JP3939578B2 - インクジェット記録材料 - Google Patents
インクジェット記録材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3939578B2 JP3939578B2 JP2002097506A JP2002097506A JP3939578B2 JP 3939578 B2 JP3939578 B2 JP 3939578B2 JP 2002097506 A JP2002097506 A JP 2002097506A JP 2002097506 A JP2002097506 A JP 2002097506A JP 3939578 B2 JP3939578 B2 JP 3939578B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- recording material
- receiving layer
- ink receiving
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、両面にインク受容層を有するインクジェット記録材料に関し、更に詳しくは、特にハガキの場合の通信面が高い光沢性及びインク吸収性を有し、宛名面が高いインク吸収性及び筆記性を有し、搬送性が良好でフォトライクな質感を有するインクジェット記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク受容層を設けてなる記録材料が知られている。
【0003】
例えば、特開昭55−51583号、同56−157号、同57−107879号、同57−107880号、同59−230787号、同62−160277号、同62−184879号、同62−183382号、及び同64−11877号公報等に開示のごとく、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】
また、特公平3−56552号、特開平2−188287号、同平10−81064号、同平10−119423号、同平10−175365号、同10−203006号、同10−217601号、同平11−20300号、同平11−20306号、同平11−34481号公報等公報には、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いた記録材料が開示されている。気相法シリカは、一次粒子の平均粒径が数nm〜数十nmの超微粒子であり、高い光沢と高いインク吸収性が得られるという特徴がある。しかし、超微粒子であるが故に平滑性が高く記録材料同士が密着しやすいため、プリンター等での搬送時に重送の問題がある。
【0005】
特開平6−55830号には、インク受容性被覆層の反対面に特定の滑剤を含有させてプリンターの搬送性を向上させる記録用紙が提案されているが、保存時のブロッキング性の問題、インク受容面の傷の問題がある。また、特開平7−179025号には、支持体の裏塗り層に球状微粒子ポリマーを含有させる記録シートが提案されているが、球状微粒子ポリマー単独では製造時、加工時等でインク受容層表面に傷がつきやすく、特にインク受容層に微細な無機微粒子を用いた場合には印字部に傷が目立ちやすい問題がある。
【0006】
一方、インクジェット記録材料の支持体としては、従来、紙が一般的に用いられており、紙自体にインク吸収層としての役割を持たせていた。近年、フォトライクの記録材料の質感が要望される中、紙支持体を用いた記録材料は、光沢、質感、耐水性、印字後のコックリング(皺あるいは波打ち)等の問題があり、耐水性加工された紙支持体、例えば、紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートした樹脂ラミネート紙(ポリオレフィン樹脂被覆紙)等が用いられるようになってきた。しかしながら、これらの耐水性支持体は、紙支持体と違ってインク受容層を設けた表面の平滑性が高く、さらに記録材料が密着しやすくプリンター時に重送が発生しやすかった。加えて、耐水性支持体は紙支持体と比較して静電気が帯電しやすく除電し難い特性を持っており、表面抵抗値が高くなりやすいため、この理由においてもプリンター内での重送が発生しやすかった。
【0007】
このような状況の中で、ハガキのように両面がインクジェット記録適性を有する記録材料においても、表面にフォトライクな質感、高い光沢性、高い印字画質の要求されてきており、特に印字画質に関しては近年の多色インク化に伴って非常に高いインク吸収性が要求されてきている。また、このようなハガキ用に使用されるインクジェット記録材料においては、片面に印字する通常の記録材料と比較して搬送性も非常に重要となってきている。例えば、表裏2回印字するためプリンター内での搬送性の問題が発生しやすい。またハガキ特有の問題として、投函された後、配達のために区分機等の機械に数回通るために記録材料同士が擦れて帯電する機会が多く区分機内で重送しやすい。さらに宛名面に郵便番号枠をオフセット等の印刷機で印刷する必要があり、通常大判で印刷されるため、印刷機で重送もしくは搬送不良となりやすい。これらの記録材料の搬送性に関する問題は前述のように特に耐水性支持体を用いたフォトライクな質感を有するインクジェット記録材料で顕著であった。
【0008】
搬送性を改良する方法として前記のように特開平6−55830号には、インク受容性被覆層の反対面に特定の滑剤を含有させてプリンターの搬送性を向上させる記録用紙が提案されている。また、特開平7−179025号には、支持体の裏塗り層に球状微粒子ポリマーを含有させる記録材料が提案されている。特開平08−2094号公報には、樹脂フィルムからなるシート状支持体上に無機顔料と樹脂を主成分としたインク受容層を有し、反対面に導電剤と樹脂を含むバック層を有し、バック層面の表面電気抵抗が20℃、65%RH条件下で9×1010Ω以下であるインクジェット記録用紙が提案されている。特開平13−1636号公報には、耐水性支持体上に、平均一次粒径が20nm以下の無機微細粒子を含有するインク受容層を有し、該インク受容層の裏面の表面電気抵抗及び該耐水性支持体の表面電気抵抗が20℃、65%RHの条件下で1×1010Ω以下であるインクジェット記録材料が提案されている。しかしながら、これら公報のバック層等のインク受容層と反対面の層はインク吸収性を有する層ではなく、筆記性も乏しいためハガキ用途での使用は困難であった。
【0009】
両面にインク吸収性を有する方法として、特開平8−260382号公報には、紙基材に顔料層を設けるインクジェット記録用両面記録紙が提案されているが、紙支持体のためコックリングしやすく十分なフォトライクな質感、高い光沢性、印字画像が得られなかった。特開平8−11422号公報にはインク受容層を有する原紙をポリオレフィン樹脂ラミネート層で貼り合わせる提案がなされたが、フォトライクな質感に乏しく、特に高光沢なインク受容層を有する場合の貼り合わせ時の記録材料の密着性が上がり、プリンタ搬送性については十分ではなかった。特開2000−301823号公報には紙基材の一方の面に比較的薄い疎水性樹脂層を介して多孔性のインク吸収層を有し、他面に直接インク吸収層を有するインクジェット記録用紙の提案がなされているが、フォトライクな質感に乏しく片面のみに疎水性樹脂層を設けているためにカール性の問題が発生しやすくプリンターでの搬送性に問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、両面にインク受容層を有し、特にハガキの場合の通信面のインク受容層が高い光沢性及びインク吸収性を有し、宛名面のインク受容層が高いインク吸収性及び筆記性を有し、搬送性が良好でフォトライクな質感を有するインクジェット記録材料を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、主として下記の手段により達成された。
