JP2003094800A - インクジェット用記録材料 - Google Patents

インクジェット用記録材料

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JP2003094800A
JP2003094800A JP2001296294A JP2001296294A JP2003094800A JP 2003094800 A JP2003094800 A JP 2003094800A JP 2001296294 A JP2001296294 A JP 2001296294A JP 2001296294 A JP2001296294 A JP 2001296294A JP 2003094800 A JP2003094800 A JP 2003094800A
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Japan
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colloidal silica
ink
protective layer
resin
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Hanae Nakatani
華枝 中谷
Nobumasa Miyaji
宣昌 宮地
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】白紙光沢性が良好で、インク吸収性、ギロチン
断裁端傷性、および耐傷性の良好なインクジェット用記
録材料を提供する。 【解決手段】支持体に無機微粒子と親水性バインダーを
含有する少なくとも1層のインク受容層、およびコロイ
ダルシリカを含有する保護層を設けたインクジェット用
記録材料において、該保護層のコロイダルシリカとし
て、平均一次粒径が30nm以上、60nm未満のコロ
イダルシリカ(A)、および平均一次粒径が60〜10
0nmのコロイダルシリカ(B)を混合使用することを
特徴とするインクジェット用記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持体にインク受
容層を有するインクジェット用記録材料に関し、更に詳
しくは、高光沢でインク吸収性が良好であり、耐傷性に
優れたインクジェット用記録材料に関するものである。
特にギロチン等で断裁するときや積載して輸送するとき
にインク受容層に傷や光沢ムラが発生しにくいインクジ
ェット用記録材料である。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式に使用される記
録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称
される支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルア
ルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク
受容層を設けてなる記録材料が知られている。
【0003】例えば、特開昭55−51583号、同5
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、及び同64−11877号公報等に開示のごと
く、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支
持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】また、特公平3−56552号、特開平2
−188287号、同平10−81064号、同平10
−119423号、同平10−175365号、同10
−203006号、同10−217601号、同平11
−20300号、同平11−20306号、同平11−
34481号公報等公報には、気相法による合成シリカ
微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いた記録材料
が開示されている。気相法シリカは、一次粒子の平均粒
径が100nm以下の超微粒子であり、高い光沢と高い
インク吸収性が得られるという特徴がある。しかし、超
微粒子であるが故に、インク受容層表面に傷が発生しや
すい問題がある。
【0005】一方、インクジェット用記録材料の支持体
としては、従来、紙が一般的に用いられており、紙自体
にインク吸収層としての役割を持たせていた。近年、フ
ォトライクの記録シートが要望される中、紙支持体を用
いた記録シートは、光沢、質感、耐水性、印字後のコッ
クリング(皺あるいは波打ち)等の問題があり、耐水性
加工された紙支持体、例えば、紙の両面にポリエチレン
等のポリオレフィン樹脂をラミネートした樹脂ラミネー
ト紙(ポリオレフィン樹脂被覆紙)、プラスチックフィ
ルム等が用いられるようになってきた。しかしながら、
これらの耐水性支持体は、紙支持体と違ってインク受容
層を設けた表面の平滑性が高く、裏面と重ねた場合に擦
れによるインク受容面に傷が発生しやすく、プリンター
時に重送が発生しやすかった。特に支持体自身がインク
吸収性が無いためにインク受容層が厚くなっており、光
沢も高いので傷の発生しやすく、目立ちやすい問題があ
った。
【0006】また、より高いインク吸収性を得るために
は、無機微粒子に対するバインダー量の含有比率を小さ
くすることが必要であるが、この比率を小さくすること
によって、益々傷が発生しやすくなった。特に、記録材
料をギロチン等で断裁する場合や積載して輸送する場合
に、光沢の高いインク受容層面に傷や、光沢ムラが発生
しやすかった。
【0007】特開平9−183267号、特開平10−
166715号、特開2000−37944号、同20
00−108505号、同2000−280609号公
報等にはインク受容層上層にコロイダルシリカ層を設け
て光沢性とインク吸収性を改良する提案がなされてい
る。しかしながら、記載されているような上層を設ける
ことによりインク吸収性が低下する問題が有った。特開
平10−71762号公報には、最上層の光沢層に球状
と非球状のシリカを含有させることで光沢性と搬送性を
改良する提案がなされているが、非球状シリカの添加に
よる光沢性の低下は避けられなかった。また、特開20
00−33769号公報には印字濃度とインク吸収性向
上目的で表面処理層に一次粒子径が5〜30nmと35
〜70nmのコロイダルシリカゲルを特定比混合使用す
る提案がなされているが、微粒のコリダルシリカ使用に
よるインク吸収性の低下は避けられない問題であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、支持体の片面にインク受容層を有するインクジェッ
ト用記録材料であり、高光沢でインク吸収性、および耐
傷性が良好なインクジェット用記録材料を提供すること
にある。特に重ねて輸送する時やギロチン等での断裁時
にも傷や光沢ムラが発生しないインクジェット用記録材
料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために種々検討した結果、保護層に特定の
コロイダルシリカを混合使用することで解決されること
を見出した。即ち、本発明の上記目的は、支持体に無機
