高剛性部材(125)は説明を省略したが、この工程に適用すれば、図17(D)工程と図17(E)工程の間に実施するのが適当である。
図18は、本発明におけるインクジェットヘッド製造方法によりインクジェットヘッドを製造する際に使用する装置について概要を示す図で、この装置は、USAのOCLI(OPTICAL COATING LABORATORY INC.)が開発した、「メタモードプロセス」と呼ばれる工法を装置化したものであり、ディスプレイなどの反射防止・防汚膜の作製に使用されている。図にあるように、ドラム(201)の周囲4個所にステーションであるSiスパッタ(202),Oイオンガン(203)、Nbスパッタ(204)、オプツール蒸着(205)が配置されて、全体が真空引きできるチャンバの中にある。先ずSiスパッタ(202)によりSiをスパッタし、その後、Oイオンガン(203)によりOイオンをSiに当ててSiOとする。そのあとNbスパッタ(204)、オプツール蒸着(205)でNb、オプツールDSXを適宜蒸着する。反射防止膜の場合は、NbとSiOを所定の厚さで必要層数重ねた後蒸着することになる。本発明の場合は、反射防止膜の機能は必要ないので、Nbは不要でSiO,オプツールDSXを1層ずつつければ良い。この装置を使用することで、上述したように、SiO薄層(122)を形成した後、そのまま真空チャンバ内でオプツールDSXの真空蒸着を実施するのが可能となる。
(臨界表面張力)
撥インク層の臨界表面張力は5〜40mN/mであることが好ましい。さらに、5〜30mN/mであることがより好ましい。30mN/mを超えると、長期の使用においてインクがノズルプレートに対して濡れすぎる現象が生じるため、繰り返し印刷をしているとインクの吐出曲がりや粒子化異常が生じてしまう。また、40mN/mを超えると、初期からノズルプレートに対して濡れすぎる現象が生じるため、初期からインクの吐出曲がりや粒子化異常が生じてしまう。
表2に記載する撥インク材料をアルミニウム基盤上に塗布し、加熱乾燥することで撥インク層つきノズルプレートを作成した。撥インク層の臨界表面張力を測定したところ表2のようになった。
臨界表面張力はZisman法で求めることができる。つまり、表面張力が既知の液体を撥インク層の上にたらし、接触角θを測定し、液体の表面張力をx軸にCOSθをy軸にプロットすると右肩下がりの直線が得られる。(Zisman Plot)
この直線がY=1(θ=0)となるときの表面張力を臨界表面張力γcとして算出することができる。その他の方法として、Fowkes法、Owens and Wendt法、Van Oss法を用いて臨界表面張力を求めることもできる。
前述のヘッド作成方法と同様に撥インク層つきノズルプレートを用いてインクジェットヘッドを作製した。これに後述の製造例5のシアンインクを用いてインクを噴射させた。インクの飛翔課程をビデオ撮影して観察したところ、いずれのノズルプレートを用いた場合にも正常に粒子化していることを確認し、吐出安定性が良好であることを確認した。
Figure 2009056615
(インク記録物)
本発明のインクジェット記録方法により記録されたインク記録物は、本発明のインク記録物である。本発明のインク記録物は、本発明の前記インクメディアセットにおける記録用メディア上に前記インクメディアセットにおけるインクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
前述のヘッド作成方法と同様に撥インク層つきノズルプレートを用いてインクジェットヘッドを作製した。これに製造例1のシアンインクを用いてインクを噴射させた。インクの飛翔課程をビデオ撮影して観察したところ、いずれのノズルプレートを用いた場合にも正常に粒子化していることを確認し、吐出安定性が良好であることを確認した。
<顔料インクの調整>
(製造例1 シアン)
−銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃にて1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液800gを得た。次に、ポリマー溶液の一部を乾燥し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(標準:ポリスチレン、溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は15000であった。
次に、得られたポリマー溶液28g、銅フタロシアニン顔料26g、1mol/L水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水30gを十分に攪拌した。その後、3本ロールミル(株式会社ノリタケカンパニー製、商品名:NR−84A)を用いて20回混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、固形分量が20.0質量%の青色のポリマー微粒子分散体160gを得た。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は93nmであった。
(製造例2 マゼンタ)
−ジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
製造例1において、銅フタロシアニン顔料を顔料ピグメントレッド122に変更した以外は、製造例1と同様にして、赤紫色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は127nmであった。
(製造例3 イエロー)
−モノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
製造例1において、銅フタロシアニン顔料を顔料ピグメントイエロー74に変更した以外は、製造例1と同様にして、黄色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は76nmであった。
(製造例4 ブラック)
−カーボンブラック分散液の調製−
市販のpH2.5の酸性カーボンブラック(キャボット社製、商品名:モナーク1300)300gを水1000ミリリットルに良く混合した。その後、次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)450gを滴下して、100〜105℃にて8時間撹拌した。この液に更に次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)100gを加え、横型分散機で3時間分散した。得られたスラリーを水で10倍に希釈し、水酸化リチウムにてpHを調整し、電導度0.2mS/cmまで限外濾過膜にて脱塩濃縮し顔料濃度15%のカーボンブラック分散液とした。遠心処理により粗大粒子を除き、さらに1μmのナイロンフィルターで濾過しカーボンブラック分散液とした。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は95nmであった。
次に、上記製造例1〜4で得たポリマー微粒子分散体及びカーボンブラック分散液を用いてインク組成物を製造した。
(製造例5)
−シアンインク組成物1の調製−
製造例1の銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール23.0質量%、グリセリン8.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、FS−300(DuPont社製)2.5質量%、プロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行なった。その後イオン交換水を使用し固形分を、12wt%に調整した。以上によりインク組成物を調製した。得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は9mPa・s、表面張力は25mN/mであった。粘度の測定は、粘度測定装置(東機産業社製、R500回転粘度計)を用いて、25℃で行なった。
