JP2006248017A - インクジェット記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、インクジェット記録材料に関し、特に水性染料インクで印字したときインク吸収性、発色性に優れ、高湿環境下での滲みの発生が少なく、さらに微細な亀裂が生じず表面欠陥のない塗布性に優れたインクジェット記録材料を提供する。
【解決手段】支持体上に微粒子シリカを主体に含有するインク受容層を少なくとも2層設けたインクジェット記録材料において、支持体から離れたインク受容層にカチオン性エマルションを含有し、水溶性ジルコニウム化合物が支持体から離れた部分により多く分布していることを特徴とするインクジェット記録材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録材料に関し、特に水性染料インクで印字したときインク吸収性、発色性に優れ、高湿環境下での滲みの発生が少なく、さらに微細な亀裂が生じず表面欠陥のない塗布性に優れたインクジェット記録材料に関する。
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク受容層を設けてなる記録材料が知られている。
例えば、特開昭55−51583号、特開昭56−157号、特開昭57−107879号、特開昭57−107880号、特開昭59−230787号、特開昭62−160277号、特開昭62−184879号、特開昭62−183382号、及び特開昭64−11877号公報等に開示のごとく、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
また、特公平3−56552号、特開平2−188287号、特開平10−81064号、特開平10−119423号、特開平10−175365号、特開平10−203006号、特開平10−217601号、特開平11−20300号、特開平11−20306号、特開平11−34481号、特開2000−211235号公報等には、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと記す)を用いた記録材料が開示されている。
また、特開昭62−174183号、特開平2−276670号、特開平5−32037号、特開平6−199034号公報等にアルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が開示されている。
アルミナ水和物、アルミナ、および気相法シリカは、一次粒子の平均粒径が数十nm以下の超微粒子であり、高い光沢と高いインク吸収性が得られるという特徴があり、銀塩写真並の高画質が要求されるインクジェット記録材料では、インク受容層として用いられ、その支持体として光沢性との風合いの観点から、紙の表面にポリエチレン等の樹脂を被覆した紙支持体(樹脂被覆紙)やポリエステルフィルムなど耐水性支持体が一般的に使用されている。しかしながら、このような耐水性支持体自体は、インクを吸収しないことから、インク受容層にはそのまま高沸点溶媒が残存し、印画後、高温高湿環境下に長時間保存されると、インク受容層中で該溶媒が染料と共に拡散して、画像の滲み(以降、高湿滲みと記す)を生じるという問題があった。
一方、インクジェット記録材料には、インク中の染料成分を固定化する目的でアミノ基やアンモニウム塩を有する化合物、特にこれらを有する高分子化合物を添加することが提案されている。例えば、特開昭60−83882号公報、特開昭64−75281号公報、特開昭59−20696号公報等に記載されるジアリルアンモニウム塩誘導体の(共)重合体、特開2002−274024号公報、特開昭61−61887号公報、特開昭61−72581号公報等に記載されるアリルアミン塩(共)重合体、特開平8−108618号公報(特許文献4)、特開平6−340163号公報、特開平4−288283号公報、特開平9−300810号公報、特開平8−318672号公報、特開平10−272830号公報、特開昭63−115780号公報等に記載のアンモニウム塩を有する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド系(共)重合体、ビニルベンジルアンモニウム塩(共)重合体等のビニル(共)重合体など多くの化合物が知られている。
また、特開平10−44588号公報等に記載の変性ポリビニルアルコール(PVA)、特開平6−234268号公報、特開平11−277888等に記載のアミン・エピクロルヒドリン重付加体、特開平10−119418号公報等に記載のジハライド・ジアミン重付加体、特開平11−58934号公報、特開平11−28860等に記載のポリアミジン、特開平12−71603号公報などに記載のアリルアミン塩酸塩、アリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム塩等の重合体など多くの化合物が提案されている。また、特開昭63−280681号公報には、炭素数2〜3のヒドロキシアルキルが置換されたポリアミン類を用いたインクジェット記録材料が示されている。
しかしながら、これらアミノ基やアンモニウム塩を有する高分子化合物を用いた技術では、前述した気相法シリカあるいはアルミナ水和物を用いた高い空隙率を持つインク受容層のインク吸収性や発色性に悪影響を与える場合があり、高湿滲みと同時に十分に満足するまでには至っていなかった。
