JP2007307885A - 画像処理方法、記録物、プログラム、画像処理装置、画像形成装置及び画像形成システム、画像形成方法及びインク - Google Patents

画像処理方法、記録物、プログラム、画像処理装置、画像形成装置及び画像形成システム、画像形成方法及びインク Download PDF

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Abstract

【課題】商業・出版印刷用塗工紙に画像を形成しようとするとビーディング、階調飛びが生じて実質的に印刷することができない。
【解決手段】商業・出版印刷用塗工紙に対し、高浸透性顔料系インクを用いて、次の(A)〜(C)の記録液付着量に関する処理を行って画像を形成する。(A)色域が最大に確保できるような記録液付着量を規制値に設定する総量規制処理(B)入力信号を記録装置用の色空間値に変換するとき、各色相の最外郭点でのインク溢れの発生と彩度に基づいて設定した記録液付着量を色相ごとに制限する色空間変換処理(C)入力信号をシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の4つの信号に変換する墨入れ/下地除去(BG/UCR)処理における最大下地除去(UCR)量を、算出する墨入れ/下地除去処理
【選択図】図14

Description

本発明は画像処理方法、記録物、プログラム、画像処理装置、画像形成装置及び画像形成システム、画像形成方法及びインクに関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)を記録ヘッドに用いたインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は、液体吐出ヘッドを用いた記録ヘッドから用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙、記録材、媒体などとも称される。)に記録液としてのインクを吐出して画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行うものである。
このようなインクジェット記録装置は、廉価な価格設定と専用紙を用いた場合の高画質特性を有することから、当初は所謂パーソナル用途で急速に普及して行ったが、最近では、電子写真方式の画像形成装置が主流であったオフィスにおいても、カラー出力が可能な出力装置として普及し始めている。
ここで、インクジェット記録装置をオフィス用途で使用する場合、主に普通紙で印刷することが多い。これは専用紙を用いた場合のインクジェット記録画像は極めて高品質な画像再現が可能となるが、専用紙は一般に高価であり日常的に使用することはできないことによる。
そこで、普通紙に対して印刷したときの画像品質を向上するために、定着性や乾燥性を高めるための改良がなされている。
また、従来、用紙上でのインクあふれ(ビーディング)に対しては、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)のインクを使用してカラー画像を形成するとき、用紙上に付着可能な最大インク量を規制する総量規制に関する処理が知られている。
例えば、特許文献1には、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の記録剤を記録媒体上のほぼ同位置に付着せしめることによりカラー画像を形成するとき、各画素に対して得られた複数色の記録剤の量の総和が複数色の記録剤の量の総和の限度を示す予め求められている所定値を超える場合には、形成画像におけるC成分、M成分およびY成分の割合が実質的に変わらないように入力画像データを処理し、複数色の記録剤の量の総和を減らして記録を行うことが記載されている。
特許第2608262号公報 また、特許文献2には、各色成分の記録制御情報を中間調処理後に使用される色材量に変換し、全ての色成分における色材の総量を算出して、算出した総量に応じて各色の色材量を規制する総量規制手段を備えることが記載されている。 特開2004−009480号公報
ところで、専用紙といっても、印画紙のような光沢紙、コート紙、OHP以外にも、印刷向けのグロス紙など商業・出版印刷用塗工紙のように安価で高品質な用紙も存在する。
このような用紙を用いることで、オフィスでも高価な専用紙と同等の光沢を持った質の高い印刷が可能となる。特に、このようなグロス紙に高画質な画像の形成が可能となれば、オフィス用途としてプレゼンテーションの資料や小部数の広告やカタログなど、普通紙よりも高画質な印刷物が安価に作成することができるようになる。
しかしながら、特に普通紙は液滴が着弾したときのドットの広がりが大きく、滲みやすい媒体であるのに対し、グロス紙などの商業・出版印刷用塗工紙は、液滴が着弾したときのドットの広がりが小さく、液滴が凝集するような性質を有する媒体であり、普通紙とグロス紙などの商業・出版印刷用塗工紙とは全く性質の異なった媒体である。
そのため、従来のインクジェット記録装置にあっては、定着性や乾燥性の問題から、グロス紙などの商業・出版印刷用塗工紙に対して印刷しようとすると、インクがきれいに付着せず、インクあふれ(ビーディング)が起きてしまうという問題が生じて、印刷そのものが難しい状況にある。
これに対しては、組成を改良して定着性や速乾性を高くしたインクを使用することで、グロス紙などの商業・出版印刷用塗工紙に印刷すること自体は可能になるが、普通紙に印刷する場合と同様な画像処理を行なった画像データを用いたのでは、その性質上、インク溢れ(ビーディング)やバンディング、更には階調反転(特に黒使用部)などの画質低下を招くおそれがある。
この場合、上述した特許文献1などに記載されているように、最大インク総量を超える場合にはCMYの各インクの使用量を減らすような画像処理を行なうことができる。
しかしながら、上述したように液滴が着弾したときのドットの広がりが小さく、液滴が凝集するような性質を有する媒体に対する印刷では、単に最大インク総量を規制する処理を行なうだけでは、シャドー部の階調再現性や色再現性をコントロールして高い画像品質で印刷することはできないという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、液滴が着弾したときのドットの広がりが小さく、液滴が凝集するような性質を有する媒体や商業・出版印刷用塗工紙に対する印刷品質を向上する画像処理方法、この画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラム、この画像処理方法を実行する画像処理装置、この画像処理方法を実行する画像形成装置、これらの画像処理装置と画像形成装置とを組み合わせた画像形成システム、商業・出版印刷用塗工紙に対する印刷品質を向上する画像形成方法、この画像形成方法のうちの処理をコンピュータに実行させるプログラム、この画像形成方法を実行する画像形成装置、画像形成システム及び同画像形成装置に用いられるインクを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像処理方法は、記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して用紙に画像を形成する画像形成装置に対して送出する画像データを生成処理する画像処理方法において、前記液滴が着弾したときのドットの広がりが小さく、液滴が凝集するような性質を有する前記用紙に形成する画像の画像データを生成するとき、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の使用量を前記画像形成装置が画像形成できる最大総量値に応じて補正する総量規制処理、及び、入力信号を色変換したシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の値から黒を生成する墨入れと下色除去を行ってブラック(K)の成分を加えたCYMKの値に変換する墨入れ/下地除去(BG/UCR)処理で、前記用紙に対する記録液付着量を規制値内に制限する処
理を行う構成とした。
ここで、前記墨入れ/下地除去処理でブラック(K)の使用を開始する墨入れの開始階調aが入力階調の25%を越えない階調であることが好ましい。
また、墨入れ/下地除去処理における最大下地除去(UCR)量を、次の(1)式によって算出することが好ましい。
Figure 2007307885
また、色空間変換処理が、入力が3変数以上の第1の色信号を、墨を含む4変数の第2の色信号に変換する処理であり、前記墨入れ/下地除去処理が実質的に前記色空間変換処理で行われる構成とできる。
本発明に係るプログラムは、記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して用紙に画像を形成する画像形成装置に対して送出する画像データを生成する処理をコンピュータに行わせるプログラムにおいて、コンピュータに本発明に係る画像処理方法を実行させる構成とした。
本発明に係る画像処理装置は、記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して用紙に画像を形成する画像形成装置に対して送出する画像データを生成する処理を行う画像処理装置において、本発明に係る画像処理方法を実行する手段を備えている構成とした。
本発明に係る画像形成装置は、記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して用紙に画像を形成する画像形成装置において、本発明に係る画像処理方法を実行する手段を備えている構成とした。
又、前記画像形成装置に用いられる顔料系インクは、25℃における表面張力が15〜40mN/mであることを特徴とする構成とした。
或いは前記画像形成装置に用いられる顔料系インクは、界面活性剤を含有し、該界面活性剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする構成とした。
本発明に係る画像形成システムは、本発明に係る画像処理装置と記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して用紙に画像を形成する画像形成装置とで構成される構成とした。
本発明に係る画像形成方法は、商業・出版印刷用塗工紙に対し、顔料系インクを用いて、次の(A)〜(C)の記録液付着量に関する処理を行って画像を形成する構成とした。
(A)色域が最大に確保できるような記録液付着量を規制値に設定する総量規制処理
(B)入力信号を記録装置用の色空間値に変換するとき、各色相の最外郭点でのインク溢れの発生と彩度に基づいて上記(1)で設定した記録液付着量を色相ごとに制限する色空間変換処理
(C)入力信号をシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の4つの信号に変換する墨入れ/下地除去(BG/UCR)処理における最大下地除去(UCR)量を、次の(1)式によって算出する墨入れ/下地除去処理
Figure 2007307885
前記商業・出版印刷用途工紙が、支持体と該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、
23℃50%RHにて動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける前記顔料系インクの前記商業・出版印刷用途工紙への転移量が2〜40ml/mであり、かつ接触時間400msにおける前記顔料系インクの前記商業・出版印刷用途工紙への転移量が3〜50ml/mである構成とすることができる。
また、前記商業・出版印刷用途工紙が、支持体と該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、
23℃50%RHにて動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の前記商業・出版印刷用途工紙への転移量が2〜45ml/mであり、かつ接触時間400msにおける純水の前記商業・出版印刷用途工紙への転移量が3〜50ml/mである構成とすることができる。
また、前記商業・出版印刷用途工紙が、少なくとも基材と塗工層から構成されており、該塗工層の固形分付着量が0.5〜20.0g/mである構成とすることができる。
また、前記商業・出版印刷用途工紙が、坪量が50〜250g/mである構成とすることができる。
また、前記商業・出版印刷用途工紙が、スーパーカレンダー処理されている構成とすることができる。
また、前記商業・出版印刷用途工紙が顔料を含有し、該顔料がカオリンである構成とすることができる。
また、前記商業・出版印刷用途工紙が顔料を含有し、該顔料が重質炭酸カルシウムである構成とすることができる。
また、前記商業・出版印刷用途工紙が水性樹脂を含有する構成とすることができる。
また、前記水性樹脂が水溶性樹脂、あるいは、水分散性樹脂である構成とすることができる。
また、少なくとも水、着色剤、及び湿潤剤を含有する顔料系インクを用いる構成とすることができる。
また、前記顔料系インクが、25℃における表面張力が15〜40mN/mである構成とすることができる。
また、前記顔料系インクが、着色剤として分散性着色剤を含有し、該分散性着色剤の平均粒径が0.01〜0.16μmである構成とすることができる。
また、前記顔料系インクの25℃における粘度が、1〜30cpsである構成とすることができる。
また、前記顔料系インクが、界面活性剤を含有し、該界面活性剤がフッ素系界面活性剤である構成とすることができる。
前記顔料系インクに含有されるフッ素系界面活性剤は、下記一般式(A)で表わされることが好ましい。
Figure 2007307885
ただし、上記一般式(A)中、mは、0〜10の整数を表す。nは、1〜40の整数を表す。
また、墨入れ/下地除去(BG/UCR)処理では墨入れ開始階調が入力階調の25%未満である構成とできる。
また、色空間変換処理は、入力3変数以上の第1の色信号を、墨を含む4変数の第2の色信号に変換する処理であり、前記墨入れ/下地除去処理が実質的に前記色空間処理で行われる構成とできる。
また、液体吐出面側に撥水層が形成された液体吐出ヘッドを用いて画像を形成すること構成とできる。この場合、液体吐出ヘッドの撥水層がフッ素系材料又はシリコーン系材料で構成されていることが好ましく、また、液体吐出ヘッドの撥水層の開口部は、液体吐出方向に向って開口断面積が順次大きくなっていくように形成されていることが好ましく、また、液体吐出ヘッドの撥水層の臨界表面張力γcが5〜40mN/mであることが好ましい。
また、上記いずれかの画像形成方法を用いて記録された記録物に特徴を有する。

本発明に係るプログラムは、商業・出版印刷用塗工紙に対し、顔料系インクを用いて、画像を形成する画像形成装置に対して送出する画像データを生成する処理をコンピュータに行なわせるプログラムであって、コンピュータに本発明に係る画像形成方法のうちの前記記録液付着量に関する処理を実行させる構成とした。
本発明に係る画像処理装置は、商業・出版印刷用塗工紙に対し、顔料系インクを用いて、画像を形成する画像形成装置に対して送出する画像データを生成する画像処理装置において、本発明に係る画像形成方法のうちの記録液付着量に関する処理を行う手段を備えている構成とした。
本発明に係る画像形成装置は、顔料系インクを用いて、画像を形成する画像形成装置であって、商業・出版印刷用塗工紙に対して画像を形成するときに本発明に係る画像形成方法を実行する手段を備えている構成とした
本発明に係る画像形成システムは、顔料系インクを用いて、画像を形成する画像形成装置を含む画像形成システムであって、商業・出版印刷用塗工紙に対して画像を形成するときに本発明に係る画像形成方法を実行する手段を備えている構成とした。
ここで、画像を形成する媒体の種類に応じて本発明に係る画像形成方法のうちの記録液付着量に関する処理を切り替える構成とできる。
本発明に係る画像処理方法、記録物、プログラム、画像処理装置、画像形成装置及び画像形成システム及びインクによれば、前記液滴が着弾したときのドットの広がりが小さく、液滴が凝集するような性質を有する前記用紙に形成する画像の画像データを生成するとき、総量規制処理、及び、墨入れ/下地除去(BG/UCR)処理で、用紙に対する記録液付着量を規制値内に制限する処理を行う構成としたので、グロス紙などの前記液滴が着弾したときのドットの広がりが小さく、液滴が凝集するような性質を有する前記用紙に対し、ビーディング、階調飛びを低減して、高い画像品質で画像を形成することができるようになる。
本発明に係る画像形成方法、記録物、プログラム、画像処理装置、画像形成装置、画像形成システム及びインクによれば、商業・出版印刷用塗工紙に対し、顔料系インクを用いて画像を形成するときに、総量規制処理、色空間変換処理、墨入れ/下地除去処理を行って塗工紙に対する記録液付着量を規制値内に制限する処理を行う構成としたので、グロス紙などの前記液滴が着弾したときのドットの広がりが小さく、液滴が凝集するよう商業・出版印刷用塗工紙に対し、ビーディング、階調飛びを低減して、高い画像品質で画像を形成することができるようになる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。先ず、本発明に係る画像処理方法で生成された画像データを出力する画像形成装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の機構部の全体構成を説明する側面説明図、図2は同機構部の平面説明図である。
この画像形成装置は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド1とガイドレール2とでキャリッジ3を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ4で駆動プーリ6Aと従動プーリ6Bとの間に張架したタイミングベルト5を介して図2で矢示方向(主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ3には、例えば、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)のインク滴を吐出する液体吐出ヘッドからなる4個の記録ヘッド7y、7c、7m、7k(色を区別しないときは「記録ヘッド7」という。)を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド7を構成する液体吐出ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。また、各色毎に独立したヘッド構成に限るものではなく、複数の色の液滴を吐出する複数のノズルで構成されるノズル列を有する1又は複数の液体吐出ヘッドで構成することもできる。
また、キャリッジ3には、記録ヘッド7に各色のインクを供給するための各色のサブタンク8を搭載している。このサブタンク8にはインク供給チューブ9を介して図示しないメインタンク(インクカートリッジ)からインクが補充供給される。
一方、給紙カセット10などの用紙積載部(圧板)11上に積載した用紙12を給紙するための給紙部として、用紙積載部11から用紙12を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙ローラ)13及び給紙ローラ13に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド14を備え、この分離パッド14は給紙ローラ13側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙12を記録ヘッド7の下方側で搬送するため、用紙12を静電吸着して搬送するための搬送ベルト21と、給紙部からガイド15を介して送られる用紙12を搬送ベルト21との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ22と、略鉛直上方に送られる用紙12を略90°方向転換させて搬送ベルト21上に倣わせるための搬送ガイド23と、押さえ部材24で搬送ベルト21側に付勢された押さえコロ25とを備えている。また、搬送ベルト21表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ26を備えている。
ここで、搬送ベルト21は、無端状ベルトであり、搬送ローラ27とテンションローラ28との間に掛け渡されて、副走査モータ31からタイミングベルト32及びタイミングローラ33を介して搬送ローラ27が回転されることで、図2のベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。なお、搬送ベルト21の裏面側には記録ヘッド7による画像形成領域に対応してガイド部材29を配置している。また、帯電ローラ26は、搬送ベルト21の表層に接触し、搬送ベルト21の回動に従動して回転するように配置されている。
また、図2に示すように、搬送ローラ27の軸には、スリット円板34を取り付け、このスリット円板34のスリットを検知するセンサ35を設けて、これらのスリット円板34及びセンサ35によってロータリエンコーダ36を構成している。
さらに、記録ヘッド7で記録された用紙12を排紙するための排紙部として、搬送ベルト21から用紙12を分離するための分離爪51と、排紙ローラ52及び排紙コロ53と、排紙される用紙12をストックする排紙トレイ54とを備えている。
また、背部には両面給紙ユニット55が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット55は搬送ベルト21の逆方向回転で戻される用紙12を取り込んで反転させて再度カウンタローラ22と搬送ベルト21との間に給紙する。
さらに、図2に示すように、キャリッジ3の走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド7のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構56を配置している。
この維持回復機56は、記録ヘッド7の各ノズル面をキャピングするための各キャップ57と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード58と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行なうときの液滴を受ける空吐出受け59などを備えている。
このように構成した画像形成装置においては、給紙部から用紙12が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙12はガイド15で案内され、搬送ベルト21とカウンタローラ22との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド23で案内されて押さえコロ25で搬送ベルト21に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しない制御部によってACバイアス供給部から帯電ローラ26に対して正負が交互に繰り返す交番電圧を印加して、搬送ベルト21を交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが交互に所定の幅で繰り返されるパターンで帯電させる。この帯電した搬送ベルト21上に用紙12が給送されると、用紙12が搬送ベルト21に静電力で吸着され、搬送ベルト21の周回移動によって用紙12が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ3を往路及び復路方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド7を駆動することにより、停止している用紙12にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙12を所定量搬送後、次の行の記録を行なう。記録終了信号又は用紙12の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙12を排紙トレイ54に排紙する。
また、両面印刷の場合には、表面(最初に印刷する面)の記録が終了したときに、搬送ベルト21を逆回転させることで、記録済みの用紙12を両面給紙ユニット61内に送り込み、用紙12を反転させて(裏面が印刷面となる状態にして)再度カウンタローラ22と搬送ベルト21との間に給紙し、タイミング制御を行って、前述したと同様に搬送ベル21上に搬送して裏面に記録を行った後、排紙トレイ54に排紙する。
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ3は維持回復機構55側に移動されて、キャップ57で記録ヘッド7のノズル面がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ57で記録ヘッド7をキャッピングした状態でノズルから記録液を吸引し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行い、この回復動作によって記録ヘッド7のノズル面に付着したインクを清掃除去するためにワイパーブレード58でワイピングを行なう。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行なう。これによって、記録ヘッド7の安定した吐出性能を維持する。