(製造例6)
−マゼンタインク組成物1の調製−
製造例2のジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール22.5質量%、グリセリン9.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、FS−300(DuPont社製)2.5質量%、プロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行なった。その後イオン交換水を使用し固形分を、12wt%に調整した。以上によりインク組成物を調製した。得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は9mPa・s、表面張力は25mN/mであった。
(製造例7)
−イエローインク組成物1の調製−
製造例3のモノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール24.5質量%、グリセリン8.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、FS−300(DuPont社製)2.5質量%、プロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行なった。その後イオン交換水を使用し固形分を、12wt%に調整した。以上によりインク組成物を調製した。得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は9mPa・s、表面張力は25mN/mであった。
(製造例8)
−ブラックインク組成物1の調製−
製造例4のカーボンブラック分散液20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール22.5質量%、グリセリン7.5質量%、2−ピロリドン2.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、R−(OCHCHOH(ただし、式中、Rは炭素数12のアルキル基、n=9)2.0質量%、プロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、及び2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行なった。その後イオン交換水を使用し固形分を、12wt%に調整した。以上によりインク組成物を調製した。得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は9mPa・s、表面張力は25mN/mであった。
<染料インクの調製>
(製造例9)
下記に示す各成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズが0.45μmのフロロポアフィルター(商品名:住友電工(株)製)を用いて加圧濾過し染料インクセットを調整した。
染料インク組成:
染料種
イエロー C.I.ダイレクトイエロー86
シアン C.I.ダイレクトブルー199
マゼンタC.I. Acid Red 285
ブラック C.I.ダイレクトブラック154
処方
染料 4部
グリセリン 7部
チオジグリコール 7部
尿素 7部
アセチレングリコール 1.5部
水 73.5部
得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は4mPa・s、表面張力は約35dyne/cmであった。
<原紙製造>
(製造例10)
−支持体1の作製−
・LBKP 80質量部
・NBKP 20質量部
・軽質炭酸カルシウム 10質量部
(商品名:TP−121、奥多摩工業株式会社製)
・硫酸アルミニウム 1.0質量部
・両性澱粉 1.0質量部
(商品名:Cato3210、日本NSC株式会社製)
・中性ロジンサイズ剤 0.3質量部
(商品名:NeuSize M−10、ハリマ化成株式会社製)
・歩留まり向上剤 0.02質量部
(商品名:NR−11LS、ハイモ社製)
上記配合の0.3質量%スラリーを長網抄紙機で抄造し、マシンカレンダー仕上げをして坪量79g/mの支持体1を作製した。なお、抄紙工程のサイズプレス工程で、酸化澱粉水溶液を固形分付着量が片面当り、1.0g/mになるように塗布した。
(製造例11)
前処理液の作成
下記に示す各成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズが0.45μmのフロロポアフィルター(商品名:住友電工(株)製)を用いて加圧濾過し前処理液を調整した。
処方
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 1部
高純水 79部
1,3−ブチレングリコール 20部
〔実施例1〕
作製した支持体1に、下記の処方で、水を加えて固形分濃度60%の塗工液を調整した。
カオリン 60質量部
軽質炭酸カルシウム 30質量部
ゲル法 シリカ 10質量部
ポリアクリル酸系分散剤 0.2質量部
澱粉 5質量部
SBRラテックス(旭化成ケミカルズ製 L−2082) 13質量部
耐水化剤(ケムテックス社製 SPI−203) 0.5質量部
なお、この例で用いた各材料は、つぎのとおりである(別段の注釈ないときは、他の例でも同様)。
カオリン;1級カオリン、HG−90:Huber社、平均粒子径0.9μm以下。
焼成カオリン;アンシレックス90、エンゲルハード社製。
軽質炭酸カルシウム;体積平均粒径0.8μmの軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業(株)製、タマパールTP−222H)。
重質炭酸カルシウム;平均粒子径1.2μmの重質炭酸カルシウム(三共製粉、エスカロン#2000。
ゲル法シリカ;ニップジェルAZ−200(日本シリカ工業(株)社製、平均粒子径2.7μm)。
ポリアクリル酸系分散剤;商品名:アロンT−50、東亜合成化学社製。
この塗工液を上記の原紙に片面当り塗工層厚みが10μmになるように、エアナイフコーターを用いて両面塗工し、熱風乾燥後、線圧150〜250kg/cmのスーパーカレンダー処理を行ない、本発明の記録用紙1を得た。
製造例1〜8にて製造したインク組成物からなる黒、イエロー、マゼンタ、シアン、インクセット1を調製し、得られたインクセット1と、記録用紙1とを用いて、300dpi、ノズル解像度384ノズルを有するドロップオンデマンドプリンタ試作機を使用し、画像解像度600dpiにて印字を行なった。大滴サイズは20plとし、中滴サイズは10pl,小滴サイズは2plとした。二次色の総量規制を140%にして付着量規制を実施しした。ベタ印字の際は300dot四方のインク総量が15g/mを超えないよう、ベタ画像、及び文字を印写した。評価用印字パターンの作成はMicrosoft社製のWord2000(9.0.6926 SP−3)を使用した。
光沢、ビーディングの評価画像は、Word2000の図形描画ツールを使って5cm四方の矩形を7つ(7色分)隣接させて描画し、線と塗りつぶしをユーザー設定でYMCKRGB各色に設定することで作成した。
塗りつぶしと線の色の条件は、
Yellow(赤0 緑255 青255)
Cyan (赤255 緑255 青0)
Magenta (赤255 緑0 青255)
Red (赤255 緑0 青0)
Green (赤0 緑255 青0)
Blue (赤0 緑0 青255)
Black(赤0 緑0 青0)
