JP5204524B2 - インクジェット記録材料 - Google Patents

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本発明は、高光沢と高発色性を有し、保存性とインク吸収性に優れたインクジェット記録材料に関するものである。
インクジェット記録方式に使用される記録用シートとしては、通常の紙やインクジェット記録材料と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク吸収層を設けてなる記録用シートが使用されてきた。
例えば、特開昭55−51583号公報、特開昭56−157号公報、特開昭57−107879号公報、特開昭57−107880号公報、特開昭59−230787号公報、特開昭62−160277号公報、特開昭62−184879号公報、特開昭62−183382号公報、特開昭64−11877号公報及び特公平3−56552号公報等に開示のごとく、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録シートが提案されている。
また、特開平3−215082号公報、特開平4−67986号公報、及び特開平5−32037号公報、特開平10−81064号公報等には、シリカ微粒子やアルミナゾルを水溶性バインダーと共に支持体表面に塗布した記録シートが記載されている。
一方、水溶性ポリマーを主体としたインク受容層を設けた記録用シートが多数提案されている。例えば、特開昭60−168651号公報ではポリビニルアルコールとポリアクリル酸系水溶性高分子の使用が、特開昭60−262685号公報ではヒドロキシエチルセルロースの使用が、特開昭61−181679号公報ではカルボキシメチルセルロースとポリエチレンオキサイドの混合物の使用が、特開昭61−193879号公報では水溶性セルロースとポリビニルピロリドンの混合物の使用が、特開昭62−263084号公報では特定pHのゼラチン水溶液から形成された受容層が、また特開平1−146784号公報ではゼラチンと界面活性剤の混合物の使用がそれぞれ提案されている。
また、非晶質シリカ等の顔料と特定のバインダーを含有する記録シートも多数提案されている。例えば、特開平6−32046号公報、特開平6−143800号公報、特開平7−32725号公報、特開平7−149037号公報、特開平8−34160号公報等は何れも顔料と特定バインダー、特定化合物の組み合わせが提案されている。
また、シリカ微粒子やアルミナゾル等からなる空隙層の上に水溶性ポリマーからなる膨潤層を設けた記録シートが特開平9−323475号公報、特開平10−81064号公報等に、水溶性ポリマーからなるインク保持層の上に疎水性ポリマーからなる微細多孔質のインク透過層を有する記録シートが特開昭61−35275号公報、特開昭62−196175号公報等に記載されている。
また、アルミナゾル等からなる空隙層の上にシリカゲル層を設けた記録シートが提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。アルミナゾルを用いた場合、皮膜強度及び耐水性を上げるために、120℃程度の高温加熱処理が必要であり、作業性、及び支持体の選択性(ポリエチレン樹脂被覆紙等は加熱処理によりブリスターが発生するため使用できない)の問題があり、またインク吸収性も十分に満足できるものではなかった。
また、支持体に近い方から一次粒子の平均粒径が50nm以下の気相法による合成シリカを含有する層及びコロイダルシリカを含有する層を少なくとも有するインクジェット記録用シートが提案されている(例えば、特許文献6参照)が、本提案のように気相法による合成シリカの適用は合成シリカの表面は通常アニオン性であり、本提案のようにカチオンポリマー等の適用によりシリカ表面をカチオン処理し、インク受理層に適用されることもあるが、通常アニオン性の染料インクであるインクジェットインクの耐水性を充分に確保することが困難であったり、シリカのカチオン処理時に不必要な凝集が発生し、塗布欠陥の発生につながるなど、満足できるものではなかった。
上記した従来の記録シートは、高光沢と高発色性並びに良好な保存性という重要な性能を同時に満足するものではなかった。特に近年、インクジェット写真用紙が普及しており、上記性能は益々重要になってきている。
特開平8−2087号公報 特開平8−2091号公報 特開平8−2093号公報 特開平8−72388号公報 特開平8−290654号公報 特開2000−37944号公報
従って、本発明の目的は、高光沢と高発色性を有し、保存性とインク吸収性に優れたインクジェット記録材料を提供することにある。
本発明の上記目的は、吸収性支持体上に下塗り層、上塗り層、光沢発現層が順次塗設されたインクジェット記録材料において、少なくとも下塗り層に0.2g/m以上のホウ素化合物を含有し、上塗り層にアルミナ水和物を主体とする無機超微粒子及びバインダー成分としてポリビニルアルコールを含有し、更に光沢発現層が下記(1)式から求められる粘度インデックスが5以下の水溶性カチオンポリマー存在下で水中分散することによってカチオン化処理されたコロイダルシリカを主体とし、水溶性カチオンポリマーが水溶液の固形分濃度28質量%で粘度インデックス5以下となるジメチルジアリルアンモニウムクロライドポリマーまたは水溶液の固形分濃度40質量%で粘度インデックス5以下であるポリアリルアミン塩酸塩ポリマーであることで達成された。
粘度インデックス=log(v)×100/C (1)式
v:水溶性カチオンポリマー水溶液の20℃におけるB型粘度(mPa・s)
C:水溶性カチオンポリマー水溶液の固形分濃度(質量%)
本発明において、支持体上に塗設される下塗り層には少なくとも0.2g/m2以上のホウ素化合物を含有する必要がある。この下塗り層に含有されるホウ素化合物と、下塗り層上に塗設される上塗り層に含有されるポリビニルアルコールが架橋することで、亀裂のない上塗り層塗膜が形成される。但し、下塗り層に含有されるホウ素化合物が0.2g/m2未満であるとポリビニルアルコールとの架橋が充分に行われずに、上塗り層塗布液を塗布、乾燥する過程で発生する乾燥収縮等の影響により上塗り層表面に亀裂が発生することとなり好ましくない。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に用いられる硼素化合物としては、例えば、硼砂、硼酸、硼酸塩(例えば、オルト硼酸塩、InBO3、ScBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(BO32、Co3(BO32、二硼酸塩(例えば、Mg225、Co225)、メタ硼酸塩(例えば、LiBO2、Ca(BO22、NaBO2、KBO2)、四硼酸塩(例えば、Na247・10H2O)、五硼酸塩(例えば、KB58・4H2O、Ca2611・7H2O、CsB55)等を挙げることができる。中でも、速やかに架橋反応を起こすことができる点で硼砂、硼酸、硼酸塩が好ましく、特に硼砂、硼酸が好ましい。