次に、記録ヘッド7を構成している液体吐出ヘッドの一例について図3及び図4を参照して説明する。なお、図3は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図4は同ヘッドの液室短手方向(ノズルの並び方向)の断面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、例えば単結晶シリコン基板を異方性エッチングして形成した流路板101と、この流路板101の下面に接合した例えばニッケル電鋳で形成した振動板102と、流路板101の上面に接合したノズル板103とを接合して積層し、これらによって液滴(インク滴)を吐出するノズル104が連通する流路であるノズル連通路105及び圧力発生室である液室106、液室106に流体抵抗部(供給路)107を通じてインクを供給するための共通液室108に連通するインク供給口109などを形成している。
また、振動板102を変形させて液室106内のインクを加圧するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての2列(図6では1列のみ図示)の積層型圧電素子121と、この圧電素子121を接合固定するベース基板122とを備えている。なお、圧電素子121の間には支柱部123を設けている。この支柱部123は圧電素子部材を分割加工することで圧電素子121と同時に形成した部分であるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。
また、圧電素子121には図示しない駆動回路(駆動IC)を搭載したFPCケーブル126を接続している。
そして、振動板102の周縁部をフレーム部材130に接合し、このフレーム部材130には、圧電素子121及びベース基板122などで構成されるアクチュエータユニットを収納する貫通部131及び共通液室108となる凹部、この共通液室108に外部からインクを供給するためのインク供給穴132を形成している。このフレーム部材130は、例えばエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
ここで、流路板101は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路105、液室106となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。
振動板102は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法(電鋳法)で作製しているが、この他、金属板や金属と樹脂板との接合部材などを用いることもできる。この振動板102に圧電素子121及び支柱部123を接着剤接合し、更にフレーム部材130を接着剤接合している。
ノズル板103は各液室106に対応して直径10〜30μmのノズル104を形成し、流路板101に接着剤接合している。このノズル板103は、金属部材からなるノズル形成部材の表面に所要の層を介して最表面に撥水層を形成したものである。
圧電素子121は、圧電材料151と内部電極152とを交互に積層した積層型圧電素子(ここではPZT)である。この圧電素子121の交互に異なる端面に引き出された各内部電極152には個別電極153及び共通電極154が接続されている。なお、この実施形態では、圧電素子121の圧電方向としてd33方向の変位を用いて液室106内インクを加圧する構成としているが、圧電素子121の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室106内インクを加圧する構成とすることもできる。また、1つの基板122に1列の圧電素子121が設けられる構造とすることもできる。
このように構成した液体吐出ヘッドヘッドにおいては、例えば圧電素子121に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子121が収縮し、振動板102が下降して液室106の容積が膨張することで、液室106内にインクが流入し、その後圧電素子121に印加する電圧を上げて圧電素子121を積層方向に伸長させ、振動板102をノズル104方向に変形させて液室106の容積/体積を収縮させることにより、液室106内の記録液が加圧され、ノズル104から記録液の滴が吐出(噴射)される。
そして、圧電素子121に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板102が初期位置に復元し、液室106が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室108から液室106内に記録液が充填される。そこで、ノズル104のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行なうこともできる。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図5のブロック図を参照して説明する。
この制御部200は、この装置全体の制御を司るCPU211と、CPU211が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM202と、画像データ等を一時格納するRAM203と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ204と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行なう画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC205とを備えている。
また、この制御部200は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行なうためのI/F206と、記録ヘッド7を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動波形を生成する駆動波形生成手段を含む印刷制御部207と、キャリッジ3側に設けた記録ヘッド7を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)208と、主走査モータ4及び副走査モータ31を駆動するためのモータ駆動部210と、帯電ローラ34にACバイアスを供給するACバイアス供給部212と、エンコーダセンサ43、35からの各検出信号、環境温度を検出する温度センサなどの各種センサからの検出信号を入力するためのI/O213などを備えている。また、この制御部200には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行なうための操作パネル214が接続されている。
ここで、制御部200は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト300側のプリンタドライバ301を含む画像処理プログラムからの画像データ等をケーブル或いはネットを介してI/F206で受信する。
そして、制御部200のCPU201は、I/F206に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC205にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行ない、この画像データをヘッド駆動制御部207からヘッドドライバ208に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成は後述するようにホスト側のプリンタドライバで行なっている。
印刷制御部207は、上述した画像データをシリアルデータでヘッドドライバ208に転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、滴制御信号(マスク信号)などをヘッドドライバ208に出力する以外にも、ROMに格納されている駆動信号のパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動波形生成部及びヘッドドライバに与える駆動波形選択手段を含み、1の駆動パルス(駆動信号)或いは複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形を生成してヘッドドライバ208に対して出力する。
ヘッドドライバ208は、シリアルに入力される記録ヘッド7の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部207から与えられる駆動波形を構成する駆動信号を選択的に記録ヘッド7の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば前述したような圧電素子)に対して印加することで記録ヘッド7を駆動する。このとき、駆動波形を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴(大ドット)、中滴(中ドット)、小滴(小ドット)など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
また、CPU201は、リニアエンコーダを構成するエンコーダセンサ43からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて主走査モータ4に対する駆動出力値(制御値)を算出してモータ駆動部210を介して主走査モータ4を駆動する。同様に、ロータリエンコーダを構成するエンコーダセンサ35からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて副走査モータ31対する駆動出力値(制御値)を算出してモータ駆動部210を介しモータドライバを介して副走査モータ31を駆動する。
次に、上記の画像形成装置によって印刷画像を出力するための本発明に係る画像形成方法をコンピュータに実行させる本発明に係るプログラム(本発明に係る画像形成方法の内の記録液付着量処理をコンピュータに実行させる本発明に係るプログラムでもある。)を搭載した画像処理装置及び上記画像形成装置についてについて以下に説明する。
本発明に係る画像処理装置と上述した画像形成装置であるインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)とで構成した本発明に係る画像形成システムの一例について図6を参照して説明する。この画像形成装置システムは、本発明に係る画像形成方法を実行する手段を備えた本発明に係る画像形成システムでもある。
この印刷システム(画像形成システム)は、パーソナルコンピュータ(PC)などからなる1又は複数台の画像処理装置400と、インクジェットプリンタ500とが、所定のインターフェイス又はネットワークで接続されて構成されている。
画像処理装置400は、図7に示すように、CPU401と、メモリ手段である各種のROM402やRAM403とが、バスラインで接続されている。このバスラインには、所定のインターフェイスを介して、ハードディスクなどの磁気記憶装置を用いた記憶装置406と、マウスやキーボードなどの入力装置404と、LCDやCRTなどのモニタ405と、図示しないが、光ディスクなどの記憶媒体を読み取る記憶媒体読取装置が接続され、また、インターネットなどのネットワークやUSBなどの外部機器と通信を行なう所定のインターフェイス(外部I/F)407が接続されている。
画像処理装置400の記憶装置406には、本発明に係るプログラムを含む画像処理プログラムが記憶されている。この画像処理プログラムは、記憶媒体から記憶媒体読取装置により読み取って、あるいは、インターネットなどのネットワークからダウンロードするなどして、記憶装置406にインストールしたものである。このインストールにより画像処理装置400は、以下のような画像処理を行なうために動作可能な状態となる。なお、この画像処理プログラムは、所定のOS上で動作するものであってもよい。また、特定のアプリケーションソフトの一部をなすものであってもよい。
ここで、画像処理装置400側のプログラムで本発明に係る画像処理方法を実行する例について図8の機能ブロック図を参照して説明する。
画像処理装置400(PC)側の本発明に係るプログラムであるプリンタドライバ411は、アプリケーションソフトなどから与えられた画像データ410をモニタ表示用の色空間から記録装置(画像形成装置)用の色空間への変換(RGB表色系→CMY表色系)を行なうCMM(Color Management Module)処理部412、CMYの値から黒生成/下色除去を行なうBG/UCR(black generation/ Under Color Removal)処理部413、記録制御信号となるCMYK信号に対し画像形成装置が画像形成できる記録色材の最大総量値に応じてCMYK信号を補正する総量規制部414、記録装置の特性やユーザーの嗜好を反映した入出力補正を行なうγ補正部415、図示しないが画像形成装置の解像度に合わせて拡大処理を行なうズーミング(Zooming)処理、画像データを画像形成装置から噴射するドットのパターン配置に置き換える多値・少値マトリクスを含む中間調処理部(多値・少値マトリクス)416、中間調処理で得られた印刷画像データであるドットパターンデータを各スキャン毎のデータに分割し、更に記録を行なう各ノズル位置に合わせてデータ展開するラスタライジング部417を含み、ラスタライジング部417の出力418をインクジェットプリンタ500に送出する。
このような画像処理のうちの一部をインクジェットプリンタ500側で実行することもできる。この例について図9の機能ブロック図を参照して説明する。
画像処理装置400(PC)側のプリンタドライバ421は、上述したγ補正までの処理を行なって生成した画像データをインクジェットプリンタ500に送出する。
一方、インクジェットプリンタ500のプリンタコントローラ511(制御部200)は、図示しないが画像形成装置の解像度に合わせて拡大処理を行なうズーミング(Zooming)部、画像データを画像形成装置から噴射するドットのパターン配置に置き換える多値・少値マトリクスを含む中間調処理部(多値・少値マトリクス)516、中間調処理で得られる印刷画像データのドットパターンデータを各スキャン毎のデータに分割し、更に記録を行なう各ノズル位置に合わせてデータ展開するラスタライジング部517を含み、ラスタライジング部517の出力を印刷制御部207に与える。
本発明に係る画像処理方法は、図8及び図9のいずれの構成であっても好適に適用することができる。ここでは、図8に示す構成のように、インクジェット記録装置側では、装置内に画像の描画又は文字のプリント命令を受けて実際に記録するドットパターンを発生する機能を持たない例で説明する。すなわち、ホストとなる画像処理装置400で実行されるアプリケーションソフトなどからのプリント命令は、画像処理装置400(ホストコンピュータ)内にソフトウェアとして組み込まれたプリンタドライバ411で画像処理されてインクジェットプリンタ500が出力可能な多値のドットパターンのデータ(印刷画像データ)が生成され、それがラスタライズされてインクジェットプリンタ500に転送され,インクジェットプリンタ500が印刷出力される例で説明する。
具体的には、画像処理装置400内では、アプリケーションやオペレーティングシステムからの画像の描画又は文字の記録命令(例えば記録する線の位置と太さと形などを記述したものや、記録する文字の書体と大きさと位置などを記述したもの)は描画データメモリに一時的に保存される。なお、これらの命令は、特定のプリント言語で記述されたものである。
そして、描画データメモリに記憶された命令は、ラスタライザによって解釈され、線の記録命令であれば、指定された位置や太さ等に応じた記録ドットパターンに変換され、また、文字の記録命令であれば画像処理装置(ホストコンピュータ)400内に保存されているフォントアウトラインデータから対応する文字の輪郭情報を呼びだし指定された位置や大きさに応じた記録ドットパターンに変換され、イメージデータであれば、そのまま記録ドットのパターンに変換される。
その後、これらの記録ドットパターン(画像データ410)に対して画像処理を施してラスタデータメモリに記憶する。このとき、画像処理装置400は、直交格子を基本記録位置として、記録ドットパターンのデータにラスタライズする。画像処理としては、上述したように、例えば色を調整するためのカラーマネージメント処理(CMM)やγ補正処理、ディザ法や誤差拡散法などの中間調処理、さらには下地除去処理、インク総量規制処理などがある。そして、ラスタデータメモリに記憶された記録ドットパターンがインタフェースを経由してインクジェット記録装置500へ転送されるものである。
そこで、画像処理装置400側のプリンタドライバ(プログラム)による画像処理の流れについて図10に示すブロック図を参照して説明する。
パーソナルコンピュータなどのデータ処理装置上で動作するアプリケーションソフトから「印刷」指示が出されると、プリンタドライバにおいては、入力600に対してオブジェクト判定処理601でオブジェクトの種類を判定し、オブジェクト毎、つまり文字の画像データ602、線画の画像データ603、グラフィックスの画像データ604、イメージの画像データ605毎にデータが渡され、それぞれのルートを通って処理が行われる。
つまり、文字602、線画603、グラフィックス604については、カラー調整処理606を行なう。そして、文字についてはカラーマッチング処理607、BG/UCR処理609、総量規制処理611を行い、更に文字ディザ処理(中間調処理)615を行なう。また、線画及グラフィックスについてはカラーマッチング処理608、BG/UCR処理610、総量規制処理612、γ補正処理614を行い、更にグラフィックスディザ処理(中間調処理)616を行なう。
一方、イメージ605については、色判定及び圧縮方式判定処理621を行って、通常の場合には、カラー調整処理622、カラーマッチング処理623を行なった後、BG/UCR処理624、総量規制処理625、γ補正処理626を行い、更に誤差拡散処理(中間調処理)627を行なう。また、2色以下の場合には、イメージ間引き処理631、カラー調整処理632、カラーマッチング処理633a又はインデックスレス処理(カラーマッチングを行なわない処理)633bを行なった後、BG/UCR処理624、総量規制処理625、γ補正処理626を行い、更に誤差拡散処理(中間調処理)627を行なう。
なお、線画及びグラフィックスについてはカラー調整処理606に至る前に分岐してROP処理641を経てイメージの場合のカラーマッチング処理632に移行することもある。
このようにしてオブジェクト毎に処理された画像データは、また元の一つの画像データに合成され、図示しないがラスタライジング処理を経て画像形成装置へと渡されることになる。
次に、本発明に係る画像形成方法、画像形成装置、画像形成システムで用いる媒体(以下「記録用メディア」という。)である商業・出版印刷用塗工紙について説明する。
商業・出版印刷用塗工紙とは、オフセット印刷用塗工紙やグラビア印刷用塗工紙に代表されるいわゆる印刷用塗工紙の他、電子写真記録方式用の塗工紙、商業印刷や出版印刷用途向けに開発されたインクジェット記録用塗工紙を包含する。
記録用メディアとしての商業・出版印刷用塗工紙は、支持体と、該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
−支持体−
支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材繊維主体の紙、木材繊維及び合成繊維を主体とした不織布のようなシート状物質などが挙げられる。
前記紙としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材パルプ、古紙パルプなどが用いられる。前記木材パルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、NBSP、LBSP、GP、TMPなどが挙げられる。
前記古紙パルプの原料としては、財団法人古紙再生促進センターの古紙標準品質規格表に示されている、上白、罫白、クリーム白、カード、特白、中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、別上切、新聞、雑誌などが挙げられる。具体的には、情報関連用紙である非塗工コンピュータ用紙、感熱紙、感圧紙等のプリンタ用紙;PPC用紙等のOA古紙;アート紙、コート紙、微塗工紙、マット紙等の塗工紙;上質紙、色上質、ノート、便箋、包装紙、ファンシーペーパー、中質紙、新聞用紙、更紙、スーパー掛け紙、模造紙、純白ロール紙、ミルクカートン等の非塗工紙、などの紙や板紙の古紙で、化学パルプ紙、高歩留りパルプ含有紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記古紙パルプは、一般的に、以下の4工程の組合せから製造される。
(1)離解は、古紙をパルパーにて機械力と薬品で処理して繊維状にほぐし、印刷インキを繊維より剥離する。
(2)除塵は、古紙に含まれる異物(プラスチックなど)及びゴミをスクリーン、クリーナー等により除去する。
(3)脱墨は、繊維より界面活性剤を用いて剥離された印刷インキをフローテーション法、又は洗浄法で系外に除去する。
(4)漂白は、酸化作用や還元作用を用いて、繊維の白色度を高める。
前記古紙パルプを混合する場合、全パルプ中の古紙パルプの混合比率は、記録後のカール対策から40%以下が好ましい。
前記支持体に使用される内添填料としては、例えば、白色顔料として従来公知の顔料が用いられる。前記白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等のような白色無機顔料;スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等のような有機顔料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記支持体を抄造する際に使用される内添サイズ剤としては、例えば、中性抄紙に用いられる中性ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)、アルキルケテンダイマー(AKD)、石油樹脂系サイズ剤などが挙げられる。これらの中でも、中性ロジンサイズ剤又はアルケニル無水コハク酸が特に好適である。前記アルキルケテンダイマーは、そのサイズ効果が高いことから添加量は少なくて済むが、記録用紙(メディア)表面の摩擦係数が下がり滑りやすくなるため、インクジェット記録時の搬送性の点からは好ましくない場合がある。
−塗工層−
前記塗工層は、顔料及びバインダー(結着剤)を含有してなり、更に必要に応じて、界面活性剤、その他の成分を含有してなる。
前記顔料としては、無機顔料、もしくは無機顔料と有機顔料を併用したものを用いることができる。
前記無機顔料としては、例えば、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、非晶質シリカ、アルミナ、チタンホワイト、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クロライトなどが挙げられる。これらの中でも、カオリンは光沢発現性に優れており、オフセット印刷用の用紙に近い風合いとすることができる点から特に好ましい。着色材がインク中で分散状態である、いわゆる顔料インクの場合には、着色材は塗工層表面に留まるので、塗工層の無機顔料として、非晶質シリカ、アルミナのような屈折率が小さい顔料を多量に使用する必要はない。
前記カオリンには、デラミネーテッドカオリン、焼成カオリン、表面改質等によるエンジニアードカオリン等があるが、光沢発現性を考慮すると、粒子径が2μm以下の割合が80質量%以上の粒子径分布を有するカオリンが、カオリン全体の50質量%以上を占めていることが好ましい。
前記カオリンの添加量は、前記バインダー100質量部に対し50質量部以上が好ましい。前記添加量が50質量部未満であると、光沢度において十分な効果が得られないことがある。前記添加量の上限は特に制限はないが、カオリンの流動性、特に高せん断力下での増粘性を考慮すると、塗工適性の点から、90質量部以下がより好ましい。
前記有機顔料としては、例えば、スチレン−アクリル共重合体粒子、スチレン−ブタジエン共重合体粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレン粒子等の水溶性ディスパージョンがある。これら有機顔料は2種以上が混合されてもよい。
前記有機顔料の添加量は、前記塗工層の全顔料100質量部に対し2〜20質量部が好ましい。前記有機顔料は、光沢発現性に優れていることと、その比重が無機顔料と比べて小さいことから、嵩高く、高光沢で、表面被覆性の良好な塗工層を得ることができる。前記添加量が2質量部未満であると、前記効果がなく、20質量部を超えると、塗工液の流動性が悪化し、塗工操業性の低下に繋がることと、コスト面からも経済的ではない。
前記有機顔料には、その形態において、密実型、中空型、ドーナツ型等があるが、光沢発現性、表面被覆性及び塗工液の流動性のバランスを鑑み、平均粒子径は0.2〜3.0μmが好ましく、より好ましくは空隙率40%以上の中空型が採用される。
前記バインダーとしては、水性樹脂を使用するのが好ましい。