とした。
ブリードの評価画像としては、同じくWord2000を使用して、光沢評価用と同様に各色2cm四方の矩形を作成し、それらを背景とした15pointの黒文字「A」を描画したパターンを作成した。
得られた画像について、画像信頼性を評価した。結果は表3に示した。
バンディングの評価画像としては、同じくWord2000を使用して、18×26cmのグレーの矩形を印字し、目視にてスジを確認した。塗りつぶしの条件は(赤128 緑128 青128)とした。
評価結果に×が示してあるものは、メディアとして不適切である。
ドット径の測定は、Cyanインクの21plの滴を吐出し、DA5000ドットアナライザー(王子計測器製)を使用してその面積直径を測定した。
〔実施例2〕
塗工液処方を以下のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
カオリン 40質量部
焼成カオリン 20質量部
軽質炭酸カルシウム 30質量部
ゲル法 シリカ 10質量部
ポリアクリル酸系分散剤 0.2質量部
澱粉 5質量部
SBRラテックス(旭化成ケミカルズ製 L−2082) 13質量部
耐水化剤(ケムテックス社製 SPI−203) 0.5質量部
〔実施例3〕
実施例1で、塗布乾燥後、スーパーカレンダー処理を行わない以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
〔実施例4〕
実施例1で、塗布乾燥後、スーパーカレンダー処理の線圧を50〜150kg/cmにした以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
〔実施例5〕
実施例1で、インクを製造例9の染料インクに変えた以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
〔実施例6〕
塗工液処方を以下のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして印字を行なった
カオリン 40質量部
焼成カオリン 20質量部
軽質炭酸カルシウム 30質量部
ゲル法 シリカ 10質量部
ポリアクリル酸系分散剤 0.2質量部
澱粉 5質量部
SBRラテックス(旭化成ケミカルズ製 L−2082) 13質量部
耐水化剤(ケムテックス社製 SPI−203) 0.5質量部
カチオンポリマー ジアリルジメチル4級アンモニウム塩酸塩
(センカ社製、商品名:ユニセンスCP−103) 2.5質量部
〔比較例1〕
塗工液処方を以下のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして印字を行なった
カオリン 80質量部
軽質炭酸カルシウム 20質量部
ポリアクリル酸系分散剤 0.2質量部
澱粉 5質量部
SBRラテックス(旭化成ケミカルズ製 L−2082) 13質量部
耐水化剤(ケムテックス社製 SPI−203) 0.5質量部
〔比較例2〕
塗工液処方を以下のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
カオリン 20質量部
軽質炭酸カルシウム 70質量部
重質炭酸カルシウム 10質量部
ポリアクリル酸系分散剤 0.2質量部
澱粉 5質量部
SBRラテックス(旭化成ケミカルズ製 L−2082) 13質量部
耐水化剤(ケムテックス社製 SPI−203) 0.5質量部
〔比較例3〕
塗工液処方を以下のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
カオリン 60質量部
軽質炭酸カルシウム 30質量部
シリカ 10質量部
ポリアクリル酸系分散剤 0.2質量部
澱粉 5質量部
SBRラテックス(旭化成ケミカルズ製 L−2082) 13質量部
耐水化剤(ケムテックス社製 SPI−203) 0.5質量部
なお、この比較例3で使用したシリカは、ゲル法シリカであるが、吸油量が小さく、粒径が大きいグレードのもので、具体的には「NIPGEL BY−6A1」(東ソー・シリカ社製、平均粒子径6μm、比表面積450m/g)である。
〔比較例4〕
塗工液処方を以下のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
カオリン 85質量部
ゲル法 シリカ 5質量部
ポリアクリル酸系分散剤 0.2質量部
澱粉 5質量部
SBRラテックス(旭化成ケミカルズ製 L−2082) 13質量部
耐水化剤(ケムテックス社製 SPI−203) 0.5質量部
〔比較例5〕
塗工液処方を以下のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
カオリン 25質量部
軽質炭酸カルシウム 30質量部
湿式法 シリカ(トクシールNR) 45質量部
ポリアクリル酸系分散剤 0.2質量部
澱粉 5質量部
SBRラテックス(旭化成ケミカルズ製 L−2082) 13質量部
耐水化剤(ケムテックス社製 SPI−203) 0.5質量部
〔比較例6〕
塗工液処方を以下のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
カオリン 40質量部
軽質炭酸カルシウム 30質量部
ゲル法シリカ 25質量部
ポリアクリル酸系分散剤 0.2質量部
澱粉 5質量部
SBRラテックス(旭化成ケミカルズ製 L−2082) 13質量部
耐水化剤(ケムテックス社製 SPI−203) 0.5質量部
(評価項目とその測定方法)
<ビーディング・ブリード>
ベタ部の濃度ムラの程度、ならびに文字のにじみを目視で評価した。段階見本より劣るものを×として不適等と判断した。
<乾燥性>
1.5×1.5cmのブルーベタ矩形を印字し、画像に濾紙を重ね、インクの転写が無くなった秒数を乾燥完了時間とした。
<光沢>
マイクロ−グロス光沢計(BYK−Gardner社)を使用し地肌、並びにベタチャートの60°光沢を測定した。
<画像濃度>
反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)で測定した。
<印刷適性>
RI印刷適性試験機(石川島播磨重工業社製)を使用して、塗工紙にシアンインク(東洋インキ社製:ハイユニティネオSOY)0.8ccをベタ刷りする。これを23℃、相対湿度65%の雰囲気下に8時間放置した後、印刷部分の5cm×5cmの範囲について指触で判定する。インク転写が無いか少ない時は〇、若干多いときは△、極めて多い時は×とする。
Figure 2009056615
本発明の記録方法は、一般の商業用印刷用の用紙に近い風合いの記録用メディア用いて、いわゆる「切れ」の良い、文字、画像の周辺部分にボケ、フェザリング、ブリードの生じない印字品位の優れた光沢感のある記録画像を高速に提供することができ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に好適に用いることができる。また得られた印字物は画像の耐擦性に優れ、印字後すぐのハンドリングにも支障がない。
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、印刷機などに特に好適に適用することができる。
