JP4533397B2 - インクジェット記録媒体 - Google Patents

インクジェット記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP4533397B2
JP4533397B2 JP2007089676A JP2007089676A JP4533397B2 JP 4533397 B2 JP4533397 B2 JP 4533397B2 JP 2007089676 A JP2007089676 A JP 2007089676A JP 2007089676 A JP2007089676 A JP 2007089676A JP 4533397 B2 JP4533397 B2 JP 4533397B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
ink
recording medium
ink receiving
pva
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007089676A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008246791A (ja
Inventor
正径 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2007089676A priority Critical patent/JP4533397B2/ja
Priority to US12/052,412 priority patent/US20080241436A1/en
Publication of JP2008246791A publication Critical patent/JP2008246791A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4533397B2 publication Critical patent/JP4533397B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/502Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording characterised by structural details, e.g. multilayer materials

Description

本発明は、印画濃度が非常に高く、かつブロンジング発生が抑制されるのに好適なインクジェット記録媒体に関する。
近年の情報技術産業の急速な発展に伴ない、種々の情報処理システムが開発されると共に、各々の情報処理システムに適した記録方法及び記録装置も実用化されている。これらの中でも、インクジェット記録方法は、多種の被記録材料に記録可能なこと、ハード(装置)が比較的安価でコンパクトであること、静粛性に優れること等の利点から広く利用されるようになっている。そして、インクジェット記録方法を利用した記録では、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得ることも可能になってきている。
インクジェット記録用の記録材料は一般に、(1)速乾性があること(インクの吸収速度が大きいこと)、(2)ドット径が適正で均一であること(滲みのないこと)、(3)粒状性が良好であること、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこと)、(7)画像部の耐水性や耐光性、耐オゾン性が良好なこと、(8)白色度が高いこと、(9)保存安定性が高いこと(長期保存で黄変着色や画像の滲みのないこと)、(10)変形しにくく寸法安定性が良好であること(低カールであること)、(11)ハード走行性が良好なこと等の特性を持つことが求められている。
上記に鑑み、近年ではインクを受容する層が多孔質構造を有する記録材料が実用化されている。これによれば、速乾性に優れ、高い光沢が得られるとされている。ところが、記録画像に対する品質は常に高いものが求められる傾向にあり、特に画像の色濃度、色合いに対する要求は厳しい。例えば、画像のコントラストや濃淡のメリハリ等の点では高濃度域が濃色であること、色合いや彩り等の点ではブロンジングなどの発生がないことが重要である。
上記に関連して、少なくとも2層のインク受容層を有し、支持体に近いインク受容層(A)が気相法シリカと鹸化度が75〜95%のポリビニルアルコールを含有し、支持体から離れたインク受容層(B)がアルミナ、もしくはアルミナ水和物と鹸化度が95〜100%のポリビニルアルコールを含有するインクジェット用記録材料が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この文献では、高光沢でインク吸収性及び印字濃度が良好であるとされている。
特開2004−223992号公報
上記したインク受容層(A)及び(B)を有するインクジェット用記録材料では、上層に高ケン化度のPVAを使用しているためブロンジングの抑制効果は得られるが、下層に気相法シリカを使用しているため、ひび割れ防止のためにバインダーを多く使用しなければならず、水性染料インクで印字した後に受像層が濁りやすくなる。そのため、インク受容層に深く染み込む水性染料の場合、高い印画濃度が得られにくく、擬ベーマイト単独のインク受像層のような圧倒的に高い印画濃度を得ることは難しい。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、擬ベーマイト状アルミナ水和物を用いたインク受容層でのブロンジングの発生を抑制し、かつ圧倒的に高い画像濃度が得られるインクジェット記録媒体を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 耐水性支持体上に、擬ベーマイト状アルミナ水和物を含有するインク受容層を少なくとも2層有し、前記2層のインク受容層のうち、前記耐水性支持体から遠い側の上層は、ケン化度9〜99%、平均重合度1500〜4500のポリビニルアルコール(B1)と架橋剤としてホウ酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種とを更に含み、前記耐水性支持体に近い側の下層は、ケン化度75%〜90%、平均重合度2000〜8000のポリビニルアルコール(B2)と架橋剤としてホウ酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種とを更に含むインクジェット記録媒体である。
<2> 前記少なくとも2層のインク受容層の前記耐水性支持体から最も離れた最上層は、前記擬ベーマイト状アルミナ水和物(A)と前記ポリビニルアルコール(B1)との質量比率(A/B1)が8以下であることを特徴とする前記<1>に記載のインクジェット記録媒体である。
<3> 前記少なくとも2層のインク受容層の前記耐水性支持体から最も離れた最上層は、四級アンモニウム塩型のカチオンポリマーを更に含有することを特徴とする前記<1>又は<2>に記載のインクジェット記録媒体である。
<4> 前記下層は、前記擬ベーマイト状アルミナ水和物(A)と前記ポリビニルアルコール(B2)の質量比率(A/B2)が10以上であることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体である。
<5> 前記ポリビニルアルコール(B1)及び前記ポリビニルアルコール(B2)の少なくとも一方は、平均重合度が3000以上であることを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体である。
<6> 前記インク受容層上に、コロイダルシリカを含有する層を更に有することを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体である。
本発明によれば、擬ベーマイト状アルミナ水和物を用いたインク受容層でのブロンジングの発生を抑制し、かつ圧倒的に高い画像濃度が得られるインクジェット記録媒体を提供することができる。
以下、本発明のインクジェット記録媒体について詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録媒体は、耐水性支持体(以下、単に支持体ともいう。)上に、擬ベーマイト状アルミナ水和物を含有するインク受容層を少なくとも2層設けて構成されており、この2層のインク受容層のうち、耐水性支持体から遠い側の上層をケン化度ケン化度9〜99%、平均重合度1500〜4500のポリビニルアルコール(以下、「高ケン化PVA」ともいう。)と架橋剤としてホウ酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種とを更に用いて構成し、耐水性支持体に近い側の下層をケン化度75%〜90%、平均重合度2000〜8000のポリビニルアルコール(以下、「低ケン化PVA」ともいう。)と架橋剤としてホウ酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種とを更に用いて構成したものである。
本発明においては、擬ベーマイト状アルミナ水和物を用いてインク受容層を構成する場合に、インク受容層を多層構造に構成して機能分離することで、受像層の細孔径分布を深さ方向に持たせることが可能である。また、多層構造を構成する2層について、上層側に高ケン化度のPVAを用いることで、ブロンジングの発生を抑制すると共に、下層側に低ケン化度のPVAを用いることで、インク溶媒が浸透した後(つまり記録後)のヘイズを低めることができるので、透明性を確保することができる。
上層側に高ケン化度のPVAを使用することによりブロンジングが抑制される理由は明らかになっていない。擬ベーマイトアルミナは、高ケン化度のPVAほど水素結合によるゲル化が起こりやすく、細孔径が大きくなり、インク吸収速度が速くなる、および、高ケン化度のPVAほどアルミナ表面に吸着しやすくなり、アルミナ表面での染料会合が起こりにくくなっていること等が、ブロンジング抑制に効いているものと推定される。
上記の理由から、圧倒的に高濃度の画像が得られ、記録画像のブロンジングを効果的に低減することができると推定される。
なお、ブロンジングとは、付与されたインクがインク受容層中に染み込まず、表面に固まることにより画像がブロンズ色(特にシアン画像部が赤っぽい色)に見える現象をいう。
本発明におけるインク受容層が2層からなる積層構造の場合は、支持体側の層が下層であり、下層よりも支持体から離れた層が上層である。また、インク受容層が3層以上の積層構造である場合は、3層以上の層から任意の2層を選択し、選択した2層のうち、支持体に近い側の層を下層とし、下層より支持体から離れて位置する層を上層とする。
また、本発明における最上層は、インク受容層が2層からなる場合は支持体から離れた前記上層をいい、インク受容層が3層以上からなる場合は、支持体から最も離れた層をいう。