前記水性樹脂としては、水溶性樹脂及び水分散性樹脂の少なくともいずれかを好適に用いられる。前記水溶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコールの変性物;ポリウレタン;ポリビニルピロリドン及びポリビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチル・メタクリル酸の共重合体、四級化したビニルピロリドンとジメチルアミノエチル・メタクリル酸の共重合体、ビニルピロリドンとメタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウムの共重合体等のポリビニルピロリドンの変性物;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等セルロース;カチオン化ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースの変性物;ポリエステル、ポリアクリル酸(エステル)、メラミン樹脂、又はこれらの変性物、ポリエステルとポリウレタンの共重合体等の合成樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、自家変性澱粉、カチオン化澱粉、又は各種変性澱粉、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、インク吸収性の観点から、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルとポリウレタンの共重合体、などが特に好ましい。
前記水分散性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリビニルエーテル、シリコーン−アクリル系共重合体、などが挙げられる。また、メチロール化メラミン、メチロール化尿素、メチロール化ヒドロキシプロピレン尿素、イソシアネート等の架橋剤を含有してよいし、N−メチロールアクリルアミドなどの単位を含む共重合体で自己架橋性を持つものでもよい。これら水性樹脂の複数を同時に用いることも可能である。
前記水性樹脂の添加量は、前記顔料100質量部に対し、2〜100質量部が好ましく、3〜50質量部がより好ましい。前記水性樹脂の添加量は記録用メディアの吸液特性が所望の範囲に入るように決定される。
前記着色剤として水分散性の着色剤を使用する場合には、カチオン性有機化合物は必ずしも配合する必要はないが、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択使用することができる。例えば、水溶性インク中の直接染料や酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基等と反応して不溶な塩を形成する1級〜3級アミン、4級アンモニウム塩のモノマー、オリゴマー、ポリマーなどが挙げられ、これらの中でも、オリゴマー又はポリマーが好ましい。
前記カチオン性有機化合物としては、例えば、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルアミン・アンモニア・エピクロルヒドリン縮合物、ポリ(メタクリル酸トリメチルアミノエチル・メチル硫酸塩)、ジアリルアミン塩酸塩・アクリルアミド共重合物、ポリ(ジアリルアミン塩酸塩・二酸化イオウ)、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリ(アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩)、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジアミド、ジシアンジアミド・塩化アンモニウム・尿素・ホルムアルデヒド縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・二酸化イオウ)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・ジアリルアミン塩酸塩誘導体)、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウムクロライド共重合物、アクリル酸塩・アクリルアミド・ジアリルアミン塩酸塩共重合物、ポリエチレンイミン、アクリルアミンポリマー等のエチレンイミン誘導体、ポリエチレンイミンアルキレンオキサイド変性物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、ポリアリルアミン塩酸塩等の低分子量のカチオン性有機化合物と他の比較的高分子量のカチオン性有機化合物、例えば、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)等とを組合せて使用するのが好ましい。併用により、単独使用の場合よりも画像濃度を向上させ、フェザリングが更に低減される。
前記カチオン性有機化合物のコロイド滴定法(ポリビニル硫酸カリウム、トルイジンブルー使用)によるカチオン当量は3〜8meq/gが好ましい。前記カチオン当量がこの範囲であれば上記乾燥付着量の範囲で良好な結果が得られる。
ここで、前記コロイド滴定法によるカチオン当量の測定に当たっては、カチオン性有機化合物を固形分0.1質量%となるように蒸留水で希釈し、pH調整は行わないものとする。
前記カチオン性有機化合物の乾燥付着量は0.3〜2.0g/mが好ましい。前記カチオン性有機化合物の乾燥付着量が0.3g/mより低いと、充分な画像濃度向上やフェザリング低減の効果が得られないことがある。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アニオン活性剤、カチオン活性剤、両性活性剤、非イオン活性剤のいずれも使用することができる。これらの中でも、非イオン活性剤が特に好ましい。前記界面活性剤を添加することにより、画像の耐水性が向上するとともに、画像濃度が高くなり、ブリーディングが改善される。
前記非イオン活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙られる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット、ソルビトール、ショ糖などが挙げられる。また、エチレンオキサイド付加物については、水溶性を維持できる範囲で、エチレンオキサイドの一部をプロピレンオキサイドあるいはブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドに置き換えしたものも有効である。置換率は50%以下が好ましい。前記非イオン活性剤のHLB(親水性/親油性比)は4〜15が好ましく、7〜13がより好ましい。
前記界面活性剤の添加量は、前記カチオン性有機化合物100質量部に対し、0〜10質量部が好ましく、0.1〜1.0質量部がより好ましい。
前記塗工層には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、更に必要に応じて、その他の成分を添加することができる。該その他の成分としては、アルミナ粉末、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤が挙げられる。
前記塗工層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記支持体上に塗工層液を含浸又は塗布する方法により行うことができる。前記塗工層液の含浸又は塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、フィルムトランスファーサイズプレス、ブレードコーター、ロッドコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーターなど各種塗工機で塗工することも可能であるが、コストの点から、抄紙機に設置されているコンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、フィルムトランスファーサイズプレスなどで含浸又は付着させ、オンマシンで仕上げてもよい。
前記塗工層液の付着量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、固形分で、0.5〜20g/mが好ましく、1〜15g/mがより好ましい。
前記含浸又は塗布の後、必要に応じて乾燥させてもよく、この場合の乾燥の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜250℃程度が好ましい。
前記記録用メディアは、更に支持体の裏面にバック層、支持体と塗工層との間、また、支持体とバック層間にその他の層を形成してもよく、塗工層上に保護層を設けることもで
きる。これらの各層は単層であっても複数層であってもよい。
以上のような組成の記録メディアを、本発明において商業・出版印刷用塗工紙とする。
この商業・出版印刷用塗工紙は、本来、油性インクが使用されるべきメディアだが、油性インクは、他の用紙に使用した場合、その浸透性の高さからインクの裏抜けが発生する、あるいは経時による滲みが発生する恐れがある。商業・出版印刷用塗工紙専用のシステムであれば問題は無いが、オフィスやコンシュマー用途で使用される汎用的なインクジェット記録システムでは、かえって問題となってしまう。
そこで、水性インクを使用した場合の商業・出版印刷用塗工紙の特性であるが、純水を使用した評価により、次の様なデータが得られている。
23℃50%RHの環境条件において、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の前記記録用メディアへの転移量は、2〜35ml/mであり、実用的な印字品質を得る為には4〜26ml/mが好ましい。
前記接触時間100msでの前記インク及び純水の転移量が少なすぎると、ビーディングが発生しやすくなることがあり、多すぎると、記録後のインクドット径が所望の径よりも小さくなりすぎることがある。
動的走査吸液計で測定した接触時間400msにおける純水の前記インクの前記記録用メディアへの転移量は、3〜40ml/mであり、実用的な印字品質を得る為には5〜29ml/mが好ましい。
前記接触時間400msでの転移量が少なすぎると、乾燥性が不十分であるため、拍車痕が発生しやすくなることがあり、多すぎると、乾燥後の画像部の光沢が低くなりやすくなることがある。
ここで、前記動的走査吸収液計(dynamic scanning absorptometer;DSA,紙パ技協誌、第48巻、1994年5月、第88〜92頁、空閑重則)は、極めて短時間における吸液量を正確に測定できる装置である。前記動的走査吸液計は、吸液の速度をキャピラリー中のメニスカスの移動から直読する、試料を円盤状とし、この上で吸液ヘッドをらせん状に走査する、予め設定したパターンに従って走査速度を自動的に変化させ、1枚の試料で必要な点の数だけ測定を行う、という方法によって測定を自動化したものである。紙試料への液体供給ヘッドはテフロン(登録商標)管を介してキャピラリーに接続され、キャピラリー中のメニスカスの位置は光学センサで自動的に読み取られる。具体的には、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工株式会社製)を用いて、純水又はインクの転移量を測定した。接触時間100ms及び接触時間400msにおける転移量は、それぞれの接触時間の近隣の接触時間における転移量の測定値から補間により求めることができる。その結果を表1に示している。
Figure 2007307885
次に、本発明に係る画像形成方法、画像形成装置、画像形成システムで使用される高浸透性顔料系インク(顔料インク)について説明する。
一般的に使用される顔料系インクには、特に限定されるものではないが、例えば以下に挙げる顔料が好適に用いられる。また、これら顔料は複数種類を混合して用いても良い。
有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドリノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられる。
無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙げられる。
これらの顔料の粒子径は0.01〜0.30μmで用いることが好ましく、0.01μm以下では粒子径が染料に近づくため、耐光性、フェザリングが悪化してしまう。また、0.30μm以上では、吐出口の目詰まりやプリンタ内のフィルターでの目詰まりが発生し、吐出安定性を得ることができない。
ブラック顔料インクに使用されるカーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15〜40ミリミクロン、BET法による比表面積が、50〜300平方メートル/g、DBP吸油量が、40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。このようなものとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(以上、三菱化学製)、Raven700、同5750、同5250、同5000、同3500、同1255(以上、コロンビア製)、Regal400R、同330R、同660R、MogulL、Monarch700、同800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、Monarch1400(以上、キャボット製)、カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、プリンテックス35、同U、同V、同140U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4A、同4(以上、デグッサ製)等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
カラー顔料の具体例を以下に挙げる。
有機顔料としてアゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドリノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉等が挙げられる。
色別により具体的には以下のものが挙げられる。
イエローインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、同2、同3、同12、同13、同14、同16、同17、同73、同74、同75、同83、同93、同95、同97、同98、同114、同128、同129、同151、同154等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
マゼンタインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、同7、同12、同48(Ca)、同48(Mn)、同57(Ca)、同57:1、同112、同123、同168、同184、同202等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
シアンインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同15:3、同15:34、同16、同22、同60、C.I.バットブルー4、同60等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
又、本発明で使用する各インクに含有される顔料は、本発明のために新たに製造されたものでも使用可能である。
以上に挙げた顔料は高分子分散剤や界面活性剤を用いて水性媒体に分散させることでインクジェット用記録液とすることができる。このような有機顔料粉体を分散させるための分散剤としては、通常の水溶性樹脂や水溶性界面活性剤を用いることができる。
水溶性樹脂の具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、あるいはランダム共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。これらの水溶性樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂であり、これらの中でも重量平均分子量3000〜20000のものが、インクジェット用記録液に用いた場合に、分散液の低粘度化が可能であり、かつ分散も容易であるという利点があるので特に好ましい。
高分子分散剤と自己分散型顔料を同時に使うことは、適度なドット径を得られるため好ましい組合せである。その理由は明らかでないが、以下のように考えられる。
つまり、高分子分散剤を含有することで記録紙への浸透が抑制される。その一方で、高分子分散剤を含有することで自己分散型顔料の凝集が抑えられるため、自己分散型顔料が横方向にスムーズに拡がることができる。そのため、広く薄くドットが拡がり、理想的なドットが形成できると考えられる。
また、分散剤として使用できる水溶性界面活性剤の具体例としては、下記のものが挙げられる。例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩等が挙げられる。又、カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。更に両性界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。又、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
また、顔料は親水性基を有する樹脂によって被覆し、マイクロカプセル化することで、分散性を与えることもできる。
水不溶性の顔料を有機高分子類で被覆してマイクロカプセル化する方法としては、従来公知のすべての方法を用いることが可能である。従来公知の方法として、化学的製法、物理的製法、物理化学的方法、機械的製法などが挙げられる。具体的には、次のような製法がある。
・界面重合法(2種のモノマーもしくは2種の反応物を、分散相と連続相に別々に溶解しておき、両者の界面において両物質を反応させて壁膜を形成させる方法);
・in−situ重合法(液体または気体のモノマーと触媒、もしくは反応性の物質2種を連続相核粒子側のどちらか一方から供給して反応を起こさせ壁膜を形成させる方法);
・液中硬化被膜法(芯物質粒子を含む高分子溶液の滴を硬化剤などにより、液中で不溶化して壁膜を形成する方法);
・コアセルベーション(相分離)法(芯物質粒子を分散している高分子分散液を、高分子濃度の高いコアセルベート(濃厚相)と希薄相に分離させ、壁膜を形成させる方法);
・液中乾燥法(芯物質を壁膜物質の溶液に分散した液を調製し、この分散液の連続相が混和しない液中に分散液を入れて、複合エマルションとし、壁膜物質を溶解している媒質を徐々に除くことで壁膜を形成させる方法);
・融解分散冷却法(加熱すると液状に溶融し常温では固化する壁膜物質を利用し、この物質を加熱液化し、その中に芯物質粒子を分散し、それを微細な粒子にして冷却し壁膜を形成させる方法);
・気中懸濁被覆法(粉体の芯物質粒子を流動床によって気中に懸濁し、気流中に浮遊させながら、壁膜物質のコーティング液を噴霧混合させて、壁膜を形成させる方法);
・スプレードライング法(カプセル化原液を噴霧してこれを熱風と接触させ、揮発分を蒸発乾燥させ壁膜を形成させる方法);
・酸析法(アニオン性基を含有する有機高分子化合物類のアニオン性基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和することで水に対する溶解性を付与し色材と共に水性媒体中で混練した後、酸性化合物で中性または酸性にし有機化合物類を析出させ色材に固着せしめた後に中和し分散させる方法);
・転相乳化法(水に対して分散能を有するアニオン性有機高分子類と色材とを含有する混合体を有機溶媒相とし、前記有機溶媒相に水を投入するかもしくは、水に前記有機溶媒相を投入する方法)、などが挙げられる。
マイクロカプセルの壁膜物質を構成する材料として使用される有機高分子類(樹脂)としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリウレア、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、多糖類、ゼラチン、アラビアゴム、デキストラン、カゼイン、タンパク質、天然ゴム、カルボキシポリメチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸の重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アルギン酸ソーダ、脂肪酸、パラフィン、ミツロウ、水ロウ、硬化牛脂、カルナバロウ、アルブミンなどが挙げられる。
これらの中ではカルボン酸基またはスルホン酸基などのアニオン性基を有する有機高分子類を使用することが可能である。また、ノニオン性有機高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートまたはそれらの(共)重合体)、2−オキサゾリンのカチオン開環重合体などが挙げられる。特に、ポリビニルアルコールの完全ケン物は、水溶性が低く、熱水には解け易いが冷水には解けにくいという性質を有しており特に好ましい。
また、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類の量は、有機顔料またはカーボンブラックなどの水不溶性の色材に対して1重量%以上20重量%以下である。有機高分子類の量を上記の範囲にすることによって、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低いために、有機高分子類が顔料表面を被覆することに起因する顔料の発色性の低下を抑制することが可能となる。有機高分子類の量が1重量%未満ではカプセル化の効果を発揮しづらくなり、逆に20重量%を越えると、顔料の発色性の低下が著しくなる。さらに他の特性などを考慮すると有機高分子類の量は水不溶性の色材に対し5〜10重量%の範囲が好ましい。
すなわち、色材の一部が実質的に被覆されずに露出しているために発色性の低下を抑制することが可能となり、また、逆に、色材の一部が露出せずに実質的に被覆されているために顔料が被覆されている効果を同時に発揮することが可能となるのである。また、本発明に用いる有機高分子類の数平均分子量としては、カプセル製造面などから、2000以上であることが好ましい。ここで「実質的に露出」とは、例えば、ピンホール、亀裂などの欠陥などに伴う一部の露出ではなく、意図的に露出している状態を意味するものである。
さらに、色材として自己分散性の顔料である有機顔料または自己分散性のカーボンブラックを用いれば、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低くても、顔料の分散性が向上するために、十分なインクの保存安定性を確保することが可能となるので本発明にはより好ましい。
なお、マイクロカプセル化の方法によって、それに適した有機高分子類を選択することが好ましい。例えば、界面重合法による場合は、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、エポキシ樹脂などが適している。in−situ重合法による場合は、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどが適している。液中硬化法による場合は、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ゼラチン、アルブミン、エポキシ樹脂などが適している。コアセルベーション法による場合は、ゼラチン、セルロース類、カゼインなどが適している。また、微細で、且つ均一なマイクロカプセル化顔料を得るためには、勿論前記以外にも従来公知のカプセル化法すべてを利用することが可能である。
マイクロカプセル化の方法として転相法または酸析法を選択する場合は、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類としては、アニオン性有機高分子類を使用する。転相法は、水に対して自己分散能または溶解能を有するアニオン性有機高分子類と、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材との複合物または複合体、あるいは自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材、硬化剤およびアニオン性有機高分子類との混合体を有機溶媒相とし、該有機溶媒相に水を投入するか、あるいは水中に該有機溶媒相を投入して、自己分散(転相乳化)化しながらマイクロカプセル化する方法である。上記転相法において、有機溶媒相中に、記録液用のビヒクルや添加剤を混入させて製造しても何等問題はない。特に、直接記録液用の分散液を製造できることからいえば、記録液の液媒体を混入させる方がより好ましい。
一方、酸析法は、アニオン性基含有有機高分子類のアニオン性基の一部または全部を塩基性化合物で中和し、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材と、水性媒体中で混練する工程および酸性化合物でpHを中性または酸性にしてアニオン性基含有有機高分子類を析出させて、顔料に固着する工程とからなる製法によって得られる含水ケーキを、塩基性化合物を用いてアニオン性基の一部または全部を中和することによりマイクロカプセル化する方法である。このようにすることによって、微細で顔料を多く含むアニオン性マイクロカプセル化顔料を含有する水性分散液を製造することができる。
また、上記に挙げたようなマイクロカプセル化の際に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルキルアルコール類;ベンゾール、トルオール、キシロールなどの芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロロホルム、二塩化エチレンなどの塩素化炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類などが挙げられる。なお、上記の方法により調製したマイクロカプセルを遠心分離または濾過などによりこれらの溶剤中から一度分離して、これを水および必要な溶剤とともに撹拌、再分散を行い、目的とする本発明に用いることができる記録液を得る。以上の如き方法で得られるカプセル化顔料の平均粒径は50nm〜180nmであることが好ましい。
このように樹脂被覆することによって顔料が印刷物にしっかりと付着することにより、印刷物の擦過性を向上させることができる。
本発明の記録液を所望の物性にするため、あるいは乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止するためなどの目的で、色材の他に、水溶性有機溶媒を使用することが好ましい。水溶性有機溶媒には湿潤剤、浸透剤が含まれる。湿潤剤は乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止することを目的に添加される。湿潤剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエ−テル額;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノ−ル等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。

また、浸透剤は記録液と被記録材の濡れ性を向上させ、浸透速度を調整する目的で添加される。浸透剤としては、下記一般式(I)〜(IV),(A)で表されるものが好ましい。すなわち、下記式(I)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤、式(II)のアセチレングリコール系界面活性剤、下記式(III)のポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤、式(IV)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系界面活性剤、(A)のフッ素系界面活性剤は、液の表面張力を低下させることができるので、濡れ性を向上させ、浸透速度を高めることができる。
Figure 2007307885
(Rは分岐していても良い炭素数6〜14の炭化水素鎖、kは5〜20)
Figure 2007307885
(m、nは0〜40)
Figure 2007307885
(Rは分岐していても良い炭素数6〜14の炭化水素鎖、nは5〜20)
Figure 2007307885
(Rは炭素数6〜14の炭化水素鎖、m、nは20以下の数)
Figure 2007307885
(mは、0〜10の整数、nは、1〜40の整数を表す)。
前記式(I)〜(IV)、(A)の化合物以外では、例えばジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類を用いることができるが、特にフッ素系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤の例としては、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物等が挙げられ、前記一般式(A)で示した構造のものが特に信頼性の観点からも特に好ましい。さらにフッ素系化合物として市販されているものを挙げると、サーフロンS−111,S−112,S−113,S121,S131,S132,S−141,S−145(旭硝子社製)、フルラードFC−93,FC−95,FC−98,FC−129,FC−135,FC−170C,FC−430,FC−431、FC−4430(住友スリーエム社製),メガファックF−470、F−1405、F−474(大日本インク化学工業社製)、ゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO(デュポン社製)、エフトップEF−351,352,801,802(ジェムコ社製)等が簡単に入手でき本発明に用いることができる。この中でも,特に信頼性と発色向上に関して良好なゾニールFS−300,FSN,FSN−100,FSO(デュポン社製)が好適に使用できる。
また、本発明に係る画像形成方法などで使用する記録液(インク)の表面張力は、35mN/m以下であることがさらに好ましい。
また、本発明に係る画像形成方法などで使用する記録液(インク)の粘度は、1.0〜20.0cPであることが好ましく、吐出安定性の観点からは3.0〜10.0cPであることがさらに好ましい。
また、本発明に係る画像形成方法などで使用する記録液(インク)のpHは、3〜11であることが好ましく、接液する金属部材の腐食防止の観点からは6〜10であることがさらに好ましい。
また、記録液には防腐防黴剤を含有することができる。防腐防黴剤を含有することによって、菌の繁殖を抑えることができ、保存安定性、画質安定性を高めることができる。防腐防黴剤としてはベンゾトリアゾール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、イソチアゾリン系化合物、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が使用できる。
また、記録液には防錆剤を含有することができる。防錆剤を含有することによって、ヘッド等の接液する金属面に被膜を形成し、腐食を防ぐことができる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が使用できる。
また、記録液には酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を含有することによって、腐食の原因となるラジカル種が生じた場合にも酸化防止剤がラジカル種を消滅させることで腐食を防止することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系化合物類、アミン系化合物類が代表的であるがフェノール系化合物類としては、ハイドロキノン、ガレート等の化合物、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3(3',5'−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のヒンダードフェノール系化合物が例示され、アミン系化合物類としては、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N'−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジフェニルエチレンジアミン、フェノチアジン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、4,4'−テトラメチル−ジアミノジフェニルメタン等が例示される。
また、後者としては、硫黄系化合物類、リン系化合物類が代表的であるが、硫黄系化合物としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルβ,β'−チオジブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が例示され、リン系化合物類としては、トリフェニルフォスファイト、トリオクタデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールフォスファイト等が例示される。
また、記録液にはpH調整剤を含有することができる。pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ジエタノールアミン、トリエタノ−ルアミン等のアミン類、硼酸、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等を用いることができる。
以下に具体的なインクの例について説明するが、これに限るものではない。
〈ブラックインク〉
キャボット製カーボンブラック分散体(スルホン基付加型自己分散タイプ)を用いて、以下の処方で混合攪拌後、0.8μmポリプロピレンフィルターにて濾過しインクを作製した。
ブラック分散体 40重量部
CAB-O-JET 200(スルホン基付加型 キャボット製)
アクリルシリコン系樹脂エマルジョン 8重量部
ナノクリルSBCX-2821(東洋インキ製)
1,3-ブタンジオール 18重量部
グリセリン 9重量部
2-ピロリドン 2重量部
エチルヘキサンジオール 2重量部
フッ素系界面活性剤FS-300(Du Pont社製) 2重量部
前記一般式(A)m=6〜8 n=26以上
プロキセルLV(アビシア社製) 0.2重量部
イオン交換水 20.8重量部
〈カラーインク〉
特開2001−139849号公報の調製例3を参考に、銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散液を追試調製した。
まず始めに、ポリマー溶液の調製として、機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置き換えした後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成(株)製、商品名:AS−6)4.0g及びメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。次にスチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成(株)製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマー溶液800gを得た。
前述で得られたポリマー溶液28g、銅フタロシアニン顔料26g、1mol/L水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g及びイオン交換水30gを十分に攪拌した。その後、3本ロールミル((株)ノリタケカンパニー製、商品名:NR−84A)を用いて20回混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、固形分量が20.0wt%のシアン色のポリマー微粒子分散液160gを得た。
この分散液を用いて以下の処方で混合攪拌後、0.8μmポリプロピレンフィルターにて濾過しインクを作製した。
シアンポリマー微粒子分散体 45重量部
1,3-ブタンジオール 21重量部
グリセリン 8重量部
エチルヘキサンジオール 2重量部
フッ素系界面活性剤FSN-100(Du Pont社製) 1重量部
前記一般式(A)m=1〜9 n=0〜25
プロキセルLV(アビシア社製) 0.5重量部
イオン交換水 23.5重量部
このように、水溶性溶剤(1,3-ブタンジオール、エチルヘキサンジオール)に加えて、フッ素系界面活性剤を添加することにより、所謂インクジェット専用紙や普通紙よりも浸透性の劣る商業・出版印刷用塗工紙においても、実用レベルの浸透性を有することが可能となる。
しかし、このような高浸透性顔料インクを使用しても、商業・出版印刷用塗工紙においては必ずしも速やかなインク定着が行われる訳ではなく、インクジェット専用紙や普通紙等に比べて低い浸透性からビーディングが発生し易いといった問題が残る。
そこで、前記商業・出版印刷用塗工紙、絹目光沢紙、普通紙に前記インク滴が着弾したときの様子を図11を参照して説明する。
図11(a)は絹目光沢紙、同図(b)は普通紙、同図(c)は商業・出版印刷用塗工紙の場合を示しており、これらの媒体にドット(液滴)を打った場合(液滴Dが着弾した場合)、絹目光沢紙ではドットDが広がらずにドットDが完全に独立する状態になるのに対し、普通紙ではドットDが広がる(滲みが生じる)。商業・出版印刷用塗工紙は、一方では普通紙のように媒体上で滲みが発生することはないが、他方、絹目光沢紙のようにドットが広がらないものの、完全にドットが独立する状態ではなく、普通紙ほど滲みは発生しないが、隣接するドット同士が凝集し、結果として、インク溢れが発生しやすくなるという特徴(特性、性質)を持っている。
なお、本発明に係る画像処理方法を適用する記録液が着弾したときのドットの広がりが小さく、凝集するような性質を有する用紙(媒体)としては、雑誌のグラビア印刷などで使用されるような表面にコート層を持つオフセット印刷向けの用紙がある。具体的にはPODグロス紙(王子製紙製)などが挙げられるが、ドットの広がりが小さく、凝集するような性質を有する用紙であれば、このPODグロス紙に限定されるものではない。例えば、スーパーMIダル(日本製紙製:商品名)、スペースDX(商品名)などがある。また、このようなグロス紙は本発明における商業・出版印刷用塗工紙に含まれるものであるが、商業・出版印刷用塗工紙は前述したように規定されるものであって、グロス紙に限定されるものではない。
そこで、本発明では、最大のインク付着量を制御する「総量規制」処理、墨入れと下地除去処理を行う「BG/UCR」処理、色空間変換処理を行う「CMM」処理の3つの処理でインク(記録液)付着量を制御することでビーディングの発生を抑制するようにしている。具体的にこの3つの処理について以下に説明する。
まず、「総量規制」処理について図12を参照して説明すると、入力(階調値)に対して滴量変換処理を行い、総量規制値と滴量変換を比較して、入力滴量が総量を超えるときにはブラック(K)は保存し、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の量を規定量まで削減した後、入力滴量が総量以下のときにはそのまま、滴量から階調への変換処理を行って、出力(階調値)とする。
ここでの総量規制値とは、本発明における画像形成装置又は画像形成システムが持つ最大色域限界まで確保できるような滴量で、且つ、インクが過多に付着することにより発生する現象、例えば、耐コックリング性低下により発生するコスレや転写、用紙詰まりが発生しないよう評価した結果から求まる滴量のことである。
総量規制値の規定の仕方としては、例えば1滴あたり21pl、直径約34μmの球からなる滴を記録メディアに打った場合、600×600dpi、100×100のマスクサイズにおける滴量(単位はpl)で表すことができる。本発明において実施する、前記媒体(商業・出版印刷用塗工紙)上に印写(画像形成)を行う場合の総量規制値としては、本発明者らが実験を行ったところ、普通紙の総量規制値と同程度、絹目光沢紙における総量規制値の約55%の滴量とすることが好ましいことが見出された。
また、実際に総量規制処理が掛かる事象としては、入力値から得られた滴量が総量規制値よりも多い場合であり、その場合、ブラック(K)インクの滴量は保存し、CMYの各色のインク滴量を減らすことによって総量規制値以下の滴量に抑える処理を行っている。
次に、墨入れ/下地除去(BG/UCR)処理について図13及び図14を参照して説明する。
通常、C、M、YのインクよりもK(ブラック、黒)のインクの方がドット当りの視認性が高いことから、黒が入り始める低階調部にてブラックインクを使用すると粒状感が悪くなるため、黒が入り始める低階調部ではCMYのコンポジットブラックで黒を形成し、濃度が上がってきたところでブラックインクを入れるような処理にすることで粒状感を改善している。つまり、一般的な墨入れ処理にあっては、図13に示すように、ブラックインクの使用を開始する階調は入力階調の25%以上の階調に設定している。
しかしながら、CMYのコンポジットで黒を形成する階調では滴量がブラックインクによる単色に比べて3倍の使用量になる。上述したように、商業・出版印刷用塗工紙に記録液を印写する場合は、他の専用紙に比べて最大インク付着量が相対的に少ないため、単色黒に比べて3倍の滴量になるコンポジットブラックではビーディングが発生することになる。
本発明者らの評価によると、商業・出版印刷用塗工紙に対して印刷する画像については、墨入れ開始階調aは入力階調の25%未満にする、つまり、墨入れ開始階調aは入力階調の25%を越えないことが好ましいことが判明した。
ただし、墨入れ階調が早くなることは低階調部の粒状感に影響があるため、粒状感についての主観評価も含めて、25%未満の階調から墨入れ開始階調を選出する必要がある。
また、墨入れ処理に対する下地除去(UCR)処理は通常よく墨入れ手段に用いられる処理として、以下の(2)式で表される。この(2)式中、pは、UCR率と呼ばれ0<p≦100%の任意の値が選択される。
Figure 2007307885
上述したように、商業・出版印刷用塗工紙に対して印刷する画像については、最大のインク付着量をなるべく少なくする必要がある。したがって、前記総量規制値と最大墨入れ量の関係から、最大にインクを使用する場合(最大の黒を形成する場合)においても総量規制処理が掛からないようなUCR率を設定することで、インク付着量を低減することができる。
そこで、具体的には、以下のような(1)式で最大下地除去量(UCR量)を求め、墨入れ開始階調から最大階調までを線形にすることで各階調のUCR量を求めている。
Figure 2007307885
このように、液滴が着弾したときの商業・出版印刷用塗工紙に形成する画像の画像データを生成するとき、総量規制処理、及び、墨入れ/下地除去(BG/UCR)処理で、用紙に対する記録液付着量を規制値内に制限する処理を行うことにより、本発明にあげた商業・出版印刷用塗工紙に画像を形成したときのビーディングや階調飛びの発生を低減して、高画質画像を形成することができるようになる。
次に、上述したBG/UCR処理の結果をCMM処理に取り込む例について図15をも参照して説明する。
つまり、色空間変換処理は一般的にモニタ表示色空間RGBを記録装置用色空間CMYに変換する処理、つまり、入力が3変数の第1の色信号を、出力が同数の第2の色信号に変換する処理である。
これに対して、この例では、CMM処理は、入力が3変数以上の第1の色信号を、墨を含む4変数の第2の色信号に変換する処理としている。具体的には、図15に示すように、入力データに基づいて、画像形成装置の色空間値に変換するときに色空間処理変換テーブルとして、入力値に対する色空間変換処理後の出力値をLUT(Look up Table)化した色空間変換テーブルを用いるとき、入力値R,G,Bに対して出力値をK、C、M、Yとしている。
この場合、色空間処理変換テーブル(LUT)としては、入力値R、G、Bの0〜255に対するすべての点について出力値K、C、Y、Mの組合せを羅列するのが好ましいが、処理速度の低下やデータ量の増大を招くため、実装上は、補間点(0〜255の内17点程度が好ましい)を抽出し、線形補間や四面体補間、六面体補間などの補間法を用いることが好ましい。
このように、入力が3変数以上の第1の色信号を、墨を含む4変数の第2の色信号に変換する色空間変換処理を行って、上述した墨入れ/下地除去処理を実質的に色空間変換処理で行われる構成とすることによって、処理速度の向上を図ることができる
また、色空間変換処理テーブルを作成する場合においては、前記総量規制処理および墨入れ、下地除去(BG/UCR)処理で使用するパラメータを参考に設計することにより、最大のインク付着量を考慮した色空間処理変換テーブルの設計ができる。
前記「総量規制」処理では、全色相一律に記録液付着量を制御することは可能だが、色相別に制御することはできない。
したがって、本発明では、最大の彩度確保のために一番記録液付着量が必要な色相の付着量を総量規制値に設定し、その付着量を記録媒体に印写すると、インク溢れ(ビーディング)や彩度飽和が起こる色相については、図16に示すように、色相ごとに、ビーディングの発生と、システムの最大彩度を考慮して、色空間処理変換テーブルの設計を行い、「CMM」処理にて付着量を制限する。
また、商業・出版印刷用塗工紙であっても全く同じ性質ではなく記録メディアに応じて異なるので、記録メディアの種類に応じて、記録液付着量処理としての総量規制処理、色空間変換処理、BG/UCR処理を切り替えるようにすることで、より画像品質を向上することができる。
なお、上記実施形態においては、本発明に係るプログラムとしてのプリンタドライバが本発明に係る画像処理方法をコンピュータに実行させるようにして画像処理装置を構成したが、画像形成装置自体が上述した画像処理方法を実行する手段を備えるようにすることもできる。また、本発明に係る画像処理方法を実行する特定用途向け集積回路(ASIC)を画像形成装置に搭載することもできる。同様に、本発明に係るプログラムとしてのプリンタドライバが本発明に係る画像形成方法における記録液付着量処理をコンピュータに実行させるようにして画像形成システムを構成したが、画像形成装置自体が上述した画像形成方法を実行する手段を備えるようにすることもできる。また、本発明に係る画像形成方法を実行する特定用途向け集積回路(ASIC)を画像形成装置に搭載することもできる。
商業・出版印刷用塗工紙に対する画像を高品質で形成するためには、本発明に係る画像形成方法における画像処理を実施した上で、更に液体吐出ヘッドのノズル面の表面処理を適切にすることが好ましい。
そこで、本発明に係る画像形成方法における前述したインク(記録液)、記録メディアと液体吐出ヘッドの表面処理との関係について説明する。
本発明の画像形成方法で用いられるインクのように、比較的低い表面張力を有するインクを用いる場合、液体吐出ヘッドのノズル形成部材の表面は撥水性(撥インク性)に優れていることが好ましい。これは、撥水性、撥インク性に優れるノズル形成部材を用いることによって、低い表面張力のインクでもインクのメニスカスが正常に形成でき、その結果、インク滴の形成(粒子化)が良好にできるためである。メニスカスが正常に形成されると、インクが噴射するときに一方方向にインクが引っ張られることがなくなり、その結果、インクの噴射曲がりが少なく、ドット位置精度が高い画像を得ることができる。
また、本発明の画像形成方法で画像を形成するメディア(用紙)のように、吸収性が低いメディアに印刷するときにはドット位置精度の善し悪しが画像品質に顕著に現れる。つまり、吸収性が低いメディアの上ではインクが広がりづらいため、ドット位置精度が少しでも低くなると、メディアをインクが埋めきらない箇所、つまり、白抜け部が生じてしまう。この埋めきれない箇所は画像濃度ムラ、画像濃度低下につながり、画像品質の低下に現れる。
そこで、液体吐出ヘッドとして、表面に撥水層(撥水膜、撥インク層、撥インク膜も同じ意味で用いる。)を形成したヘッドを用いることにより、低表面張力のインクを用いても高いドット位置精度が得られるため、吸収性が低いメディアを用いてもインクがメディアを埋めることができるため、画像濃度ムラや画像濃度低下にならず、高い画像品質の印刷物を得ることができる。
先ず、前述したインク(記録液)及び記録メディアを用いる液体吐出ヘッドのノズル板の一例について図17及び図18を参照して説明する。なお、図17は同ヘッドのノズル板の拡大断面説明図、図24は図18の要部拡大断面説明図である。
この液体吐出ヘッドのノズル板702は、ノズル704を形成するノズル基材711の表面に撥水層712を形成している。例えば、ノズル基材711はNi電鋳で形成したNi皮膜であり、このノズル基材711の表面にシリコーン樹脂皮膜(撥水層)712を形成している。
ここで、撥水層712の表面粗さRaは、0.2μm以下にすることが好ましい。表面粗さRaを0.2μm以下にすることで、ワイピング時の拭き残しを低減することができる。撥水層712の膜厚は、0.1μm以上としているが、0.05μm以上であることが好ましい。
このノズル板702においては、図示しない液室にインク703を充填したときには、図18(c)に示すように、シリコーン樹脂皮膜(撥水層)712とノズル基材711との境界部分にメニスカス(液面)Pが形成される。
ここで、ノズル基材の液滴吐出用開口部が形成された面に形成される撥水層の液滴吐出用開口部近傍における当該撥水層の開口部の中心線に垂直な平面での断面積が、ノズル基材表面から離れるにつれて順次大きくなっていくよう形成することが好ましい。
この場合、撥水層の開口部近傍における形状は、曲面形状であることが好ましい。また、撥水層の開口部の中心線を含む平面での断面における撥水層の当該開口部近傍の曲線の曲率半径は、撥水層の膜厚以上の長さであることが好ましい。また、撥水層の開口部の中心線を含む平面での断面における撥水層の当該開口部縁端から当該開口部近傍の曲線が略円弧曲線をなし、該円弧の曲率半径が、該撥水層の膜厚以上であることが好ましい。
また、撥水層の開口部の中心線を含む平面での断面における撥水層の当該開口部縁端を通る接線が、当該縁部を含むノズル基材表面からの角度が90度未満であることが好ましい。
これらの点について図18を参照して具体的に説明する。
ノズル基材711のノズル704を形成する開口部711aは、図18中に一点鎖線で示す中心線aに垂直な平面による断面が、この中心線aを中心とした略円形となるよう形成されている。また、ノズル基材711における液体吐出面(液滴吐出面)側に形成された撥水層712の開口部712aは、この中心線aに垂直な平面による開口部分の断面積がノズル基材711から離れるにつれて順次大きくなっていくよう形成されている。つまり、撥水層712の開口部712aは、液体吐出方向に向って順次開口断面積が大きくなるように形成されている。
より詳細には、撥水層712の開口部712aを形成する部分は、図18(a)に示すように、ノズル基材711の開口部711a縁端から撥水層712表面に至る曲線が曲率半径rのラウンド形状となっている。この曲率半径rは、撥水層712の開口部712a近傍以外における厚み(膜厚保)d以上であることが好ましい。
この厚みdは、撥水層712の開口部712aを形成しているラウンド部分以外の部分における厚みであり、好ましくは撥水層712の最大厚みであってよい。
このように、ノズル基材711の開口部711aに連続して形成される撥水層712の開口部712aが、略尖鋭端のない形状(尖形部分のないなめらかな曲線)で、引っ掛かり部分のない曲線になっていることにより、ゴムなどの材料で形成されたワイパーブレード(図2のワイパーブレード58)でワイピングした場合であっても、尖形部分がワイパーブレードに引っ掛かって撥水層712がノズル基材711から剥離することを低減ないし抑制できる。
また、図18(b)に示すように、ノズル基材711の開口部711aの中心線aを含む平面での断面における、撥水層712の開口部712aを形成する部分の縁端を通る接線bとノズル基材711の開口部712a縁端を含むノズル基材711表面とがなす角度θは90度未満となっていることが好ましい。
このように、撥水層712の開口部712aを形成する部分での接線とノズル基材711とがなす角度θが90度未満であることにより、図18(c)に示すように、撥水層712とノズル基材711との境界部分にメニスカス(液面)Pが安定的に形成され、他の部分にメニスカスPが形成される可能性を大きく減らすことができる。
これにより、メニスカスの形成面を安定させることができるため、このようなノズル板702を含む液体吐出ヘッドを用いた画像形成装置で画像形成を行うとき、液滴の噴射安定性を良好なものとすることができる。
次に、撥水層712を形成するシリコーン樹脂について説明する。シリコーン樹脂としては、室温硬化型の液状シリコーンレジンが好ましく、特に加水分解反応を伴うものが好ましい。下記の例では東レ・ダウコーニング株式会社製のSR2411を用いた。
ここで、撥水層712の開口部712aを形成する部分での接線とノズル基材711とがなす角度θ、及び、撥水層712の開口部712aを形成する部分の曲率半径rと、ノズル周囲のインク溜まり、エッジ剥離、噴射安定性に関して評価した結果を表2に示している。
Figure 2007307885
このように、撥水層712のエッジ部(開口部分縁端近傍)に略尖鋭端が含まれる形状のものでは、ノズル周囲にインク溜まりが見られ、ワイピングによるエッジの剥離が発生した。これに対し、ラウンド形状のものでは、何れもインク溜まりは発生しなかったが、比較例として図19(a)に例示するようなr<dのもので一部エッジの剥離が発生し、図19(b)に例示するようなθ>90度のものでは液滴の噴射が不安定な結果であった。
すなわち、図19(c)に示すように、r<dのものや、θ>90度のものでは、インク3の充填時に、撥水層712´とノズル基材711の境界部分にメニスカス(液面)Pが形成される場合と、撥水層712´における開口部分中心に向けての凸部(開口部分における中心線に垂直な断面積が最も小さくなる部分)にメニスカスQが形成される場合とがありうる。このため、こうしたノズル板を含む液体吐出ヘッドを用いた画像形成装置で画像形成を行うときの液滴の噴射安定性にばらつきが発生してしまうこととなった。
次に、上述した液体吐出ヘッドのノズル板の製造方法の一例について図20を参照して説明する。この例は、ディスペンサを用いてノズル基材の表面にシリコーン樹脂を塗布して撥水層を形成する製造方法の一例を示す説明図である。
この例では、Ni電鋳によるノズル基材711の液滴吐出面側にシリコーン溶液を塗布するためのディスペンサ721を配置し、ノズル基材711とニードル722先端とが予め定められた一定の距離間隔を保ったままとなるように、ニードル722先端からシリコーン樹脂723を吐出しながらディスペンサ721を走査することにより、ノズル基材711の液滴吐出面に選択的にシリコーン樹脂皮膜を形成する。
ここでは、シリコーン樹脂として、常温硬化型シリコーンレジンSR2411(東レ・ダウコーニング株式会社製)、粘度:10mPa・sを用いた。ただし、ノズル基材711の開口部711a及びノズル基材711裏面に若干のシリコーンの周り込みが見られた。このようにして選択的に形成したシリコーン樹脂皮膜(撥水層712)の厚さは1.2μmであり、表面粗さRaは0.18μmであった。
ディスペンサ721のニードル722先端の塗布口は、図21に示すように、塗布対象であると同じ幅を有している。このようなディスペンサ721を用いることで、塗布方向(同図で矢示方向)に1回走査するだけで、塗布対象全体への塗布を完了させることができる。すなわち、塗布動作のための走査方向を1方向のみとすることができる。
これに対して、図22に示すように、ディスペンサ721のニードル722先端の塗布口がノズル基材711に対する塗布幅よりも小さい場合には、ディスペンサ721の走査方向を変えたり、反対方向に走査したりといったことを行わなければならない。
つまり、一般のニードル722´の先端は、図22に示すように、塗布対象であるノズル基材711への塗布幅よりはるかに狭いため、塗布対象全体への塗布を完了させるためには、塗布動作のための走査方向を90度変えて移動させたり、反対方向に走査したりして複数方向に走査する必要があり、塗布対象全体への均一な厚みでの塗布が困難であった。
上述したように、ニードル722先端の塗布口の幅が塗布対象であるノズル基材711への塗布幅だけ確保されることにより、塗布対象全体に渡って塗布する厚みを均一とすることができ、精度のよい表面仕上がりとすることができる。
次に、上述した液体吐出ヘッドのノズル板の製造方法の他の例について図23を参照して説明する。この例は、ディスペンサを用いてノズル基材の表面にシリコーン樹脂を塗布して撥水層を形成する製造方法の他の例を示す説明図である。
この例では、ノズル基材711の開口部711aに対し、撥水層を形成する面と反対側の面側から気体724を噴射しながらシリコーン樹脂723を塗布する。この気体724としては、塗布するシリコーン樹脂723と化学反応を起こしにくい気体であれば各種のものを用いてよく、例えば空気であってもよい。
このように気体724を開口部711aから噴射しながら塗布を行うことにより、ノズル基材711の開口部711aを除くノズル基材表面だけにシリコーン樹脂皮膜712を形成することができる。
また、上述のように気体724を噴射しないで同様のシリコーン樹脂723を用いて塗布し、予め定められた深さまでシリコーン樹脂723が進入した後、開口部711aから気体724を噴出させると、図24に示すように、ノズル704の周囲(開口部711aの壁面)の所望の深さ(たとえば数μm程度)までシリコーン樹脂皮膜712bを形成することができる。
すなわち、上述した液滴吐出面の撥水層712に加えて、ノズル基材711の開口部711a縁端から予め定められた深さまでごく薄い撥水膜712b(開口部711a壁面の撥水膜)を形成することができる。
このようにして作製したノズル板702の撥水層712に対して、EPDMゴム(ゴム硬度50度)を用いてワイピングを実施した。その結果、1000回のワイピングに対してもノズル板702の撥水層712は、良好な撥水性を維持することができた。また、撥水層712が形成されたノズル部材702を、70℃のインクに14日間浸漬処理した。その結果、その後も初期と変わらない撥水性を維持することができた。
次に、液体吐出ヘッドの好ましい他の例について図25を参照して説明する。なお、図25は同ヘッドのノズル板の拡大断面説明図である。
この液体吐出ヘッドのノズル板802は、ノズル基材となる樹脂部材821と高剛性部材825とを熱可塑性接着剤826で接合し、樹脂部材821の表面にはSiO薄膜層822とフッ素系撥水層823を順次積層形成したものであり、樹脂部材821に所要径のノズル孔(開口部)804を形成し、高剛性部材825にはノズル孔804に連通するノズル連通口827を形成している。
SiO薄膜層822の形成には、比較的熱のかからない、つまり、樹脂部材に熱的影響の発生しない範囲の温度で成膜可能な方法で形成する。具体的にはスパッタリング、イオンビーム蒸着、イオンプレーティング、CVD(化学蒸着法)、P−CVD(プラズマ蒸着法)などが適しているといえる。
SiO薄膜層822の膜厚は、密着力が確保できる範囲で必要最小限の厚さとするのが工程時間,材料費から見て有利である。この膜厚があまり厚くなると、エキシマレーザでのノズル孔加工に支障がでてくる場合があるからである。すなわち、樹脂部材821はきれいにノズル孔形状に加工されていても、SiO薄膜層822の一部が十分に加工されず、加工残りになることがある。
したがって、具体的には密着力が確保でき、エキシマレーザ加工時にSiO薄膜層822が残らない範囲として、膜厚1Å〜300Åの範囲内が好ましく、より好ましくは、10Å〜100Åの範囲内である。実験によると、SiO薄膜層822の膜厚が30Åでも密着性は十分であり、エキシマレーザによる加工性についてはまったく問題がなかった。また、300Åでは僅かな加工残りが観察されたが使用可能範囲であり、300Åを超えるとかなり大きな加工残りが発生し、使用不可能なほどのノズル異形が見られた。
撥水層823の材料はインクをはじく材料であればいずれも用いることができるが、具体的には、フッ素系撥水材料、前述したシリコーン系撥水材料を挙げることができる。
フッ素系撥水材料については、いろいろな材料が知られているが、ここでは、パーフルオロポリオキセタン及び変性パーフルオロポリオキセタンの混合物(ダイキン工業製、商品名:オプツールDSX)を1Å〜30Åの厚さに蒸着することで必要な撥水性を得ている。実験結果では、オプツールDSXの厚さは、10Åでも20Å,30Åでも撥水性,ワイピング耐久性能に差は見られなかった。よって、コストなどを考慮するとより好適には、1Å〜20Åが良い。また、フッ素系撥水層823の表面には樹脂製のフィルムに粘着材を塗布した粘着テープ824が貼り付けられていて、エキシマレーザ加工時の補助機能を果たしている。
また、シリコーン系撥水材料としては、前述したように、室温硬化型の液状シリコーンレジン若しくはエラストマーがあり、基材表面に塗布され、室温で大気中に放置することにより重合硬化して撥インク性の皮膜が形成されることが好ましい。
また、シリコーン系撥水材料は加熱硬化型の液状シリコーンレジン若しくはエラストマーであり、基材表面に塗布され、加熱処理することにより硬化し撥インク性の皮膜を形成することであってもよい。
また、シリコーン系撥水材料は紫外線硬化型の液状シリコーンレジン若しくはエラストマーであり、基材表面に塗布され、紫外線を照射することにより硬化し撥インク性の皮膜を形成することであってもよい。
また、シリコーン系撥水材料の粘度は1000cp以下であることが好ましい。
ここで、ノズル孔を加工するエキシマレーザ加工機について図26を参照して簡単に説明する。
レーザ発振機881から射出されたエキシマレーザビーム882はミラー883、885、888によって反射され、加工テーブル890に導かれる。レーザビーム882が加工テーブル890に至るまでの光路には、加工物(ワーク)891に対して最適なビームが届くように、ビームエキスパンダ884、マスク886、フィールドレンズ887、結像光学系889が所定の位置に設けられている。加工物891は加工テーブル890上に載置され、レーザビーム882を受けることになる。加工テーブル890は、周知のXYZテーブル等で構成されていて、必要に応じて加工物891を移動し所望の位置にレーザビーム882を照射することができるようになっている。ここでレーザは、エキシマレーザを利用して説明したが、アブレーション加工が可能である短波長な紫外光レーザであれば、種々なレーザが利用可能である。
次に、ノズル板802の製造工程について図27を参照して説明する。
図27(a)に示すようにノズル基材となる樹脂フィルム821を準備する。例えば、Dupont製ポリイミドフィルムであるカプトン(商品名)の粒子無しのフィルムを使用している。一般的なポリイミドフィルムはロールフィルム取り扱い装置での取り扱い性(滑り)からフィルム材料の中にSiO(シリカ)などの粒子が添加されている。ところが、エキシマレーザでノズル孔加工を行う場合には、SiO(シリカ)の粒子がエキシマレーザによる加工性が悪いためノズル異形が発生する。そこで、SiO(シリカ)の粒子が添加されていないフィルムを使用しているのである。
そして、図27(b)に示すように、樹脂フィルム821の表面にSiO薄膜層822を形成する。このSiO薄膜層822の形成は、真空チャンバ内で行われるスパッタリング工法によることが好ましい。SiO薄膜層822の膜厚は数Å〜200Å程度が好ましく、ここでは10〜50Åの厚さに形成している。
ここで、スパッタリングの方法としては、Siをスパッタした後、Si表面にOイオンを当てることでSiO膜を形成する方法を用いることが、SiO膜822の樹脂フィルム821への密着力が向上すると共に、均質で緻密な膜が得られ、撥水膜のワイピング耐久性向上により効果的である。
次いで、図27(c)に示すように、SiO膜822の表面にフッ素系撥水剤823aを塗布する。塗布方法としては、スピンコータ、ロールコータ、スクリーン印刷、スプレーコータなどの方法が使用可能であるが、真空蒸着で成膜する方法が撥水膜の密着性を向上させることにつながる。
また、その真空蒸着は、図27(b)でのSiO薄膜層822を形成した後、そのまま真空チャンバ内で実施することでさらに良い効果が得られる。すなわち、SiO薄膜層822を形成後、一旦真空チャンバからワークを取り出すと、不純物などが表面に付着することにより密着性が損なわれる。
なお、フッ素系撥水材料としては、フッ素非晶質化合物としてパーフルオロポリオキセタンまたは変形パーフルオロポリオキセタンまたは双方の混合物を使用することで、インクに対する必要な撥水性を得ることができる。前述したダイキン工業製「オプツールDSX」は「アルコキシシラン末端変性パーフルオロポリエーテル」と称されることもある。
その後、空中で放置し、これにより、図27(d)に示すように、フッ素系撥水剤823aとSiO薄膜層822とが、空気中の水分を仲介として化学的結合をし、フッ素系撥水層823になる。
次いで、図27(e)に示すように、フッ素系撥水層823の塗布された面に粘着テープ824を貼り付ける。この粘着テープ824を貼るときには気泡が生じないように貼り付けることが必要である。気泡があると、気泡のある位置に開けたノズル孔は、加工時の付着物などで品質の良くないものになってしまうことがあるからである。
その後、図27(f)に示すように、ポリイミドフィルム821側からエキシマレーザを照射してノズル孔804を形成する。ノズル孔804の加工後は、粘着テープ824を剥がして使用することになる。なお、ここでは、図21で説明したノズル板802の剛性を上げるために用いられる高剛性部材825は説明を省略したが、この工程に適用すれば、図27(d)に示す工程と図27(e)に示す工程の間に実施するのが適当である。
次に、液体吐出ヘッドを製造するときに用いる装置の概要について図28を参照して説明する。
この装置は、USAのOCLI(OPTICAL COATING LABORATORY INC.)が開発した、「メタモードプロセス」と呼ばれる工法を装置化したものであり、ディスプレイなどの反射防止・防汚膜の作製に使用されている。
この装置では、矢示方向に回転するドラム901の周囲4個所にSiスパッタ用ステーション902、Oイオンガン用ステーション903、Nbスパッタ用ステーション904、オプツール蒸着用ステーション905が配置されて、全体が真空引きできるチャンバの中にある。
先ずSiスパッタ用ステーション902によりSiをスパッタし、その後、Oイオンガン用ステーション903によりOイオンをSiに当ててSiOとする。その後、オプツール蒸着用ステーション905でオプツールDSXを適宜蒸着する。なお、液体吐出ヘッドでは、反射防止膜の機能は必要ないので、Nbスパッタ用ステーション904は使用せず、SiO、オプツールDSXを1層ずつ形成する。この装置を使用することで、上述したように、SiO薄層822を形成した後、そのまま真空チャンバ内でオプツールDSXの真空蒸着を実施することが可能となる。
次に、液体吐出ヘッドの撥水層の臨界表面張力について説明する。
撥水層の臨界表面張力は5〜40mN/mであることが好ましく、特に、5〜30mN/mであることがより好ましい。30mN/mを超えると、長期の使用においてインクがノズルプ板に対して濡れすぎる現象が生じるため、繰り返し印刷をしていると、インクの吐出曲がりや粒子化異常が生じてしまうおそれが生じる。また、40mN/mを超えると、初期からノズル板に対して濡れすぎる現象が生じるため、初期からインクの吐出曲がりや粒子化異常が生じてしまう。
ここで、表3に記載する撥水層材料をアルミニウム基盤上に塗布し、加熱乾燥することで撥水層を形成したノズル板を製作し、撥水層の臨界表面張力を測定したところ表3に示すようになった。
Figure 2007307885
なお、臨界表面張力はZisman法で求めることができる。つまり、表面張力が既知の液体を撥水層の上にたらし、接触角θを測定し、液体の表面張力をx軸にcosθをy軸にプロットすると右肩下がりの直線が得られる(Zisman Plot)。この直線がY=1(θ=0)となるときの表面張力を臨界表面張力γcとして算出することができる。その他の方法として、Fowkes法、Owens and Wendt法、Van Oss法を用いて臨界表面張力を求めることもできる。
前述した各例の撥水層を形成した液体吐出ヘッドを製作し、前述したカラーインクの具体例で説明したシアンインクを吐出させ、液滴飛翔過程をビデオ撮影して観察したところ、いずれのノズル板を用いた場合にも正常に粒子化していることを確認し、吐出安定性が良好であることを確認した。
以下に本発明の実施の形態において適用可能な、前述したインク(記録液)、記録メディア及びノズル板の他の例について説明する。
本例におけるノズル板は撥水性、撥インク性に優れており、そのため、表面張力が低いインクを用いてもインク滴の形成(粒子化)が良好にできる。これは、ノズル板が濡れすぎず、インクのメニスカスが正常に形成されるためである。メニスカスが正常に形成されると、インクが噴射する際に一方方向にインクが引っ張られることがなくなり、その結果、インクの噴射曲がりが少なく、ドット位置精度が高い画像を得ることができる。
吸収性が低い用紙に印刷する際にはドット位置精度の善し悪しが画像品質に顕著に現れる。つまり、吸収性が低い紙の上ではインクが広がりづらいため、ドット位置精度が少しでも低くなると用紙をインクが埋めきらない箇所、つまり、白抜け部が生じてしまう。この埋めきれない箇所は画像濃度ムラ、画像濃度低下につながり、画像品質の低下に現れる。
ところが、本例のノズル板は低表面張力のインクを用いてもドット位置精度が高いため、吸収性が低い用紙を用いてもインクが用紙を埋めることができるため、画像濃度ムラや画像濃度低下にならず、高い画像品質の印刷物を得ることができる。
本例における記録用メディアは、支持体と、該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記記録用メディアにおいては、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける本例の前記インクの前記記録用メディアへの転移量は、2〜40ml/mであり、3〜30ml/mが好ましい。また、純水の前記記録用メディアへの転移量は、2〜45ml/mが好ましく、3〜30ml/mがより好ましい。
前記接触時間100msでの前記インク及び純水の転移量が少なすぎると、ビーディングが発生しやすくなることがあり、多すぎると、記録後のインクドット径が所望の径よりも小さくなりすぎることがある。
動的走査吸液計で測定した接触時間400msにおける本例の前記インクの前記記録用メディアへの転移量は、3〜50ml/mであり、4〜40ml/mが好ましい。また、純水の前記記録用メディアへの転移量は、3〜50ml/mが好ましく、4〜40ml/mがより好ましい。
前記接触時間400msでの転移量が少なすぎると、乾燥性が不十分であるため、拍車痕が発生しやすくなることがあり、多すぎると、ブリードが発生しやすく、乾燥後の画像部の光沢が低くなりやすくなることがある。
ここで、前記動的走査吸収液計(dynamic scanning absorptometer;DSA,紙パ技協誌、第48巻、1994年5月、第88〜92頁、空閑重則)は、極めて短時間における吸液量を正確に測定できる装置である。前記動的走査吸液計は、吸液の速度をキャピラリー中のメニスカスの移動から直読する、試料を円盤状とし、この上で吸液ヘッドをらせん状に走査する、予め設定したパターンに従って走査速度を自動的に変化させ、1枚の試料で必要な点の数だけ測定を行う、という方法によって測定を自動化したものである。紙試料への液体供給ヘッドはテフロン(登録商標)管を介してキャピラリーに接続され、キャピラリー中のメニスカスの位置は光学センサで自動的に読み取られる。具体的には、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工株式会社製)を用いて、純水又はインクの転移量を測定した。接触時間100ms及び接触時間400msにおける転移量は、それぞれの接触時間の近隣の接触時間における転移量の測定値から補間により求めることができる。測定は23℃50%RHで行った。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材繊維主体の紙、木材繊維及び合成繊維を主体とした不織布のようなシート状物質などが挙げられる。
前記紙としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材パルプ、古紙パルプなどが用いられる。前記木材パルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、NBSP、LBSP、GP、TMPなどが挙げられる。
前記古紙パルプの原料としては、財団法人古紙再生促進センターの古紙標準品質規格表に示されている、上白、罫白、クリーム白、カード、特白、中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、別上切、新聞、雑誌などが挙げられる。具体的には、情報関連用紙である非塗工コンピュータ用紙、感熱紙、感圧紙等のプリンタ用紙;PPC用紙等のOA古紙;アート紙、コート紙、微塗工紙、マット紙等の塗工紙;上質紙、色上質、ノート、便箋、包装紙、ファンシーペーパー、中質紙、新聞用紙、更紙、スーパー掛け紙、模造紙、純白ロール紙、ミルクカートン等の非塗工紙、などの紙や板紙の古紙で、化学パルプ紙、高歩留りパルプ含有紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記古紙パルプは、一般的に、以下の4工程の組み合わせから製造される。
(1)離解は、古紙をパルパーにて機械力と薬品で処理して繊維状にほぐし、印刷インキを繊維より剥離する。
(2)除塵は、古紙に含まれる異物(プラスチックなど)及びゴミをスクリーン、クリーナー等により除去する。
(3)脱墨は、繊維より界面活性剤を用いて剥離された印刷インキをフローテーション法、又は洗浄法で系外に除去する。
(4)漂白は、酸化作用や還元作用を用いて、繊維の白色度を高める。
前記古紙パルプを混合する場合、全パルプ中の古紙パルプの混合比率は、記録後のカール対策から40%以下が好ましい。
前記支持体に使用される内添填料としては、例えば、白色顔料として従来公知の顔料が用いられる。前記白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等のような白色無機顔料;スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等のような有機顔料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記支持体を抄造する際に使用される内添サイズ剤としては、例えば、中性抄紙に用いられる中性ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)、アルキルケテンダイマー(AKD)、石油樹脂系サイズ剤などが挙げられる。これらの中でも、中性ロジンサイズ剤又はアルケニル無水コハク酸が特に好適である。前記アルキルケテンダイマーは、そのサイズ効果が高いことから添加量は少なくて済むが、記録用紙(メディア)表面の摩擦係数が下がり滑りやすくなるため、インクジェット記録時の搬送性の点からは好ましくない場合がある。
前記塗工層は、顔料及びバインダー(結着剤)を含有してなり、更に必要に応じて、界面活性剤、その他の成分を含有してなる。
前記顔料としては、無機顔料、もしくは無機顔料と有機顔料を併用したものを用いることができる。
前記無機顔料としては、例えば、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、非晶質シリカ、チタンホワイト、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クロライトなどが挙げられる。これらの中でも、カオリンは光沢発現性に優れており、オフセット印刷用の用紙に近い風合いとすることができる点から特に好ましい。
前記カオリンには、デラミネーテッドカオリン、焼成カオリン、表面改質等によるエンジニアードカオリン等があるが、光沢発現性を考慮すると、粒子径が2μm以下の割合が80質量%以上の粒子径分布を有するカオリンが、カオリン全体の50質量%以上を占めていることが好ましい。
前記カオリンの添加量は、前記塗工層の全顔料100質量部に対し50質量部以上が好ましい。前記添加量が50質量部未満であると、光沢度において十分な効果が得られないことがある。前記添加量の上限は特に制限はないが、カオリンの流動性、特に高せん断力下での増粘性を考慮すると、塗工適性の点から、90質量部以下がより好ましい。
前記有機顔料としては、例えば、スチレン−アクリル共重合体粒子、スチレン−ブタジエン共重合体粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレン粒子等の水溶性ディスパージョンがある。これら有機顔料は2種以上が混合されてもよい。
前記有機顔料の添加量は、前記塗工層の全顔料100質量部に対し2〜20質量部が好ましい。前記有機顔料は、光沢発現性に優れていることと、その比重が無機顔料と比べて小さいことから、嵩高く、高光沢で、表面被覆性の良好な塗工層を得ることができる。前記添加量が2質量部未満であると、前記効果がなく、20質量部を超えると、塗工液の流動性が悪化し、塗工操業性の低下に繋がることと、コスト面からも経済的ではない。
前記有機顔料には、その形態において、密実型、中空型、ドーナツ型等があるが、光沢発現性、表面被覆性及び塗工液の流動性のバランスを鑑み、平均粒子径は0.2〜3.0μmが好ましく、より好ましくは空隙率40%以上の中空型が採用される。
前記バインダーとしては、水性樹脂を使用するのが好ましい。
前記水性樹脂としては、水溶性樹脂及び水分散性樹脂の少なくともいずれかが好適に用いられる。前記水溶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコールの変性物;ポリウレタン;ポリビニルピロリドン及びポリビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチル・メタクリル酸の共重合体、四級化したビニルピロリドンとジメチルアミノエチル・メタクリル酸の共重合体、ビニルピロリドンとメタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウムの共重合体等のポリビニルピロリドンの変性物;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等セルロース;カチオン化ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースの変性物;ポリエステル、ポリアクリル酸(エステル)、メラミン樹脂、又はこれらの変性物、ポリエステルとポリウレタンの共重合体等の合成樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、自家変性澱粉、カチオン化澱粉、又は各種変性澱粉、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、インク吸収性の観点から、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルとポリウレタンの共重合体、などが特に好ましい。
前記水分散性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリビニルエーテル、シリコーン−アクリル系共重合体、などが挙げられる。また、メチロール化メラミン、メチロール化尿素、メチロール化ヒドロキシプロピレン尿素、イソシアネート等の架橋剤を含有してよいし、N−メチロールアクリルアミドなどの単位を含む共重合体で自己架橋性を持つものでもよい。これら水性樹脂の複数を同時に用いることも可能である。
前記水性樹脂の添加量は、前記顔料100質量部に対し、2〜100質量部が好ましく、3〜50質量部がより好ましい。前記水性樹脂の添加量は前記記録用メディアの吸液特性が所望の範囲に入るように決定される。
前記着色剤として水分散性の着色剤を使用する場合には、カチオン性有機化合物は必ずしも配合する必要はないが、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択使用することができる。例えば、水溶性インク中の直接染料や酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基等と反応して不溶な塩を形成する1級〜3級アミン、4級アンモニウム塩のモノマー、オリゴマー、ポリマーなどが挙げられ、これらの中でも、オリゴマー又はポリマーが好ましい。
前記カチオン性有機化合物としては、例えば、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルアミン・アンモニア・エピクロルヒドリン縮合物、ポリ(メタクリル酸トリメチルアミノエチル・メチル硫酸塩)、ジアリルアミン塩酸塩・アクリルアミド共重合物、ポリ(ジアリルアミン塩酸塩・二酸化イオウ)、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリ(アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩)、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジアミド、ジシアンジアミド・塩化アンモニウム・尿素・ホルムアルデヒド縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・二酸化イオウ)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・ジアリルアミン塩酸塩誘導体)、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウムクロライド共重合物、アクリル酸塩・アクリルアミド・ジアリルアミン塩酸塩共重合物、ポリエチレンイミン、アクリルアミンポリマー等のエチレンイミン誘導体、ポリエチレンイミンアルキレンオキサイド変性物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、ポリアリルアミン塩酸塩等の低分子量のカチオン性有機化合物と他の比較的高分子量のカチオン性有機化合物、例えば、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)等とを組み合わせて使用するのが好ましい。併用することにより、単独使用の場合よりも画像濃度を向上させ、フェザリングが更に低減される。
前記カチオン性有機化合物のコロイド滴定法(ポリビニル硫酸カリウム、トルイジンブルー使用)によるカチオン当量は3〜8meq/gが好ましい。前記カチオン当量がこの範囲であれば上記乾燥付着量の範囲で良好な結果が得られる。
ここで、前記コロイド滴定法によるカチオン当量の測定に当たっては、カチオン性有機化合物を固形分で0.1質量%となるように蒸留水で希釈し、pH調整は行わないものとする。
前記カチオン性有機化合物の乾燥付着量は、0.3〜2.0g/mが好ましい。前記カチオン性有機化合物の乾燥付着量が0.3g/m未満であると、充分な画像濃度向上やフェザリング低減の効果が得られないことがある。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アニオン活性剤、カチオン活性剤、両性活性剤、非イオン活性剤のいずれも使用することができる。これらの中でも、非イオン活性剤が特に好ましい。前記界面活性剤を添加することにより、画像の耐水性が向上するとともに、画像濃度が高くなり、ブリーディングが改善される。
前記非イオン活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙られる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット、ソルビトール、ショ糖などが挙げられる。また、エチレンオキサイド付加物については、水溶性を維持できる範囲で、エチレンオキサイドの一部をプロピレンオキサイドあるいはブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドに置換したものも有効である。置換率は50%以下が好ましい。前記非イオン活性剤のHLB(親水性/親油性比)は4〜15が好ましく、7〜13がより好ましい。
前記界面活性剤の添加量は、前記カチオン性有機化合物100質量部に対し、0〜10質量部が好ましく、0.1〜1.0質量部がより好ましい。
前記塗工層には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、更に必要に応じて、その他の成分を添加することができる。該その他の成分としては、アルミナ粉末、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤が挙げられる。
前記塗工層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記支持体上に塗工層液を含浸又は塗布する方法により行うことができる。前記塗工層液の含浸又は塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、フィルムトランスファーサイズプレス、ブレードコーター、ロッドコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーターなど各種塗工機で塗工することができる。これらの中でも、コストの点から、抄紙機に設置されているコンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、フィルムトランスファーサイズプレスなどで含浸又は付着させ、オンマシンで仕上げる方法が好ましい。
前記塗工層液の付着量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、固形分で、0.5〜20g/mが好ましく、1〜15g/mがより好ましい。0.5g/m未満であるとインクを十分吸収することができないためインクがあふれて文字滲みが生じてしまう。逆に20g/mを超えると紙の風合いが損なわれ、折り曲げづらくなったり、筆記具で書き加えづらくなるなどの不具合が生じてしまう。
前記含浸又は塗布の後、必要に応じて乾燥させてもよく、この場合の乾燥の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜250℃程度が好ましい。
前記記録用メディアは、更に支持体の裏面にバック層、支持体と塗工層との間、また、支持体とバック層間にその他の層を形成してもよく、塗工層上に保護層を設けることもできる。これらの各層は単層であっても複数層であってもよい。
本例の記録用メディアは、吸液特性が本例の範囲であれば、インクジェット記録用メディアの他、市販のオフセット印刷用コート紙、グラビア印刷用コート紙などであってもよい。
本例の記録用メディアの坪量は、50〜250g/mであることが好ましい。50g/m未満であるとコシがないために搬送経路の途中で記録用メディアが詰まってしまうなどの搬送不良が生じやすい。250g/mを超えるとコシが大きくなりすぎるため搬送経路の途中にある曲線部で記録用メディアが曲がりきれず、やはり記録用メディアが詰まってしまうなどの搬送不良が生じやすい。
本例におけるインクは、少なくとも水、着色剤、及び湿潤剤を含有してなり、浸透剤、界面活性剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記インクは、25℃における表面張力が、15〜40mN/mであり、20〜35mN/mがより好ましい。前記表面張力15/m未満であると、本例のノズル板に濡れすぎてインク滴の形成(粒子化)がうまくできなかったり、本例の記録用メディア上での滲みが顕著となり、安定したインクの吐出が得られないことがあり、40mN/mを超えると、記録用メディアへのインク浸透が十分に起こらず、ビーディングの発生や乾燥時間の長時間化を招くことがある。
ここで、前記表面張力は、例えば、表面張力測定装置(協和界面科学株式会社製、CBVP−Z)を用い、白金プレートを使用して25℃で測定することができる。
前記着色剤としては、顔料、染料、及び着色微粒子の少なくともいずれかを用いることが好ましい。
前記着色微粒子としては、顔料及び染料の少なくともいずれかの色材を含有させたポリマー微粒子の水分散物が好適に用いられる。
ここで、前記「色材を含有させた」とは、ポリマー微粒子中に色材を封入した状態及びポリマー微粒子の表面に色材を吸着させた状態の何れか又は双方を意味する。この場合、本例のインクに配合される色材はすべてポリマー微粒子に封入又は吸着されている必要はなく、本例の効果が損なわれない範囲において、該色材がエマルジョン中に分散していてもよい。前記色材としては、水不溶性又は水難溶性であって、前記ポリマーによって吸着され得る色材であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ここで、前記「水不溶性又は水難溶性」とは、20℃で水100質量部に対し色材が10質量部以上溶解しないことを意味する。また、「溶解する」とは、目視で水溶液表層又は下層に色材の分離や沈降が認められないことを意味する。
前記色材を含有させたポリマー微粒子(着色微粒子)の体積平均粒径は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。0.01μm未満であると微粒子が流動しやすいための文字滲みが大きくなったり、耐光性が劣ってしまう。逆に、0.16μmを超えると、ノズルが目詰まりやすくなったり、発色性が悪くなってしまう。
前記着色剤としては、例えば、水溶性染料、油溶性染料、分散染料等の染料、顔料等が挙げられる。良好な吸着性及び封入性の観点からは油溶性染料及び分散染料が好ましいが、得られる画像の耐光性からは顔料が好ましく用いられる。
なお、前記各染料は、ポリマー微粒子に効率的に含浸される観点から、有機溶剤、例えば、ケトン系溶剤に2g/リットル以上溶解することが好ましく、20〜600g/リットル溶解することがより好ましい。
前記水溶性染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料であり、好ましくは耐水性、及び耐光性に優れたものが用いられる。
前記酸性染料及び食用染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142;C.I.アシッドレッド 1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289;C.I.アシッドブルー 9,29,45,92,249;C.I.アシッドブラック 1,2,7,24,26,94;C.I.フードイエロー 3,4;C.I.フードレッド 7,9,14;C.I.フードブラック 1,2などが挙げられる。
前記直接性染料としては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144;C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227;C.I.ダイレクトオレンジ 26,29,62,102;C.I.ダイレクトブルー 1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202;C.I.ダイレクトブラック 19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171などが挙げられる。
前記塩基性染料としては、例えば、C.I.べーシックイエロー 1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91;C.I.ベーシックレッド 2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112;C.I.べーシックブルー 1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155;C.I.ベーシックブラック 2,8などが挙げられる。
前記反応性染料としては、例えば、C.I.リアクティブブラック 3,4,7,11,12,17;C.I.リアクティブイエロー 1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67;C.I.リアクティブレッド 1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97;C.I.リアクティブブルー 1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95などが挙げられる。
前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機顔料、有機顔料のいずれであってもよい。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックなどが好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。なお、前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
前記顔料の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
前記カラー用のものとしては、黄色インク用では、例えば、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、23、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、138、150、153、などが挙げられる。
マゼンタ用では、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B (Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、92、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(ジメチルキナクリドン)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、などが挙げられる。
シアン用では、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、15(銅フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63等が挙げられる。
また、中間色としてはレッド、グリーン、ブルー用として、C.I.ピグメントレッド177、194、224、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントバイオレット3,19,23,37、C.I.ピグメントグリーン7,36などが挙げられる。
前記顔料としては、少なくとも1種の親水基が顔料の表面に直接若しくは他の原子団を介して結合した分散剤を使用することなく安定に分散させることができる自己分散型顔料が好適に用いられる。その結果、従来のインクのように、顔料を分散させるための分散剤が不要となる。前記自己分散型顔料としては、イオン性を有するものが好ましく、アニオン性に帯電したものやカチオン性に帯電したものが好適である。
前記自己分散型顔料の体積平均粒径は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。
前記アニオン性親水基としては、例えば、−COOM、−SOM、−POHM、−PO、−SONH、−SONHCOR(ただし、式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表す。Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表す)等が挙げられる。これらの中でも、−COOM、−SOMがカラー顔料表面に結合されたものを用いることが好ましい。
また、前記親水基中における「M」は、アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、等が挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、例えば、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。前記アニオン性に帯電したカラー顔料を得る方法としては、カラー顔料表面に−COONaを導入する方法として、例えば、カラー顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法、スルホン化による方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられる。
前記カチオン性親水基としては、例えば、第4級アンモニウム基が好ましく、下記に挙げる第4級アンモニウム基がより好ましく、これらのいずれかが顔料表面に結合されたものが色材として好適である。
Figure 2007307885
前記親水基が結合されたカチオン性の自己分散型カーボンブラックを製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式で表されるN−エチルピリジル基を結合させる方法としては、カーボンブラックを3−アミノ−N−エチルピリジウムブロマイドで処理する方法などが挙げられる。
Figure 2007307885
前記親水基が、他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合されていてもよい。他の原子団としては、例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基が挙げられる。上記した親水基が他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合する場合の具体例としては、例えば、−CCOOM(ただし、Mはアルカリ金属、第4級アンモニウムを表す)、−PhSOM(ただし、Phはフェニル基、Mはアルカリ金属、第4級アンモニウムを表す)、−C10NH+等が挙げられる。
本例においては、顔料分散剤を用いた顔料分散液を用いることもできる。
前記顔料分散剤としては、前記親水性高分子化合物として、天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子などが挙げられる。半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子などが挙げられる。純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホモポリマーや他の親水基を有するモノマーの共重合体からなるようなカルボキシル基を導入したものが高分子分散剤として特に好ましい。
前記共重合体の重量平均分子量は、3,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がより好ましく、7,000〜15,000が更に好ましい。
前記顔料と前記分散剤との混合質量比(顔料:分散剤)は、1:0.06〜1:3が好ましく、1:0.125〜1:3がより好ましい。
前記着色剤の前記インクにおける添加量は、6〜15質量%が好ましく、8〜12質量%がより好ましい。前記添加量が6質量%未満であると、着色力の低下により、画像濃度が低くなったり、粘度の低下によりフェザリングや滲みが悪化することがあり、15質量%を超えると、インクジェット記録装置を放置しておいた場合等に、ノズルが乾燥し易くなり、不吐出現象が発生したり、粘度が高くなりすぎることにより浸透性が低下したり、ドットが広がらないために画像濃度が低下したり、ぼそついた画像になることがある。
前記湿潤剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール化合物、ラクタム化合物、尿素化合物及び糖類から選択される少なくとも1種が好適である。
前記ポリオール化合物としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用して使用してもよい。
前記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1、3−プルパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール1,3−プロパンジオール、1,5ペンタンジオール、1、6ヘキサンジオール、グリセロール、1、2、6−ヘキサントリオール、1、2、4−ブタントリオール、1、2、3−ブタントリオール、ペトリオールなどが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタムなどが挙げられる。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノ−ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。
これらの中でも、溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる点から、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドンが好適である。
前記ラクタム化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタムから選択される少なくとも1種が挙げられる。
前記尿素化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選択される少なくとも1種が挙げられる。前記尿素類の前記インクへの添加量は、一般的に0.5〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
前記糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類及び四糖類を含む)、多糖類、又はこれらの誘導体などが挙げられる。これらの中でも、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースが好適であり、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン、マルトースが特に好ましい。
前記多糖類とは、広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることができる。
前記糖類の誘導体としては、前記糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(ただし、一般式:HOCH(CHOH)nCHOH(ただし、nは2〜5の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、特に糖アルコールが好ましい。該当アルコールとしては、例えば、マルチトール、ソルビット、などが挙げられる。
前記湿潤剤の前記インク中における含有量は、10〜50質量%が好ましく、20〜35質量%がより好ましい。前記含有量が少なすぎると、ノズルが乾燥しやすくなり液滴の吐出不良が発生することがあり、多すぎるとインク粘度が高くなり、適正な粘度範囲を超えてしまうことがある。
前記浸透剤としては、ポリオール化合物やグリコールエーテル化合物等の水溶性有機溶剤が用いられ、特に、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物の少なくともいずれかが好適に用いられる。
前記ポリオール化合物の炭素数が8未満であると、十分な浸透性が得られず、両面印刷時に記録用メディアを汚したり、記録用メディア上でのインクの広がりが不十分で画素の埋まりが悪くなるため、文字品位や画像濃度の低下が生じることがある。
前記炭素数8以上のポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(溶解度:4.2%(25℃))、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール(溶解度:2.0%(25℃))、などが好適である。
前記グリコールエーテル化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
前記浸透剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられ、
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。該アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品として、例えば、エアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485、TGなどが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。具体的には、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタイン、などが挙げられる。
これら界面活性剤の中でも、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)で示される界面活性剤が好適である。
R1−O−(CHCHO)hCHCOOM ・・・一般式(I)
ただし、前記一般式(I)中、R1は、アルキル基を表し、炭素数6〜14の分岐していてもよいアルキル基を表す。hは、3〜12の整数を表す。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表す。
Figure 2007307885
ただし、前記一般式(II)中、R2は、アルキル基を表し、炭素数5〜16の分岐していてもよいアルキル基を表す。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表す。
Figure 2007307885
ただし、前記一般式(III)中、R3は、炭化水素基を表し、例えば、分岐していてもよい炭素数6〜14のアルキル基を表す。kは5〜20の整数を表す。
R4−(OCHCH)jOH ・・・一般式(IV)
ただし、前記一般式(IV)中、R4は、炭化水素基を表し、例えば、炭素数6〜14のアルキル基を表す。jは、5〜20の整数を表す。
Figure 2007307885
ただし、前記一般式(V)中、R6は、炭化水素基を表し、例えば、炭素数6〜14の分岐していてもよいアルキル基を表す。L及びpは、1〜20の整数を表す。
Figure 2007307885
ただし、前記一般式(VI)中、q及びrは0〜40の整数を表す。
以下、前記構造式(I)、及び(II)の界面活性剤を具体的に遊離酸型で示す。
(I−1):CH(CH)12O(CHCHO)CHCOOH
(I−2):CH(CH12O(CHCHO)CHCOOH
(I−3):CH(CH12O(CHCHO)5CHCOOH
(I−4):CH(CH12O(CHCHO)CHCOOH
Figure 2007307885
Figure 2007307885
Figure 2007307885
Figure 2007307885
Figure 2007307885
Figure 2007307885
前記フッ素系界面活性剤としては、下記一般式(A)で表されるものが好適である。
CFCF(CFCF)m―CHCHO(CHCHO)nH ・・・一般式(A)
ただし、前記一般式(A)中、mは、0〜10の整数を表す。nは、1〜40の整数を表す。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物、などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少なく、近年問題視されているフッ素化合物の生体蓄積性についても低く安全性の高いものであり、特に好ましい。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルカルボン化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩、などが挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも旭硝子社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも住友スリーエム社製)、メガファックF−470、F1405、F−474(いずれも大日本インキ化学工業社製)、ゾニールTBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれもデュポン社製)、FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも株式会社ネオス社製)、PF−151N(オムノバ社製)などが挙げられる。これらの中でも、信頼性と発色向上に関して良好な点から、ゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO(デュポン社製)が特に好ましい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂エマルジョン、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記樹脂エマルジョンは、樹脂微粒子を連続相としての水中に分散したものであり、必要に応じて界面活性剤のような分散剤を含有しても構わない。
前記分散相成分としての樹脂微粒子の含有量(樹脂エマルジョン中の樹脂微粒子の含有量)は一般的には10〜70質量%が好ましい。また、前記樹脂微粒子の粒径は、特にインクジェット記録装置に使用することを考慮すると、平均粒径10〜1000nmが好ましく、20〜300nmがより好ましい。
前記分散相の樹脂微粒子成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられ、これらの中でも、アクリルシリコーン系樹脂が特に好ましい。
前記樹脂エマルジョンとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販の樹脂エマルジョンとしては、例えば、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、プライマルAC−22、AC−61(アクリル系樹脂エマルジョン、ローム・アンド・ハース製)、ナノクリルSBCX−2821、3689(アクリルシリコーン系樹脂エマルジョン、東洋インキ製造株式会社製)、#3070(メタクリル酸メチル重合体樹脂エマルジョン、御国色素社製)などが挙げられる。
前記樹脂エマルジョンにおける樹脂微粒子成分の前記インクにおける添加量としては、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が更に好ましい。前記添加量が0.1質量%未満であると、耐目詰まり性及び吐出安定性の向上効果が十分でないことがあり、50質量%を超えると、インクの保存安定性を低下させてしまうことがある。
前記防腐防黴剤としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、などが挙げられる。
前記pH調整剤としては、インクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて任意の物質を使用することができる。
該pH調製剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物;水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、などが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、などが挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β'−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、等が挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、等が挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、等が挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、等が挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2'−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2'−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2'−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)、等が挙げられる。
本例のインクは、少なくとも水、着色剤、及び湿潤剤、必要に応じて浸透剤、界面活性剤、更に必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
前記インクの粘度は、25℃で、1cps以上30cps以下が好ましく、2〜20cpsがより好ましい。前記粘度が20cpsを超えると、吐出安定性の確保が困難になることがある。
前記インクのpHとしては、例えば、7〜10が好ましい。
前記インクの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが挙げられる。これらの着色を2種以上併用したインクセットを使用して記録を行うと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行うと、フルカラー画像を形成することができる。
以下、本例の実施例を説明するが、本例は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(調製例1)
−銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃にて1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液800gを得た。次に、ポリマー溶液の一部を乾燥し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(標準:ポリスチレン、溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は15,000であった。
次に、得られたポリマー溶液28g、銅フタロシアニン顔料26g、1mol/L水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水30gを十分に攪拌した。その後、3本ロールミル(株式会社ノリタケカンパニー製、商品名:NR−84A)を用いて20回混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、固形分量が20.0質量%の青色のポリマー微粒子分散体160gを得た。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は93nmであった。
(調製例2)
−ジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
調製例1において、銅フタロシアニン顔料をC.I.ピグメントレッド122に変更した以外は、調製例1と同様にして、赤紫色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は127nmであった。
(調製例3)
−モノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
調製例1において、銅フタロシアニン顔料をC.I.ピグメントイエロー74に変更した以外は、調製例1と同様にして、黄色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は76nmであった。
(調製例4)
−スルホン化剤処理したカーボンブラック分散体の調製−
市販のカーボンブラック顔料(デグサ社製、「プリンテックス#85」)150gをスルホラン400ml中に良く混合し、ビーズミルで微分散後、アミド硫酸15gを添加して140〜150℃で10時間攪拌した。得られたスラリーをイオン交換水1000ml中に投入し、12,000rpmで遠心分離機により表面処理カーボンブラックウェットケーキを得た。得られたカーボンブラックウェットケーキを2,000mlのイオン交換水中に再分散し、水酸化リチウムにてpHを調整し、限外濾過膜により脱塩濃縮して顔料濃度10質量%のカーボンブラック分散体とし、平均孔径1μmのナイロンフィルターで濾過し、カーボンブラック分散体を得た。
得られたカーボンブラック分散体について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は80nmであった。
(製造例1)
−シアンインクの作製−
調製例1の銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール23.0質量%、グリセリン8.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、フッ素系界面活性剤としてのFS−300(DuPont社製)2.5質量%、防腐防カビ剤としてのプロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。以上により、シアンインクを調製した。
(製造例2)
−マゼンタインクの作製−
調製例2のジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール22.5質量%、グリセリン9.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、フッ素系界面活性剤としてのFS−300(DuPont社製)2.5質量%、防腐防カビ剤としてのプロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、1-アミノ-2,3-プロパンジオール0.5重量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。以上により、マゼンタインクを調製した。
(製造例3)
−イエローインクの作製−
調製例3のモノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール24.5質量%、グリセリン8.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、フッ素系界面活性剤としてのFS−300(DuPont社製)2.5質量%、防腐防カビ剤としてのプロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。以上により、イエローインクを調製した。
(製造例4)
−ブラックインクの作製−
調製例4のカーボンブラック分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール22.5質量%、グリセリン7.5質量%、2−ピロリドン2.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、フッ素系界面活性剤としてのFS−300(DuPont社製)2.5質量%、防腐防カビ剤としてのプロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、及びコリン0.2質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。以上によりブラックインクを調製した。
次に、得られた製造例1〜4の各インクについて、以下のようにして、表面張力、及び粘度を測定した。結果を表4に示す。
<粘度の測定>
粘度は、R−500型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて、コーン1°34'×R24、60rpm、3分後の条件により、25℃で測定した。
<表面張力の測定> 表面張力は、表面張力測定装置(協和界面科学株式会社製、CBVP−Z)を用い、白金プレートを使用して25℃で測定した静的表面張力である。
Figure 2007307885
−支持体の作製− 下記配合の0.3質量%スラリーを長網抄紙機で抄造し、坪量79g/mの支持体を作製した。なお、抄紙工程のサイズプレス工程で、酸化澱粉水溶液を固形分付着量が片面当り、1.0g/mになるように塗布した。
・広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)・・・80質量部 ・針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)・・・20質量部 ・軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−121、奥多摩工業株式会社製)・・・10質量部 ・硫酸アルミニウム・・・1.0質量部 ・両性澱粉(商品名:Cato3210、日本NSC株式会社製)・・・1.0質量部 ・中性ロジンサイズ剤(商品名:NeuSize M−10、ハリマ化成株式会社製)・・・0.3質量部 ・歩留まり向上剤(商品名:NR−11LS、ハイモ社製)・・・0.02質量部
(製造例9)
−記録用メディア1の作製−
顔料としての粒子径2μm以下の割合が97質量%のクレー70質量部、平均粒子径1.1μmの重質炭酸カルシウム30質量部、接着剤としてのガラス転移温度(Tg)が−5℃のスチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン8質量部、リン酸エステル化澱粉1質量部、及び助剤としてのステアリン酸カルシウム0.5質量部を加え、更に水を加えて固形分濃度60質量%の塗工液を調製した。
得られた塗工液を、上記作製した支持体に片面当り固形分付着量が8g/mになるように、ブレードコーターを用いて両面に塗工し、熱風乾燥後、段スーパーカレンダー処理を行い、「記録用メディア1」を作製した。
(製造例10)
−記録用メディア2の作製−
顔料としての粒子径2μm以下の割合が97質量%のクレー70質量部、平均粒子径1.1μmの重質炭酸カルシウム30質量部、接着剤としてのガラス転移温度(Tg)が−5℃のスチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン7質量部、リン酸エステル化澱粉0.7質量部、助剤としてのステアリン酸カルシウム0.5質量部を加え、更に水を加えて固形分濃度60質量%の塗工液を調製した。
得られた塗工液を、上記作製した支持体に片面当り固形分付着量が8g/mになるように、ブレードコーターを用いて両面塗工し、熱風乾燥後、段スーパーカレンダー処理を行い、「記録用メディア2」を作製した。
(実施例1)
−インクセット、記録用メディア、及び画像記録−
製造例4のブラックインク、製造例3のイエローインク、製造例2のマゼンタインク、及び製造例1のシアンインクからなる「インクセット1」を常法により調製した。
得られたインクセット1と、上記記録用メディア1とを用いて、300dpi、ノズル解像度384、ノズルを有する本発明に係る画像形成装置を使用し、画像解像度600dpi、最大インク滴18plにて印字を行った。二次色の総量規制を140%にして付着量規制を実施し、ベタ画像、及び文字を印写して、画像プリントを得た。
(比較例1)
−インクセット、記録用メディア、及び画像記録−
実施例1において、記録用メディアとして市販のオフセット用コート紙(商品名;オーロラコート、坪量=104.7g/m、日本製紙(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、印写を実施し、画像プリントを得た。
(比較例2)
−インクセット、記録用メディア、及び画像記録−
実施例1において、記録用メディアとして市販のインクジェット用マットコート紙(商品名;スーパーファイン専用紙、セイコーエプソン株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、印写を実施し、画像プリントを得た。
(実施例2)
−インクセット、記録用メディア、及び画像記録−
実施例1において、記録用メディアとして上記記録用メディア2を用いた以外は、実施例1と同様にして、印写を実施し、画像プリントを得た。
(実施例3)
−インクセット、記録用メディア、及び画像記録−
実施例1において、記録用メディアとしてグラビア印刷用コート紙(商品名;スペースDX、坪量=56g/m、日本製紙株式会社製)(以下、「記録用メディア3」とする)を用いた以外は、実施例1と同様にして、印写を実施し、画像プリントを得た。
(比較例3)
−インクセット、記録用メディア、及び画像記録−
実施例1において、製造例8のブラックインク、製造例7のイエローインク、製造例6のマゼンタインク、及び製造例5のシアンインクからなるインクセット2を用い、記録用メディアとして上記の記録用メディア1を用いた以外は、実施例1と同様にして、印写を実施し、画像プリントを得た。
(比較例4)
−インクセット、記録用メディア、及び画像記録−
実施例1において、インクセット1の代わりに上記インクセット2を用い、記録用メディアとして市販のオフセット用コート紙(商品名;オーロラコート、坪量=104.7g/m、日本製紙株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、印写を実施し、画像プリントを得た。
(比較例5)
−インクセット、記録用メディア、及び画像記録−
実施例1において、インクセット1の代わりに上記インクセット2を用い、記録用メディアとして市販のインクジェット用マットコート紙(商品名;スーパーファイン専用紙、セイコーエプソン株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、印写を実施し、画像プリントを得た。
(比較例6)
−インクセット、記録用メディア、及び画像記録−
実施例1において、インクセット1の代わりに上記インクセット2を用い、記録用メディアとして上記の記録用メディア2を用いた以外は、実施例1と同様にして、印写を実施し、画像プリントを得た。
次に、記録用メディア1、記録用メディア2、記録用メディア3、及び比較例4〜5で用いた記録用メディアについて、以下のようにして、動的走査吸液計による純水、及び製造例1のシアンインクの転移量を測定した。結果を表5に示す。
また、記録用メディア1,記録用メディア2、及び比較例4〜5で用いた記録用メディアについて、以下のようにして、動的走査吸液計による製造例5のシアンインクの転移量を測定した。結果を表6に示す。
<動的走査吸液計による純水及びシアンインクの転移量の測定>
各記録用メディアについて、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工株式会社製)を用いて、純水又はシアンインクの転移量を測定した。接触時間100ms及び接触時間400msにおける転移量は、それぞれの接触時間の近隣の接触時間における転移量の測定値から補間により求めた。
Figure 2007307885
Figure 2007307885
次に、得られた実施例1〜3及び比較例1〜6の各画像プリントについて、以下のようにして、ビーディング、ブリード、拍車痕、及び光沢感を評価した。結果を表7に示す。
<ビーディング>
各画像プリントのグリーンべた画像部のビーディングの程度を目視で観察し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:ビーディングの発生なく均一な印刷である。
○:かすかにビーディングの発生が認められる。
△:明確にビーディングの発生が認められる。
×:甚だしいビーディングの発生が認められる。
<ブリードの評価>
各画像プリントの黄地中の黒文字のブリードの程度を目視で観察し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:ブリードの発生なく鮮明な印刷である。
○:かすかにブリードの発生が認められる。
△:明確にブリードの発生が認められる。
×:文字の輪郭がはっきりしないほど滲みが発生している。
<拍車痕の評価>
各画像プリントの拍車痕の程度を目視で観察し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:全く認められない。
○:かすかに認められる。
×:明確に拍車痕が認められる。
<光沢感の評価>
各画像プリントの画像部の光沢感の程度を目視で観察し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:高い光沢感がある。
○:光沢感がある。
×:光沢感が認められない。
Figure 2007307885
表4〜表7の結果から、少なくとも水、着色剤、及び湿潤剤を含有してなり、25℃における表面張力が20〜35mN/mであるインクと、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおけるインクの記録用メディアへの転移量が4〜15ml/mであり、かつ接触時間400msにおけるインクの記録用メディアへの転移量が7〜20ml/mである記録用メディアと、を組み合わせた実施例1〜3のインクメディアセットは、比較例1〜6のインクメディアセットに比べて、ビーディング、ブリード、拍車痕、及び光沢感のすべてについて良好な評価結果が得られることが認められた。
次に、インクジェット記録装置の機能と複写機能とを複合した画像形成装置(複合機)の一例について図29を参照して説明する。なお、図29は同画像形成装置の全体構成を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、装置本体1001の内部(筺体内)に、画像を形成するための画像形成部(手段)1002及び副走査搬送部(手段)1003(両者を併せてプリンタエンジンユニットという。)等を有し、装置本体1001の底部に設けた給紙部(手段)1004から被記録媒体(用紙))1005を1枚ずつ給紙して、副走査搬送部1003によって用紙1005を画像形成部1002に対向する位置で搬送しながら、画像形成部1002によって用紙1005に液滴を吐出して所要の画像を形成(記録)した後、排紙搬送部1006を通じて装置本体1001の上面に形成した排紙トレイ1007上に用紙1005を排紙する。
また、この画像形成装置は、画像形成部1002で形成する画像データ(印刷データ)の入力系として、装置本体1001の上部で排紙トレイ1007の上方には画像を読み取るための画像読取部(スキャナ部)1011を備えている。この画像読取部1011は、照明光源1013とミラー1014とを含む走査光学系1015と、ミラー1016、1017を含む走査光学系1018とが移動して、コンタクトガラス1012上に載置された原稿の画像の読み取りを行い、走査された原稿画像がレンズ1019の後方に配置した画像読み取り素子1020で画像信号として読み込まれ、読み込まれた画像信号はデジタル化され画像処理され、画像処理した印刷データを印刷することができる。なお、コンタクトガラス1012上には原稿を押えるための圧板1010を備えている。
さらに、この画像形成装置は、画像形成部1002で形成する画像のデータ(印刷画像データ)の入力系として、外部のパーソナルコンピュータ等の画像処理装置である情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト側からの印刷画像データを含むデータ等をケーブル或いはネットワークを介して受信可能であり、受信した印刷データを処理して印刷することができる。
ここで、画像形成部1002は、前述したインクジェット記録装置(画像形成装置)と略同様に、ガイドロッド1021で案内されて主走査方向(用紙搬送方向と直交する方向)に移動可能なキャリッジ1023上に、それぞれ異なる複数の色の液滴を吐出するノズル列を有する1又は複数の液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド1024を搭載し、キャリッジ1023をキャリッジ走査機構によって主走査方向に移動させ、副走査搬送部1003によって用紙1005を用紙搬送方向(副走査方向)に送りながら記録ヘッド1024から液滴を吐出させて画像形成を行うシャトル型としている。なお、ライン型ヘッドを備えることでライン型とすることもできる。
記録ヘッド1024は、それぞれブラック(Bk)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクを吐出するノズル列を有し、キャリッジ1023に搭載したサブタンク1025からそれぞれ各色のインクが供給される。サブタンク1025には装置本体1001内に着脱自在に装着されるメインタンクである各色のインクカートリッジ1026から図示しないチューブを介してインクが補充供給される。
副走査搬送部1003は、下方から給紙された用紙1005を略90度搬送方向を転換させて画像形成部1002に対向させて搬送するための、駆動ローラである搬送ローラ1032と従動ローラ1033間に架け渡した無端状の搬送ベルト1031と、この搬送ベルト1031の表面を帯電させるためのACバイアスが印加される帯電ローラ1034と、搬送ベルト1031を画像形成部1002の対向する領域でガイドするガイド部材1035と、用紙1005を搬送ローラ1032に対向する位置で搬送ベルト1031に押し付ける押さえコロ(加圧コロ)1036と、画像形成部1002によって画像が形成された用紙1005を排紙搬送部1006に送り出すための搬送ローラ1037を備えている。
この副走査搬送部1003の搬送ベルト1031は、副走査モー1131からタイミングベルト1132及びタイミングローラ1133を介して搬送ローラ1032が回転されることで、副走査方向に周回するように構成している。
給紙部1004は、装置本体1001に抜き差し可能で、多数枚の用紙1005を積載して収納する給紙カセット1041と、給紙カセット1041内の用紙1005を1枚ずつ分離して送り出すための給紙コロ1042及びフリクションパッド1043と、給紙される用紙1005を副走査搬送部1003に対して搬送するレジストローラとなる給紙搬送ローラ1044とを有している。給紙コロ1042は図示しない給紙クラッチを介してHB型ステッピングモータからなる給紙モータ1141によって回転され、また給紙搬送ローラ1044も給紙モータ1141によって回転駆動される。
排紙搬送部1006は、画像形成が行われた用紙1005を搬送する排紙搬送ローラ対1061、1062と、用紙1005を排紙トレイ1007へ送り出すための排紙搬送ローラ対1063及び排紙ローラ対1064とを備えている。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図30のブロック図を参照して説明する。
この制御部1200は、CPU1201と、CPU1201が実行する本発明に係る画像処理方法をCPU1200に実行させるプログラム、その他のプログラム、固定データを格納するROM1202と、画像データ等を一時格納するRAM1203と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)1204と、入力画像に対して中間調処理などの画像処理を施すASIC1205とを含む、この装置全体の制御を司る主制御部1210を備えている。
また、この制御部1200は、画像処理装置となる情報処理装置などのホスト側と主制御部1210との間に介在して、データ、信号の送受を行なうための外部I/F1211と、記録ヘッド1024を駆動制御するためのヘッドドライバを含む印刷制御部1212と、キャリッジ1023を移動走査する主走査モータ1027を駆動するための主走査駆動部(モータドライバ)1213と、副走査モータ1131を駆動するための副走査駆動部1214と、給紙モータ1141を駆動するための給紙駆動部1215と、排紙部1006の各ローラを駆動する排紙モータ1103を駆動するための排紙駆動部1216と、図示しない両面ユニットの各ローラを駆動する両面再給紙モータ1104を駆動するための両面駆動部1217と、維持回復機構を駆動する維持回復モータ1105を駆動するための回復系駆動部1218と、帯電ローラ1034にACバイアスを供給するACバイアス供給部1219とを備えている。
さらに、制御部1200は、各種のソレノイド(SOL)類1106を駆動するソレノイド類駆動部(ドライバ)1222と、給紙関係の電磁クラック類1107などを駆動するクラッチ駆動部1224と、画像読取部1011を制御するスキャナ制御部1225とを備えている。
また、主制御部に1210は、前述した搬送ベルト1031の温度を検出する温度センサ1108の検出信号を入力する。なお、主制御部1210には、その他の図示しない各種センサの検出信号も入力されるが図示を省略している。また、主制御部1210は、装置本体1001に設けたテンキー、プリントスタートキーなどの各種キー及び各種表示器を含む操作/表示部1109との間で必要なキー入力の取り込み、表示情報の出力を行なう。
さらに、この主制御部1210には、キャリッジ1023の移動量及び移動速度を検出するためのリニアエンコーダ1101からの出力信号(パルス)と、搬送ベルト1031に移動速度及び移動量を検出ためのロータリエンコーダ1102からの出力信号(パルス)とが入力され、主制御部1210は、これらの各出力信号及び各出力信号の相関関係に基づいて主走査駆動部1213、副走査駆動部1214を介して主走査モータ1027、副走査モータ1131を駆動制御することでキャリッジ1023を移動させ、搬送ベルト1031を移動させて用紙1005を搬送する。
このように構成した画像形成装置における画像形成動作について簡単に説明すると、ACバイアス供給部1219から帯電ローラ1034に交番電圧である正負極の矩形波の高電圧を印加することによって、帯電ローラ1034は搬送ベルト1031の絶縁層(表層)に当接しているので、搬送ベルト1031の表層には、正と負の電荷が搬送ベルト1031の搬送方向に対して交互に帯状に印加され、搬送ベルト1031上に所定の帯電幅で帯電が行われて不平等電界が生成される。
そこで、給紙部1004などから用紙1005が給紙されて搬送ローラ1032と押えコロ1036との間の、正負極の電荷が形成されることによって不平等電界が発生している搬送ベルト1031上へと送り込まれると、用紙1005は電界の向きにならって瞬時に分極し、静電吸着力で搬送ベルト1031上に吸着され、搬送ベルト1031の移動に伴って搬送される。
そして、この搬送ベルト1031で用紙1005を間歇的に搬送しながら、用紙1005上に印刷データに応じて記録ヘッド1024から記録液の液滴を吐出して画像を形成(印刷)し、画像形成が行なわれた用紙1005の先端側を分離爪で搬送ベルト1031から分離して排紙搬送部1006によって、排紙トレイ1007に排紙する。
このような画像形成装置においてもスキャナ部1011で読み取った原稿画像を入力画像として、グロス紙などのドットの広がりがなく、凝集するような性質を有する媒体に印刷(複写)する場合に、本発明に係る画像処理方法を実行して画像データを生成することによって、ビーディングや階調飛びが低減した高品質の複写物を得ることができる。なお、この画像形成装置を前述したプリンタとして使用する場合には上述した説明がそのまま妥当する。同様に、このような画像形成装置においてもスキャナ部1011で読み取った原稿画像を入力画像として、商業・印刷用塗工紙に高浸透性顔料系インクを用いて印刷(複写)する場合に、本発明に係る画像形成方法を実行して画像を形成することによって、ビーディングや階調飛びが低減した高品質の複写物を得ることができる。
本発明における画像を形成する画像形成装置の機構部の全体構成を説明する側面説明図である。 同機構部の要部平面説明図である。 同装置の記録ヘッドの一例を示す液室長手方向に沿う断面説明図である。 同記録ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図である。 同装置の制御部の概要を示すブロック図である。 本発明に係る画像形成システムの一例を示すブロック説明図である。 同システムにおける画像処理装置の一例を示すブロック説明図である。 本発明に係るプログラムとしてのプリンタドライバの構成の一例を機能的に説明するブロック図である。 同じくプリンタドライバの構成の他の例を機能的に説明するブロック図である。 図8のプリンタドライバ内での画像処理の流れの詳細を説明するブロック説明図である。 各種用紙上のおけるドットの挙動の説明に供する説明図である。 本発明における総量規制処理の説明に供するフロー図である。 一般的なBG/UCR処理の説明に供する説明図である。 本発明におけるBG/UCR処理の説明に供する説明図である。 本発明におけるCMM処理で用いるルックアップテーブルの一例を示す説明図である。 本発明におけるCMM処理で色相ごとに記録液付着量を制御した場合の概念説明図である。 液体吐出ヘッドの一例を示すノズル板の断面説明図である。 同じく要部拡大断面説明図である。 同じく比較例に係る液体吐出ヘッドの要部拡大断面説明図である。 同液体吐出ヘッドの製造方法の一例の説明に供する説明図である。 同じくディスペンサニードルと塗布幅及び塗布方法の説明に供する説明図である。 同じく比較例のディスペンサニードルと塗布幅及び塗布方法の説明に供する説明図である。 同液体吐出ヘッドの製造方法の他の例の説明に供する説明図である。 同液体吐出ヘッドのノズル部分の他の例を示す拡大説明図である。 液体吐出ヘッドの他の例を示すノズル板の断面説明図である。 エキシマレーザ加工装置の説明に供する説明図である。 同液体吐出ヘッドのノズル板の製造工程の説明に供する断面説明図である。 同液体吐出ヘッドのノズル板の製造に用いる薄膜作製装置の一例の説明に供する説明図である。 本発明に係る画像形成装置の一例の全体構成を説明する説明図である。 同画像形成装置の制御部の一例を示すブロック説明図である。
符号の説明
3…キャリッジ
7…記録ヘッド
207…印刷制御部
208…ヘッドドライバ
400…画像処理装置
500…インクジェットプリンタ
411…プリンタドライバ(プログラム)
412…CMM処理部
413…BG/UCR処理部
414…総量規制部
1002…画像形成部

Claims (38)

  1. 記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して用紙に画像を形成する画像形成装置に対して送出する画像データを生成処理する画像処理方法において、前記液滴が着弾したときのドットの広がりが小さく、液滴が凝集するような性質を有する前記用紙に形成する画像の画像データを生成するとき、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の使用量を前記画像形成装置が画像形成できる最大総量値に応じて補正する総量規制処理、及び、入力信号を色変換したシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の値から黒を生成する墨入れと下色除去を行ってブラック(K)の成分を加えたCYMKの値に変換する墨入れ/下地除去(BG/UCR)処理で、前記用紙に対する記録液付着量を規制値内に制限する処理を行うことを特徴とする画像処理方法。
  2. 請求項1に記載の画像処理方法において、前記墨入れ/下地除去処理でブラック(K)の使用を開始する墨入れの開始階調aが入力階調の25%を越えない階調であることを特徴とする画像処理方法。
  3. 請求項1又は2に記載の画像処理方法において、前記墨入れ/下地除去処理における最大下地除去(UCR)量を、次の(1)式によって算出することを特徴とする画像処理方法。
    Figure 2007307885
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理方法において、色空間変換処理が、入力が3変数以上の第1の色信号を、墨を含む4変数の第2の色信号に変換する処理であり、前記墨入れ/下地除去処理が実質的に前記色空間変換処理で行われることを特徴とする画像処理方法。
  5. 記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して用紙に画像を形成する画像形成装置に対して送出する画像データを生成する処理をコンピュータに行わせるプログラムにおいて、コンピュータに前記請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理方法を実行させることを特徴とするプログラム。
  6. 記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して用紙に画像を形成する画像形成装置に対して送出する画像データを生成する処理を行う画像処理装置において、前記請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理方法を実行する手段を備えていることを特徴とする画像処理装置。
  7. 記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して用紙に画像を形成する画像形成装置において、前記請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理方法を実行する手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7に記載の画像形成装置に用いられる顔料系インクであって、
    前記顔料系インクは、25℃における表面張力が15〜40mN/mであることを特徴とする顔料系インク。
  9. 請求項7に記載の画像形成装置に用いられる顔料系インクであって、
    前記顔料系インクは、界面活性剤を含有し、該界面活性剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする顔料系インク。
  10. 請求項6に記載の画像処理装置と記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して用紙に画像を形成する画像形成装置とで構成されることを特徴とする画像形成システム。
  11. 商業・出版印刷用塗工紙に対し、顔料系インクを用いて、次の(A)〜(C)の記録液付着量に関する処理を行って画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
    (A)色域が最大に確保できるような記録液付着量を規制値に設定する総量規制処理
    (B)入力信号を記録装置用の色空間値に変換するとき、各色相の最外郭点でのインク溢れの発生と彩度に基づいて上記(1)で設定した記録液付着量を色相ごとに制限する色空間変換処理
    (C)入力信号をシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の4つの信号に変換する墨入れ/下地除去(BG/UCR)処理における最大下地除去(UCR)量を、次の(1)式によって算出する墨入れ/下地除去処理
    Figure 2007307885
  12. 前記商業・出版印刷用途工紙が、支持体と該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、
    23℃50%RHにて動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける前記顔料系インクの前記商業・出版印刷用途工紙への転移量が2〜40ml/mであり、かつ接触時間400msにおける前記顔料系インクの前記商業・出版印刷用途工紙への転移量が3〜50ml/mであることを特徴とする請求項11に記載の画像形成方法。
  13. 前記商業・出版印刷用途工紙が、支持体と該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、
    23℃50%RHにて動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の前記商業・出版印刷用途工紙への転移量が2〜45ml/mであり、かつ接触時間400msにおける純水の前記商業・出版印刷用途工紙への転移量が3〜50ml/mであることを特徴とする請求項11に記載の画像形成方法。
  14. 前記商業・出版印刷用途工紙が、少なくとも基材と塗工層から構成されており、該塗工層の固形分付着量が0.5〜20.0g/mであることを特徴とする請求項12または13に記載する画像形成方法。
  15. 前記商業・出版印刷用途工紙が、坪量が50〜250g/mであることを特徴とする請求項12または13に記載する画像形成方法。
  16. 前記商業・出版印刷用途工紙が、スーパーカレンダー処理されていることを特徴とする請求項12または13に記載する画像形成方法。
  17. 前記商業・出版印刷用途工紙が顔料を含有し、該顔料がカオリンであることを特徴とする請求項12または13に記載する画像形成方法。
  18. 前記商業・出版印刷用途工紙が顔料を含有し、該顔料が重質炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項12または13に記載する画像形成方法。
  19. 前記商業・出版印刷用途工紙が水性樹脂を含有することを特徴とする請求項12または13に記載する画像形成方法。
  20. 前記水性樹脂が水溶性樹脂、あるいは、水分散性樹脂であることを特徴とする請求項19に記載する画像形成方法。
  21. 少なくとも水、着色剤、及び湿潤剤を含有する顔料系インクを用いることを特徴とする請求項11に記載の画像形成方法。
  22. 前記顔料系インクが、25℃における表面張力が15〜40mN/mであることを特徴とする請求項21に記載の画像形成方法。
  23. 前記顔料系インクが、着色剤として分散性着色剤を含有し、該分散性着色剤の平均粒径が0.01〜0.16μmであることを特徴とする請求項21に記載の画像形成方法。
  24. 前記顔料系インクの25℃における粘度が、1〜30cpsであることを特徴とする請求項21に記載の画像形成方法。
  25. 前記顔料系インクが、界面活性剤を含有し、該界面活性剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項21に記載の画像形成方法。
  26. 請求項11〜25の何れかに記載の画像形成装置において、前記顔料系インクに含有されるフッ素系界面活性剤は、下記一般式(A)で表わされることを特徴とする画像形成方法。
    Figure 2007307885
    ただし、上記一般式(A)中、mは、0〜10の整数を表す。nは、1〜40の整数を表す。
  27. 請求項11〜26のいずれかに記載の画像形成方法において、前記墨入れ/下地除去(BG/UCR)処理では墨入れ開始階調が入力階調の25%未満であることを特徴とする画像形成方法。
  28. 請求項11〜27のいずれかに記載の画像形成方法において、前記色空間変換処理は、入力3変数以上の第1の色信号を、墨を含む4変数の第2の色信号に変換する処理であり、前記墨入れ/下地除去処理が実質的に前記色空間処理で行われることを特徴とする画像形成方法。
  29. 請求項11〜27のいずれかに記載の画像形成方法において、液体吐出面側に撥水層が形成された液体吐出ヘッドを用いて画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
  30. 請求項29に記載の画像形成方法において、前記液体吐出ヘッドの撥水層がフッ素系材料又はシリコーン系材料で構成されていることを特徴とする画像形成方法。
  31. 請求項29又は30に記載の画像形成方法において、前記液体吐出ヘッドの撥水層の開口部は、液体吐出方向に向って開口断面積が順次大きくなっていくように形成されていることを特徴とする画像形成方法。
  32. 請求項29〜31のいずれかに記載の画像形成方法において、前記液体吐出ヘッドの撥水層の臨界表面張力γcが5〜40mN/mであることを特徴とする画像形成方法。
  33. 請求項11〜32のいずれかに記載の画像形成方法を用いて記録された記録物。
  34. 商業・出版印刷用塗工紙に対し、顔料系インクを用いて、画像を形成する画像形成装置に対して送出する画像データを生成する処理をコンピュータに行なわせるプログラムにおいて、コンピュータに前記請求項11〜32のいずれかに記載の画像形成方法のうちの前記記録液付着量に関する処理を実行させることを特徴とするプログラム。
  35. 商業・出版印刷用塗工紙に対し、顔料系インクを用いて、画像を形成する画像形成装置に対して送出する画像データを生成する処理を行う画像処理装置において、前記請求項11〜32のいずれかに記載の画像形成方法のうちの前記記録液付着量に関する処理を行う手段を備えていることを特徴とする画像処理装置。
  36. 顔料系インクを用いて、画像を形成する画像形成装置において、商業・出版印刷用塗工紙に対して画像を形成するときに前記請求項11〜32のいずれかに記載の画像形成方法を実行する手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  37. 顔料系インクを用いて、画像を形成する画像形成装置を含む画像形成システムにおいて、商業・出版印刷用塗工紙に対して画像を形成するときに前記請求項11〜32のいずれかに記載の画像形成方法を実行する手段を備えていることを特徴とする画像形成システム。
  38. 請求項37に記載の画像形成システムにおいて、画像を形成する媒体の種類に応じて請求項11,27又は28に記載の画像形成方法のうちの前記記録液付着量に関する処理を切り替えることを特徴とする画像形成システム。
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