本発明のインクカートリッジの一例を示す概略図である。 図1のインクカートリッジのケース(外装)も含めた概略図である。 インクジェット記録装置のインクカートリッジ装填部のカバーを開いた状態の斜視説明図である。 インクジェット記録装置の全体構成を説明する概略構成図である 本発明のインクジェットヘッドの一例を示す概略拡大図である。 本発明のインクジェットヘッドの一例を示す要素拡大図である。 本発明のインクジェットヘッドの一例を示す要部拡大断面図である。 本発明により作成したインクジェットヘッドノズル板の断面図である。 本発明により作成したインクジェットヘッドノズル板の別の断面図である。 本発明により作成したインクジェットヘッドノズル板の更に別の断面図である。 本実施形態に係るディスペンサを用いた塗布により、シリコーン樹脂を塗布して撥インク膜を形成する構成を示す図である。 本実施形態に係るディスペンサを用いた塗布動作を示す図である 本実施形態に係るニードル先端の塗布口の説明図である。 インクジェットヘッドノズル板の別の断面図である。 本発明のインクジェットヘッドの一実施例を示した図である。 ノズル孔を加工する際に使用するエキシマレーザ加工機の構成を示した図である。 本発明のインクジェットヘッドの製造方法におけるノズル板製造工程を模式的に示した図である。 本発明におけるインクジェットヘッド製造方法によりインクジェットヘッドを製造する際に使用する装置について概要を示す図である。 総量規制処理についての説明図である。
符号の説明
(図1、図2)
200 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジ外装
(図3、図4、図5)
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インクカートリッジ
(図6、図7)
10 フレーム
12 共通液室
20 流路板
21 流体抵抗部
22 加圧液室
23 連通口
24 隔壁
30 ノズル板
31 ノズル
40 ベース
50 積層圧電素子
51 圧電層
52 内部電極層
53 外部電極
54 個別電極
55 共通電極
56 駆動部(可動部)
57 支持部
60 振動板
61 島状凸部
62 ダイヤフラム部
63 インク流入口
70 接着層
80 FPC
90 撥インク層
(図8〜図14)
1 撥インク膜
1’ 撥インク膜
1a 撥インク膜
2 ノズル板
3 インク
4 ディスペンサ
5 ニードル
6 気体
d 開口部分近傍以外における厚み
r 曲率半径
θ ノズル板平面からの角度
P メニスカス
Q メニスカス
(図16)
81 レーザ発振器
82 エキシマレーザビーム
83、85、88 ミラー
84 ビームエキスパンダ
86 マスク
87 フィールドレンズ
89 結像光学系
90 加工テーブル
91 加工物(ノズルプレート)
(図15、図17)
43 ノズル板
44 ノズル孔
121 樹脂部材
122 薄膜層
123 フッ素系撥水層
123a フッ素系撥水剤
124 粘着テープ
125 高剛性部材
126 熱可塑性接着剤
127 ノズル連通口
(図18)
201 ドラム
202 Siスパッタ
203 Oイオンガン
204 Nbスパッタ
205 オプツール蒸着

Claims (9)

  1. セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、顔料と接着剤を含有する塗工層を一層、もしくは多層塗布した水系顔料インクジェット用メディアにおいて、最表層の塗工層を形成する顔料として少なくとも軽質炭酸カルシウム、カオリン、ゲル法シリカを含み、これら顔料の吸油度の平均が70ml/100g以上120ml/100g以下であることを特徴とするインクジェットメディア。
  2. 前記最表層の塗工層に含まれるゲル法シリカの全顔料に占める割合が15重量%以下であり、塗工層の接着剤として少なくとも澱粉あるいはカチオン化澱粉とSBRラテックスを含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットメディア。
  3. 前記最上層の塗工層におけるカチオン性樹脂の含有量が2%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットメディア。
  4. 塗布後にカレンダー処理を行ないJIS P8142による75°光沢が地肌光沢が5%〜75%に調整されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットメディア。
  5. 請求項1に記載されるインクジェットメディアに用いられるインクであり、少なくとも粒子状の色材、グリセリン、水溶性有機溶剤、水、界面活性剤、および樹脂エマルジョンから構成され、表面張力が15〜30mN/mであることを特徴とするインク。
  6. 前記インクが、着色剤として分散性着色剤を含有し、該分散性着色剤の平均粒径が0.01〜0.16μmであることを特徴とする請求項5に記載のインク。
  7. 請求項1乃至4のいずれかに記載のメディアを使用し、少なくとも粒子状の色材、グリセリン、水溶性有機溶剤、水、界面活性剤、および樹脂エマルジョンから構成され、表面張力が15〜30mN/mであるインクを使用し、インクの最大付着量を20g/m以下として印字することを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. 前記インクに刺激を印加し、該インクを飛翔させて前記記録メディアに画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録方法。
JP2007223567A 2007-08-30 2007-08-30 インクジェット記録方法 Pending JP2009056615A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007223567A JP2009056615A (ja) 2007-08-30 2007-08-30 インクジェット記録方法
US12/671,484 US8425031B2 (en) 2007-08-30 2008-08-29 Inkjet medium, ink and inkjet recording method
CN2008801014235A CN101772423B (zh) 2007-08-30 2008-08-29 喷墨介质、油墨和喷墨记录方法
EP08828761.0A EP2183117B1 (en) 2007-08-30 2008-08-29 Inkjet medium and inkjet recording method
PCT/JP2008/066020 WO2009028733A1 (en) 2007-08-30 2008-08-29 Inkjet medium, ink and inkjet recording method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007223567A JP2009056615A (ja) 2007-08-30 2007-08-30 インクジェット記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009056615A true JP2009056615A (ja) 2009-03-19

Family

ID=40387428

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007223567A Pending JP2009056615A (ja) 2007-08-30 2007-08-30 インクジェット記録方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8425031B2 (ja)
EP (1) EP2183117B1 (ja)
JP (1) JP2009056615A (ja)
CN (1) CN101772423B (ja)
WO (1) WO2009028733A1 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009116678A1 (en) * 2008-03-18 2009-09-24 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording method, inkjet recording medium, and aqueous ink