【0012】
(1)基紙の両面に樹脂層を設けた樹脂被覆紙の片面に、平均一次粒径が50nm以下の無機微粒子を13〜30g/ m 2 および親水性バインダーを含有するインク受容層(A)(以降、ハガキの場合の「通信面のインク受容層」と称す)を設け、他面に平均粒径が100nmより大きい無機微粒子を3〜10g/ m 2 および親水性バインダーを含有するインク受容層(B)(以降、ハガキの場合の「宛名面のインク受容層」と称す)を設けたインクジェット記録材料であり、該インク受容層A及びBの表面電気抵抗が23℃、50%RHの条件下で1×1011Ω以下であることを特徴とするインクジェット記録材料。
(2)前記インク受容層A及びBが水溶性無機塩類を含有する前記(1)に記載のインクジェット記録材料。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明において、以降の説明では特にハガキ用途のインクジェット記録材料について記載する。
【0014】
本発明においては基紙の両面に樹脂層を設けた樹脂被覆紙を使用することが特徴である。樹脂被覆紙を使用しない場合、フォトライクな質感が得られないため好ましくない。
【0015】
本発明で用いられる樹脂被覆紙について詳細に説明する。本発明に用いられる樹脂被覆紙の厚みは120〜250μm、好ましくは150〜230μmのものが用いられる。本発明に用いられる樹脂被覆紙の含水率は特に限定しないが、カール性より好ましくは5.0〜9.0%の範囲であり、より好ましくは6.0〜9.0%の範囲である。樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾質量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
【0016】
樹脂被覆紙を構成する基紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
【0017】
また、基紙は、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、ハガキ用途では適度の剛度が必要であり、その坪量は80〜250g/m2が一般的であり、好ましくは150〜230μmである。
【0018】
基紙を被覆する樹脂としてはポリオレフィン樹脂が好ましく、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びそれらの混合物が使用され、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0019】
また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0020】
樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行する基紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、その少なくとも片面が樹脂により被覆される。また、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。カール防止の必要から両面を樹脂被覆する。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。
【0021】
本発明の樹脂被覆紙の通信面のインク受容層が塗設される面(以後樹脂被覆紙の表面と称す)は、主として原紙の片面にポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際、クーリングロールはポリオレフィン樹脂コーティング層の表面形状の形成に使用され、樹脂層の表面はクーリングロール表面の形状により鏡面、微粗面、またはパターン化された絹目状やマット状等に型付け加工することができる。インク受容層の光沢からは樹脂層の厚さは15〜40μmであり、好ましくは20〜35μmである。
【0022】
本発明の樹脂被覆紙の宛名面のインク受容層の塗設される面(以後樹脂被覆紙の裏面と称する)は、表面と同様にポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際プリンターでの搬送性、印字画像からはクーリングロールはJIS−B−0601に規定されるRaが0.8〜5μmになるようにクーリングロール表面の形状により微粗面、またはパターン化された、例えば絹目状やマット状等に型付け加工することが好ましい。樹脂層の厚さは得られる記録材料のカール性により決定されるが、10〜35μm、好ましくは15〜30μmである。
【0023】
基紙の表面や裏面に樹脂被覆層を設ける方法は、加熱溶融樹脂を押し出して塗設する以外に電子線硬化樹脂を塗設後、電子線を照射する方法や、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの塗液を塗設後乾燥、表面平滑化処理を施す方法等が有る。いずれも凹凸を有する熱ロール等での型付けを行うことで本発明に適応可能な樹脂被覆紙が得られる。
【0024】
本発明に用いられる樹脂被覆紙の表面、裏面には塗布性や界面の接着強度向上のために下引き層を設けても良い。この下引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め支持体の樹脂層表面に塗布乾燥されたものである。この下引き層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーまたはポリマーラテックスの付着量は、0.1〜2g/m2が好ましい。更に、下引き層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有するのが好ましい。また、樹脂被覆紙に下引き層を塗布する前には、コロナ放電することが好ましい。
【0025】
本発明の通信面のインク受容層には、高い光沢性及びインク吸収性を得るため平均一次粒径が50nm以下の無機微粒子を含有することが特徴である。平均一次粒径が50nmを越えると光沢性が低下するため好ましくない。本発明の無機微粒子としては、合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等が使用され、特に好ましくは平均一次粒径5〜30nmの気相法シリカ、アルミナまたはアルミナ水和物の少なくとも1種が使用される。
【0026】
本発明において、通信面のインク受容層に用いられる無機微粒子の量は、10〜35g/m2が好ましく、13〜30g/m2の範囲がより好ましい。含有量を上記範囲とすることでひび割れ及びインク吸収性が優れる。