本発明のインクジェット記録媒体は、耐水性支持体上に、2層もしくは3層以上のインク受容層を設けてなり、必要に応じて、他の層を設けて構成することができる。
本発明におけるインク受容層が2層からなる場合、支持体側の下層は、擬ベーマイト状アルミナ水和物と低ケン化PVAとホウ酸及び/又はその塩とを少なくとも含み、上層は擬ベーマイト状アルミナ水和物と高ケン化PVAとホウ酸及び/又はその塩を含み、両層は必要に応じて更に、擬ベーマイト状アルミナ水和物以外の無機微粒子、上記以外のPVA、他のバインダーや架橋剤、媒染剤などの他の成分を含有することができる。
また、本発明におけるインク受容層が3層以上からなる場合、3層以上の層から選択された2層のうち、下層は擬ベーマイト状アルミナ水和物と低ケン化PVAとホウ酸及び/又はその塩とを少なくとも含み、上層は擬ベーマイト状アルミナ水和物と高ケン化PVAとホウ酸及び/又はその塩を少なくとも含む。該2層以外のインク受容層は、任意の層構成を選択することができるが、好ましくは、無機微粒子(好ましくは擬ベーマイト状アルミナ水和物)とバインダー(好ましくはPVA)と架橋剤(好ましくはホウ酸又はその塩)とを含有する。上層及び下層の2層は、必要に応じて更に、上記以外のPVAや他のバインダー、架橋剤、媒染剤などの他の成分を含有することができる。
本発明におけるインク受容層である少なくとも上層及び下層の2層は、擬ベーマイト状アルミナ水和物を主体とした無機微粒子を主に含有する層である。ここで、無機微粒子を主に含有するとは、インク受容層を構成する全固形分に対する含有量が50質量%以上であることを意味し、好ましくは60質量%、特に好ましくは65質量%以上であることを意味する。
以下、インク受容層を構成する各成分について詳細に説明する。
−擬ベーマイト状アルミナ水和物−
本発明のインクジェット記録媒体は、多層からなるインク受容層の少なくとも2層は、少なくとも擬ベーマイト状アルミナ水和物の少なくとも一種を含有する。多層を形成する少なくとも2層がアルミナ水和物を用いて構成されることにより、気相法シリカ等に比べてバインダーの量を大きく減らすことが可能であり、インク吸収後の透明性が大きく向上し、圧倒的に高濃度の画像を記録できる。また、インク吸収性及びその吸収速度を向上させることができる。
本発明における擬ベーマイト状アルミナ水和物は、Al・nHO(1<n<3)の構成式で表され、nが1より大きく3未満であるときのアルミナ水和物をさす。
アルミナ水和物の平均細孔半径としては、インク受容層のインク吸収速度を良好にする点で、1〜10nmであることが好ましく、特に2〜7nmであることが好ましい。平均細孔半径が前記範囲内であると、インク吸収性が良好であり、インク中の染料の定着が良好で画像滲みの発生も回避できる。
アルミナ水和物の細孔容積としては、インク受容層のインク吸収容量を良好にする点で、0.1〜0.8ml/gの範囲が好ましく、特に0.4〜0.6ml/gの範囲が好ましい。インク受容層の細孔容積が前記範囲内であると、インク受容層でのクラックや粉落ちの発生を回避でき、インクの吸収が良好になる。また、細孔半径2nm〜10nmにおける細孔容積は0.1ml/g以上であるのが望ましい。この範囲内であると、インク中の染料の吸着が良好になる。さらに、インク受容層の単位面積当たりの溶媒吸収量としては、5ml/m以上が好ましく、特に好ましくは10ml/m以上である。単位面積当たりの溶媒吸収量が前記範囲内であると、特に多色印字を行なった場合のインク溢れを防止できる。
アルミナ水和物がインク中の染料を充分に吸収し、定着するためには、アルミナ水和物のBET比表面積が70〜300m/gの範囲であることが好ましい。BET比表面積が前記範囲内であると、アルミナ水和物の分散を良好に行なえると共に、細孔径分布が片寄らずにインク中の染料の定着効率が良好になり、画像滲みも回避できる。
アルミナ水和物の分散液の濃度を上げるためには、アルミナ水和物の表面水酸基の数は1020個/g以上であることが好ましい。表面水酸基の数が少ないと、アルミナ水和物が凝集しやすくなり、分散液の濃度を上げるのが困難になる。
また、アルミナ水和物の分散液を安定化させるために、通常は種々の酸類が分散液に添加される。このような酸類としては、硝酸、塩酸、臭化水素酸、酢酸、蟻酸、塩化第二鉄、塩化アルミニウム等を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、アルミナ水和物は、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等公知の方法によって製造することができる。また、アルミナ水和物の粒子径、細孔径、細孔容積、比表面積、表面水酸基の数等は、析出温度、熟成時間、液pH、液濃度、共存塩類等によって制御することができる。
例えば、特開昭57−88074号、同62−56321号、特開平4−275917号、同6−64918号、同7−10535号、同7−267633号公報、米国特許第2,656,321号明細書、Am.Ceramic Soc.Bull.,54,289(1975)等にアルミニウムアルコキシドを加水分解する方法が開示されている。これらのアルミニウムアルコキシドとしてはイソプロポキシド、プロポキシド、2−ブトキシド等が挙げられる。この方法では非常に純度の高いアルミナ水和物を得ることができる。
その他、アルミナ水和物を得る方法としては、特開昭54−116398号、同55−23034号、同55−27824号、同56−120508号等の各公報に例示されているように、アルミニウムの無機塩またはその水和物を原料として得る方法が一般的である。これらの無機塩としては、例えば、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、アンモニウムミョウバン、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、水酸化アルミニウム等の無機塩等、及びこれら無機塩の水和物等を挙げることができる。
具体的には、例えば、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の酸性のアルミニウム塩水溶液と、アルミン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア水等の塩基性水溶液との中和反応によって、アルミナ水和物を製造することができる。この場合、液中に生成するアルミナ水和物の量が5質量%を超えない範囲で混合し、pHは6〜10、温度20〜100℃の条件下で反応させることが一般的である。また、特開昭56−120508号公報に記載の、pHを酸側及び塩基側に交互に変動させてアルミナ水和物の結晶を成長させる方法、特公平4−33728号公報に記載の、アルミニウムの無機塩から得られるアルミナ水和物とバイヤー法で得られるアルミナとを混合し、アルミナを再水和する方法、等によっても製造することができる。
アルミナ水和物の一次粒子の平均粒径(平均一次粒子径)は、5〜50nmが好ましい。より高い光沢を得るためには、平均一次粒子径が5〜20nmであって、かつ平均アスペクト比(平均厚さに対する平均粒径の比)が2以上の平板状又は棒状の粒子を用いるのが好ましい。
アルミナ水和物の平均一次粒子径は、市販品メーカー公称値を用いればよい。
作製した記録媒体から平均一次粒子径を測定する場合は、インク受容層を削りだした後、熱水により樹脂成分を除く処理を行なった後、遠心分離により粒子のみを回収する等の処理を行ない、得られた粒子をTEM(透過型電子顕微鏡)による観察により求めることができる。このとき、例えば、基準サンプルとしてインク受容層用塗布液のみを塗布したサンプルについて同様の処理を行ない、その測定値(平均値)を使用したアルミナ水和物粒子の既知の粒子径(nm)と対比し、対比により得た値の差分から、作製した記録媒体における測定値(平均値)を比例計算して換算することにより、作製した記録媒体における平均一次粒子径を求めることができる。なお、平均一次粒子径を求めるためには、測定粒子数として100〜3000個程度は必要である。
擬ベーマイト状アルミナ水和物のインク受容層中における含有量としては、60〜95質量%が好ましく、70〜90質量%がより好ましい。擬ベーマイト状アルミナ水和物の含有量が前記範囲内であると、層の透明性及び圧倒的に高い画像濃度を得ながら、画像におけるブロンジングを効果的に防止できる。
−ポリビニルアルコール−
(1)高ケン化PVA
インクジェット記録媒体を構成する2層のインク受容層のうちの上層は、擬ベーマイト状アルミナ水和物と共に、ケン化度90%以上のポリビニルアルコール(高ケン化PVA)の少なくとも一種を含有する。少なくとも2層から形成されるインク受容層の上層に高ケン化のPVAを含有することにより、ブロンジングの発生を抑制でき、更には層表面の耐傷性を向上させる効果が得られる。
上層に含有する高ケン化PVAのケン化度が90%未満であると、ブロンジングが頻出したり、傷がつきやすく、更には塗膜強度が弱くなって、クラックが入りやすくなる。
高ケン化PVAの好ましいケン化度は、ブロンジングの低減及び耐傷性向上と共に、アルミナ水和物との反応性を抑えて塗布液調製時のゲル化を防ぐ観点から、90%以上100%未満である。ブロンジングの低減及び耐傷性の観点から、95以上100%未満が更に好ましい。
本発明において、ケン化度は、ポリビニルアルコール中の残存酢酸基を既知量の水酸化ナトリウムにより反応させ、その水酸化ナトリウムの消費量からポリビニルアルコールにおけるケン化割合を求めることにより得られる。
高ケン化PVAの平均重合度としては、多孔質膜の作りやすさの点で、500〜5000が好ましく、より好ましくは1500〜4500であり、更に高濃度を得る点から3000〜4500が特に好ましい。この平均重合度とモノマーの式量(分子量)との積から分子量を求められる。
擬ベーマイト状アルミナ水和物(A)とポリビニルアルコール(B1;高ケン化PVA)との質量比率(A/B1)としては、ブロンジング防止の観点で、8以下が好ましく、より好ましくは4〜7である。比率A/B1が7以下であると、擬ベーマイト状アルミナ水和物に対する高ケン化のPVAの割合を多くできるので、透明性及び画像濃度を維持しながら、ブロンジングの発生を効果的に向上させることができる。また、比率A/B1を4以上にすることにより、ブロンジングの低減と共に、高濃度が得られ、耐傷性及び空隙率(すなわちインク吸収性)が向上する。
高ケン化PVAのインク受容層中における含有量としては、8〜25質量%が好ましく、10〜20質量%が好ましい。高ケン化PVAの含有量が前記範囲内であると、成膜性が良好で層のクラックや粉落ちを防止できるほか、層の透明性を保ち、画像のブロンジングを効果的に防止できる。
(2)低ケン化PVA
インクジェット記録媒体を構成する2層のインク受容層のうちの下層は、擬ベーマイト状アルミナ水和物と共に、ケン化度90%未満のポリビニルアルコール(低ケン化PVA)の少なくとも一種を含有する。少なくとも2層から形成されるインク受容層の下層に低ケン化のPVAを含有することにより、層の透明性を向上でき、更に、染料インクによる記録後のインク受像層の透明性が向上して、画像濃度が大きく向上する。