JP2010228304A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録媒体
JP2010228301A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録媒体
JP2010240950A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット用記録紙
EP2306382A1 (en) 2009-09-11 2011-04-06 Fujitsu Limited Outgoing email check-system, check data providing apparatus, check data inspecting apparatus, and outgoing email check method
JP2011073265A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録媒体
JP2011212954A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録媒体
JP2013039791A (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 Fujifilm Corp 転写フィルムおよび転写方法
JP2013158932A (ja) * 2012-02-01 2013-08-19 Ricoh Co Ltd インクジェット記録方法
JP2013158931A (ja) * 2012-02-01 2013-08-19 Ricoh Co Ltd インクジェット記録方法
WO2014021263A1 (ja) * 2012-07-31 2014-02-06 日本製紙株式会社 インクジェット記録媒体
JP2016064534A (ja) * 2014-09-24 2016-04-28 北越紀州製紙株式会社 インクジェット印刷用紙
JP2016101679A (ja) * 2014-11-27 2016-06-02 北越紀州製紙株式会社 インクジェット記録用紙
JP2017013261A (ja) * 2015-06-29 2017-01-19 北越紀州製紙株式会社 オンデマンドインクジェット印刷用紙
CN108908639A (zh) * 2018-08-07 2018-11-30 阜阳大可新材料股份有限公司 一种pcb专用纤维板垫板的制作方法
JP7178476B1 (ja) * 2021-12-28 2022-11-25 日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社 水性塗料組成物及び建築材料

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102005017052A1 (de) * 2005-04-12 2006-10-19 Basf Ag Verfahren zum Aufbringen von gelösten oder dispergierten Substanzen
JP5672065B2 (ja) * 2010-03-02 2015-02-18 株式会社リコー インクジェット記録用インク、並びに、インクジェット記録用インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物
JP5282747B2 (ja) 2010-03-05 2013-09-04 株式会社リコー インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録方法及び記録物
JP5601075B2 (ja) 2010-08-04 2014-10-08 株式会社リコー インクジェット用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインク記録物
US9308761B2 (en) * 2010-08-11 2016-04-12 Seiko Epson Corporation Ink jet printing method, ink set, and printed matter
JP5793840B2 (ja) 2010-08-19 2015-10-14 株式会社リコー 液体組成物、記録方法、及び記録物
JP5861815B2 (ja) * 2011-08-10 2016-02-16 セイコーエプソン株式会社 インク組成物、これを用いる記録ユニットおよびインクジェット記録装置、ならびに記録物
US9265366B2 (en) 2012-02-10 2016-02-23 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Composite boards and art frames including the same
US8555536B2 (en) 2012-02-10 2013-10-15 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Art frames
US8863420B2 (en) 2012-02-24 2014-10-21 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Three-dimensional supporting frame
US8925228B2 (en) 2012-03-01 2015-01-06 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Art frames
US9101953B2 (en) * 2012-07-23 2015-08-11 Hewlett-Packard Indigo B.V. Coating apparatus
JP6107141B2 (ja) 2013-01-07 2017-04-05 株式会社リコー 画像形成方法及び画像形成装置
EP3096953B1 (en) 2014-01-21 2019-03-13 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Inkjet printing
CN104328708A (zh) * 2014-09-15 2015-02-04 岳阳林纸股份有限公司 一种数码涂布纸及其制造工艺
CN105274897B (zh) * 2015-10-27 2017-12-12 广西大学 一种喷墨数码印刷纸涂料的制备方法
EP3211048B1 (en) 2016-02-25 2020-07-08 Ricoh Company, Ltd. Surface treatment liquid composition, ink set, recording method, and recording device
JP6732021B2 (ja) * 2016-07-11 2020-07-29 富士フイルム株式会社 画像処理装置及び方法、プログラム、並びにインクジェット印刷システム
WO2018080485A1 (en) 2016-10-26 2018-05-03 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Printable recording medium
WO2018080484A1 (en) 2016-10-26 2018-05-03 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Printable recording medium
