JP4924803B2 - インクジェット記録用水性インク - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録装置に使用するインクジェット記録用水性インクに関する。
静電吸引方式、ドロップオンデマンド方式、サーマルインクジェット方式等の吐出方式により、インクジェット記録用水性インクの微少インク液滴を被記録材に噴射して記録を行うためにインクジェット記録装置が備えているインクジェットヘッドのインク吐出部は、金属部材、特に加工性や熱線膨張係数等を考慮してニッケルもしくは鉄ニッケル合金の薄シートを積層することにより構成されている。ところが、そのような金属部品には、インクジェット記録用水性インクと接触し続けると腐食が発生し、それに伴い金属錆粉がインク中に散り、ノズル目詰まり等の吐出不良を招く場合があった。このため、インクジェット記録用水性インクに、ベンゾトリアゾール系化合物、具体的には1,2,3−ベンゾトリアゾールを防錆剤として添加することが提案されている(特許文献1)。
ところで、インクジェット記録用水性インクに適した着色剤として、フタロシアニン系染料等の2価の金属を構造中に有する着色剤が広く知られており、このような2価の金属を構造中に有する着色剤を使用したインクジェット記録用水性インクに対しても、防錆剤としてベンゾトリアゾール系化合物を添加することが行われている。この場合、金属部材の錆の発生を抑制できるものの、着色剤に含有されている2価の金属とベンゾトリアゾール系化合物との反応によってインク中に析出物を生じさせる場合があった。そこで、インク中に含まれる金属イオン(カルシウム、銅、マグネシウム、鉄等)を一定値以下に管理するために、エチレンジアミンテトラ酢酸等の金属イオン封鎖剤を水性インクに添加することが提案されている(特許文献2)。
特開2002−294109号公報 特開2000−355665号公報
しかしながら、特許文献2に示されているように、金属イオン封鎖剤をインクジェット記録用水性インクに添加すると、着色剤に含有されている2価の金属とベンゾトリアゾール系化合物との反応による析出物の発生を抑制することができるものの、金属イオン封鎖剤がインクジェットヘッドの吐出部を構成する積層構造体層間の接着剤のインク中への溶解を促進させるため、その積層構造体の接合強度が低下するという問題があった。このため、インクジェットヘッドの吐出部が積層構造の金属部材から構成されている場合には、インクジェット記録用水性インクに金属イオン封鎖剤を添加することは避けざるを得ないというのが現状であった。
本発明は、以上の従来の技術の課題を解決しようとするものであり、2価の金属を構造中に有する着色剤を使用するインクジェット記録用水性インクに、金属部材の腐食を防止するためにベンゾトリアゾール系化合物を添加した場合であっても、インクジェットヘッドの吐出部の金属積層構造の強度を低下させるような金属イオン封鎖剤を使用せずとも、着色剤に含有されている2価の金属とベンゾトリアゾール系化合物との反応に由来する析出物の発生が抑制され、防錆効果と吐出安定効果とに優れたインクジェット記録用水性インクを提供することを目的とする。
本発明者は、2価の金属を構造中に有する着色剤とベンゾトリアゾール系化合物とを含有するインクジェット記録用水性インクに、エチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位(繰り返し単位)を含む重合体を含有させることにより、上述の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、2価の金属を構造中に有する着色剤、ベンゾトリアゾール系化合物、及びエチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位を含む重合体を含有することを特徴とするインクジェット記録用水性インクを提供する。
また、本発明は、上述のインクジェット記録用水性インクが充填されたインクカートリッジと、該インクカートリッジと連通しているインク吐出部がニッケル又はニッケルを有する合金からなる金属部品で構成されているインクジェットヘッドとを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、防錆効果と吐出安定効果とを実現するために、エチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位を含む重合体を含有する。このため、インクジェット記録用水性インクが、2価の金属を構造中に有する着色剤とベンゾトリアゾール系化合物とを含有しているにもかかわらず、着色剤中の2価の金属とベンゾトリアゾール系化合物との反応による析出物の発生が防止される。よって、インクジェットヘッドの吐出部に対する防錆効果を保持したまま、吐出不良を大きく抑制することが可能となる。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、2価の金属を構造中に有する着色剤、ベンゾトリアゾール系化合物、及びエチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位を含む重合体を含有することを特徴とする。その他に水、必要に応じ湿潤剤及び浸透剤として水溶性有機溶剤とを含有する。