【0027】
本発明に用いられる合成シリカには、湿式法によるものと気相法によるものがある。通常シリカ微粒子といえば湿式法シリカを指す場合が多い。湿式法シリカとしては、▲1▼ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾル、または▲2▼このシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、▲3▼シリカゾルをゲル化させ、その生成条件を変えることによって数μmから10μm位の一次粒子がシロキサン結合をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更には▲4▼シリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主体とする合成ケイ酸化合物等がある。
【0028】
本発明に好ましく用いられる気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、トクヤマ(株)からQSタイプとして市販されており入手することができる。
【0029】
本発明の気相法シリカの平均一次粒径は、5〜30nmが好ましく、より高い光沢を得るためには、5〜15nmでかつBET法による比表面積が90〜500m2/gのものを用いるのが好ましい。本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
【0030】
気相法シリカを用いるとインク吸収性が良好で光沢性が高い記録材料が得られる反面、記録材料同士が密着しやすい欠点を有している。この欠点により特にハガキ用途で搬送性が問題となるが本発明により改良される。
【0031】
本発明で好ましく使用されるアルミナとしては酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は、数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で50〜300nm程度まで粉砕したものが好ましく使用出来る。
【0032】
本発明で好ましく使用されるアルミナ水和物は、Al2O3・nH2O(n=1〜3)の構成式で表される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。
【0033】
本発明に用いられるアルミナ水和物の平均一次粒径は、5〜30nmが好ましく、より高い光沢を得るためには、5〜15nmでかつ平均アスペクト比(平均厚さに対する平均粒径の比)が2以上の平板状の粒子を用いるのが好ましい。
【0034】
本発明の通信面のインク受容層は目的別に2層以上とするのが好ましく、最上層は光沢性の向上を目的とし、下層にはインク吸収性の向上を目的とする。特に樹脂被覆紙から最も離れた最上層が平均一次粒径5〜30nmのアルミナまたはアルミナ水和物を含有し、他の層が平均一次粒径3〜30nmの気相法シリカを含有することで、光沢性とインク吸収性に優れたインクジェット記録材料が得られる。
【0035】
本発明のにおいては、通信面のインク受容層が2層以上であり、インク受容層の樹脂被覆紙から最も離れた最上層が平均粒径が1〜7μmの球状粒子の少なくとも1種と10μm以上の球状粒子の少なくとも1種を含有することが光沢性及の低下させることなく搬送性が改良できるためにより好ましい。また、前者が有機粒子で後者が無機粒子のほうが手触り感からはより好ましい。平均粒径が10μm以上の球状粒子は最上層のインク受容層の膜厚よりも大きいことが好ましく、上限は40μm程度である。特に最上層が無機微粒子を1〜10g/m2含有し、平均一次粒径1〜7μmと10μm以上の球状粒子を合計で0.005〜0.2g/m2含有する場合には搬送性が良好で光沢性に優れたものが得られる。
【0036】
平均一次粒径が1〜7μmと10μm以上の球状粒子を併用することで各々を単独で用いた場合よりも搬送性が良好となる理由は以下のように推測される。即ち、10μm以上の球状粒子単独でもインク受容層表面に凸部が発生するので記録材料同士が密着しにくくなるが、併用する事で1〜7μmの球状粒子が10μm以上の球状粒子に加わった外力に対する緩衝剤として働くためにさらに記録材料同士が密着しにくくなり搬送性が大幅に向上すると予測される。
【0037】
本発明の通信面のインク受容層で使用される平均一次粒径1〜7μm、10μm以上の球状粒子は裏のインク受容層で使用される有機粒子、無機粒子と同種類で球状のものが使用出来る。尚、球状粒子とは電子顕微鏡で観察した場合に、ほぼ球状と認識されるものであり、長軸と短軸の比が0.9〜1.1程度の楕円状粒子も球状の範疇に入る。
【0038】
本発明のインクジェット記録材料は、通信面のインク受容層上にコロイダルシリカと親水性バインダーを含有する保護層を設けることが搬送性改良のためにさらに好ましい。これは、コロイダルシリカによって記録材料表面の摩擦係数が下がることに起因するものと推測される。保護層はインク受容層と比較してインクの吸収能力をあまり有しない層であり、通常はインク受容層上に傷防止の観点で設けられるものであるが、本発明においては上記の理由により搬送性が向上する。
【0039】
本発明の保護層のコロイダルシリカに対する親水性バインダーの固形分質量比をs、保護層の固形分塗布量をtg/m2とすると、一般的にはsは0.02〜3であり、tは0.1〜10g/m2である。好ましくは、0.05≦s≦2、0.4≦t≦6g/m2、0.1≦st≦2とし、インク受容層と保護層を同時または連続塗布により設けることでインク吸収性と搬送性が良好な記録材料となる。より好ましくは、sは0.08〜1、tは0.5〜5g/m2、stは0.2〜1の範囲である。
【0040】
本発明の保護層で使用のコロイダルシリカは、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる二酸化珪素をコロイド状に水中に分散させたものであり、一次粒子の平均粒径は5〜100nm、好ましくは8〜60nmがインク吸収性と透明性から望ましい。市販の球状のものとして日産化学社製、スノーテックス20等、触媒化成工業社製、カタロイドUSB等が挙げられ、鎖状のものとして日産化学社製、スノーテックスUP等が挙げられ、パールネックレス状のものとして日産化学社製、スノーテックスPS−M等が使用出来る。
【0041】
本発明の保護層には紫外線吸収剤、ヒンダードアミン類、ヒンダードフェノール類等の公知の耐光性改良剤を添加することにより耐光性が改良されるが、インク吸収性からは保護層の全固形分の10質量%程度以下が好ましい。その他、塗布性向上のための界面活性剤、消泡剤、着色剤等も添加可能である。
【0042】
本発明の宛名面のインク受容層には、高いインク吸収性及び筆記性を得るため平均粒径が100nmより大きい無機微粒子を含有することが特徴である。平均粒径が100nm以下の無機粒子を含有する場合は筆記性が悪化し、且つ平滑性が上がるため搬送性も低下するため好ましくない。本発明の宛名面のインク受容層に使用される平均粒径が100nmより大きい無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、クレー、カオリン、タルク等が挙げられるが、中でもシリカが高いインク吸収性を有するため好ましい。
