JP4533356B2 - インクジェット記録材料およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録材料及びその製造方法に関し、詳しくは光沢、にじみ、耐オゾン性、黄変、及びビーディングに優れたインクジェット記録材料及びその製造方法に関するものである。
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク受容層を設けてなる記録材料が知られている(例えば、特許文献1、2等参照。)。
また、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いた記録材料や、アルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が開示されている(例えば、特許文献3〜6参照。)。
上記したような気相法シリカ、アルミナあるいはアルミナ水和物は、一次粒子の平均粒径が数nm〜数十nmの超微粒子であり、高い光沢と高いインク吸収性が得られるという特長がある。しかしその反面、高湿度環境下に保存されて場合の印画画像のにじみの点では満足できるものではなかった。
一方、ヒドロキシプロピルセルロースを含む表面層を設けたインク用被記録材が開示されており(例えば、特許文献7参照)、インクの広がりを抑制して高解像度での記録が可能であるとされている。しかしながら、画像濃度の点で更なる改良が望まれていた。
更に、最表層を除く少なくとも1層にヒドロキシプロピルセルロースを添加するインクジェット記録用シートが開示されている(例えば、特許文献8参照。)。しかしながら、ヒドロキシプロピルセルロースの添加量が増えるとビーディングが悪化するとの記載がある。
一方、記録画像が例えば光やオゾンに対する耐候性に劣っていると、画像品質を高いまま保持できず、ひいては記録材料としての商品価値が大きく損なわれる。そのため、写真画質が得られるだけでなく、記録された写真画像を長期間にわたって維持できる性能を具えていることが記録材料として重要である。
上記の耐候性の向上に関連して、水溶性多価金属塩、カチオン性ポリウレタン、イオウ系化合物などを含有するインクジェット記録媒体に関する開示がある(例えば、特許文献9参照)。
特開昭62−183382号公報 特開昭64−11877号公報 特開平11−20306号公報 特開平11−34481号公報 特開平5−32037号公報、 特開平6−199034号公報 特開平8−324103号公報 特開2004−98381号公報 特開2004−351618号公報
本発明の目的は、にじみがなく、耐オゾン性、耐黄変、及び光沢度が良好で、かつ塗布面にビーディングがない均一なインクジェット記録材料、及びその製造方法を提供することにある。
前記実情に鑑み本発明者らは、鋭意研究を行ったところ、上記課題を解決しうることを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は下記の手段により達成されるものである。
<1>支持体上に平均一次粒子が1〜200nmの無機微粒子を含む複数のインク受容層を有するインクジェット記録材料であって、前記インク受容層の少なくとも1層は水溶性アルミニウム化合物を含み、かつ、下層方向に向かって含有濃度が高くなるような濃度勾配でセルロース化合物を含むことを特徴とするインクジェット記録材料。
<2>前記複数のインク受容層の少なくとも最下層にセルロース化合物を含むことを特徴とする上記<1>に記載のインクジェット記録材料。
<3>前記セルロース化合物がヒドロキシプロピルセルロースであることを特徴とする上記<1>又は<2>に記載のインクジェット記録材料。
<4>前記無機微粒子が気相法シリカであることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット記録材料。
<5>前記複数のインク受容層のうち最上層のインク受容層の無機微粒子がコロイダルシリカであり、他のインク受容層の無機微粒子が気相法シリカであることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット記録材料。
<6>前記複数のインク受容層が2層であることを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクジェット記録材料。
<7>前記インク受容層の最下層における前記セルロース化合物の含有量が、0.1〜2.0g/m であることを特徴とする上記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のインクジェット記録材料。
<8>前記インク受容層の最上層における前記セルロース化合物の含有量が、0〜0.1g/m であることを特徴とする上記<1>〜<7>のいずれか1項に記載のインクジェット記録材料。
<9>前記インク受容層における前記水溶性アルミニウム化合物の総含有量が、0.1〜3.0g/m であることを特徴とする上記<1>〜<8>のいずれか1項に記載のインクジェット記録材料。
10>平均一次粒子が1〜200nmの無機微粒子を有する複数の塗布液を支持体上に塗布して複数のインク受容層を有するインクジェット記録材料の製造方法であって、前記複数の塗布液のうち、少なくとも1つの塗布液が水溶性アルミニウム化合物を含み、かつ、前記複数の塗布液のうち、少なくとも1つのインク受容層の塗布液がセルロース化合物を含み、下層側の塗布液の前記セルロース化合物の含有率が、上層側の塗布液の前記セルロース化合物の含有率よりも高い配合比率で調製された前記複数の塗布液を塗布することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
11>前記複数の塗布液の少なくとも最下層がセルロース化合物を含むことを特徴とする上記<10>に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
12>前記水溶性アルミニウム化合物及び前記セルロース化合物のいずれか1つがインライン混合されることを特徴とする上記<10>又は<11>に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
本発明によれば、にじみがなく、耐オゾン性、耐黄変、及び光沢度が良好で、かつ塗布面にビーディングがない均一なインクジェット記録材料、及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明のインクジェット記録材料について詳細に説明する。
尚、本明細書中において、支持体から最も離れた最表層となるインク受容層を「最上層」といい、支持体に最も近い側のインク受容層を「最下層」といい、3層構成以上の場合の中間の層を「下層」として説明する。
本発明のインクジェット記録材料は、支持体上に平均一次粒子が1〜200nmの無機微粒子を含む複数のインク受容層を有するインクジェット記録材料であって、
前記インク受容層の少なくとも1層は水溶性アルミニウム化合物を含み、かつ、
下層方向に向かって含有濃度が高くなるようにセルロース化合物を含むことを特徴とする。
前記構成とすることにより、インク吸収性に優れ、にじみがなく、耐オゾン性、耐黄変、光沢度が良好で、かつ塗布面にビーディングがない均一なインクジェット記録材料とすることができる。
本発明のインクジェット記録材料は、インク受容層を2層以上有すればよく、特に限定されないが、中でも、光沢性、生産効率、ビーディングの観点から2〜5層構成が好ましく、2〜3層構成が特に好ましい。
前記2〜3層構成とすることにより、高光沢、ビーディングが発生しないこととなり好ましい。
以上のインク受容層の中でも、2層構成の最下層/最上層においては、「無機微粒子、セルロース化合物/無機微粒子、水溶性アルミニウム化合物」、「無機微粒子、セルロース化合物、水溶性アルミニウム化合物/無機微粒子」等を含有する層構成が好ましい態様であり、3層構成の最下層/上層/最上層においては、「無機微粒子、セルロース化合物/無機微粒子、水溶性アルミニウム化合物/無機微粒子」、「無機微粒子、セルロース化合物、水溶性アルミニウム化合物/無機微粒子/無機微粒子」等を含有する層構成が好ましい態様である。
セルロース化合物は、下層方向(支持体方向)に向かって含有濃度が高くなるように含む必要があり、中でも、支持体に最も近いインク受容層である最下層に少なくとも含有されることが好ましい態様である。
また、ここで、「セルロース化合物が含有濃度が高くなるように含む」とは、支持体方向に濃度が高くなるようであればよく、連続的な変化でなくとも不連続であってもよいことを意味する。
また、複数層であるときは層間における含有濃度が高くなるような場合をいい、途中の層の濃度がゼロであってもよいことを意味するものである。
具体的には、4層構成のインクジェット記録材料のとき、前記セルロース化合物の濃度比が第4層(最上層)を除くインク受容層間で、第1層(最下層)/第2層/第3層=20/0/10であっても、30/20/10であっても良いことを意味する。
上記の中でも、セルロース化合物は少なくとも最下層に含有させることが光沢性、ビーディングの点から好ましい。
更に、各層における層の厚さ(層厚)について、含有される成分及びその量にも依存することから一概には限定できないが、最下層の膜厚としては、光沢性、ビーディングの観点から、1〜35μmが好ましく、2〜30μmがより好ましく、5〜25μmが特に好ましい。
最上層の膜厚としては、光沢性、ビーディングの観点から、1〜35μmが好ましく、2〜30μmがより好ましく、5〜25μmが特に好ましい。
下層の膜厚としては、光沢性、ビーディングに影響を与えるセルロース化合物の移行を制御することの観点から、1〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましく、2〜5μmが特に好ましい。
[インク受容層]
本発明におけるインク受容層は、インク吸収性の向上の観点から、平均一次粒子径が1〜200nmの無機微粒子を含有し、かつ、少なくとも1層のインク受容層は水溶性アルミニウム化合物を含み、さらに、下層方向に向かって含有濃度が高くなるようにセルロース化合物を含む。
以下、本発明のインクジェット記録材料の構成成分、及びインクジェット記録材料の製造方法について詳細に説明する。
<無機微粒子>
本発明において、用いられる無機微粒子の種類は特に限定されないが、光沢、インク吸収性の面で、気相法シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、又はアルミナ水和物が好ましく、気相法シリカ、コロイダルシリカがより好ましく、特に気相法シリカが好ましい。これらの無機微粒子は単独で用いても組み合わせて用いてもよい。
また、本発明における無機微粒子の平均一次粒子径は、1〜200nmとする必要があり、中でも、より高い光沢を得るために、5〜50nmが好ましく、5〜20nmが特に好ましい。
また、本発明におけるインク受容層は複数構成であり、例えば気相法シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ及びアルミナ水和物の中の1種類のみで複数層を構成する態様、異なる種類を別々の層に含有する態様等があるが、具体的には、気相法シリカのみの含有層、気相法シリカ含有層とアルミナあるいはアルミナ水和物を含有する層との2層以上の構成、気相法シリカ含有層とコロダルシリカ含有層との2層以上の構成、または粒子径が異なる気相法シリカを別々の層に含有する態様等が挙げられる。
−気相法シリカ−
本発明に好ましく用いられる気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、トクヤマ(株)からQSタイプとして市販されており入手することができる。
前記気相法シリカの平均一次粒子径は、5〜50nmが好ましく、より高い光沢を得るためには、5〜20nmでかつBET法による比表面積が90〜400m/gのものを用いるのが好ましい。
本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
−コロイダルシリカ−
本発明に用いられるコロイダルシリカは、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる二酸化珪素をコロイド状に水中に分散させたものであり、平均一次粒子径が1nm〜200nmの湿式法合成シリカである。コロイダルシリカとしては、日産化学工業(株)社からスノーテックスST−20、ST−30、ST−40、ST−C、ST−N、ST−20L、ST−O、ST−OL、ST−OL40、ST−S、ST−XS、ST−XL、ST−YL、ST−ZL、ST−OZL、ST−AK等が、市販されている。
本発明に用いられるコロイダルシリカは、インク吸収性及び光沢の観点から平均一次粒子径が30nm〜100nmの範囲のものが好ましい。更に平均一次粒子径の異なる2種類以上のコロイダルシリカを併用することが好ましい。この場合、平均一次粒子径が30nm以上〜60nm未満のコロイダルシリカと平均一次粒子径が60nm以上〜100nm以下のコロイダルシリカを組み合わせて用いるのがより好ましく、コロイダルシリカの合計量に対する平均一次粒子径が30nm以上〜60nm未満のコロイダルシリカの比は、60質量%以上が好ましい。
上記のコロイダルシリカの粒子形状としては、球状、鎖状(数珠状)等があるが、本発明の効果、特に耐傷性及び光沢性の点で球状のコロイダルシリカが好ましい。また、上記のコロイダルシリカは、アニオン性、ノニオン性、カチオン性があるが、コロイダルシリカ層の塗布液の安定性、特にポリビニルアルコールを有機バインダーとして含有する塗布液の安定性(塗布液の経時によるコロイダルシリカの凝集や分離)の点でアニオン性が好ましい。
−アルミナ−
本発明に用いられるアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は、数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で50〜300nm程度まで粉砕したものが好ましく使用出来る。
−アルミナ水和物−
本発明に用いられるアルミナ水和物は、Al・nHO(n=1〜3)の構成式で表される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。
アルミナ水和物の一次粒子の平均粒径は、5〜50nmが好ましく、より高い光沢を得るためには、5〜20nmでかつ平均アスペクト比(平均厚さに対する平均粒径の比)が2以上の平板状の粒子を用いるのが好ましい。
インク受容層における無機微粒子の固形分塗布量は、10〜30g/mが好ましく、12〜20g/mの範囲がより好ましい。これによって、インク吸収性を低下させずに、光沢性及び耐傷性の一段の改良が図られる。
また、インク受容層がコロイダルシリカ層であるとき、コロイダルシリカの固形分塗布量は、0.1〜8.0g/mが好ましく、0.3〜5.0g/mの範囲がより好ましい。これによって、インク吸収性を低下させずに、光沢性及び耐傷性の一段の改良が図られる。
<セルロース化合物>
本発明のインクジェット記録材料は、インク受容層に、下層方向に向かって含有濃度が高くなるようにセルロース化合物を含むことが必要である。そうすることにより、ビーディング及びにじみを効果的に防止することができる。
好ましくは少なくとも最下層にセルロース化合物を含有することであり、そうすることにより後述の水溶性アルミニウムが含有される系において、ビーディング、経時にじみを顕著に回避することができる。前述の最上層に大量のセルロース化合物を含有させるとインク吸収性が極めて低下することがあるため、セルロース化合物の濃度勾配は、下層方向に向かって上昇(上層方向に向かって低下)することが好ましい。
前記セルロース化合物は、水溶性であることが好ましい。ここで水溶性とは、本発明において、常温常圧下で水に1質量%以上溶解することを意味する。
前記セルロース化合物としては、適宜公知のものの中から選択することができるが、中でもヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、又はヒドロキシプロピルセルロースが好ましく、ヒドロキシプロピルセルロースが特に好ましい。これらは、単独で用いても複数を併用してもよく、少なくとも一種を前記インク受容層の最下層に含有することによって、画像のビーディング、経時ニジミの防止を効果的に向上させることができる。
複数層からなるインク受容層中における前記セルロース化合物の総含有量としては、0.1〜3.0g/mが好ましく、0.5〜1.0g/mがより好ましい。
前記総含有量が、0.1g/m〜3.0g/mの範囲内であると、インクジェット記録材料の耐水性、特に高湿度下などにおける画像の耐経時ニジミが不充分となり難く、またインク吸収性が向上する傾向となる。
インク受容層の最下層における前記セルロース化合物の含有量としては、画像のビーディング及びニジミの防止の観点から、0.1〜2.0g/mが好ましく、0.5〜0.8g/mがより好ましい。
前記最下層の含有量が、0.1〜2.0g/mであると、インクジェット記録材料のビーディング、耐水性、高湿度下などにおける画像の耐経時ニジミが不充分となり難く、またインク吸収性が向上する傾向となる。
一方、最上層における前記セルロース化合物の含有量としては、インク吸収性の観点から、0〜1.0g/mが好ましく、0〜0.5g/mがより好ましく、0〜0.1g/mが更に好ましい。
<水溶性アルミニウム化合物>
水溶性アルミニウム化合物としては、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の一般式1、2又は3で示され、例えば[Al(OH)153+、[Al(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al(OH)Cl6−n ・・式1
[Al(OH)AlCl ・・式2
Al(OH)Cl(3n−m) 0<m<3n ・・式3
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、大明化学工業(株)よりアルファイン83等の名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できる。これらの塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物は、特公平3−24907、同平3−42591号公報にも記載されている。
本発明において、インク受容層の少なくとも一層には、水溶性アルミニウム化合物を含有し、該一層のインク受容層中の含有量は、0.1g/m〜10g/m、好ましくは0.2g/m〜5g/mである。
前記水溶性アルミニウム化合物の、複数層からなるインク受容層中における総含有量としてはインク受容層中の含有量は、0.1g/m〜3.0g/m、好ましくは0.3g/m〜1.5g/mである。
<有機バインダー>
本発明において、インク受容層には皮膜としての特性を維持するために有機バインダーを含有することができる。有機バインダーとしては、各種水溶性ポリマーあるいはポリマーラテックスが好ましく用いられる。水溶性ポリマーとしては、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸エステル系等やそれらの誘導体が使用されるが、特に好ましい有機バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
また有機バインダーとして用いられるポリマーラテックスとしては、例えば、アクリル系ラテックスとしては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル基等のアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル類、アクリルニトリル、アクリルアミド、アクリル酸及びメタクリル酸等の単独重合体または共重合体、あるいは上記モノマーと、スチレンスルホン酸やビニルスルホン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、ビニルメチルエーテル、酢酸ビニル、スチレン、ジビニルベンゼン等との共重合体が挙げられる。オレフィン系ラテックスとしては、ビニルモノマーとジオレフィン類のコポリマーからなるポリマーが好ましく、ビニルモノマーとしてはスチレン、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等が好ましく用いられ、ジオレフィン類としてはブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
本発明のインク受容層において、無機微粒子として気相法シリカを用いる場合は、気相法シリカに対して有機バインダーを5〜35質量%の範囲で用いるのが好ましく、特に10〜30質量%の範囲で用いるのが好ましい。
また、無機微粒子として気相法シリカ以外のコロイダルシリカ等を用いる場合は、コロイダルシリカ等に対して有機バインダーを10質量%以下で用いるのが好ましく、下限は0.5質量%程度である。より好ましくは、1〜7質量%の範囲で有機バインダーを用いる。有機バインダーをこの範囲で含有させることによってインク吸収性を低下させずに耐傷性を更に向上させる。
<カチオン性化合物>
本発明において、インク受容層には、カチオン性化合物を含有するのが好ましい。インク受容層にカチオン性化合物を含有することによって、インク受容層のひび割れの防止及び耐水性の向上が図られる。
更に、このカチオン性化合物を含有するインク受容層の上にコロイダルシリカとカチオン性化合物を含有する層を設けることによって、耐傷性、耐水性、インク吸収性が更に向上し、加えて2つの層の界面における凝集が防止され、その結果塗布ムラや光沢ムラが解消する。
インク受容層の無機微粒子としてアルミナあるいはアルミナ水和物を含有する場合は、カチオン性化合物を必ずしも併用しなくても、充分なひび割れがなく耐水性が得られる。
本発明に用いられるカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーあるいは前記水溶性アルミニウム化合物以外の水溶性の多価金属化合物が好ましく用いられる。これらのカチオン性ポリマー及び水溶性の多価金属化合物は、単独あるいは併用することができる。
本発明に用いられるカチオン性ポリマーとしては、4級アンモニウム基、ホスホニウム基、あるいは1〜3級アミンの酸付加物を有する水溶性カチオン性ポリマーが挙げられる。例えば、ポリエチレンイミン、ポリジアルキルジアリルアミン、ポリアリルアミン、アリキルアミンエピクロルヒドリン重縮合物、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号公報等に記載されたカチオン性ポリマーが挙げられる。本発明に用いられるカチオン性ポリマーの重量平均分子量は10万以下が好ましく、より好ましくは5万以下であり、下限は2千程度である。
前記水溶性の多価金属化合物における多価金属としては、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、チタン、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンが挙げられ、これらの金属の水溶性塩として用いることができる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、塩化チタン、硫酸チタン、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。これらの中でも特に、周期表IVa族元素(ジルコニウム、チタン)の水溶性塩が好ましい。
これらのカチオン性化合物の使用量は無機微粒子に対してビーディングの観点から1〜10質重量%が好ましく、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜8.0質量%の範囲がより好ましい。
<硬膜剤>
本発明において、インク受容層には、有機バインダーとともに硬膜剤を含有することができる。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好ましい。
硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する有機バインダーに対して、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
本発明において、インク受容層に皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することができる。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。
そのような油滴は好ましくは有機バインダーに対して10〜50質量%の範囲で用いることができる。
インク受容層には、更に他に界面活性剤、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
また、本発明のインク受容層の塗布液のpHは、3.3〜6.0の範囲が好ましく、特に3.5〜5.5の範囲が好ましい。このインク受容層塗布液のpH3.3〜6.0とすることによって、更にインク吸収性、光沢性、及び均一な塗布面が得られる。
(インクジェット記録材料の製造方法)
インクジェット記録材料の製造方法は、平均一次粒子が1〜200nmの無機微粒子を有する複数の塗布液を支持体上に塗布して複数のインク受容層を有し、前記複数の塗布液のうち、少なくとも1つの塗布液が水溶性アルミニウム化合物を含み、かつ、前記複数の塗布液のうち、少なくとも1つのインク受容層の塗布液がセルロース化合物を含み、下層側の塗布液の前記セルロース化合物の含有率が、上層側の塗布液の前記セルロース化合物の含有率よりも高い配合比率で調製された前記複数の塗布液を塗布することを特徴とする。
本発明のインクジェット記録材料の製造方法は、前記複数のインク受容層の構成成分を含有する塗布液を支持体上に塗布する製造方法である。
前記複数のインク受容層の構成成分については、インク受容層に記載の成分と同一であり、好ましい例も同じである。
本発明のインクジェット記録材料は、例えば、下記のようにして2層構成のインクジェット記録材料を製造することができる。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、支持体上に無機微粒子とセルロース化合物を含む塗布液(最下層用塗布液)(A)と、無機微粒子、水溶性アルミニウム化合物を含む塗布液(最上層用塗布液)(B)と、を用いて、この順に同時重層塗布する。
さらに、前記インク受容層が3層構成の場合は、支持体上に無機微粒子とセルロース化合物を含む塗布液(最下層用塗布液)(A)と、無機微粒子、水溶性アルミニウム化合物を含む塗布液(上層用塗布液)(b1)と、無機微粒子を含む塗布液(最上層用塗布液)(B)と、をこの順に重層塗布する。
本発明のインク受容層用塗布液の調製は、前述のインク受容層の構成成分に、更に必要に応じて、溶媒(例えば、水、有機溶媒、或いはそれらの混合溶媒)を加えて、公知の分散機械を用いて分散して調製することができる。
例えば、撹拌型分散機、コロイドミル分散機または高圧分散機により調製することができる。
本発明におけるインク受容層の塗布液のpHが3.3〜6.0の範囲にあることが好ましく、より好ましくは3.5〜5.5である。
インク受容層の最下層用の塗布液に、水溶性セルロース化合物を含有させることにより、極めて効果的にビーディングを防止する。
インク受容層が3層構成の場合、インク受容層の最上層用の塗布液がコロイダルシリカを含有し、pHが3.3〜6.0の範囲内で積層することによって、耐傷性、光沢性が改良され、特にインク吸収性が大幅に向上し、加えてインク受容層とコロイダルシリカ層との界面での凝集がなくなり、塗布ムラや光沢ムラが解消される点で好ましい。
本発明において、複数のインク受容層の塗布方法は、1層ずつ塗布する逐次塗布方法(例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター等)、あるいは多層同時重層塗布方法(例えば、スライドビードコーターやスライドカーテンコーター等)のいずれの方法であっても、本発明の効果は得られるが、多層同時重層塗布方法が好ましく用いられる。
従来、複数のインク受容層は逐次塗布(下層のインク受容層を塗布乾燥後に最上層のコロイダルシリカを含有する層(以下、コロイダルシリカ層ともいう。)を塗布乾燥する方法)するのが一般的であったが、コロイダルシリカ層におけるコロイダルシリカの塗布量が固形分で8g/m以下の場合、更には5g/m以下の場合に逐次塗布すると、コロイダルシリカ層の光沢性及び耐傷性の効果が十分に発揮されない。これは、塗布乾燥された無機微粒子として気相法シリカを主体に含有するインク受容層の上に、比較的薄層のコロイダルシリカ層を塗布した場合、気相法シリカ含有インク受容層(以下、気相法シリカ層ともいう。)中の空隙にコロイダルシリカ層の塗布液が一部浸透し、均一なコロイダルシリカ層が得られないためと考えられている。
また、気相法シリカ含有インク受容層中の空隙に存在する空気が上層のコロイダルシリカ層の塗布液中に拡散して泡となって、クレーター状の塗布欠陥(クレーター状ハジキ)を発生させることも、コロイダルシリカ層の均一塗布の障害になっていた。
また、更に、インク受容層の無機微粒子として、平均一次粒子径が50nm以下の気相法シリカ、アルミナ、あるいはアルミナ水和物を用いた場合、特に気相法シリカを用いた場合、これらの無機微粒子を含有するインク受容層を一旦塗布乾燥した後、コロイダルシリカ含有層を塗布した場合、気相法シリカ含有インク受容層が再度湿潤状態となって乾燥する過程で、インク受容層に微小なひび割れを生じさせる場合がある。
上記したような、比較的薄層のコロイダルシリカ層を気相法シリカ含有インク受容層の塗布乾燥後に逐次塗布する場合の課題は、インク受容層とコロイダルシリカ層を同時重層塗布することによって解消する。
本発明において、コロイダルシリカ含有層の薄層塗布は、インク吸収性の点で好ましい。
コロイダルシリカは、他の無機微粒子、例えば、本発明のインク受容層に好ましく用いられる気相法シリカ、アルミナやアルミナ水和物に比べインク吸収性に劣るために、上層にコロイダルシリカ層を設ける場合は薄層の方が好ましい。
その反面、コロイダルシリカは光沢及び耐傷性に優れており、均一な塗布面が形成できれば薄層であっても充分に高い光沢性及び耐傷性の効果が得られる。
従って、インク吸収性、光沢、及び耐傷性を同時に高いレベル満足させるためには、薄層のコロイダルシリカ層を無機微粒子として気相法シリカを主体に含有するインク受容層と同時重層塗布するのが極めて好ましいと言える。
多層同時重層塗布は、スライドビードコーターやスライドカーテンコーターのようなコーターを用いて、インク受容層の複数の塗布液を積層状態で支持体に塗布する。
気相法シリカ含有インク受容層とコロイダルシリカ層の塗布液が積層した状態において、2つの層の界面で凝集が起こりやすいという問題は、コロイダルシリカ層にカチオン性化合物を含有させ、かつ塗布液のpHを3.3〜6.0の範囲に、好ましくは3.5〜5.5の範囲に調整することによって解消される。
本発明において、無機微粒子としてコロイダルシリカを最上層に用いたとき、該最上層の好ましい構成は前述した通りであるが、該層の塗布液におけるコロイダルシリカの濃度は、3〜25質量%程度が適当であり、より好ましくは5〜15質量%である。コロイダルシリカ層塗布液の湿分塗布量は、10〜50g/m程度が好ましく、10〜30g/mがより好ましい。
本発明において、インク受容層に含有する無機微粒子の合計の量(無機微粒子を主体に含有するインク受容層が2層以上の場合はその合計の量であることを意味する)は、10〜50g/mが好ましく、15〜40g/mの範囲がより好ましい。
インク受容層の構成についても前述したとおりであるが、インク受容層の塗布液における無機微粒子の濃度は、5〜20質量%程度が好ましい。インク受容層は、複数層のいずれの層も上記範囲の無機微粒子の濃度であることが好ましい。
インク受容層塗布液の湿分塗布量は、単一層の場合でも複数層の場合でも、合計で100〜300g/m程度が適当である。
インク受容層の塗布液のpHは、3.3〜6の範囲が好ましく、特に3.5〜5.5の範囲が好ましい。この範囲のpHに調整することによって、インク吸収性が向上し、更に上層でコロイダルシリカを用いたときコロイダルシリカ含有層との界面での凝集がより抑制される。
本発明のインクジェット記録材料の製造方法において、前記水溶性アルミニウム化合物及びセルロース化合物の少なくとも1つはインライン混合することが好ましい。インライン混合することにより、前記水溶性アルミニウム化合物及びセルロース化合物が添加される塗布液の粘度上昇を効果的に抑えることができる。
具体的には、塗布液が貯留される釜から塗布装置へ塗布液が送液される経路で、前記インライン混合する化合物の一部又は全部を、該塗布液に添加混合(インライン混合)することにより、粘度上昇を抑えることができる。
インライン混合の装置としては、インラインミキサーやスタティックミキサーとして市販されている装置を用いることができる。例えば、Kenics社(アメリカ)製 スタティックミキサー、Sulger社(スイス)製 スタティックミキシングエレメントSMV型、晃立工業(株)製 シマザキパイプミキサー、東レ(株)製 Hi−Mixer等がある。また、インライン動的ミキサーとしては、特開2000−271463号公報に記載のものを用いることができる。
<支持体>
本発明で使用される支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアサテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙と樹脂フィルムを貼り合わせたもの、紙の少なくとも片面にポリオレフィン樹脂等の疎水性樹脂をラミネートしたポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持体が好ましい。これらの耐水性支持体の厚みは50〜300μm、好ましくは80〜260μmのものが用いられる。
本発明に好ましく用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙支持体(以降、ポリオレフィン樹脂被覆紙と称す)について詳細に説明する。
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙は、その含水率は特に限定しないが、カール性より好ましくは5.0〜9.0%の範囲であり、より好ましくは6.0〜9.0%の範囲である。ポリオレフィン樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する基紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
また、基紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/mが好ましい。
基紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
また、ポリオレフィン樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
ポリオレフィン樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行する基紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、その少なくとも片面が樹脂により被覆される。また、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。インク吸収性からは基紙のインク受容層を設ける面(基紙の表面)に樹脂を被覆しないほうが好ましく、反対面(基紙の裏面)にはカール防止の点からは樹脂層を設けたほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、裏面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はないが、一般に片面5〜50μmの厚みに片面または表裏両面に樹脂コーティングされる。片面だけを樹脂被覆する場合には、得られるインクジェット記録材料のカール性からはポリオレフィン樹脂被覆層の厚みは5〜25μm程度が好ましい。
本発明のポリオレフィン樹脂被覆紙の表のインク受容層が塗設される面(以後ポリオレフィン樹脂被覆紙の表面と称す)は、基紙面のままでもよいが、光沢、平滑性からはポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際、クーリングロールはポリオレフィン樹脂コーティング層の表面形状の形成に使用され、樹脂層の表面はクーリングロール表面の形状により鏡面、微粗面、またはパターン化された絹目状やマット状等に型付け加工することができる。
本発明のポリオレフィン樹脂被覆紙の裏のインク受容層の塗設される面(以後ポリオレフィン樹脂被覆紙の裏面と称する)は、表面を樹脂被覆する場合には基紙面のままでも良いが、カール性や印字画像の向上からは主としてポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際プリンターでの搬送性、印字画像からはクーリングロールはJIS−B−0601に規定されるRaが0.8〜5μmになるようにクーリングロール表面の形状により微粗面、またはパターン化された、例えば絹目状やマット状等に型付け加工することが好ましい。
基紙の裏面や表面にポリオレフィン樹脂被覆層を設ける方法は、加熱溶融樹脂を押し出して塗設する以外に電子線硬化樹脂を塗設後、電子線を照射する方法や、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの塗液を塗設後乾燥し、表面平滑化処理を施す方法等が有る。いずれも凹凸を有する熱ロール等での型付けを行うことで本発明に適応可能なポリオレフィン樹脂被覆紙が得られる。
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙の表面には下引き層を設けても良い。この下引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め耐水性支持体の表面に塗布乾燥されたものである。この下引き層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/mが好ましく、20〜300mg/mがより好ましい。更に、下引き層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有するのが好ましい。また、樹脂被覆紙に下引き層を塗布する前には、コロナ放電することが好ましい。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
<ポリオレフィン樹脂被覆紙の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/mになるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。
抄造した基紙に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ35μmになるように押出被覆し、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆した。
もう一方の面には密度0.962g/cmの高密度ポリエチレン樹脂70質量部と密度0.918の低密度ポリエチレン樹脂30質量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆した。
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが50mg/mとなるように塗布乾燥して支持体を作成した。尚、部とは、固形分の質量部を表す。
<下引き層>
・石灰処理ゼラチン 100部
・スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
・クロム明ばん 10部
得られた支持体の下引き層を設けた面に下記組成のインク受容層塗布液、及びコロイダルシリカ層塗布液をスライドビードコーターで同時重層塗布した。インク受容層塗布液における気相法シリカの濃度は9質量%になるように調製した。インク受容層塗布液の湿分塗布量は200g/mである(気相法シリカの固形分塗布量は18g/m)。コロイダルシリカ層塗布液におけるコロイダルシリカの濃度は8質量%になるように調製した。コロイダルシリカ層塗布液の湿分塗布量は12.5g/mである(コロイダルシリカの固形分塗布量は1g/m)。
得られた支持体の下引き層を設けた面に下記組成のインク受容層塗布液をスライドビードコーターで同時重層塗布した。インク受容層塗布液における気相法シリカの濃度は9質量%になるように調製した。インク受容層塗布液の湿分塗布量は200g/mである(気相法シリカの固形分塗布量は18g/m)。最上層と最下層の厚みが同じになるようにし、インクジェット記録用シートを作製した。
<インク受容層塗布液(最上層)>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 8部
(商品名:アルファイン83、大明化学工業(株)製)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM)
<インク受容層塗布液(最下層)>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
水溶性セルロース化合物 2.1部
(日本曹達(株)製、HPC−SSL)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM)
[実施例2]
実施例1において、インク受容層塗布液(最上層)から塩基性ポリ水酸化アルミニウムを除き、インク受容層塗布液(最下層)に塩基性ポリ水酸化アルミニウムをインラインにより、6部添加した以外は、実施例1同様にインクジェット記録用シートを作製した。
[実施例3]
実施例1において、インク受容層塗布液(最上層)及び(最下層)以外に、下記コロイダルシリカ層塗布液(最上層)をコロイダルシリカの濃度が8質量%になるように調製した。コロイダルシリカ層塗布液(最上層)の湿分塗布量は12.5g/m(コロイダルシリカの固形分塗布量は1g/m)になるよう、インクジェット記録用シートを作製した。
<コロイダルシリカ層の塗布液A>
・コロイダルシリカ 100部
(アニオン性の球状コロイタ゛ルシリカ;日産化学工業(株)社製のスノーテックスST−OL40、平均一次粒径40〜50nm)
・カチオン性ポリマー;ポリフィックス601 1部
(昭和高分子社性、特殊変性ポリアミン)
・ポリビニルアルコール 4部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM)
上記のコロイダルシリカ層の塗布液は以下のようにして作製した。
まずコロイダルシリカの濃度が10質量%になるように水を加えてコロイダルシリカ水溶液を調製し、このコロイダルシリカ水溶液を高速回転ディスパーで高速撹拌しながらポリフィックス601(10質量%溶液)を添加し、更に10分間高速撹拌した後、ポリビニルアルコール、界面活性剤を順に加えて塗布液を作製した。この塗布液AのpHは3.0であった。
[比較例1]
実施例1において、前記インク受容層塗布液(最上層)、(最下層)を用いる代わりに、下記インク受容層塗布液を用いて、湿分塗布量200g/m(気相法シリカの固形分塗布量は18g/m)にて塗布した以外は同様に行い、インクジェット記録用シートを作製した。
<インク受容層塗布液>
・気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m/g)
・ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
・ほう酸 3部
・ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・水溶性セルロース化合物1.1部
(日本曹達(株)製、HPC−SSL)
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム 8部
(商品名:アルファイン83、大明化学工業(株)製)
・界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM)
塗布液のpHは4.0であった。
[比較例2]
比較例1のインク受容層塗布液において、塩基性ポリ水酸化アルミニウムを除いた以外は比較例1と同様に、インクジェット記録用シートを作製した。
[比較例3]
比較例1のインク受容層塗布液において、水溶性セルロース化合物を除いた以外は比較例1と同様に、インクジェット記録用シートを作製した。
[比較例4]
比較例1のインク受容層塗布液において、水溶性セルロース化合物、塩基性ポリ水酸化アルミニウムを除いた以外は比較例1と同様に、インクジェット記録用シートを作製した。
[比較例5]
下記組成中の(1)微粒子、(2)分散剤、及び(3)イオン交換水を混合し、高速回転式コロイドミル(エム・テクニック(株)製の「クレアミックス」)を用いて、回転数10000rpmで20分間かけて分散させた後、下記の(4)架橋剤、(5)水溶性樹脂(ポリビニルアルコール)、(6)水溶性樹脂(水溶性セルロース)、(7)ジエチレングリコールモノブチルエーテル、(8))水溶性金属塩化合物、(9)カチオン性ポリウレタン樹脂及び(10)と(11)界面活性剤を加え、更に上記と同一条件で分散を行ない、インク受容層用塗布液を調製した。
<インク受容層用塗布液の組成>
(1)微粒子(無機顔料微粒子) 100部
((株)トクヤマ製「レオロシールQS−30」、平均一次粒子径:7nm)
(2)分散剤 15.0部
(三洋化成工業(株)製の「ケミスタット7005」、40%)
(3)イオン交換水 556.5部
(4)硼酸(架橋剤、5.3%) 77.4部
(5)水溶性樹脂(ポリビニルアルコール) 317.2部
((株)クラレ製の「PVA124」、7%水溶液)
(6)水溶性樹脂(水溶性セルロース) 12.5部
(日本曹達(株)製の「HPC−SSL」、10%水溶液)
(7)ジエチレングリコールモノブチルエーテル(100%)3.6部
(8)水溶性金属塩化合物 6.3部
(第一稀元素化学工業(株)製「ジルコゾールZA−30」、30%水溶液)
(9)カチオン性ポリウレタン樹脂 24.9部
(第一工業製薬(株)製の「スーパーフレックス600−B」、塗工量1.0g/m、25%分散液)
(10)界面活性剤(ポリオキシエチレンオレイルエーテル)9.3部
(花王(株)製の「エマルゲン109P」、10%)
(11)界面活性剤(フッ素界面活性剤) 6.0部
(大日本インキ化学(株)製の「メガファックF−1405」、10%)
(インクジェット記録用シートの作製)
前記の支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行なった後、上記で得られたインク受容層用塗布液を、支持体のオモテ面にエクストルージョンダイコーターを用いて170ml/mの塗布量で塗布し(塗布工程)、熱風乾燥機にて温度40℃(風速5m/sec)で塗布層の固形分濃度が18%になるまで乾燥させた。この間、上記塗布層は恒率乾燥速度を示した。その直後、下記組成からなる塩基性溶液(pH=9.6)に浸漬して、上記塗布層上にその20g/mを付着させ(溶液付与工程)、更に温度80℃で10分間乾燥させた(乾燥工程)。これにより、乾燥膜厚35μmのインク受容層が設けられた、本発明比較のインクジェット記録用シートを得た。
<塩基性溶液の組成>
(1)硼酸(架橋剤、100%) ……………6.5部
(2)塩基性薬品(媒染剤) ……………150部
(日東紡績(株)製の「PAA−03」、20%水溶液)
(3)イオン交換水 ………722.5部
(4)表面pH調整剤(塩化アンモニウム、100%) ……………1.0部
(5)表面pH調整剤(p−トルエンスルホン酸、100%)……18.0部
(6)界面活性剤 …………100.0部
(花王(株)製の「エマルゲン109P」、2%)
(7)界面活性剤(フッ素界面活性剤) …………2.0部
(大日本インキ化学(株)製の「メガファックF−1405」、10%)
[比較例6]
実施例1において、最上層の塩基性ポリ水酸化アルミニウムを最下層に添加し、最下層に添加していた水溶性セルロース化合物を最上層に添加した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
[評価方法]
<塗布液粘度>
塗布液調整30分後の塗布液をB型粘度計(東機産業(株)製)にて測定し、下記のように判断した。Aが最も良好であり、次に、B、Cが良好である。
<評価基準>
A:50mPa・S以上100mPa・S未満
B:100mPa・S以上300mPa・S未満
C:300mPa・S以上
<ビーディング>
それぞれ純正インクセットを装填したインクジェットプリンタ(商品名:PMG−800、セイコーエプソン(株)製)を用いて、上記で得られた各インクジェット記録用シートへ、Y(黄)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)、B(青)、G(緑)、およびR(赤)のインクによりベタ印字し、目視観察により評価した。以下の基準で判定した。
<評価基準>
○:ビーディングが発生しなかった。
△:わずかにビーディングが発生していたが、実用上問題なかった。
×:ビーディングが発生した。
<耐オゾン性>
それぞれ純正インクセットを装填したインクジェットプリンター(エプソン(株)製の「PMG−800」)を用いて、上記で得られた各インクジェット記録用シート上にマゼンタのベタ画像をそれぞれ印画してサンプルを作製し、23℃、60%RH、オゾン濃度10ppmの雰囲気で48時間上記サンプルを保管した。保管前と保管後のシアン濃度の残存率から下記のように判断した。
<評価基準>
A:75%以上
B:55%以上75%未満
C:55%未満
<光沢度>
それぞれ純正インクセットを装填したインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、「PM−G800」)を用いて、上記で得られた各インクジェット記録用シート上にブラックのベタ印画した。その後、デジタル変角光沢計(スガ試験機(株)UGV−5D 測定孔8mm)を用い、入射角60度、受光角60度でブラックのベタ画像部分の光沢度を測定した。
<評価基準>
A:50%以上
B:35%以上50%未満
C:35%未満
<にじみ>
それぞれ純正インクセットを装填したインクジェットプリンター(キャノン(株)製、「Pixus990i」)を用いて、上記で得られた各インクジェット記録用シート上にブラックの格子状の線状パターン(線幅0.28mm)を印画した。印画直後、印画済みのインクジェット記録用シートを透明PP製袋に挿入し、35℃・80%RHの環境下で3日間保存した。その後、ブラックの格子からにじみ出たマゼンタのにじみ程度を目視観察して評価した。
<評価基準>
A:にじみが観察されなかった。
B:若干のにじみが観察された。
C:大きなにじみが観察された。
<黄変>
ダンボール等に含まれるバニリンの2%水溶液を調製し、各インクジェット記録用シートのインク受容層上に1ml滴下し、24時間放置した後の滴下部におけるイエロー濃度を目視観察して評価した。
<評価基準>
○:黄色着色は観察されなかった。
×:黄色着色が観察された。
Figure 0004533356
表1から明らかな通り、比較例は全ての項目を満足するものはなかった。一方、実施例においては全てにおいて満足できるレベルであった。

Claims (12)

  1. 支持体上に平均一次粒子が1〜200nmの無機微粒子を含む複数のインク受容層を有するインクジェット記録材料であって、前記インク受容層の少なくとも1層は水溶性アルミニウム化合物を含み、かつ、下層方向に向かって含有濃度が高くなるような濃度勾配でセルロース化合物を含むことを特徴とするインクジェット記録材料。
  2. 前記複数のインク受容層の少なくとも最下層にセルロース化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録材料。
  3. 前記セルロース化合物がヒドロキシプロピルセルロースであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録材料。
  4. 前記無機微粒子が気相法シリカであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録材料。
  5. 前記複数のインク受容層のうち最上層のインク受容層の無機微粒子がコロイダルシリカであり、他のインク受容層の無機微粒子が気相法シリカであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録材料。
  6. 前記複数のインク受容層が2層であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録材料。
  7. 前記インク受容層の最下層における前記セルロース化合物の含有量が、0.1〜2.0g/m であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録材料。
  8. 前記インク受容層の最上層における前記セルロース化合物の含有量が、0〜0.1g/m であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録材料。
  9. 前記インク受容層における前記水溶性アルミニウム化合物の総含有量が、0.1〜3.0g/m であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録材料。
  10. 平均一次粒子が1〜200nmの無機微粒子を有する複数の塗布液を支持体上に塗布して複数のインク受容層を有するインクジェット記録材料の製造方法であって、前記複数の塗布液のうち、少なくとも1つの塗布液が水溶性アルミニウム化合物を含み、かつ、前記複数の塗布液のうち、少なくとも1つのインク受容層の塗布液がセルロース化合物を含み、下層側の塗布液の前記セルロース化合物の含有率が、上層側の塗布液の前記セルロース化合物の含有率よりも高い配合比率で調製された前記複数の塗布液を塗布することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
  11. 前記複数の塗布液の少なくとも最下層がセルロース化合物を含むことを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  12. 前記水溶性アルミニウム化合物及び前記セルロース化合物のいずれか1つがインライン混合されることを特徴とする請求項10又は11に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
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