インク吸収性や耐水性を改良するために、特開2000−309157号公報(特許文献1)にインク受容層がシリカで形成され水溶性アルミニウム化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物を含有するインクジェット記録用紙が開示されているが高湿滲みに対しては不十分であり、また印字部表面に金属光沢のような光沢異常いわゆるブロンジングという現象の発生に対してはまだ不十分である。ブロンジングとはインクの色材がインク受容層表面でインク受容層に均一に定着せず、色材が過度に凝集したため発生したものである。さらに開示されている技術では高湿にじみや耐水性を向上させるために水溶性のカチオンポリマーを併用したりすると微細な亀裂が発生しやすくなる傾向にあり、塗布性の改善が望まれる。
また、特開2001−96897号、特開2001−113819号公報にはジルコニウム等の水溶性金属化合物を含有する気相法シリカをインク受容層とするインクジェット記録材料が開示されている。さらに、特開2001−310548号、特開2002−160442号公報にはインク受容層が気相法シリカ等の無機微粒子で重層構成であるインクジェット記録材料が開示されている。これらはインク吸収性や高湿滲みを改良したものではあるが、特に高湿滲みに対する効果はまだ満足の行くレベルではなく、保存する湿度条件の変化によって色味が異なったり、ブロンジングが発生しやすくなる等発色性にも問題があった。
特開2002−160422号公報(特許文献2)には 高湿環境下での滲みを防止するために支持体から離れたインク吸収層の部分に水溶性金属化合物がより多く分布していることを特徴とするインクジェット記録用紙が開示されているが、高湿滲みに対する効果はまだ不十分であり、さらに特開2002−192830号公報(特許文献3)に開示されている水溶性のカチオン性ポリマーとの組み合わせではインク吸収性や発色性に悪影響を与え満足するレベルにはなく改善が望まれる。
特開2001−199153号公報(特許文献4)には、インク受理層に多価金属とカチオン性重合体を含有するバインダー組成物が開示されているが、これらの技術ではバインダーとして機能するためにカチオン性ラテックスの量が多く必要とするため、インク吸収性に悪影響を与えたり、インク受理層にヘイズがかかり発色性に問題があり改善が望まれる。
特開2004−58575号公報(特許文献5)には、インク受容層の下にカチオン性エマルションを含有する層を設けたインクジェット記録シートが開示されている。これらは耐水性や経時滲みおよび支持体とインク受容層との密着性を改良するための技術であるが、特に高湿環境下で発生する滲みや発色性に関してはまだ不十分なレベルにあり改善が必要である。
特開2000−309157号公報(第2〜4頁) 特開2002−160442号公報(第2〜4頁) 特開2002−192830号公報(第2〜4頁) 特開2001−199153号公報(第2〜4頁) 特開2004−58575号公報(第2〜4頁)
本発明の目的は、インクジェット記録材料に関し、特に水性染料インクで印字したときインク吸収性、発色性に優れ、高湿環境下での滲みの発生が少なく、さらに微細な亀裂が生じず表面欠陥のない塗布性に優れたインクジェット記録材料を提供する。
本発明の上記目的は、鋭意検討の結果、下記の手段によって達成できることが判明した。
(1)支持体上に微粒子シリカを主体に含有するインク受容層を少なくとも2層設けたインクジェット記録材料において、支持体から離れたインク受容層にカチオン性エマルションを含有し、水溶性ジルコニウム化合物が支持体から離れた部分により多く分布していることを特徴とするインクジェット記録材料。
(2)支持体に近い方のインク受容層(A)と支持体から離れたインク受容層(B)に含有する微粒子シリカの質量比が10:1〜10:8であり、前記インク受容層(B)がカチオン性エマルションを含有し、かつ、微粒子シリカに対する水溶性ジルコニウムの含有比率がインク受容層(A)は1質量%以下でインク受容層(B)が3質量%以上である(1)に記載のインクジェット記録材料。
(3)前記インク受容層(B)が最上層である(2)に記載のインクジェット記録材料。
本発明のインクジェット記録材料において、特に水性染料インクで印字したときインク吸収性、発色性に優れ、高湿環境下での滲み抑制効果が得られ、さらに微細な亀裂等の表面欠陥のない良好なインク受容層が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインク受容層は、微粒子シリカを主体に含有する。ここで主体に含有するとは、インク受容層を構成する全固形分に対して微粒子シリカを60質量%以上含有することであり、好ましくは65質量%以上含有することであり、更に70質量%以上含有することである。上限は95質量%程度である。微粒子シリカとしては、合成シリカである気相法シリカ、湿式法シリカの少なくとも1種が使用される。
本発明において、インク受容層は少なくとも2層で構成されるが、全インク受容層の合計として用いられる微粒子シリカの量は、10〜45g/m2が好ましく、15〜40g/m2の範囲がより好ましい。含有量が上記範囲より多くなるとひび割れが生じやすくなり、また少なくなるとインク吸収性が低くなる。
本発明に用いられる合成シリカは、製造法によって気相法シリカ、湿式シリカに大別することができる。
気相法シリカは、乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって製造される。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されており入手することができる。
本発明に用いられる気相法シリカは、平均一次粒子径が5〜50nmのものが好ましい。より高い光沢を得るためには、5〜20nmでかつBET法による比表面積が90〜400m2/gの気相法シリカが好ましい。本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
上記のようにして気相法シリカは、数nm〜数十nmの一次粒子が網目構造あるいは鎖状につながりあって二次的に凝集した状態で存在する。この凝集粒子の平均粒径が500nm以下になるまで分散されるのが好ましく、より好ましくは300nm以下になるまで分散される。下限の粒子径は30nm程度である。ここで、凝集粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡による写真撮影で求めることができる。
湿式法シリカは、製造方法によって更に沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは、珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造される。製造過程で粒子成長したシリカ粒子は、凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカの二次粒子は緩やかな凝集粒子となり、比較的粉砕し易い粒子が得られる。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして市販されている。
ゲル法シリカは、珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造される。この場合、熟成中に小さなシリカ粒子が溶解し、大きな粒子の一次粒子間に一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、水澤化学工業(株)からミズカシルとして、グレースジャパン(株)からサイロジェットとして市販されている。
ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる。例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
本発明で用いられる湿式法シリカとしては、沈降法シリカあるいはゲル法シリカである。これらの湿式法シリカの平均粒径(平均二次粒子径)は、通常1μm以上である。本発明は、これらの湿式法シリカを、平均粒径が500nm以下になるまで粉砕する。好ましくは、平均粒径が300nm以下になるまで粉砕する。下限の粒子径は30nm程度である。粉砕された湿式法シリカの粒子径は、前述したように透過型電子顕微鏡で求めることができる。
湿式法シリカの粉砕工程は、分散媒にシリカ微粒子を添加し混合(予備分散)する一次分散工程と、該一次分散工程で得られた粗分散液中のシリカを粉砕する二次分散工程からなる。一次分散工程における予備分散は、通常のプロペラ撹拌、歯状ブレード型分散機、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌、超音波撹拌等で行うことができる。湿式法シリカの粉砕方法としては、分散媒中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。湿式分散機としては、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜施回型分散機等を使用することができるが、本発明では特にビーズミル等のメディアミルが好ましく用いられる。
本発明に用いられる湿式法シリカは、平均粒子径(平均二次粒子径)が5μm以上のものが好ましい。比較的大きな粒子径のシリカを粉砕することによって、より高濃度での分散が可能となる。本発明に用いられる湿式法シリカの平均粒子径の上限は特に制限されないが、平均粒子径は50μm以下が好ましい。
本発明のインク受容層に用いられる湿式法シリカとしては、沈降法シリカが好ましい。前述したように、沈降法シリカは、その二次粒子が緩やかな凝集粒子であるので、粉砕するのに好適である。
本発明において、微粒子シリカはカチオン性ポリマーを添加してカチオン化することが好ましい。上述した分散あるいは粉砕工程で、カチオン性ポリマーを含有させておくのが好ましい。
本発明に用いられるカチオン性ポリマーとしては、4級アンモニウム基、ホスホニウム基、あるいは1〜3級アミンの酸付加物を有する水溶性カチオン性ポリマーが挙げられる。例えば、ポリエチレンイミン、ポリジアルキルジアリルアミン、ポリアリルアミン、アリキルアミンエピクロルヒドリン重縮合物、特開昭59−20696号、特開昭59−33176号、特開昭59−33177号、特開昭59−155088号、特開昭60−11389号、特開昭60−49990号、特開昭60−83882号、特開昭60−109894号、特開昭62−198493号、特開昭63−49478号、特開昭63−115780号、特開昭63−280681号、特開平1−40371号、特開平6−234268号、特開平7−125411号、特開平10−193776号、WO99/64248号公報等に記載されたカチオン性ポリマーが挙げられる。本発明に用いられるカチオン性ポリマーの重量平均分子量は10万以下が好ましく、より好ましくは5万以下であり、特に好ましくは2千〜3万程度である。
本発明において、カチオン性ポリマーの使用量は微粒子シリカに対して1〜10質重%の範囲が好ましい。
本発明において、インク受容層は2層以上で構成され、支持体から離れたインク受容層にカチオン性エマルションを含有させ、更に水溶性ジルコニウム化合物を支持体から離れた部分により多く分布させる。この構成を実現させるための態様を具体的に説明する。
水溶性ジルコニウム化合物を支持体から離れた部分により多く分布させる方法としては、支持体上に塗布されて形成されたインク受容層の上から、水溶性ジルコニウム化合物を含有する塗布液を塗布する方法、あるいは、支持体上に近いインク受容層(以降、インク受容層(A)と称す)に対して支持体から離れたインク受容層(以降、インク受容層(B)と称す)の方に多くの水溶性ジルコニウム化合物含有させる方法がある。後者の方について以下に詳細に説明する。
後者の方法は、具体的には、インク受容層(A)における微粒子シリカに対する水溶性ジルコニウム化合物の含有比率に対して、インク受容層(B)における同比率を高くすることによってなされる。更に具体的には、インク受容層(A)における上記比率は、1質量%以下が好ましく、インク受容層(B)における上記比率は3質量%以上が好ましい。インク受容層(A)及び(B)における上記含有比率は、支持体上にインク受容層の塗布液を塗布するときの塗布液中での比率であって、塗布乾燥されて製造された最終的なインクジェット記録材料における比率を意味するものではない。なぜなら、水溶性ジルコニウム化合物はその一部が、塗布乾燥段階で層間を超えて拡散することが考えられるからである。インク受容層(B)における上記比率は、4〜10質量%の範囲がより好ましい。
尚、最終的なインク受容層における水溶性ジルコニウム化合物の分布状態は、例えばミクロトームなどにより作製したインク受容層の断面試料について、EPMA(Electron Probe Micro Analyser)などにより、インク受容層の厚さ方向にジルコニウム元素の測定を行うことで評価される。
後者の態様を採る場合、インク受容層(A)は主たるインク吸収層とするのが好ましく、インク受容層(A)と(B)に含有する微粒子シリカの質量比は、10:1〜10:8が好ましく、10:2〜10:5の範囲がより好ましい。また、インク受容層(A)及び(B)に含有する合計の微粒子シリカは、10〜45g/m2が好ましく、特に15〜40g/m2が好ましい。また、インク受容層(B)は最上層であるのが好ましい。
インク受容層(A)に含有する微粒子シリカは気相法シリカおよび湿式法シリカの中から選ばれる少なくとも1種を含有するが、気相法シリカと湿式法シリカを混合して含有してもよい。混合して含有する場合、インク受容層(A)に含有する気相法シリカと湿式法シリカの質量比は5:10〜10:5の範囲が好ましい。また、インク受容層(B)に含まれる微粒子シリカは水性染料インクの発色性を高めるためインク受容層の透明性に優れる気相法シリカであることが好ましい。
本発明に用いられる水溶性ジルコニウム化合物は、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウムなどが挙げられる。
これらの水溶性ジルコニウム化合物の中でも、インク受容層を形成する塗布液に安定に添加できるものが好ましく、酢酸ジルコニウム(酢酸ジルコニル)、オキシ塩化ジルコニウムは特に好ましい。
これらのものは、第一稀元素化学工業(株)からジルコゾールZA−20、同ZC−2等、または日本軽金属(株)等から市販されている。
本発明において、支持体から離れたインク受容層(B)はカチオン性エマルションを含有する。支持体に近いインク受容層(A)にもカチオン性エマルションを含有させることもできる。
本発明に用いられるカチオン性エマルションについて説明する。カチオン性エマルションとは、カチオン性あるいはカチオン化修飾された水性エマルションであり、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体エマルション;アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体、アクリル酸およびメタクリル酸の重合体または共重合体等のアクリル系重合体エマルジョン;スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル系重合体エマルション;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体エマルション;ウレタン結合を有するウレタン系エマルション等にカチオン基を用いてカチオン化したもの、カチオン性界面活性剤にてエマルション表面をカチオン化したもの、カチオン性ポリビニルアルコール下で重合しエマルション表面に該ポリビニルアルコールを分布させたもの等が挙げられる。これらのカチオン性エマルションの中でも主成分がスチレン−アクリル系重合体粒子であるカチオン性エマルションが好ましい。
インク受容層(B)におけるカチオン性エマルションの含有量は、微粒子シリカに対して1〜50質量%の範囲が好ましく、5〜20質量%の範囲がより好ましく、特に5〜10質量%の範囲が好ましい。
本発明は、水溶性ジルコニウム化合物が支持体から離れた部分により多く分布すること、及びインク受容層(B)にカチオン性エマルションを含有させることによりインク吸収性、発色性、高湿滲み、および塗布性が同時に改良されることを見いだした。
水溶性ジルコニウム化合物はバインダーとの架橋反応がつよく、支持体に近い方のインク受容層に水溶性ジルコニウムが含まれるとインク受容層と支持体とのバインダー力が低下し、微細な亀裂が生じやすくなったり、また耐水性や高湿滲みの向上のために、インク受容層に例えば水溶性アルミニウム化合物やポリアリルアミン類等公知のカチオン性化合物を水溶性ジルコニウム化合物と共に含有させると同様に微細な亀裂が生じ表面欠陥が発生しやすくなる。しかし、水溶性ジルコニウム化合物を支持体から離れたインク受容層により多く分布させることによって表面欠陥の発生による塗布性の低下を招くことなく、発色性や高湿滲み防止に効果が得られる。さらに、支持体から離れたインク受容層にカチオン性エマルションと水溶性ジルコニウム化合物を含有させることによって、インク吸収性を阻害することなく、インク受容層の表面近傍で効率よく水性染料インクの色剤が定着されるため、顕著に高湿滲み耐性に優れ、発色性が良好である。カチオン性エマルションもしくは水溶性ジルコニウム化合物どちらか一方のみ含有する場合でも、高湿滲み耐性がある程度改善されるが、併用することにより単独使用では得られない高湿滲み耐性が得られる。
本発明のインク受容層は、皮膜としての特性を維持するためと、透明性が高くインクのより高い浸透性を得るために親水性バインダーとしてポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールが用いられる。
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載のような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
インク受容層におけるバインダーと微粒子シリカ質量比(B/P)は、5〜30質量%の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜25質量%である。本発明において、支持体から離れたインク受容層(B)から支持体に近い方のインク受容層Aにスムーズにインクを通過させるためには、上記質量比(B/P)の関係が、インク受容層Aに比べインク受容層(B)の方を小さくするのが好ましい。
本発明において、インク受容層に皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することができる。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくはバインダーに対して10〜50質量%の範囲で用いることができる。
本発明に使用されるインク受容層には上記したポリビニルアルコール以外に他の親水性バインダー、例えば、カゼイン、ゼラチンポリビニルピロリドン、デンプン、アルギン酸、ポリエチレンオキサイド等やそれらの誘導体を併用してもよい。これらの親水性バインダーの添加量はポリビニルアルコールに対して20質量%以下であることが望ましい。
本発明において、インク受容層には、親水性バインダー等の有機バインダーの硬膜剤を含有するのが好ましい。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好ましい。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する有機バインダーに対して、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
本発明のインク受容層には、前述の微粒子シリカのカチオン化に使用されるものと同様のカチオン性ポリマーを、更に添加剤として使用しても良い。
本発明のインク受容層には耐水性向上のため水溶性アルミニウム化合物を含有しても良い。例えば、塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られている。
これら水溶性アルミニウム化合物の中でも、インク受容層を形成するの塗布液に安定に添加できるものが好ましく、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の式1、2又は3で示され、例えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al2(OH)nCl6-nm ・・式1
[Al(OH)3nAlCl3 ・・式2
Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n ・・式3
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できる。
上記した水溶性アルミニウム化合物の添加量は、微粒子シリカに対して0.1〜10質量%の範囲が好ましい。
インク受容層には、更に着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。また、本発明のインク受容層(A)の塗布液のpHは、3.3〜6.5の範囲が好ましく、特に3.5〜5.5の範囲が好ましい。本発明のインク受容層(B)の塗布液のpHは、3.3〜6.5の範囲が好ましく、特に4.0〜6.0の範囲が好ましい。
また、インク受容層には、チオエーテル化合物、カルボヒドラジドおよびその誘導体を含有させることによって印字後の保存性を著しく改良することができる。
本発明で用いられるカルボヒドラジド誘導体は、同一分子中に同構造を一つまたは二つ以上有する化合物であっても、あるいは同構造を分子主鎖または側鎖に有するポリマーであってもよい。
本発明に用いられるチオエーテル化合物には、硫黄原子の両側に芳香族基が結合した芳香族チオエーテル化合物、硫黄原子を挟んだ両端にアルキル基を有する脂肪族チオエーテル化合物等がある。これらの中でも特に親水性基を有する脂肪族チオエーテル化合物が好ましい。
なおこれらの化合物は既知の合成法や、特開2002−321447号公報、特開2003−48372号公報に記載の合成法などを参考に合成できる。また、一部の化合物については、市販の化成品をそのまま使用することができる。
本発明において、インク受容層の塗布方法は、1層ずつ塗布する逐次塗布方法(例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター等)、あるいは多層同時重層塗布方法(例えば、スライドビードコーターやスライドカーテンコーター等)のいずれの方法であっても、本発明の効果は得られる。しかし、多層同時重層塗布方法が好ましく用いられる。
本発明で使用される支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアサテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙と樹脂フィルムを貼り合わせたもの、基紙の両面にポリオレフィン樹脂層を被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持体が好ましい。これらの耐水性支持体の厚みは50〜300μm、好ましくは80〜260μmのものが用いられる。
本発明に好ましく用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙支持体(以降、ポリオレフィン樹脂被覆紙と称す)について詳細に説明する。本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙は、その含水率は特に限定しないが、カール性より好ましくは5.0〜9.0%の範囲であり、より好ましくは6.0〜9.0%の範囲である。ポリオレフィン樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する基紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
また、基紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
基紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
また、ポリオレフィン樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
ポリオレフィン樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行する基紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、基紙の両面が樹脂により被覆される。また、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。樹脂被覆層の厚みとしては、5〜50μmが適当である。
本発明に用いられる耐水性支持体のインク受容層が塗設される側には、下引き層を設けるのが好ましい。この下引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め耐水性支持体の表面に塗布乾燥されたものである。この下引き層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/m2が好ましく、20〜300mg/m2がより好ましい。更に、下引き層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有するのが好ましい。支持体に下引き層を設けることによって、インク受容層塗布時のひび割れ防止に有効に働き、均一な塗布面が得られる。
本発明のインクジェット記録材料のインク吸収性を有する側と支持体に対して反対側には、カール防止や印字直後に重ね合わせた際にくっつきやインク転写を防止するために種々の種類のバック層を設けてもよい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
<ポリオレフィン樹脂被覆紙の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出被覆し、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し表面とした。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70質量部と密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂30質量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し裏面とした。
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが50mg/m2となるように塗布乾燥して支持体を作成した。尚、部とは質量部を表す。
<下引き層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
上記のようにして作製した支持体の下引き層を設けた面に、下記組成のインク受容層塗布液(A−1)を下層(支持体に近い層)として、インク受容層塗布液(B−1)を上層(支持体から離れた層)としてスライドビードコーターで同時重層塗布した。インク受容層(A−1)の微粒子シリカ塗布量は12g/m2であり、インク受容層(B−1)の微粒子シリカ塗布量は8g/m2である。塗布後の乾燥条件は、10℃で20秒間冷却後、30〜55℃の加熱空気を吹き付けて乾燥した。
<気相法シリカ分散液1の作製>
水 430部
変性エタノール 22部
カチオン性ポリマー 3部
(ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー、第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、平均分子量9000)
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)
分散媒の水と変性エタノールの中にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマーを添加し、次いで気相法シリカを添加し予備分散して粗分散液を作製した。次にこの粗分散液を高圧ホモジナイザーで2回処理して、シリカ濃度が20質量%の気相法シリカの分散液を作製した。気相法シリカの平均粒子径は100nmであった。
<インク受容層(A−1)塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
カチオン性水溶性ポリマー 1部
