JP2005231295A - インクジェット用記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】片面は高光沢で発色性に優れ、他面は筆記性を有し、印字した際のインクの滲みも少なく、シート状の記録材料としてはカール性が優れており、両面印字の場合に片面を印字後に反対面を印字する際にもプリンター搬送性が良好である、ハガキ用途にも使用できるインクジェット用記録材料を提供する。
【解決手段】耐水性支持体の片面に平均二次粒子径が500nm以下のシリカ微粒子を主体としてなるインク受容層(A)を設け、他面に少なくとも2層以上のインク受容層(B)を設け、該インク受容層(B)の耐水性支持体に近い下層(B1)が平均二次粒子径500nm以下のシリカ微粒子を主体としてなり、耐水性支持体から最も遠い最上層(B2)が平均二次粒子径が1〜10μmの無機微粒子を主体とし、かつ撥水性物質を含有してなることを特徴とするインクジェット用記録材料。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、両面にインク受容層を有するインクジェット用記録材料に関し、さらに詳しくは、片面は高光沢で発色性に優れ、他面は筆記性を有し、印字した際のインクの滲みも少なく、シート状の記録材料としてはカール性が優れており、両面印字の場合に片面を印字後に反対面を印字する際にもプリンター搬送性が良好である、ハガキ用途にも使用できるインクジェット用記録材料に関するものである。
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク吸収層を設けてなる記録材料が知られている。
例えば、特開昭55−51583号、同56−157号、同57−107879号、同57−107880号、同59−230787号、同62−160277号、同62−184879号、同62−183382号、及び同64−11877号公報等に開示のごとく、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
また、特公平3−56552号、特開平2−188287号、同平10−81064号、同平10−119423号、同平10−175365号、同平10−193776号、同10−203006号、同10−217601号、同平11−20300号、同平11−20306号、同平11−34481号公報等公報には、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いることが開示されている。この気相法シリカは、一次粒子の平均粒径が数nm〜数十nmの超微粒子であり、高い光沢が得られるという特徴がある。しかし、プリンター等での搬送時に重送を発生しやすい等の問題がある。
また、特開平9−286165号、同平10−181190号公報には、沈降法シリカ凝集体を機械的手段で10〜300nmに粉砕したシリカ微粒子を用いることが開示されているが、これらの記録材料も同様に搬送性に難点があった。
一方、インクジェット記録材料の支持体としては、従来、紙が一般的に用いられており、紙自体にインク吸収層としての役割を持たせていた。近年、フォトライクの記録シートが要望される中、紙支持体を用いた記録シートは、光沢、質感、耐水性、印字後のコックリング(皺あるいは波打ち)等の問題があり、耐水性加工された紙支持体、例えば、紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートした樹脂ラミネート紙(ポリオレフィン樹脂被覆紙)、プラスチックフィルム等が用いられるようになってきた。しかしながら、これらの耐水性支持体は、紙支持体と違ってインク受容層を設けた表面の平滑性が高く、表面と裏面との間のすべり性が劣っており、インクジェット印字時に重送や空送りが発生しやすく、印字したシートを重ねて揃える場合に滑りにくく揃えにくいという問題があった。特に両面印字の場合に、片面印字後に反対面を印字する際に重送が発生しやすかった。
特に、ハガキのように両面がインクジェット記録適性を有し、通信面にフォトライクな高い光沢性、印字画質が要求される場合には、通信面での搬送性、耐傷性の改良には特に光沢性の低下による制限があるために難しい。さらに高い光沢性を有するインク受容層面に印字した後で反対面のインク受容層面に印字する場合に搬送性が低下し、空送りや重送が発生する頻度が高くなる傾向があった。特開平8−260382号公報(特許文献1)には、紙基材に顔料層を設けるインクジェット記録用両面記録紙が提案されているが十分な光沢性、印字画像が得られなかった。特開平8−11422号公報(特許文献2)にはインク受理層を有する原紙をポリオレフィン樹脂ラミネート層で貼り合わせる提案がなされたが、特に高光沢なインク受容層を有する場合の貼り合わせ時の傷の発生が懸念され、プリンター搬送性についても十分ではなかった。また、特開平11−301095号、特開平11−301106号公報等にも両面印字可能なインクジェット記録用紙として、紙を張り合わせるものや、インク受容層を両面に設けるものが提案されているが、片面印字後に反対面に印字する場合に発生する重送や空送りといった搬送性の低下についての記載や改良についての対応記載は無い。
前述したような両面印字可能なインクジェット記録用紙では、ハガキやカードとして使われることもあり、通信面に写真同等の高品位の画像を要求される場合には高い光沢性が必要となる。一方、宛名面として用いられるバックコート面には、鉛筆、シャープペン、ボールペン、万年筆などの筆記性が要求され、さらにはインクジェット記録での印字も可能である必要がある。宛名面に筆記性を付与するために、特開2003−291496号公報(特許文献3)には平均一次粒径1〜10μmの無機微粒子を宛名面最上層に含有させる方法が記載されているが、宛名面に記録したインクドット径の広がりが大きく、文字の滲みやカラー印字部の境界滲みについては満足できるものではなかった。
文字の滲みやカラー印字部の境界滲みを改善させる方法として、特開平8−258397号公報(特許文献4)、特開2002−347328号公報(特許文献5)には、インク受容層中に撥水剤成分を含有させる方法が提案されているが、既述したような筆記性や両面印字する場合の搬送性等のハガキ用途にも使用できる特性を備えてはいない。
