JP2007045044A - インクジェット記録用キャストコート紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インク吸収性、発色性に優れ、かつ断裁時の適性にも優れたインクジェット記録用キャストコート紙を提供する。
【解決手段】 基紙の少なくとも一方の面に、アンダーコート層とキャストコート層とをこの順に有し、キャストコート層は顔料としてシリカ又はアルミナの少なくとも1種を含み、かつ結着剤としてポリビニルアルコールを含み、アンダーコート層は、顔料として吸油量150ml/100g以上の微粒子を含み、かつ結着剤として少なくともエチレン・酢酸ビニル共重合体とポリビニルアルコールとを、(エチレン・酢酸ビニル共重合体/ポリビニルアルコール)で表される比が65/35〜95/5の範囲で含有し、基紙上におけるアンダーコート層表面のダイナミック硬度が0.5〜3である。
【選択図】 なし
【解決手段】 基紙の少なくとも一方の面に、アンダーコート層とキャストコート層とをこの順に有し、キャストコート層は顔料としてシリカ又はアルミナの少なくとも1種を含み、かつ結着剤としてポリビニルアルコールを含み、アンダーコート層は、顔料として吸油量150ml/100g以上の微粒子を含み、かつ結着剤として少なくともエチレン・酢酸ビニル共重合体とポリビニルアルコールとを、(エチレン・酢酸ビニル共重合体/ポリビニルアルコール)で表される比が65/35〜95/5の範囲で含有し、基紙上におけるアンダーコート層表面のダイナミック硬度が0.5〜3である。
【選択図】 なし
Description
本発明はインクジェット記録用キャストコート紙に関し、好ましくは葉書等の平版に断裁されるインクジェット記録用キャストコート紙に関する。
インクジェット記録方法は、ノズルから記録媒体に向けてインクの微少液滴を種々の方法によって高速で吐出させ、紙などの記録媒体上に画像や文字を形成させる記録方式であり、騒音が小さく、フルカラー化及び高速記録が容易である等の特徴を有する。また、インクジェット記録装置は低価格であるため、各種プリンター、プロッターとしてめざましい普及を遂げている。又、近年、インク滴の微少化やインクの改良が大幅に進んだ結果、インクジェット記録画像の高画質化がさらに進んで銀塩写真に迫るレベルの画像が得られており、デジタルカメラ等で撮影した画像を、直接インクジェットプリンターで印刷するユーザーも増加している。
特に、フォトタイプと呼ばれる高画質のインクジェットプリンターの場合、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの4色のインクに加え、ライトシアン、ライトマゼンダ等の淡色インクを用いるため、多量のインクが記録媒体上に吐出される。このため、記録媒体には、速やかに多量のインクを吸収することが求められる。そして、一般にインクジェット記録用キャストコート紙には、インク吸収やインク滲みを考慮して、シリカ等の多孔質顔料と結着剤となる樹脂を含むインク受容層が設けられる。
特に、フォトタイプと呼ばれる高画質のインクジェットプリンターの場合、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの4色のインクに加え、ライトシアン、ライトマゼンダ等の淡色インクを用いるため、多量のインクが記録媒体上に吐出される。このため、記録媒体には、速やかに多量のインクを吸収することが求められる。そして、一般にインクジェット記録用キャストコート紙には、インク吸収やインク滲みを考慮して、シリカ等の多孔質顔料と結着剤となる樹脂を含むインク受容層が設けられる。
また、銀塩写真に近い画像レベルが得られるようになると、インクジェット記録用紙には写真調の光沢感が要求されるようになってくる。そこで、インクジェット記録用紙に光沢を付与する方法として、インク受容層表面を平滑化して光沢を付与するスーパーカレンダー法、及び以下のキャストコート法がある。
キャストコート法は、顔料と結着剤とを主成分とする塗工液を基紙上に塗工してインク受理層となる塗工層を設け、湿潤し可塑状態の塗工層をキャストドラム(鏡面仕上げの面)に押し当て、光沢仕上げする方法である(例えば特許文献1、2参照)。
キャストコート法は一般的に(1)塗工層が湿潤状態にある間に鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦(半)乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するリウェットキャスト法(再湿潤法)、(3)湿潤状態の塗工層を凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、の3種類に分けることができる。
これらは、何れも鏡面状のドラム表面を写し取ることによって、高光沢の塗工層表面を得るという点で共通している。
キャストコート法は一般的に(1)塗工層が湿潤状態にある間に鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦(半)乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するリウェットキャスト法(再湿潤法)、(3)湿潤状態の塗工層を凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、の3種類に分けることができる。
これらは、何れも鏡面状のドラム表面を写し取ることによって、高光沢の塗工層表面を得るという点で共通している。
一方、充分なインク吸収性を確保するため、インク受容層の乾燥塗工量を多くすることが一般的であるが、上記したキャストコート法の場合、塗工層の乾燥効率が悪いため、塗工量を多く設定することが難しい。そこで、インク受理層(キャストコート層)の下層にインク吸収性の高いアンダー層を形成し、キャストコート層単独では不充分なインク吸収性を補うことが検討されている(例えば特許文献3参照)。
ところで、このような多層構造のキャストコート紙の場合、アンダー層の強度が弱いと、最終製品の記録層強度も弱くなり、ギロチン断裁時に紙粉量が多くなるという問題がある。そこで、断裁時の紙粉発生を抑制し、断裁切口の状態を良好にするため、アンダー層の結着剤としてエチレン酢酸ビニルとポリビニルアルコールを含有するインクジェット記録用キャストコート紙が開示されている(例えば特許文献4参照)。
しかしながら、上記した特許文献4記載の技術の場合、多層構造のインクジェット記録用キャストコート紙をギロチン断裁する際、紙粉量を抑制する点で不充分である。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、インク吸収性、発色性に優れ、かつ断裁時の適性にも優れたインクジェット記録用キャストコート紙の提供を目的とする。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、インク吸収性、発色性に優れ、かつ断裁時の適性にも優れたインクジェット記録用キャストコート紙の提供を目的とする。
本発明者らは種々検討した結果、アンダーコート層中の結着剤である、(エチレン・酢酸ビニル共重合体/ポリビニルアルコール)の比を規定することにより、アンダーコート層の硬度を低減させ、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記の目的を達成するために、本発明のインクジェット記録用キャストコート紙は、基紙の少なくとも一方の面に、アンダーコート層とキャストコート層とをこの順に有し、前記キャストコート層は顔料としてシリカ又はアルミナの少なくとも1種を含み、かつ結着剤としてポリビニルアルコールを含み、前記アンダーコート層は、顔料として吸油量150ml/100g以上の微粒子を含み、かつ結着剤として少なくともエチレン・酢酸ビニル共重合体とポリビニルアルコールとを、(エチレン・酢酸ビニル共重合体/ポリビニルアルコール)で表される比が65/35〜95/5の範囲で含有し、前記基紙上における前記アンダーコート層表面のダイナミック硬度が0.5〜3である。
すなわち、上記の目的を達成するために、本発明のインクジェット記録用キャストコート紙は、基紙の少なくとも一方の面に、アンダーコート層とキャストコート層とをこの順に有し、前記キャストコート層は顔料としてシリカ又はアルミナの少なくとも1種を含み、かつ結着剤としてポリビニルアルコールを含み、前記アンダーコート層は、顔料として吸油量150ml/100g以上の微粒子を含み、かつ結着剤として少なくともエチレン・酢酸ビニル共重合体とポリビニルアルコールとを、(エチレン・酢酸ビニル共重合体/ポリビニルアルコール)で表される比が65/35〜95/5の範囲で含有し、前記基紙上における前記アンダーコート層表面のダイナミック硬度が0.5〜3である。
前記アンダーコート層の結着剤において、該結着剤全体に対するエチレン・酢酸ビニル共重合体の割合が65質量%以上95質量%未満であることが好ましい。
本発明によれば、インク吸収性、発色性に優れ、かつ断裁時の適性にも優れたインクジェット記録用キャストコート紙が得られる。
以下、本発明の実施形態に係るインクジェット記録用キャストコート紙について説明する。本発明の実施形態に係るインクジェット記録用キャストコート紙は、基紙の少なくとも片面に、以下のアンダーコート層とキャストコート層とをこの順に設けたものである。
<基紙>
基紙としては、木材パルプ、填料及び助剤等から構成される紙を例示することができる。木材パルプとしては、公知の化学パルプ、機械パルプ、又は脱墨パルプ等を用いることができる。これらのパルプは、必要に応じて単独使用し又は併用することができる。上記基紙には、填料やサイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、pH調整剤、及び各種染料等、公知の填料及び助剤から適宜選択されたものを内添あるいは外添することができる。
基紙としては、木材パルプ、填料及び助剤等から構成される紙を例示することができる。木材パルプとしては、公知の化学パルプ、機械パルプ、又は脱墨パルプ等を用いることができる。これらのパルプは、必要に応じて単独使用し又は併用することができる。上記基紙には、填料やサイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、pH調整剤、及び各種染料等、公知の填料及び助剤から適宜選択されたものを内添あるいは外添することができる。
<アンダーコート層>
アンダーコート層は、上記基紙の片面又は両面に設けられ、以下の顔料及び結着剤を含有する。
アンダーコート層は、上記基紙の片面又は両面に設けられ、以下の顔料及び結着剤を含有する。
<アンダーコート層用顔料>
アンダーコート層に用いる顔料は、吸油量150ml/100g以上の微粒子であればいずれのものを使用することができる。この顔料としては、例えば、合成シリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸カルシウム、又は水酸化アルミニウム等の無機顔料の他、プラスチックピグメント、尿素樹脂等の有機顔料等を挙げることができ、これらを1種単独又は2種以上混合して用いることができる。特に、発色性が向上するため、合成非晶質シリカを用いることが好ましい。又、インク吸収性を損なわない範囲で、吸油量150ml/100g以上の微粒子と、吸油量150ml/100g未満の微粒子とを混合して顔料とすることも可能であるが、混合した顔料全体としての吸油量が150ml/100g以上である必要がある。
アンダーコート層に用いる顔料は、吸油量150ml/100g以上の微粒子であればいずれのものを使用することができる。この顔料としては、例えば、合成シリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸カルシウム、又は水酸化アルミニウム等の無機顔料の他、プラスチックピグメント、尿素樹脂等の有機顔料等を挙げることができ、これらを1種単独又は2種以上混合して用いることができる。特に、発色性が向上するため、合成非晶質シリカを用いることが好ましい。又、インク吸収性を損なわない範囲で、吸油量150ml/100g以上の微粒子と、吸油量150ml/100g未満の微粒子とを混合して顔料とすることも可能であるが、混合した顔料全体としての吸油量が150ml/100g以上である必要がある。
顔料の吸油量はインクジェット記録用紙のインク吸収性に影響を与えるため、吸油量が150ml/100g以下であると、インクジェット記録用紙のインク吸収性が低下し、滲み等の問題が発生する。なお、吸油量はJIS K5101−13−1:2004に規定された方法で測定する。
<アンダーコート層用結着剤>
アンダーコート層に用いる結着剤は、少なくともエチレン・酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」という)と、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」という)とを含有する。
アンダーコート層に用いる結着剤は、少なくともエチレン・酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」という)と、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」という)とを含有する。
1.EVA
上記EVAは、乳化剤としてPVAを存在させた水系でエチレンと酢酸ビニルを共重合させたエマルジョンとして得ることができる。このエマルジョンを重合させる際の重合開始剤は、エチレン及び酢酸ビニルに主に作用するが、反応条件や乳化剤であるPVAの量を変えることにより、PVA鎖からエチレン・酢酸ビニル共重合体が枝分かれして成長して成るポリビニルアルコール・エチレン・酢酸ビニルグラフト共重合分子が生成する場合がある。
EVAとして、上記したグラフト共重合分子が多く含まれるものを用いると、アンダー層の強度やインク吸収性が良好となる。又、EVAのガラス転移温度は0℃以下であることが好ましい。
上記EVAは、乳化剤としてPVAを存在させた水系でエチレンと酢酸ビニルを共重合させたエマルジョンとして得ることができる。このエマルジョンを重合させる際の重合開始剤は、エチレン及び酢酸ビニルに主に作用するが、反応条件や乳化剤であるPVAの量を変えることにより、PVA鎖からエチレン・酢酸ビニル共重合体が枝分かれして成長して成るポリビニルアルコール・エチレン・酢酸ビニルグラフト共重合分子が生成する場合がある。
EVAとして、上記したグラフト共重合分子が多く含まれるものを用いると、アンダー層の強度やインク吸収性が良好となる。又、EVAのガラス転移温度は0℃以下であることが好ましい。
結着剤中のエチレン・酢酸ビニル共重合体は、アンダーコート層に適度な柔らかさを付与する。このため、アンダーコート層の結着剤全体に対するエチレン・酢酸ビニル共重合体の割合は65質量%以上であることが好ましく、更に好ましくは68質量%以上である。但し、エチレン・酢酸ビニル共重合体の配合割合が多いと断裁時の切り口が不良になる傾向にあるため、その割合は90質量%未満であることが好ましく、80質量%以下であることが更に好ましい。
2.PVA
結着剤中のPVAは、アンダーコート層に適度な硬さを付与し、塗工液のハンドリングという観点からは完全鹸化PVAを用いることが好ましい。PVAとしては、通常公知のものを使用することができる。アンダーコート層の結着剤全体に対するPVAの割合は10質量%以上であることが好ましいが、配合割合が多すぎると、塗膜が硬くもろくなり、紙粉が増大する傾向にあるため、その割合は35質量%以下であることが好ましい。
結着剤中のPVAは、アンダーコート層に適度な硬さを付与し、塗工液のハンドリングという観点からは完全鹸化PVAを用いることが好ましい。PVAとしては、通常公知のものを使用することができる。アンダーコート層の結着剤全体に対するPVAの割合は10質量%以上であることが好ましいが、配合割合が多すぎると、塗膜が硬くもろくなり、紙粉が増大する傾向にあるため、その割合は35質量%以下であることが好ましい。
3.EVAとPVAによる作用
得られたインクジェット記録用キャストコート紙を、断裁(カッター断裁、ギロチン断裁等)する際、紙粉が発生するが、この紙粉は塗工層の欠落によるものである。PVAはそれ自体が非常に硬いため、アンダーコート層にPVAを配合すると、層の硬度が高くなる。しかし、過度にPVAを配合するとアンダーコート層が硬くなりすぎ、同時に靭性もなくなって層が脆くなるため、断裁時の紙粉量が増大すると考えられる。また、アンダーコート層にPVAのみを配合したキャストコート紙を500枚以上重ねた状態でギロチン断裁すると、ギロチン断裁機の刃がずれ、断裁切り口に毛羽立ちが目立つようになる。そこで、EVAをPVAと共に配合することにより、アンダーコート層に適度な柔軟性が付与されるため、ギロチン断裁時の断裁切り口が良好になる。
ただし、EVAのみを多く配合し過ぎると、アンダーコート層が柔らかすぎて、断裁時に捲れが発生し、毛羽立ちが目立つようになる。そこで、本発明においては、(EVA/PVA)で表される比を65/35〜95/5とすることにより、アンダーコート層に柔軟性と靭性を付与することができ、ギロチン断裁時の断裁切り口が良好になる。一方、EVA/PVAの比が65/35未満であると、PVAの配合割合が多くなり過ぎて層が硬くなり、上記した問題が生じる。又、EVA/PVAの比が95/5を超えると、EVAの配合割合が多くなり過ぎて層が柔らかくなり、上記した問題が生じる。
得られたインクジェット記録用キャストコート紙を、断裁(カッター断裁、ギロチン断裁等)する際、紙粉が発生するが、この紙粉は塗工層の欠落によるものである。PVAはそれ自体が非常に硬いため、アンダーコート層にPVAを配合すると、層の硬度が高くなる。しかし、過度にPVAを配合するとアンダーコート層が硬くなりすぎ、同時に靭性もなくなって層が脆くなるため、断裁時の紙粉量が増大すると考えられる。また、アンダーコート層にPVAのみを配合したキャストコート紙を500枚以上重ねた状態でギロチン断裁すると、ギロチン断裁機の刃がずれ、断裁切り口に毛羽立ちが目立つようになる。そこで、EVAをPVAと共に配合することにより、アンダーコート層に適度な柔軟性が付与されるため、ギロチン断裁時の断裁切り口が良好になる。
ただし、EVAのみを多く配合し過ぎると、アンダーコート層が柔らかすぎて、断裁時に捲れが発生し、毛羽立ちが目立つようになる。そこで、本発明においては、(EVA/PVA)で表される比を65/35〜95/5とすることにより、アンダーコート層に柔軟性と靭性を付与することができ、ギロチン断裁時の断裁切り口が良好になる。一方、EVA/PVAの比が65/35未満であると、PVAの配合割合が多くなり過ぎて層が硬くなり、上記した問題が生じる。又、EVA/PVAの比が95/5を超えると、EVAの配合割合が多くなり過ぎて層が柔らかくなり、上記した問題が生じる。
4.その他の結着剤
アンダーコート層に用いられる結着剤として、上記EVA及びPVAに加えて、酸化デンプンやエステル化デンプン等のデンプン類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の蛋白質類;ポリビニルピロリドン及びそれらの誘導体等;アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン−ブタジエンラテックス、及びそれらの誘導体等の公知の結着剤の中から適宜混合して用いることもできる。EVA及びPVA以外のこれらの結着剤は、上記したものを単独で又は混合して使用できるが、アンダーコート層中の結着剤全体に対して15質量%以下の割合であることが好ましい。
アンダーコート層に用いられる結着剤として、上記EVA及びPVAに加えて、酸化デンプンやエステル化デンプン等のデンプン類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の蛋白質類;ポリビニルピロリドン及びそれらの誘導体等;アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン−ブタジエンラテックス、及びそれらの誘導体等の公知の結着剤の中から適宜混合して用いることもできる。EVA及びPVA以外のこれらの結着剤は、上記したものを単独で又は混合して使用できるが、アンダーコート層中の結着剤全体に対して15質量%以下の割合であることが好ましい。
<アンダーコート層の顔料と結着剤の割合>
アンダーコート層における顔料と結着剤の配合割合は、顔料100質量部に対して結着剤15〜60質量部であることが好ましく、特に顔料100質量部に対して結着剤が20〜50質量部であることが好ましい。結着剤の割合が15質量部未満であると、塗工層の形成が困難となることがあり、60質量部を超えると、アンダーコート層のインク吸収容量が低下することがある。
アンダーコート層における顔料と結着剤の配合割合は、顔料100質量部に対して結着剤15〜60質量部であることが好ましく、特に顔料100質量部に対して結着剤が20〜50質量部であることが好ましい。結着剤の割合が15質量部未満であると、塗工層の形成が困難となることがあり、60質量部を超えると、アンダーコート層のインク吸収容量が低下することがある。
<アンダーコート層の塗工>
アンダーコート層の塗工量は、最終製品であるキャストコート紙の使用目的に応じて変更することが可能であるが、塗工設備(特に乾燥能力)等を考慮すると、4〜20g/m2であるのが好ましい。
アンダーコート層には、必要に応じて、顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、可塑剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及びカチオン性高分子電解質等の公知の助剤を適宜配合することができる。アンダーコート層の強度を保持する点で、これらの助剤の配合割合は、アンダーコート層全体に対して20質量%以下であることが好ましい。
基紙上にアンダーコート層を設ける方法としては、各種ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、カーテンコーター、キスコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、及びグラビアコーター等公知の塗工装置を用いることができる。なお、アンダーコート層は1層であっても多層であってもよい。
アンダーコート層の塗工量は、最終製品であるキャストコート紙の使用目的に応じて変更することが可能であるが、塗工設備(特に乾燥能力)等を考慮すると、4〜20g/m2であるのが好ましい。
アンダーコート層には、必要に応じて、顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、可塑剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及びカチオン性高分子電解質等の公知の助剤を適宜配合することができる。アンダーコート層の強度を保持する点で、これらの助剤の配合割合は、アンダーコート層全体に対して20質量%以下であることが好ましい。
基紙上にアンダーコート層を設ける方法としては、各種ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、カーテンコーター、キスコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、及びグラビアコーター等公知の塗工装置を用いることができる。なお、アンダーコート層は1層であっても多層であってもよい。
<アンダーコート層のダイナミック硬度>
本発明において、基紙上におけるアンダーコート層表面のダイナミック硬度が0.5〜3であることが必要である。アンダーコート層表面の硬度が高い程、層表面の強度が高くなる。そして、上記ダイナミック硬度が3を超えると、層表面の強度が高くなり過ぎ、層が脆くなって断裁時の紙粉が増大する。一方、上記ダイナミック硬度が0.5未満であると、断裁時の紙粉は低減するものの、層が柔軟になり過ぎて断面の切り口が不良となる。
従って、上記ダイナミック硬度を0.5〜3とすることで、断裁時の紙粉を低減し、断裁面の切り口を非常に良好にすることが可能となる。
ダイナミック硬度は、三角錐圧子を試料に押しつけ、そのときの加重と圧子の入り込んだ深さから求められるものであり、表面の狭い領域の硬度を測定できるため、塗膜の靱性の測定に非常に適すると考えられる。
ダイナミック硬度の測定は、ダイナミック超微小硬度計(DUH-201、島津製作所製)を用いて行い、頂点角115°の三角錐ダイヤモンド圧子を用い、圧子押し込み深さ設定試験にて行う。なお、測定試料は、23℃、55%RHの条件で2時間以上調湿し、その後、調湿と同じ環境下で測定を行う。
本発明において、基紙上におけるアンダーコート層表面のダイナミック硬度が0.5〜3であることが必要である。アンダーコート層表面の硬度が高い程、層表面の強度が高くなる。そして、上記ダイナミック硬度が3を超えると、層表面の強度が高くなり過ぎ、層が脆くなって断裁時の紙粉が増大する。一方、上記ダイナミック硬度が0.5未満であると、断裁時の紙粉は低減するものの、層が柔軟になり過ぎて断面の切り口が不良となる。
従って、上記ダイナミック硬度を0.5〜3とすることで、断裁時の紙粉を低減し、断裁面の切り口を非常に良好にすることが可能となる。
ダイナミック硬度は、三角錐圧子を試料に押しつけ、そのときの加重と圧子の入り込んだ深さから求められるものであり、表面の狭い領域の硬度を測定できるため、塗膜の靱性の測定に非常に適すると考えられる。
ダイナミック硬度の測定は、ダイナミック超微小硬度計(DUH-201、島津製作所製)を用いて行い、頂点角115°の三角錐ダイヤモンド圧子を用い、圧子押し込み深さ設定試験にて行う。なお、測定試料は、23℃、55%RHの条件で2時間以上調湿し、その後、調湿と同じ環境下で測定を行う。
アンダーコート層のダイナミック硬度の調整は、上記した(EVA/PVA)の比を調整する他、EVAのガラス転移温度を変更することによって調整することができる。例えば、ガラス基板上にPVAのみを製膜した膜のダイナミック硬度は、通常、およそ30〜40である。また、ガラス転移温度が−4℃のEVAのみをガラス基板上に製膜した膜のダイナミック硬度は0.2〜0.4である。従って、PVAとEVAを混合してガラス基板上に製膜した膜の硬さは、その配合割合に応じて上記硬度範囲内(0.2〜40程度)で調整可能であり、PVAの含有量が多いほど、又、EVAのガラス転移温度が高いほど、ダイナミック硬度は大きくなる。又、EVAのガラス転移温度は0℃以下であることが好ましい。
<キャストコート層>
キャストコート層は顔料としてシリカ又はアルミナの少なくとも1種を含み、かつ結着剤としてポリビニルアルコールを含む。
キャストコート層は顔料としてシリカ又はアルミナの少なくとも1種を含み、かつ結着剤としてポリビニルアルコールを含む。
1.顔料
シリカ顔料としては、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ等を用いることができる。アルミナ顔料としては、アルミナ、水和アルミナ(擬ベーマイト、アルミナゾル等)を用いることができる。これらのうち、特に、合成非晶質シリカやアルミナ等の多孔性顔料は、他の顔料と比べてインク吸収性に優れたポーラスな層を形成するだけでなく、塗工層中で比較的透明となり、インクジェット記録時のインク発色性が向上するため、好ましく用いられる。
キャストコート層の顔料として、上記シリカ及び/又はアルミナに加え、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、カオリン、焼成カオリン、タルク、二酸化チタン、酸化亜鉛、及び各種プラスチック顔料等公知の各種顔料等を1種又は2種以上混合して用いることができる。但し、シリカ及び/又はアルミナ以外のこれらの顔料は、キャストコート層中の顔料全体に対して20質量%以下の割合で配合すると、発色性が低下しないので好ましい。
シリカ顔料としては、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ等を用いることができる。アルミナ顔料としては、アルミナ、水和アルミナ(擬ベーマイト、アルミナゾル等)を用いることができる。これらのうち、特に、合成非晶質シリカやアルミナ等の多孔性顔料は、他の顔料と比べてインク吸収性に優れたポーラスな層を形成するだけでなく、塗工層中で比較的透明となり、インクジェット記録時のインク発色性が向上するため、好ましく用いられる。
キャストコート層の顔料として、上記シリカ及び/又はアルミナに加え、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、カオリン、焼成カオリン、タルク、二酸化チタン、酸化亜鉛、及び各種プラスチック顔料等公知の各種顔料等を1種又は2種以上混合して用いることができる。但し、シリカ及び/又はアルミナ以外のこれらの顔料は、キャストコート層中の顔料全体に対して20質量%以下の割合で配合すると、発色性が低下しないので好ましい。
2.結着剤
結着剤は、PVAを含有する。PVAは、キャストコート層の塗工層強度や透明性を向上させる。又、結着剤として、PVAに加えて、酸化デンプン、エステル化デンプン等のデンプン類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の蛋白質類;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン−ブタジエンラテックス及びそれらの誘導体;等の公知の各種結着剤を用いることができる。これらの結着剤は、単独又は2種以上混合してPVAと併用することができる。
但し、PVA以外の結着剤をキャストコート層に配合すると、キャストコート層の透明性が低下し、発色性が劣る傾向にあるため、キャストコート層の結着剤全体に対しPVAが70%以上配合されていることが好ましい。
結着剤は、PVAを含有する。PVAは、キャストコート層の塗工層強度や透明性を向上させる。又、結着剤として、PVAに加えて、酸化デンプン、エステル化デンプン等のデンプン類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の蛋白質類;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン−ブタジエンラテックス及びそれらの誘導体;等の公知の各種結着剤を用いることができる。これらの結着剤は、単独又は2種以上混合してPVAと併用することができる。
但し、PVA以外の結着剤をキャストコート層に配合すると、キャストコート層の透明性が低下し、発色性が劣る傾向にあるため、キャストコート層の結着剤全体に対しPVAが70%以上配合されていることが好ましい。
キャストコート層中の顔料と結着剤の配合割合は、インク吸収性などの要求品質を損なわない範囲で、それらの性状、処方及び基紙等に応じて適宜変更することができる。またキャストコート層に、必要に応じ、顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、可塑剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、剥離剤、pH調整剤、及びカチオン性高分子電解質等の公知の助剤を添加することができる。
<キャストコート層の形成>
キャストコート層は以下のキャストコート法により設けられ、これにより高い光沢を有するインクジェット記録用キャストコート紙を得ることができる。
本発明においては、顔料と結着剤とを主成分とする塗工液をアンダー層上に塗工してキャストコート層となる塗工層を設け、湿潤し可塑状態の塗工層をキャストドラム(鏡面仕上げの面)に押し当て、光沢仕上げしてキャストコート層を形成する。キャストコート法としては、(1)塗工層が湿潤状態にある間に鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦(半)乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するリウェットキャスト法(再湿潤法)、(3)湿潤状態の塗工層を凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、の3種類に分けることができる。
キャストコート層は以下のキャストコート法により設けられ、これにより高い光沢を有するインクジェット記録用キャストコート紙を得ることができる。
本発明においては、顔料と結着剤とを主成分とする塗工液をアンダー層上に塗工してキャストコート層となる塗工層を設け、湿潤し可塑状態の塗工層をキャストドラム(鏡面仕上げの面)に押し当て、光沢仕上げしてキャストコート層を形成する。キャストコート法としては、(1)塗工層が湿潤状態にある間に鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦(半)乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するリウェットキャスト法(再湿潤法)、(3)湿潤状態の塗工層を凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、の3種類に分けることができる。
本発明においては、上記直接法、凝固法、再湿潤法のうちいずれを用いてもよいが、高い光沢を得られるという点から凝固法が好ましい。
凝固法を用いる場合、キャストコート層用塗工液をアンダーコート層上に塗工し、その塗工層が湿潤状態にある間に結着剤を凝固(あるいは架橋)する作用を持つ処理液を塗布し、その後加熱した鏡面に塗工層を圧着し、光沢を付与する。例えば、結着剤としてポリビニルアルコールを用いた場合には、ポリビニルアルコールを凝固させる作用を持つ化合物を含有する水溶液であればいずれのものも処理液に使用することができる。上記処理液(凝固液)として、例えば蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸、炭酸等の酸と、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、鉛、カドミウム、アンモニウム等との塩;ホウ砂;各種ホウ酸塩等が挙げられる。本発明においては、これらの中から選択された少なくとも1種を用いることができる。
特に、ホウ酸とホウ酸塩とを含有する処理液が好ましい。ホウ酸とホウ酸塩とを混合して用いることにより、適度な固さの凝固を得ることが容易となり、良好な光沢感を有するキャストコート紙を得ることができる。
特に、ホウ酸とホウ酸塩とを含有する処理液が好ましい。ホウ酸とホウ酸塩とを混合して用いることにより、適度な固さの凝固を得ることが容易となり、良好な光沢感を有するキャストコート紙を得ることができる。
キャストコート層用塗工液を塗布する方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター等の公知の塗工機を用いる方法の中から適宜選択して使用することができる。処理液を塗布する方法としてはロール、スプレー、カーテン方式等があげられるが、特に限定されない。
(キャストコート層の塗工量)
キャストコート層の塗工量は、アンダーコート層の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができるが、記録濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、片面当たり、固形分換算で5〜30g/m2であることが好ましい。さらに好ましい塗工量範囲は5g/m2〜20g/m2である。塗工量が30g/m2を超えると、キャストコート処理時の塗工層の乾燥負荷が大きく非効率的であり、また、乾燥不足になりやすく、鏡面ドラムからの剥離性が低下し塗工層が鏡面ドラムに付着するなどの問題を生じる傾向にある。
キャストコート層の塗工量は、アンダーコート層の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができるが、記録濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、片面当たり、固形分換算で5〜30g/m2であることが好ましい。さらに好ましい塗工量範囲は5g/m2〜20g/m2である。塗工量が30g/m2を超えると、キャストコート処理時の塗工層の乾燥負荷が大きく非効率的であり、また、乾燥不足になりやすく、鏡面ドラムからの剥離性が低下し塗工層が鏡面ドラムに付着するなどの問題を生じる傾向にある。
<実施例>
以下に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。又、実施例において示す「部」及び「%」は特に明示しない限り、質量部及び質量%を示す。
以下に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。又、実施例において示す「部」及び「%」は特に明示しない限り、質量部及び質量%を示す。
<基紙の抄造>
広葉樹を蒸解して得られた晒しクラフトパルプ100部、タルク20部、カチオン化デンプン0.4部、酸性ロジンエマルジョン0.67部、及び硫酸バンド1部を含有するスラリーを原料とし、長網式抄紙機を用いて坪量が160g/m2の紙を抄紙した。この紙の両面に、サイズプレスで酸化デンプンを両面で3g/m2塗工し、基紙を得た。
<アンダーコート層の形成>
上記基紙の片面に、ブレード方式により以下のアンダーコート層用塗工液1を乾燥塗工量8g/m2で塗工し、アンダーコート層を形成した。
(アンダー層用塗工液1)
合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX37B、トクヤマ製、吸油量240ml/100g)100部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、株式会社クラレ製、重合度1700、鹸化度98%)5部、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン(商品名:AM−3100、昭和高分子製、ガラス転移温度:−4℃、ポリビニルアルコール−エチレン・酢酸ビニルグラフト重合体)30部、カチオン性インク定着剤(商品名:ポリフィックス700、昭和高分子社製)5部、及びカチオン性サイズ剤(商品名:ポリマロン360、荒川化学工業製)5部を混合し、固形分25%の水性塗工液を調製した。
広葉樹を蒸解して得られた晒しクラフトパルプ100部、タルク20部、カチオン化デンプン0.4部、酸性ロジンエマルジョン0.67部、及び硫酸バンド1部を含有するスラリーを原料とし、長網式抄紙機を用いて坪量が160g/m2の紙を抄紙した。この紙の両面に、サイズプレスで酸化デンプンを両面で3g/m2塗工し、基紙を得た。
<アンダーコート層の形成>
上記基紙の片面に、ブレード方式により以下のアンダーコート層用塗工液1を乾燥塗工量8g/m2で塗工し、アンダーコート層を形成した。
(アンダー層用塗工液1)
合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX37B、トクヤマ製、吸油量240ml/100g)100部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、株式会社クラレ製、重合度1700、鹸化度98%)5部、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン(商品名:AM−3100、昭和高分子製、ガラス転移温度:−4℃、ポリビニルアルコール−エチレン・酢酸ビニルグラフト重合体)30部、カチオン性インク定着剤(商品名:ポリフィックス700、昭和高分子社製)5部、及びカチオン性サイズ剤(商品名:ポリマロン360、荒川化学工業製)5部を混合し、固形分25%の水性塗工液を調製した。
<キャストコート層>
上記アンダーコート層上に、ロールコーターを用いて以下のキャストコート層用塗工液を乾燥塗工量20g/m2で塗工した。塗工層が湿潤状態にある間に、凝固液を用いて塗工層を凝固させ、次いでプレスロールを介して105℃に加熱されたキャストドラムに塗工層を圧着して鏡面を写し取り、乾燥してインクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
(キャストコート層塗工液)
高純度アルミナ(商品名:UA5605、昭和電工株式会社製)50部、高純度アルミナ(商品名:AKP−G015、住友化学工業株式会社製)50部、ポリビニルアルコール(商品名:デンカポバールB−17、電気化学工業株式会社製)5部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA224、(株)クラレ製)5部、及び消泡剤0.2部を混合し、固形分濃度28%の塗工液を調製した。
(凝固液)
凝固剤としてほう砂及びほう酸を用いた。ほう砂/ほう酸の配合比を0.25/1とし、それぞれNa2B4O7およびH3BO3に換算した時の濃度を4%とすると共に、離型剤(商品名:FL−48C、東邦化学工業社製)を0.2%(対液)となるように配合し、凝固液を調製した。
上記アンダーコート層上に、ロールコーターを用いて以下のキャストコート層用塗工液を乾燥塗工量20g/m2で塗工した。塗工層が湿潤状態にある間に、凝固液を用いて塗工層を凝固させ、次いでプレスロールを介して105℃に加熱されたキャストドラムに塗工層を圧着して鏡面を写し取り、乾燥してインクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
(キャストコート層塗工液)
高純度アルミナ(商品名:UA5605、昭和電工株式会社製)50部、高純度アルミナ(商品名:AKP−G015、住友化学工業株式会社製)50部、ポリビニルアルコール(商品名:デンカポバールB−17、電気化学工業株式会社製)5部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA224、(株)クラレ製)5部、及び消泡剤0.2部を混合し、固形分濃度28%の塗工液を調製した。
(凝固液)
凝固剤としてほう砂及びほう酸を用いた。ほう砂/ほう酸の配合比を0.25/1とし、それぞれNa2B4O7およびH3BO3に換算した時の濃度を4%とすると共に、離型剤(商品名:FL−48C、東邦化学工業社製)を0.2%(対液)となるように配合し、凝固液を調製した。
アンダーコート層用塗工液1の代わりに、アンダーコート層用塗工液2を用いたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、インクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
(アンダーコート層用塗工液2)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117)9部、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン(AM−3100)26部、カチオン性インク定着剤(ポリフィックス700)5部、及びカチオン性サイズ剤(ポリマロン360)5部を混合し、固形分25%の水性塗工液を調製した。
(アンダーコート層用塗工液2)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117)9部、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン(AM−3100)26部、カチオン性インク定着剤(ポリフィックス700)5部、及びカチオン性サイズ剤(ポリマロン360)5部を混合し、固形分25%の水性塗工液を調製した。
アンダーコート層用塗工液1の代わりに、アンダーコート層用塗工液3を用いたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、インクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
(アンダーコート層用塗工液3)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117)11部、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン(AM−3100)24部、カチオン性インク定着剤(ポリフィックス700)5部、及びカチオン性サイズ剤(ポリマロン360)5部を混合し、固形分25%の水性塗工液を調製した。
(アンダーコート層用塗工液3)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117)11部、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン(AM−3100)24部、カチオン性インク定着剤(ポリフィックス700)5部、及びカチオン性サイズ剤(ポリマロン360)5部を混合し、固形分25%の水性塗工液を調製した。
<比較例1>
アンダーコート層用塗工液1の代わりに、アンダーコート層用塗工液4を用いたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、インクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
(アンダー層用塗工液4)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B)100部、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン(AM−3100)35部、カチオン性インク定着剤(ポリフィックス700、昭和高分子社製の商品名)5部、及びカチオン性サイズ剤(ポリマロン360、荒川化学工業製の商品名)5部を混合し、固形分25%の水性塗工液を調製した。
アンダーコート層用塗工液1の代わりに、アンダーコート層用塗工液4を用いたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、インクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
(アンダー層用塗工液4)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B)100部、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン(AM−3100)35部、カチオン性インク定着剤(ポリフィックス700、昭和高分子社製の商品名)5部、及びカチオン性サイズ剤(ポリマロン360、荒川化学工業製の商品名)5部を混合し、固形分25%の水性塗工液を調製した。
<比較例2>
アンダーコート層用塗工液1の代わりに、アンダーコート層用塗工液5を用いたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、インクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
(アンダー層用塗工液5)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B、トクヤマ製の商品名)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117)35部、カチオン性インク定着剤(ポリフィックス700)5部、及びカチオン性サイズ剤(ポリマロン360)5部を混合し、固形分25%の水性塗工液を調製した。
アンダーコート層用塗工液1の代わりに、アンダーコート層用塗工液5を用いたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、インクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
(アンダー層用塗工液5)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B、トクヤマ製の商品名)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117)35部、カチオン性インク定着剤(ポリフィックス700)5部、及びカチオン性サイズ剤(ポリマロン360)5部を混合し、固形分25%の水性塗工液を調製した。
<比較例3>
アンダーコート層用塗工液1の代わりに、アンダーコート層用塗工液6を用いたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、インクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
(アンダーコート層用塗工液6)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117)13部、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン(AM−3100)22部、カチオン性インク定着剤(ポリフィックス700)5部、及びカチオン性サイズ剤(ポリマロン360)5部を混合し、固形分25%の水性塗工液を調製した。
アンダーコート層用塗工液1の代わりに、アンダーコート層用塗工液6を用いたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、インクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
(アンダーコート層用塗工液6)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117)13部、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン(AM−3100)22部、カチオン性インク定着剤(ポリフィックス700)5部、及びカチオン性サイズ剤(ポリマロン360)5部を混合し、固形分25%の水性塗工液を調製した。
<比較例4>
アンダーコート層用塗工液1の代わりに、アンダーコート層用塗工液7を用いたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、インクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
(アンダーコート層用塗工液7)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117)17.5部、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン(AM−3100)17.5部、カチオン性インク定着剤(ポリフィックス700)5部、及びカチオン性サイズ剤(ポリマロン360)5部を混合し、固形分25%の水性塗工液を調製した。
アンダーコート層用塗工液1の代わりに、アンダーコート層用塗工液7を用いたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、インクジェット記録用キャストコート紙を製造した。
(アンダーコート層用塗工液7)
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117)17.5部、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン(AM−3100)17.5部、カチオン性インク定着剤(ポリフィックス700)5部、及びカチオン性サイズ剤(ポリマロン360)5部を混合し、固形分25%の水性塗工液を調製した。
<評価>
各実施例、比較例で用いたアンダーコート層の硬度、及び得られたインクジェット記録用キャストコート紙の評価を以下の方法で行った。
(1)ダイナミック硬度
各実施例、及び比較例のインクジェット記録用キャストコート紙のキャストコート層のみを削り取り(サンドペーパー)、アンダーコート層を露出させ、その表面のダイナミック硬度を測定した。ダイナミック硬度は、ダイナミック超微小硬度計(DUH-201、島津製作所製)を用い、以下の条件で測定を行った。
測定環境:23℃55%RH
使用圧子:頂点角115°、三角錐ダイヤモンド圧子
測定深さ:0.5μm
測定方法:圧子押し込み深さ設定試験(所定の押込み深さまで入るように圧力が加えられる)
各実施例、比較例で用いたアンダーコート層の硬度、及び得られたインクジェット記録用キャストコート紙の評価を以下の方法で行った。
(1)ダイナミック硬度
各実施例、及び比較例のインクジェット記録用キャストコート紙のキャストコート層のみを削り取り(サンドペーパー)、アンダーコート層を露出させ、その表面のダイナミック硬度を測定した。ダイナミック硬度は、ダイナミック超微小硬度計(DUH-201、島津製作所製)を用い、以下の条件で測定を行った。
測定環境:23℃55%RH
使用圧子:頂点角115°、三角錐ダイヤモンド圧子
測定深さ:0.5μm
測定方法:圧子押し込み深さ設定試験(所定の押込み深さまで入るように圧力が加えられる)
(2)発色濃度
各実施例、及び比較例のインクジェット記録用キャストコート紙の記録面に、インクジェットプリンター(PM−950C:セイコーエプソン社製の商品名)を用いて、ブラック・シアン・マゼンタ・イエローの4色ベタを印字し、各色の発色濃度(マクベス濃度)をマクベス濃度計RD−914(グレタグ・マクベス社製)で測定した。
(3)インク吸収性
各実施例、及び比較例のインクジェット記録用キャストコート紙の記録面に、インクジェットプリンター(PM−950C:セイコーエプソン社製)を用い、2880dpiの解像度でマゼンダとグリーン(シアンとイエローの混色)のベタ画像が隣接するパターンを印字した。但し、支持体に対しては「スーパーファイン2専用紙・きれいモード」で、インクジェットキャストコート紙に対しては、「光沢紙・きれいモード」で印字した。各々の境界部における滲み(ブリード)を下記の基準にて目視評価した。
○:境界部で滲みが殆ど認められない
△:境界部で滲みがやや認められる
×:境界部で滲みが著しく認められる
各実施例、及び比較例のインクジェット記録用キャストコート紙の記録面に、インクジェットプリンター(PM−950C:セイコーエプソン社製の商品名)を用いて、ブラック・シアン・マゼンタ・イエローの4色ベタを印字し、各色の発色濃度(マクベス濃度)をマクベス濃度計RD−914(グレタグ・マクベス社製)で測定した。
(3)インク吸収性
各実施例、及び比較例のインクジェット記録用キャストコート紙の記録面に、インクジェットプリンター(PM−950C:セイコーエプソン社製)を用い、2880dpiの解像度でマゼンダとグリーン(シアンとイエローの混色)のベタ画像が隣接するパターンを印字した。但し、支持体に対しては「スーパーファイン2専用紙・きれいモード」で、インクジェットキャストコート紙に対しては、「光沢紙・きれいモード」で印字した。各々の境界部における滲み(ブリード)を下記の基準にて目視評価した。
○:境界部で滲みが殆ど認められない
△:境界部で滲みがやや認められる
×:境界部で滲みが著しく認められる
(4)断裁時の紙粉
各実施例、及び比較例のインクジェット記録用キャストコート紙(A4サイズ)を200枚重ね、ギロチン断裁機で異なる位置で4回断裁し、発生した紙粉量を測定した。
○:紙粉量が5mg以下
△:紙粉量が5mgを超え、10mg以下
×:紙粉量が10mgを超える
(5)断裁時の切り口
各実施例、及び比較例のインクジェット記録用キャストコート紙(A4サイズ)を400枚重ねたものをギロチンカッターで断裁し、キャストコート紙の切り口の状態を目視で評価した。
○:切り口の状態が良好で、切り口に荒れ、毛羽立ちが認められない
△:切り口に、僅かに荒れ、毛羽立ちが認められる
×:切り口が毛羽立っており、美観上問題が生じる
各実施例、及び比較例のインクジェット記録用キャストコート紙(A4サイズ)を200枚重ね、ギロチン断裁機で異なる位置で4回断裁し、発生した紙粉量を測定した。
○:紙粉量が5mg以下
△:紙粉量が5mgを超え、10mg以下
×:紙粉量が10mgを超える
(5)断裁時の切り口
各実施例、及び比較例のインクジェット記録用キャストコート紙(A4サイズ)を400枚重ねたものをギロチンカッターで断裁し、キャストコート紙の切り口の状態を目視で評価した。
○:切り口の状態が良好で、切り口に荒れ、毛羽立ちが認められない
△:切り口に、僅かに荒れ、毛羽立ちが認められる
×:切り口が毛羽立っており、美観上問題が生じる
得られた結果を表1に示す。なお、表のEVA,PVAはそれぞれエチレン酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコールを示す。
表1から明らかなように、各実施例の場合、インク吸収性、発色性、断裁時の適性(紙粉量、切り口の状態)の全てにおいて優れていた。
一方、アンダーコート層の結着剤にPVAを含まず、又、同層のダイナミック硬度が0.5未満である比較例1の場合、断裁適性(切り口の状態)に劣るとともに、発色濃度が低下した。これは、EVAのみを基板に製膜すると白濁した膜となるため、実際の記録用紙の発色も悪化する傾向にあるためと考えられる。
アンダーコート層の結着剤にEVAを含まず、又、同層のダイナミック硬度が3を超えた比較例2の場合、断裁適性(紙粉量、切り口の状態)に劣るとともに、インク吸収性が低下した。これは、PVAは皮膜化しやすいため、アンダーコート層の空隙が小さくなってインク吸収性が減少するためと考えられる。一方、EVAはエマルジョンであるために顔料を点(ポイント)で接着でき、アンダーコート層の空隙を増やすことができ、インク吸収性が高くなる傾向にある。
アンダーコート層の結着剤がEVAとPVAを含むが、同層のダイナミック硬度が3を超えた比較例3、4の場合、断裁適性(紙粉量)に劣った。
アンダーコート層の結着剤にEVAを含まず、又、同層のダイナミック硬度が3を超えた比較例2の場合、断裁適性(紙粉量、切り口の状態)に劣るとともに、インク吸収性が低下した。これは、PVAは皮膜化しやすいため、アンダーコート層の空隙が小さくなってインク吸収性が減少するためと考えられる。一方、EVAはエマルジョンであるために顔料を点(ポイント)で接着でき、アンダーコート層の空隙を増やすことができ、インク吸収性が高くなる傾向にある。
アンダーコート層の結着剤がEVAとPVAを含むが、同層のダイナミック硬度が3を超えた比較例3、4の場合、断裁適性(紙粉量)に劣った。
Claims (2)
- 基紙の少なくとも一方の面に、アンダーコート層とキャストコート層とをこの順に有するインクジェット記録用キャストコート紙であって、前記キャストコート層は顔料としてシリカ又はアルミナの少なくとも1種を含み、かつ結着剤としてポリビニルアルコールを含み、前記アンダーコート層は、顔料として吸油量150ml/100g以上の微粒子を含み、かつ結着剤として少なくともエチレン・酢酸ビニル共重合体とポリビニルアルコールとを、(エチレン・酢酸ビニル共重合体/ポリビニルアルコール)で表される比が65/35〜95/5の範囲で含有し、前記基紙上における前記アンダーコート層表面のダイナミック硬度が0.5〜3であるインクジェット記録用キャストコート紙。
- 前記アンダーコート層の結着剤において、該結着剤全体に対するエチレン・酢酸ビニル共重合体の割合が65質量%以上95質量%未満である請求項1に記載されたインクジェット記録用キャストコート紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|---|
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US8425031B2 (en) | 2007-08-30 | 2013-04-23 | Ricoh Company, Ltd. | Inkjet medium, ink and inkjet recording method |
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-
2005
- 2005-08-11 JP JP2005232951A patent/JP2007045044A/ja active Pending
Cited By (4)
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---|---|---|---|---|
US8425031B2 (en) | 2007-08-30 | 2013-04-23 | Ricoh Company, Ltd. | Inkjet medium, ink and inkjet recording method |
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