本発明において用いられるポリビニルアルコールに関しては、完全または部分ケン化のポリビニルアルコール一般品、或いはカチオン変性品、シラノール変性品等の変性ポリビニルアルコールを用いることができる。各種ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものであり、平均重合度200〜5000のものが好ましく用いられる。表面亀裂抑制の点で、平均重合度の範囲が2700〜5000の高重合度のものが特に好ましく用いられる。
本発明に係る上層で用いられる無機超微粒子とは、一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合は、平均二次粒子径が500nm以下の無機超微粒子をいう。例えば、特開平1−97678号公報、特開平2−275510号公報、特開平3−281383号公報、特開平3−285814号公報、特開平3−285815号公報、特開平4−92183号公報、特開平4−267180号公報、特開平4−275917号公報などに開示されているアルミナ水和物である擬ベーマイトゾル、特開昭60−219083号公報、特開昭61−19389号公報、特開昭61−188183号公報、特開昭63−178074号公報、特開平5−51470号公報などに記載されているようなコロイダルシリカ、特公平4−19037号公報、特開昭62−286787号公報に記載されているようなシリカ/アルミナハイブリッドゾル、特開平10−119423号公報、特開平10−217601号公報に記載されているような、気相法シリカを高速ホモジナイザーで分散したようなシリカゾル、特開平10−181191号公報、特開平10−272833号公報、特開2001−199158号公報及び特開2002−331747号公報に記載されているような機械的に粉砕した湿式法シリカ、その他にもヘクタイト、モンモリロナイトなどのスメクタイト粘土(特開平7−81210号公報)、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イットリアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸化アンチモンゾルなどを代表的なものとして挙げることができる。さらに、好ましくはアルミナ水和物等のコロイド粒子である。
尚、本発明でいう無機超微粒子の平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒子径として平均粒子径を求めたものであり、無機超微粒子の平均二次粒子径とは、希薄分散液をレーザー回折・散乱法を用いた粒度分布計により測定して得られる。
尚、一般的に無機超微粒子の平均一次粒子径が小さくなると、インク発色性に優れる。これは通常凝集粒子である無機超微粒子の二次粒子内部散乱が減少し、より塗層の透明性が増加するためと考えられる。但し、平均一次粒子径が小さくなると、比表面積が大きくなりすぎるためと思われるが、塗層に表面亀裂が発生しやすくなる。逆に、無機超微粒子の平均一次粒子径が大きくなると、インク発色性が低下するが、表面亀裂が発生しにくくなる。これらを鑑み、好ましい一次粒子径の範囲としては3〜25nm、特に好ましい粒子径範囲は粒子の種類、形状因により変化するため一概には言えないが、例えば気相法シリカでは5〜15nm、又、アルミナ水和物では8〜18nm程度のものが特に好ましく用いられる。
又、下塗り層上の上塗り層の主体顔料にはアルミナ水和物を主体とする無機超微粒子を用いる必要がある。アルミナ水和物が選択されているのは、他の粒子と比較してインク発色性と耐表面亀裂性に優れるからである。
他の顔料、例えば気相法シリカなどはアルミナ水和物と比して、表面亀裂が入りやすく、均一な光沢発現層を塗設することが困難である。勿論、気相法シリカでも比表面積を減少させる、或いはバインダー量を増加させる等により対応可能ではあるのだが、そのような場合には染料インクでの発色性やインク吸収性に悪影響を与えることがある。
この上塗り層の表面亀裂発生は、光沢発現層塗布液の主体成分であるコロイド粒子の表面亀裂への埋没を発生させるため、コロイド粒子を上塗り層上に均一に留めておくことが困難となる。それにより、少ない固形分塗布量で光沢発現効果を得ることが困難になることがある。勿論、表面亀裂が発生した上塗り層塗膜上への光沢発現層の塗設でも、塗布量を大幅に増加することで光沢発現効果はある程度得られるが、インク吸収性や発色性に悪影響を及ぼすことがある。
又、上塗り層塗膜に表面亀裂が発生していない場合でも、同様に光沢発現層の塗布量が必要以上に多い場合には、やはり、インク吸収性や発色性に悪影響を与えることがある。又、光沢発現層の塗布量が必要量に満たない場合には光沢発現効果が充分得られないことがある。
又、上塗り層のアルミナ水和物の粒子径は平均二次粒子径が50〜500nmであることが好ましい。平均二次粒子径が50nm未満であると、塗設乾燥後の上塗り層の細孔分布が小さくなりすぎインク吸収性に悪影響を与えることがあり、500nmを超えた場合には上塗り層表面の凹凸が大きくなりすぎてしまい、光沢発現層を塗設する際の光沢発現性に乏しくなることがある。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、一般式Al23・nH2Oにより表すことができる。アルミナ水和物は組成や結晶形態の違いにより、ジプサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ベーマイト、ベーマイトゲル(擬ベーマイト)、ジアスポア、無定形非晶質等に分類される。中でも、上記の式中、nの値が1である場合はベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1を超え3未満である場合は擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが3以上では非晶質構造のアルミナ水和物を表す。特に、本発明に好ましいアルミナ水和物は、少なくともnが1を超え3未満の擬ベーマイト構造のアルミナ水和物である。
また、本発明のアルミナ水和物の分散液は塩基度75%以上の水溶性ポリ水酸化アルミニウムにより安定化させられている。尚、前記水溶性ポリ水酸化アルミニウムの他に通常使用される種々の酸類を本発明の分散液に添加しても構わない。このような酸類としては、硝酸、塩酸、臭化水素酸、酢酸、蟻酸、乳酸、アミド硫酸、塩化第二鉄、塩化アルミニウム等が挙げられるが、本発明においてこれらの酸類の固形分添加比率は前記水溶性ポリ水酸化アルミニウムの1/1以下であることが本発明の効果を充分に発現させるため好ましい。
本発明に用いられるアルミナ水和物の形状は、平板状、繊維状、針状、球状、棒状等のいずれでもよく、インク吸収性の観点から好ましい形状は平板状である。平板状のアルミナ水和物は、平均アスペクト比が3〜8であり、好ましくは平均アスペクト比が3〜6である。アスペクト比は、粒子の「厚さ」に対する「直径」の比で表される。ここで粒子の直径とは、アルミナ水和物を電子顕微鏡で観察したときの粒子の投影面積に等しい円の直径を表す。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等公知の方法によって製造することができる。また、アルミナ水和物の粒子径、細孔径、細孔容積、比表面積等の物性は、析出温度、熟成温度、熟成時間、液のpH、液の濃度、共存化合物等の条件によって制御することができる。
アルコキシドからアルミナ水和物を得る方法としては、特開昭57−88074号公報、特開昭62−56321号公報、特開平4−275917号公報、特開平6−64918号公報、特開平7−10535号公報、特開平7−267633号公報等、米国特許第2,656,321号明細書等にアルミニウムアルコキシドを加水分解する方法として開示されている。これらのアルミニウムアルコキシドとしてはイソプロポキシド、2−ブトキシド等が挙げられる。
本発明のアルミナ水和物・無機微粒子の比表面積は50〜300m2/gが好ましい。更に好ましい比表面積としては120〜200m2/gである。
本発明で云う比表面積はBET法により測定される。BET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
光沢発現層に用いられるコロイド粒子はコロイダルアルミナ、或いは下記(1)式から求められる粘度インデックスが5以下の水溶性カチオンポリマー存在下で水中分散することによってカチオン化処理されたコロイダルシリカであって、水溶性カチオンポリマーが水溶液の固形分濃度28質量%で粘度インデックス5以下となるジメチルジアリルアンモニウムクロライドポリマーまたは水溶液の固形分濃度40質量%で粘度インデックス5以下であるポリアリルアミン塩酸塩ポリマーであることで、本発明の目的である高光沢と高発色性を有し、保存性に優れたインクジェット記録材料を提供することが可能であることを見いだした。
粘度インデックス=log(v)×100/C (1)式
v:水溶性カチオンポリマー水溶液の20℃におけるB型粘度(mPa・s)
C:水溶性カチオンポリマー水溶液の固形分濃度(質量%)
本発明の光沢発現層に用いられるコロイド粒子は何れも表面電荷がカチオン性となっており、これにより高い保存性、特に高い画像耐水性を確保することが可能である。
但し、コロイダルシリカの表面処理に用いられるカチオンポリマーの粘度インデックスが5を超える場合には光沢発現層のインク吸収性が著しく損なわれることとなるために好ましくない。これはカチオンポリマーの粘度インデックスとカチオンポリマー分子量に正の相関があるためで、カチオンポリマー分子量が大きくなりすぎると、少量のカチオンポリマー添加量でも光沢発現層に皮膜を形成し易くなるためと考えられる。
勿論、カチオンポリマーの添加量をごく微少量に抑制することで、インク吸収性を向上させることは可能ではあるが、そのような場合にはコロイダルシリカのカチオン化が充分になされないこととなり、画像耐水性を確保することが困難となる。更には、等電点に近づきすぎるためコロイド粒子が凝集状態を示し、光沢を発現させることが困難となる。
尚、カチオンポリマーにて処理されたコロイダルシリカを主体とする光沢発現層塗布液の水素イオン指数(pH)は7以下であることが、カチオンポリマーにて処理されたコロイダルシリカがカチオン性に帯電しやすくなるためにより好ましい。
又、本発明の光沢発現層に用いられるコロイド粒子がコロイダルアルミナである場合には、コロイダルアルミナを主体とする光沢発現層塗布液の水素イオン指数(pH)が7以下では、通常特に表面処理を行わずとも、カチオン性に帯電するため、光沢発現層にコロイダルシリカを使用する場合に比して、より少量のカチオンポリマーの適用で充分な保存性、特に画像耐水性を確保することが可能であるため、より好ましく用いられる。
又、光沢発現層に用いられるコロイド粒子の粒子径は5〜100nmの範囲であることが好ましい。コロイド粒子が5nm未満であると、光沢発現層を塗設した際に、粒子間空隙が小さくなりすぎてしまい、インク吸収性に悪影響を与えることがある。
又、コロイド粒子が100nmを超えた場合には、インク吸収性には特に問題はないが、白紙光沢や染料インクの発色性に問題が見られることがある。白紙光沢や染料インクの発色性ともに光沢発現層の粒子間空隙が大きくなりすぎてしまうことで、光沢発現層表面のコロイド粒子の形状による微細な凹凸の増加や粒子間空隙増大による光散乱現象によるものと考えられる。
以下に本発明に係わるインクジェット記録材料について説明する。
本発明のインクジェット記録材料とは支持体上の少なくとも片面に請求項記載の下塗り層、上塗り層、光沢発現層が塗設されているものである。
本発明に用いる支持体は吸水性の支持体であれば特に限定されるものではないが、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどの木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、バインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造されたパルプ繊維を主成分とした支持体が好ましく用いられる。更に支持体に、澱粉、ポリビニルアルコールなどでのサイズプレスやアンカーコート層を設けても構わない。この様な紙および塗布紙に、そのまま本発明における塗層を設けても良いし、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を使用しても良い。
本発明の下塗り層の無機微粒子としては例えば、湿式合成シリカ、コロイダルシリカ、気相法シリカ、アルミナ水和物、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、湿式合成シリカ、酸化スズゾル、酸化ニオブゾル、酸化セリウムゾル、酸化ランタンゾル、酸化チタンゾル、酸化ネオジミュームゾル、酸化イットリウムゾル、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの公知の白色無機顔料や無機ゾルなどを用いることができる。
特に、下塗り層の無機微粒子としてはインク吸収性の点から湿式合成シリカを好ましく用いることができる。
湿式法シリカは、製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカ等に分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカ二次粒子は緩やかな凝集粒子となり、比較的粉砕し易い粒子が得られる。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ株式会社からニップシールとして、株式会社トクヤマからトクシールとして市販されている。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。この場合、熟成中に小さなシリカ粒子が溶解し、大きな粒子の一次粒子間に一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、水澤化学工業株式会社からミズカシルとして、グレースジャパン株式会社からサイロジェットとして市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業株式会社からスノーテックスとして市販されている。また、その他の方法として、アルコキシド加水分解法などにより、コロイダルシリカはつくられている。