さらにハガキとして印字を行う際は、まとめた枚数での印字を行うことが多く、プリンターでの搬送性や塗層の粉落ち等の問題もあり、前述した全ての問題を解決した、ハガキ用途にも使用できるインクジェット用記録材料は得られていなかった。
特開平8−260382号公報(第2頁〜第4頁) 特開平8−11422号公報(第2頁〜第3頁) 特開2003−291496号公報 特開平8−258397号公報(請求項1) 特開2002−347328号公報(第2頁)
本発明の目的は、片面は高光沢で発色性に優れ、他面は筆記性を有し、印字した際のインクの滲みも少なく、シート状の記録材料としてはカール性が優れており、両面印字の場合に片面を印字後に反対面を印字する際にもプリンター搬送性が良好である、ハガキ用途にも使用できるインクジェット用記録材料を提供することにある。
1.耐水性支持体の片面に平均二次粒子径が500nm以下のシリカ微粒子を主体としてなるインク受容層(A)を設け、他面に少なくとも2層以上のインク受容層(B)を設け、該インク受容層(B)の耐水性支持体に近い下層(B1)が平均二次粒子径500nm以下のシリカ微粒子を主体としてなり、耐水性支持体から最も遠い最上層(B2)が平均二次粒子径が1〜10μmの無機微粒子を主体とし、かつ撥水性物質を含有してなることを特徴とするインクジェット用記録材料。
2.前記撥水性物質が、フッ素系エマルジョンである上記1に記載のインクジェット用記録材料。
3.前記最上層(B2)の固形分塗布量が0.5〜5g/m2である上記1または2に記載のインクジェット用記録材料。
4.前記インク受容層(A)を設けた面に、コロイダルシリカを主体としてなる表面被覆層を有する上記1、2または3に記載のインクジェット用記録材料。
5.前記耐水性支持体が、基紙の少なくとも前記インク受容層(A)を設ける面がポリオレフィン樹脂で被覆されていることを特徴とする上記1〜4の何れか1項に記載のインクジェット用記録材料。
本発明によれば、片面は高光沢で発色性に優れ、擦過性も良好であり、他面は筆記性を有し、印字した際のインクの滲みも少なく、シート状の記録材料としてはカール性が優れており、両面印字の場合に片面を印字後に反対面を印字する際にもプリンター搬送性が良好である、ハガキ用途にも使用できる インクジェット用記録材料を得ることができる。特に、宛名面として用いられる、筆記性を有する面のインクの滲みを飛躍的に改善することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録用材料をハガキとして用いる場合、一般的には、インク受容層(A)が塗設された面を通信面として、また、インク受容層(B)が塗設された面を宛名面として用いられる。
本発明で使用される耐水性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙と樹脂フィルムを貼り合わせたもの、紙の少なくとも片面にポリオレフィン樹脂等の疎水性樹脂をラミネートした樹脂被覆紙が挙げられる。耐水性支持体の厚みは50〜300μm、好ましくは100〜260μmのものが用いられ、インク受容層面の光沢性からは耐水性支持体面のJIS−B0601で規定されるカットオフ値が0.8mmでの中心線平均粗さ(Ra)は2.6μm以下であり、2μm以下が好ましい。以降、RaはJIS−B−0601で規定されるカットオフ値が0.8mmでの中心線平均粗さを表す。
本発明に好ましく用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙支持体(以降、樹脂被覆紙と称す)について詳細に説明する。本発明に用いられる樹脂被覆紙は、その含水率は特に限定しないが、カール性により好ましくは5.0〜9.0%の範囲であり、より好ましくは6.0〜9.0%の範囲である。樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
樹脂被覆紙を構成する基紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
また、基紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
基紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行する基紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、その少なくとも片面が樹脂により被覆される。また、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。基本的には裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点からは樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はないが、一般に片面で5〜50μmの厚みに表面または表裏両面にコーティングされる。片面だけを樹脂被覆する場合には、得られるインクジェット記録材料のカール性からは樹脂被覆層の厚みは5〜25μm程度が好ましい。
樹脂被覆面(以後樹脂被覆紙の表面と称す)は、主として原紙の片面にポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際、クーリングロールはポリオレフィン樹脂コーティング層の表面形状の形成に使用され、樹脂層の表面はクーリングロール表面の形状により鏡面、微粗面、またはパターン化された絹目状やマット状等に型付け加工することが出来、プリンターの搬送性からは型付け加工が好ましいが、インク受容層面の光沢性からはRaは2.6μm以下であり、2μm以下が好ましく、特に1.8μm以下が好ましい。
また、他方の面(以後樹脂被覆紙の裏面と称する)は、基紙面のままでも良いが、カール性や印字画像の向上からは主としてポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際プリンターでの搬送性や、裏面にもインク受容層を設ける場合の印字画像からはクーリングロールはRaが0.3〜5μm、好ましくは0.8〜4μmになるようにクーリングロール表面の形状により微粗面、またはパターン化された、例えば絹目状やマット状等に型付け加工することが好ましい。