CN106585154B (zh) * 2016-11-15 2018-10-16 苏州吉谷新材料有限公司 高光泽度热升华转印纸
EP3376293A1 (en) 2017-03-13 2018-09-19 TIGER Coatings GmbH & Co. KG Curable coating material for non-impact printing
EP3693180B1 (en) * 2019-02-05 2023-09-13 Flooring Industries Limited, SARL Method for manufacturing a decorative foil and a panel comprising such foil
US11407226B2 (en) * 2020-01-30 2022-08-09 Ricoh Company, Ltd. Image recording method and ink set

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09143900A (ja) * 1995-11-22 1997-06-03 Yuuseidaijin はがき用紙または画用紙またはインクジェット用紙
JP2000280602A (ja) * 1999-03-29 2000-10-10 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録体の製造方法
JP2001225422A (ja) * 1999-12-03 2001-08-21 Yupo Corp コーテッドフィルム
JP2003253595A (ja) * 2002-02-27 2003-09-10 Mitsubishi Paper Mills Ltd オフセット印刷用塗工紙
JP2003335987A (ja) * 2002-05-21 2003-11-28 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク、インクセット、インクカートリッジ、記録装置、及び記録方法
JP2004010626A (ja) * 2002-06-03 2004-01-15 Konica Minolta Holdings Inc 活性光線硬化型インク及びそれを用いたインクジェット記録方法
JP2005187774A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録用インク組成物、その製造方法およびインクジェット記録方法
JP2005186359A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Nippon Paper Industries Co Ltd 顔料インク用インクジェット記録媒体
JP2005256237A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Mishima Paper Co Ltd 印刷用塗工紙
JP2005290579A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Nippon Paper Industries Co Ltd 塗工紙の製造方法
JP2006347023A (ja) * 2005-06-16 2006-12-28 Fujifilm Holdings Corp 画像形成方法および画像形成装置
JP2007062024A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Seiko Epson Corp インクジェット記録方法

Family Cites Families (38)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3074743B2 (ja) 1991-01-30 2000-08-07 王子製紙株式会社 インクジェット記録用紙
JP3349803B2 (ja) 1993-12-24 2002-11-25 三菱製紙株式会社 インクジェット記録シート
DE69517765T2 (de) * 1994-04-12 2000-11-09 Seiko Epson Corp., Tokio/Tokyo Tintenstrahlaufzeichnungsverfahren und apparat dafür
JP3953648B2 (ja) 1997-07-17 2007-08-08 三菱製紙株式会社 顔料インク用インクジェット記録媒体
JP2000141879A (ja) 1998-11-10 2000-05-23 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット記録シート
JP3770745B2 (ja) 1999-02-24 2006-04-26 三菱製紙株式会社 インクジェット記録シートの製造方法
EP1104703A1 (en) * 1999-12-03 2001-06-06 Yupo Corporation Coated film
JP3986258B2 (ja) * 2000-01-31 2007-10-03 日本製紙株式会社 顔料インクに好適なインクジェット記録媒体
JP2001277705A (ja) * 2000-03-30 2001-10-10 Nippon Paper Industries Co Ltd 顔料インク用インクジェット記録媒体
JP2003080837A (ja) 2001-09-14 2003-03-19 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録用シート
JP2003285543A (ja) 2002-03-28 2003-10-07 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録用キャストコート紙用支持体及びそれを用いたインクジェット記録用キャストコート紙
JP2003251926A (ja) 2002-03-04 2003-09-09 Nisshinbo Ind Inc インクジェット記録用シート
JP2005288696A (ja) 2002-03-29 2005-10-20 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録媒体
JP3925316B2 (ja) * 2002-06-11 2007-06-06 富士ゼロックス株式会社 インクジェット記録方法
JP2004291520A (ja) 2003-03-28 2004-10-21 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット記録材料
JP3699103B2 (ja) 2004-01-30 2005-09-28 日本製紙株式会社 インクジェット記録媒体
EP1658993B1 (en) * 2003-08-26 2008-05-21 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Process for producing inkjet recording medium
JP2005096167A (ja) 2003-09-24 2005-04-14 Daio Paper Corp 油性インク用インクジェット記録用紙
US7314656B2 (en) * 2003-11-17 2008-01-01 Fuji Xerox Co., Ltd. Recording paper and method for recording images using the same