【0043】
インクジェット用記録材料の通信面と宛名面間の静摩擦係数は0.7以下が好ましい。静摩擦係数は、ASTM D−1894−63準拠の摩擦係数測定装置(テスター産業社製、AB−401)により23℃、50%RHの条件で測定される。
【0044】
本発明の宛名面のインク受容層の無機微粒子の固形分含有量は1〜12g/m2が好ましく、より好ましくは3〜10g/m2とすることでインク受容層のひび割れ、インク吸収性、搬送性がより良好となる。
【0045】
本発明の宛名面の無機微粒子の平均粒径は、分散された粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒径として求めた。
【0046】
本発明においては、宛名面のインク受容層が2層以上であり、少なくともインク受容層の樹脂被覆紙から最も離れた最上層が平均粒径が100nmより大きい無機微細粒子、及び親水性バインダーを含有することがインク吸収性、筆記性及び搬送性の向上のためにより好ましい。即ち、搬送性び筆記性に影響を与えるのは、最表面の平均粒径が100nmより大きい無機微粒子であり、さらにインク吸収性の高い層を下層に設けることによって、搬送性、筆記性及びインク吸収性の全てが向上すると予想される。
【0047】
本発明に於けるインクジェット記録材料は、その通信面及び宛名面のインク受容層の表面電気抵抗が23℃、50%RHの条件下で1×1011Ω以下であり、好ましくは1×1010Ω以下にすることである。通信面及び宛名面インク受容層の表面電気抵抗が23℃、50%RHの条件下で一方でも1×1011Ωを越える場合には、名面の郵便枠印刷、プリンター及び区分機での搬送性が悪化するため好ましくない。具体的な表面電気抵抗の測定方法としては、インクジェット記録材料を23℃、50%RHの条件下で2時間以上放置して調湿した後、市販の表面電気抵抗測定器例えば三菱化学社製高抵抗率計ハイレスタIP等を用いて測定する。
【0048】
本発明に於けるインクジェット記録材料の通信面及び宛名面のインク受容層の表面電気抵抗を23℃、50%RHの条件下で1×1011Ω以下にする方法としては、帯電防止剤として公知のものとしてインク受容層に食塩、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化ジルコニウム等の水溶性無機塩を含有させたり、帯電防止性能を有するポリマー(以下、帯電防止ポリマーという)、例えば三洋化成工業株式会社からカチオン系ポリマー及びアニオン系ポリマーがケミスタットの名称で市販されているものを適宜含有させることができるが、帯電防止ポリマーがインクにより膨潤してインク吸収性を低下させるのに対し、水溶性無機塩類はインク吸収性を低下することなく表面電気抵抗を下げ搬送性を良化させることができるため好ましい。尚、これら帯電防止剤はそれぞれのインク受容層が2層以上設けられている場合、少なくとも1層以上に含有することができる。
【0049】
本発明に於けるインクジェット記録用シートの通信面及び宛名面の表面電気抵抗を23℃、50%RHの条件下で1×1011Ω以下にするその他の方法としては、樹脂被覆紙の表裏面を形成している樹脂中に前記公知の帯電防止性能を直接練り込む方法、樹脂被覆紙の表面及び裏面上にあらかじめ前記公知の帯電防止剤を含有した下引き層及びバックコート層を設ける方法、通信面及び宛名面のインク受容層の塗液に予め混合する方法、通信面及び宛名面のインク受容層を設けた後、前記公知の帯電防止剤を含有した塗液を塗布または含浸せしめる方法も可能である。
【0050】
本発明における通信面及び宛名面のインク受容層には、水溶性アルミニウム化合物または周期表4A族元素を含む水溶性化合物を含有する場合、他の帯電防止剤が記録画像の耐水性効果がないのに対して、記録画像の耐水性をインク吸収性と搬送性と同時に向上できるためさらに好ましい。
【0051】
本発明に用いられる水溶性アルミニウム化合物は水溶性で有れば特に制限はないが例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られている。
【0052】
前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは主成分が下記の一般式1、2又は3で示され、例えば[Al6(OH)15]3+、[Al8(OH)20]4+、[Al13(OH)34]5+、[Al21(OH)60]3+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al2(OH)nCl6−n]m ・・式1
[Al(OH)3]nAlCl3 ・・式2
Aln(OH)mCl(3n−m) 0<m<3n ・・式3
【0053】
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。
【0054】
本発明に用いられる周期表4A族元素を含む水溶性化合物は水溶性で有れば特に制限はないがチタンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物がより好ましい。例えばチタンを含む水溶性化合物としては塩化チタン、硫酸チタンが、ジルコニウムを含む水溶性化合物としては酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が知られている。これらの化合物はpHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。本発明に於いて、水溶性とは常温常厚下で水に1質量%以上溶解することを目安とする。
【0055】
本発明に用いられる水溶性アルミニウム化合物または周期表4A族元素を含む水溶性化合物のインク受容層中の含有量は所望の表面電気抵抗値を発現するべく任意に添加することができるが、好ましくは各インク受容層の単位面積当たりで10g/m2以下である。10g/m2を越える場合はインク吸収性能が悪化したり、インク受容層の表面亀裂が悪化するので好ましくない。
【0056】
本発明に於ける水溶性アルミニウム化合物または周期表4A族元素を含む水溶性化合物をインク受容層に含ませる方法としては特に制限はないが、インク受容層を塗布乾燥する前にインク受容層塗液中に添加する方法と一旦インク受容層を形成させた後水溶性アルミニウム化合物または周期表4A族元素を含む水溶性化合物を含む溶液をさらに塗布する方法が好ましく用いられる。
【0057】
水溶性アルミニウム化合物または周期表4A族元素を含む水溶性化合物をインク受容層塗液中に含ませる方法としては、無機微粒子の分散時に添加して、引き続きバインダーと混合して塗液とする方法や、インク受容層塗液作成の最終時に添加する方法等が考えられるがインク受容層塗液の安定性を考慮に入れて水溶性アルミニウム化合物または周期表4A族元素を含む水溶性化合物の添加時期、添加順を決定するのが好ましい。
【0058】
本発明における通信面のインク受容層や保護層には、皮膜としての特性を維持、透明性の保持、及び高いインク吸収性が得られる親水性バインダーが好ましく用いられる。親水性バインダーの使用に当たっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられ、中でも特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