基紙の表面や裏面に樹脂被覆層を設ける方法は、加熱溶融樹脂を押し出して塗設する以外に電子線硬化樹脂を塗設後、電子線を照射する方法や、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの塗液を塗設後乾燥、表面平滑化処理を施す方法等が有る。いずれも凹凸を有する熱ロール等での型付けを行うことで本発明に適応可能な樹脂被覆紙が得られる。
本発明に用いられる樹脂被覆紙の表面、裏面には下引き層を設けても良い。この下引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め支持体の樹脂層表面に塗布乾燥されたものである。この下引き層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/m2が好ましく、20〜300mg/m2がより好ましい。さらに、下引き層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有するのが好ましい。また、樹脂被覆紙に下引き層を塗布する前には、コロナ放電することが好ましい。
本発明に用いるシリカ微粒子は、非晶質合成シリカである。非晶質合成シリカは、製造法によって気相法シリカ、湿式法シリカ、及びその他に大別することができる。通常シリカ微粒子といえば湿式法シリカを指す場合が多い。湿式法シリカとしては、(1)ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾル、または(2)このシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、(3)シリカゾルをゲル化させ、その生成条件を変えることによって数μmから10μm位の一次粒子がシロキサン結合をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、さらには(4)シリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主体とする合成ケイ酸化合物等がある。湿式法シリカは一般的には表面のシラノール基は5個/nm2以上である。
湿式法シリカは、さらに製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカ二次粒子は緩やかな凝集粒子となり、比較的粉砕し易い粒子が得られる。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして市販されている。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。この場合、熟成中に小さなシリカ粒子が溶解し、大きな粒子の一次粒子間に一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い二次粒子を形成する。例えば、水澤化学(株)からミズカシルとして、グレースジャパン(株)からサイロジェットとして市販さている。
前述の湿式法シリカに対し、気相法シリカは湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されており入手することができる。気相法シリカの表面のシラノール基は5個/nm2未満が一般的である。
本発明のインク受容層(A)及び(B1)には、凝集粒子の平均二次粒子径が500nm以下のシリカ微粒子が使用されるが、湿式法と乾式法のどちらの製法のものを用いても良い。
本発明において湿式法シリカ微粒子を用いる場合、平均一次粒子径50nm以下、好ましくは3〜40nmが、しかも沈降法シリカ粒子が特に好ましい。本発明における湿式法シリカの吸油量は、120〜210ml/100gの範囲が好ましく、さらに160〜210ml/100gの範囲が特に好ましい。吸油量は、JIS K−5101の記載に基づき測定される。
また、本発明において湿式法シリカ微粒子を用いる場合、平均二次粒子径が500nm以下、好ましくは400nm以下になるまで湿式法シリカは粉砕され、インク受容層に含有される。通常の方法で製造された湿式法シリカは、1μm以上の平均二次粒子径を有するため、これを微粉砕して使用する。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。湿式分散機としては、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜施回型分散機等を使用することができるが、本発明では特にビーズミル等のメディアミルの使用が好ましい。
本発明の湿式法シリカの粉砕は、カチオン性化合物の存在下で行うことが好ましい。水中に分散されたシリカにカチオン性化合物を添加すると凝集物が発生することが多いが、これを粉砕処理することによって、水のみに分散するよりも高濃度分散が可能となり、その結果分散効率が上昇し、より微粒子に粉砕することができる。さらに、高濃度分散液を使用することによって、塗布液調製時に塗布液の高濃度化が可能になり、生産効率が向上する等の利点がある。特にこの際に平均二次粒子径が5μm以上の湿式法シリカを使用すると、初期の凝集物発生による粘度上昇が抑制され、より高濃度での分散が可能となるため、さらに有利である。平均二次粒子径の上限は特に無いが、通常湿式法シリカの平均二次粒子径は200μm以下である。
本発明の平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカ微粒子を得る具体的な方法としては、まず水中にシリカ及びカチオン性ポリマー及び/または水溶性金属化合物の少なくとも1種を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも1つを用いて予備分散液を得る。必要であればさらに適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。カチオン性ポリマーまたは水溶性金属化合物の量は、シリカに対して0.5〜20質量%、好ましくは2〜10質量%である。この範囲にすることによって、シリカ予備分散液の粘度が高くなりすぎず、固形分濃度を高くすることができる。本発明のシリカ予備分散物の固形分濃度は高いほうが好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。
上記の方法で得られたシリカ予備分散物をビーズミルで粉砕処理する。ビーズミルとは、内部に撹拌装置を有する容器中にビーズを内填し、容器中に液状物を入れて撹拌装置を回転させてビーズ同士を衝突させることで液状物にせん断力を与えて処理する装置である。ビーズの粒径は0.1〜10mmが一般的であるが、好ましくは0.2〜1mm、より好ましくは0.3〜0.6mmである。ビーズにはガラスビーズ、セラミックスビーズ、金属ビーズ等が有るが、耐摩耗性及び分散効率からはジルコニアビーズが好ましい。また、容器中のビーズの添加充填率は一般的には40〜80容量%であり、好ましくは55〜80容量%である。上記分散条件によって、シリカ分散物を効率良く、粗粒残存や凝集物発生もなく、平均二次粒子径が500nm以下に粉砕することが可能である。予備分散物を連続で処理する場合で通し回数が1回では粗粒が残りやすい場合には、2回以上処理するほうが好ましい。本発明では粗粒が出来ない範囲で濃度が高い方が、塗布液の高濃度化が可能になり好ましい。本発明のシリカ分散物の固形分濃度の好ましい範囲としては20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。市販のビーズミルとしては浅田鉄工社製のナノミル、アイメックス社製のウルトラビスコミル、及びマツボー社製のアミュラー型OBミル、シンマルエンタープライゼス社製のダイノミル等が挙げられる。
また、本発明において気相法シリカを用いる場合、その平均一次粒子径は5〜50nm、好ましくは5〜20nmであり、かつ高い吸収性を得るためにBET法による比表面積が90〜400m2/gのものを用いるのが好ましい。BET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
気相法シリカの特徴は、一次粒子が網目構造または鎖状につながりあって二次的に凝集した状態で存在して適度な空隙を形成することにあり、本発明では光透過性とインク吸収性を両立するために、500nm以下、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下の平均二次粒子径になるまで超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で粉砕、分散させた気相法シリカ粒子がインク受容層に含有される。
本発明において、気相法シリカはカチオン化した状態で用いられるのが好ましい。カチオン化された気相法シリカは、カチオン性ポリマーもしくは多価金属の存在下で水を主体とする分散媒中で気相法シリカを分散して得られる。このとき、ポリビニルアルコールのような親水性バインダーやホウ酸等の架橋剤(硬膜剤)は含まない状態で分散するのが好ましい。
カチオン化された気相法シリカとしては、特開平11−321079号、特開2000−239536号、特開2001−19421号、特開2001−80204号、特開2001−207078号公報等にカチオン性ポリマーの存在下で気相法シリカを分散する方法が記載されており、いずれも本発明に採用することができる。
なお、本発明で言う平均一次及び二次粒子径は電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察する公知の方法に基づくものである。一次粒子の平均粒子径は、分散された粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒径として求めることができる。また、二次粒子の平均粒子径は緩いせん断力で分散した粒子を電子顕微鏡で観察して求めることができる。
湿式法及び気相法シリカの分散または粉砕に用いられるカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーまたは水溶性金属化合物を使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号、同昭59−33176号、同昭59−33177号、同昭59−155088号、同昭60−11389号、同昭60−49990号、同昭60−83882号、同昭60−109894号、同昭62−198493号、同昭63−49478号、同昭63−115780号、同昭63−280681号、同平1−40371号、同平6−234268号、同平7−125411号、同平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。これらのカチオンポリマーの分子量は、2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。分子量が10万よりも大きくなると、分散液が高粘度となりすぎるため好ましくない。
水溶性金属化合物としては、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられる。カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、チタン、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、p−フェノールスルホン酸亜鉛、塩化チタン、硫酸チタン、乳酸チタン、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
上記の水溶性多価金属化合物の中でも、アルミニウムもしくは周期律表4A族金属(例えばジルコニウム、チタン)からなる化合物が好ましい。特に好ましくは水溶性アルミニウム化合物である。水溶性アルミニウム化合物としては、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られており、好ましく用いられる。
前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の一般式1、2、または3で示され、例えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al2(OH)nCl6-nm 一般式1
[Al(OH)3nAlCl3 一般式2
Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n 一般式3
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市されており、各種グレードの物が容易に入手できる。
本発明のインク受容層(A)及び(B1)は上述のシリカ微粒子を主体として構成される。ここでいう主体とはインク受容層の全固形分の50質量%以上、好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上を含有することをいう。湿式法及び気相法シリカは各々単独で用いても良いが、任意の比率で混合して使用することもできる。
本発明のインク受容層(B)は目的別に2層以上とする必要があり、最上層のインク受容層(B2)は筆記性と耐傷性の向上、搬送性の向上を目的とし、下層のインク受容層(B1)はインク吸収性の向上、製造上での塗布性の向上、塗層強度の向上を目的として塗設される。
本発明のインク受容層(B2)は平均二次粒子径が1〜10μmの無機微粒子を主体として構成される。使用できる無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、クレー、カオリン、タルク等が挙げられるが、特に好ましくは湿式シリカである。使用される無機粒子の平均二次粒子径は手触り感や印字面質、及び表のインク受容層の耐傷性を得られることから1〜10μmであり、特に3〜7μmがより好ましい。上記範囲にすることによって、塗布層のひび割れ防止と高いインク吸収性に加え、筆記性、耐傷性等を得ることができる。
また、本発明のインク受容層(B2)には、インクジェット記録した場合のインクドット径の滲みを防止するために撥水性物質が含有される。使用できる撥水性物質としては、フッ素系エマルジョン、シリコン系エマルジョン、ワックス系エマルジョンなどが挙げられる。フッ素系エマルジョンの例としては、住友化学株式会社製スミレーズレジンFP−150、FR−210、大和化学工業株式会社製コートサイザーDCF、明成化学工業株式会社製アサヒガードAG−550、AG−3001、日華化学株式会社製NKガードFGN−37、旭硝子株式会社製サーフロンS−112等が挙げられる。また、シリコン系エマルジョンの例としては、大日本インキ化学工業株式会社製DIS SILICONE SOFTENER S、DIC SILICONECONC V、東芝シリコーン株式会社製TSW831、UM−110等が挙げられる。さらに、ワックス系エマルジョンとしては、パラフィンワックス系、石油ワックス系または天然ワックス系エマルジョンが挙げられる。その他の例としては、パラフィンワックス系として日華化学株式会社製TH−44、サントール WP、明成化学工業株式会社製ペトロックスP−200、ミサワセラミックス株式会社製パラテックスNS−70D、石油ワックス系として一方社油脂工業株式会社製セレスタール20R、天然ワックス系としてカルナバワックスを主成分とする大日本インキ株式会社製FINNEETEX KR、一方社油脂工業株式会社製OX−657、ライオン株式会社製レオシートKU等が挙げられる。
また、別の撥水性物質として、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体エマルジョン、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体又は共重合体等のアクリル系重合体エマルジョン、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体エマルジョン、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体エマルジョン等が挙げられる。
前述した撥水性物質は単独または二種以上を組合わせて用いても良いが、混合する場合は、イオン性及び液pH等の相違等から凝集を起こす可能性があるため、その組み合わせには注意する必要がある。また、加熱すると凝集を起こす可能性があるので、Tg温度よりも低い温度で添加することが必要な場合もある。本発明においては、フッ素系エマルジョンを使用するのが最も効果的である。
撥水性物質の添加量としては、塗層の全固形分に占める割合が0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜6質量%の範囲である。添加量が少ないと滲みの防止効果が少なく、反対に多いと撥水性が強くなりすぎインク吸収性を阻害するが、前記範囲であれば適度な撥水性とインク吸収性を両立できる。
本発明の全てのインク受容層には、皮膜としての特性を維持するためと、透明性が高く、インクのより高い浸透性が得られる親水性バインダーが用いられる。親水性バインダーの使用に当たっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。ポリビニルアルコール系化合物、ポリエチレングリコール系化合物、澱粉類、デキストリン、カルボキシメチルセルロース等やそれらの誘導体が使用されるが、特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
本発明において、上記親水性バインダーと共に架橋剤(硬膜剤)を用いることが好ましく、架橋剤を用いることによって良好な表面光沢、高いインク吸収性が得られ、印字後の滲みが小さくなる。架橋剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸、ほう酸塩、ほう砂の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸、ほう砂またはほう酸塩が好ましい。本発明で使用されるほう酸は、オルトほう酸、メタほう酸、次ほう酸等が、ほう酸塩としてはそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。親水性バインダーに対する架橋剤の含有率は、0.02〜50質量%で、特に0.5〜35質量%が好ましい。
本発明のインク受容層(A)及び(B1)において、気相法及び湿式法シリカ微粒子と親水性バインダーの含有比率(質量比)は、好ましくは70:30〜95:5であり、より好ましくは80:20〜92:8である。上記範囲にすることによって、塗布層のひび割れ防止と高いインク吸収性を両立することができる。また、インク受容層(A)においては高い表面光沢を得ることができる。
本発明のインク受容層(B2)において、無機微粒子と親水性バインダーの含有比率(質量比)は、塗層強度を大きく低下させずに適度の筆記性を得るために、好ましくは60:40〜80:20であり、より好ましくは50:50〜70:30である。上記範囲にすることによって高いインク吸収性も得ることができる。
本発明のインク受容層(A)の塗布量は、固形分で5〜50g/m2であり、好ましくは10〜40g/m2であり、より好ましくは13〜35g/m2の範囲である。上記範囲にすることによって、塗布層のひび割れ防止と高いインク吸収性を両立することができる。
本発明のインク受容層(B1)の塗布量は、固形分で5〜30g/m2であり、好ましくは10〜25g/m2であり、より好ましくは12〜20g/m2の範囲である。上記範囲にすることによって、塗布層のひび割れ防止効果と高いインク吸収性を得ることができる。
本発明のインク受容層(B2)の塗布量は、固形分で0.2〜10g/m2であり、好ましくは0.5〜8g/m2であり、より好ましくは0.5〜5g/m2の範囲である。前記範囲にすることによって、インク受容層(B)を塗設した面の塗布層のひび割れ防止効果と高いインク吸収性を得ることができる。また、適量の撥水性物質を含有していることによりインクジェット記録した場合のインクドット径の滲みを防止して明瞭な印字が可能になるうえ、宛名面として用いられた場合の筆記性を適度に付与することができる。また、インク受容層(B1)とインク受容層(B2)の塗布量の比率は、80:1〜2:1であり、好ましくは50:1〜3:1の範囲である。
本発明において、すべてのインク受容層の塗布液のpHは3.3〜6.0の範囲が好ましく、さらにpH3.5〜5.5の範囲がより好ましい。
本発明のすべてのインク受容層には、インク定着剤としてカチオン性化合物を含有することもできる。ここで用いられるカチオン性化合物としては、シリカ微粒子の分散、粉砕に使用したものと同様のカチオン性ポリマーまたは水溶性金属化合物である。カチオン性化合物はアニオン性を有するインクの定着性を向上させることができる。また、水溶性金属化合物を含有することによって、ひび割れを防止することができ、結果として、インク吸収性を向上させるために親水性バインダー量の更なる低減及び無機微粒子付着量のさらなる増量が可能となる。
さらに、本発明のすべてのインク受容層には、界面活性剤、着色染顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、粘度安定剤、pH調節剤、架橋剤等を含有することができるが、インク吸収性等の他の特性に悪影響を及ぼさないことが重要である。
本発明において、インク受容層(A)を設けた面にコロイダルシリカを主体とする表面被覆層を設けるのが好ましい。ここでいう主体とは表面被覆層の全固形分の60質量%以上、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上を含有することをいう。これによって、インク受容層(A)を設けた面の耐傷性が向上する。また、すべり性を向上させることができ、結果として、プリンターでの連続搬送性がさらに改善することができる。
本発明に用いられるコロイダルシリカは、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる二酸化珪素をコロイド状に水中に分散させたものであり、平均一次粒子径が数nm〜100nm程度の湿式法合成シリカである。
コロイダルシリカとしては、例えば、日産化学工業(株)社からスノーテックスシリーズが市販されている。一般的なコロイダルシリカが球状または球状に近い粒子が連結せずに独立して存在しているのに対して、小さいシリカ粒子が細長く連結した鎖状粒子、またそれらが三次元網目構造を有しているもの、球状の一次粒子が複数個連結し、真珠のネックレスに似た形状を示すパールネックレス状の粒子等の形状で存在する非球状コロイダルシリカを使用することもできる。これらの鎖状シリカ粒子やパールネックレス状シリカ粒子からなる被膜は機械的強度にも優れており、優れた耐傷性を得るのに好ましい。
本発明において、コロイダルシリカとしてカチオン性のものを用いるのが好ましく、これによりインク吸収性の阻害を生じさせにくくできる。カチオン性のコロイダルシリカとは、コロイダルシリカにアルミニウムイオン等の多価金属イオンを反応させて得られたもので、少なくともシリカ粒子表面はカチオン性に帯電したものである。
前記コロイダルシリカは各々単独で用いても良いが、任意の比率で混合して使用することもできる。
本発明において、表面被覆層の固形分塗布量は、インク吸収性の阻害を生じさせないためには0.1〜5g/m2の範囲が好ましく、0.3〜3g/m2の範囲がより好ましい。
本発明において、表面被覆層の塗布液のpHは3.3〜6.0の範囲が好ましく、さらにpH3.5〜5.5の範囲がより好ましい。
さらに、本発明の表面被覆層には、バインダー、架橋剤、界面活性剤、着色染顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、粘度安定剤、pH調節剤等を含有することができるが、インク吸収性等の他の特性に悪影響を及ぼさないことが重要である。
本発明において、インク受容層、必要に応じては表面被覆層を構成している各層の塗布方法は、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ケッドバーコーティング方式等がある。
本発明では、スライドビード方式等のようなインクジェット記録用材料を構成する各層を乾燥工程を設けないで殆ど同時に塗布することにより各層に要求される特性が効率よく得られ、生産効率の点からも好ましい。即ち、各層を湿潤状態で積層することで各層に含有される成分が下層へ浸透しにくいので乾燥後も各層の成分構成が良く保たれるためと予想される。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
<ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ35μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて微粗面被覆層を設け、他面も同様にして両面に押出被覆層を設け、その上に表面のインク受容層(A)と裏面のインク受容層(B)を設けた。
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成を含有する下引き層用塗布液をゼラチンが50mg/m2となるように塗布乾燥して支持体を作成した。なお、部とは、質量部を表す。
<下引き層の組成>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
上記樹脂被覆紙の裏面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成を含有するインク受容層(B1)用塗布液をスライド塗布テストコーターにて固形分で15g/m2、インク受容層(B2)用塗布液をスライド塗布テストコーターにて固形分で2g/m2になるように塗布、乾燥した。続いて樹脂被覆紙の表面に下記組成を含有するインク受容層(A)用塗布液をスライド塗布テストコーターにて塗布量が固形分で22g/m2になるように塗布、乾燥し、実施例1のインクジェット記録用材料を得た。一般的にはハガキ用として使用する場合、表面(インク受容層(A)面)が通信面として、裏面(インク受容層(B)面)が宛名面として使用される。なお、電子顕微鏡観察により、インク受容層(B1)のシリカ微粒子の平均二次粒子径は200nm、インク受容層(A)のシリカ微粒子の平均二次粒子径は150nmであった。また、以下に示す他の実施例、比較例においても同様であった。
<インク受容層(B1)の組成>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径12nm、BET法による比表面積200m2/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)社製、シャロールDC902P、分子量9000)
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤 0.3部
<インク受容層(B2)の組成>
湿式シリカ 100部
(水澤化学株式会社製;ミズカシルP78A、平均二次粒子径3μm)
ほう酸 8.7部
ポリビニルアルコール 50部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
撥水性物質 4部
(明成化学工業株式会社製;AG−3001、フッ素系エマルジョン)
界面活性剤 0.3部
<インク受容層(A)の組成>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)社製、シャロールDC902P、分子量9000)
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤 0.3部
上記のようにして作製された記録材料を100mm×148mmの大きさに裁断し、搬送性、表面(インク受容層(A)面)の耐傷性、裏面(インク受容層(B)面)のインク滲み性、裏面の塗層強度、カール性、及び筆記性を下記の方法で評価した。その結果を表1に示す。
<搬送性(白紙)>
23℃、50%RHの条件で、セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−950Cで表面と裏面をそれぞれ記録面として100枚連続印字を行って搬送性を評価した。
○;重送が全く発生しなかった。
△;重送が1〜2回発生した。
×;重送が3回以上発生した。
<搬送性(表面印字後の裏面印字の搬送性)>
23℃、50%RHの条件で、セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−830Cで 表面にベタ印字を行った試料を作製し、その試料を100枚連続で裏面に印字を行って連続搬送性を評価した。
○;重送が全く発生しなかった。
△;重送が1〜2回発生した。
×;重送が3回以上発生した。
<表面の耐傷性>
印字していないインクジェット用記録材料を2枚重ね、その上に250gの分銅を置いた状態で下の記録材料を抜き出した後、表面、裏面に発生した傷を目視で観察した。
◎;表のインク受容層の傷付きが認められない。
○;表のインク受容層の傷付きがわずかに認められたが実用上は問題無し。
△;表のインク受容層の傷付きが認められたが実用上は問題無し。
×;表のインク受容層の傷付きが著しく実用に耐えない。
<裏面のインク吸収性>
23℃、50%RHの条件で、インクジェット記録用材料の裏面にセイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−830Cにてレッド、ブルー、グリーン、ブラックのベタ印字を行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察した。下記の基準で総合で評価した。
○;全く転写しない。
△;やや転写するが実使用可。
×;著しく転写し実使用不可。
<裏面のインク滲み性>
20℃、65%RHの条件で、インクジェット記録用材料の裏面にセイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−830Cで、シアン、マゼンタ、イエローの各色のパッチ中にブラックの色の文字が含まれているパターンを印字し、インク滲み性を評価した。
◎;滲みがない。
○;わずかに滲みが認められる。
△;滲みが認められるが実用上は問題無し。
×;著しく滲んでいる。
<裏面の筆記性>
インクジェット用記録材料の裏面にHBシャープペンにて文字を書き、筆記性を評価した。
○;文字を書いた時、塗膜の剥がれもなく文字認識できる。
△;文字を書いた時、塗膜の若干の剥がれがあるが文字認識できる。
×;文字を書いた時、塗膜の剥がれや濃度的に文字認識不可能である。
<裏面のインク受容層(B)の塗層強度>
裏面のインク受容層(B)面にセロハンテープを貼りその後剥がし、塗層の強度を評価した。
○;塗層が全く剥離しない。
△;若干の剥離が見られるが問題はない。
×;塗層が完全に剥離し実用上問題がある。
実施例1で裏面のインク受容層(B2)中の撥水性物質の部数を4部から1部に変更した以外は同様にして、実施例2のインクジェット用記録材料を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1で裏面のインク受容層(B2)中の撥水性物質の部数を4部から7部に変更した以外は同様にして、実施例3のインクジェット用記録材料を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1で裏面のインク受容層(B2)中の湿式シリカを平均二次粒子径3μmのものから8μmのものに変更した以外は同様にして、実施例4のインクジェット用記録材料を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1で裏面のインク受容層(B2)の固形分塗布量を2g/m2から0.4g/m2に変更した以外は同様にして、実施例5のインクジェット用記録材料を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1で裏面のインク受容層(B2)の固形分塗布量を2g/m2から6g/m2に変更した以外は同様にして、実施例6のインクジェット用記録材料を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1で裏面のインク受容層(B2)中の撥水性物質をパラフィンワックス系エマルジョン(日華化学株式会社製;TH44)に変更した以外は同様にして、実施例7のインクジェット用記録材料を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1で裏面のインク受容層(B2)中の撥水性物質をカチオン性サイズ剤として市販されているカチオン性スチレン−アクリル酸エステル樹脂に変更した以外は同様にして、実施例8のインクジェット用記録材料を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1で表面のインク受容層(A)の上に下記組成を含有する、カチオン性コロイダルシリカを主体とする表面被覆層用塗布液をスライド塗布テストコーターにて塗布量が固形分で1g/m2になるように塗布、乾燥し、実施例9のインクジェット記録用材料を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
<表面被覆層の組成>
カチオン性コロイダルシリカ 100部
(日産化学工業株式会社製;スノーテックスAK−YL、平均粒子径60nm)
ポリビニルアルコール 4部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ベタイン型界面活性剤 1部
(比較例1)
実施例1で裏面のインク受容層(B2)の撥水性物質を添加しなかった以外は同様にして、比較例1のインクジェット用記録材料を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1で裏面のインク受容層(B2)中の撥水性物質の代わりに、定着剤として市販されているポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂を使用した以外は同様にして、比較例2のインクジェット用記録材料を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1のインク受容層(B2)をなくし、裏面をインク受容層(B1)の1層構成として、塗布量を固形分で17g/m2になるようにした以外は同様にして、比較例3のインクジェット用記録材料を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1のインク受容層(B1)をなくし、裏面をインク受容層(B2)の1層構成として、塗布量を固形分で17g/m2になるようにした以外は同様にして、比較例4のインクジェット用記録材料を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例1の裏面のインク受容層(B2)中の平均二次粒子径3μmの湿式シリカを市販されている平均二次粒子径150nmのアルミナゾルに変更した以外は同様にして、比較例5のインクジェット用記録材料を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例6)
実施例1の裏面のインク受容層(B2)中の平均二次粒子径3μmの湿式シリカを平均二次粒子径12.5μm(水澤化学工業株式会社製;ミズカシルP78F)に変更した以外は同様にして、比較例6のインクジェット用記録材料を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
Figure 2005231295
上記結果より本発明の実施例1〜9のインクジェット用記録材料は、プリンターによる連続搬送性に優れ、裏面のインク受容層(B)のインク吸収性とインク滲みの防止効果に優れ、筆記性に優れ、製造時、加工時及び取り扱う場合でのインク受容層の傷が付きにくい結果であった。したがって、ハガキ用途として好適なインクジェット記録用材料である。
実施例1〜9のインクジェット記録用材料に対し、比較例1、2の記録材料は裏面のインク受容層(B2)に撥水性物質を含有していないために、裏面のインク滲みが劣り実使用不可である。比較例3の記録材料は裏面のインク受容層(B2)が設けられていないために、表面印字後の裏面印字の搬送性と裏面の筆記性が劣り実使用不可である。比較例4の記録材料は塗層強度の向上に寄与しているインク受容層(B1)が設けられていないために、裏面の塗層強度が著しく劣っている。比較例5の記録材料は裏面のインク受容層(B2)に平均二次粒子径1〜10μmの無機微粒子を含有していないために、裏面のインク吸収性と筆記性に劣っている。また、比較例6の記録材料も裏面のインク受容層(B2)に平均二次粒子径1〜10μmの無機微粒子を含有していないが、搬送性や塗層強度に劣り実使用不可である。

Claims (5)

  1. 耐水性支持体の片面に平均二次粒子径が500nm以下のシリカ微粒子を主体としてなるインク受容層(A)を設け、他面に少なくとも2層以上のインク受容層(B)を設け、該インク受容層(B)の耐水性支持体に近い下層(B1)が平均二次粒子径500nm以下のシリカ微粒子を主体としてなり、耐水性支持体から最も遠い最上層(B2)が平均二次粒子径が1〜10μmの無機微粒子を主体とし、かつ撥水性物質を含有してなることを特徴とするインクジェット用記録材料。
  2. 前記撥水性物質が、フッ素系エマルジョンである請求項1に記載のインクジェット用記録材料。
  3. 前記最上層(B2)の固形分塗布量が0.5〜5g/m2である請求項1または2に記載のインクジェット用記録材料。
  4. 前記インク受容層(A)を設けた面に、コロイダルシリカを主体としてなる表面被覆層を有する請求項1、2または3に記載のインクジェット用記録材料。
  5. 前記耐水性支持体が、基紙の少なくとも前記インク受容層(A)を設ける面がポリオレフィン樹脂で被覆されている請求項1〜4の何れか1項に記載のインクジェット用記録材料。
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