CN1906041A (zh) * 2004-02-03 2007-01-31 三菱制纸株式会社 喷墨记录材料的制造方法
US20060100338A1 (en) * 2004-11-08 2006-05-11 Akzo Nobel N.V. Pigment composition
JP4404055B2 (ja) 2005-01-28 2010-01-27 王子製紙株式会社 インクジェット記録体
JP2006218697A (ja) 2005-02-09 2006-08-24 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録媒体
JP2006240017A (ja) 2005-03-02 2006-09-14 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット記録材料
JP2006240270A (ja) 2005-03-07 2006-09-14 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録用紙
JP4305404B2 (ja) 2005-03-16 2009-07-29 日本製紙株式会社 インクジェット記録用紙
JP2006321978A (ja) 2005-04-21 2006-11-30 Lion Corp カチオン性コロイダルシリカおよびその製造方法、並びに、当該カチオン性コロイダルシリカを用いたインクジェット記録媒体用表面塗工剤およびインクジェット用紙
JP2007045044A (ja) 2005-08-11 2007-02-22 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録用キャストコート紙
JP2007045112A (ja) 2005-08-12 2007-02-22 Ricoh Co Ltd インクジェット・電子写真共用被記録材及びその製造方法、並びにインクジェット・電子写真共用被記録材用インク受理材
JP2007216664A (ja) 2005-10-20 2007-08-30 Ricoh Co Ltd 記録用インク、記録用メディア、インクメディアセット、及びインク記録物、並びにインクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2007144975A (ja) 2005-10-26 2007-06-14 Ricoh Co Ltd インクジェット記録メディア及び記録方法
JP2007130906A (ja) 2005-11-11 2007-05-31 Tosoh Silica Corp インクジェット記録紙用シリカ
CN1800491A (zh) * 2005-12-14 2006-07-12 四川新泰克控股有限责任公司 一种喷墨打印介质的新型涂布材料及其制备方法
US20070197685A1 (en) * 2006-01-18 2007-08-23 Tamotsu Aruga Recording ink as well as ink media set, ink cartridge, ink recorded matter, inkjet recording apparatus and inkjet recording method
EP2007587B1 (en) 2006-04-18 2013-07-24 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording method
JP5042574B2 (ja) 2006-09-15 2012-10-03 株式会社リコー インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録用インクメディアセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置。
JP5453708B2 (ja) 2006-09-15 2014-03-26 株式会社リコー インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録用インクメディアセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置。
JP5299748B2 (ja) * 2008-03-18 2013-09-25 株式会社リコー インクジェット記録方法、そのための記録メディア及び水系インク

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09143900A (ja) * 1995-11-22 1997-06-03 Yuuseidaijin はがき用紙または画用紙またはインクジェット用紙
JP2000280602A (ja) * 1999-03-29 2000-10-10 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録体の製造方法
JP2001225422A (ja) * 1999-12-03 2001-08-21 Yupo Corp コーテッドフィルム
JP2003253595A (ja) * 2002-02-27 2003-09-10 Mitsubishi Paper Mills Ltd オフセット印刷用塗工紙
JP2003335987A (ja) * 2002-05-21 2003-11-28 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク、インクセット、インクカートリッジ、記録装置、及び記録方法
JP2004010626A (ja) * 2002-06-03 2004-01-15 Konica Minolta Holdings Inc 活性光線硬化型インク及びそれを用いたインクジェット記録方法
JP2005186359A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Nippon Paper Industries Co Ltd 顔料インク用インクジェット記録媒体
JP2005187774A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録用インク組成物、その製造方法およびインクジェット記録方法
JP2005256237A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Mishima Paper Co Ltd 印刷用塗工紙
JP2005290579A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Nippon Paper Industries Co Ltd 塗工紙の製造方法
JP2006347023A (ja) * 2005-06-16 2006-12-28 Fujifilm Holdings Corp 画像形成方法および画像形成装置
JP2007062024A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Seiko Epson Corp インクジェット記録方法

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009116678A1 (en) * 2008-03-18 2009-09-24 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording method, inkjet recording medium, and aqueous ink
