JP5745333B2 - インクジェット記録シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録シート及びその製造方法に関するものであり、インク吸収性に優れ、表面のひび割れがなく良好であり、インクジェット記録シート上に記録された印字画像が鮮明であり、適度な光沢をもたせたインクジェット記録シート及びその製造方法に関するものである。
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理によって飛翔させて、紙などの記録シートに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである。このインクジェット記録方式を利用した記録装置は、高速であること、低騒音であること、多色化が容易であること、記録パターンの融通性が大きいこと及び現像及び定着が不要であることなどの特徴があり、漢字を含め、各種図形及びカラー画像などの記録装置として、種々の用途において急速に普及している。さらに、多色インクジェット方式によって形成される画像は、製版方式による多色印刷又はカラー写真方式による印画と比較して遜色のない記録を得ることが可能であり、作製部数が少なくて済む用途では写真技術によるものよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
このインクジェット記録方式で使用される記録シートとしては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドットが重なった場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、かつ、周辺が滑らかでぼやけないことなどが要求される。記録シートの表面にひび割れがあると、ひび割れによって、インクが滲みだしてしまうという問題あり好ましくない。
これらの問題を解決するために、現在までいくつかの提案がなされてきた。例えば、低サイズの原紙に表面加工用の塗料を湿潤させてなるインクジェット記録用紙が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。支持体表面にインク吸収性の塗層を設けたインクジェット記録用紙が開示されている(例えば、特許文献2を参照。)。基紙上に被覆層を設け、該被覆層中の顔料として非膠質シリカ粉末を使ったインクジェット記録用紙が開示されている(例えば、特許文献3又は特許文献4を参照。)。また、支持体表面にインク吸収速度の異なる2層以上のインク吸収性の層を設けた構造を有するインクジェット記録用シートが開示されている(例えば、特許文献5を参照。)。
一般に、インクジェット記録用シートは、多孔性顔料を適用したインク吸収特性を有するインク受理層を設けて、画質を決定する色彩性及び鮮鋭性のコントロールを行い、色再現性及び画像再現性の向上を図っている。インク吸収性のあるインク受理層は、インクを吸収し保持するために、インク受理層中に空隙を多く有する必要がある。しかし、空隙の多いインク受理層は、インク受理層への入射光が散乱されてしまい、透過が妨げられるため、不透明になる。そして、空隙に浸透したインクに光が到達しにくくなり、画像が白っぽくなるため、色再現性及び色濃度が低下する。また、空隙の多いインク受理層は、多孔質な表面となることから、高い光沢を望むことは難しい。
高い光沢を有するインクジェット記録用シートとしては、例えば、透明な支持体上に多孔質なインク受理層を形成し、インク受理層に形成した画像を支持体側から観察する印刷物が提案されている(例えば、特許文献6を参照。)。透明な支持体上に主として染料を吸着する多孔性アルミナ水和物からなるアルミナ水和物層と、溶剤を吸収する多孔性微粉末シリカからなるシリカ層とを順次積層し、アルミナ水和物層に形成した画像を支持体側から観察する記録用シートが提案されている(例えば、特許文献7を参照。)。
コロイダルシリカを用いることでインクジェット記録用シートに光沢を発現させる提案がなされている。光沢向上のために、記録層の最表層を構成する主たる顔料として合成シリカ及びコロイダルシリカを用い、カチオン性高分子電解質を含む水溶液で処理した後にキャスト処理して得られる記録紙が開示されている(例えば、特許文献8を参照。)。
コロイダルシリカとは、一般的に無水珪酸(シリカ)の超微粒子を安定に水に分散させたアニオン性のコロイド状分散液である。コロイダルシリカの製造方法として、最も一般的なのはイオン交換樹脂を用いる方法で、ケイ酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換樹脂に通して、SiO/NaOが60〜130のゾルとしたものを、60℃以上に加熱熟成して独立分散粒子まで成長させ、これにイオン交換樹脂層を通したゾルを新たに添加することによって重合沈積させて、3〜200nmの平均粒子径まで成長させ安定したゾルにする方法である。シリカゾルは、シクロヘキサン構造をもち、通常はシリカの各粒子にそれらが互いに反発しあうのに十分な負電荷(アニオン性)をもたせている。
また、無機カチオン処理されたコロイダルシリカを用いた提案がなされている(例えば、特許文献9を参照。)。無機カチオン処理されたコロイダルシリカとは、一般的にはシリカにアルミニウムイオンなどの多価金属イオンの化合物を反応させて得たもので、少なくともシリカ粒子表面をカチオン性に荷電させたものである。特許文献9では、無機カチオン処理されたカチオン性のコロイド粒子及び合成高分子ラテックスをインク受理層上に塗布して光沢発現層を形成する方法が提案されている。
一般に、シリカなどの多孔質顔料を用いたインクジェット記録用紙は、記録層の表面の摩擦係数が大きく、プリンターに給紙される時に重送トラブルを発生しやすい。
このインクジェット記録用紙における搬送性の問題を解決する方法としては、記録面の反対面に適当量の滑剤を塗工してシートの表面と裏面との間の摩擦係数を下げる方法が従来提案されている(例えば、特許文献10又は特許文献11を参照。)。滑剤の種類としては、特許文献10では高級脂肪酸塩を開示し、特許文献11ではポリエチレンエマルジョンを開示している。
また、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を用いた紙において、摩擦係数が低すぎて紙がスリップし給排紙ができなくなるという搬送トラブルを防ぐために、紙の表面にロジンエステルエマルジョンを塗布して、静摩擦係数を一定以上の値に保つ方法が提案されており、類似技術として挙げられる(例えば、特許文献12を参照。)。
インクジェット記録層表面の摩擦係数をコントロールする方法としては、インク受理層に特定の粒子径を有する有機球状粒子を含有せしめる方法が提案されている(例えば、特許文献13を参照。)。
インクジェット記録紙において、特に、塗工層が脱落するという粉落ちは重要な課題である。インクジェットプロッターという大判のインクジェットプリンターが、ポスターや印刷校正用途などで広く使われている。例えば、30m巻きにした小巻ロール紙をプロッターに取りつけ、A1判サイズなど任意の大きさに印字して利用される。印字した用紙をペーパーカッターで任意の大きさに断裁するときに、塗工層の強度が弱いと、粉落ちが発生する。この粉落ちが多くなると、ヘッドの目詰まりを起こし易くなり、印字品位を保てなくなるという問題がある。
このような課題を解決する方法として、支持体の片面に二層のインク受理層を有するインクジェット記録シートにおいて、ギロチン断裁をインク受理層とは反対の面から実施する方法が提案されている(例えば、特許文献14を参照。)。さらに、支持体上に溶融押出塗工された親水性樹脂組成物層の上に、水性塗工層を設けたインクジェット記録体とすることで、塗工層の粉落ちを防止することが提案されている(例えば、特許文献15を参照。)。
特開昭52−53012号公報 特開昭55−5830号公報 特開昭55−51583号公報 特開昭56−157号公報 特開昭55−11829号公報 特開昭61−197285号公報 特開平3−215081号公報 特開平2−274587号公報 特開平7−101142号公報 特開平8−337050号公報 特開平10−278414号公報 特開平9−11610号公報 特開2002−292997号公報 特開平9−263041号公報 特開2004−114468号公報
フルカラー記録に対応したインクジェット記録シートには、優れたインク吸収性を有し、表面のひび割れがなく、カッター断裁による粉落ちが少なく、高い画像鮮明性及び適度な光沢を有することが求められる。
しかし、特許文献6又は特許文献7のように、透明な支持体上に表側から印字し、支持体側(裏側)から観察するシートとして高い光沢を実現する技術では、画像を印字する時に、鏡像となるように画像処理する必要があり、更に、使用する支持体が透明性を有するものに限定されてしまう。また、特許文献8のように、キャスト処理の処理液としてカチオン性高分子電解質を使用すると、印字した時に表面に存在するカチオン性高分子電解質が、インクを再溶解するために印字部分の表面形状が粗面化されやすくなる。特許文献9のように、無機カチオン処理されたコロイド粒子と合成高分子ラテックスとを併用した例では、光沢感が得られ、染料インクでの発色性は良好である反面、顔料インクでの発色性が悪いといった問題が生じてしまう。
特許文献10〜特許文献12に記載の搬送性の問題を解決する手段では、用紙の特性によって、いまだに給紙の時におけるピックアップ不良があり、重送若しくは斜行又は紙つまりなどの搬送性が十分ではないという問題がある。さらに、表面に印字した画像の裏抜け又はコックリング(用紙の波打ち)に対しても問題がある。特許文献13は、インクジェット記録面の摩擦係数をコントロールして、搬送性の問題を解決しようとするものであるが、有機球状粒子は多孔質ではないためインクジェットインクの吸収性を有さず、搬送性向上の大きな効果を得ようとして添加量を増やすほどインクジェット適性が悪化する上、塗工層からの脱落が問題となるおそれがある。
特許文献14のインクジェット記録シートのように湿式ミル粉砕した非晶質シリカを支持体上に塗設される第一のインク受理層に使用し、ギロチン断裁をインク受理層とは反対の面から実施して、粉落ちを少なくする方法では、光沢感がなく、マット調であり画像鮮明性に劣る。また、プロッターで使われる場合があり、必ずしもインク受理層と反対の面から断裁される場合ばかりでなく、実用上でも適さない。特許文献15のインクジェット記録体は、表面を耐水性樹脂組成物で被覆して支持体の表面の耐水性を良好とし、かつ、平滑にしなければ、十分な光沢感及び画像先鋭度が得られるとはいえず、用途が限定されてしまう。
光沢を付与する目的で、溶解・膨潤によってインクを吸収する樹脂を紙又はフィルムなどからなる支持体に塗布した記録用紙があるが、このような樹脂の溶解・膨潤によりインクを吸収させようとするものは、光沢は得られるものの、インクの吸収及び乾燥が遅く、インク転写による汚れ又は滲みの発生が問題となる。
インクジェット記録用のインクには、色材である染料が媒体である水に可溶であり、分子状態でインク媒体中に存在している染料インクと色材である顔料粒子が媒体である水に分散した状態で存在する顔料インクとの2種類がある。染料インクは、発色性が高いものの、耐光性に劣る傾向がみられる。また、顔料インクは、染料インクと比較して発色性が落ちるものの、耐光性が向上する傾向がみられる。特に、顔料インクでは、インク吸収性に優れるため、高い印字濃度を得ることが難しく、満足する品質を得ることはできなかった。
このように、インクジェット記録シートにおいて、インク吸収性に優れ、表面のひび割れがなく良好であり、カッター断裁による粉落ちが少なく、高い画像鮮明性及び適度な光沢を有することを兼ね備えることは、非常に難しいのが現状である。
本発明の目的は、インクジェット記録装置における印字について、インク吸収性に優れ、表面のひび割れがなく良好であり、カッター断裁による粉落ちが少なく、高い画像鮮明性及び適度な光沢を有するフルカラー記録に対応したインクジェット記録シート及びその製造方法を提供することにある。
本発明者等は、インクジェット記録シートについて、鋭意検討を重ねた結果、本発明に係るインクジェット記録シートの製造方法を完成するに至った。
本発明に係るインクジェット記録シートの製造方法は、 支持体の表面に、顔料とバインダーとを主体とする1層以上のインク受理層を形成するインク受理層形成工程と、該インク受理層の最表層の表面に、顔料とバインダーとを主体とする光沢発現層を形成する光沢発現層形成工程とを有するインクジェット記録シートの製造方法において、前記インク受理層形成工程で用いるインク受理層形成用塗工液が、主たる顔料として合成非晶質シリカを含有し、前記光沢発現層形成工程で用いる光沢発現層形成用塗工液が、主たる顔料として無機微粒子を含有し、かつ、主たるバインダーとしてポリビニルアルコールを含有し、前記無機微粒子と前記ポリビニルアルコールとの質量比が、100/8〜100/25であり、前記光沢発現層形成工程は、前記インク受理層の最表層の表面に、前記光沢発現層形成用塗工液を塗工後、湿潤状態のままで放置することでレベリングして塗工層を形成する塗工工程と、該塗工層を加熱乾燥せずに未乾燥のうちに、ホウ素化合物を含有するゲル化液を、絶乾塗工量が0.01〜3.0g/m となるようにウェットオンウェット塗工して前記塗工層をゲル化するゲル化処理工程と、前記ゲル化した塗工層をキャストドラムに圧着せずに乾燥する乾燥工程と、前記乾燥した塗工層の表面をカレンダー処理するカレンダー工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係るインクジェット記録シートの製造方法は、支持体の表面に、顔料とバインダーとを主体とする1層以上のインク受理層を形成するインク受理層形成工程と、該インク受理層の最表層の表面に、顔料とバインダーとを主体とする光沢発現層を形成する光沢発現層形成工程とを有するインクジェット記録シートの製造方法において、前記インク受理層形成工程で用いるインク受理層形成用塗工液が、主たる顔料として合成非晶質シリカを含有し、前記光沢発現層形成工程で用いる光沢発現層形成用塗工液が、主たる顔料として無機微粒子を含有し、かつ、主たるバインダーとしてポリビニルアルコール及びウレタン樹脂を含有し、前記無機微粒子と前記ポリビニルアルコールとの質量比が、100/4〜100/12であり、かつ、前記無機微粒子と前記ウレタン樹脂との質量比が、100/4〜100/12であり、前記光沢発現層形成工程は、前記インク受理層の最表層の表面に、前記光沢発現層形成用塗工液を塗工後、湿潤状態のままで放置することでレベリングして塗工層を形成する塗工工程と、該塗工層を加熱乾燥せずに未乾燥のうちに、ホウ素化合物を含有するゲル化液を、絶乾塗工量が0.01〜3.0g/m となるようにウェットオンウェット塗工して前記塗工層をゲル化するゲル化処理工程と、前記ゲル化した塗工層をキャストドラムに圧着せずに乾燥する乾燥工程と、前記乾燥した塗工層の表面をカレンダー処理するカレンダー工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係るインクジェット記録シートの製造方法では、前記無機微粒子が、ヒュームドアルミナであることが好ましい。ひび割れを防止する効果をより高めることができる。
本発明に係るインクジェット記録シートの製造方法では、前記ホウ素化合物が、硼砂であることが好ましい。ひび割れを防止する効果をより高めることができる。
本発明に係るインクジェット記録シートの製造方法では、前記ゲル化液の塗工方法が、バー塗工又はエアーナイフ塗工であることが好ましい。塗工層の表面を平坦化することができる。
本発明に係るインクジェット記録シートの製造方法では、前記光沢発現層形成用塗工液が、更に界面活性剤を含有し、前記無機微粒子と前記界面活性剤との質量比が、100/0.01〜100/5.00であることが好ましい。塗工層の面質を均一にすることができる。
本発明に係るインクジェット記録シートの製造方法では、前記界面活性剤のHLB(Hydrophile‐Lipophile Balance、親水親油バランス)値が、6〜18であることが好ましい。界面活性剤の水への溶解性に優れ、塗工液の調整作業を効率的に行うことができる。
光沢発現層形成用塗工液が、主たるバインダーとしてポリビニルアルコールを含有するとき、本発明に係るインクジェット記録シートの製造方法では、レベリング時間が10〜30秒間であることが好ましい。また、光沢発現層形成用塗工液が、主たるバインダーとしてポリビニルアルコール及びウレタン樹脂を含有するとき、本発明に係るインクジェット記録シートの製造方法では、レベリング時間が3〜15秒間であることが好ましい。
本発明に係るインクジェット記録シートの製造方法では、前記インク受容層が、前記支持体から最も離れたインク受理層の最表層であるインク受理層上層と、該インク受理層上層と支持体との間に形成されるインク受理層下層とを有し、インク受理層下層における合成非晶質シリカの平均粒子径は、11μm以上20μm以下であり、インク受理層上層における合成非晶質シリカの平均粒子径は、3μm以上11μm未満であることが好ましい。
本発明は、インクジェット記録装置における印字について、インク吸収性に優れ、表面のひび割れがなく良好であり、カッター断裁による粉落ちが少なく、高い画像鮮明性及び適度な光沢を有するフルカラー記録に対応したインクジェット記録シート及びその製造方法を提供することができる。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
第一実施形態に係るインクジェット記録シートの製造方法は、支持体の表面に、顔料とバインダーとを主体とする1層以上のインク受理層を形成するインク受理層形成工程と、インク受理層の最表層の表面に、顔料とバインダーとを主体とする光沢発現層を形成する光沢発現層形成工程とを有するインクジェット記録シートの製造方法において、インク受理層形成工程で用いるインク受理層形成用塗工液が、主たる顔料として合成非晶質シリカを含有し、光沢発現層形成工程で用いる光沢発現層形成用塗工液が、主たる顔料として無機微粒子を含有し、かつ、主たるバインダーとしてポリビニルアルコールを含有し、無機微粒子とポリビニルアルコールとの質量比が、100/8〜100/25であり、光沢発現層形成工程は、インク受理層の最表層の表面に、光沢発現層形成用塗工液を塗工し、レベリングして塗工層を形成する塗工工程と、塗工層が未乾燥のうちに、ホウ素化合物を含有するゲル化液をウェットオンウェット塗工して塗工層をゲル化するゲル化処理工程と、ゲル化した塗工層をキャストドラムに圧着せずに乾燥する乾燥工程と、乾燥した塗工層の表面をカレンダー処理するカレンダー工程とを含む。
第二実施形態に係るインクジェット記録シートの製造方法は、支持体の表面に、顔料とバインダーとを主体とする1層以上のインク受理層を形成するインク受理層形成工程と、インク受理層の最表層の表面に、顔料とバインダーとを主体とする光沢発現層を形成する光沢発現層形成工程とを有するインクジェット記録シートの製造方法において、インク受理層形成工程で用いるインク受理層形成用塗工液が、主たる顔料として合成非晶質シリカを含有し、光沢発現層形成工程で用いる光沢発現層形成用塗工液が、主たる顔料として無機微粒子を含有し、かつ、主たるバインダーとしてポリビニルアルコール及びウレタン樹脂を含有し、無機微粒子とポリビニルアルコールとの質量比が、100/4〜100/12であり、かつ、無機微粒子とウレタン樹脂との質量比が、100/4〜100/12であり、光沢発現層形成工程は、インク受理層の最表層の表面に、光沢発現層形成用塗工液を塗工し、レベリングして塗工層を形成する塗工工程と、塗工層が未乾燥のうちに、ホウ素化合物を含有するゲル化液をウェットオンウェット塗工して塗工層をゲル化するゲル化処理工程と、ゲル化した塗工層をキャストドラムに圧着せずに乾燥する乾燥工程と、乾燥した塗工層の表面をカレンダー処理するカレンダー工程とを含む。
第一実施形態に係るインクジェット記録シートの製造方法と第二実施形態に係るインクジェット記録シートの製造方法とは、主たるバインダー以外は、工程が共通しているため、特に断りがない限り、代表として第一実施形態に係るインクジェット記録シートの製造方法について説明する。
(光沢発現層形成工程)
光沢発現層形成工程は、インク受理層の最表層の表面に、光沢発現層形成用塗工液を塗工し、レベリングして塗工層を形成する塗工工程と、塗工層が未乾燥のうちに、ホウ素化合物を含有するゲル化液をウェットオンウェット塗工して塗工層をゲル化するゲル化処理工程と、ゲル化した塗工層をキャストドラムに圧着せずに乾燥する乾燥工程と、乾燥した塗工層の表面をカレンダー処理するカレンダー工程とを含む。キャスト法によると、塗工層がウェット状態のまま、キャストドラム(加熱された鏡面ロール)に圧着されるため、記録シートの表面がキャストドラムに貼り付いてしまうという問題が生じて、光沢面が均一にできなかったり、キャスト処理の生産工程において難しい調整が必要であったりして、生産効率にも問題がある。
次に、光沢発現層形成工程の各工程について説明する。
(光沢発現層形成工程‐塗工工程)
第一実施形態に係るインクジェット記録シートの製造方法では、光沢発現層形成用塗工液は、主たる顔料として無機微粒子を含有し、かつ、主たるバインダーとしてポリビニルアルコールを含有する。無機微粒子とポリビニルアルコールの質量比は、100/8〜100/25であり、より好ましくは100/10〜100/20である。無機微粒子の質量100に対して、ポリビニルアルコールの質量が8より低くなると、インク吸収性は良くなるものの、耐ひび割れ性が劣ったり、表面強度が劣ったりする問題がある。無機微粒子の質量100に対して、ポリビニルアルコールの質量が25より高くなると、耐ひび割れ性が向上し、かつ、表面強度が強くなるが、インク吸収性が劣るという問題がある。
本実施形態では、光沢発現層形成用塗工液を塗工後、湿潤状態のままで放置することをレベリングといい、光沢発現層形成用塗工液を塗工後、ゲル化液を塗工するまでの時間をレベリング時間という。第一実施形態に係るインクジェット記録シートの製造方法では、レベリング時間は、10〜30秒間が好ましく、さらに好ましくは12〜25秒間である。光沢発現層を塗工してからのレベリング時間が10秒より短くなると、塗工表面のひび割れがなく良好であるが、塗工面質が悪くなり、光沢度が低下する場合がある。レベリング時間が30秒より長くなると、塗工表面のひび割れが生じてしまい、画像鮮明性が低下する場合がある。また、レベリング時間が30秒より長くなると、塗工速度が上げられなくなり、塗工の生産性が低下するという問題がある。
第二実施形態に係るインクジェット記録シートの製造方法では、光沢発現層形成用塗工液は、主たる顔料として無機微粒子を含有し、かつ、主たるバインダーとしてポリビニルアルコール及びウレタン樹脂を含有する。無機微粒子顔料とポリビニルアルコールとの質量比が100/4〜100/12であり、かつ、無機微粒子顔料とウレタン樹脂との質量比が100/4〜100/12である。より好ましくは、無機微粒子顔料とポリビニルアルコールとの質量比が100/5〜100/10であり、かつ、無機微粒子顔料とウレタン樹脂との質量比が100/5〜100/10である。無機微粒子の質量100に対して、ポリビニルアルコールの質量が4より低くなるか、又は、無機微粒子顔料の質量100に対して、ウレタン樹脂の質量が4より低くなると、インク吸収性は良くなるものの、耐ひび割れ性が劣ったり、表面強度が劣ったりする問題がある。無機微粒子が100に対して、ポリビニルアルコールの質量が12より高くなるか、又は、無機微粒子顔料の質量100に対して、ウレタン樹脂の質量が12より高くなると、耐ひび割れ性が向上し、かつ、表面強度が良くなるが、インク吸収性が劣るという問題がある。
第二実施形態に係るインクジェット記録シートの製造方法では、レベリング時間は、3〜15秒間が好ましく、さらに好ましくは5〜12秒間である。光沢発現層を塗工してからのレベリング時間が3秒より短くなると、塗工表面のひび割れがなく良好であるが、塗工面質が悪くなり、光沢度が低下する場合がある。レベリング時間が15秒より長くなると、塗工表面のひび割れが生じてしまい、画像鮮明性が低下する場合がある。
無機微粒子として、各種公知のコロイダルシリカ、有機カチオン処理されたコロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、アルミナゾル、ヒュームドアルミナ、アルミナドープシリカなどが挙げられる。1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。ひび割れ防止の観点からは、ヒュームドアルミナがより好ましい。
無機微粒子の平均粒子径は、5〜500nmが好ましく、さらに好ましくは20〜400nmである。平均粒子径が5nmより小さいと、光沢度は高いものの、インク吸収性が劣る。平均粒子径が500nmより大きいと、インク吸収性は良いものの、光沢度が低くなるという問題がある。無機微粒子の平均粒子径の測定方法には、例えば、光散乱法、レーザー回折法、光相関分光法(PCS)が好ましい。さらに好ましくは、光相関分光法(PCS)である。無機微粒子の一次粒子径は、特に限定するものではないが、1〜50nmが好ましい。使用される無機微粒子は主として二次粒子又は三次粒子の凝集体であるが、一次粒子が含まれていてもよい。
無機微粒子のBET比表面積は、40〜100m/gであることが好ましい。より好ましくは50〜80m/gである。BET比表面積が40m/g未満では光沢度が劣る場合がある。BET比表面積が100m/gを超えると、顔料インクのインク吸収性及び発色性に劣る場合がある。ここで、BET比表面積は、BET法によって求めた比表面積である。BET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料のもつ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。通常、吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、又は容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ、比表面積の決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を乗じて、総表面積が得られる。この総表面積を試料の質量で除して、BET比表面積を求めることができる。
本実施形態において、本発明の効果を損なわない範囲において、無機微粒子以外の顔料を光沢発現層に含有させることができる。無機微粒子以外の顔料としては、例えば、合成非晶質シリカ、カオリン、クレー、焼成クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどである。光沢発現層では、無機微粒子の含有量が、光沢発現層中の全顔料の乾燥質量に対して、80質量%以上であることが好ましい。より好ましくは90質量%以上、特に好ましくは100質量%である。
光沢発現層形成用塗工液の塗工方法は、特に限定されず、各種ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドブレードコータ、カーテンコータなどの各種装置のマシンを用いて行うことができる。
無機微粒子を主体とする光沢発現層の絶乾塗工量としては、5〜25g/mが好ましく、さらに好ましくは10〜20g/mである。光沢発現層の絶乾塗工量が5g/mより少ないと、充分な光沢度が得ることができない場合がある。絶乾塗工量が25g/mより多いと、良好な光沢度が得られるものの、光沢発現層のひび割れが生じやすくなり、画像鮮明性が劣る場合がある。また、必要以上の絶乾塗工量ではコストの問題が生ずる。
無機微粒子顔料は、単独では塗膜強度を得ることができないために、光沢発現層形成用塗工液には、更にバインダーを配合する必要がある。光沢発現層中のバインダーの含有量(乾燥質量)は、無機微粒子顔料100質量部(乾燥質量)に対して、8〜25質量部が好ましい。さらに好ましくは、10〜20質量部である。光沢発現層中のバインダーの含有量が、無機微粒子顔料100質量部に対して、25質量部を超えると、インク吸収性が悪化する場合がある。光沢発現層中のバインダーの含有量が、無機微粒子顔料100質量部に対して、8質量部未満では、塗膜強度が不足する場合がある。
本実施形態では、主たるバインダー以外のバインダーを併用することができる。併用可能なバインダーとしては、例えば、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロース又はメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、アクリル、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル、スチレン‐アクリル共重合体、スチレン、ラテックスである。本実施形態では、主たるバインダーと併用可能なバインダーは、一般に塗工紙に使用できるバインダーであれば特に限定するものではない。1種又は2種以上のバインダーを適宜選択して使用することができる。
第一実施形態では、ポリビニルアルコールの含有量が、光沢発現層中の全バインダーの乾燥質量に対して、50質量%以上であることが好ましい。より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは100質量%である。第二実施形態では、ポリビニルアルコール及びウレタン樹脂の合計含有量が、光沢発現層中の全バインダーの乾燥質量に対して、50質量%以上であることが好ましい。より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは100質量%である。
ポリビニルアルコールの重合度は、1500〜4500が好ましく、さらに好ましくは2000〜4000である。重合度が1500より低いと、インクの吸収性は良好だが、インク受理層の表面強度が劣ったり、耐ひび割れ性が劣ったりする場合がある。重合度が4500より高いと、インク受理層の表面強度及び耐ひび割れ性は良好だが、インク吸収性が遅くなり、印字画像鮮明性が劣る場合がある。
ポリビニルアルコールの鹸化度は、78〜98mol%であることが好ましい。より好ましくは、80〜90mol%である。鹸化度が78mol%未満では、塗工層の耐水性が弱くなる場合がある。また、鹸化度が98mol%を超えると、塗工層の成膜性が強すぎて染料インクの吸収性が劣る場合がある。
ウレタン樹脂は、ポリイソシアネートとポリエーテル、ポリエステルなどのポリオール成分との反応によって得られるポリマーであり、分子中にウレタン基を有する。本実施形態では、ウレタン基の他にビュレット基、ウレア基、アロファネート基などの官能基を有する変性ウレタン樹脂を包含する。ウレタン樹脂は、アミノ基などを導入したカチオン性であることがより好ましい。カチオン性であることによって、耐水性に優れた光沢発現層とすることができる。また、カチオン性の無機顔料、カチオン性樹脂などの光沢発現層に含有されるカチオン性の助剤との混和性に優れる。
ウレタン樹脂のガラス転移点(以降、Tg値ということもある。)は、−50℃〜30℃が好ましく、さらに好ましくは−35℃〜10℃である。Tg値が−50℃より低くなると、耐ひび割れ性は良くなるものの、インク吸収性が劣る場合がある。Tg値が30℃より高くなると、インク吸収性は良好であるが、耐ひび割れ性が劣る場合がある。
光沢発現層形成用塗工液は、更に界面活性剤を含むことが好ましい。光沢発現層形成用塗工液を調製時に、消泡効果及び抑泡効果が得られ、ひび割れが少ない均一な面質の塗工層を形成することができる。界面活性剤の含有量(乾燥質量)は、無機微粒子顔料100質量部(乾燥質量)に対して、0.01〜5.00質量部が好ましい。さらに好ましくは、0.10〜2.00質量部である。0.01質量部より少ないと、泡の発生によって塗工面質が均一にできないという場合がある。5質量部より多くなると、ひび割れが生じやすくなり、画像鮮明性が劣るという場合がある。
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アセチレングリコール、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルカルボキシベタインがある。1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。抑泡性及び塗工面質の均一性の観点から、アセチレングリコールがより好ましい。
界面活性剤のHLB値は、6〜18が好ましい。さらに好ましくは8〜16である。HLB値は、0〜20までの定義された値であり、HLB値が0に近づくと、親油性が高くなる。一方、HLB値が20に近づくと、親水性が高くなる。本実施形態では、界面活性剤のHLB値が6より低くなると、界面活性剤の水系の塗工液への溶解性が得られない場合がある。HLB値が18より大きくなると、塗工液の抑泡効果が不足して、塗工面質が悪くなる場合がある。
さらに、光沢発現層形成用塗工液には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜配合することができる。
(光沢発現層形成工程‐ゲル化処理工程)
ゲル化処理工程では、塗工工程でレベリングした塗工層が未乾燥のうちに、ゲル化液をウェットオンウェット塗工して塗工層をゲル化する。ここで、ゲル化液は、ゲル化剤の水溶液をいう。ゲル化剤は、光沢発現層のバインダー成分を効果的に凝固することができる点で、ホウ素化合物を含有する。ホウ素化合物としては、例えば、硼酸、硼砂、メタ硼酸ナトリウム又は四硼酸ナトリウムなどの硼酸塩である。1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。中でも、ひび割れを防止する観点から、ゲル化をさせる能力の高い硼砂がより好ましい。
ゲル化液の濃度は、0.1質量%以上であることが好ましい。0.1質量%未満の場合には、凝固力が不足することがある。より好ましくは、0.5質量%以上である。1.0質量%以上とすることで、凝固力がより強くなり、耐ひび割れ性をより良化することができるため、特に好ましい。なお、ゲル化液の濃度の上限値は、作業性及びコストの点から5質量%とすることが好ましい。ゲル化剤の含有量(乾燥質量)は、光沢発現層中の凝固しうるバインダー100質量部に対して、0.1質量部以上となるように配合することが好ましい。より好ましくは、0.5質量部以上である。0.1質量部未満では、耐ひび割れ性が不足する場合がある。ここで、凝固しうるバインダーは、第一実施形態では、ポリビニルアルコールであり、第二実施形態では、ポリビニルアルコール及びウレタン樹脂である。ゲル化剤の含有量の上限値は、凝固しうるバインダー100質量部に対して、100質量部である。100質量部を超えると、バインダーに対してゲル化剤が過剰となり、不経済である。
さらに、ゲル化液には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、界面活性剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配合することもできる。
ゲル化液の塗工は、各種ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドブレードコータ、カーテンコータなどの各種装置のマシンで用いることができる。この中で、バー塗工又はエアーナイフ塗工であることがより好ましい。特に好ましくは、エアーナイフ塗工である。塗工層の表面を平坦化することができ、光沢度をより高めることができる。
ゲル化液の絶乾塗工量は、0.01〜3.0g/mが好ましく、さらに好ましくは0.05〜2.0g/mである。
(光沢発現層形成工程‐乾燥工程)
乾燥方式としては、自然乾燥、熱風乾燥、赤外乾燥などが挙げられるが、本実施形態においては、キャストドラムに圧着する方法以外であれば、特に限定されない。
(光沢発現層形成工程‐カレンダー工程)
本実施形態に係るインクジェット記録シートは、インク受理層上に光沢発現層を塗工し、乾燥した時点で、既に光沢を有するが、キャストドラムに圧着せずに乾燥してから、更にカレンダー処理を行うことによって、より高い光沢を付与することが可能である。カレンダー処理については、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を用いることができる。本実施形態は、カレンダー処理の方式に限定されない。
(インク受理層形成工程)
本実施形態では、光沢発現層の下に顔料とバインダーとを主体とする1層以上のインク受理層を形成する。インク受理層は、インク受理層形成用塗工液を、支持体の表面に塗工後、乾燥して形成することができる。
インク受理層は、支持体の表面に直接形成してもよいが、支持体として紙を用いる場合には、支持体の表面を、澱粉、ポリビニルアルコール、外添用サイズ剤、合成樹脂などの公知の表面サイズ液を、サイズプレス、ロールコータなどの公知の塗工機で塗布したサイズプレス面としてもよい。また、紙基材の表面を平滑化する目的で、予めマシンカレンダー、ソフトカレンダー、ラスターなどの処理を施してもよい。
インク受理層形成用塗工液の塗工方法は、特に限定されず、各種ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドブレードコータ、カーテンコータなどの各種装置のマシンを用いて行うことができる。
インク受理層の絶乾塗工量は、10〜50g/mが好ましく、さらに好ましくは16〜40g/mである。インク受理層の絶乾塗工量が10g/mより少ないと、インクの吸収性が劣る場合がある。インク受理層の絶乾塗工量が50g/mより多いと、粉落ち強度が劣る場合がある。また、インク吸収性の効果が飽和して、不経済である。
塗工後の乾燥方式としては、熱風乾燥、赤外乾燥、ドラム乾燥などが挙げられるが、本実施形態においては特に限定されない。
インク受理層形成用塗工液は、主たる顔料として合成非晶質シリカを含有する。合成非晶質シリカは、インクの吸収性が良く、印字鮮明性も高い点で優れている。合成非晶質シリカは、例えば、ヒュームドシリカ、沈殿法シリカ、ゲル法シリカ又はコロイダルシリカである。この中で、高い比表面積を有する微細孔構造であり、インク吸収性に優れる点で、ゲル法シリカがより好ましい。
本実施形態では、十分なインク吸収性を保てるのであれば、合成非晶質シリカ以外の顔料を併用することができる。併用可能な顔料としては、一般塗工紙分野で公知公用の顔料が併用可能であり、例えば、カオリン、クレー、焼成クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムである。インク受理層では、合成非晶質シリカの含有量が、インク受理層の全顔料の乾燥質量に対して、60質量%以上であることが好ましい。より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは100質量%である。
インク受理層における塗膜強度を得るために、バインダーの併用が必要となる。インク受理層中のバインダーの含有量(乾燥質量)は、合成非晶質シリカ100質量部に対して10〜100質量部が好ましく、さらに好ましくは20〜70質量部である。インク受理層中のバインダーの含有量が、合成非晶質シリカ100質量部に対して、100質量部を超えると、インク吸収性が悪化する場合がある。インク受理層中のバインダーの含有量が、合成非晶質シリカ100質量部に対して、10質量部未満では、塗膜強度が不足する場合がある。
インク受理層のバインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロース又はメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ウレタン、ポリビニルピロリドン、アクリル、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル、スチレン‐アクリル共重合体、スチレン、ラテックスである。中でも、ポリビニルアルコールが好ましい。本実施形態では、インク受理層に用いるバインダーは、一般に塗工紙に使用できるバインダーであれば特に限定するものではない。1種又は2種以上のバインダーを適宜選択して使用することができる。
インク受理層のバインダーは、水溶性バインダーであることが好ましい。水性バインダーは、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロース又はメチルセルロースなどのセルロース誘導体である。水溶性バインダーを用いると、光沢発現層とインク受理層との界面に接着性が発現し、該界面における接着性の確保が向上する。この接着性の発現の理由は定かではないが、光沢発現層形成用塗工液は、分散媒として水を含有することから、光沢発現層を塗設した時に、光沢発現層形成用塗工液の分散媒がインク受理層に浸透し、インク受理層中の水溶性バインダーを再溶解させて、光沢発現層と接着し、インク受理層と光沢発現層との界面での強度を確保するものと考えられる。
インク受理層は、より高いインク吸収性及びより高い光沢度の両立を実現できる点で、少なくとも2層で形成することがより好ましい。以降、支持体から最も離れたインク受理層の最表層として形成されるインク受理層をインク受理層上層といい、インク受理層上層と支持体との間に形成されるインク受理層をインク受理層下層という。インク受理層上層が含有する合成非晶質シリカの平均粒子径は、インク受理層下層が含有する合成非晶質シリカの平均粒子径よりも小さいことが好ましい。インク受理層上層が含有する合成非晶質シリカの平均粒子径が、インク受理層下層が含有する合成非晶質シリカの平均粒子径よりも大きいと、インク吸収性は良いものの、光沢発現層を形成する表面が粗くなり、十分な光沢度を得ることができない場合がある。インク受理層上層が含有する合成非晶質シリカの平均粒子径とインク受理層下層が含有する合成非晶質シリカの平均粒子径とを同じにすると、合成非晶質シリカの平均粒子径の大きさが限定されてしまい、より高いインク吸収性及びより高い光沢度を両立させにくい。例えば、比較的小さい平均粒子径の合成非晶質シリカだけを用いて、インク受理層下層及びインク受理層上層を設けると、光沢度は良いものの、インク吸収性が劣る場合がある。また、比較的大きい平均粒子径の合成非晶質シリカだけを用いて、インク受理層下層及びインク受理層上層を設けると、インク吸収性は良いものの、光沢度が劣る場合がある。
インク受理層下層における合成非晶質シリカの平均粒子径は、11μm以上20μm以下が好ましく、さらに好ましくは12μm以上18μm以下である。平均粒子径が11μmより小さいと、インク吸収性が劣る場合がある。20μmより大きいと、表面が粗くなり、ザラツキ感がでて、画像鮮明性が劣る場合がある。インク受理層上層における合成非晶質シリカの平均粒子径は、3μm以上11μm未満が好ましく、さらに好ましくは6μm以上10μm以下である。平均粒子径が3μmより小さいと、インク吸収性が劣る場合がある。11μm以上では、光沢度が劣る場合がある。つまり、インク受理層下層からインク受理層上層に向かって、合成非晶質シリカの平均粒子径を順次小さくなるように積層することで、インク吸収性を向上させるとともに、光沢発現層の光沢性を向上させることができる。なお、顔料の平均粒子径は光散乱法又はレーザー回折法で測定することができるが、ここでは顔料粒子を水に分散させた懸濁液状態においてレーザー回折法で測定した値である。
インク受理層は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、インク受理層下層及びインク受理層上層以外に、更に層を設けて3層以上で形成してもよい。その場合には、支持体から最も離れた最表層は、インク受理層上層とすることが光沢性の観点から好ましい。また、インク受理層下層とインク受理層上層との間に層を設ける場合には、インク受理層下層からインク受理層上層に向かって、合成非晶質シリカの平均粒子径を順次小さくなるように積層することが好ましい。
インク受理層下層において、インク吸収性を向上させ、インク受理層上層において、その表面の平滑性を保つことで、光沢発現層の光沢性向上を補完することができる。このようにして、光沢性の向上とインク吸収性確保という相反する特性をバランス良く実現することができる。
インク受理層下層の絶乾塗工量は、5〜25g/mが好ましく、さらに好ましくは8〜20g/mである。インク受理層下層の絶乾塗工量が5g/mより少ないと、インクの吸収性が劣る場合がある。インク受理層下層の絶乾塗工量が25g/mより多いと、粉落ち強度が劣る場合がある。また、インク吸収性の効果が飽和して、不経済である。
インク受理層上層の絶乾塗工量は、5〜25g/mが好ましく、さらに好ましくは8〜20g/mである。インク受理層上層の絶乾塗工量が5g/mより少ないと、インクの吸収性が劣る問題がある。インク受理層上層の絶乾塗工量が25g/mより多いと、粉落ち強度が劣る場合がある。また、インク吸収性の効果が飽和して、不経済である。
インク受理層を、インク受理層下層とインク受理層上層とを含む2層以上で設ける場合には、支持体の表面にインク受理層下層を形成するための塗工液を塗工し、乾燥した後、インク受理層下層の表面にインク受理層上層を形成するための塗工液を塗工し、乾燥してインク受理層を形成することが好ましい。
インク受理層は、バインダーとしてポリビニルアルコールを含有し、かつ、架橋剤としてジルコニウム化合物を含有することが好ましい。ジルコニウム化合物は、光沢発現層中にバインダーとして含有されているポリビニルアルコール分子を架橋して網目構造を形成するため塗工層の表面強度が強くなる。さらに、ひび割れが少なくなるため顔料インクの画像鮮明性が向上する。
ジルコニウム化合物は、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、炭酸ジルコニウムの群より少なくとも1つ選択されることが好ましい。インク吸収性を低下させることなく、カッター断裁による粉落ち強度を向上する観点から、硝酸ジルコニウムであることがより好ましい。
ジルコニウム化合物とポリビニルアルコールとの比率は、固形分の質量比で、1:100〜25:100が好ましく、さらに2:100〜12.5:100が好ましい。ポリビニルアルコール100に対して、ジルコニウム化合物が1未満では、光沢発現層の表面強度が不足して、粉落ち強度が劣る場合がある。ポリビニルアルコール100に対して、ジルコニウム化合物が25を超えると、インク吸収性が劣る場合がある。
さらに、インク受理層には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜配合することができる。
必要に応じてインク受理層の乾燥後に一定の平滑性を出すために、スーパーカレンダー、マシンカレンダー、ソフトカレンダーなど公知のカレンダー装置によって処理することが可能である。
第一実施形態に係るインクジェット記録シートは、支持体の表面に設けられた顔料とバインダーとを主体とする1層以上のインク受理層とインク受理層の最表層の表面に設けられた顔料とバインダーとを主体とする光沢発現層とを有するインクジェット記録シートにおいて、インク受理層は、主たる顔料として合成非晶質シリカを含有し、光沢発現層は、主たる顔料として無機微粒子を含有し、かつ、主たるバインダーとしてポリビニルアルコールを含有し、無機微粒子とポリビニルアルコールとの質量比が、100/8〜100/25であり、光沢発現層の表面が、非キャスト処理面である。
光沢発現層は、顔料とバインダーとを主体とする。光沢発現層中の全固形分に対する顔料とバインダーとの合計質量は、80質量%以上であることが好ましい。より好ましくは90質量%以上である。
光沢発現層の表面は、非キャスト処理面である。キャスト法におけるキャスト処理は、支持体上に塗工層を設けた後、ウェット状態にある塗工層をキャストドラムに圧着して乾燥、離型し鏡面を写し取ることによって塗工層の表面に高い光沢を付与する方法である。キャスト処理では、キャストドラムに圧着して乾燥後、キャストドラムの表面から剥離する時に、塗工層がキャストドラムに貼りついて、光沢面が得られない場合があるところ、非キャスト処理面とすることで、キャストドラムへの貼りつきの問題が無くなる。
光沢発現層の表面のJIS P 8142:2005「紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験法」に規定する75度鏡面光沢度は、30〜80%であることが好ましく、さらに好ましくは40〜70%である。光沢度が30%より低いと、視覚的な光沢感として不足する場合がある。光沢度が80%より高いと、ギラツキ感が強く好ましくない。
インク受理層は、光沢発現層に隣接して支持体との間に塗設されるものであり、インク中の溶媒成分を吸収する塗層である。インク受理層によってインク中の溶媒成分が光沢発現層から除去され、インク溢れの問題を回避することができる。
インク受理層は、顔料とバインダーとを主体とする。インク受理層中の全固形分に対する顔料とバインダーとの合計質量は、60質量%以上であることが好ましい。より好ましくは80質量%以上である。
支持体としては、例えば、紙、フィルム、不織布、又はそれらの複合体が一般に使用できるが、本発明は、支持体の材質に限定されるものではない。
支持体の厚さは、特に限定されないが、60〜300μmであることが好ましい。より好ましくは、100〜240μmである。また、支持体として紙基材を用いる場合には、紙基材の坪量は、60〜300g/mであることが好ましく、より好ましくは、80〜200g/mである。
第二実施形態に係るインクジェット記録シートは、支持体の表面に設けられた顔料とバインダーとを主体とする1層以上のインク受理層とインク受理層の最表層の表面に設けられた顔料とバインダーとを主体とする光沢発現層とを有するインクジェット記録シートにおいて、インク受理層は、主たる顔料として合成非晶質シリカを含有し、光沢発現層は、主たる顔料として無機微粒子を含有し、かつ、主たるバインダーとしてポリビニルアルコール及びウレタン樹脂を含有し、無機微粒子とポリビニルアルコールとの質量比が、100/4〜100/12であり、かつ、無機微粒子とウレタン樹脂との質量比が、100/4〜100/12であり、光沢発現層の表面が、非キャスト処理面である。
第二実施形態に係るインクジェット記録シートでは、光沢発現層の表面は、非キャスト処理面である。前述のとおり、第一実施形態に係るインクジェット記録シートと同様に、非キャスト処理面とすることで、キャストドラムへの貼りつきの問題が無い。非キャスト処理面は、例えば、カレンダー処理面である。
第一実施形態又は第二実施形態に係るインクジェット記録シートでは、インク受理層及び光沢発現層を設けた支持体の反対面にバック層を設けることが可能である。バック層は、顔料とバインダーとを主体とする層である。バック層の顔料は、一般塗工紙に用いられる顔料を用いることができるが、タルクを含むことが好ましい。タルクは滑石とも言われるように、滑りやすい特性を有する。一般にタルクは、滑石を微粉砕したもので、平均粒子径0.50〜15μmが好ましく、さらに好ましくは、2〜12μmである。平均粒子径が0.50μmより小さいと、バインダー量を多くする必要があり、粉落ちが発生する場合がある。平均粒子径が15μmより大きいと、塗工面の平滑性が低く、触感が劣る場合がある。なお、顔料の平均粒子径は、光散乱法又はレーザー回折法で測定することができるが、ここでは、顔料粒子を水に分散させた懸濁液状態でレーザー回折法を用いて測定している。
バック層には、顔料としてタルクに加えて、更にカオリン及びクレーを適宜配合することで、静摩擦係数及び動摩擦係数を調整可能である。JIS P8147:1994に規定される静摩擦係数が0.4〜0.9であるか、又は動摩擦係数が0.3〜0.7であることが好ましく、さらに好ましくは、静摩擦係数が0.5〜0.8であるか、又は動摩擦係数が0.4〜0.6である。静摩擦係数が0.4より低いか、又は動摩擦係数が0.3より低いと、用紙が滑りすぎて紙揃えが悪く、取り扱い性が劣る場合がある。静摩擦係数が0.9より高いか、又は動摩擦係数0.6より高いと、用紙が重送して、搬送性が劣る場合がある。
バック層の顔料には、適度な摩擦係数を保てる範囲内であれば、タルク、カオリン及びクレー以外のその他の顔料を併用してもかまわない。その他の顔料としては、一般塗工紙分野で公知公用の各種顔料を用いることができ、例えば、焼成クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムである。
バック層の絶乾塗工量は、5〜30g/mであることが好ましく、さらに好ましくは、10〜20g/mである。バック層の絶乾塗工量が5g/mより少ないと、印字画像の裏抜けが劣る場合がある。30g/mより多いと、印字画像の裏抜けは良好であるが、塗工層の強度が劣る場合がある。
バック層のバインダーとしては、一般に塗工紙に使用できるバインダーを使用でき、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロース又はメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、スチレン‐アクリル共重合体、スチレン‐ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート‐ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体又は共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス類、酢酸ビニル又はエチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系ラテックス類である。1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。印字画像の裏抜けの観点から、ポリビニルアルコール、スチレン‐アクリル共重合体、スチレン‐ブタジエン共重合体などのラテックス類が好ましい。
バック層には、添加剤として、更に、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、硬化剤などを適宜配合することができる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を示す。なお、添加部数は、固形分換算の値である。
(実施例1)
〔支持体の作製工程〕
広葉樹さらしクラフトパルプ(L‐BKP)からなるパルプスラリー中の絶乾パルプ100部に対して、炭酸カルシウム(タマパールTP‐121:奥多摩工業社製)5部と、カチオン化でん粉(ケート308:日本NSC社製)0.8部と、中性ロジンサイズ剤(NT‐85:荒川化学社製)0.4部とを配合して紙料を得た。この紙料を抄紙機を用いて、支持体として坪量105g/mの原紙を抄造した。
〔インク受理層形成工程‐インク受理層下層形成用塗工液の調製〕
インク受理層下層形成用塗工液は、顔料として平均粒子径12μmの合成非晶質シリカ(ミズカシルP‐78D:水澤化学工業社製)100部と、バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA‐117:クラレ社製)35部と、架橋剤として硝酸ジルコニウム(ジルコゾールZN:第一稀元素化学工業社製)2部とを配合し、水で固形分15%に調液して得た。
〔インク受理層形成工程‐インク受理層下層形成の形成〕
得られたインク受理層下層形成用塗工液を、支持体である原紙の表面に、絶乾塗工量が15g/mとなるようにバー塗工し、乾燥して、インク受理層下層を形成した。
〔インク受理層形成工程‐インク受理層上層形成用塗工液の調製〕
インク受理層形成用塗工液は、顔料として平均粒子径6μmの合成非晶質シリカ(ミズカシルP‐78A:水澤化学工業社製)100部と、バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA‐117:クラレ社製)35部と、架橋剤として硝酸ジルコニウム(ジルコゾールZN:第一稀元素化学工業社製)2部とを配合し、水で固形分15%に調液して得た。
〔インク受理層形成工程‐インク受理層上層の形成〕
得られたインク受理層上層形成用塗工液を、インク受理層下層の表面に、絶乾塗工量が15g/mとなるようにバー塗工し、乾燥して、インク受理層上層を形成した。
〔バック層形成工程‐バック層形成用塗工液の調製〕
バック層形成用塗工液は、顔料として平均粒子径7.7μmのタルク(LMS‐100:イメリス ミネラルズ・ジャパン社製)100部と、バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA‐117:クラレ社製)5部と、ラテックス(L‐1537:旭化成工業社製)10部とを配合し、水で固形分35%に調液して得た。
〔バック層形成工程‐バック層の形成〕
得られたバック層形成用塗工液を、原紙のインク受理層を形成した表面とは反対側の表面に、絶乾塗工量が12g/mとなるようにバー塗工し、乾燥して、バック層を形成した。
〔光沢発現層形成工程‐光沢発現層形成用塗工液の調製〕
光沢発現層形成用塗工液は、顔料として平均一次粒子径17nmでBET比表面積65m/gの無機微粒子であるヒュームドアルミナ(AEROXIDE Alu65:エボニック・デグサ社製)100部と、バインダーとして鹸化度88.0mol%で重合度3500のポリビニルアルコール(PVA‐235:クラレ社製)10部と、界面活性剤としてHLBが13.5のアセチレングリコール(オルフィンE1010:日信化学工業社製)0.5部とを配合し、水で固形分28%に調液して得た。
〔光沢発現層形成工程‐塗工工程〕
光沢発現層形成用塗工液を、インク受理層上層の表面に、光沢発現層の絶乾塗工量が15g/mとなるようにバー塗工し、ウェット状態のまま、12秒間放置して、レベリングした。
〔光沢発現層形成工程‐ゲル化処理工程〕
レベリングした塗工層の表面に、ゲル化液を、絶乾塗工量が0.4g/mとなるように、エアーナイフコータでウェットオンウェット塗工した。ここで、ゲル化液として、硼砂の2%水溶液を用いた。
〔光沢発現層形成工程‐乾燥工程〕
ゲル化した塗工層を、130℃の熱風で乾燥させた。
〔光沢発現層形成工程‐カレンダー工程〕
スーパーカレンダーを用いて、乾燥した塗工層の表面が、チルドロールに接するように、線圧100kg/cmの条件でカレンダー処理を行って光沢発現層を形成し、インクジェット記録シートを得た。
(実施例2)
実施例1において、光沢発現層形成用塗工液のポリビニルアルコール(PVA‐235:クラレ社製)の配合量を20部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(実施例3)
実施例1において、光沢発現層形成用塗工液のバインダーを、鹸化度88.0mol%で重合度3500のポリビニルアルコール(PVA‐235:クラレ社製)5部及びガラス転移点Tg=−25℃でカチオン性のウレタン樹脂(ネオステッカーC‐33:日華化学社製)5部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(実施例4)
実施例1において、光沢発現層形成用塗工液のバインダーを、鹸化度88.0mol%で重合度3500のポリビニルアルコール(PVA‐235:クラレ社製)10部及びガラス転移点Tg=−25℃でカチオン性のウレタン樹脂(ネオステッカーC‐33:日華化学社製)10部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(実施例5)
実施例1において、光沢発現層形成用塗工液の界面活性剤を、HLBが9.5のアセチレングリコール界面活性剤(オルフィンPD‐002W:日信化学工業社製)0.5部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(実施例6)
実施例3において、光沢発現層形成用塗工液の界面活性剤を、HLB9.5のアセチレングリコール界面活性剤(オルフィンPD‐002W:日信化学工業社製)0.5部とした以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(実施例7)
実施例1において、光沢発現層形成用塗工液のポリビニルアルコール(PVA‐235:クラレ社製)の配合量を15部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(実施例8)
実施例1において、光沢発現層形成用塗工液のバインダーを、鹸化度88.0mol%で重合度3500のポリビニルアルコール(PVA‐235:クラレ社製)7.5部及びガラス転移点Tg=−25℃でカチオン性のウレタン樹脂(ネオステッカーC‐33:日華化学社製)7.5部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(比較例1)
実施例1において、光沢発現層形成用塗工液のポリビニルアルコール(PVA‐235:クラレ社製)の配合量を5部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(比較例2)
実施例1において、光沢発現層形成用塗工液のポリビニルアルコール(PVA‐235:クラレ社製)の配合量を30部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(比較例3)
実施例1において、光沢発現層形成用塗工液のバインダーを、鹸化度88.0mol%で重合度3500のポリビニルアルコール(PVA‐235:クラレ社製)2.5部及びガラス転移点Tg=−25℃でカチオン性のウレタン樹脂(ネオステッカーC‐33:日華化学社製)2.5部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(比較例4)
実施例1において、光沢発現層形成用塗工液のバインダーを、鹸化度88.0mol%で重合度3500のポリビニルアルコール(PVA‐235:クラレ社製)15部及びガラス転移点Tg=−25℃でカチオン性のウレタン樹脂(ネオステッカーC‐33:日華化学社製)15部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(比較例5)
実施例1において、ゲル化液を用いないとした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(比較例6)
実施例3において、ゲル化液を用いないとした以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(比較例7)
実施例1において、光沢発現層形成用塗工液に硼砂1部を更に配合したところ、光沢発現層が増粘(ゲル化)して、塗工することができず、光沢発現層を形成することができなかった。
(比較例8)
実施例3において、光沢発現層形成用塗工液に硼砂1部を更に配合したところ、光沢発現層が増粘(ゲル化)して、塗工することができず、光沢発現層を形成することができなかった。
実施例1〜8及び比較例1〜6で得られたインクジェット記録シートについて、次に示す方法で評価した。なお、比較例7及び8は、光沢層を形成することができなかったため、評価を行わなかった。得られた結果については表1に示す。ここで、便宜上、インク受理層と光沢発現層とを順次形成した側を記録面側といい、バック層を形成した側を裏面側という。
「光沢度」
インクジェット記録シートの記録面側の表面について、JIS P 8142:2005「紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法」による白紙光沢度の方法に従って、入射角75度の鏡面光沢度を、グロスメーター(GM‐26D:村上カラーリサーチラボラトリー社製)で測定した。
「粉落ち強度」
ガラス板上で、縦目のA4サイズ(297mm×210mm)サンプルを横方向に記録面側からカッターで3回切り、断裁したサンプルを指でしごき、ガラス板上に粉を落とした。セロテープで粉を集め、粉落ちの量を目視評価した。
◎:粉落ちがほとんどなく、非常に良好である(実用レベル)。
○:粉落ちが少なく、良好である(実用下限レベル)。
△:粉落ちがややあり、少し劣る(実用不適レベル)。
×:粉落ちが多く、非常に劣る(実用不適レベル)。
「表面強度」
記録面側の表面を指で擦り、粉落ちを評価した。
◎:塗工面の粉落ちがなく、指にも付着せず非常に良好である(実用レベル)。
○:塗工面の粉落ちが少なく、指にもあまり付着せず良好である(実用下限レベル)。
△:塗工面の粉落ちがややあり、指に少し付着した(実用不適レベル)。
×:塗工面の粉落ちが多くあり、指にも付着した(実用不適レベル)。
「塗工面質」
記録面について、泡などによる塗工欠陥の有無及び塗工面質の状態を目視で観察した。
◎:塗工面の泡などによる塗工欠陥がなく、塗工面質が均一で非常に良好である(実用レベル)。
○:塗工面の泡などによる塗工欠陥があまりなく、塗工面質が均一である(実用下限レベル)。
△:塗工面の泡などによる塗工欠陥があり、塗工面質がやや不均一である(実用不適レベル)。
×:塗工面の泡などによる塗工欠陥が多くあり、塗工面質が不均一である(実用不適レベル)。
「塗工表面のひび割れ」
記録面側の表面を、レーザー顕微鏡(VK‐9710:キーエンス社製)を用いて、200倍の倍率で観察した。
◎:ひび割れの発生がなく、非常に均一な表面である(実用レベル)。
○:ひび割れの発生が少なく、均一な表面である(実用下限レベル)。
△:ひび割れが多く発生しており、やや不均一な表面である(実用不適レベル)。
×:ひび割れが非常に多く発生しており、不均一な表面である(実用不適レベル)。
「静摩擦係数」、「動摩擦係数」
得られた記録シートの静摩擦係数及び動摩擦係数を、ストログラフ(STROGRAPH‐R2:東洋精機社製)を用いて、JIS P 8147:1994「紙及び板紙の摩擦係数試験方法」(水平方法)に従って測定した。なお、試験片の測定面については、記録面と裏面との組合せとし、紙の縦横については、縦と縦との組合せとした。
「印字画像の鮮明性」
顔料インクのインクジェットプリンターであるエプソン社製PX‐5500機を用いて、CMYKの各インク並びにRGB(Red‐Green‐Blue)のベタ及びISO標準画像の印字評価パターンを得られたインクジェット記録シートに印字した。印字画像の鮮明性を目視評価した。
◎:印字画像が非常に鮮明でコントラストがはっきりしている(実用レベル)。
○:印字画像が鮮明でコントラストがある(実用下限レベル)。
△:印字画像が鮮明であるが、コントラストがあまりはっきりしなく、やや白ボケ気味である(実用不適レベル)。
×:印字画像が鮮明でなく、白ボケ気味である(実用不適レベル)。
「インク吸収性」
インク吸収性の評価は、「印字画像の鮮明性」の評価と同様に印字し、印字直後から1秒毎にプリントした印字面に上質紙を貼り合せ、インクが上質紙に転写するかを観察した。そして、全く転写しなくなるまでの時間を測定した。測定された秒数を次のように4段階評価した。
◎:全く転写しなくなるまでの時間が、印字直後から2秒未満である(実用レベル)。
○:全く転写しなくなるまでの時間が、2秒以上3秒未満である(実用下限レベル)。
△:全く転写しなくなるまでの時間が、3秒以上5秒未満である(実用不適レベル)。
×:5秒以上でも転写する(実用不適レベル)。
「滲み」
「印字画像の鮮明性」の評価と同様に印字し、印字画像の滲みを目視評価した。
◎:混色印字部の滲みがほとんどなく、非常に明瞭に文字が読み取れる(実用レベル)。
○:混色印字部の滲みが少なく、明瞭に文字が読み取れる(実用下限レベル)。
△:混色印字部の滲みがややあり、少し文字が読み取りにくい(実用不適レベル)。
×:混色印字部の滲みがあり、文字が読み取りにくい(実用不適レベル)。
「印字濃度」
「印字画像の鮮明性」の評価と同様に印字し、黒ベタ部の印字濃度を、反射濃度計(RD‐918:グレタグマクベス社製)を用いて測定した。
「インクの裏抜け」
「印字画像の鮮明性」の評価と同様に印字し、印字した用紙の裏面から、インクの裏抜け度合いを目視評価した。
◎:インクの裏抜けがなく、非常に印字画像の耐裏抜け性が良好である(実用レベル)。
○:インクの裏抜けが目立たず、印字画像の耐裏抜け性が良好である(実用下限レベル)。
△:インクの裏抜けが二次色で生ずるなど、印字画像の耐裏抜け性がやや悪い(実用不適レベル)。
×:インクの裏抜けが全般に生じ、印字画像の耐裏抜け性が非常に悪い(実用不適レベル)。
「コックリング」
「印字画像の鮮明性」の評価と同様に印字し、印字した用紙の波打ち度合いを目視評価した。
◎:用紙の波打ちがなく、非常にコックリングが良好である(実用レベル)。
○:用紙の波打ちが目立たず、コックリングが良好である(実用下限レベル)。
△:用紙の波打ちが二次色で生ずるなど、コックリングがやや悪い(実用不適レベル)。
×:用紙の波打ちが全般に生じ、コックリングが非常に悪い(実用不適レベル)。
Figure 0005745333
表1の結果から明らかなように、実施例のインクジェット記録シートは、いずれもインク吸収性に優れ、表面のひび割れがなく良好であり、高い画像鮮明性と適度な光沢を有し、カッター断裁による粉落ちが少なく、特に顔料インクの適性が優れるものであった。
比較例1は、光沢発現層中のポリビニルアルコールの含有量が少なかったため、耐ひび割れ性が劣り、また粉落ち強度が劣った。比較例2は、光沢発現層中のポリビニルアルコールの含有量が多かったため、印字画像の鮮明性及びインク吸収性が劣った。比較例3は、光沢発現層中のポリビニルアルコール及びウレタン樹脂の含有量が少なかったため、耐ひび割れ性が劣り、また粉落ち強度が劣った。比較例4は、光沢発現層中のポリビニルアルコール及びウレタン樹脂の含有量が多かったため、印字画像の鮮明性及びインク吸収性が劣った。比較例5及び6は、ゲル化処理工程を経なかったため、塗工層表面にひび割れが見られた。また、印字画像の鮮明性及び滲みが劣った。

Claims (10)

  1. 支持体の表面に、顔料とバインダーとを主体とする1層以上のインク受理層を形成するインク受理層形成工程と、該インク受理層の最表層の表面に、顔料とバインダーとを主体とする光沢発現層を形成する光沢発現層形成工程とを有するインクジェット記録シートの製造方法において、
    前記インク受理層形成工程で用いるインク受理層形成用塗工液が、主たる顔料として合成非晶質シリカを含有し、
    前記光沢発現層形成工程で用いる光沢発現層形成用塗工液が、主たる顔料として無機微粒子を含有し、かつ、主たるバインダーとしてポリビニルアルコールを含有し、
    前記無機微粒子と前記ポリビニルアルコールとの質量比が、100/8〜100/25であり、
    前記光沢発現層形成工程は、前記インク受理層の最表層の表面に、前記光沢発現層形成用塗工液を塗工後、湿潤状態のままで放置することでレベリングして塗工層を形成する塗工工程と、該塗工層を加熱乾燥せずに未乾燥のうちに、ホウ素化合物を含有するゲル化液を、絶乾塗工量が0.01〜3.0g/m となるようにウェットオンウェット塗工して前記塗工層をゲル化するゲル化処理工程と、前記ゲル化した塗工層をキャストドラムに圧着せずに乾燥する乾燥工程と、前記乾燥した塗工層の表面をカレンダー処理するカレンダー工程とを含むことを特徴とするインクジェット記録シートの製造方法。
  2. 支持体の表面に、顔料とバインダーとを主体とする1層以上のインク受理層を形成するインク受理層形成工程と、該インク受理層の最表層の表面に、顔料とバインダーとを主体とする光沢発現層を形成する光沢発現層形成工程とを有するインクジェット記録シートの製造方法において、
    前記インク受理層形成工程で用いるインク受理層形成用塗工液が、主たる顔料として合成非晶質シリカを含有し、
    前記光沢発現層形成工程で用いる光沢発現層形成用塗工液が、主たる顔料として無機微粒子を含有し、かつ、主たるバインダーとしてポリビニルアルコール及びウレタン樹脂を含有し、
    前記無機微粒子と前記ポリビニルアルコールとの質量比が、100/4〜100/12であり、かつ、前記無機微粒子と前記ウレタン樹脂との質量比が、100/4〜100/12であり、
    前記光沢発現層形成工程は、前記インク受理層の最表層の表面に、前記光沢発現層形成用塗工液を塗工後、湿潤状態のままで放置することでレベリングして塗工層を形成する塗工工程と、該塗工層を加熱乾燥せずに未乾燥のうちに、ホウ素化合物を含有するゲル化液を、絶乾塗工量が0.01〜3.0g/m となるようにウェットオンウェット塗工して前記塗工層をゲル化するゲル化処理工程と、前記ゲル化した塗工層をキャストドラムに圧着せずに乾燥する乾燥工程と、前記乾燥した塗工層の表面をカレンダー処理するカレンダー工程とを含むことを特徴とするインクジェット記録シートの製造方法。
  3. 前記無機微粒子が、ヒュームドアルミナであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録シートの製造方法。
  4. 前記ホウ素化合物が、硼砂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のインクジェット記録シートの製造方法。
  5. 前記ゲル化液の塗工方法が、バー塗工又はエアーナイフ塗工であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のインクジェット記録シートの製造方法。
  6. 前記光沢発現層形成用塗工液が、更に界面活性剤を含有し、
    前記無機微粒子と前記界面活性剤との質量比が、100/0.01〜100/5.00であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のインクジェット記録シートの製造方法。
  7. 前記界面活性剤のHLB値が、6〜18であることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録シートの製造方法。
  8. レベリング時間が10〜30秒間であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録シートの製造方法。
  9. レベリング時間が3〜15秒間であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録シートの製造方法。
  10. 前記インク受容層が、前記支持体から最も離れたインク受理層の最表層であるインク受理層上層と、該インク受理層上層と支持体との間に形成されるインク受理層下層とを有し、
    インク受理層下層における合成非晶質シリカの平均粒子径は、11μm以上20μm以下であり、
    インク受理層上層における合成非晶質シリカの平均粒子径は、3μm以上11μm未満であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載のインクジェット記録シートの製造方法。
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