微粒子と親水性バインダーを含有する少なくとも1層の
インク受容層、およびコロイダルシリカを含有する保護
層を設けたインクジェット用記録材料において、該保護
層が有機バインダーを含有し、平均一次粒径が30nm
以上、60nm未満のコロイダルシリカ(A)、および
平均一次粒径が60〜100nmのコロイダルシリカ
(B)を混合使用することを特徴とするインクジェット
用記録材料により達成された。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される支持体としては、紙、合成紙、不織
布、織布、フィルム等が使用され、好ましくは、ポリエ
チレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアサテ
ート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セ
ロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及
び紙と樹脂フィルムを貼り合わせたもの、紙の少なくと
も片面にポリオレフィン樹脂等の疎水性樹脂をラミネー
トした樹脂被覆紙が挙げられる。支持体の厚みは50〜
300μm、好ましくは80〜260μmのものが用い
られる。
【0011】本発明に好ましく用いられるポリオレフィ
ン樹脂被覆紙支持体(以降、樹脂被覆紙と称す)につい
て詳細に説明する。本発明に用いられる樹脂被覆紙は、
その含水率は特に限定しないが、カール性より好ましく
は5.0〜9.0%の範囲であり、より好ましくは6.
0〜9.0%の範囲である。樹脂被覆紙の含水率は、任
意の水分測定法を用いて測定することができる。例え
ば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィ
ッシャー法等を用いることができる。
【0012】樹脂被覆紙を構成する基紙は、特に制限は
なく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好
ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平
滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天
然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2
種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で
用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止
剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0013】さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布さ
れていてもよい。
【0014】また、基紙の厚みに関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ま
しく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0015】基紙を被覆するポリオレフィン樹脂として
は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィン
のホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体な
どのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれら
の混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトイ
ンデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して
使用できる。
【0016】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0017】樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行
する基紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で
流延する、いわゆる押出コーティング法により製造さ
れ、その少なくとも片面が樹脂により被覆される。ま
た、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処
理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。
インク吸収性からは基紙のインク受容層を設ける面(基
紙の表面)に樹脂を被覆しないほうが好ましく、反対面
(基紙の裏面)にはカール防止の点からは樹脂層を設け
たほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、裏面あ
るいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎
処理などの活性処理を施すことができる。また、樹脂被
覆層の厚みとしては特に制限はないが、一般に片面5〜
50μmの厚みに片面または表裏両面に樹脂コーティン
グされる。片面だけを樹脂被覆する場合には、得られる
インクジェット記録材料のカール性からは樹脂被覆層の
厚みは5〜25μm程度が好ましい。
【0018】本発明の樹脂被覆紙の表のインク受容層が
塗設される面(以後樹脂被覆紙の表面と称す)は、基紙
面のままでもよいが、光沢、平滑性からはポリオレフィ
ン樹脂を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロール
との間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造され
る。この際、クーリングロールはポリオレフィン樹脂コ
ーティング層の表面形状の形成に使用され、樹脂層の表
面はクーリングロール表面の形状により鏡面、微粗面、
またはパターン化された絹目状やマット状等に型付け加
工することができるが、ひび割れ、耐傷性や搬送性から
はJIS−B−0601で規定されるカットオフ値が
0.8mmでの中心線平均粗さ(Ra)は0.8〜5μ
mが好ましい。
【0019】本発明の樹脂被覆紙の裏のインク受容層の
塗設される面(以後樹脂被覆紙の裏面と称する)は、表
面を樹脂被覆する場合には基紙面のままでも良いが、カ
ール性や印字画像の向上からは主としてポリオレフィン
樹脂を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロールと
の間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造され
る。この際プリンターでの搬送性、印字画像からはクー
リングロールはJIS−B−0601に規定されるRa
が0.8〜5μmになるようにクーリングロール表面の
形状により微粗面、またはパターン化された、例えば絹
目状やマット状等に型付け加工することが好ましい。
【0020】基紙の裏面や表面に樹脂被覆層を設ける方
法は、加熱溶融樹脂を押し出して塗設する以外に電子線
硬化樹脂を塗設後、電子線を照射する方法や、ポリオレ
フィン樹脂エマルジョンの塗液を塗設後乾燥し、表面平
滑化処理を施す方法等が有る。いずれも凹凸を有する熱
ロール等での型付けを行うことで本発明に適応可能な樹
脂被覆紙が得られる。
【0021】本発明に用いられる樹脂被覆紙の表面には
下引き層を設けても良い。この下引き層は、インク受容
層が塗設される前に、予め耐水性支持体の表面に塗布乾
燥されたものである。この下引き層は、皮膜形成可能な
水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有す
る。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリ
マーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの
水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/m2が好
ましく、20〜300mg/m2がより好ましい。更に、
下引き層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有するのが
好ましい。また、樹脂被覆紙に下引き層を塗布する前に
は、コロナ放電することが好ましい。
【0022】本発明のインク受容層に用いられる無機微
粒子としては、合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和
物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン
等が使用される。好ましくは、平均一次粒径が100n
m以下の無機微粒子であり、より好ましくは、平均一次
粒径が5〜50nmの気相法シリカ、アルミナ、及びア
ルミナ水和物の少なくとも1種が使用される。
【0023】本発明において、インク受容層に用いられ
る無機微粒子の量は、10〜45g/m2が好ましく、1
3〜40g/m2の範囲がより好ましい。含有量が上記範
囲より多くなるとひび割れが生じやすくなり、また少な
くなるとインク吸収性が低くなる。
【0024】本発明に用いられる合成シリカには、湿式
法によるものと気相法によるものがある。通常シリカ微
粒子といえば湿式法シリカを指す場合が多い。湿式法シ
リカとしては、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分
解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾル、ま
たはこのシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダ
ルシリカ、シリカゾルをゲル化させ、その生成条件を
変えることによって数μmから10μm位の一次粒子が
シロキサン結合をした三次元的な二次粒子となったシリ
カゲル、更にはシリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アル
ミン酸ナトリウム等を加熱生成させて得られるもののよ
うなケイ酸を主体とする合成ケイ酸化合物等がある。
【0025】本発明に好ましく用いられる気相法シリカ
は、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎
加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素
を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知ら
れているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロ
シランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または
四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。
気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジ
ル、トクヤマ(株)からQSタイプとして市販されてお
り入手することができる。
【0026】本発明の気相法シリカの一次粒子の平均粒
径は、5〜50nmが好ましく、より高い光沢を得るた
めには、5〜20nmでかつBET法による比表面積が
90〜400m2/gのものを用いるのが好ましい。本発
明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積
測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ
総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着
気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸
着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も
多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最
も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であっ
てBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。
BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面
で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
【0027】気相法シリカを用いるとインク吸収性が良
好で光沢性が高い記録材料が得られる反面、シリカ表面
のシラノール基が少ない為か二次粒子の凝集性が弱く、
傷がつきやすい欠点を有している。この欠点により表裏
面こすれによる傷の発生等が問題となるが本発明により
改良される。
【0028】本発明のアルミナとしては酸化アルミニウ
ムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδ
グループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を1
0nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常
は、数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホ
モジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で300n
m以下程度まで粉砕したものが好ましく、より好ましく
は50nm以下のものが使用出来る。
【0029】本発明で好ましく使用されるアルミナ水和
物は、Al23・nH2O(n=1〜3)の構成式で表
される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和
物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイ
ト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロ
ポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、ア
ルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加
水分解等の公知の製造方法により得られる。
【0030】本発明に用いられるアルミナ水和物の一次
粒子の平均粒径は、5〜50nmが好ましく、より高い
光沢を得るためには、5〜20nmでかつ平均アスペク
ト比(平均厚さに対する平均粒径の比)が2以上の平板
状の粒子を用いるのが好ましい。
【0031】本発明のインク受容層は目的別に2層以上
としてもよく、最上層は光沢性の向上を目的とし、下層
にはインク吸収性の向上を目的とする。特に耐水性支持
体から最も離れた最上層が平均一次粒径5〜50nmの
アルミナまたはアルミナ水和物を含有し、他の層が平均
一次粒径5〜50nmの気相法シリカを含有すること
で、光沢性とインク吸収性に優れたインクジェット記録
材料が得られる。最上層のインク受容層に用いられるア
ルミナまたはアルミナ水和物の量は、1〜15g/m2
好ましく、1〜10g/m2の範囲がより好ましい。含有
量が上記範囲より多くなるとひび割れが発生しやすくな
り、また少なくなると光沢性が低くなる傾向である。
【0032】本発明では、支持体の裏面にインク受容性
や、鉛筆筆記性、搬送性等を賦与するために無機粒子や
有機粒子、バインダーを含有する裏塗り層を設けても良
い。無機粒子としては、シリカ、アルミナ、アルミナ水
和物、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、二酸化チタン、クレー、カオリン、タルク等
が挙げられる。有機粒子としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、
ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリ
塩化ビニル等やこれらの共重合体、尿素樹脂、メラミン
樹脂等が挙げられる。
【0033】インクジェット用記録材料の表の保護層と
裏間の静摩擦係数は0.7以下がプリンターでの搬送性
からは好ましい。静摩擦係数は、ASTM D−198
4−63準拠の摩擦係数測定装置(テスター産業社製、
AB−401)により23℃、55%RHの条件で測定
される。
【0034】本発明のインクジェット用記録材料はイン
ク受容層上に平均一次粒径が30nm以上、60nm未
満のコロイダルシリカA、および60〜100nmのコ
ロイダルシリカBを混合した保護層を設けたものであ
る。本発明ではインク受容層はインクの染料等の色剤を
保持する機能を有するのに対し、保護層は主として耐傷
性を向上する機能を有するものである。特に、耐水性支
持体上に上記の微細な無機微粒子含有のインク受容層を
設けた場合でも、上に本発明の保護層を設けたインクジ
ェット用記録材料は、重ねて輸送する場合や積載してギ
ロチンで断裁する場合のように裏面と表の保護層面とが
擦れる場合や加圧された場合でも保護層面に傷や光沢ム
ラが発生しにくくなる。特にハガキ用途で裏面の宛名面
に枠線等を印刷する場合にも表面に傷が発生しにくくな
る。インク受容層に平均一次粒径が100nm以下の無
機微粒子を用い、保護層に平均一次粒径が30nm未満
のコロイダルシリカを使用するとインク吸収性が極端に
低下するが、インク受容層の空隙に保護層のコロイダル
シリカ粒子が陥没するためと推測される。本発明の30
nm以上の2種の平均一次粒径のコロイダルシリカを保
護層に使用することでインク受容層の空隙への陥没が起
きにくくなり、一次粒径60〜100nmのコロイダル
シリカが表面に突出しているので耐傷性が改良されると
推測される。
【0035】本発明の保護層で使用のコロイダルシリカ
は、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交
換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得
られる二酸化珪素をコロイド状に水中に分散させたもの
であり、平均一次粒径が30nm以上、60nm未満の
コロイダルシリカA、および60〜100nmのコロイ
ダルシリカBを混合使用する。コロイダルシリカAとし
ては、日産化学工業社からST−20L、ST−OL、
ST−XL等が、コロイダルシリカBとしては、ST−
YL、ST−ZL、ST−OZL等が、市販されてい
る。コロイダルシリカAおよびBの固形分質量比率は一
般的にはA:B=98:2〜5:95であるが、好まし
くはA:B=95:5〜50:50である。コロイダル
シリカAの比率が多いほうがインク吸収性は低下傾向で
あるが光沢性は良化するので比率と塗布量を調節するこ
とで光沢性とインク吸収性が良好となる。
【0036】本発明の保護層のコロイダルシリカに対す
る有機バインダーの固形分質量比は0.005〜3が一
般的であり、好ましくは0.01〜2である。小さいと
耐傷性の改良効果が少なく、大きいとインク吸収性が低
下する。本発明の保護層の固形分塗布量は0.1〜7g
/m2が一般的であり、好ましくは、0.3〜5g/m2
範囲である。少ないと耐傷性改良効果が少なく、多いと
インク吸収性が低下する。
【0037】保護層の有機バインダーとしては、各種の
親水性バインダーやバインダーラテックス等が使用出来
る。好ましくはインク受容層で使用されるような、ポリ
ビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリ
ビニルピロリドン等の親水性バインダーである。ポリマ
ーラテックスとしては、例えば、アクリル系ラテックス
としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒ
ドロキシアルキル基等のアクリル酸エステルもしくはメ
タクリル酸エステル類、アクリルニトリル、アクリルア
ミド、アクリル酸及びメタクリル酸等の単独重合体また
は共重合体、あるいは上記モノマーと、スチレンスルホ
ン酸やビニルスルホン酸、イタコン酸、マレイン酸、フ
マル酸、無水マレイン酸、ビニルイソシアネート、アリ
ルイソシアネート、ビニルメチルエーテル、酢酸ビニ
ル、スチレン、ジビニルベンゼン等との共重合体が挙げ
られる。オレフィン系ラテックスとしては、ビニルモノ
マーとジオレフィン類のコポリマーからなるポリマーが
好ましく、ビニルモノマーとしてはスチレン、アクリル
ニトリル、メタクリルニトリル、アクリル酸メチル、メ
タクリル酸メチル、酢酸ビニル等が好ましく用いられ、
ジオレフィン類としてはブタジエン、イソプレン、クロ
ロプレン等が挙げられる。
【0038】本発明の保護層には、インク受容層で使用
可能な各種硬膜剤を使用することで塗布、乾燥時に発生
する表面欠陥の防止や耐傷性を向上することが可能とな
るので好ましい。特にほう酸またはほう酸塩が好まし
い。硬膜剤の添加量は保護層を構成する有機バインダー
に対して、0.1〜40質量%が好ましく、より好まし
くは0.5〜30質量%である。本発明の保護層には紫
外線吸収剤、ヒンダードアミン類、ヒンダードフェノー
ル類等の公知の耐光性改良剤を添加することにより耐光
性が改良されるが、インク吸収性からは保護層の全固形
分の10質量%程度以下が好ましい。その他、塗布性向
上のための界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤、着色剤等
も添加可能である。
【0039】本発明のインク受容層には、皮膜としての
特性を維持するためと、透明性が高くインクのより高い
浸透性が得られる親水性バインダーが用いられる。親水
性バインダーの使用に当たっては、親水性バインダーが
インクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわな
いことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨
潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。ポ
リビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、
デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン、ポリアクリル酸エステル系等やそれらの
誘導体が使用されるが、特に好ましい親水性バインダー
は完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたは
カチオン変性ポリビニルアルコールである。
【0040】ポリビニルアルコールの中でも特に好まし
いのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化
したものである。平均重合度500〜5000のポリビ
ニルアルコールが好ましい。
【0041】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号に記載され
ているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有
するポリビニルアルコールである。
【0042】本発明のインク受容層には親水性バインダ
ーを無機微粒子に対して5〜35質量%、好ましくは1
0〜30質量%含有させる。少なすぎるとインク受容層
の強度が低下し、多すぎるとインク吸収性が低下する。
【0043】本発明において好ましくは、インク受容層
に水溶性の金属化合物を含有することによって、ひび割
れを防止することができる。従って、インク吸収性を向
上させるために親水性バインダー量の更なる低減及び無
機微粒子付着量の更なる増量が可能となる。
【0044】水溶性の金属化合物としては、例えば水溶
性の多価金属塩として、カルシウム、バリウム、マンガ
ン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜
鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステ
ン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられ
る。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウ
ム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、
硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マ
ンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニ
ウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)
ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバル
ト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケ
ル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアン
モニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸
アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニ
ウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和
物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一
鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、フェノール
スルホン酸亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和
物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、
塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコ
ニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、
塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水
和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリ
ウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タ
ングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブド
りん酸n水和物等が挙げられる。
【0045】本発明において好ましくは、インク受容層
に耐水性を向上させるためにカチオンポリマーを含有さ
せるのが好ましい。カチオンポリマーとしては、ポリエ
チレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミ
ン、特開昭59−20696号、同59−33176
号、同59−33177号、同59−155088号、
同60−11389号、同60−49990号、同60
−83882号、同60−109894号、同62−1
98493号、同63−49478号、同63−115
780号、同63−280681号、特開平1−403
71号、同6−234268号、同7−125411
号、同10−193776号公報等に記載された1〜3
級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが
好ましく用いられる。これらのカチオンポリマーの分子
量は、5,000以上が好ましく、更に5,000〜1
0万程度が好ましい。
【0046】これらのカチオンポリマーの使用量は、イ
ンク受容層の無機微粒子に対して、0.5〜10重量
%、好ましくは1〜7重量%である。
【0047】本発明において好ましくは、インク受容層
に皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有するこ
とができる。そのような油滴としては室温における水に
対する溶解性が0.01重量%以下の疎水性高沸点有機
溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレー
ト、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や
重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、
ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシ
エチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重
合させた粒子)を含有させることができる。そのような
油滴は好ましくは親水性バインダーに対して10〜50
重量%の範囲で用いることができる。
【0048】本発明において、インク受容層には、親水
性バインダーとともに硬膜剤を含有するのが好ましい。
硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グル
タルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチ
ル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス
(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−
ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,28
8,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合
物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718
号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特
許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化
合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソ
シアナート類、米国特許第3,017,280号、同
2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、
米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイ
ミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載
の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカ
ルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如き
ジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、
ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これら
を1種または2種以上組み合わせて用いることができ
る。これらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩、ほ
う砂が好ましい。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成
する親水性バインダーに対して、0.1〜40重量%が
好ましく、より好ましくは0.5〜30重量%である。
【0049】本発明において、インク受容層には、更
に、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、イ
ンク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の
分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、
粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加
することもできる。
【0050】本発明において、インク受容層、および保
護層の塗布方法は、特に限定されないが、インク受容層
と保護層を同時塗布する場合は、スライドビードコータ
ー、カーテンコーター、エクストルージョンコーター等
の塗布装置が使用出来、連続塗布の場合は、上記の塗布
装置の組み合わせや、エアーナイフコーター、ロッドコ
ーター、ブレードコーター等と上記の塗布装置により連
続で塗布することができる。本発明で同時塗布とは各層
をほぼ同時に塗布することであり、連続塗布とは下層塗
布後乾燥工程無しで短時間後(通常十秒程度以内)に連
続で上層を塗布することである。保護層の均一性からは
インク受容層と保護層を同時塗布するほうが好ましい。
【0051】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0052】実施例1 <ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の作製>広葉樹晒ク
ラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパル
プ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタン
ダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パ
ルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキ
ルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤とし
てポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオ
ン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロ
ロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希
釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機
で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿して
ポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙
に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン1
00質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型
チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を32
0℃で溶融し、200m/分で厚さ35μmになるよう
に押出被覆し、微粗面加工されたクーリングロールを用
いて押出被覆した。もう一方の面には密度0.962g
/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70質量部と密度
0.918の低密度ポリエチレン樹脂30質量部のブレ
ンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μ
mになるように押出コーティングし、粗面加工されたク
ーリングロールを用いて押出被覆した。
【0053】上記ポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高
周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層を
ゼラチンが50mg/m2となるように塗布乾燥して支持
体を作成した。尚、部とは、質量部を表す。
【0054】 <下引き層> 石灰処理ゼラチン 100部 スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部 クロム明ばん 10部
【0055】得られた支持体の下引き層を設けた面に下
記組成のインク受容層塗布液、および保護層塗布液をイ
ンク受容層の気相法シリカの塗布量は固形分で25g/
m2、保護層の塗布量は固形分で3g/m2となるようにス
ライドビードコーターで同時に塗布、15℃で30秒
間、40℃で2分間乾燥した。
【0056】 <インク受容層塗布液> 気相法シリカ 100部 (平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g) ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部 (第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000) ほう酸 3部 ポリビニルアルコール 22部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 界面活性剤 0.3部
【0057】 <保護層塗布液> コロイダルシリカ 60部 (日産化学社製、スノーテックスOL−40、平均一次粒径45nm) コロイダルシリカ 40部 (日産化学社製、スノーテックスOZL、平均一次粒径80nm) ポリビニルアルコール 5部 (ケン化度88%、平均重合度3500) ほう酸 2部 界面活性剤 0.3部
【0058】上記のようにして作製された記録材料を2
3℃、55%RHの環境で一昼夜放置後、白紙部光沢
性、インク吸収性、インク受容層の耐傷性、ギロチン断
裁傷性を下記の方法で評価した。その結果を表1に示
す。
【0059】<白紙部光沢性>記録材料のインク受容層
の印字前の白紙部光沢感を斜光で観察し、下記の基準で
評価した。 ○:カラー写真並の高い光沢感が有る。 △:アート、コート紙並の光沢感が有る。 ×:上質紙並の沈んだ光沢感が有る。
【0060】<インク吸収性>インクジェット用記録材
料の保護層面に23℃、55%RHの条件でセイコーエ
プソン社製インクジェットプリンターMJ−5100C
で黒ベタ印字を行ってインク吸収性を評価した。 ○;5秒未満で印字部の光沢が無くなった。 △;5秒以上10秒未満で光沢が無くなった。実使用可
能。 ×;光沢が無くなるまでに15秒以上かかった。実用不
可。
【0061】<インク受容層の耐傷性>印字していない
インクジェット用記録材料を表面を上に2枚重ね、その
上に100gの分銅を置いた状態で下の記録材料を抜き
出した後、インク受容層面の傷を目視で観察した。 ○;表のインク受容層面に傷付きが認められなかった。 △;表のインク受容層面にやや傷付きが認められた。 ×;表のインク受容層面の傷付きが著しい。
【0062】<ギロチン断裁端傷の評価>刃先角が25
°のギロチン刃を使用して各インクジェット用記録材料
500枚を積載した枚葉束をA4サイズ4束に断裁し、
上層10枚の記録材料のインク受容層表面の断裁端傷、
光沢むらの評価を以下の基準で行い、最も悪い評価を結
果とした。 ○;断裁傷が全く発生しなかった。 △;微小な断裁傷が発生した。 ×;はっきりした断裁傷が発生した。
【0063】実施例2〜7 実施例1で保護層のコロイダルシリカとポリビニルアル
コールの質量比、塗布量を表1のように代えた以外は実
施例1と同様にして実施例2〜7のインクジェット用記
録材料を得た。実施例1と同様にして評価した結果を表
2に示す。
【0064】実施例8 実施例1でインク受容層を下記組成とし、アルミナを固
形で33g/m2になるように塗布した以外は実施例1と
同様にして実施例8のインクジェット用記録材料を得
た。実施例1と同様に評価した結果を表2に示す。
【0065】 <インク受容層塗布液> アルミナ 100部 (γ−アルミナ、平均一次粒径15nm) 硝酸 1部 ほう酸 0.5部 ポリビニルアルコール 15部 (ケン化度88%、平均重合度3500) N−メチルチオウレア 4部 両性界面活性剤 0.3部 (ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM)
【0066】実施例9 実施例1でインク受容層を下記組成の2層とし、下層の
気相法シリカを固形で17g/m2、上層のアルミナ水和
物を固形で8g/m2、保護層を固形分で3g/m2となる
ように3層を同時塗布した以外は実施例1と同様にして
実施例9のインクジェット用記録材料を得た。実施例1
と同様に評価した結果を表2に示す。
【0067】 <インク受容層下層塗布液> 気相法シリカ 100部 (平均一次粒径15nm) ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド 2部 ほう酸 3部 ポリビニルアルコール 15部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 両性界面活性剤 0.3部 (ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM)
【0068】 <インク受容層上層塗布液> アルミナ水和物 100部 (平均一次粒径14nm、アスペクト比5の平板状粒子) 硝酸 1部 カチオン性ポリマー媒染剤 4部 (里田化工社製、ジェットフィックス30) ほう酸 0.5部 ポリビニルアルコール 15部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 両性界面活性剤 0.5部 (ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM)
【0069】実施例10 実施例9で2層のインク受容層をスライドビード塗布装
置で同時塗布した後、5秒後にカーテンコーターで保護
層を塗布し、15℃で30秒間、40℃で2分間乾燥し
た以外は実施例9と同様にして実施例10のインクジェ
ット用記録材料を作成した。評価結果を表2に示す。
【0070】実施例11 実施例1でインク受容層を塗布、乾燥した後で保護層を
塗布、乾燥した以外は実施例1と同様にして実施例11
のインクジェット用記録材料を得た。実施例1と同様に
評価した結果を表2に示す。
【0071】実施例12 実施例1で樹脂被覆紙支持体のインク受容層を設ける面
のポリオレフィン樹脂層を設けなかった以外は実施例1
と同様にして実施例12のインクジェット用記録材料を
得た。実施例1と同様に評価した結果を表2に示す。
【0072】比較例1 実施例1で保護層を設けなかった以外は実施例1と同様
にして比較例1のインクジェット用記録材料を得た。実
施例1と同様に評価した結果を表2に示す。
【0073】比較例2 実施例1で保護層のコロイダルシリカを抜いてポリビニ
ルアルコール単独で固形分0.2g/m2塗布した以外は
実施例1と同様にして比較例2のインクジェット用記録
材料を得た。実施例1と同様に評価した結果を表2に示
す。
【0074】比較例3 実施例1で保護層のコロイダルシリカBを抜いてコロイ
ダルシリカA100部とした以外は実施例1と同様にし
て比較例3のインクジェット用記録材料を得た。実施例
1と同様に評価した結果を表2に示す。
【0075】比較例4 実施例1で保護層のコロイダルシリカAを抜いてコロイ
ダルシリカB100部とした以外は実施例1と同様にし
て比較例4のインクジェット用記録材料を得た。実施例
1と同様に評価した結果を表2に示す。
【0076】比較例5 実施例12で保護層を設けなかった以外は同様にして比
較例5のインクジェット用記録材料を得た。実施例1同
様にして評価した結果を表2に示す。
【0077】比較例6 実施例1で保護層として下記の配合に代え、塗布量を6
g/m2にした以外は実施例1と同様にして比較例6のイ
ンクジェット用記録材料を得た。評価結果を表2に示
す。 <保護層塗布液> コロイダルシリカ 60部 (日産化学社製、スノーテックス40、平均一次粒径14nm) コロイダルシリカ 40部 (日産化学社製、スノーテックスOL−40、平均一次粒径45nm) ポリビニルアルコール 5部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 界面活性剤 0.3部
【0078】
【表1】 ─────────────────────────────────── 保護層 コロイタ゛ルシリカA コロイタ゛ルシリカB その他 X Y ─────────────────────────────────── 実施例1 60 40 5/100 3 実施例2 80 20 5/100 3 実施例3 96 4 5/100 3 実施例4 20 80 5/100 3 実施例5 60 40 5/100 0.5 実施例6 60 40 2/100 3 実施例7 60 40 2/100 6 実施例8 60 40 5/100 3 実施例9 60 40 5/100 3 実施例10 60 40 5/100 3 実施例11 60 40 5/100 3 実施例12 60 40 5/100 3 ─────────────────────────────────── 比較例1 − − − 0 比較例2 − − 100/0 0.5 比較例3 100 0 5/100 3 比較例4 0 100 5/100 3 比較例5 − − − 0 比較例6 40 0 60 5/100 6 ─────────────────────────────────── (注)表中のXは保護層の親水性バインダー/コロイダルシリカの固形分質量比 。 表中のYは保護層の塗布量で単位はg/m2
【0079】
【表2】 ──────────────────────────────────── 白紙部光沢性 インク吸収性 耐傷性 キ゛ロチン断裁傷性 ──────────────────────────────────── 実施例1 ○ ○ ○ ○ 実施例2 ○ ○ ○ ○ 実施例3 ○ △ △ △ 実施例4 △ ○ ○ ○ 実施例5 △ ○ △ △ 実施例6 ○ ○ △ △ 実施例7 ○ △ ○ ○ 実施例8 ○ ○ ○ ○ 実施例9 ○ ○ ○ ○ 実施例10 ○ ○ ○ ○ 実施例11 △ △ ○ ○ 実施例12 △ ○ ○ ○ ──────────────────────────────────── 比較例1 △ ○ × × 比較例2 ○ × ○ △ 比較例3 ○ × △ △ 比較例4 × ○ ○ ○ 比較例5 × ○ × × 比較例6 ○ × ○ ○ ────────────────────────────────────
【0080】上記結果から明らかなように、本発明の実
施例1〜12のインクジェット用記録材料は優れた光沢
度を有し、良好なインク吸収性、耐傷性、およびギロチ
ン断裁端傷性を有する。比較例1は実施例1で保護層の
ない場合であり、耐傷性、およびギロチン断裁端傷性が
大きく劣る。比較例2は実施例1で保護層のコロイダル
シリカを抜き、ポリビニルアルコール単独の場合であ
り、インク吸収性が大きく劣った。比較例3は実施例1
で粒径の小さいコロイダルシリカ100部とした場合で
あるが、インク吸収性が大きく劣った。比較例4は実施
例1で粒径の大きいコロイダルシリカ100部とした場
合であるが、白紙部光沢性が大きく劣った。比較例5は
実施例11で保護層のない場合であり、白紙部光沢性、
耐傷性、およびギロチン断裁端傷性が大きく劣った。比
較例6は実施例1で一次粒径15nmのコロイダルシリ
カ含有の保護層を6g/m2塗布した場合であり、白紙部
光沢性、耐傷性は良好であるが、インク吸収性が悪化し
た。尚、インク吸収性は実施例12が最も良好であっ
た。白紙部光沢性は実施例7、10が実施例1のレベル
よりもやや低下したが良好であった。対傷性は実施例
3、6が実施例1のレベルよりもやや低下した。ギロチ
ン断裁傷性は実施例3,6が実施例1のレベルよりもや
や低下した。
【0081】
【発明の効果】本発明により、高い白紙部光沢性を有
し、インク吸収性、ギロチン断裁端傷性、および耐傷性
が良好なインクジェット用記録材料が得られた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体に無機微粒子と親水性バインダー
    を含有する少なくとも1層のインク受容層、およびコロ
    イダルシリカを含有する保護層を設けたインクジェット
    用記録材料において、該保護層が有機バインダーを含有
    し、平均一次粒径が30nm以上、60nm未満のコロ
    イダルシリカ(A)、および平均一次粒径が60〜10
    0nmのコロイダルシリカ(B)を混合使用することを
    特徴とするインクジェット用記録材料。
  2. 【請求項2】 前記保護層のコロイダルシリカAおよび
    Bの固形分質量比率が、A:B=95:5〜50:50
    であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
    ト用記録材料。
  3. 【請求項3】 前記保護層の固形分塗布量が0.3〜5
    g/m2である請求項1または2に記載のインクジェット
    用記録材料。
  4. 【請求項4】 前記インク受容層の無機微粒子が平均一
    次粒径が5〜50nmの気相法シリカ、アルミナ、およ
    びアルミナ水和物の少なくとも1種であることを特徴と
    する請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット
    用記録材料。
  5. 【請求項5】 支持体が基紙の少なくとも片面が樹脂で
    被覆された樹脂被覆紙である請求項1〜4の何れか1項
    に記載のインクジェット用記録材料。
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