本発明において、下塗り層には、無機微粒子、バインダーの他に添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜配合することもできる。
本発明の下塗り層に用いられるバインダーとしては、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸樹脂やスチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、あるいはこれらの各種共重合体のカルボキシ基などの官能基含有単量体による官能基変性共重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの親水性バインダー、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合体または共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂ラテックス等が挙げられ、これらを1種以上使用できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の下塗り層に使用されるバインダーの配合量としては、無機微粒子の総和に対して、5〜60質量%、好ましくは、10〜40質量%である。
次いで以下に本発明に係わる上塗り層について説明する。
本発明の上塗り層に用いられる無機超微粒子としては請求項記載のアルミナ水和物、下塗り層に使用される無機微粒子の他に、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等公知の各種微粒子が挙げられ、支持体の種類や目的により、適宜選択され使用される。
上塗り層に用いられる請求項記載のアルミナ水和物、無機微粒子以外の微粒子としては、気相法シリカが好ましく用いられる。
気相法シリカは、火炎加水分解法により製造される乾式法シリカの一種であり、乾式シリカとしては気相法シリカが一般的である。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られており、日本アエロジル(株)からアエロジル、トクヤマ(株)からレオロシールとして市販されている。
気相法シリカの一次粒子の平均粒径は30nm以下が好ましく、より高い光沢を得るためには15nm以下が好ましい。更に好ましくは一次粒子の平均粒径が3〜15nm(特に3〜10nm)でかつBET法による比表面積が200m2/g以上(好ましくは250〜500m2/g)のものを用いることである。
また、シリカ微粒子は通常、アニオン性であるので、カチオンポリマー存在下で水中に分散することが好ましい。カチオンポリマーは特に限定するものではないが、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を分子中に有する、分子量が数万以下のポリアリルアミンやポリジメチルジアリルアンモニウム塩ポリマー等が好ましく用いられる。
本発明の上塗り層にはポリビニルアルコールと共に、架橋剤(硬膜剤)を用いることが好ましい。架橋剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号明細書記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号明細書記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号明細書記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号明細書記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号明細書、米国特許第2,983,611号明細書記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号明細書記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号明細書記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸またはほう酸塩が好ましく用いられる。
本発明には染料インクに対する保存性を向上させる目的等でカチオン性化合物や各種水溶性金属化合物を適宜添加しても構わない。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号公報、特開昭59−33176号公報、特開昭59−33177号公報、特開昭59−155088号公報、特開昭60−11389号公報、特開昭60−49990号公報、特開昭60−83882号公報、特開昭60−109894号公報、特開昭62−198493号公報、特開昭63−49478号公報、特開昭63−115780号公報、特開昭63−280681号公報、特開平1−40371号公報、特開平6−234268号公報、特開平7−125411号公報、特開平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。これらのカチオンポリマーの分子量は、10,000以下が好ましい。
これらのカチオン性ポリマーの使用量は無機微粒子に対して0.5〜20重量%、好ましくは2〜10重量%である。
本発明に用いられる水溶性金属化合物としては、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられる。カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガン二水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられ、中でも各種塩基度のポリ塩化アルミニウムが好ましく用いられる。
次いで以下に本発明に係わる光沢発現層について説明する。
本発明の光沢発現層のコロイダルアルミナ、或いはコロイダルシリカ以外に用いられるコロイド粒子としては、チタニアゾル(多木化学株式会社)、セリアチタニアゾル(触媒化成工業株式会社)、酸化アンチモンゾル(日産化学工業株式会社)、酸化セリウムゾル(多木化学株式会社)、酸化スズゾル(多木化学株式会社)、酸化ニオブゾル(多木化学株式会社)、酸化イットリウムゾル(多木化学株式会社)、酸化ランタンゾル(多木化学株式会社)、酸化ジルコニウムゾル(多木化学株式会社)等の無機ゾルが挙げられ、適宜カチオンポリマーや水素イオン指数(pH)の調整により、カチオン処理されて用いられる。粒子径範囲としては1〜100nmの範囲のものが、光沢発現性やインク吸収性、インク発色性の点から好ましく用いられる。
又、スチレン、アクリル、メタクリル等の有機ポリマーを主成分としたエマルジョン粒子やそれらの有機ポリマーを小さなコロイダルシリカ粒子で表面処理を行ったシリカ複合エマルジョン等のコロイド粒子が挙げられる。有機ポリマーを主成分としたエマルジョン粒子を用いる場合には、光沢発現層の塗設・乾燥時に溶融成膜しないようにTgが50℃以上であるものが好ましく用いられ、更に好ましいものとしては75℃以上のものである。粒子径範囲としては1〜100nmの範囲のものが、光沢発現性やインク吸収性、インク発色性の点から好ましく用いられる。これらのものとしては、例えば、ニチゴー・モビニール株式会社製モビニール790、モビニール972、モビニール8055A等の各種エマルジョンやそれらを各種(ポリ塩化アルミニウム等)カチオンポリマーにてカチオン処理した各種エマルジョンを適宜用いることも可能である。
又、光沢発現層にはコロイド粒子のバインダーとして、適宜種々のバインダーを用いることができる。本発明の光沢発現層に用いられるバインダーとしては例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール、またはシリル変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸樹脂やスチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、あるいはこれらの各種共重合体のカルボキシ基などの官能基含有単量体による官能基変性共重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの親水性バインダー、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合体または共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂ラテックス等が挙げられ、これらを1種以上使用できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。これらのバインダーの中でもポリビニルアルコール、またはシリル変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体が塗布適性、品質の面から好ましく用いられる。
更に、本発明の下塗り層、上塗り層、インク受理層には、その他の添加剤として、カチオン系染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、粘度安定剤、pH調整剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを本発明の目的を害しない範囲で適宜添加することもできる。
本発明において、下塗り層、上塗り層及び光沢発現層は、支持体上に下塗り層、次いで上塗り層、次いで光沢発現層の塗液を順次塗工、乾燥して設ける。
本発明において、下塗り層、上塗り層及び光沢発現層を設ける際に塗工する方法は特に限定されず、公知の塗工方法を用いることができる。例えば、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スライドリップコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、サイズプレスなどの各種装置により塗工することができる。
本発明において、塗液塗工後に乾燥する方法は、特に限定されず、公知の乾燥方法を用いることができるが、特に熱風を吹きつける方法、赤外線を照射する方法など、加熱により乾燥する方法は、生産性が良く好ましく用いられる。
本発明において、下塗り層、上塗り層及び光沢発現層を塗工、乾燥後に表面光沢や平滑性を更に向上させる目的で、カレンダー処理を行っても構わない。その際のカレンダー処理装置としては、グロスカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどが挙げられる。また、公知のキャストコート法を用いて光沢面を形成することができる。
以下に本発明について、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例に於いて示す「部」および「%」は特に明示しない限り固形分の質量部および質量%を示す。
<支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、濾水度370mlcsf)80部と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、濾水度400mlcsf)20部、タルク13部、硫酸バンド3部、市販ロジンサイズ剤0.2部、カチオン澱粉0.3部を水に混合してなる固形分濃度1%のスラリーから、長網抄紙機にて坪量100g/m2の原紙を抄造し、抄造時にサイズプレス装置で酸化澱粉を固形分で2g/m2付着させて酸性原紙の支持体を製造した。この原紙の紙面pHは4.6であった。
<下塗り層塗布液1の調製>
コロイダルシリカ(スノーテックス40:日産化学工業社製)30部及び湿式合成シリカ(ミズカシルP−78A:水澤化学工業株式会社製)100部を固形分濃度21%となるように水に分散して分散液を得た。その分散液にウレタンエマルジョンバインダー(ハイドランWLS207:DIC株式会社製)50部、増粘剤(アルコガムL289HV:日本エヌエスシー株式会社)1部を添加し、固形分濃度22%になるように塗布液濃度を調節し、下塗り層塗布液1を得た。
<下塗り層塗布液2の調製>
ホウ砂(四ホウ酸ナトリウム・十水和物)3部、ホウ酸(オルトホウ酸)3部、コロイダルシリカ(スノーテックス40:日産化学工業社製)30部及び湿式合成シリカ(ミズカシルP−78A:水澤化学工業株式会社製)100部を固形分濃度21%となるように水に分散して分散液を得た。その分散液にウレタンエマルジョンバインダー(ハイドランWLS207:DIC株式会社製)50部、増粘剤(アルコガムL289HV:日本エヌエスシー株式会社)1部を添加し、固形分濃度22%になるように塗布液濃度を調節し、下塗り層塗布液2を得た。
<下塗り層塗布液3の調製>
ホウ砂(四ホウ酸ナトリウム・十水和物)6部、ホウ酸(オルトホウ酸)6部、コロイダルシリカ(スノーテックス40:日産化学工業社製)30部及び湿式合成シリカ(ミズカシルP−78A:水澤化学工業株式会社製)100部を固形分濃度21%となるように水に分散して分散液を得た。その分散液にウレタンエマルジョンバインダー(ハイドランWLS207:DIC株式会社製)50部、増粘剤(アルコガムL289HV:日本エヌエスシー株式会社)1部を添加し、固形分濃度22%になるように塗布液濃度を調節し、下塗り層塗布液3を得た。
<上塗り層塗布液1の調製>
スルファミン酸1.5部を分散剤とし、アルミナ水和物(DISPERAL HP14:サソールジャパン株式会社)100部を固形分濃度28%となるように水に分散して分散液を得た。その分散液に固形分濃度8%のポリビニルアルコール(PVA245:株式会社クラレ)8部、ホウ酸(オルトホウ酸)0.2部添加し、固形分濃度20%になるように塗布液濃度を調節し、上塗り層塗布液1を得た。
<上塗り層塗布液2の調製>
カチオンポリマー(シャロールDC902P:第一工業製薬)1.5部を分散剤とし、気相法シリカ(アエロジル130:日本アエロジル株式会社)100部を固形分濃度20%となるように水に分散して分散液を得た。その分散液に固形分濃度8%のポリビニルアルコール(PVA245:株式会社クラレ)15部、ホウ酸(オルトホウ酸)0.2部添加し、固形分濃度15%になるように塗布液濃度を調節し、上塗り層塗布液2を得た。
<上塗り層塗布液3の調製>