US8322839B2 (en) 2008-03-18 2012-12-04 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording method, inkjet recording medium, and aqueous ink
JP2010228304A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録媒体
JP2010228301A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録媒体
JP2010240950A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット用記録紙
EP2306382A1 (en) 2009-09-11 2011-04-06 Fujitsu Limited Outgoing email check-system, check data providing apparatus, check data inspecting apparatus, and outgoing email check method
US8997183B2 (en) 2009-09-11 2015-03-31 Fujitsu Limited Outgoing email check system, check data providing apparatus, check data inspecting apparatus, and outgoing email check method
JP2011073265A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録媒体
JP2011212954A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録媒体
JP2013039791A (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 Fujifilm Corp 転写フィルムおよび転写方法
JP2013158931A (ja) * 2012-02-01 2013-08-19 Ricoh Co Ltd インクジェット記録方法
JP2013158932A (ja) * 2012-02-01 2013-08-19 Ricoh Co Ltd インクジェット記録方法
WO2014021263A1 (ja) * 2012-07-31 2014-02-06 日本製紙株式会社 インクジェット記録媒体
JP5455280B1 (ja) * 2012-07-31 2014-03-26 日本製紙株式会社 インクジェット記録媒体
US9242497B2 (en) 2012-07-31 2016-01-26 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Inkjet recording medium
JP2016064534A (ja) * 2014-09-24 2016-04-28 北越紀州製紙株式会社 インクジェット印刷用紙
JP2016101679A (ja) * 2014-11-27 2016-06-02 北越紀州製紙株式会社 インクジェット記録用紙
JP2017013261A (ja) * 2015-06-29 2017-01-19 北越紀州製紙株式会社 オンデマンドインクジェット印刷用紙
CN108908639A (zh) * 2018-08-07 2018-11-30 阜阳大可新材料股份有限公司 一种pcb专用纤维板垫板的制作方法
JP7178476B1 (ja) * 2021-12-28 2022-11-25 日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社 水性塗料組成物及び建築材料

Also Published As

Publication number Publication date
EP2183117A4 (en) 2012-03-21
CN101772423B (zh) 2011-12-21
WO2009028733A1 (en) 2009-03-05
US20100196603A1 (en) 2010-08-05
US8425031B2 (en) 2013-04-23
EP2183117B1 (en) 2014-10-01
EP2183117A1 (en) 2010-05-12
CN101772423A (zh) 2010-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5299748B2 (ja) インクジェット記録方法、そのための記録メディア及び水系インク
US8425031B2 (en) Inkjet medium, ink and inkjet recording method
KR101003816B1 (ko) 기록용 잉크, 기록용 매체, 잉크 매체 세트, 잉크 기록물,잉크젯 기록 방법 및 잉크젯 기록 장치
EP2064067B1 (en) Ink jet recording method
KR101174539B1 (ko) 잉크젯 매체, 기록 방법, 기록 장치, 잉크-매체 세트 및 잉크 기록물
JP5293990B2 (ja) 記録用インク、記録方法及び記録用装置
US8096651B2 (en) Ink-jet recording method, ink, ink cartridge, recording apparatus, and recorded matter
JP5305217B2 (ja) インクジェット記録方法
JP2007216664A (ja) 記録用インク、記録用メディア、インクメディアセット、及びインク記録物、並びにインクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2007307885A (ja) 画像処理方法、記録物、プログラム、画像処理装置、画像形成装置及び画像形成システム、画像形成方法及びインク
JP2008100485A (ja) 画像形成装置、液体吐出ヘッド、画像形成方法、記録物、記録液
JP4878247B2 (ja) インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2007230214A (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置、液滴を吐出する装置、記録方法
JP4936738B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP2008101192A (ja) 記録用インク、並びにインクメディアセット、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法
JP2008284874A (ja) インクメディアセット、並びにインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2008213427A (ja) 画像形成方法、プログラム、記憶媒体、画像形成装置、画像形成システム、記録物、インク
JP2008229965A (ja) インクジェット装置、これを用いた印刷方法、実行させるプログラム、及びインク
JP4785709B2 (ja) 液体吐出ヘッド及びその製造方法並びに画像形成装置、液滴を吐出する装置、記録方法
JP2006137072A (ja) インクメディアセット、並びに、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121206

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130404