JP2007125848A - インクジェット記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】水性顔料インクで印字したときのインク吸収性、発色性に優れ、更に印字後の画像部の擦過性に優れた顔料インク用インクジェット記録材料を提供することにある。
【解決手段】支持体上に微粒子シリカを主体に含有するインク受容層を少なくとも2層設けたインクジェット記録材料において、インク受容層の最表層中にカチオン性エマルション及び平均粒径2〜40μmの有機粒子を含有することを特徴とする顔料インク用インクジェット記録材料。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、インクジェット記録材料に関し、特に水性顔料インクで印字したときのインク吸収性、発色性に優れ、更に印字後の画像部の擦過性の優れた顔料インク用インクジェット記録材料に関する。
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、紙やプラスチック樹脂フィルム等の支持体上にインク受容層を設けてなる記録材料が知られている。インク受容層は、2つのタイプに大別される。1つのタイプは、水溶性ポリマーを主成分とするインク受容層であり、もう一つのタイプは無機顔料と樹脂バインダーを主成分とする多孔質のインク受容層である。
前者のタイプのインク受容層は、水溶性ポリマーが膨潤することによってインクを吸収する。後者のタイプのインク受容層は、無機顔料によって形成された空隙にインクを吸収する。このようなインク吸収のメカニズムの違いから前者のタイプは膨潤タイプ(あるいはポリマータイプ)、後者のタイプは空隙タイプと呼ばれている。
前者のポリマータイプのインク受容層は、連続的な均一な被膜となるので光沢に優れるが、インク吸収性(インク吸収速度;印字後の乾燥速度)が劣る。一方、後者の空隙タイプは、インク吸収性は優れるが光沢が劣る。
近年、インクジェット記録は、騒音がなく、高速印字が可能であり、端末プリンターなどに採用され急速に普及している。また、複数個のインクノズルを使用することにより、多色記録を行うことも容易であり、各種のインクジェット記録方式による多色インクジェット記録が行われている。特にコンピューターにより作成した文字や各種図形及び写真等の画像情報のハードコピー作成装置として、複雑な画像を迅速で正確に形成することができるインクジェットプリンターの利用が注目されている。近年特に注目されているインクジェットプリンターの利用分野としては、大型のインクジェットプロッターを用いて簡便に作成することができる大判のポスター、ディスプレイ、旗等である。
これらの分野で用いられるインクジェット記録材料には高画質であることに加え光沢性に優れ、さらに屋外の大判展示ポスター等に用いる場合は、耐候性の他、印字後の画像部の擦過性が優れていることが要求される。
従来からインクジェット記録方式では、インクとして各種の水溶性染料を水または水と有機溶媒との混合物に溶解させた水溶性染料インクが主流である。水溶性染料インクは、その染料分子が分子状で存在しており、印字後の発色性、解像力等に優れている特徴があるが、水溶性であるため耐候性が劣るため屋外展示する場合、急速に画像が退色、消色したりする欠点がある。これに対して顔料インクは数十〜数百nmの粒子状に存在していることから耐候性に優れ大型インクジェットプロッターで主流に使用されている。顔料インクは粒子状で存在するため水溶性染料インクと異なり、印字後にインク受容層の上層にインクが存在することから擦過性の改善が求められていた。
有機粒子をインクジェット記録材料に用いることは既に知られている。例えば、特開2001−96905号公報(特許文献1)、特開2005−280311(特許文献2)には、熱可塑性有機樹脂粒子を含有するインクジェット記録材料が開示されているが、インク受容層を溶解または融解して被膜化して光沢性、耐水性を改良する技術であるが、本発明は有機粒子を融解または被膜化することなく粒子形状のままインク受容層の最表層中に存在させることからその構成が異なる。さらに、インク受容層中で熱可塑性有機樹脂粒子を加熱緻密化するためインク吸収性が悪化する傾向があり耐擦過性と同時に十分に満足するまでには至っていなかった。
また、特開2003−226072号公報(特許文献3)には、両面インクジェット記録シートについて、インク受容層に有機粒子を含有することでシート同士の擦過による光沢面の傷を防止することが提案されているが、印字部の画像部の擦過性について記載されていない。
特開2004−58575号公報(特許文献4)には、支持体に近いインク受容層にカチオン性エマルションを含有する層を設けたインクジェット記録シートが開示されている。これらは耐水性や支持体とインク受容層との密着性を改良するための技術であるが、特に画像部の耐擦過性や発色性に関してはまだ不十分なレベルにあり改善が必要である。
特開2001−96905号公報 特開2005−280311号公報 特開2003−226072号公報 特開2004−58575号公報
本発明は、インクジェット記録材料に関し、特に水性顔料インクで印字したときのインク吸収性、発色性に優れ、更に印字後の画像部の擦過性に優れた顔料インク用インクジェット記録材料を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1)支持体上に微粒子シリカを主体に含有するインク受容層を少なくとも2層設けたインクジェット記録材料において、インク受容層の最表層中にカチオン性エマルション及び平均粒径2〜40μmの有機粒子を含有することを特徴とする顔料インク用インクジェット記録材料。
2)前記カチオン性エマルションがスチレン−アクリル系重合体粒子の分散物である上記1)に記載の顔料インク用インクジェット記録材料。
3)前記有機粒子がポリオレフィン系樹脂である上記1)に記載の顔料インク用インクジェット記録材料。
4)前記インク受容層の最表層の厚さが有機粒子の平均粒子径よりも小さいことを特徴とする上記1)〜3)のいずれかに記載の顔料インク用インクジェット記録材料。
本発明によれば、インクジェット記録材料に関し、特に水性顔料インクで印字したときのインク吸収性、発色性に優れ、更に印字後の画像部の擦過性の優れた顔料インク用インクジェット記録材料が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録材料を使用してインクジェット記録する場合において、使用される顔料インクは特に限定されず、顔料を水または有機溶媒に分散させたものが使用される。
本発明は、微粒子シリカを主体に含有するインク受容層を少なくとも2層設けたインクジェット記録材料において、インク受容層の最表層中にカチオン性エマルションと2〜40μmの有機粒子を一緒に含有させることによりインク吸収性、発色性、印字部の擦過性が同時に改良されることを見いだした。
本発明においてカチオン性エマルションは、支持体から離れたインク受容層に含有させることにより表面近傍で効率よくインクの色剤が定着されインク吸収性に優れ、発色性も良好である。さらに、支持体から離れたインク受容層に平均粒径2〜40μmの有機粒子を含有させることの両者の組み合わせによってインク吸収性を阻害することなく、発色性、擦過性に効果が得られる。
また、有機粒子を含有するインク受容層最表層の厚さは、有機粒子が有効に表面に露出するために有機粒子の平均粒径よりも小さいことが好ましく、有機粒子とカチオン性エマルションを含有する最表層の乾燥塗布量は7g/m2以下とするのが好ましく、特に1〜6g/m2の範囲が特に好ましい。このためインクの大部分を吸収し保持する主たるインク受容層を支持体に近い側に設けて、膜圧を大きくすることが好ましく、乾燥塗布量は10g/m2以上が好ましく、特に15g/m2以上が好ましい。上限は30g/m2程度である。
効果を発現する機構は、次のように推測される。有機粒子は無機顔料と比較して優れた滑り性、機械物性に優れており、インク受容層最表層(記録シート表面)に有機粒子の一部が適度に露出していることにより物理的な摩擦が軽減され印字部の耐擦過性が向上するものと考える。有機粒子の添加は発色性には悪化の傾向であるが、カチオン性エマルションをインク受容層の最表層に同時に含有させることにより、理由は不明であるが水溶性ポリマーに比べインク受容層の空隙を埋める割合いが少ないことと顔料インク中の有機溶媒との相溶性との相乗効果によりインク吸収性が向上し、更にインク定着性が良くなり発色性にも影響を与えていると考えている。
本発明の有機粒子はシートに塗布した後も完全に変形してバインダーのような働きをするのではなく、粒子の形状をある程度保持するような材質であることが好ましい。平均粒径を2〜40μmとすることでインクジェット記録特性の発色性が更に向上するため好ましい。
本発明における有機粒子の材質は特に限定されず、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン、各樹脂の共重合物、セルロース系化合物、澱粉など一般的な有機物粒子を挙げることができる。これらの中でポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル系樹脂、澱粉が好ましく用いられ、ポリオレフィン樹脂が特に好ましい。有機粒子の形状は特に限定されないが、球状に近いほど好ましいと推測され、真球状が最も好ましい。
インク受容層の最表層中の有機粒子の含有量は、質量比でインク受容層最表層全体に対して5〜50%が好ましい。5%より少ない場合、印字部の耐擦過性にほとんど効果が見られない可能性があり、50%よりも多い場合、インク吸収性、発色性が著しく悪化することがある。
本発明に用いられるカチオン性エマルションについて説明する。カチオン性エマルションとは、カチオン性あるいはカチオン化修飾された水性エマルションであり、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体エマルション;アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体、アクリル酸およびメタクリル酸の重合体または共重合体等のアクリル系重合体エマルジョン;スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル系重合体エマルション;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体エマルション;ウレタン結合を有するウレタン系エマルション等にカチオン基を用いてカチオン化したもの、カチオン性界面活性剤にてエマルション表面をカチオン化したもの、カチオン性ポリビニルアルコール下で重合しエマルション表面に該ポリビニルアルコールを分布させたもの等が挙げられる。これらのカチオン性エマルションの中でも主成分がスチレン−アクリル系重合体粒子であるカチオン性エマルションが好ましい。
インク受容層の最表層中におけるカチオン性エマルションの含有量は、微粒子シリカに対して1〜50質量%の範囲が好ましく、5〜20質量%の範囲がより好ましく、特に5〜10質量%の範囲が好ましい。
本発明の主たるインク受容層は、微粒子シリカを主体に含有する。ここで主体に含有するとは、インク受容層を構成する全固形分に対して微粒子シリカを60質量%以上含有することであり、好ましくは65質量%以上含有することであり、更に70質量%以上含有することである。上限は95質量%程度である。微粒子シリカとして合成シリカである気相法シリカ、湿式法シリカの少なくとも1種が使用される。インク吸収性及び発色性の観点から、気相法シリカがより好ましい。
本発明において、インク受容層は少なくとも2層で構成されるが、全インク受容層の合計として用いられる微粒子シリカの量は、11〜37g/m2が好ましく、16〜36g/m2の範囲がより好ましい。含有量が上記範囲より多くなるとひび割れが生じやすくなり、また少なくなるとインク吸収性が低くなる。
本発明に用いられる合成シリカは、製造法によって気相法シリカ、湿式法シリカに大別することができる。
気相法シリカは、乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって製造される。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されており入手することができる。
本発明に用いられる気相法シリカは、平均一次粒子径が5〜50nmのものが好ましい。より高い光沢を得るためには、5〜20nmでかつBET法による比表面積が90〜400m2/gの気相法シリカが好ましい。本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
上記のようにして気相法シリカは、数nm〜数十nmの一次粒子が網目構造あるいは鎖状につながりあって二次的に凝集した状態で存在する。この凝集粒子(二次粒子)の平均粒径が500nm以下になるまで分散されるのが好ましく、より好ましくは300nm以下になるまで分散される。下限の粒子径は50nm程度である。ここで、凝集粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡による写真撮影で求めることができるが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば、堀場製作所製、LA910)を用いて、個数メジアン径として測定することができる。
湿式法シリカは、製造方法によって更に沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは、珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造される。製造過程で粒子成長したシリカ粒子は、凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカの二次粒子は緩やかな凝集粒子となり、比較的粉砕し易い粒子が得られる。沈降法シリカとしては、例えば東ソーシリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして市販されている。
ゲル法シリカは、珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造される。この場合、熟成中に小さなシリカ粒子が溶解し、大きな粒子の一次粒子間に一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、水澤化学工業(株)からミズカシルとして、グレースジャパン(株)からサイロジェットとして市販されている。
ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる。例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
本発明で用いられる湿式法シリカとしては、沈降法シリカあるいはゲル法シリカである。これらの湿式法シリカの平均粒径(平均二次粒子径)は、通常1μm以上である。本発明は、これらの湿式法シリカを、平均粒径が500nm以下になるまで粉砕する。好ましくは、平均粒径が300nm以下になるまで粉砕する。下限の粒子径は50nm程度である。粉砕された湿式法シリカの粒子径は、前述したように透過型電子顕微鏡あるいはレーザー散乱式の粒度分布計で求めることができる。
湿式法シリカの粉砕工程は、分散媒にシリカ微粒子を添加し混合(予備分散)する一次分散工程と、該一次分散工程で得られた粗分散液中のシリカを粉砕する二次分散工程からなる。一次分散工程における予備分散は、通常のプロペラ撹拌、歯状ブレード型分散機、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌、超音波撹拌等で行うことができる。湿式法シリカの粉砕方法としては、分散媒中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。湿式分散機としては、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜施回型分散機等を使用することができるが、本発明では特にビーズミル等のメディアミルが好ましく用いられる。
本発明に用いられる湿式法シリカは、平均粒子径(平均二次粒子径)が5μm以上のものが好ましい。比較的大きな粒子径のシリカを粉砕することによって、より高濃度での分散が可能となる。本発明に用いられる湿式法シリカの平均粒子径の上限は特に制限されないが、通常湿式法シリカの平均粒子径は200μm以下である。
本発明のインク受容層に用いられる湿式法シリカとしては、沈降法シリカが好ましい。前述したように、沈降法シリカは、その二次粒子が緩やかな凝集粒子であるので、粉砕するのに好適である。
本発明において、微粒子シリカはカチオン性ポリマーを添加してカチオン化することが好ましい。上述した分散あるいは粉砕工程で、カチオン性ポリマーを含有させておくのが好ましい。
本発明に用いられるカチオン性ポリマーとしては、4級アンモニウム基、ホスホニウム基、あるいは1〜3級アミンの酸付加物を有する水溶性カチオン性ポリマーが挙げられる。例えば、ポリエチレンイミン、ポリジアルキルジアリルアミン、ポリアリルアミン、アリキルアミンエピクロルヒドリン重縮合物、特開昭59−20696号、特開昭59−33176号、特開昭59−33177号、特開昭59−155088号、特開昭60−11389号、特開昭60−49990号、特開昭60−83882号、特開昭60−109894号、特開昭62−198493号、特開昭63−49478号、特開昭63−115780号、特開昭63−280681号、特開平1−40371号、特開平6−234268号、特開平7−125411号、特開平10−193776号、WO99/64248号公報等に記載されたカチオン性ポリマーが挙げられる。本発明に用いられるカチオン性ポリマーの重量平均分子量は10万以下が好ましく、より好ましくは5万以下であり、特に好ましくは2千〜3万程度である。
本発明において、カチオン性ポリマーの使用量は微粒子シリカに対して1〜10質重%の範囲が好ましい。
本発明のインク受容層は、皮膜としての特性を維持するためと、透明性が高くインクのより高い浸透性を得るために親水性バインダーを用いることが好ましい。親水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロースやそれらの誘導体が使用されるが、特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度は500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
インク受容層における親水性バインダーと微粒子シリカの質量比(B/P)は、5〜30質量%の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜25質量%である。
本発明のインク受容層には、前述の微粒子シリカをカチオン化に使用されるものと同様のカチオン性ポリマーを、更に添加剤として使用しても良い。
本発明において、インク受容層に皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することができる。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくは親水性バインダーに対して10〜50質量%の範囲で用いることができる。
本発明において、インク受容層には、親水性バインダーとともに硬膜剤を含有するのが好ましい。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好ましい。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する有機バインダーに対して、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
本発明のインク受容層には、前述の微粒子シリカのカチオン化に使用されるものと同様のカチオン性ポリマーを、更に添加剤として使用しても良い。
本発明のインク受容層には耐水性向上のため水溶性アルミニウム化合物を含有しても良い。例えば、塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られている。
これら水溶性アルミニウム化合物の中でも、インク受容層を形成するの塗布液に安定に添加できるものが好ましく、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の式1、2又は3で示され、例えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al2(OH)nCl6-nm ・・式1
[Al(OH)3nAlCl3 ・・式2
Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n ・・式3
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できる。
上記した水溶性アルミニウム化合物の添加量は、微粒子シリカに対して0.1〜10質量%の範囲が好ましい。
インク受容層には、更に着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。また、本発明のインク受容層の塗布液のpHは、3.3〜6.5の範囲が好ましく、特に3.5〜5.5の範囲が好ましい。
また、インク受容層には、チオエーテル化合物、カルボヒドラジドおよびその誘導体を含有させることによって印字後の保存性を著しく改良することができる。
本発明で用いられるカルボヒドラジド誘導体は、同一分子中に同構造を一つまたは二つ以上有する化合物であっても、あるいは同構造を分子主鎖または側鎖に有するポリマーであってもよい。
本発明に用いられるチオエーテル化合物には、硫黄原子の両側に芳香族基が結合した芳香族チオエーテル化合物、硫黄原子を挟んだ両端にアルキル基を有する脂肪族チオエーテル化合物等がある。これらの中でも特に親水性基を有する脂肪族チオエーテル化合物が好ましい。
なおこれらの化合物は既知の合成法や、特開2002−321447号公報、特開2003−48372号公報に記載の合成法などを参考に合成できる。また、一部の化合物については、市販の化成品をそのまま使用することができる。
本発明において、インク受容層の塗布方法は、1層ずつ塗布する逐次塗布方法(例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター等)、あるいは多層同時重層塗布方法(例えば、スライドビードコーターやスライドカーテンコーター等)のいずれの方法であっても、本発明の効果は得られる。しかし、多層同時重層塗布方法が好ましく用いられる。
本発明で使用される支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアサテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙と樹脂フィルムを貼り合わせたもの、基紙の両面にポリオレフィン樹脂層を被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持体が好ましい。これらの耐水性支持体の厚みは50〜300μm、好ましくは80〜260μmのものが用いられる。
本発明に好ましく用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙支持体(以降、ポリオレフィン樹脂被覆紙と称す)について詳細に説明する。本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙は、その含水率は特に限定しないが、カール性より好ましくは5.0〜9.0%の範囲であり、より好ましくは6.0〜9.0%の範囲である。ポリオレフィン樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する基紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
また、基紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
基紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
また、ポリオレフィン樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
ポリオレフィン樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行する基紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、基紙の両面が樹脂により被覆される。また、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。樹脂被覆層の厚みとしては、5〜50μmが適当である。
本発明に用いられる耐水性支持体のインク受容層が塗設される側には、下引き層を設けるのが好ましい。この下引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め耐水性支持体の表面に塗布乾燥されたものである。この下引き層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/m2が好ましく、20〜300mg/m2がより好ましい。更に、下引き層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有するのが好ましい。支持体に下引き層を設けることによって、インク受容層塗布時のひび割れ防止に有効に働き、均一な塗布面が得られる。
本発明のインクジェット記録材料のインク吸収性を有する側と支持体に対して反対側には、カール防止や印字直後に重ね合わせた際のくっつきやインク転写を更に向上させるために種々の種類のバック層を設けてもよい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部及び%は、質量部及び質量%を示す。
<ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100部の樹脂に対して、10部のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、表面(インク受容層塗設面)とした。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、裏面とした。
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下塗り層1をゼラチンの付着量が60mg/m2となるように塗布乾燥した。
<下塗り層1>
ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 8部
上記下塗り層の上に、下記組成のインク受容層塗布液aを下層(支持体側)として、インク受容層液bを上層(支持体から離れた層)としてスライドビードコーターで同時重層塗布した。インク受容層aの乾燥塗布量は20g/m2であり、インク受容層bの乾燥塗布量は3g/m2である。塗布後の乾燥条件は、10℃で20秒間冷却後、30〜50℃の加熱空気を吹き付けて乾燥した。
<気相法シリカ分散液1の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積300m2/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20%のシリカ分散液を製造した。
<インク受容層aの塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
((株)理研グリーン製、ピュラケムWT)
1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド 2部
界面活性剤 0.1部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
<インク受容層bの塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
カチオン性エマルション 10部
(スチレン−アクリル系;星光PMC社製、SE2220)
有機粒子 8部
(ポリオレフィン水性ディスパージョン;三井化学社製、ケミパールW310、
平均粒径9.5μm)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
実施例1のインク受容層塗布液bを下記のインク受容層塗布液cに変更した以外は実施例と同様にして実施例2のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層塗布液c>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
カチオン性エマルション 60部
(スチレン−アクリル系;星光PMC社製、SE2220)
有機粒子 130部
(ポリオレフィン水性ディスパージョン;三井化学社製、ケミパールW310、
平均粒径9.5μm)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
実施例1のインク受容層塗布液bを下記のインク受容層塗布液dに変更した以外は実施例と同様にして実施例3のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層塗布液d>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
カチオン性エマルション 10部
(スチレン−アクリル系;日華化学社製、ニッカソルトSUP)
有機粒子 8部
(ポリオレフィン水性ディスパージョン;三井化学社製、ケミパールW310、
平均粒径9.5μm)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
実施例1のインク受容層塗布液bを下記のインク受容層塗布液eに変更し、乾燥塗布量を2.0g/m2とした以外は実施例と同様にして実施例4のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層eの塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
カチオン性エマルション 10部
(スチレン−アクリル系;星光PMC社製、SE2220)
有機粒子 8部
(ポリオレフィン水性ディスパージョン;三井化学社製、ケミパールW300、
平均粒径3μm)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
実施例1のインク受容層塗布液bを下記のインク受容層塗布液fに変更した以外は実施例と同様にして実施例5のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層fの塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
カチオン性エマルション 10部
(スチレン−アクリル系;星光PMC社製、SE2220)
有機粒子 8部
(架橋ポリスチレン系粒子;積水化成品工業社製、SBX−8、
平均粒径8μm)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
実施例1のインク受容層塗布液bを下記のインク受容層塗布液gに変更した以外は実施例と同様にして実施例6のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層gの塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
カチオン性エマルション 10部
(スチレン−アクリル系;星光PMC社製、SE2220)
有機粒子 8部
(架橋ポリメタクリル酸メチル粒子;積水化成品工業社製、MBX−20、
平均粒径20μm)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
<比較例1>
実施例1のインク受容層塗布液bのポリオレフィン水性ディスパージョン(ケミパールW310)を添加しない以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を得た。
<比較例2>
実施例1のインク受容層塗布液bのポリオレフィン水性ディスパージョン(ケミパールW310)をポリメタクリル酸メチル粒子(積水化成品工業社製、MB−50、平均粒径50μm)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例2のインクジェット記録材料を得た。
<比較例3>
実施例1のインク受容層塗布液bのポリオレフィン水性ディスパージョン(ケミパールW310)をポリオレフィン水性ディスパージョン(三井化学社製、ケミパールW700、平均粒径1μm)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例3のインクジェット記録材料を得た。
<比較例4>
実施例1のインク受容層塗布液bのカチオン性エマルション(SE2220)を添加しない以外は実施例1と同様にして比較例4のインクジェット記録材料を得た。
<インクジェット記録物の作製>
上記のようにして作成したインクジェット記録シートについて、インクジェットプロッタ(W8200、キヤノン社製)を用いて顔料インクを使用して4原色のベタ印字を行い下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
<擦過性>
1日放置後の印字物にて画像部を金属クリップで擦り印字部の耐擦過性を目視で判定した。下記の基準で評価した。
◎:印字部のインクがほとんど取られず優れている。
○:僅かにインクが擦り取られるが目立たない。
△:インクが擦り取られ傷が目立つ。
×:著しくインクが擦り取られ実用上問題。
<インク吸収性>
印字直後にベタ部のインクの溢れやインクの滲み具合を目視で観察した。下記の基準で評価した
◎:速やかにインクが吸収され、モットリング及び境界のにじみもみられない。
○:インクの吸収はやや遅く、境界滲みが少しみられるが、実用上問題ない。
△:印字面にインクがやや溢れ、モットリングと境界滲みが少しみられる。
×:印字面にインクがあふれ、強いモットリングと境界滲みが発生。
<発色性>
ベタ印字部のくすみ具合を目視で観察した。下記の基準で評価した
○:くすみが少しなく発色性良好。
△:ややくすみがみられるが、発色性に劣る。
×:強いくすみの発生がみられ、発色性に劣る。
Figure 2007125848
本発明のインクジェット記録材料1〜6のインクジェット記録材料は、インク受容層のインク吸収性、発色性と印字部の擦過性に優れた結果であった。比較例1は、インク受容層に有機粒子を含有していないので印字部の擦過性が劣る結果となった。比較例2、3は本発明とは異なる有機粒子を含有しているので発色性、擦過性がそれぞれ劣る結果となった。比較例4はカチオン性エマルションを含有していないので印字部の擦過性とインク吸収性が劣る結果となった。

Claims (4)

  1. 支持体上に微粒子シリカを主体に含有するインク受容層を少なくとも2層設けたインクジェット記録材料において、インク受容層の最表層中にカチオン性エマルション及び平均粒径2〜40μmの有機粒子を含有することを特徴とする顔料インク用インクジェット記録材料。
  2. 前記カチオン性エマルションがスチレン−アクリル系重合体粒子の分散物である請求項1に記載の顔料インク用インクジェット記録材料。
  3. 前記有機粒子がポリオレフィン系樹脂である請求項1に記載の顔料インク用インクジェット記録材料。
  4. 前記インク受容層の最表層の厚さが該有機粒子の平均粒子径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の顔料インク用インクジェット記録材料。
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