本発明において、エチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位を含む重合体は、着色剤中の2価の金属とベンゾトリアゾール系化合物との反応に由来する析出物の発生を防止するが、この理由は明確ではないが以下のように考えられる。
まず、エチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位を含む重合体は水性インク中において、多価マイナス電荷を持った高分子イオンとなる。即ち、エチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位を含む重合体の当該カルボキシル基は、マイナスの電荷を帯びたカルボキシラト(多価のマイナス高分子イオン)となり、マイナスの強い電場を作る。よって、プラス電荷を帯びている2価の金属を強く誘引し、それにより2価の金属とベンゾトリアゾール系化合物との化学反応を阻害しているものと考えられる。
ここで、エチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位を含む重合体は、水性インク中において、2価の金属に対してキレート環を形成することはないと考えられる。これは、キレート環を形成するにはエネルギー的に5員環又は6員環構造となることが好ましいにもかかわらず、エチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位を含む重合体の場合には7員環とならざるを得ず、エネルギー的に不利となるからである。また、エチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位を含む重合体のカルボキシル基をナトリウム塩化した化合物が2価の金属をキレートした場合は、親水性であるカルボキシラトが減少し、水溶性が低下し、析出が生じると考えられる。
また、エチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位を含む重合体では、エチレン鎖単位についてカルボキシル基が2つ以上、好ましくは2つである。この理由は、カルボキシル基が1つであると2価の金属を誘引するには電気的な力が不足し、また、2価の金属を誘引した場合に、フリーの親水性カルボキシラトが少なくなるため、重合体自体の水溶性が低下する傾向があるからである。また、エチレンジアミンテトラ酢酸のような低分子カルボキシル基含有化合物ではなく重合体を使用する理由は、インクジェットヘッドの吐出部の積層構造の接合力を低下させないからである。
エチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位を含む重合体は、2価の金属とベンゾトリアゾール系化合物との反応に由来する析出物の発生の抑制の観点から、重合体を構成する重合単位の少なくとも75%以上がエチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位であることことが好ましく、すべての重合単位がエチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位であることが好ましい。
エチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位(繰り返し単位)となる化合物(モノマー)としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、それらのナトリウム塩等を挙げることができる。また、これらを2つ以上を併用した共重合体であってもよい。中でも、マイナスの電荷が局在化してマイナスの電荷が強い点からイタコン酸もしくはイタコン酸ナトリウムを好ましく使用できる。従って、エチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位を含む好ましい重合体としては、ポリイタコン酸、ポリイタコン酸ナトリウムが挙げられる。なお、エチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位となる化合物に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、アクリル酸、メタクリル酸等の他のモノマーを併用することができる。
エチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位を含む重合体の分子量は、小さすぎると含有量を増加させる必要があるためインクの吐出に影響し、大きすぎるとインク粘度が高くなる傾向があるので、重量平均分子量で好ましくは5000〜15000、より好ましくは6000〜9000である。
エチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位を含む重合体のインクジェット記録用水性インク中での含有量は、少なすぎると析出防止効果が期待できず、多すぎるとインクジェット記録用水性インクの粘度が上昇してインクの吐出安定性が低下するおそれがあるので、インクジェット記録用水性インク全量に対して、好ましくは0.05〜5.0重量%、より好ましくは0.1〜4.0重量%である。