【0059】
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
【0060】
また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
【0061】
本発明の宛名面のインク受容層の親水性バインダーとしては、通信面のインク受容層で使用されるものと同様の親水性バインダー、及びゼラチン、ポリビニルピロリドン、プルラン等やこれらの誘導体を使用することができる。中でも、ゼラチン、ポリビニルアルコールを使用することが、インク吸収性が向上するためさらに好ましい。。
【0062】
本発明における通信面及び宛名面のインク受容層及び保護層には、耐水性を向上させるためにカチオンポリマーを含有させるのが好ましい。カチオンポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。これらのカチオンポリマーの分子量は、5,000以上が好ましく、更に5,000〜10万程度が好ましい。
【0063】
これらのカチオンポリマーの使用量は、通信面のインク受容層の無機微粒子に対して、宛名面のインク受容層の無機微粒子に対して各々0.5〜10質量%、好ましくは1〜7質量%である。
【0064】
本発明における通信面及び宛名面のインク受容層及び保護層には、インク受容層に皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することが好ましい。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくは親水性バインダーに対して10〜50質量%の範囲で用いることができる。
【0065】
本発明における通信面及び宛名面のインク受容層及び保護層には、親水性バインダーと共に硬膜剤を含有するのが好ましい。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好ましい。硬膜剤の添加量はインク受容層及び保護層を構成する親水性バインダーに対して、0.1〜40質量%gが好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
【0066】
本発明における通信面及び宛名面のインク受容層及び保護層には、更に、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0067】
本発明における通信面及び宛名面のインク受容層、保護層及び樹脂被覆紙の下引き層の塗布方法は特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ケッドバーコーティング方式、バーコター方式、ディップ方式等がある。
【0068】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。尚、本実施例における部とは、質量部を表す。
【0069】
実施例1
<記録材料1の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿して樹脂被覆紙の厚さ180μmの基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ30μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆して表面の樹脂層を設けた。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70質量部と密度0.918の低密度ポリエチレン樹脂30質量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ25μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆して裏面の樹脂層を設けた。
【0070】
上記樹脂被覆紙の両面に高周波コロナ放電処理を施した後、片面当たり下記組成の下引き層をゼラチンが500mg/m2となるように両面塗布乾燥して樹脂被覆紙を作製した。各下引き層の厚さは0.5μmであった。
【0071】
<下引き層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
【0072】
上記樹脂被覆紙の裏面に下記の宛名面のインク受容層塗布組成物1よりなる塗布液をスライド塗布テストコーターで全固形分が13g/m2になるように塗布、乾燥した。続いて樹脂被覆紙の表面に下記の通信面のインク受容層塗布組成物1よりなる塗布液をスライド塗布テストコーターで全固形分が25g/m2になるように塗布、乾燥し記録材料1を作製した。
【0073】
<宛名面のインク受容層塗布組成物1>
湿式シリカ 100部
(水澤化学工業社製P78A、平均粒径3μm)
ほう酸 6.5部
ポリビニルアルコール 50部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
帯電防止ポリマー 8部
(三洋化成工業社製ケミスタット6300)
界面活性剤 0.3部
【0074】
<通信面のインク受容層塗布組成物1>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
ほう酸 5部
ポリビニルアルコール 24部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
帯電防止ポリマー 5部
(三洋化成工業社製ケミスタット6300)
界面活性剤 0.3部
【0075】
<記録材料2の作製>
記録材料1の宛名面のインク受容層塗布組成物1の帯電防止ポリマーを塩化ナトリウム2部に変更し、通信面のインク受容層塗布組成物1の帯電防止ポリマーを塩化ナトリウム1部に変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料2を作製した。
【0076】
<記録材料3の作製>
記録材料1の宛名面のインク受容層塗布組成物1の帯電防止ポリマーをオキシ塩化ジルコニウム(日本軽金属社製)に変更し、通信面のインク受容層塗布組成物1の帯電防止ポリマーをオキシ塩化ジルコニウム(日本軽金属社製)に変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料3を作製した。
【0077】
<記録材料4の作製>
記録材料1の宛名面のインク受容層塗布組成物1の帯電防止ポリマーを塩基性ポリ水酸化アルミ(理研グリーン社製ピュラケムWT)に変更し、通信面のインク受容層塗布組成物1の帯電防止ポリマーを塩基性ポリ水酸化アルミ(理研グリーン社製ピュラケムWT)に変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料4を作製した。
【0078】
<記録材料5の作製>
記録材料1の樹脂被覆紙の裏面に、下記の宛名面のインク受容層塗布組成物2よりなる塗布液と、記録材料1と同様の宛名面のインク受容層塗布組成物1よりなる塗布液を用いて、スライド塗布テストコーターで固形分がそれぞれ11g/m2及び2g/m2になるように塗布、乾燥した。続いて樹脂被覆紙の表面に記録材料4と同様にして通信面のインク受容層を設け記録材料5を作製した。