下層に含有する低ケン化PVAのケン化度が90%以上であると、インクの溶媒浸透後(記録後)のヘイズが悪化しやすく、アルミナ水和物を用いて層構成したことによる濃度の向上効果が損なわれ、高濃度の画像が得られにくくなる。
低ケン化PVAの好ましいケン化度は、透明性、空隙率(すなわちインク吸収性)を高め、高濃度を得る観点から、75%以上90%以下が好ましく、更には85%以上90%以下が好ましい。
低ケン化PVAの平均重合度としては、インク溶媒吸収後のヘーズ悪化抑制の点で、2000〜8000が好ましく、より好ましくは2500〜6000であり、更に高濃度を得る点から3000〜5000が特に好ましい。この平均重合度とモノマーの式量(分子量)との積から分子量を求められる。
擬ベーマイト状アルミナ水和物(A)とポリビニルアルコール(B2;低ケン化PVA)との質量比率(A/B2)としては、10以上が好ましく、より好ましくは10〜15である。比率A/B2が10以上であると、PVAに対する擬ベーマイト状アルミナ水和物の割合が多く、透明性の良好な下層が得られ、濃度が圧倒的に高い画像記録が可能で、しかも耐傷性及び空隙率(すなわちインク吸収性)を向上させることができる。
低ケン化PVAのインク受容層中における含有量としては、5〜10質量%が好ましく、6〜8質量%がより好ましい。低ケン化PVAの含有量が前記範囲内であると、インク中の溶媒浸透後におけるヘイズの小さい透明性の層が得られ、高い画像濃度が得られる。
本発明における上層及び下層(インク受容層)には、上記のポリビニルアルコール(PVA)以外に、後述する他のバインダーを併用することができる。また、上層及び下層以外にさらに他のインク受容層を有するときには、他のインク受容層は、上記のポリビニルアルコール(PVA)及び下記他のバインダーの中から適宜選択して含有することができる。
−架橋剤−
2層のインク受容層を構成する上層及び下層はいずれも、架橋剤として、ホウ酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種を含有する。架橋剤を含有することにより、前記高ケン化PVA及び低ケン化PVA並びに必要に応じて含有するバインダーを架橋して硬膜することができる。これより、擬ベーマイト状アルミナ水和物を用いて構成されるインク受容層の膜強度を高めることができる。
また、本発明におけるインク受容層が、前記上層及び下層以外に他のインク受容層を有して3層以上の層構造に構成されるときには、他のインク受容層は、前記ポリビニルアルコール(PVA)及び/又は他のバインダーを含有すると共に、架橋剤を含有することができる。この場合、任意の架橋剤を選択してもよいが、本発明においてはホウ酸及びその塩を用いることが好ましい。
架橋剤の単一の層(上層、下層、最上層等の支持体上に設けられる各層)中における含有量としては、前記ポリビニルアルコール及び前記他のバインダーの総量に対して、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。架橋剤の量が前記範囲内であると、塗布乾燥時のひび割れ防止することができる。
−カチオンポリマー−
インクジェット記録媒体を構成するインク受容層のうち、耐水性支持体から最も離れた最上層は、少なくとも、四級アンモニウム塩型のカチオンポリマーの少なくとも一種を含有させることが可能である。適当な極性を有するカチオンポリマーを適切に選定して含有することにより、ブロンジングを更に抑制することができる。
なお、最上層は好ましくは、四級アンモニウム塩型のカチオンポリマーと共に、上記の擬ベーマイト状アルミナ水和物、PVA、及び架橋剤を用いて構成される。
四級アンモニウム塩型のカチオンポリマーとしては、例えば、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドの誘導体、ポリウレタン骨格を含む4級アンモニウム塩型のカチオンポリマー、アクリルエステル、アクリルエステル誘導体の骨格を含む四級アンモニウム塩型のカチオンポリマー等が挙げられる。
中でも、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドの誘導体が好ましい。
四級アンモニウム塩型のカチオンポリマーの分子量としては、1000〜50000が好ましく、より好ましくは2000〜30000である。分子量が前記範囲内であると、塗布液の安定性を付与しやすいので好ましい。
四級アンモニウム塩型のカチオンポリマーの最上層中における含有量としては、ブロンジングを効果的に向上させる観点から、擬ベーマイトアルミナに対して、0.5〜6質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。四級アンモニウム塩型のカチオンポリマーの含有量が前記範囲内であると、擬ベーマイト状アルミナ水和物を用いたインク受容層に記録された画像(特に黒色画像)でのブロンジングの発生が防止され、色相の良好な画像を得ることができる。
−コロイダルシリカ−
本発明におけるインク受容層を構成する最上層には、更にコロイダルシリカの少なくとも一種を含有することが好ましい。コロイダルシリカを含むことにより、インク受容層表面の光沢がより向上し、更にはサラサラとした良好な手触り感が得られる。
最上層は、コロイダルシリカを主に含有する層に構成することができる。コロイダルシリカを主に含有するとは、該層の全固形分(質量)に対してコロイダルシリカの含有量が70質量%以上であることをいう。好ましくは、主に含有されるコロイダルシリカの量は80質量%以上であり、更に好ましくは90質量%以上である。
特に、コロイダルシリカの固形分塗布量を0.3g/m以下の薄膜が得られる量にすることによって、高いインク吸収性を維持しながら高い光沢性と良好な手触り感が得られ、顔料インクで記録したときの高濃度部のクスミ(光沢低下)を改善できる。コロイダルシリカの固形分塗布量の下限は0.05g/mである。コロイダルシリカの固形分塗布量が0.05g/m以上であると、高い光沢と良好な手触り感を確保できる。コロイダルシリカの固形分塗布量は、より好ましくは0.1〜0.25g/mである。
コロイダルシリカは、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる二酸化ケイ素を、コロイド状に水中に分散させたものである。コロイダルシリカは、白紙部の光沢及びインク吸収性の観点から、平均一次粒径が20〜80nmのものが好ましく、更に20〜60nmのものが好ましい。
コロイダルシリカの市販品としては、扶桑化学(株)製のPL−10A、PL−3L、PL−1等、日産化学工業(株)製のスノーテックスST−20、ST−30、ST−40、ST−C、ST−N、ST−20L、ST−O、ST−OL、ST−S、ST−XS、ST−XL、ST−YL、ST−ZL、ST−OZL、ST−UP、ST−OUP、ST−PS−MO等を使用できる。
最上層には、他に親水性バインダー、界面活性剤、pH調節剤等を含有することができる。親水性バインダーについては、インク吸収性の観点から、その含有量がコロイダルシリカに対して5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは添加しないことである。
−上記以外の他の成分−
以下、上記の各以外に含有することができる成分について詳述する。
(無機微粒子)
インク受容層に少なくとも一種の無機微粒子を含有することにより、多孔質層を形成することができる。無機微粒子の種類は特に限定されないが、光沢、インク吸収性の点で、気相法シリカ、アルミナ、又はアルミナ水和物が好ましい。無機微粒子は、単独で用いても組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、擬ベーマイト状アルミナ水和物を含有するインク受容層(既述の上層及び下層を含む。)以外に、擬ベーマイト状アルミナ水和物を含むと共にあるいは含まずに、他の無機微粒子を含有するインク受容層が設けられてもよい。例えば、既述の上層/既述の下層/気相法シリカ含有のインク受容層や、既述の上層/気相法シリカ含有のインク受容層/既述の下層などの3層構造、等であってもよい。
また、既述の上層及び下層が本発明の効果を損なわない範囲で擬ベーマイト状アルミナ水和物以外の無機微粒子を含んでもよい。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には、四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。
気相法シリカは、日本アエロジル(株)製のアエロジルシリーズ、トクヤマ(株)製のQSタイプ等が市販されており、容易に入手が可能である。気相法シリカの平均一次粒子径は、5〜50nmが好ましく、より高い光沢を得るためには5〜20nmでかつBET法による比表面積が90〜400m/gのものが好ましい。BET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。吸着気体としては通常、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧又は容積の変化から測定する方法が最も多く用いられる。多分子吸着の等温線を表すもので最も著名なものとして、Brunauer Emmett Tellerの式(BET式)があり、表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
前記アルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でも、δグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは、一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で50〜300nm程度まで粉砕したものが好ましく用いられる。
(他のバインダー)
インク受容層には、膜としての特性を維持するために、既述の高ケン化PVA及び低ケン化PVA以外の他のバインダーを用いることができる。また、本発明におけるインク受容層(既述の上層及び下層を含む)は、既述の高ケン化PVA及び低ケン化PVAを含有する場合は更に下記他のバインダーを併用してもよく、また、既述の高ケン化PVA及び低ケン化PVAを含有しない場合は、既述の高ケン化PVA及び低ケン化PVA並びに下記他のバインダーの中から適宜選択したバインダーを含有することができる。
他のバインダーとしては、澱粉及びその変性物、ゼラチン及びその変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂又はこれらの誘導体、カチオン変性、シラノール変性等のポリビニルアルコールの変性物、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックス類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸又はその共重合体、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸エステル系等やそれらの誘導体等を挙げることができる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
好ましいバインダーは、完全もしくは部分ケン化のポリビニルアルコール、又はカチオン変性ポリビニルアルコールである。
また、前記カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載の、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールが好ましい。
バインダーとして用いられるラテックス類としては、例えば、SBRラテックス、NBRラテックスや、アクリル系ラテックスとして、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル基等のアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル類(例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体)、アクリルニトリル、アクリルアミド、アクリル酸及びメタクリル酸等の単独重合体または共重合体、あるいは上記モノマーと、スチレンスルホン酸やビニルスルホン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、ビニルメチルエーテル、酢酸ビニル、スチレン、ジビニルベンゼン等との共重合体が挙げられる。また、オレフィン系ラテックスとして、ビニルモノマーとジオレフィン類のコポリマーからなるポリマー(例えばメチルメタクリレート−ブタジエン共重合体)が好ましく、前記ビニルモノマーとしてはスチレン、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等が好ましく用いられ、前記ジオレフィン類としてはブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が好適に用いられる。
バインダーのインク受容層(既述の上層及び下層を除く。)中における含有量は、無機微粒子に対して、5〜35質量%の範囲が好ましく、特に10〜30質量%の範囲が好ましい。
(カチオン性化合物)
本発明におけるインク受容層は、無機微粒子として気相法シリカを含有する場合はカチオン性化合物を併用することが好ましい。カチオン性化合物を併用することによって、インク受容層のひび割れの防止及び耐水性の向上が図られる。
この場合、カチオン性化合物を含有するインク受容層の上に、コロイダルシリカとカチオン性化合物を含有する層(例えば最上層)を設けることによって、耐傷性、耐水性、インク吸収性を更に向上でき、加えて2つの層の界面における凝集が防止され、結果として塗布ムラや光沢ムラを解消することができる。
なお、既述の上層及び下層のように、インク受容層にアルミナ水和物を含有する場合にはカチオン性化合物を必ずしも併用する必要はなく、併用しなくとも良好なひび割れ耐性及び耐水性が得られる。
前記カチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーあるいは水溶性の多価金属化合物が好ましく用いられる。これらのカチオン性化合物及び水溶性の多価金属化合物は、一種単独で、あるいは二種以上を併用することができる。
前記カチオン性ポリマーとしては、例えば、4級アンモニウム基、ホスホニウム基、1〜3級アミンの酸付加物を有する水溶性カチオン性ポリマーが挙げられる。例えば、ポリエチレンイミン、ポリジアルキルジアリルアミン、ポリアリルアミン、アリキルアミンエピクロルヒドリン重縮合物、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号の各公報に記載のカチオン性ポリマーが挙げられる。
カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、10万以下が好ましく、より好ましくは5万以下であり、下限は2,000程度である。
また、カチオン性ポリマーの使用量は、擬ベーマイトアルミナ (その他の含まれる無機微粒子を含む。)の1〜10質量%の範囲が好ましい。
前記水溶性の多価金属化合物における多価金属としては、例えば、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、チタン、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンが挙げられ、これらの金属の水溶性塩として用いることができる。水溶性の多価金属化合物の具体例としては、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガン二水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、塩化チタン、硫酸チタン、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。これらの中でも特に、アルミニウムあるいは周期表IVa族元素(ジルコニウム、チタン)の水溶性塩が好ましい。
ここで、「水溶性」とは、常温常圧下で水に1質量%以上溶解することを意味する。
上記以外の水溶性アルミニウム化合物として、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の式1、式2又は式3で表され、例えば、[Al(OH)153+、[Al(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+等の、塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含む水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al(OH)Cl6−n ・・・式1
[Al(OH)AlCl ・・・式2
Al(OH)Cl(3n−m)〔0<m<3n〕 ・・・式3
これらは、多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名称で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名称で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名称で、また、他のメーカーからも同様の目的で市販されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明では、これらの市販品をそのまま使用してもよい。これらの塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物は、特公平3−24907号公報、同3−42591号公報にも記載されている。
水溶性の多価金属化合物を含有する場合、インク受容層中における含有量は、0.1〜10g/mが好ましく、より好ましくは0.2〜5g/mである。
(界面活性剤)
本発明におけるインク受容層は、界面活性剤を用いて構成できる。界面活性剤を含有すると、塗布形成される塗膜への塗布スジ等の塗布故障を抑制できる。
前記界面活性剤としては、ノニオン性のものが好ましい。ノニオン性以外にも必要に応じて、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいずれのタイプも選択して用いることができる。また、低分子のものでも高分子のものでもよく、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤のインク受容層中における含有量は、擬ベーマイト状アルミナ水和物100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜3質量部である。
(油滴)
インク受容層の膜としての脆弱性を改善する目的で、各種油滴を含有することもできる。油滴としては、室温における水に対する溶解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や、重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーの一種以上を重合させた粒子)が挙げられる。油滴の使用量は、好ましくは親水性バインダーに対して10〜50質量%の範囲である。
(架橋剤)
本発明における既述の上層及び下層には、ホウ酸及びその塩以外の他の架橋剤を併用してもよい。また、既述の上層及び下層以外の他のインク受容層は、バインダーと共に、架橋剤を含有することが好ましい。
架橋剤の具体的な例としては、前記ホウ酸及びホウ酸塩のほか、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドなどのアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンなどのケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号明細書に記載のもの等の反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載などの反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号明細書に記載のもの等のN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号明細書に記載のもの等のイソシアナート類、米国特許第3,017,280号明細書、同2,983,611号明細書に記載のもの等のアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号明細書に記載のもの等のカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号明細書に記載のもの等のエポキシ化合物、ムコクロル酸などのハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンなどのジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウムなどの無機硬膜剤などがある。これらは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、特にホウ酸又はその塩が好ましい。
硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する親水性バインダーに対して、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
本発明におけるインク受容層には、上記のほか、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
また、インク受容層形成用の塗布液(インク受容層用塗布液)は、pHが3.3〜6.0の範囲であることが好ましく、特に3.5〜5.5の範囲が好ましい。このインク受容層用塗布液のpHと、最上層がコロイダルシリカを含有する場合の最上層形成用の塗布液のpH(=3.3〜6)とを組み合わせることによって、より良好なインク吸収性、光沢性、及び均一な塗布面が得られる。
また、画像の解像性を向上させるために、アルミナ水和物の分散液と混合した際に、凝集等を生じることがなければ、インク受容層にフッ素樹脂系、シリコーン樹脂系、又はアルキルケテンダイマー系の撥水剤又はサイズ剤を含有することにより、印字ドット径をコントロールして画像の解像性を向上させることができる。これらの撥水剤又はサイズ剤としては、一般に市販されているものを使用することができる。また、これらは、溶液もしくは水系エマルジョンのいずれも使用可能である。印字ドット径をコントロールは、インク受容層への添加量により行なえる。その添加量は各成分や濃度および希望する印字ドット径によって異なるが、有効固形成分として、通常はインク受容層の全固形分に対して0.05〜10質量%であり、好ましくは0.1〜5質量%である。
本発明のインクジェット記録媒体を構成する2層のインク受容層(既述の上層及び下層)を形成するための塗布液(インク受容層用塗布液)の調製は、例えば、以下のようにして行なえる。
まず、擬ベーマイト状アルミナ水和物を水(例えばイオン交換水)中に加えて、ディゾルバー、吸引分散機等の攪拌機で撹拌して粗分散液を調製し、これを更に高圧分散機もしくはビーズミルで微分散させることにより、アルミナ含有分散液を得る。続いて、このアルミナ含有分散液を、ポリビニルアルコール(上層形成用の場合は高ケン化PVAを、下層形成用の場合は低ケン化PVAを含む。)と、ホウ酸及び/又はその塩(架橋剤)と、必要に応じて他の成分と共に、撹拌し、混合する。このとき、混合前に各成分(例えば各成分を含む各水溶液)を所望の温度(好ましくは40〜70℃)に調整しておき、各成分(例えば各水溶液)を所望の温度(好ましくは40〜70℃)に保温しながら混合を行なうようにするのが好ましい。
前記高圧分散機としては、加圧したスラリー状の原料同士を超高速で対向衝突させて微粒化するアルティマイザー(例えばスギノマシン社製のHJP25005)、キャビテーションを利用した超音波分散機、ホモバルブ方式のゴーリンホモジナイザー等を使用できる。前記ビーズミルとしては、トライポロジーせん断力を利用したウルトラアペックスミル(例えば寿工業社製のUAM−10)、スターミル(アシザワファインテック社製のナノゲッターDMR65)等を使用できる。
擬ベーマイト状アルミナ水和物とPVA等のバインダーとを混合させる場合、経時により増粘したりチキソトロピー性が発現する傾向がみられるが、塗布液の温度を制御することにより、塗布液の粘度の経時変化を回避することができる。これより、塗布安定性が向上し、塗膜面の膜質を良好に保つことができる。
塗布液の温度としては、30〜70℃が好ましく、より好ましくは40〜50℃である。塗布液の温度は、30℃以上であると塗液のチキソトロピー性が抑えられ、塗布を良好に行なえ、70℃以下であると塗布筋等の塗布故障の発生を防止できる。
塗布液の塗布性をより改善する観点、あるいはインクがインク受容層に付着したときのドット径を調整する観点からは、インク受容層形成用の塗布液には、界面活性剤が添加されていることが好ましい。界面活性剤の詳細については既述の通りである。
−耐水性支持体−
本発明のインクジェット記録媒体を構成する耐水性支持体としては、特に限定はしない。基紙の両面に樹脂被覆層を設けた樹脂被覆紙でもよいし、透明なプラスチック製支持体、たとえば、ポリエステル系樹脂を使用したような透明支持体でもよい。
樹脂被覆紙を構成する基紙に使用されるパルプは、例えば、LBKP、NBKP、LBSP、NBSP、LUKP、NUKP、LUSP、NUSP等の化学パルプ、GP、TMP等の機械パルプ等のバージンパルプ、新聞古紙、雑誌、オフィス古紙等からの再生パルプが使用できる。
基紙には填料として、平均粒径が0.3〜10μmの白色顔料、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、硫酸バリウム等の少なくとも1種を全パルプの固形分に対して2〜30質量%、好ましくは4〜30質量%使用される。平均粒径が0.3μmより小さい白色顔料は抄造時に紙への歩留まりが悪く、10μmより大きい白色顔料は紙の地合が悪くなる。特にJIS−M8016で規定される白色度が88%以上の白色顔料が好ましく用いられる。白色顔料が基紙の2質量%より少ないと充分な白さの基紙が得られにくく、30質量%より多くなると、製造工程で汚れ等の問題や基紙の強度低下が発生する。この基紙には一般に製紙で用いられている各種サイズ剤、紙力増強剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
さらに、基紙には、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
基紙の厚さは、70〜200μmが好ましい。紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどして厚さを調整する。表面平滑性のよいものが好ましいが、圧縮しすぎると白色度が低下しやすい。
樹脂としては、密度が0.91〜0.93g/cmの低密度ポリエチレン、密度が0.94〜0.96g/cmの高密度ポリエチレン、中間密度の中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であるポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン等の、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。特に取り扱い性からポリオレフィン樹脂が好ましく使用され、特に密度が0.91〜0.93g/cmの低密度ポリエチレンを該樹脂被覆層の全樹脂固形分の50質量%以上含有させることが好ましい。
また、樹脂被覆紙の少なくともインク受容層を設ける側の樹脂被覆層中には、平均粒径が0.1〜1μmである、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の白色顔料の少なくとも1種を全樹脂の固形分に対して5〜20質量%、好ましくは7〜15質量%含有させることができる。平均粒径が0.1μmより小さい白色顔料は隠蔽効果が小さく、1μmより大きいと樹脂層の表面性が低下する。特にJIS−M8016で規定される白色度が88%以上の白色顔料が好ましく用いられる。白色顔料を樹脂の固形分に対して5質量%以上とすることにより、基紙の厚さが薄い場合でも樹脂被覆紙の不透明度が充分得られる。また、20質量%以下にすることにより、樹脂層表面が傷の発生等による不均一が抑えられ、強度が保てる。その他の添加剤としてステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加える。
樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行する基紙上に熱可塑性樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、基紙が樹脂により被覆される。また、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。裏面の樹脂被覆層は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。
樹脂被覆紙のインク受容層が形成される表側樹脂層は、主として原紙の片面に熱可塑性樹脂を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際、クーリングロールは樹脂コーティング層の表面形状の形成に使用され、樹脂層の表面はクーリングロール表面の形状により鏡面、微粗面、またはパターン化された絹目状やマット状等に型付け加工することができる。
樹脂被覆紙の前記表側樹脂層と反対側の裏側樹脂層も、樹脂を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造できる。この際、プリンターでの搬送性の点から好ましくは、クーリングロールはJIS−B−0601に規定されるRaが0.8〜5μmになるようにクーリングロール表面の形状により微粗面、またはパターン化された、例えば絹目状やマット状等に型付け加工することが好ましい。
基紙に樹脂被覆層を設ける方法は、加熱溶融樹脂を押し出して塗設する以外に電子線硬化樹脂を塗設後、電子線を照射する方法や、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの塗液を塗設後乾燥、表面平滑化処理を施す方法等が有る。いずれも凹凸を有する熱ロール等での型付けを行うことで本発明に適応可能な樹脂被覆紙が得られる。
樹脂被覆紙の表側面には接着性を改良するために下引き層を設けてもよい。下引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め支持体の樹脂層表面に塗布乾燥されたものである。下引き層は、膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主に含んでなる層であり、好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーが用いられ、特に好ましくはゼラチンを用いて形成される。水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/mが好ましく、20〜300mg/mがより好ましい。下引き層には更に、界面活性剤や硬膜剤を含有されていることが好ましい。また、樹脂被覆紙に下引き層を(塗布等して)形成する前には、コロナ放電処理を行なうことが好ましい。
本発明のインクジェット記録媒体は、耐水性支持体上に少なくとも2層のインク受容層を設けて作製されるものであり、少なくとも2層のインク受容層は、インク受容層形成用の2種の塗布液を同時重層塗布して形成されてもよいし、2種の塗布液の一方を塗布、乾燥させた後、これに他方の塗布液を重ねて塗布して形成されてもよい。
インク受容層を塗布形成する際の塗布条件(塗工装置、塗工液温度、粘度等)及び乾燥条件(乾燥温度、乾燥時間、温度勾配、風量、風の当て方、湿度等)を適宜選択することにより、インク受容層の物性を制御することができる。
塗布形成された塗布膜の乾燥温度は、支持体の耐熱性にも依存するが、10〜100℃の範囲が好ましく、より好ましくは20〜80℃である。
また、塗布後、インク受容層を充分に乾燥させた後、支持体に悪影響を与えない範囲で熱処理を行なうことにより、インク受容層の細孔容積を大きくできるので、インク吸収性が良好になり、さらにインク受容層の耐水性も向上させることができる。熱処理する温度は、支持体の耐熱性にも依存するが、30〜80℃が好ましく、より好ましくは40〜60℃である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(実施例1)
−アルミナ白色透明分散液の調製−
イオン交換水2042gをディゾルバーで攪拌しながら、これにカタロイドAP−5(触媒化成工業(株)製;擬ベーマイト状アルミナ水和物)708gを添加し、アルミナの白色粗分散液を得た。このときのディゾルバーの回転数は、3000r.p.m,回転時間は10分間とした。
続いて、このアルミナ粗分散液を、高圧分散機(アルティマイザーHJP25005、スギノマシン社製)にて微分散し、固形分濃度25%の白色透明なアルミナ分散液を得た。このときの圧力は、100MPaとし、吐出量は600g/minとした。
得られたアルミナ白色透明分散液の分散粒子の粒子径は0.1040μmであった。
−第1のインク受容層(下層)の形成−
上記より得たアルミナ白色透明分散液100部、PVA−220(ケン化度88%、重合度2000のポリビニルアルコール、(株)クラレ製;低ケン化PVA)の7%水溶液34部、7.5%ホウ酸水溶液9.6部、10%界面活性剤水溶液(エマルゲン109P、花王(株)製、HLB13.6;界面活性剤)1.38部、及びイオン交換水50.6部を、混合前に予め60℃に保温し、保温後の各液を60℃で保温しながらよく混合し、下層用塗布液を調液した。このとき、擬ベーマイト状アルミナ(A)とポリビニルアルコール(B2)との質量比率A/B2は10である。
そして、この下層用塗布液を50℃に冷却した後、超音波脱泡処理を50℃に保ったまま10分間行なった。超音波脱泡処理後すぐに、この下層用塗布液を透明ポリエステルフィルム(商品名:ルミラー125T(JIS−K−7105によるヘイズ(曇価)=2.19、表面易接着処理済み;以下、単に透明支持体という。)、東レ(株)製)の上に、擬ベーマイトアルミナの乾燥固形分が35g/mになるように塗布した。塗布後、膜面温度が20℃になるように2分間セット乾燥を行ない、その後80℃で10分間乾燥させて、下層となるインク受容層を形成した。
−第2のインク受容層(上層)の形成−
次に、上記より得たアルミナ白色透明分散液100部、PVA−124(ケン化度99%、重合度2400のポリビニルアルコール、(株)クラレ製;高ケン化PVA)の7%水溶液10部、7.5%ホウ酸水溶液3部、10%界面活性剤水溶液(エマルゲン109P、花王(株)製、HLB13.6;界面活性剤)0.01部、及びイオン交換水50.6部を、混合前に予め60℃に保温し、保温後の各液を60℃で保温しながら、よく混合して上層用塗布液を調液した。このとき、擬ベーマイト状アルミナ(A)とポリビニルアルコール(B1)との質量比率A/B1は10である。
そして、この上層用塗布液を50℃に冷却した後、超音波脱泡処理を50℃に保ったまま10分間行なった。超音波脱泡処理後すぐに、この上層用塗布液を透明支持体上に塗設されたインク受容層(下層)の上に、擬ベーマイトアルミナの乾燥固形分が5g/mになるように更に塗布した。塗布後、膜面温度が20℃になるように2分間セット乾燥を行ない、その後80℃で10分間乾燥させて、上層となるインク受容層を形成した。
以上のようにして、透明支持体/インク受容層(下層)/インク受容層(上層)の積層構造を有するインクジェット記録媒体を作製した。本実施例のインクジェット記録媒体では、インク受容層(上層)が最上層である。
(実施例2)
実施例1において、上層のPVA−124の量を10部から15部に変更したこと以外、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を作製した。
(実施例3)
実施例1において、上層にシャロールDC402P(ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液、第一工業製薬(株)製)3部を添加したこと以外、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を作製した。
(実施例4)
実施例1において、下層用塗布液の調製に用いたPVA−220の量を10部から8部に代えたこと以外、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を作製した。
尚、擬ベーマイト状アルミナ水和物と低ケン化PVAとの質量比率(A/B2)は10以上である。
(実施例5)
実施例1において、下層用塗布液の調製に用いたPVA−220(低ケン化PVA)をPVA−245(ケン化度88%、平均重合度3500、(株)クラレ製)に代え、上層用塗布液の調製に用いたPVA−124(高ケン化PVA)をPVA−145(ケン化度99%、平均重合度4500、(株)クラレ製)に代えたこと以外は、実施例と同様にして、インクジェット記録媒体を作製した。
(実施例6)
実施例1において、下層用塗布液の調製に用いたPVA−220(低ケン化PVA)をPVA−424(ケン化度78%、平均重合度2400、(株)クラレ製)に代えたこと以外、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を作製した。
(実施例7)
実施例1において、上層用塗布液の調製に用いたPVA−124(高ケン化PVA)をJM33(ケン化度95%、重合度3300、日本合成化学工業(株)製)に代えたこと以外、実施例1と同様にして、比較のインクジェット記録媒体を作製し、更に同様の評価を行なった。評価結果は下記表1に示す。
(比較例8)
実施例1において、インク受容層(上層)の上に、さらに下記組成のコロイダルシリカ含有層用塗布液をコロイダルシリカの塗布量が 0.2g/mになるように塗布し、乾燥させて、最上層を形成したこと以外、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を作製した。
〈コロイダルシリカ含有層用塗布液の組成〉
・PL−3L(扶桑化学(株)製、コロイダルシリカ)…0.5部
・ポリフィックス700(昭和高分子(株)製) …0.1部
・PVA−117の7%水溶液((株)クラレ製) …0.6部
・スワノールAM3130(日本サーファクタント(株)製) …0.0015部
(比較例1)
実施例1において、下層用塗布液の調製に用いたPVA−220(低ケン化PVA)をPVA−124(ケン化度99%、重合度2400、(株)クラレ製)に代えたこと以外、実施例1と同様にして、比較のインクジェット記録媒体を作製した。
(比較例2)
実施例1において、上層用塗布液の調製に用いたPVA−124(高ケン化PVA)をPVA−220(ケン化度88%、重合度2000、(株)クラレ製)に代えたこと以外、実施例1と同様にして、比較のインクジェット記録媒体を作製した。
(比較例3)
実施例1において、下層に用いたPVA−220を上層に、上層に用いたPVA−124を下層に置き換えた以外、実施例1と同様にして、比較のインクジェット記録媒体を作製した。
(比較例4)
実施例1の上層に使用しているPVA−124をPVA−424(ケン化度78%、平均重合度2400、(株)クラレ製)に代えたこと以外、実施例1と同様にして、比較のインクジェット記録媒体を作製した。
(評価)
上記の実施例及び比較例で得た各インクジェット記録媒体について、下記の測定、評価を行なった。測定、評価の結果は下記表1に示す。
1)印画濃度
インクジェットプリンタPM−A950(セイコーエプソン(株)製)を使用して、ブラック(Bk)のベタ印字を行なった。このベタ印字部の画像濃度をグレタグ スペクトロリノSPM−50(グレタグマクベス社製)を用いて、視野角2°、光源D50、フィルターなしの条件にて計測した。
2)ブロンジング
インクジェットプリンタPM−A820(セイコーエプソン(株)製)を使用して、35℃/80%RHの雰囲気中でシアン色のベタ印字を行ない、このベタ印字部を蛍光灯下で目視により下記の評価基準にしたがって評価した。
〈評価基準〉
◎:写りこんだ蛍光灯の光が全く赤くならず、良好なシアン色を保っていた。
○:写りこんだ蛍光灯の光が僅かに赤く見えた。
△:写りこんだ蛍光灯の光が赤く見えた。
×:写りこんだ蛍光灯の光が全て赤く見えた。
3)ヘイズ
インクジェットプリンタPM−G800(セイコーエプソン(株)製)を準備し、空のインクタンクに各色のインク溶媒を装填してベタ印字するのと同様の操作を行なった。印字操作後、3時間放置した後、ヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機(株)製)によりヘイズを計測した。
4)耐傷性
インクジェットプリンタPM−G800(セイコーエプソン(株)製)を使用して、ブラック(Bk)のベタ印字を行なった。このベタ印字部を蛍光灯下でプリンターで印画した際に付いた擦り傷の程度を下記の評価基準にしたがって観察、評価した。
〈評価基準〉
○:傷は全く観察されなかった。
△:僅かに傷があるのが観察された。
×:傷が何本も太く入っているのが観察された。
5)インク吸収速度
カラーインクジェットプリンタPM−A820(セイコーエプソン(株)製)を使用して記録を行ない、記録終了後、印字部を指先で軽く擦って汚れなくなるまでの時間を測定し、下記の評価基準にしたがって評価した。許容される程度は4以上である。
〈評価基準〉
5:インク吸収速度は10秒未満であった。
4:インク吸収速度は10秒以上30秒未満であった。
3:インク吸収速度は30秒以上60秒未満であった。
2:インク吸収速度は1分以上5分未満であった。
1:インク吸収速度は5分以上であった。
6)光沢度
インクジェットプリンタPM−A950(セイコーエプソン(株)製)を使用して、ブラック(Bk)のベタ印字を行なった。このベタ画像部を、デジタル変角光沢計UGV−5D(測定孔8mm、スガ試験機(株)製)を用いて、入射角60°、受光60°にて光沢度を測定した。
Figure 0004533397
前記表1に示すように、実施例では、非常に高濃度の画像が得られ、画像のブロンジングの発生も効果的に抑えることができた。特に、下層における擬ベーマイトアルミナ及び低ケン化高重合度PVA(B2)の質量比率(A/B2)を10以上とした実施例4、上層の高ケン化PVA及び下層の低ケン化PVAの平均重合度が共に3000以上である実施例5では、より高濃度が得られ、また、上層における擬ベーマイトアルミナ及び高ケン化PVAの質量比率(A/B1)を8以下とした実施例2、上層に4級アンモニウム塩のカチオンポリマーを3部添加した実施例3では、ブロンジングの防止効果もより良好であった。
これに対し、上層に低ケン化PVAを用いた比較例2〜4では、ブロンジングが劣っており、下層に高ケン化度のPVAを用いた比較例1では、特に印画濃度に劣っていた。

Claims (6)

  1. 耐水性支持体上に、擬ベーマイト状アルミナ水和物を含有するインク受容層を少なくとも2層有し、前記2層のインク受容層のうち、
    前記耐水性支持体から遠い側の上層は、ケン化度9〜99%、平均重合度1500〜4500のポリビニルアルコール(B1)と架橋剤としてホウ酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種とを更に含み、前記耐水性支持体に近い側の下層は、ケン化度75%〜90%、平均重合度2000〜8000のポリビニルアルコール(B2)と架橋剤としてホウ酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種とを更に含むインクジェット記録媒体。
  2. 前記少なくとも2層のインク受容層の前記耐水性支持体から最も離れた最上層は、前記擬ベーマイト状アルミナ水和物(A)と前記ポリビニルアルコール(B1)との質量比率(A/B1)が8以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
  3. 前記少なくとも2層のインク受容層の前記耐水性支持体から最も離れた最上層は、四級アンモニウム塩型のカチオンポリマーを更に含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録媒体。
  4. 前記下層は、前記擬ベーマイト状アルミナ水和物(A)と前記ポリビニルアルコール(B2)の質量比率(A/B2)が10以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  5. 前記ポリビニルアルコール(B1)及び前記ポリビニルアルコール(B2)の少なくとも一方は、平均重合度が3000以上であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  6. 前記インク受容層上に、コロイダルシリカを含有する層を更に有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
JP2007089676A 2007-03-29 2007-03-29 インクジェット記録媒体 Expired - Fee Related JP4533397B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007089676A JP4533397B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 インクジェット記録媒体
US12/052,412 US20080241436A1 (en) 2007-03-29 2008-03-20 Inkjet recording medium

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007089676A JP4533397B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 インクジェット記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008246791A JP2008246791A (ja) 2008-10-16
JP4533397B2 true JP4533397B2 (ja) 2010-09-01

Family

ID=39794876

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007089676A Expired - Fee Related JP4533397B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 インクジェット記録媒体

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20080241436A1 (ja)
JP (1) JP4533397B2 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20070103529A1 (en) * 2003-06-16 2007-05-10 Kornit Digital Ltd. Process and system for printing images on absorptive surfaces
US11447648B2 (en) 2004-05-30 2022-09-20 Kornit Digital Ltd. Process and system for printing images on absorptive surfaces
JP4898433B2 (ja) * 2004-06-01 2012-03-14 キヤノン株式会社 被記録媒体、該被記録媒体の製造方法、及び該被記録媒体を用いた画像形成方法
JP5854579B2 (ja) * 2009-06-08 2016-02-09 キヤノン株式会社 インクジェット記録方法
CN104031476B (zh) 2009-08-10 2017-05-03 柯尼特数码有限公司 用于可拉伸基材的喷墨组合物及方法
JP5634227B2 (ja) * 2009-12-08 2014-12-03 キヤノン株式会社 記録媒体の製造方法、記録媒体
US8926080B2 (en) 2010-08-10 2015-01-06 Kornit Digital Ltd. Formaldehyde-free inkjet compositions and processes
US8974878B2 (en) * 2010-09-10 2015-03-10 Carestream Health, Inc. Transparent ink-jet recording films, compositions, and methods
EP2594407B1 (en) * 2011-11-21 2014-06-18 Canon Kabushiki Kaisha Recording medium
US8846166B2 (en) * 2012-10-09 2014-09-30 Canon Kabushiki Kaisha Recording medium
JP6129018B2 (ja) * 2013-08-06 2017-05-17 キヤノン株式会社 記録媒体
JP5944947B2 (ja) 2013-08-09 2016-07-05 キヤノンファインテック株式会社 転写体および記録物の製造方法
EP2865530B1 (en) 2013-10-23 2020-06-03 Canon Kabushiki Kaisha Recording medium and method for manufacturing recording medium
JP2015196346A (ja) 2014-04-02 2015-11-09 キヤノン株式会社 記録媒体
CN107735458B (zh) 2015-05-08 2020-10-30 赢创运营有限公司 抗渗色二氧化硅和硅酸盐颜料及其制备方法
EP3532548B1 (en) 2016-10-31 2024-04-24 Kornit Digital Ltd. Dye-sublimation inkjet printing for textile
EP3701082A4 (en) 2017-10-22 2021-10-13 Kornit Digital Ltd. LOW-FRICTION IMAGES DUE TO INKJET PRINTING
EP3928998A1 (en) * 2020-06-22 2021-12-29 Canon Kabushiki Kaisha Recording medium and inkjet recording method

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11291622A (ja) * 1998-04-08 1999-10-26 Hokuetsu Paper Mills Ltd 記録シート
JP2000263920A (ja) * 1999-03-16 2000-09-26 Seiko Epson Corp 記録媒体及び記録方法
JP2004209709A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Canon Finetech Inc 被記録媒体
JP2004299165A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット用記録材料の製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3923179B2 (ja) * 1998-05-21 2007-05-30 三菱製紙株式会社 インクジェット記録媒体
JP2002160442A (ja) * 2000-11-27 2002-06-04 Konica Corp インクジェット記録用紙
JP2004330483A (ja) * 2003-05-01 2004-11-25 Fuji Photo Film Co Ltd インクジェット記録媒体
JP2005088337A (ja) * 2003-09-17 2005-04-07 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット記録媒体、その製造方法及びインクジェット画像形成方法
JP2006256303A (ja) * 2005-02-16 2006-09-28 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット記録用紙

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11291622A (ja) * 1998-04-08 1999-10-26 Hokuetsu Paper Mills Ltd 記録シート
JP2000263920A (ja) * 1999-03-16 2000-09-26 Seiko Epson Corp 記録媒体及び記録方法
JP2004209709A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Canon Finetech Inc 被記録媒体
JP2004299165A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット用記録材料の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008246791A (ja) 2008-10-16
US20080241436A1 (en) 2008-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4533397B2 (ja) インクジェット記録媒体
JP4420609B2 (ja) インクジェット記録材料
JP4818865B2 (ja) インクジェット記録媒体の製造方法
JP2006248017A (ja) インクジェット記録材料
US20080160230A1 (en) Ink jet recording medium and method for making the same
JP4533356B2 (ja) インクジェット記録材料およびその製造方法
JP4047597B2 (ja) インクジェット記録材料の製造方法
JP4047578B2 (ja) インクジェット記録材料
JP4504296B2 (ja) インクジェット記録材料の製造方法
JP2008246756A (ja) インクジェット記録媒体及びその製造方法
JP4598012B2 (ja) インクジェット記録媒体の製造方法
JP2007152633A (ja) 記録用紙
JP3939578B2 (ja) インクジェット記録材料
JP4187676B2 (ja) インクジェット記録材料
JP2005231295A (ja) インクジェット用記録材料
JP3883365B2 (ja) インクジェット用記録材料
JP3862586B2 (ja) インクジェット用記録材料
JP2006088684A (ja) インクジェット用記録材料
JP2005231095A (ja) インクジェット用記録材料
JP4030423B2 (ja) はがき用インクジェット記録材料
JP4504205B2 (ja) インクジェット記録材料
JP2003054121A (ja) インクジェット記録材料
JP2005254769A (ja) 顔料インク用インクジェット記録材料
JP2009233965A (ja) インクジェット記録媒体
JP2009233964A (ja) インクジェット記録媒体及びそれを用いたインクジェット記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090904

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100309

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100608

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100611

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees