JP2003080829A - ハガキ用インクジェット記録材料 - Google Patents

ハガキ用インクジェット記録材料

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JP2003080829A
JP2003080829A JP2001274986A JP2001274986A JP2003080829A JP 2003080829 A JP2003080829 A JP 2003080829A JP 2001274986 A JP2001274986 A JP 2001274986A JP 2001274986 A JP2001274986 A JP 2001274986A JP 2003080829 A JP2003080829 A JP 2003080829A
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Masashi Tachikawa
雅士 立川
Yukio Tokunaga
幸雄 徳永
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プリンター搬送性、耐傷性、インク吸収性、及
び光沢性の良好な、ハガキ用インクジェット記録材料を
提供する。 【解決手段】基紙の両面に樹脂層を設け、片面に平均一
次粒径が100nm以下の無機微粒子と親水性バインダ
ーを含有するインク受容層(A)、他面に平均一次粒径
が100nmより大きい粒子、および親水性バインダー
を含有するインク受容層(B)を設けたインクジェット
記録材料であり、基紙の厚さをeμm、インク受容層A
を設ける側の樹脂層の厚さをcμm、インク受容層Bを
設ける側の樹脂層の厚さをdμm、該インク受容層Aの
容積をacm3/m2、親水性バインダーの容積比率をp
容積%、該インク受容層Bの容積をbcm3/m2、親水
性バインダーの容積比率をq容積%とすると、a>b、
c>d、p<q、0.2≦(c+d)/e≦0.4、3
≦bq/d−ap/c≦17を全て満足するハガキ用イ
ンクジェット記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両面にインク受容
層を有するハガキ用インクジェット記録材料に関し、更
に詳しくは、特に通信面は高光沢でフォトライクな画質
と良好な触感を有し、宛名面は耐傷性、印字性、筆記性
を有し、環境によるカール変化が少ないプリンター搬送
性に優れたハガキ用インクジェット記録材料に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式に使用される記
録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称
される支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルア
ルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク
受容層を設けてなる記録材料が知られている。
【0003】例えば、特開昭55−51583号、同5
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、及び同64−11877号公報等に開示のごと
く、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支
持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】また、特公平3−56552号、特開平2
−188287号、同平10−81064号、同平10
−119423号、同平10−175365号、同10
−203006号、同10−217601号、同平11
−20300号、同平11−20306号、同平11−
34481号公報等公報には、気相法による合成シリカ
微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いた記録材料
が開示されている。気相法シリカは、一次粒子の平均粒
径が数nm〜数十nmの超微粒子であり、高い光沢と高
いインク吸収性が得られるという特徴がある。しかし、
超微粒子であるが故に、インク受容層表面に傷が発生し
やすく、プリンター等での搬送時に重送の問題がある。
【0005】特開平6−55830号には、インク受容
性被覆層の反対面に特定の滑剤を含有させてプリンター
の搬送性を向上させる記録用紙が提案されているが、保
存時のブロッキング性の問題、インク受容面の傷の問題
がある。また、特開平7−179025号には、支持体
の裏塗り層に球状微粒子ポリマーを含有させる記録シー
トが提案されているが、球状微粒子ポリマー単独では製
造時、加工時等でインク受容層表面に傷がつきやすく、
特にインク受容層に微細な無機微粒子を用いた場合には
傷が目立ちやすい問題がある。
【0006】一方、インクジェット記録材料の支持体と
しては、従来、紙が一般的に用いられており、紙自体に
インク吸収層としての役割を持たせていた。近年、フォ
トライクの記録シートが要望される中、紙支持体を用い
た記録シートは、光沢、質感、耐水性、印字後のコック
リング(皺あるいは波打ち)等の問題があり、耐水性加
工された紙支持体、例えば、紙の両面にポリエチレン等
のポリオレフィン樹脂をラミネートした樹脂ラミネート
紙(ポリオレフィン樹脂被覆紙)等が用いられるように
なってきた。しかしながら、これらの耐水性支持体は、
紙支持体と違ってインク受容層を設けた表面の平滑性が
高く、裏面と重ねた場合に擦れによるインク受容面に傷
が発生しやすく、プリンター時に重送が発生しやすかっ
た。特に支持体自身がインク吸収性が無いためにインク
受容層が厚くなっており、環境によるカール変化が大き
く、プリンター内での紙詰まりの問題が発生しやすかっ
た。
【0007】ハガキのように両面がインクジェット記録
適性を有し、表面にフォトライクな高い光沢性、印字画
質が要求される場合には表面での搬送性、耐傷性の改良
には特に光沢性の低下による制限が有るために難しく、
十分な特性が得られなかった。特開平8−260382
号公報には、紙基材に顔料層を設けるインクジェット記
録用両面記録紙が提案されているが十分な光沢性、印字
画像が得られなかった。特開平8−11422号公報に
はインク受理層を有する原紙をポリオレフィン樹脂ラミ
ネート層で貼り合わせる提案がなされたが、特に高光沢
なインク受容層を有する場合の貼り合わせ時の傷の発生
が懸念され、プリンタ搬送性や耐傷性については十分で
はなかった。特開2000−301823号公報には紙
基材の一方の面に比較的薄い疎水性樹脂層を介して多孔
性のインク吸収層を有し、他面に直接インク吸収層を有
するインクジェット記録用紙の提案がなされているが、
片面のみに疎水性樹脂層を設けているためにカール性の
問題が発生しやすくプリンターでの搬送性に問題があっ
た。特にハガキの宛名面のインク受容層には予め枠線等
を印刷するのが一般的であるが、カールが大きいと印刷
適性が低下するほか、通信面のインク受容層が高光沢で
インクジェット用インクの吸収性が高い場合には傷が発
生しやすい問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、両面にインク受容層を有し、通信面のインク受容層
が高光沢で、インク吸収性が良好なフォトライクな画質
と良好な触感が得られ、宛名面のインク受容層が耐傷性
が高く、印字性、筆記性が良好であり、環境によるカー
ルの変化が少ないプリンター搬送性に優れたハガキ用イ
ンクジェット記録材料を提供することにある。特に予め
宛名面に印刷する場合の印刷適性が良好で通信面に傷が
発生しないハガキ用インクジェット記録材料である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、主
として下記の手段により達成された。
【0010】(1)基紙の両面に樹脂層を設けた樹脂被
覆紙の片面に平均一次粒径が100nm以下の無機微粒
子と親水性バインダーを含有するインク受容層(A)を
設け、他面に平均一次粒径が100nmより大きい粒
子、および親水性バインダーを含有するインク受容層
(B)を設けたインクジェット記録材料であり、該樹脂
被覆紙の基紙の厚さをeμm、インク受容層Aを設ける
側の樹脂層(C)の厚さをcμm、インク受容層Bを設
ける側の樹脂層(D)の厚さをdμm、該インク受容層
Aの容積をacm3/m2、インク受容層Aの容積に対す
る親水性バインダーの容積比率をp容積%、該インク受
容層Bの容積をbcm3/m2、インク受容層Bの容積に
対する親水性バインダーの容積比率をq容積%とする
と、a>b、c>d、p<qであり、下記式(1)、お
よび式(2)を満足することを特徴とするハガキ用イン
クジェット記録材料。 式(1) 0.2≦(c+d)/e≦0.4 式(2) 3≦bq/d−ap/c≦17
【0011】(2)前記インク受容層Aが平均一次粒径
1〜7μmの球状粒子の少なくとも1種と平均一次粒径
10μm以上の球状粒子の少なくとも1種を含有するこ
とを特徴とする前記(1)に記載のハガキ用インクジェ
ット記録材料。
【0012】(3)前記(1)に記載のハガキ用インク
ジェット記録材料のインク受容層A上にコロイダルシリ
カと親水性バインダーを含有する保護層を設けたインク
ジェット記録材料であり、インク受容層Aと保護層の加
算容積をfcm3/m2、インク受容層Aと保護層の加算
容積に対するインク受容層Aと保護層の親水性バインダ
ーの加算容積比率をx容積%とすると、f>b、c>
d、x<qであり、前記式(1)、および下記式(3)
を満足することを特徴とするハガキ用インクジェット記
録材料。 式(3) 3≦bq/d−fx/c≦17
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される樹脂被覆紙は基紙の両面に樹脂層を
有し、その厚みは120〜250μm、好ましくは15
0〜230μmのものが用いられる。
【0014】本発明で用いられる樹脂被覆紙について詳
細に説明する。本発明に用いられる樹脂被覆紙は、その
含水率は特に限定しないが、カール性より好ましくは
5.0〜9.0%の範囲であり、より好ましくは6.0
〜9.0%の範囲である。樹脂被覆紙の含水率は、任意
の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、
赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシ
ャー法等を用いることができる。
【0015】樹脂被覆紙を構成する基紙は、特に制限は
なく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好
ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平
滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天
然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2
種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で
用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止
剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0016】さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布さ
れていてもよい。
【0017】また、基紙は、紙を抄造中または抄造後カ
レンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平
滑性の良いものが好ましく、ハガキ用途では適度の剛度
が必要であり、その坪量は80〜250g/m2が一般的
であり、好ましくは150〜230μmである。
【0018】基紙を被覆する樹脂としてはポリオレフィ
ン樹脂が好ましく、例えば低密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペン
テンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−
プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からな
る共重合体及びそれらの混合物が使用され、各種の密
度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独
にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0019】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0020】樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行
する基紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で
流延する、いわゆる押出コーティング法により製造さ
れ、その少なくとも片面が樹脂により被覆される。ま
た、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処
理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。
カール防止の必要から両面を樹脂被覆する。裏面は通常
無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面に
もコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すこと
ができる。
【0021】本発明の樹脂被覆紙の通信面のインク受容
層が塗設される面(以後樹脂被覆紙の表面と称す)は、
主として原紙の片面にポリオレフィン樹脂を押出機で加
熱溶融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状
に押出し、圧着、冷却して製造される。この際、クーリ
ングロールはポリオレフィン樹脂コーティング層の表面
形状の形成に使用され、樹脂層の表面はクーリングロー
ル表面の形状により鏡面、微粗面、またはパターン化さ
れた絹目状やマット状等に型付け加工することができ
る。インク受容層の光沢からは樹脂層の厚さは15〜4
0μmであり、好ましくは20〜35μmである。
【0022】本発明の樹脂被覆紙の宛名面のインク受容
層の塗設される面(以後樹脂被覆紙の裏面と称する)
は、表面と同様にポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶
融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押
出し、圧着、冷却して製造される。この際プリンターで
の搬送性、印字画像からはクーリングロールはJIS−
B−0601に規定されるRaが0.8〜5μmになる
ようにクーリングロール表面の形状により微粗面、また
はパターン化された、例えば絹目状やマット状等に型付
け加工することが好ましい。樹脂層の厚さは得られる記
録材料のカール性により決定されるが、10〜35μ
m、好ましくは15〜30μmである。
【0023】基紙の表面や裏面に樹脂被覆層を設ける方
法は、加熱溶融樹脂を押し出して塗設する以外に電子線
硬化樹脂を塗設後、電子線を照射する方法や、ポリオレ
フィン樹脂エマルジョンの塗液を塗設後乾燥、表面平滑
化処理を施す方法等が有る。いずれも凹凸を有する熱ロ
ール等での型付けを行うことで本発明に適応可能な樹脂
被覆紙が得られる。
【0024】本発明に用いられる樹脂被覆紙の表面、裏
面には塗布性や界面の接着強度向上のために下引き層を
設けても良い。この下引き層は、インク受容層が塗設さ
れる前に、予め支持体の樹脂層表面に塗布乾燥されたも
のである。この下引き層は、皮膜形成可能な水溶性ポリ
マーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好まし
くは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであ
り、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポ
リマーまたはポリマーラテックスの付着量は、0.1〜
2g/m2が好ましい。更に、下引き層には、他に界面活
性剤や硬膜剤を含有するのが好ましい。また、樹脂被覆
紙に下引き層を塗布する前には、コロナ放電することが
好ましい。下引き層を設けた場合で本発明の各条件式を
計算するには樹脂層上の各下引き層の厚さを下層の樹脂
層の厚さに加算して計算される。
【0025】本発明の樹脂被覆紙の樹脂層の厚さは樹脂
被覆紙、またはインクジェット記録材料の断面を電子顕
微鏡により観察し、測定された厚さの平均として得られ
る。
【0026】本発明の通信面のインク受容層に用いられ
る平均一次粒径が100nm以下の無機微粒子は、合成
シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、二酸化チタン等が使用される。特に
好ましくは、合成シリカ、アルミナ、及びアルミナ水和
物が使用される。
【0027】本発明において、通信面のインク受容層に
用いられる無機微粒子の量は、10〜35g/m2が好ま
しく、13〜30g/m2の範囲がより好ましい。含有量
が上記範囲より多くなるとひび割れが生じやすくなり、
また少なくなるとインク吸収性が低くなる。
【0028】本発明に用いられる合成シリカには、湿式
法によるものと気相法によるものがある。通常シリカ微
粒子といえば湿式法シリカを指す場合が多い。湿式法シ
リカとしては、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分
解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾル、ま
たはこのシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダ
ルシリカ、シリカゾルをゲル化させ、その生成条件を
変えることによって数μmから10μm位の一次粒子が