【0079】
<宛名面のインク受容層塗布組成物2>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
ほう酸 5部
ポリビニルアルコール 24部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
帯電防止ポリマー 5部
(三洋化成工業社製ケミスタット6300)
界面活性剤 0.1部
【0080】
<記録材料6の作製>
記録材料1の樹脂被覆紙の裏面に、下記の宛名面のインク受容層塗布組成物3よりなる塗布液と、下記の宛名面のインク受容層塗布組成物4よりなる塗布液を用いて、スライド塗布テストコーターで固形分がそれぞれ11g/m2及び2g/m2になるように塗布、乾燥した。続いて樹脂被覆紙の表面に下記の通信面のインク受容層塗布組成物2よりなる塗布液と、下記の通信面の保護層塗布組成物1よりなる塗布液を用いて、スライド塗布テストコーターで固形分がそれぞれ25g/m2及び1g/m2になるように塗布、乾燥し記録材料6を作製した。
【0081】
<宛名面のインク受容層塗布組成物3>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
ほう酸 5部
ポリビニルアルコール 24部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミ 5部
(理研グリーン社製ピュラケムWT)
界面活性剤 0.1部
【0082】
<宛名面のインク受容層塗布組成物4>
湿式シリカ 100部
(水澤化学工業社製P78A、平均粒径3μm)
ほう酸 6.5部
ポリビニルアルコール 50部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミ 8部
(理研グリーン社製ピュラケムWT)
界面活性剤 0.3部
【0083】
<通信面のインク受容層塗布組成物2>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
ほう酸 5部
ポリビニルアルコール 24部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミ 5部
(理研グリーン社製ピュラケムWT)
界面活性剤 0.1部
【0084】
<通信面の保護層塗布組成物1>
コロイダルシリカ 100部
(日産化学社製、スノーテックスAK−L)
ポリビニルアルコール 4部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 2部
界面活性剤 0.3部
【0085】
<記録材料7の作製>
記録材料6の通信面のインク受容層を、下記のインク受容層塗布組成物3よりなる塗布液と、通信面の保護層塗布組成物1よりなる塗布液を用いて、スライド塗布テストコーターで固形分がそれぞれ20g/m2及び5g/m2になるように塗布、乾燥した以外は記録材料6と同様にして記録材料7を作製した。
【0086】
<通信面のインク受容層塗布組成物3>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
ほう酸 5部
ポリビニルアルコール 24部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミ 5部
(理研グリーン社製ピュラケムWT)
球状粒子 0.5部
(積水化学社製ポリスチレン、SBX−17、平均一次粒径17μm)
球状粒子 1部
(積水化学社製ポリスチレン、SBX−6、平均一次粒径6μm)
界面活性剤 0.3部
【0087】
<記録材料8の作製>
記録材料6の宛名面のインク受容層として、下記の宛名面のインク受容層塗布組成物5の単層とし、スライド塗布テストコーターで全固形分が13g/m2になるように塗布、乾燥した以外は記録材料6と同様にして記録材料8を作製した。
【0088】
<宛名面のインク受容層塗布組成物5>
湿式シリカ 100部
(水沢化学社製P78A、平均粒径3μm)
ゼラチン 80部
(ニッカゼラチン社製、IK−2000)
帯電防止ポリマー 5部
(三洋化成工業社製ケミスタット6300)
界面活性剤 0.3部
【0089】
<記録材料9の作製>
記録材料6の通信面のインク受容層として、下記の通信面のインク受容層塗布組成物4よりなる塗布液と、通信面の保護層塗布組成物1よりなる塗布液を用いて、スライド塗布テストコーターで固形分がそれぞれ35g/m2及び1g/m2になるように塗布、乾燥した以外は記録材料6と同様にして記録材料9を作製した。
【0090】
<通信面のインク受容層塗布組成物4>
アルミナ水和物 100部
(平均一次粒径14nm、アスペクト比5の平板状粒子)
硝酸 1部
ほう酸 1部
ポリビニルアルコール 15部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミ 5部
(理研グリーン社製ピュラケムWT)
界面活性剤 0.1部
【0091】
<記録材料10の作製>
記録材料6の通信面のインク受容層と保護層の間に、下記の通信面のインク受容層塗布組成物5よりなる塗布液をインク受容層上層として、スライド塗布テストコーターでインク受容層下層、上層及び保護層をそれぞれ固形分が22g/m2、6g/m2及び1g/m2になるように塗布、乾燥した以外は記録材料6と同様にして記録材料10を作製した。
【0092】
<通信面のインク受容層塗布組成物5>
アルミナ水和物 100部
(平均一次粒径14nm、アスペクト比5の平板状粒子)
硝酸 1部
ほう酸 1部
ポリビニルアルコール 15部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミ 5部
(理研グリーン社製ピュラケムWT)
界面活性剤 0.2部
【0093】
<記録材料11の作製>
記録材料6の通信面のインク受容層として、下記の通信面のインク受容層塗布組成物6にした以外は記録材料6と同様にして記録材料11を作製した。尚、通信面のインク受容層塗布組成物6の湿式微粒子シリカは湿式シリカ(日本シリカ工業社製ニップシールLP)をダイノミル(シンマルエンタープライゼス社製、0.3mmジルコニアビーズ使用)にて湿式粉砕して作製した。
【0094】
<通信面のインク受容層塗布組成物6>
湿式微粒子シリカ 100部
(平均一次粒径18nm)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 24部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤 0.1部
【0095】
<記録材料12の作製>
記録材料1の宛名面のインク受容層塗布組成物1及び通信面のインク受容層塗布組成物1の帯電防止ポリマーを添加しなかった以外は記録材料1と同様にして記録材料12を作製した。
【0096】
<記録材料13の作製>
記録材料1の通信面のインク受容層塗布組成物1の帯電防止ポリマーを添加しなかった以外は記録材料1と同様にして記録材料13を作製した。
【0097】
<記録材料14の作製>
記録材料1の宛名面のインク受容層塗布組成物1の帯電防止ポリマーを添加しなかった以外は記録材料1と同様にして記録材料14を作製した。