カチオンポリマー(シャロールDC902P:第一工業製薬)2部を分散剤とし、気相法シリカ(アエロジル200:日本アエロジル株式会社)100部を固形分濃度20%となるように水に分散して分散液を得た。その分散液に固形分濃度8%のポリビニルアルコール(PVA245:株式会社クラレ)20部、ホウ酸(オルトホウ酸)0.2部添加し、固形分濃度15%になるように塗布液濃度を調節し、上塗り層塗布液3を得た。
<上塗り層塗布液4の調製>
スルファミン酸1.5部を分散剤とし、アルミナ水和物(DISPERAL HP14:サソールジャパン株式会社)100部を固形分濃度28%となるように水に分散して分散液を得た。その分散液にウレタンエマルジョンバインダー(スーパーフレックス600:第一工業製薬株式会社)12部、ホウ酸(オルトホウ酸)0.2部添加し、固形分濃度20%になるように塗布液濃度を調節し、上塗り層塗布液4を得た。
<光沢発現層塗布液1の調製>
粒子径25nmのコロイダルアルミナ(DISPERAL P2:サソールジャパン株式会社)100部を固形分濃度10%となるように水に分散して分散液を得た。その分散液にポリビニルアルコール(PVA117:株式会社クラレ)を5部添加し、固形分濃度5%になるように塗布液濃度を調節し、光沢発現層塗布液1を得た。
<光沢発現層塗布液2の調製>
粒子径12nmのコロイダルシリカ(ルドックスHS40:グレースジャパン株式会社)100部と固形分濃度50%、B型粘度は16mPa・s(20℃)のポリ水酸化アルミニウム(ピュラケムWT:株式会社理研グリーン)100部を固形分濃度10%となるように調整し、カチオン化したコロイダルシリカ分散液を得た。その分散液にポリビニルアルコール(PVA117:株式会社クラレ)を5部添加し、固形分濃度5%になるように塗布液濃度を調節し、光沢発現層塗布液2を得た。尚、この水溶性カチオンポリマーの粘度インデックスは2.4であった。
<光沢発現層塗布液3の調製>
粒子径22nmのコロイダルシリカ(ルドックスTM50:グレースジャパン株式会社)100部と固形分濃度50%、B型粘度は16mPa・s(20℃)のポリ水酸化アルミニウム(ピュラケムWT:株式会社理研グリーン)100部を固形分濃度10%となるように調整し、カチオン化したコロイダルシリカ分散液を得た。その分散液にポリビニルアルコール(PVA117:株式会社クラレ)を5部添加し、固形分濃度5%になるように塗布液濃度を調節し、光沢発現層塗布液3を得た。尚、この水溶性カチオンポリマーの粘度インデックスは2.4であった。
<光沢発現層塗布液4の調製>
粒子径22nmのコロイダルシリカ(ルドックスTM50:グレースジャパン株式会社)100部と固形分濃度28%、B型粘度は15mPa・s(20℃)の水溶性カチオンポリマー(PAS H−1L:日東紡)100部を固形分濃度10%となるように調整し、カチオン化したコロイダルシリカ分散液を得た。その分散液にポリビニルアルコール(PVA117:株式会社クラレ)を5部添加し、固形分濃度5%になるように塗布液濃度を調節し、光沢発現層塗布液4を得た。尚、この水溶性カチオンポリマーの粘度インデックスは4.2であった。
<光沢発現層塗布液5の調製>
粒子径22nmのコロイダルシリカ(ルドックスTM50:グレースジャパン株式会社)100部と固形分濃度28%、B型粘度は70mPa・s(20℃)の水溶性カチオンポリマー(PAS H−5L:日東紡)100部を固形分濃度10%となるように調整し、カチオン化したコロイダルシリカ分散液を得た。その分散液にポリビニルアルコール(PVA117:株式会社クラレ)を5部添加し、固形分濃度5%になるように塗布液濃度を調節し、光沢発現層塗布液5を得た。尚、この水溶性カチオンポリマーの粘度インデックスは6.6であった。
<光沢発現層塗布液6の調製>
粒子径22nmのコロイダルシリカ(ルドックスTM50:グレースジャパン株式会社)100部と固形分濃度28%、B型粘度は1000mPa・s(20℃)の水溶性カチオンポリマー(PAS H−10L:日東紡)100部を固形分濃度10%となるように調整し、カチオン化したコロイダルシリカ分散液を得た。その分散液にポリビニルアルコール(PVA117:株式会社クラレ)を5部添加し、固形分濃度5%になるように塗布液濃度を調節し、光沢発現層塗布液6を得た。尚、この水溶性カチオンポリマーの粘度インデックスは10.7であった。
<光沢発現層塗布液7の調製>
粒子径22nmのコロイダルシリカ(ルドックスTM50:グレースジャパン株式会社)100部と固形分濃度40%、B型粘度は35mPa・s(20℃)の水溶性カチオンポリマー(PAA HCL−05:日東紡)100部を固形分濃度10%となるように調整し、カチオン化したコロイダルシリカ分散液を得た。その分散液にポリビニルアルコール(PVA117:株式会社クラレ)を5部添加し、固形分濃度5%になるように塗布液濃度を調節し、光沢発現層塗布液7を得た。尚、この水溶性カチオンポリマーの粘度インデックスは3.9であった。
<光沢発現層塗布液8の調製>
粒子径22nmのコロイダルシリカ(ルドックスTM50:グレースジャパン株式会社)100部と固形分濃度40%、B型粘度は1200mPa・s(20℃)の水溶性カチオンポリマー(PAA HCL−10L:日東紡)100部を固形分濃度10%となるように調整し、カチオン化したコロイダルシリカ分散液を得た。その分散液にポリビニルアルコール(PVA117:株式会社クラレ)を5部添加し、固形分濃度5%になるように塗布液濃度を調節し、光沢発現層塗布液8を得た。尚、この水溶性カチオンポリマーの粘度インデックスは7.7であった。
<光沢発現層塗布液9の調製>
粒子径22nmのコロイダルシリカ(ルドックスTM50:グレースジャパン株式会社)100部を固形分濃度10%となるように調整し、分散液を得た。その分散液にポリビニルアルコール(PVA117:株式会社クラレ)を5部添加し、固形分濃度5%になるように塗布液濃度を調節し、光沢発現層塗布液9を得た。
参考例1
支持体上に下塗り層塗布液2をエアーナイフコーターにて固形分塗布量10g/mとなるように塗布、乾燥し、ホウ素化合物量が0.32g/mの下塗り層を設けた。次に下塗り層上に上塗り層塗布液1をエアーナイフコーターにて固形分塗布量15g/mとなるよう塗布、乾燥し、上塗り層を設けた。次に光沢発現層塗布液3をエアーナイフコーターで1g/mとなるよう塗布、乾燥し、光沢発現層を設けた。次に線圧100kN/m、速度200m/minの条件で光沢インク受理層面が金属ロール面に2回当たるようにソフトカレンダー処理を行い、参考例1のインクジェット記録材料を得た。
参考例2
支持体上に下塗り層塗布液3をエアーナイフコーターにて固形分塗布量10g/mとなるように塗布、乾燥し、ホウ素化合物量が0.62g/mの下塗り層を設けた。次に下塗り層上に上塗り層塗布液1をエアーナイフコーターにて固形分塗布量15g/mとなるよう塗布、乾燥し、上塗り層を設けた。次に光沢発現層塗布液3をエアーナイフコーターで1g/mとなるよう塗布、乾燥し、光沢発現層を設けた。次に線圧100kN/m、速度200m/minの条件で光沢インク受理層面が金属ロール面に2回当たるようにソフトカレンダー処理を行い、参考例2のインクジェット記録材料を得た。
参考例3
支持体上に下塗り層塗布液3をエアーナイフコーターにて固形分塗布量10g/mとなるように塗布、乾燥し、ホウ素化合物量が0.62g/mの下塗り層を設けた。次に下塗り層上に上塗り層塗布液1をエアーナイフコーターにて固形分塗布量15g/mとなるよう塗布、乾燥し、上塗り層を設けた。次に光沢発現層塗布液1をエアーナイフコーターで1g/mとなるよう塗布、乾燥し、光沢発現層を設けた。次に線圧100kN/m、速度200m/minの条件で光沢インク受理層面が金属ロール面に2回当たるようにソフトカレンダー処理を行い、参考例3のインクジェット記録材料を得た。
参考例4
支持体上に下塗り層塗布液3をエアーナイフコーターにて固形分塗布量10g/mとなるように塗布、乾燥し、ホウ素化合物量が0.62g/mの下塗り層を設けた。次に下塗り層上に上塗り層塗布液1をエアーナイフコーターにて固形分塗布量15g/mとなるよう塗布、乾燥し、上塗り層を設けた。次に光沢発現層塗布液2をエアーナイフコーターで1g/mとなるよう塗布、乾燥し、光沢発現層を設けた。次に線圧100kN/m、速度200m/minの条件で光沢インク受理層面が金属ロール面に2回当たるようにソフトカレンダー処理を行い、参考例4のインクジェット記録材料を得た。
(実施例
支持体上に下塗り層塗布液3をエアーナイフコーターにて固形分塗布量10g/mとなるように塗布、乾燥し、ホウ素化合物量が0.62g/mの下塗り層を設けた。次に下塗り層上に上塗り層塗布液1をエアーナイフコーターにて固形分塗布量15g/mとなるよう塗布、乾燥し、上塗り層を設けた。次に光沢発現層塗布液4をエアーナイフコーターで1g/mとなるよう塗布、乾燥し、光沢発現層を設けた。次に線圧100kN/m、速度200m/minの条件で光沢インク受理層面が金属ロール面に2回当たるようにソフトカレンダー処理を行い、実施例のインクジェット記録材料を得た。
(実施例
支持体上に下塗り層塗布液3をエアーナイフコーターにて固形分塗布量10g/mとなるように塗布、乾燥し、ホウ素化合物量が0.62g/mの下塗り層を設けた。次に下塗り層上に上塗り層塗布液1をエアーナイフコーターにて固形分塗布量15g/mとなるよう塗布、乾燥し、上塗り層を設けた。次に光沢発現層塗布液7をエアーナイフコーターで1g/mとなるよう塗布、乾燥し、光沢発現層を設けた。次に線圧100kN/m、速度200m/minの条件で光沢インク受理層面が金属ロール面に2回当たるようにソフトカレンダー処理を行い、実施例のインクジェット記録材料を得た。
(比較例1)
支持体上に下塗り層塗布液1をエアーナイフコーターにて固形分塗布量10g/m2となるように塗布、乾燥し、ホウ素化合物量が0g/m2の下塗り層を設けた。次に下塗り層上に上塗り層塗布液1をエアーナイフコーターにて固形分塗布量15g/m2となるよう塗布、乾燥し、上塗り層を設けた。次に光沢発現層塗布液3をエアーナイフコーターで1g/m2となるよう塗布、乾燥し、光沢発現層を設けた。次に線圧100kN/m、速度200m/minの条件で光沢インク受理層面が金属ロール面に2回当たるようにソフトカレンダー処理を行い、比較例1のインクジェット記録材料を得た。
(比較例2)
支持体上に下塗り層塗布液3をエアーナイフコーターにて固形分塗布量10g/m2となるように塗布、乾燥し、ホウ素化合物量が0.6g/m2の下塗り層を設けた。次に下塗り層上に上塗り層塗布液2をエアーナイフコーターにて固形分塗布量15g/m2となるよう塗布、乾燥し、上塗り層を設けた。次に光沢発現層塗布液3をエアーナイフコーターで1g/m2となるよう塗布、乾燥し、光沢発現層を設けた。次に線圧100kN/m、速度200m/minの条件で光沢インク受理層面が金属ロール面に2回当たるようにソフトカレンダー処理を行い、比較例2のインクジェット記録材料を得た。
(比較例3)
支持体上に下塗り層塗布液3をエアーナイフコーターにて固形分塗布量10g/m2となるように塗布、乾燥し、ホウ素化合物量が0.6g/m2の下塗り層を設けた。次に下塗り層上に上塗り層塗布液3をエアーナイフコーターにて固形分塗布量15g/m2となるよう塗布、乾燥し、上塗り層を設けた。次に光沢発現層塗布液3をエアーナイフコーターで1g/m2となるよう塗布、乾燥し、光沢発現層を設けた。次に線圧100kN/m、速度200m/minの条件で光沢インク受理層面が金属ロール面に2回当たるようにソフトカレンダー処理を行い、比較例3のインクジェット記録材料を得た。
(比較例4)
支持体上に下塗り層塗布液3をエアーナイフコーターにて固形分塗布量10g/m2となるように塗布、乾燥し、ホウ素化合物量が0.6g/m2の下塗り層を設けた。次に下塗り層上に上塗り層塗布液4をエアーナイフコーターにて固形分塗布量15g/m2となるよう塗布、乾燥し、上塗り層を設けた。次に光沢発現層塗布液3をエアーナイフコーターで1g/m2となるよう塗布、乾燥し、光沢発現層を設けた。次に線圧100kN/m、速度200m/minの条件で光沢インク受理層面が金属ロール面に2回当たるようにソフトカレンダー処理を行い、比較例4のインクジェット記録材料を得た。
(比較例5)
支持体上に下塗り層塗布液3をエアーナイフコーターにて固形分塗布量10g/m2となるように塗布、乾燥し、ホウ素化合物量が0.6g/m2の下塗り層を設けた。次に下塗り層上に上塗り層塗布液1をエアーナイフコーターにて固形分塗布量15g/m2となるよう塗布、乾燥し、上塗り層を設けた。次に光沢発現層塗布液5をエアーナイフコーターで1g/m2となるよう塗布、乾燥し、光沢発現層を設けた。次に線圧100kN/m、速度200m/minの条件で光沢インク受理層面が金属ロール面に2回当たるようにソフトカレンダー処理を行い、比較例5のインクジェット記録材料を得た。
(比較例6)
支持体上に下塗り層塗布液3をエアーナイフコーターにて固形分塗布量10g/m2となるように塗布、乾燥し、ホウ素化合物量が0.6g/m2の下塗り層を設けた。次に下塗り層上に上塗り層塗布液1をエアーナイフコーターにて固形分塗布量15g/m2となるよう塗布、乾燥し、上塗り層を設けた。次に光沢発現層塗布液6をエアーナイフコーターで1g/m2となるよう塗布、乾燥し、光沢発現層を設けた。次に線圧100kN/m、速度200m/minの条件で光沢インク受理層面が金属ロール面に2回当たるようにソフトカレンダー処理を行い、比較例6のインクジェット記録材料を得た。
(比較例7)
支持体上に下塗り層塗布液3をエアーナイフコーターにて固形分塗布量10g/m2となるように塗布、乾燥し、ホウ素化合物量が0.6g/m2の下塗り層を設けた。次に下塗り層上に上塗り層塗布液1をエアーナイフコーターにて固形分塗布量15g/m2となるよう塗布、乾燥し、上塗り層を設けた。次に光沢発現層塗布液8をエアーナイフコーターで1g/m2となるよう塗布、乾燥し、光沢発現層を設けた。次に線圧100kN/m、速度200m/minの条件で光沢インク受理層面が金属ロール面に2回当たるようにソフトカレンダー処理を行い、比較例7のインクジェット記録材料を得た。
(比較例8)
支持体上に下塗り層塗布液3をエアーナイフコーターにて固形分塗布量10g/m2となるように塗布、乾燥し、ホウ素化合物量が0.6g/m2の下塗り層を設けた。次に下塗り層上に上塗り層塗布液1をエアーナイフコーターにて固形分塗布量15g/m2となるよう塗布、乾燥し、上塗り層を設けた。次に光沢発現層塗布液9をエアーナイフコーターで1g/m2となるよう塗布、乾燥し、光沢発現層を設けた。次に線圧100kN/m、速度200m/minの条件で光沢インク受理層面が金属ロール面に2回当たるようにソフトカレンダー処理を行い、比較例8のインクジェット記録材料を得た。
(比較例9)
支持体上に下塗り層塗布液3をエアーナイフコーターにて固形分塗布量10g/m2となるように塗布、乾燥し、ホウ素化合物量が0.6g/m2の下塗り層を設けた。次に下塗り層上に上塗り層塗布液1をエアーナイフコーターにて固形分塗布量15g/m2となるよう塗布、乾燥し、上塗り層を設けた。次に線圧100kN/m、速度200m/minの条件で光沢インク受理層面が金属ロール面に2回当たるようにソフトカレンダー処理を行い、比較例9のインクジェット記録材料を得た。
以上のようにして、作製した実施例、参考例及び比較例のインクジェット記録材料について、下記の試験を行った。その結果を表1に示す。
<粘度インデックスの測定>
粘度インデックスは下記(1)式により測定された。
尚、(1)式中のvは水溶性カチオンポリマー水溶液の20℃におけるB型粘度(mPa・s)、Cは水溶性カチオンポリマー水溶液の固形分濃度(質量%)である。
粘度インデックス=log(v)×100/C (1)式
<白紙部光沢性>
白紙部光沢性は、JIS−Z8741に準じて75度鏡面光沢度(%)の測定を行った。
<インク吸収性>
セイコーエプソン(株)製「MAXART PM−10000(プリンタ設定:フォトプリント紙、きれい)」を用いて画像を印刷し、インク吸収性について下記の基準で、総合的に評価を行った。尚、評価に用いた画像は黒、シアン、マゼンタ、イエロー、ブルー、レッド、グリーン各色のベタ印刷字およびその中に白抜き文字を設けたパターンなどからなる。
◎:倍率25倍の顕微鏡観察で各色のベタ印刷部境界や白抜き文字部に滲みが観察され
ず問題なし。
○:倍率25倍の顕微鏡観察で各色のベタ印刷部境界や白抜き文字部に僅かに滲みが観
察されるが実使用上問題なし。
△:目視観察で各色のベタ印刷部境界や白抜き文字部に僅かに滲みがあり実使用困難。
×:目視観察で各色のベタ印刷部境界や白抜き文字部に明確な滲みがあり実使用不可。
<インク発色性>
セイコーエプソン(株)製「MAXART PM−10000(プリンタ設定:フォトプリント紙、きれい)」を用いて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック各色のベタ印刷を行い、光学濃度をマクベス反射濃度計で測定し、各色の光学濃度の合計値を示した。数値が大きい方がインク発色性が良いことを意味する。
<インク耐水性>
セイコーエプソン(株)製「MAXART PM−10000(プリンタ設定:フォトプリント紙、きれい)」を用いて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック各色のベタ印刷を行い、各色のベタ印刷部と白紙部の境界上に純水を1滴(0.1g)滴下し、静置乾燥後の色滲みの発生程度を下記の基準で、総合的に評価を行った。
◎:各色ベタ印刷部境界や白紙部に滲みが観察されず問題ないレベル。
○:各色ベタ印刷部境界や白紙部に僅かに滲みが観察されるが実使用上問題ないレベル。
△:各色ベタ印刷部境界や白紙部に明確な滲みが観察され、実使用上問題のあるレベル。
×:各色ベタ印刷部境界や白紙部に顕著な滲みが観察され、実使用上重大な問題のある
レベル。
Figure 0005204524
表1の結果から明らかなように本発明の実施例1および2のインクジェット記録材料は高光沢と高発色性を有し、保存性とインク吸収性に優れたインクジェット記録材料であることがわかる。

比較例として挙げた比較例1は下塗り層にホウ素化合物を含有しておらず、上塗り層塗布液中のポリビニルアルコールとの架橋が発生しないため、上塗り層塗設乾燥時に表面亀裂が大量に発生する。そのため、光沢発現層塗布液中のコロイド粒子が上塗り層の表面亀裂に埋没することとなるために、光沢発現層による光沢が発現していないことがわかる。
比較例として挙げた比較例2は上塗り層の無機超微粒子に気相法シリカ(アエロジル130:比表面積が130m2/g、一次粒子径が16nm)が用いられている。このアエロジル130は比表面積が130m2/gと比較的小さいために表面亀裂が発生しにくく、光沢発現層塗設による光沢向上が認められる。但し、一次粒子径が16nmと大きいため、インク発色性に悪影響が見られている。
比較例として挙げた比較例3も上塗り層の無機超微粒子に気相法シリカ(アエロジル200:比表面積が200m2/g、一次粒子径が12nm)が用いられている。このアエロジル200は比表面積が200m2/gとアエロジル130より大きくなっている。このため、上塗り液のバインダー量を増加させているにも関わらず、表面亀裂が発生しており、光沢発現層による光沢発現が認められなかった。また、インク発色性もアエロジル130に比べれば改善しているものの不充分なレベルである。
比較例として挙げた比較例4は上塗り液のバインダーにポリビニルアルコールを適用していない。このため下塗り液のホウ素化合物との架橋が発生しておらず、上塗り液に表面亀裂の発生が見られる。このために光沢が発現していないことがわかる。
比較例として挙げた比較例5〜7は光沢発現層に用いられた水溶性カチオンポリマーの粘度インデックスが5を超えている。このために光沢発現層の被膜形成が大きくなりすぎ、インク吸収性に悪影響を与えていることがわかる。更に、インクが塗層に吸収されにくいためにカチオン処理された無機微粒子表面にインク色素が充分に吸着しないためにインク耐水性も充分に発現していない。
比較例として挙げた比較例8は光沢発現層に水溶性カチオンポリマーを使用していないために、インク耐水性が全く満足できるレベルではない。
比較例として挙げた比較例9は光沢発現層を塗設していないため光沢とインク耐水性レベルが全く満足できるレベルではない。

Claims (1)

  1. 吸収性支持体上に、下塗り層、上塗り層、光沢発現層が順次塗設されたインクジェット記録材料において、少なくとも下塗り層に0.2g/m以上のホウ素化合物を含有し、上塗り層にアルミナ水和物を主体とする無機超微粒子及びバインダー成分としてポリビニルアルコールを含有し、更に光沢発現層が下記(1)式から求められる粘度インデックスが5以下の水溶性カチオンポリマー存在下で水中分散することによってカチオン化処理されたコロイダルシリカを主体とし、水溶性カチオンポリマーが水溶液の固形分濃度28質量%で粘度インデックス5以下となるジメチルジアリルアンモニウムクロライドポリマーまたは水溶液の固形分濃度40質量%で粘度インデックス5以下であるポリアリルアミン塩酸塩ポリマーであることを特徴とするインクジェット記録材料。
    粘度インデックス=log(v)×100/C (1)式
    v:水溶性カチオンポリマー水溶液の20℃におけるB型粘度(mPa・s)
    C:水溶性カチオンポリマー水溶液の固形分濃度(質量%)
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