(日東紡績(株)製、ポリアリルアミンPAA−HCl−3L)
1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド 2部
界面活性剤 0.1部
(ベタイン系;日本サーファクタント工業(株)製、スワノールAM−2150)
<インク受容層(B−1)塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
カチオン性エマルション 4部
(スチレン−アクリル系;星光PMC(株)SE2220)
酢酸ジルコニル 4部
(第一希元素化学工業(株)製、ジルコゾールZA−20)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント工業(株)製、スワノールAM−2150)
実施例1のインク受容層(B−1)の塗布液を下記インク受容層(B−2)塗布液に変えた以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層(B−2)塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
カチオン性エマルション 4部
(スチレン−アクリル系;ハリマ化成(株)CP−5)
酢酸ジルコニル 4部
(第一希元素化学工業(株)製、ジルコゾールZA−20)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント工業(株)製、スワノールAM−2150)
実施例1のインク受容層(B−1)の塗布液を下記インク受容層(B−3)塗布液に変えた以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層(B−3)塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
カチオン性エマルション 4部
(スチレン−アクリル系;星光PMC(株)SE2220)
オキシ塩化ジルコニウム 4部
(日本軽金属(株)社製)
界面活性剤 0.1部
(ベタイン系;日本サーファクタント工業(株)製、スワノールAM−2150)
<湿式法シリカ分散液1の作製>
水 329部
カチオン性ポリマー 4部
(ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー、第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、平均分子量9000)
沈降法シリカ 100部
(ニップシールVN3、平均二次粒径23μm)
水に、沈降法シリカを添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作成した。次に、この予備分散液をビーズミル(直径0.3mmのジルコニアビーズ、該ビーズの充填率80容量%、円盤周速10m/秒)に1回通過させて、固形分濃度30質量%、平均粒子径200nmの湿式法シリカ分散液1を作製した。
実施例1のインク受容層(A−1)の塗布液を下記インク受容層(A−2)塗布液に変えた以外は実施例1と同様にして実施例4のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層(A−2)塗布液>
湿式法シリカ分散液1 (湿式法シリカの固形分として) 50部
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として) 50部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
カチオン性水溶性ポリマー 1部
(日東紡績(株)製、ポリアリルアミンPAA−HCl−3L)
1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド 2部
界面活性剤 0.1部
(ベタイン系;日本サーファクタント工業(株)製、スワノールAM−2150)
実施例4のインク受容層(B−1)の塗布液を下記インク受容層(B−4)塗布液に変えた以外は実施例4と同様にして実施例5のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層(B−2)塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
カチオン性エマルション 4部
(スチレン−アクリル系;日華化学(株)製 ニッカソルトSUP)
酢酸ジルコニル 4部
(第一希元素化学工業(株)製、ジルコゾールZA−20)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
(比較例1)
実施例1のインク受容層(A−1)塗布液を下記インク受容層(A−3)塗布液に変えた以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層(A−3)塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
カチオン性水溶性ポリマー 1部
(日東紡績(株)製、ポリアリルアミンPAA−HCl−3L)
酢酸ジルコニル 4部
(第一希元素化学工業(株)製、ジルコゾールZA−20)
1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド 2部
界面活性剤 0.1部
(ベタイン系;日本サーファクタント工業(株)製、スワノールAM−2150)
(比較例2)
実施例1のインク受容層(B−1)の塗布液を下記インク受容層(B−5)塗布液に変えた以外は実施例1と同様にして比較例2のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層(B−5)の塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
酢酸ジルコニル 8部
(第一希元素化学工業社製、ジルコゾールZA−20)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント工業(株)製、スワノールAM−2150)
(比較例3)
実施例1のインク受容層(B−1)の塗布液を下記インク受容層(B−6)塗布液に変えた以外は実施例1と同様にして比較例3のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層(B−6)塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
カチオン性エマルション 8部
(スチレン−アクリル系;星光PMC(株)SE2220)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント工業(株)製、スワノールAM−2150)
(比較例4)
支持体上に実施例4で用いたインク受容層(A−2)塗布液を下記インク受容層(A−4)塗布液に変えた以外は実施例1と同様に乾燥して比較例4のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層(A−4)塗布液>
湿式法シリカ分散液1 (湿式法シリカの固形分として) 50部
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として) 50部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
カチオン性水溶性ポリマー 1部
(日東紡績(株)製、ポリアリルアミンPAA−HCl−3L)
カチオン性エマルション 4部
(スチレン−アクリル系;星光PMC(株)SE2220)
酢酸ジルコニル 4部
(第一希元素化学工業(株)製、ジルコゾールZA−20)
1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド 2部
界面活性剤 0.1部
(ベタイン系;日本サーファクタント工業(株)製、スワノールAM−2150)
<インク吸収性>
市販のインクジェットプリンター(キヤノン(株)製、BJF895PD)にて、レッドとグリーンの重色系のベタ印字を隣接して交互に行い、印字直後にベタ部のインクの吸収状態、モットリング(画像の濃淡むら)及びレッドとグリーンの境界のにじみ具合の程度を目視で観察した。下記の基準で評価した
◎:速やかにインクが吸収され、モットリング及び境界のにじみもみられない。
○:インクの吸収はやや遅く、境界滲みが少しみられるが、実用上問題ない。
△:印字面にインクがやや溢れ、モットリングと境界滲みが少しみられる。
×:印字面にインクがあふれ、強いモットリングと境界滲みが発生。
<発色性>
市販のインクジェットプリンター(ヒューレットパッカード社製、deskjet5550)にて、C,M,Yの混色からなるコンポジットブラックのくすみ具合をC、M、Y各色の発色濃度を目視で観察した。下記の基準で評価した
◎:くすみがなく、発色性が良好。
○:くすみが少しみられるが、発色性良好。
△:ややくすみがみられるが、発色性に劣る。
×:強いくすみの発生がみられ、発色性に劣る
<高湿滲み>
市販のインクジェットプリンター(キヤノン(株)製、PIXUS850i)にてレッド、グリーン、ブルー、コンポジットブラックの各細線を印字後、30℃80%の環境下に保管したサンプルを1週間後に目視にて観察し、下記の基準で判定した。
◎:滲みがない
○:僅かに滲みが認められる
△:滲みが認められる
×:著しく滲んでいる
<塗布性>
塗布面の状態を目視観察し評価した。
◎:表面欠陥が認められない。良好な塗布面を形成
△:表面に僅かにワレ、亀裂がみられる。
×:表面に著しいワレ、亀裂が発生。
Figure 2006248017
本発明の実施例1〜5のインクジェット記録材料は、インク受容層のインク吸収性、発色性、高湿滲みに優れた結果であった。比較例1および4についてはインク受容層Aに水溶性ジルコニウム化合物が支持体から離れた部分により多く分布していない場合であり、微細な亀裂が発生し表面欠陥が多く塗布性に劣る結果となった。比較例2はインク受容層Bにカチオン性エマルションを含まない場合であり、インク染料の定着が不十分であり高湿滲みに劣る結果となっている。さらにインク吸収性や塗布性にも影響を与え劣る結果となった。比較例3はインク受容層Bに水溶性ジルコニウム化合物を含まない場合であり、カチオン性エマルションによる発色性への影響が顕著になるため劣る結果となっている。さらにインク吸収性にも影響があり劣る結果となった。

Claims (3)

  1. 支持体上に微粒子シリカを主体に含有するインク受容層を少なくとも2層設けたインクジェット記録材料において、支持体から離れたインク受容層にカチオン性エマルションを含有し、水溶性ジルコニウム化合物が支持体から離れた部分により多く分布していることを特徴とするインクジェット記録材料。
  2. 支持体に近い方のインク受容層(A)と支持体から離れたインク受容層(B)に含有する微粒子シリカの質量比が10:1〜10:8であり、前記インク受容層(B)がカチオン性エマルションを含有し、かつ、微粒子シリカに対する水溶性ジルコニウムの含有比率がインク受容層(A)は1質量%以下でインク受容層(B)が3質量%以上である請求項1に記載のインクジェット記録材料。
  3. 前記インク受容層(B)が最上層である請求項2に記載のインクジェット記録材料。
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