【0098】
<記録材料15の作製>
記録材料1の通信面のインク受容層塗布組成物1を宛名面のインク受容層塗布組成物1に変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料15を作製した。
【0099】
<記録材料16の作製>
記録材料1の宛名面のインク受容層塗布組成物1を通信面のインク受容層塗布組成物1に変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料16を作製した。
【0100】
<記録材料17の作製>
記録材料1の樹脂被覆紙を坪量200g/m2の上質紙に変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料17を作製した。
【0101】
<記録材料18の作製>
記録材料1の樹脂被覆紙を坪量200g/m2の白色ポリエチレンテレフタレートフィルムに変更した以外は記録材料1と同様にして記録材料18を作製した。
【0102】
上記のようにして作製された記録材料を23℃、50%RHの環境で一昼夜放置し、その後、通信面及び宛名面の表面電気抵抗、通信面の光沢性及びインク吸収性、宛名面のインク吸収性及び筆記性、搬送性、質感を下記の方法で評価した。その結果を表1及び表2に示す。
【0103】
<通信面及び宛名面の表面電気抵抗>
23℃、50%RHの環境下で、記録材料の通信面及び宛名面の表面電気抵抗を、三菱化学社製高抵抗率計ハイレスタIP等を用いて測定した。
【0104】
<通信面の光沢性>
記録材料の通信面のインク受容層の印字前の白紙部光沢性を斜光で観察し、下記の基準で評価した。
○;カラー写真並の高い光沢感が有る。
△;アート、コート紙並の光沢感が有る。
×;上質紙並の沈んだ光沢感が有る。
【0105】
<通信面のインク吸収性>
記録材料の通信面に、23℃、50%RHの環境下でセイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−880Cでブルーベタ印字し、印字直後に印字面にPPC用紙を重ねて軽く圧着し、剥がしてPPC用紙へのインクの裏写りを下記の基準で評価した。
◎;全く裏写り無し。
○;やや裏写り有るが実用上問題なし。
△;裏写り有り実使用下限。
×;はっきりと裏写り有り実使用不可。
【0106】
<宛名面のインク吸収性>
記録材料の宛名面に、23℃、50%RHの条件でセイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−880Cで黒ベタ印字し、印字直後に印字面にPPC用紙を重ねて軽く圧着し、剥がしてPPC用紙へのインクの裏写りを下記の基準で評価した。
◎;全く裏写り無し。
○;やや裏写り有るが実使用上問題なし。
△;裏写り有り実使用下限。
×;はっきりと裏写り有り実使用不可。
【0107】
<宛名面の筆記性>
記録材料の宛名面を23℃、50%RHの環境下で鉛筆硬度Hの鉛筆にて文字の筆記試験を行い下記の基準で評価した。
○;書き味、文字濃度とも非常に良好。
△;書き味がやや悪く、文字濃度もやや低い。
×;書き味が悪く、文字濃度も低く実用上不可レベル。
【0108】
<搬送性>
ハガキサイズに断裁した20枚の記録材料を、23℃、50%RHの環境下でセイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−880Cで通信面にブルー20枚連続印字を行い、続いて宛名面に黒文字を20枚連続印字した。その後同様な印字試験を25セット行い合計500枚の記録材料の搬送試験を行った。そのときの搬送性に関して下記の基準で評価した。
◎;重送が全く発生しなかった。
○;重送が1〜4回発生したが、実用上問題なし。
×;重送が5〜20回発生し、実使用上不可。
××;重送が21回以上発生し、実使用上不可。
【0109】
<質感>
ハガキサイズに断裁した記録材料を、23℃、50%RHの環境下でセイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−880Cで通信面に写真画像を印字し、続いて宛名面に文字を印字し、30人の被試験者にフォトライクな質感であるかどうか聞き取り調査した。その結果に関して関して下記の基準で質感を評価した。
○;25人以上がフォトライクな質感であると答えた。
△;10人〜24人がフォトライクな質感であると答えた。
×;フォトライクな質感であると答えた人は9人以下であった。
【0110】
【表1】
【0111】
【表2】
【0112】
表1及び表2より明らかなように、本発明の記録材料1〜11のインクジェット記録材料は、通信面が高い光沢性及びインク吸収性を有し、宛名面が高いインク吸収性及び筆記性を有し、搬送性が良好でフォトライクな質感を有していた。特に、記録材料6〜11のインクジェット記録材料は、通信面のインク受容層が2層以上であり、樹脂被覆紙から最も離れた最上層が平均一次粒径1〜7μmの球状粒子の少なくとも1種と平均一次粒径10μm以上の球状粒子の少なくとも1種を含有した、もしくは前記インク受容層上にコロイダルシリカと親水性バインダーを含有する保護層を設けていたため、搬送性がさらに良好であった。また、記録材料1、5及び8以外のインクジェット記録材料は、通信面及び宛名面双方のインク受容層に水溶性無機塩類を含有したため、通信面及び宛名面双方のインク吸収性がさらに良化した。尚、記録材料の耐水性を別途評価したところ、記録材料1、2、5及び8以外のインクジェット記録材料は、通信面及び宛名面双方のインク受容層に水溶性アルミニウム化合物または周期表4A族元素を含む水溶性化合物を含有したため、通信面及び宛名面双方のインク吸収性及び搬送性を維持しつつ、耐水性が同時に向上していた。
一方、比較例の記録材料12〜14のインクジェット記録材料は、通信面及び/または宛名面のインク受容層の表面電気抵抗が23℃、50%RHの条件下で1×1011Ωを越えていたため、搬送性が低下した。また比較例の記録材料15のインクジェット記録材料は、通信面のインク受容層に含有する無機微粒子の平均一次粒径が50nmを越えていたため、通信面の光沢性が低下し、質感も低下した。比較例の記録材料16のインクジェット記録材料は、宛名面のインク受容層に含有する無機微粒子の平均粒径が100nm以下であったため、筆記性が低下するとともに搬送性も低下した。比較例の記録材料17のインクジェット記録材料は、紙を支持体として使用したためインク吸収性は高いが通信面の光沢性が低下し、且つフォトライクな質感とはほど遠い結果となった。比較例の記録材料18のインクジェット記録材料は、フィルムを支持体として使用したため通信面の光沢性は高いが、フィルム調の質感であり必ずしもフォトライクな質感とは言い難い結果となった。
【0113】
【発明の効果】
本発明によれば、特にハガキの場合の通信面が高い光沢性及びインク吸収性を有し、宛名面が高いインク吸収性及び筆記性を有し、搬送性が良好でフォトライクな質感を有するインクジェット記録材料が得られた。
Claims (2)