シロキサン結合をした三次元的な二次粒子となったシリ
カゲル、更にはシリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アル
ミン酸ナトリウム等を加熱生成させて得られるもののよ
うなケイ酸を主体とする合成ケイ酸化合物等がある。
【0029】本発明に好ましく用いられる気相法シリカ
は、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎
加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素
を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知ら
れているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロ
シランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または
四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。
気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジ
ル、トクヤマ(株)からQSタイプとして市販されてお
り入手することができる。
【0030】本発明の気相法シリカの一次粒子の平均粒
径は、3〜50nmが好ましく、より高い光沢を得るた
めには、3〜20nmでかつBET法による比表面積が
90〜500m2/gのものを用いるのが好ましい。本発
明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積
測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ
総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着
気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸
着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も
多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最
も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であっ
てBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。
BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面
で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
【0031】気相法シリカを用いるとインク吸収性が良
好で光沢性が高い記録材料が得られる反面、シリカ表面
のシラノール基が少ない為か二次粒子の凝集性が弱く、
傷がつきやすい欠点を有している。この欠点により巻き
取り作成時の表裏面こすれによる傷の発生等が問題とな
るが本発明により改良される。
【0032】本発明で好ましく使用されるアルミナとし
ては酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが
好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アル
ミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可
能であるが、通常は、数千から数万nmの二次粒子結晶
を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉
砕機等で50〜300nm程度まで粉砕したものが好ま
しく使用出来る。
【0033】本発明で好ましく使用されるアルミナ水和
物は、Al23・nH2O(n=1〜3)の構成式で表
される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和
物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイ
ト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロ
ポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、ア
ルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加
水分解等の公知の製造方法により得られる。
【0034】本発明に用いられるアルミナ水和物の一次
粒子の平均粒径は、5〜50nmが好ましく、より高い
光沢を得るためには、5〜20nmでかつ平均アスペク
ト比(平均厚さに対する平均粒径の比)が2以上の平板
状の粒子を用いるのが好ましい。
【0035】本発明の通信面のインク受容層は目的別に
2層以上とするのが好ましく、最上層は光沢性と耐傷性
の向上を目的とし、下層にはインク吸収性の向上を目的
とする。特に耐水性支持体から最も離れた最上層が平均
一次粒径5〜50nmのアルミナまたはアルミナ水和物
を含有し、他の層が平均一次粒径3〜50nmの気相法
シリカを含有することで、光沢性とインク吸収性に優れ
たインクジェット記録材料が得られる。
【0036】本発明の通信面のインク受容層には耐傷
性、搬送性の改良のために平均粒径が1〜7μmの球状
粒子の少なくとも1種と10μm以上の球状粒子の少な
くとも1種を含有させるほうが好ましく、前者が有機粒
子で後者が無機粒子のほうが手触り感からはより好まし
い。平均粒径が10μm以上の球状粒子はインク受容層
の膜厚よりも大きいことが好ましく、上限は40μm程
度である。特に表のインク受容層を2層以上とし、最上
層に前記の2種の球状粒子を含有させるほうが耐傷性、
光沢性からは好ましく、10μm以上の粒子の平均粒径
は最上層の膜厚より大きいことが好ましいが、インク受
容層から10μmより大きく突出しないほうが触感から
は好ましい。特に最上層が無機微粒子を1〜10g/m2
含有し、平均一次粒径1〜7μmと10μm以上の球状
粒子を合計で0.005〜0.2g/m2含有する場合に
は耐傷性、搬送性が良好でインク吸収性、光沢性に優れ
たものが得られる。特にハガキ用途で宛名面である裏の
インク受容層に印刷する場合に表のインク受容層に傷が
発生するのを防止出来るので好ましい。この場合の印刷
とは、凸版方式、凹版方式、平版方式による印刷であ
り、インク受容層と印刷機のロール等との擦れによる傷
が発生しやすい。
【0037】平均一次粒径が1〜7μmと10μm以上
の球状粒子を併用することで各々を単独で用いた場合よ
りも耐傷性、搬送性が良好となる理由は以下のように推
測される。即ち、10μm以上の球状粒子単独でもイン
ク受容層表面に凸部が発生するので耐傷性、ブロッキン
グ性は良化するが、併用する事で1〜7μmの球状粒子
が10μm以上の球状粒子に加わった外力に対する緩衝
剤として働くために耐傷性と搬送性が大幅に向上すると
予測される。
【0038】本発明の通信面のインク受容層で使用され
る平均一次粒径1〜7μm、10μm以上の球状粒子は
裏のインク受容層で使用される有機粒子、無機粒子と同
種類で球状のものが使用出来る。尚、球状粒子とは電子
顕微鏡で観察した場合に、ほぼ球状と認識されるもので
あり、長軸と短軸の比が0.9〜1.1程度の楕円状粒
子も球状の範疇に入る。
【0039】本発明のインクジェット用記録材料は、好
ましくは通信面のインク受容層上にコロイダルシリカと
親水性バインダーを含有する保護層を設ける。本発明で
はインク受容層はインクの染料等の色剤を保持する機能
を有するのに対し、保護層は主として耐傷性を向上する
機能を有するものであるが、保護層が両者の機能を有す
る場合もある。特に、耐水性支持体上に上記の微細な無
機微粒子含有のインク受容層を設けた場合でも、上に保
護層を設け、他面に平均一次粒径が100nmより大き
い無機粒子、および親水性バインダーを含有する少なく
とも1層のインク受容層を設けた本発明のインクジェッ
ト用記録材料は、重ねて輸送する場合や積載してギロチ
ンで断裁する場合のように裏のインク受容層面と表の保
護層面とが擦れる場合や加圧された場合でも保護層面に
傷や光沢ムラが発生しにくくなる。特にハガキの宛名面
に枠線等を印刷する場合にも通信面に傷が発生しにくく
なる。この場合の印刷とは、凸版方式、凹版方式、平版
方式による印刷であり、インク受容層と印刷機のロール
等との擦れによる傷が発生しやすい。
【0040】本発明の保護層のコロイダルシリカに対す
る親水性バインダーの固形分質量比をs、保護層の固形
分塗布量をtg/m2とすると、一般的にはsは0.02
〜3であり、tは0.1〜10g/m2である。好ましく
は、0.05≦s≦2、0.4≦t≦6g/m2、0.1
≦st≦2とし、インク吸収層と保護層を同時または連
続塗布により設けることでインク吸収性と暗退色性が良
好で耐傷性に優れた記録材料となる。より好ましくは、
sは0.08〜1、tは0.5〜5g/m2、stは0.
2〜1の範囲である。
【0041】保護層のs及びtを上記のように0.05
≦s≦2、0.4≦t≦6g/m2、0.1≦st≦2を
満足するようにし、表のインク受容層と保護層を同時ま
たは連続塗布で設けることで光沢性、インク吸収性、暗
退色性、及び耐傷性が更に良好となる理由は定かではな
いが、インク受容層と保護層を同時または連続塗布する
場合には保護層の親水性バインダーは下層のインク受容
層に浸透しにくいために保護層内に均一に分布し、親水
性バインダーの固形分質量比sと塗布量t、及びstを
本発明の範囲とすることにより、より良好なインク吸収
性が得られるのに加えて保護層の均一性が向上すること
で耐傷性も良化すると推測される。
【0042】本発明の保護層で使用のコロイダルシリカ
は、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交
換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得
られる二酸化珪素をコロイド状に水中に分散させたもの
であり、一次粒子の平均粒径は5〜100nm、好まし
くは8〜60nmがインク吸収性と透明性から望まし
い。市販の球状のものとして日産化学社製、スノーテッ
クス20等、触媒化成工業社製、カタロイドUSB等が
挙げられ、鎖状のものとして日産化学社製、スノーテッ
クスUP等が挙げられ、パールネックレス状のものとし
て日産化学社製、スノーテックスPS−M等が使用出来
る。
【0043】本発明の保護層には、インク受容層で使用
可能な各種架橋剤を使用することで塗布、乾燥時に発生
する表面欠陥の防止や耐傷性を向上することが可能とな
るので好ましい。特にほう酸またはほう酸塩が好まし
い。硬膜剤の添加量は保護層を構成する親水性バインダ
ーに対して、0.1〜40質量%が好ましく、より好ま
しくは0.5〜30質量%である。本発明の保護層には
紫外線吸収剤、ヒンダードアミン類、ヒンダードフェノ
ール類等の公知の耐光性改良剤を添加することにより耐
光性が改良されるが、インク吸収性からは保護層の全固
形分の10質量%程度以下が好ましい。その他、塗布性
向上のための界面活性剤、消泡剤、着色剤等も添加可能
である。
【0044】本発明の宛名面のインク受容層に使用され
る平均一次粒径が100nmより大きい粒子としては無
機粒子と、有機粒子があり、無機粒子としては、シリ
カ、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ク
レー、カオリン、タルク等が挙げられる。
【0045】本発明の平均一次粒径が100nmより大
きい有機粒子としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタ
クリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニ
ル等やこれらの共重合体、尿素樹脂、メラミン樹脂等が
挙げられる。
【0046】本発明で宛名面のインク受容層に平均一次
粒径が100nmより大きい有機粒子と無機粒子を併用
することでプリンターでの搬送性が良好となる。使用さ
れる有機粒子の平均粒径が無機粒子の平均粒径よりも小
さければ搬送性がより良好となる。有機微粒子、無機粒
子は手触り感や印字面質、及び表のインク受容層の耐傷
性からは10μm以下が好ましく、特に5μm以下が好
ましい。一般的に有機粒子は無機粒子よりも水性インク
との親和性が低いので有機粒子の粒径は小さい方が印字
画像の微小な白抜けによる濃度むらが改良されるので好
ましい。裏のインク受容層に100nmより大きい有機
粒子と無機粒子を併用することで筆記性が良好となり、
特にH程度の硬い鉛筆でも問題なく筆記出来る。
【0047】インクジェット用記録材料の通信面と宛名
面間の静摩擦係数は0.7以下が好ましい。静摩擦係数
は、ASTM D−1894−63準拠の摩擦係数測定
装置(テスター産業社製、AB−401)により23
℃、55%RHの条件で測定される。
【0048】本発明で宛名面のインク受容層に含有され
る有機粒子を無機粒子の0.1〜50質量%とすること
でインク吸収性がより良好となるので好ましい。
【0049】本発明の宛名面のインク受容層の有機粒子
と無機粒子の合計の含有量は1〜12g/m2が好まし
く、より好ましくは3〜10g/m2とすることでインク
受容層のひび割れ、印字性、耐傷性がより良好となる。
【0050】本発明の無機微粒子、有機粒子、無機粒子
の平均粒径は、分散された粒子の電子顕微鏡観察により
一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に
等しい円の直径を粒子の粒径として求めた。本発明のア
ルミナ水和物の一次粒子の平均粒径は、平板状の場合は
平面状態で測定される。平板状アルミナ水和物の平均厚
さは、アルミナ水和物をフィルム上に塗布したシートの
断裁面の観察より得られ、アルミナ水和物のアスペクト
比は平均厚みに対する平均粒径の比で得られる。
【0051】本発明の通信面のインク受容層や保護層に
は、皮膜としての特性を維持するためと、透明性が高く
インクのより高い浸透性が得られる親水性バインダーが
用いられる。親水性バインダーの使用に当たっては、親
水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙
を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比
較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好まし
く用いられる。ポリビニルアルコール、ポリエチレング
リコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセル
ロース等やそれらの誘導体が使用されるが、特に好まし
い親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニ
ルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコール
である。
【0052】ポリビニルアルコールの中でも特に好まし
いのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化
したものである。平均重合度500〜5000のポリビ
ニルアルコールが好ましい。
【0053】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号に記載され
ているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有
するポリビニルアルコールである。
【0054】本発明の宛名面のインク受容層の親水性バ
インダーとしては、通信面のインク受容層で使用される
ものと同様の親水性バインダー、及びゼラチン、ポリビ
ニルピロリドン、プルラン等やこれらの誘導体が使用さ
れるが、好ましくはゼラチン、ポリビニルアルコールで
ある。
【0055】本発明では、樹脂被覆紙の基紙の厚さをe
μm、インク受容層Aを設ける側の樹脂層Cの厚さをc
μm、インク受容層Bを設ける樹脂層Dの厚さをdμ
m、該インク受容層Aの容積をacm3/m2、インク受
容層Aの容積に対する親水性バインダーの容積比率をp
容積%、該インク受容層Bの容積をbcm3/m2、イン
ク受容層Bの容積に対する親水性バインダーの容積比率
をq容積%とすると、a>b、c>d、p<q、0.2
≦(c+d)/e≦0.4、3≦bq/d−ap/c≦
17、を満足させることでインク受容層、特に通信面の
傷の発生が抑えられ、カール性が良好となる。理由は不
明であるが、以下のように推測される。即ち、aをbよ
り大きくし、pをqより小さくすることで通信面のイン
ク吸収性が向上し、光沢が良好となり、qを大きくする
ことで表面強度が向上し、宛名面の印刷性が良好とな
り、qが大きいのでbよりもaを大きくすることで宛名
面と通信面とのカールバランスが向上するほか通信面の
光沢が良化方向となる。cをdより大きくすることで宛
名面の平滑性が低下方向となり、搬送性が良化する。
0.2≦(c+d)/e≦0.4とすることで樹脂被覆
紙に適度のクッション性が賦与されるのでインク受容層
の傷の発生が抑えられるが、この値が小さすぎると通信
面の光沢が低下し、カール性に対する基紙の影響が大き
くなるので環境変化に対応し難くなる。この値が大きす
ぎるとクッション性が低下する。3≦bq/d−ap/
c≦17とすることでハガキの通信面側と宛名面側の環
境変化に対するカール挙動が近づくのでカール性が良好
となるが、この範囲より外れると環境変化に対する影響
が大きくなり、通信面側か宛名面側の何れかにカールが
発生しやすくなる。好ましくはaが20〜50cm3
2、pが4〜15容積%、bが10〜25cm3
2、qが20〜50容積%とすることで更にインク受
容層の傷の発生が抑えられ、カール性が良好となる。
【0056】本発明で、インク受容層A上にコロイダル
シリカと親水性バインダーを含有する保護層を設ける場
合は、樹脂被覆紙の基紙の厚さをeμm、インク受容層
Aを設ける側の樹脂層Cの厚さをcμm、インク受容層
Bを設ける樹脂層Dの厚さをdμm、該インク受容層A
と保護層の加算容積をfcm3/m2、インク受容層Aと
保護層の加算容積に対するインク受容層Aと保護層の親
水性バインダーの加算容積比率をx容積%、該インク受
容層Bの容積をbcm3/m2、インク受容層Bの容積に
対する親水性バインダーの容積比率をq容積%とする
と、f>b、c>d、x<q、0.2≦(c+d)/e
≦0.4、3≦bq/d−fx/c≦17、を満足させ
ることでインク受容層、特に通信面の傷の発生が抑えら
れ、カール性が良好となる。その理由は上記のコロイダ
ルシリカの保護層を設けない場合と同様に推測され、3
≦bq/d−fx/c≦17とすることでハガキの通信
面側と宛名面側の環境変化に対するカール挙動が近づく
ことでカール性が良好となり、この範囲より外れると環
境変化に対する影響が大きくなり、通信面側か宛名面側
の何れかにカールが発生しやすくなる。保護層の容積は
一般的には0.2〜20cm3/m2であり、好ましくは
0.5〜15cm3/m2である。
【0057】本発明において、インク受容層の容積、お
よび保護層の容積は断面の電子顕微鏡観察により得られ
た平均厚さにより算出される。親水性バインダーの容積
は、インク受容層、保護層に含まれる親水性バインダー
の種類と含有量の分析結果と、親水性バインダーの比重
から算出される。
【0058】本発明において好ましくは、インク受容層
に水溶性の金属化合物を含有することによって、ひび割
れを防止することができる。従って、インク吸収性を向
上させるために親水性バインダー量の更なる低減及び無
機微粒子付着量の更なる増量が可能となる。
【0059】水溶性の金属化合物としては、例えば水溶
性の多価金属塩として、カルシウム、バリウム、マンガ
ン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜
鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステ
ン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられ
る。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウ
ム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、
硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マ
ンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニ
ウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)
ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバル
ト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケ
ル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアン
モニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸
アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニ
ウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和
物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一
鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、フェノール
スルホン酸亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和
物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、
塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコ
ニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、
塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水
和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリ
ウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タ
ングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブド
りん酸n水和物等が挙げられる。
【0060】本発明において好ましくは、耐水性を向上
させるためにカチオンポリマーを含有させるのが好まし
い。カチオンポリマーとしては、ポリエチレンイミン、
ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、特開昭59−
20696号、同59−33176号、同59−331
77号、同59−155088号、同60−11389
号、同60−49990号、同60−83882号、同
60−109894号、同62−198493号、同6
3−49478号、同63−115780号、同63−
280681号、特開平1−40371号、同6−23
4268号、同7−125411号、同10−1937
76号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アン
モニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。
これらのカチオンポリマーの分子量は、5,000以上
が好ましく、更に5,000〜10万程度が好ましい。
【0061】これらのカチオンポリマーの使用量は、通
信面のインク受容層では無機微粒子に対して、裏のイン
ク受容層では有機粒子と無機粒子に対して0.5〜10
重量%、好ましくは1〜7重量%である。
【0062】本発明において好ましくは、インク受容層
に皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有するこ
とができる。そのような油滴としては室温における水に
対する溶解性が0.01重量%以下の疎水性高沸点有機
溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレー
ト、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や
重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、
ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシ
エチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重
合させた粒子)を含有させることができる。そのような
油滴は好ましくは親水性バインダーに対して10〜50
重量%の範囲で用いることができる。
【0063】本発明において、インク受容層には、親水
性バインダーと共に硬膜剤を含有するのが好ましい。硬
膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタ
ルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、
クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−
クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロ
ロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,7
75号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジ
ビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載
の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第
2,732,316号記載の如きN−メチロール化合
物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシ
アナート類、米国特許第3,017,280号、同2,
983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国
特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド
系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如
きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボ
キシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオ
キサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう
酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1
種または2種以上組み合わせて用いることができる。こ
れらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好まし
い。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する親水性バ
インダーに対して、0.1〜40重量%gが好ましく、
より好ましくは0.5〜30重量%である。
【0064】本発明において、インク受容層には、更
に、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、イ
ンク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の
分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、
粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加
することもできる。
【0065】本発明において、通信面、宛名面のインク
受容層、および下引き層の塗布方法は特に限定されず、
公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライ
ドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方
式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ケッド
バーコーティング方式、バーコター方式、ディップ方式
等がある。
【0066】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0067】実施例1 <ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の作製>広葉樹晒ク
ラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパル
プ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタン
ダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パ
ルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキ
ルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤とし
てポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオ
ン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロ
ロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希
釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機
で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿して
ポリオレフィン樹脂被覆紙の厚さ180μmの基紙とし
た。抄造した基紙に、密度0.918g/cm3の低密
度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量
%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン
樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ3
0μmになるように押出コーティングし、微粗面加工さ
れたクーリングロールを用いて押出被覆して表面の樹脂
層を設けた。もう一方の面には密度0.962g/cm
3の高密度ポリエチレン樹脂70質量部と密度0.91
8の低密度ポリエチレン樹脂30質量部のブレンド樹脂
組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ25μmになる
ように押出コーティングし、粗面加工されたクーリング
ロールを用いて押出被覆して裏面の樹脂層を設けた。
【0068】上記ポリオレフィン樹脂被覆紙の両面に高
周波コロナ放電処理を施した後、片面当たり下記組成の
下引き層をゼラチンが500mg/m2となるように両面
塗布乾燥して支持体を作成した。各下引き層の厚さは
0.5μmであった。尚、部とは、質量部を表す。
【0069】 <下引き層> 石灰処理ゼラチン 100部 スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部 クロム明ばん 10部
【0070】上記樹脂被覆紙の裏面に下記組成の宛名面
のインク受容層塗布液をスライド塗布テストコーターで
容積が17cm3/m2になるように塗布、乾燥した(ゼ
ラチンの容積比率は21容積%)。続いて樹脂被覆紙の
表面に下記の通信面のインク受容層塗布液をスライド塗
布テストコーターで容積が36cm3/m2になるように
塗布、乾燥した(ポリビニルアルコールの容積比率は8
容積%)。
【0071】 <宛名面のインク受容層塗布液> 湿式シリカ 100部 (水沢化学社製P78A、平均粒径3μm) ポリエチレン粒子 10部 (平均粒子径0.15μm) ゼラチン 80部 (ニッカゼラチン社製、IK−2000) 界面活性剤 0.3部
【0072】 <通信面のインク受容層塗布液> 気相法シリカ 100部 (平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g) ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部 (第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000) 球状粒子 0.5部 (旭硝子社製シリカ粒子H121、平均一次粒径12μm) 球状粒子 1部 (積水化学社製ポリスチレン、SBX−6、平均一次粒径6μm) ほう酸 3部 ポリビニルアルコール 26部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 界面活性剤 0.3部
【0073】上記のようにして作製された記録材料を2
3℃、55%RHの環境で一昼夜放置後のカール性、搬
送性、通信面と宛名面のインク受容層の耐傷性、インク
吸収性、及び白紙部光沢性を下記の方法で評価した。そ
の結果を表2に示す。
【0074】<カール性>各記録材料を塗布方向を長く
してハガキの大きさに裁断し、23℃、55%RH、
35℃、80%、及び10℃、30%RHの環境で
24時間ぶら下げて放置後、通信面を上にして机上に置
いた時の四方の端の机面からの高さをmm単位で測定
し、5枚の平均をデータとした。マイナスの数字は宛名
面を上にして測定した場合の机からの高さである。各環
境での結果より最小と最大の数値から以下の基準で評価
した。 ○;最小と最大が−8〜+2mm以内。 △;最小が−12以上、−8mm未満、最大が+2より
大、+6mm以下の少なくとも何れか。 ×;最小が−12mmより小さいか最大が+6mmより
大きい。
【0075】<搬送性>23℃、55%RHの条件でセ
イコーエプソン社製インクジェットプリンターMJ−5
100Cで100枚連続印字を行って搬送性を評価し
た。 ○;重送が全く発生しなかった。 △;重送が1〜2回発生した。 ×;重送が3回以上発生した。
【0076】<通信面層の耐傷性>印字していないイン
クジェット用記録材料を2枚重ね、その上に100gの
分銅を置いた状態で下の記録材料を抜き出した後、通信
面の傷を目視で観察した。 ○;傷付きが認められなかった。 △;傷付きが若干認められたが実用上は問題無し。 ×;傷付きが著しく実用に耐えない。
【0077】<インク吸収性>インクジェット用記録シ
ートを20℃、65%RHの条件でセイコーエプソン社
製インクジェットプリンターMJ−5100Cで黒ベタ
印字し、30秒後に印字面にPPC用紙を重ねて軽く圧
着し、剥がしてPPC用紙へのインクの裏写りを評価し
た。 ◎;全く裏写り無し。 ○;やや裏写り有り。 △;裏写り有り実使用下限。 ×;はっきりと裏写り有り実使用不可。
【0078】<白紙部光沢性>記録材料の通信面のイン
ク受容層の印字前の白紙部光沢感を斜光で観察し、下記
の基準で評価した。 ○:カラー写真並の高い光沢感が有る。 △:アート、コート紙並の光沢感が有る。 ×:上質紙並の沈んだ光沢感が有る。
【0079】実施例2〜5 実施例1で樹脂被覆紙の基紙および樹脂層の厚さ、通信
面および宛名面のインク受容層の塗布量を変えて容積、
親水性バインダーの容積比率を表1のように変えた以外
は同様にして実施例2〜5のハガキ用インクジェット記
録材料を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表
2に示す。
【0080】実施例6 実施例1で通信面のインク受容層の有機と無機の球状粒
子を抜いた以外は実施例1と同様にして実施例6のイン
クジェット用記録材料を得た。評価結果を表2に示す。
【0081】実施例7 実施例1で通信面のインク受容層を下記の組成とした以
外は実施例1と同様にして実施例7のインクジェット用
記録材料を得た。評価結果を表2に示す。
【0082】 <通信面のインク受容層塗布液> 気相法シリカ 100部 (平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g) ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部 (第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000) 球状粒子 1部 (積水化学社製ポリスチレン、SBX−6 平均一次粒径6μm) 球状粒子 0.5部 (積水化学社製ポリスチレン、SBX−17 平均一次粒径17μm) ほう酸 3部 ポリビニルアルコール 26部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 界面活性剤 0.3部
【0083】実施例8 実施例1で通信面のインク受容層を下記組成の支持体に
近い下層と上層の2層とし、下層の容積を25cm3
2、上層の容積を10cm3/m2になるように塗布し
た以外は実施例1と同様にして実施例8のインクジェッ
ト用記録材料を得た。評価結果を表2に示す。
【0084】 <通信面のインク受容層下層塗布液> 気相法シリカ 100部 (平均一次粒径12nm、BET法による比表面積200m2/g) ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部 (第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000) ほう酸 3部 ポリビニルアルコール 16部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 界面活性剤 0.3部
【0085】 <通信面のインク受容層上層塗布液> アルミナ水和物 100部 (擬ベーマイト、平均一次粒径15nm、アスペクト比5の平板状) ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部 (第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000) 球状粒子 0.5部 (旭硝子社製シリカ粒子H121、平均一次粒径12μm) 球状粒子 1部 (積水化学社製ポリスチレン、SBX−6、平均一次粒径6μm) ほう酸 3部 ポリビニルアルコール 16部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 界面活性剤 0.3部
【0086】実施例9 実施例1で通信面のインク受容層とともに下記の保護層
塗布液をスライドビードテストコーターによりインク受
容層の容積が35cm3/m2、保護層の容積が4cm3
/m2になるように同時塗布し、乾燥して実施例9のハ
ガキ用インクジェット記録材料を得た。評価結果を表2
に示す。
【0087】 <保護層塗布液> コロイダルシリカ 100部 (日産化学社製、スノーテックス20) ポリビニルアルコール 10部 (ケン化度88%、平均重合度3500) ほう酸 2部 界面活性剤 0.3部
【0088】上記のようにして作製された記録材料を2
3℃、55%RHの環境で一昼夜放置後、搬送性、表の
インク受容層の耐傷性、耐ブロッキング性、ギロチン断
裁傷性、表と裏のインク吸収性、及び白紙部光沢性を下
記の方法で評価した。その結果を表2に示す。
【0089】比較例1 実施例1で、樹脂被覆紙の基紙と樹脂層の厚さを表1の
ように変えた以外は実施例1と同様にして比較例1のハ
ガキ用インクジェット記録材料を得、実施例1と同様に
して評価した。結果を表2に示す。
【0090】比較例2 実施例1で宛名面の塗布量を変えることで容積を表1の
ように変えた以外は実施例1と同様にしてハガキ用イン
クジェット記録材料を得た。評価結果を表2に示す。 比較例3 実施例1で裏面の樹脂層の厚さを表面と同じ30μm
(下引き層と合わせて30.5μm)とした以外は実施
例1と同様にして比較例3のハガキ用インクジェット記
録材料を得た、評価結果を表2に示す。 比較例4 実施例1で宛名面の塗布量を減らして容積が10cm3
/m2になるようにした以外は実施例1と同様にして比
較例4のハガキ用インクジェット記録材料を得た、評価
結果を表2に示す。
【0091】
【表1】 ─────────────────────────────────── 樹脂被覆紙 インク受容層 (c+d)/e bq/d-ap/c e c d a b p q ─────────────────────────────────── 実施例1 180 30.5 25.5 36 17 8 31 0.31 11.2 実施例2 180 30.5 28.5 36 17 8 31 0.33 9.0 実施例3 180 25.5 20.5 36 17 8 31 0.26 14.4 実施例4 180 30.5 25.5 40 13 8 30 0.31 4.8 実施例5 180 30.5 25.5 21 17 6 31 0.31 16.5 実施例6 180 30.5 25.5 34 17 9 31 0.31 10.6 実施例7 180 30.5 25.5 36 17 8 31 0.31 11.2 実施例8 180 30.5 25.5 35 17 6 31 0.31 13.8 実施例9 180 30.5 25.5 (39) 17 (7) 31 0.31 (11.7) ─────────────────────────────────── 比較例1 130 42.5 20.5 36 17 8 31 0.48 18.9 比較例2 180 30.5 25.5 36 23 8 32 0.31 19.4 比較例3 180 30.5 30.5 36 17 8 31 0.34 7.8 比較例4 180 30.5 25.5 40 10 8 30 0.31 1.3 ─────────────────────────────────── 注;表中のaの数値で()内の数値はfを、pの数値で()内の数値はxを意 味する。bq/d-ap/cの()内の数値はbq/d-fx/cを意味する。
【0092】
【表2】 ─────────────────────────────────── カール性 搬送性 耐傷性 インク吸収性 光沢性 通信面 宛名面 通信面 ─────────────────────────────────── 実施例1 ○ ○ ○ ◎ ○ ○ 実施例2 ○ ○ ○ ◎ ○ ○ 実施例3 △ △ ○ ◎ ○ ○ 実施例4 △ △ ○ ◎ ○ ○ 実施例5 △ △ ○ ○ ○ ○ 実施例6 ○ ○ △ ◎ ○ ○ 実施例7 ○ ○ ○ ◎ ○ ○ 実施例8 △ △ ○ ◎ ○ ○ 実施例9 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ─────────────────────────────────── 比較例1 × × ○〜△ ◎ ○ ○ 比較例2 × × ○ ◎ ○ ○ 比較例3 × × ○ ◎ ○ ○ 比較例4 × × ○ ◎ △ ○ ───────────────────────────────────
【0093】結果:本発明の実施例1〜9のハガキ用イ
ンクジェット記録材料は、通信面のインク受容層のイン
ク吸収性、光沢が優れ、プリンターでの搬送性が良好
で、インク受容層の傷が付きにくい結果であった。尚、
実施例1〜9、および比較例1〜3の記録材料の宛名面
のインク受容層は文字印字した場合の鮮明性、鉛筆筆記
性は全て良好であった。尚、宛名面のインク受容層に枠
線をオフセット印刷機により印刷し、通信面のインク受
容層の傷を評価した結果、実施例6、比較例1以外は良
好な結果であった。
【0094】bq/d−ap/cが比較的高い実施例
3、5、および8は実施例1よりもカール性が低下し、
搬送性も下がったが実使用可能であった。bq/d−a
p/cが比較的低い実施例4も実施例1よりもカール性
が低下し、搬送性も下がったが実使用可能であった。実
施例1で通信面のインク受容層の有機と無機の球状粒子
を抜いた実施例6は耐傷性が低下し、実使用下限であっ
た。
【0095】bq/d−ap/cの数値が17より大き
い比較例1、2はカール性が大きく低下し、搬送性が実
使用で問題のレベルであった。樹脂被覆紙の表面と裏面
の樹脂層の厚さが同じである比較例3はbq/d−ap
/cの数値は7.8であるがカール性は悪いレベルで、
搬送性も悪化して実用上問題であった。宛名面のインク
受容層の容積を減らしてbq/d−ap/cの数値が低
下した比較例4はカール性、搬送性が低下し、実使用不
可であった。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、プリンター搬送性、耐
傷性、インク吸収性、搬送性が良好なハガキ用インクジ
ェット記録材料が得られた。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基紙の両面に樹脂層を設けた樹脂被覆紙
    の片面に平均一次粒径が100nm以下の無機微粒子と
    親水性バインダーを含有するインク受容層(A)を設
    け、他面に平均一次粒径が100nmより大きい粒子、
    および親水性バインダーを含有するインク受容層(B)
    を設けたインクジェット記録材料であり、該樹脂被覆紙
    の基紙の厚さをeμm、インク受容層Aを設ける側の樹
    脂層(C)の厚さをcμm、インク受容層Bを設ける側
    の樹脂層(D)の厚さをdμm、該インク受容層Aの容
    積をacm3/m2、インク受容層Aの容積に対する親水
    性バインダーの容積比率をp容積%、該インク受容層B
    の容積をbcm3/m2、インク受容層Bの容積に対する
    親水性バインダーの容積比率をq容積%とすると、a>
    b、c>d、p<qであり、下記式(1)、および式
    (2)を満足することを特徴とするハガキ用インクジェ
    ット記録材料。 式(1) 0.2≦(c+d)/e≦0.4 式(2) 3≦bq/d−ap/c≦17
  2. 【請求項2】 前記eが150〜230μm、cが20
    〜35μm、およびdが15〜30μmである請求項1
    に記載のハガキ用インクジェット記録材料。
  3. 【請求項3】 前記aが20〜50cm3/m2、pが4
    〜15容積%、bが10〜25cm3/m2、qが20〜
    50容積%である請求項1または2に記載のハガキ用イ
    ンクジェット記録材料。
  4. 【請求項4】 前記インク受容層Aが平均一次粒径1〜
    7μmの球状粒子の少なくとも1種と平均一次粒径10
    μm以上の球状粒子の少なくとも1種を含有することを
    特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のハガキ用
    インクジェット記録材料。
  5. 【請求項5】 前記インク受容層Aが2層以上であり、
    インク受容層Aの樹脂被覆紙から最も離れた最上層が平
    均一次粒径1〜7μmの球状粒子の少なくとも1種と平
    均一次粒径10μm以上の球状粒子の少なくとも1種を
    含有することを特徴とする請求項4に記載のハガキ用イ
    ンクジェット記録材料。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のハガキ用インクジェッ
    ト記録材料のインク受容層A上にコロイダルシリカと親
    水性バインダーを含有する保護層を設けたインクジェッ
    ト記録材料であり、インク受容層Aと保護層の加算容積
    をfcm3/m2、インク受容層Aと保護層の加算容積に
    対するインク受容層Aと保護層の親水性バインダーの加
    算容積比率をx容積%とすると、f>b、c>d、x<
    qであり、前記式(1)、および下記式(3)を満足す
    ることを特徴とするハガキ用インクジェット記録材料。 式(3) 3≦bq/d−fx/c≦17
  7. 【請求項7】 前記インク受容層Aの無機微粒子が、平
    均一次粒径5〜50nmの気相法シリカ、アルミナまた
    はアルミナ水和物の少なくとも1種であり、前記インク
    受容層Bの粒子が無機粒子と有機粒子を含有することを
    特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のハガキ用
    インクジェット記録材料。
  8. 【請求項8】 前記樹脂被覆紙の樹脂層Cおよび樹脂層
    Dの少なくとも片方上に親水性バインダーまたはポリマ
    ーラテックス主体の下引き層を固形分で2g/m2以下
    で設けることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に
    記載のハガキ用インクジェット記録材料。
  9. 【請求項9】 前記インク受容層Bの親水性バインダー
    がゼラチンである請求項1〜8の何れか1項に記載のハ
    ガキ用インクジェット記録材料。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の少なくとも1項に記載
    のハガキ用インクジェット記録材料が予め宛名面である
    インク受容層Bの表面に印刷を施してからインクジェッ
    トで記録することを特徴とするハガキ用インクジェット
    記録材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008114602A (ja) * 2007-11-26 2008-05-22 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録媒体及びこれを用いた葉書
JP2009255564A (ja) * 2008-03-28 2009-11-05 Fujifilm Corp インクジェット記録方法

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