本発明のインクジェット記録用水性インクの必須構成成分である、2価の金属を構造中に有する着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料等の2価の金属を構造中に含む染料;分散剤使用型顔料、自己分散型顔料等の2価の金属を構造中に含む顔料;を使用できる。いずれの場合も、着色剤の含有量は、少なすぎると所期の印字濃度が得られず、高すぎると水性インクが乾燥した場合に析出を生じノズル目詰まりを起こす可能性があるので、インクジェット記録用水性インク全量に対して、好ましくは0.2〜10.0重量%、より好ましくは0.3〜5.0重量%である。
2価の金属を構造中に有する着色剤における2価の金属としては、銅、ニッケル、クロム等を挙げることができる。
2価の金属を構造中に有する着色剤の例としては、金属フタロシアニン系染料、モノアゾ錯体系染料等の錯体系染料が挙げられる。中でも銅錯体染料、特に銅フタロシアニン系染料を好ましく挙げることができる。
このような銅フタロシアニン系染料の好ましい具体例としては、以下の化学式(1)〜化学式(5)で表される化合物が挙げられる。なお、化学式(1)〜化学式(5)において、Pc(Cu)は一般式(1)で表される銅フタロシアニン核を表す。また、R、R、R及びRの少なくとも1つ以上は、一般式(1)で表される銅フタロシアニン核中の4つのベンゼン環A、B、C及びDのそれぞれに存在する。
Figure 0004924803
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本発明のインクジェット記録用水性インクは水を含有するが、その水としては、一般の水道水ではなく、イオン交換水、蒸留水等の純度の高いものを使用することが好ましい。水の含有量は、インクジェット記録用水性インク全量に対して、通常10.0〜98.0重量%、好ましくは30.0〜95.0重量%である。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、更に水溶性有機溶媒を含有することができる。水溶性有機溶剤は、主としてインクジェットヘッドの先端部におけるインクの乾燥防止効果を有する湿潤剤と、紙面上での乾燥速度を速くする浸透剤とに分類される。
湿潤剤としては特に限定されず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコール;グリセリン;2−ピロリドン;N−メチル−2−ピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン;等を挙げることができる。なかでも、アルキレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが好適である。
湿潤剤のインクジェット記録用水性インクにおける含有量は、本発明のインクジェット記録用水性インク全量に対して、一般には0〜95重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは10〜50重量%である。
浸透剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールプロピルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールプロピルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル等のグリコール系エーテルを挙げることができる。
浸透剤の本発明のインクジェット記録用水性インクにおける含有量は、一般には本発明のインクジェット記録用水性インク全量に対して0〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。含有量が過剰であると、インクの記録紙等への浸透性が高くなりすぎて滲みの原因となってしまうことがある。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、更に必要に応じて、従来公知の各種界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、pH調整剤、防腐剤、防カビ剤等を必要に応じて添加することができる。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、2価の金属を構造中に有する着色剤、ベンゾトリアゾール系化合物、及びエチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位を含む重合体及び水と、必要に応じて添加される各種添加剤とを、常法にしたがって均一に混合することにより調製することができる。
このような本発明のインクジェット記録用水性インクを公知のインクカートリッジに充填し、そのインクカートリッジを、それと連通しているインク吐出部を有する公知のインクジェットヘッドを備えている公知構成のインクジェット記録装置に着脱自在に装着することができる。このように構成されたインクジェット記録装置においては、インク吐出部が金属部材、特にニッケル又はニッケルを有する合金から構成されている場合でも、錆の発生が抑制され、また、2価の金属を構造中に有する着色剤とベンゾトリアゾール系化合物とを含有しているにもかかわらず、着色剤中の2価の金属とベンゾトリアゾール系化合物との反応による析出物の発生が防止されている。よって、吐出安定性に優れたものとなる。
本発明のインクジェット記録装置本体の概略構成を示す斜視図を図1に示す。
このインクジェット記録装置1は、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のカラーインクがそれぞれ充填されるインクカートリッジ2と、記録紙等の記録媒体Pに印字するためのインクジェットヘッド3を備えるヘッドユニット4と、インクカートリッジ2及びヘッドユニット4が搭載されるキャリッジ5と、このキャリッジ5を直線方向に往復移動させる駆動ユニット6と、キャリッジ5の往復移動方向に延び、インクジェットヘッド3と対向して配置されるプラテンローラ7と、パージ装置8とを備えている。
ヘッドユニット4の載置部4a上には、載置部4aの両側に形成された一対のサイドカバー4bとの間に、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク及びブラックインクが充填された4つのインクカートリッジ2が装着される。
駆動ユニット6は、キャリッジ5の下端部に配置されプラテンローラ7と平行に延びるキャリッジ軸9と、キャリッジ5の上端部に配置されキャリッジ軸9に平行に延びるガイド板10と、そのキャリッジ軸9とガイド板10との間であって、キャリッジ軸9の両端部に配置される2つのプーリ11及び12と、これらのプーリ11及び12の間に掛け渡されるエンドレスベルト13とからなる。
そして、一方のプーリ11が、キャリッジモータ(CRモータ)101の駆動により正逆回転されると、そのプーリ11の正逆回転に伴って、エンドレスベルト13に接合されているキャリッジ5が、キャリッジ軸9及びガイド板10に沿って、直線方向に往復移動される。
記録媒体Pは、インクジェット記録装置1の側方あるいは下方に設けられた給紙カセット(図示せず)から給紙され、インクジェットヘッド3と、プラテンローラ7との間に導入されて、インクジェットヘッド3から吐出されるインクにより所定の印字がなされ、その後、排紙される。なお、図1においては、記録媒体Pの給紙機構及び排紙機構の図示を省略している。
パージ装置8は、プラテンローラ7の側方に設けられ、ヘッドユニット4がリセット位置にある時に、インクジェットヘッド3に対向するように配置されている。このパージ装置8は、インクジェットヘッド3の複数のノズル(図示せず)を覆うように当該ノズルの開口面に対し当接するパージキャップ14と、ポンプ15及びカム16と、インク貯留部17とを備えており、ヘッドユニット4が、リセット位置にある時に、インクジェットヘッド3のノズルをパージキャップ14で覆い、インクジェットヘッド3の内部に溜まる気泡等を含んだ不良インクを、カム16の駆動によりポンプ15によって吸引することにより、インクジェットヘッド3の回復を図るようにしている。なお、吸引された不良インクは、インク貯留部17に貯められる。
パージ装置8におけるプラテンローラ7側の位置には、パージ装置8に隣接してワイパ部材20が配設されている。このワイパ部材20は、へら状に形成されており、キャリッジ5の移動に伴って、インクジェットヘッド3のノズル形成面を拭うものである。キャップ18は、インクの乾燥を防止するため、印字が終了するとリセット位置に戻されるインクジェットヘッド3の複数のノズルを覆うものである。
以下、本発明を具体化したインクジェット記録用水性インクの実施例を説明する。
<実施例1〜12、比較例1〜6>
(a)インクジェット記録用水性インクの調製
表1のインク組成の成分を混合攪拌後、孔径0.2μm(ただし、実施例12のインクジェット記録用水性インクについては孔径1.0μm)の親水性PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)タイプメンブランフィルタ(東洋濾紙(株)製)で濾過することにより、2価金属とベンゾトリアゾール系化合物との反応に由来する析出物の発生を防止する添加剤である、エチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位を含む重合体を含有する実施例1〜12のインクジェット記録用水性インクと、そのような重合体を含有していない比較例1〜6のインクジェット記録用水性インクとを得た。
なお、実施例及び比較例で使用した染料(1)〜染料(5)は、それぞれ前出の化学式(1)〜化学式(5)の化合物に該当する。
(b)吐出評価試験
得られたインクジェット記録用水性インクを、所望のインクカートリッジに充填したのち、インクジェットプリンタ搭載デジタル複合機(ブラザー工業(株)製;DCP−110)に装着して、300枚の連続印字試験後の抜けや吐出曲がりのピン数の測定を行なった。試験結果を下記基準に従って評価し、得られた結果を表1に示す。ここで、実用上は、評価が◎又は○であることが必要である。
吐出評価基準
◎…抜け、吐出曲がりのピンがない
○…抜け、吐出曲がりのピン数が1〜5本以内
△…抜け、吐出曲がりのピン数が6〜10本以内
×…抜け、吐出曲がりのピン数が11本以上
(c)濾過評価試験
得られたインクジェット記録用水性インク120gを、密閉した状態で60℃2週間の加速試験を行ったのち、直径47mm、孔径0.2μm(ただし、実施例12のインクジェット記録用水性インクについては孔径1.0μm)の親水性PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)タイプメンブランフィルタ(東洋濾紙(株)製)で水性インクを減圧濾過し、メンブランフィルタを通過したインクの重量を測定し、下記基準に従って評価し、得られた結果を表1に示す。ここで、実用上は、評価が◎もしくは○であることが必要である。
濾過評価基準
◎…メンブランフィルタを通過した水性インク量が100g以上
○…メンブランフィルタを通過した水性インク量が80g以上100g未満
△…メンブランフィルタを通過した水性インク量が50g以上80g未満
×…メンブランフィルタを通過した水性インク量が50g未満
(d)アノード分極測定
電気化学測定システム(北斗電工(株)製;HZ−3000)において、表2に示した電極を使用した図2に示した構成によりアノード分極測定を行った。なお、表2における鉄−ニッケル合金とは、42%ニッケルを含有するニッケル−鉄合金、いわゆる42合金である。
以下にアノード分極測定の具体的な測定方法を示す。
(1)インクジェット記録用水性インク40をビーカー41に入れ、このビーカー41を60℃に設定した恒温水槽39中に30〜60分間浸してインクジェット記録用水性インク40の温度を60℃とした。
(2)作用極33に用いる金属片を60℃のアルカリ洗浄液(奥野製薬工業(株)製;エースクリーン850)に5分間浸漬した後、純水で洗浄した。
(3)装置本体31と電気的に接続した作用極33に用いる金属片及び対極34に用いる白金板を、ビーカー41に入れたインクジェット記録用水性インク40に浸漬した。
(4)装置本体31と電気的に接続した参照電極32に用いる銀−塩化銀板を、塩化カリウム塩橋35によりビーカー41に入れたインクジェット記録用水性インク40と接続された参照電極槽36に入れた飽和塩化カリウム溶液37に浸漬した。
(5)−600〜+300mVの電位範囲において電位を連続的に変化させて電流密度を測定した。
測定結果を下記の基準に従って評価した。得られた結果を表1に示す。ここで、実用上は、評価が○であることが必要である。
アノード分極評価基準
○…−600〜+300mVの電位範囲においての電流密度100μA/cm以下
×…−600〜+300mVの電位範囲においての電流密度100μA/cmより大きい












































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表1からわかるように、実施例1〜12のインクジェット記録用水性インクは、比較例1〜6のインクに比べ、吐出評価試験結果が良好(抜けや吐出曲がりが少ない)であり、濾過評価試験結果が良好(メンブランフィルターを通過した水性インク量が多い)であり、アノード分極評価結果が良好(−600〜+300mVの電位範囲において電位を連続的に変化させた場合の電流密度が低い)であった。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、2価の金属とベンゾトリアゾール系化合物とが反応して生じる析出物の発生を防止するために、エチレン鎖単位に2つ以上のカルボキシル基を有する重合単位(繰り返し単位)を含む重合体を含有する。従って、本発明のインクジェット記録用水性インクは、2価の金属を構造中に有する着色剤とベンゾトリアゾール系化合物を含むインクであっても、インク吐出部の金属腐食を防止しつつ、吐出不良も防止することができる。よって、インクジェット記録装置に適したインクに有利に使用できる。
インクジェット記録装置本体の概略斜視図である。 アノード分極測定の概略図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 インクカートリッジ
3 インクジェットヘッド
4 ヘッドユニット
5 キャリッジ
6 駆動ユニット
7 プラテンローラ
8 パージ装置
9 キャリッジ軸
10 ガイド板



Claims (2)

  1. 銅フタロシアニン系染料、ベンゾトリアゾール系化合物、及びポリイタコン酸塩を含有するインクジェット記録用水性インクであって、ポリイタコン酸塩の含有量がインクジェット記録用水性インク全量に対し0.05〜5.0重量%であることを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
  2. 請求項1記載のインクジェット記録用水性インクが充填されたインクカートリッジと、該インクカートリッジと連通しているインク吐出部がニッケル又はニッケルを有する合金からなる金属部材で構成されているインクジェットヘッドとを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
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