- 基紙の両面に樹脂層を設けた樹脂被覆紙の片面に、平均一次粒径が50nm以下の無機微粒子を13〜30g/ m 2 および親水性バインダーを含有するインク受容層(A)を設け、他面に平均粒径が100nmより大きい無機微粒子を3〜10g/ m 2 および親水性バインダーを含有するインク受容層(B)を設けたインクジェット記録材料であり、該インク受容層A及びBの表面電気抵抗が23℃、50%RHの条件下で1×1011Ω以下であることを特徴とするインクジェット記録材料。
- 前記インク受容層A及びBが水溶性無機塩類を含有する請求項1に記載のインクジェット記録材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002097506A JP3939578B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | インクジェット記録材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002097506A JP3939578B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | インクジェット記録材料 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003291506A JP2003291506A (ja) | 2003-10-15 |
JP2003291506A5 JP2003291506A5 (ja) | 2005-04-07 |
JP3939578B2 true JP3939578B2 (ja) | 2007-07-04 |
Family
ID=29239984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002097506A Expired - Fee Related JP3939578B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | インクジェット記録材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3939578B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009061673A (ja) | 2007-09-06 | 2009-03-26 | Fujifilm Corp | インクジェット記録媒体及びインクジェット記録方法 |
JP2009061731A (ja) | 2007-09-07 | 2009-03-26 | Fujifilm Corp | インクジェット記録媒体及びインクジェット記録方法 |
JP2009233970A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Fujifilm Corp | インクジェット記録媒体およびその製造方法 |
US9724910B2 (en) | 2015-03-20 | 2017-08-08 | Mitsubishi Paper Mills Limited | Printing paper for industrial rotary inkjet printing press and method for producing printed material |
-
2002
- 2002-03-29 JP JP2002097506A patent/JP3939578B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003291506A (ja) | 2003-10-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4038065B2 (ja) | インクジェット用記録材料及びそれを用いたインクジェット記録方法及び記録物 | |
JP4420609B2 (ja) | インクジェット記録材料 | |
JP2000309157A (ja) | インクジェット記録用シート | |
JP4068270B2 (ja) | インクジェット記録材料 | |
JP4350667B2 (ja) | インクジェット記録材料 | |
JP4533356B2 (ja) | インクジェット記録材料およびその製造方法 | |
JP3939578B2 (ja) | インクジェット記録材料 | |
JP4047597B2 (ja) | インクジェット記録材料の製造方法 | |
JP3953860B2 (ja) | インクジェット用記録材料 | |
JP4047578B2 (ja) | インクジェット記録材料 | |
JP4504297B2 (ja) | インクジェット記録材料 | |
JP4357140B2 (ja) | インクジェット用記録材料の製造方法 | |
JP2003094800A (ja) | インクジェット用記録材料 | |
JP2006264278A (ja) | インクジェット記録材料 | |
JP2007152633A (ja) | 記録用紙 | |
JP2005231295A (ja) | インクジェット用記録材料 | |
JP3895625B2 (ja) | インクジェット用記録材料 | |
JP3862586B2 (ja) | インクジェット用記録材料 | |
JP2006088684A (ja) | インクジェット用記録材料 | |
JP2003159861A (ja) | インクジェット用記録材料 | |
JP2003191633A (ja) | インクジェット用記録材料、およびその製造方法 | |
JP2007276446A (ja) | インクジェット記録材料 | |
JP4030423B2 (ja) | はがき用インクジェット記録材料 | |
JP2004174729A (ja) | インクジェット用記録材料 | |
JP3895533B2 (ja) | インクジェット記録材料及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040507 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040507 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060607 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060613 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20060829 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060920 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070313 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070328 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120406 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130406 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |