JP2006247940A - インクジェット記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォトライクな高い光沢、発色性と滲み耐性を損なうことなく、モットリングを改良したインクジェット記録材料を提供する。
【解決手段】 支持体上に、無機微粒子を主体に含有する少なくとも1層のインク受容層を有するインクジェット記録材料において、該インク受容層が無機微粒子として少なくとも湿式法シリカを水性媒体中で平均2次粒子径500nm以下に粉砕した微粒子を含有し、かつ炭素数3〜5のアルカンジオール及びジプロピレングリコールの中から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録材料に関し、詳しくはフォトライクな高い光沢、発色性と滲み耐性を損なうことなく、モットリングを改良したインクジェット記録材料に関するものである。
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の無機微粒子とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク受容層を設けてなる記録材料が知られている。
近年、顔料として極微細な無機微粒子を使用し、フォトライクな光沢を有する記録材料が知られている。例えば、二次粒子径を500nm以下まで粉砕・分散した気相法シリカや湿式法シリカ等の無機超微粒子をインク受容層の顔料成分として用いることが提案されている。例えば、特公平5−56552号、特開平10−119423号、特開2000−211235号、特開2000−309157号公報に気相法シリカの使用例が、特開平9−286165号、特開平10−181190号公報に粉砕沈降法シリカの使用例が、特開2001−277712号に粉砕ゲル法シリカの使用例が開示されている。また、特開昭62−174183号、特開平2−276670号、特開平5−32037号、特開平6−199034号公報等にアルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が開示されている。上述したような極微細な無機微粒子を含むインク受容層は無機微粒子の空隙にインクを吸収するため速乾性であり、近年のインクジェット記録材料に一般的に用いられている技術である。無機微粒子を主体に含有することによって、空隙率の高い多孔質なインク受容層となり、インク吸収性が向上する。
上述した記録材料は、高光沢を得るためにポリオレフィン樹脂被覆紙やプラスチック樹脂フィルムのような支持体が用いられている。これらの記録材料は、耐水性支持体自体はインクを吸収しないので、インク量の多い画像部ではモットリングと呼ばれる画像ムラが発生しやすかった。特に、粉砕沈降法シリカを主体に含有させた場合にモットリングは起こりやすかった。また、上述した極微細な無機微粒子を含有するインク受容層は、塗布乾燥時にひび割れが発生しやすかった。
一方、沈降法シリカ、ゲル法シリカ等の湿式法シリカは気相法シリカやアルミナ等の無機微粒子に対して安価な材料であり、湿式法シリカを使用した上で気相法シリカやアルミナ同等の高光沢やモットリング改善効果が得られれば極めて有用である。例えば特開2004−255597号公報(特許文献1)には、給油量210ml/100g以下の湿式法シリカ微粒子を水性媒体中でカチオン性化合物の存在下に平均二次粒子径500nm以下に粉砕した微粒子を用いることが開示されている。また特開2001−277712号、特開2004−174876号公報(特許文献2)には、インク受容層を2層構成にして湿式法シリカを500nm以下に粉砕した微粒子を下層に含有し、上層に気相法シリカあるいはアルミナを含有する層を設けた記録材料が開示されている。
また、水溶性可塑剤や高沸点溶剤を用いることが、特開2001−10211号(特許文献3)、特開2004−230619号(特許文献4)に開示されている。
しかしながら、従来から知られている記録材料では、本発明が目的とする、フォトライクな高い光沢、発色性と滲み耐性を損なうことなく、モットリングを改良したインクジェット記録材料を得られるまでには至っていなかった。
特開2004−255597号公報 特開2004−174876号公報 特開2001−10211号公報 特開2004−230619号公報
本発明の目的は、フォトライクな高い光沢、発色性と滲み耐性を損なうことなく、モットリングを改良したインクジェット記録材料を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成される。
1) 支持体上に、無機微粒子を主体に含有する少なくとも1層のインク受容層を有するインクジェット記録材料において、該インク受容層が無機微粒子として少なくとも湿式法シリカを水性媒体中で平均2次粒子径500nm以下に粉砕した微粒子を含有し、かつ炭素数3〜5のアルカンジオール及びジプロピレングリコールの中から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
2) 前記インク受容層が、水溶性多価金属化合物を含有する前記1に記載のインクジェット記録材料。
3) 前記水溶性多価金属化合物が、水溶性アルミニウム化合物及び水溶性ジルコニウム化合物から選ばれる少なくとも1種である前記2に記載のインクジェット記録材料。
本発明により、フォトライクな高い光沢、発色性と滲み耐性を損なうことなく、モットリングを改良したインクジェット記録材料を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインク受容層は、炭素数3〜5のアルカンジオール及びジプロピレングリコールの中から選ばれる少なくとも1種を含有することが特徴である。該化合物は常温では液体であり、吸湿性が高く、揮発性が低く、水溶性である。該化合物は、発色性の低下やひび割れを起こさずに、モットリングを改良する。
炭素数3〜5のアルカンジオールとしては、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオールがあり、それらの異性体はいずれも含まれる。また、3−メチル−1,3−ブタンジオール等のような分岐のブタンジオールも含まれる。これらの中でも、炭素数が3〜4のプロパンジオールやブタンジオールが好ましく、特にプロパンジオールが好ましい。プロパンジオールとしてはプロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)とトリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)があり、特にプロピレングリコールが好ましい。
炭素数3〜5のアルカンジオール及びジプロピレングリコールの中から選ばれる少なくとも1種の添加量は、該化合物の合計が無機微粒子に対して0.1〜50質量%が好ましく、1〜20質量%が更に好ましい。
本発明のインク受容層は、無機微粒子を主体に含有する。ここで無機微粒子を主体に含有するとは、インク受容層の全固形分に対して無機微粒子を50質量%以上含有することであり、好ましくは65〜95質量%含有することである。更に、本発明のインク受容層は、無機微粒子として少なくとも平均二次粒子径が500nm以下になるまで粉砕された湿式法シリカを含有する。該粉砕された湿式法シリカの含有比率は、インク受容層に含有する全無機微粒子に対して30質量%以上であるのが好ましく、50質量%以上がより好ましく、特に70質量%以上が好ましい。
本発明のインク受容層は、無機微粒子として粉砕された湿式法シリカと他の無機微粒子とを併用することができ、かかる他の無機微粒子としては気相法シリカ、アルミナ、あるいはアルミナ水和物がある。これらの中でも気相法シリカが好ましい。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、さらに製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカの二次粒子は緩やかな凝集粒子となり、比較的粉砕し易い粒子が得られる。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして市販されている。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件化で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソー・シリカ(株)からニップゲルとして、水澤化学工業(株)からミズカシルとして、グレースジャパン(株)からサイロイド、サイロジェットとして市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、珪酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からはスノーテックスとして市販されている。
本発明で用いられる湿式法シリカは、沈降法シリカあるいはゲル法シリカである。これらの粉砕前のシリカ粉末は、その平均一次粒子径50nm以下、より好ましくは3〜40nmでかつ平均凝集粒子径(二次粒子径)が5〜50μmであるのが好ましい。本発明では、これらの湿式法シリカを水性媒体中で平均二次粒子径が500nm以下、好ましくは20〜300nm程度まで微粉砕したシリカ微粒子が用いられる。上記の微粉砕は、カチオン性化合物の存在下で行われるのが好ましい。
通常の方法で製造された湿式法シリカは、1μm以上の平均凝集粒子径を有するため、これを微粉砕して使用する。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。この際、分散液の初期粘度上昇が抑制され、高濃度分散が可能となり、粉砕・分散効率が上昇してより微粒子に粉砕することができることから、吸油量が210ml/100g以下、平均凝集粒子径5μm以上の沈降法シリカを使用することが好ましい。高濃度分散液を使用することによって、記録用紙の生産性も向上する。吸油量は、JIS K−5101の記載に基づき測定される。
本発明の平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカ微粒子を得る具体的な方法としては、まず水中でシリカ粒子とカチオン性化合物を混合(添加はどちらが先であっても、また同時でもよい)しても良く、又それぞれの分散液あるいは水溶液を混合しても良く、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも1つを用いて予備分散液を得る。必要であればさらに適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。シリカ予備分散物の固形分濃度は高い方が好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては15〜40質量%、より好ましくは20〜35質量%である。次に、より強い機械的手段を与えることによって、平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカ微粒子分散液が得られる。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えばボールミル、ビーズミル、サンドグライダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
本発明のインク受容層に用いられる湿式法シリカとしては、沈降法シリカが好ましい。前述したように、沈降法シリカは、その二次粒子が緩やかな凝集粒子であるので、粉砕するのに好適である。
本発明のインク受容層には、湿式法シリカをカチオン性ポリマーの存在下で、該湿式法シリカの平均二次粒子径が500nm以下、好ましくは20〜300nmに分散したものが好ましく使用できる。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で湿式法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。尚、本発明でいう平均二次粒子径とは、得られた記録材料のインク受容層を電子顕微鏡で観察することにより、観察される凝集粒子の粒子径の平均値を求めたものである。
上記湿式法シリカの分散に使用するカチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号、特開昭59−33176号、特開昭59−33177号、特開昭59−155088号、特開昭60−11389号、特開昭60−49990号、特開昭60−83882号、特開昭60−109894号、特開昭62−198493号、特開昭63−49478号、特開昭63−115780号、特開昭63−280681号、特開平1−40371号、特開平6−234268号、特開平7−125411号、特開平10−193776号公報に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性および分散液粘度の面で、これらのカチオンポリマーの分子量は、2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。カチオン性ポリマーの使用量は湿式法シリカに対して1〜10質重%の範囲が好ましい。
本発明において、インク受容層に含有させる無機微粒子の量は、10g/m2以上が好ましく、特に12〜45g/m2の範囲が好ましい。
本発明において、インク受容層には水溶性多価金属化合物を、更に添加剤として含有することが好ましい。中でも、水溶性アルミニウム化合物及び水溶性ジルコニウム化合物が好ましく利用できる。
本発明に用いられる水溶性アルミニウム化合物及び水溶性ジルコニウム化合物について説明する。これらの化合物は、無機塩や有機酸の単塩および複塩、金属錯体などのいずれであっても良い。本発明に用いられる水溶性アルミニウム化合物は、例えば、無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られている。
これらの水溶性アルミニウム化合物の中でも、インク受容層を形成する塗布液に安定に添加できるものが好ましく、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の式1、2又は3で示され、例えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al2(OH)nCl6-nm ・・式1
[Al(OH)3nAlCl3 ・・式2
Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n ・・式3
これらのものは、多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学工業(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できる。
本発明に用いられる水溶性ジルコニウム化合物は、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウムなどが挙げられる。
これらの水溶性ジルコニウム化合物の中でもインク受容層を形成する塗布液に安定に添加でき、優れた滲み耐性を示す酢酸ジルコニウム(ジルコニル)化合物は特に好ましい。
これらのものは、第一稀元素化学工業(株)からジルコゾールZA−20等、または日本軽金属(株)等から市販されている。
上記水溶性アルミニウム化合物及び水溶性ジルコニウム化合物の合計の添加量は、無機微粒子に対して10質量%以下が好ましく、0.5〜8質量%がより好ましい。上記水溶性アルミニウム化合物と水溶性ジルコニウム化合物は両方含有させることがより好ましく、水溶性アルミニウム化合物と水溶性ジルコニウム化合物の含有比は、10:1〜1:10の範囲が好ましい。
水溶性アルミニウム化合物及び水溶性ジルコニウム化合物を含有させる態様は、両化合物を同一のインク受容層に含有させてもよく、または、2層のインク受容層に別々に含有させてもよい。2層のインク受容層に別々に含有させる場合は、水溶性ジルコニウムを上層に多く分布させ、水溶性アルミニウム化合物を下層に多く分布させるのが好ましい。
前述したように、本発明のインク受容層は、粉砕された湿式法シリカと他の無機微粒子を併用することができ、かかる他の無機微粒子として気相法シリカ、アルミナ、及びアルミナ水和物があるが、これらの微粒子について以下に具体的に説明する。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化珪素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化珪素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化硅素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明に用いられる気相法シリカの平均一次粒子径は30nm以下が好ましく、より高い光沢を得るためには、15nm以下が好ましい。更に好ましくは平均一次粒子径が3〜15nmでかつBET法による比表面積が200m2/g以上(好ましくは250〜500m2/g)のものを用いることである。尚、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒子径として平均粒子径を求めたものであり、本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
本発明に用いられる気相法シリカは、前記の湿式法シリカの分散と同様の方法が使用できる。また、分散剤として前記の湿式法シリカをカチオン化するのに使用されるものと同様のものが使用できる。
本発明に使用するアルミナ系微粒子は、酸化アルミニウムやその含水物であり、結晶質でも非晶質でもよく、不定形や、球状、板状等の形態を有しているものが使用される。両者の何れかを使用してもよいし、併用してもよい。
本発明に用いることの出来る酸化アルミニウムとしては酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は、数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で50〜300nm程度まで粉砕したものが好ましく使用出来る。
本発明に用いることの出来る酸化アルミニウム含水物はAl23・nH2O(n=1〜3)の構成式で表される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。
本発明に用いられるアルミナ、及びアルミナ水和物は酢酸、乳酸、ギ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散された分散液の形態から使用される。
本発明のインクジェット記録材料は、支持体上に、粉砕された湿式法シリカと炭素数3〜5のアルカンジオールまたはジプロピレングリコールを含有するインク受容層を有するが、該インク受容層の上に無機微粒子を主体に含有するインク受容層を更に設けることができる。この場合、上層に設けられるインク受容層には、無機微粒子として気相法シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、あるいはコロイダルシリカを用いるのが好ましく、該無機微粒子の塗布量としては8g/m2以下であるのが好ましく、特に6g/m2以下が好ましい。また、上層に設けられるインク受容層にも、炭素数3〜5のアルカンジオールまたはジプロピレングリコールを含有することができる。
本発明のインク受容層は、皮膜としての特性を維持するためと、透明性が高くインクのより高い浸透性を得るために親水性バインダーを用いられる。親水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸エステル系やそれらの誘導体が使用されるが、特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度は500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
インク受容層における親水性バインダーは無機微粒子に対して5〜30質量%の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜25質量%である。
本発明において、インク受容層には、親水性バインダーとともに硬膜剤を含有するのが好ましい。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好ましい。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する有機バインダーに対して、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
インク受容層には、更に着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。また、本発明のインク受容層の塗布液のpHは、3.3〜6.5の範囲が好ましく、特に3.5〜5.5の範囲が好ましい。
また、インク受容層には、チオエーテル化合物、カルボヒドラジドおよびその誘導体を含有させることによって印字後の保存性を著しく改良することができる。
本発明で用いられるカルボヒドラジド誘導体は、同一分子中に同構造を一つまたは二つ以上有する化合物であっても、あるいは同構造を分子主鎖または側鎖に有するポリマーであってもよい。
本発明に用いられるチオエーテル化合物には、硫黄原子の両側に芳香族基が結合した芳香族チオエーテル化合物、硫黄原子を挟んだ両端にアルキル基を有する脂肪族チオエーテル化合物等がある。これらの中でも特に親水性基を有する脂肪族チオエーテル化合物が好ましい。
なおこれらの化合物は既知の合成法や、特開2002−321447号公報、特開2003−48372号公報に記載の合成法などを参考に合成できる。また、一部の化合物については、市販の化成品をそのまま使用することができる。
本発明において、塗布方式は特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、スライドカーテン方式、エクストルージョン、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ケットバーコーティング方式等がある。これらの塗布方式の中でも、多層を同時に重層塗布することができ、かつ高速で塗布することができるスライドビード方式あるいはスライドカーテン方式が好ましく用いられる。
本発明で使用される支持体としては、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙、樹脂被覆紙、樹脂フィルム等が挙げられるが、特に耐水性支持体が好ましい。耐水性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアサテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙と樹脂フィルムを貼り合わせたもの、基紙の両面にポリオレフィン樹脂層を被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙等が挙げられる。特にポリオレフィン樹脂被覆紙が好ましい。これらの耐水性支持体の厚みは50〜300μm、好ましくは80〜260μmのものが用いられる。
本発明に好ましく用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙支持体について詳細に説明する。本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙は、その含水率は特に限定しないが、カール性より好ましくは5.0〜9.0%の範囲であり、より好ましくは6.0〜9.0%の範囲である。ポリオレフィン樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する基紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
また、基紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
基紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
また、ポリオレフィン樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
ポリオレフィン樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行する基紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押し出しコーティング法により製造され、基紙の両面が樹脂により被覆される。また、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。樹脂被覆層の厚みとしては、5〜50μmが適当である。
本発明に用いられる耐水性支持体のインク受容層が塗設される側には、下引き層を設けるのが好ましい。この下引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め耐水性支持体の表面に塗布乾燥されたものである。この下引き層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/m2が好ましく、20〜300mg/m2がより好ましい。更に、下引き層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有するのが好ましい。支持体に下引き層を設けることによって、インク受容層塗布時のひび割れ防止に有効に働き、均一な塗布面が得られる。
本発明のインクジェット記録材料のインク吸収性を有する側と支持体に対して反対側には、耐電防止性、搬送性、カール防止や印字直後に重ね合わせた際のくっつきやインク転写を更に向上させるために種々の種類のバック層を設けてもよい。バックコート層には無機帯電防止剤、有機耐電防止剤、顔料、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。尚、実施例、比較例中の部及び%は質量部、質量%を表す。
<ポリオレフィン樹脂被覆紙の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出被覆し、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し表面とした。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70質量部と密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂30質量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し裏面とした。
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが50mg/m2となるように塗布乾燥して支持体を作製した。
<下引き層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
シリカを以下のように粉砕して、シリカ分散液を作製した。
<シリカ分散液1>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(シャロールDC902P;分子量9,000)4部と沈降法シリカ(ニップシールLP;吸液量200ml/100g、平均一次粒子径16nm、平均凝集粒子径9μm)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作製した。次に得られた予備分散物をビーズミル(直径0.3mmのジルコニアビーズ、該ビーズの充填率80質量%、円盤周速10m/秒)処理して、固形分濃度30質量%のシリカ分散液1を得た。
<シリカ分散液2>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(シャロールDC902P;分子量9,000)4部と気相法シリカ(アエロジル300;平均一次粒子径7nm、比表面積300m2/g)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作製した。次に得られた予備分散物を圧力ホモジナイザーに、40MPaの条件で2回通過させて、固形分濃度20質量%のシリカ分散液2を得た。
<インク受容層の塗布液>
シリカ分散液1(シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 17部
(鹸化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 3部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
((株)理研グリーン製「ピュラケムWT」)
酢酸ジルコニル 2部
(第一稀元素工業(株)製「ジルコゾールZA−20」)
プロピレングリコール 10部
変性エタノール(粘度調整剤) 適量
このインク受容層の塗布液は、イオン交換水で15質量%の固形分濃度になるように調整した。インク受容層の湿分塗布量は167g/m2である(塗布液の固形分塗布量は25g/m2)。
上記のインク受理層を支持体の下引き層を設けた面にスライドビードコーターで塗布した。インク受容層の湿分塗布量は167g/m2である(塗布液の固形分塗布量は25g/m2)。インク受容層の塗布液の温度は40℃で、支持体上に塗布後すぐに5℃の空気で20秒間冷却することによりゲル化した。このとき、インク受容層の表面温度は15℃であった。その後、30〜50℃の温風で乾燥して実施例1のインクジェット記録を得た。なお、電子顕微鏡観察よりシリカの平均二次粒子径は200nmであった。
実施例1のプロピレングリコールを1,3−ブタンジオールに変えた以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録材料を得た。
実施例1のプロピレングリコールを3−メチル−1,3−ブタンジオールに変えた以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記録材料を得た。
実施例1のプロピレングリコールをジプロピレングリコールに変えた以外は実施例1と同様にして実施例4のインクジェット記録材料を得た。
実施例1のインク受容層の替わりに、下記組成のインク受容層Aの塗布液を下層(支持体に近い層)として、およびインク受容層Bの塗布液を上層(支持体から離れた層)としてスライドビードコーターで同時重層塗布した以外は実施例1と同様にして実施例5のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層Aの塗布液>
シリカ分散液1(シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 17部
(鹸化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 3部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
((株)理研グリーン製「ピュラケムWT」)
プロピレングリコール 10部
変性エタノール(粘度調整剤) 適量
このインク受容層の塗布液は、イオン交換水で15質量%の固形分濃度になるように調整した。インク受容層Aの湿分塗布量は133g/m2である(塗布液の固形分塗布量は20g/m2)。
<インク受容層Bの塗布液>
シリカ分散液2(シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 17部
(鹸化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 4部
酢酸ジルコニル 5部
(第一稀元素工業(株)製「ジルコゾールZA−20」)
変性エタノール(粘度調整剤) 適量
このインク受容層の塗布液は、イオン交換水で13質量%の固形分濃度(プロピレングリコールを固形分として計算)になるように調整した。インク受容層Bの湿分塗布量は38g/m2である(乾燥塗布量は5g/m2)である。なお、電子顕微鏡観察よりインク受容層Aのシリカの平均二次粒子径は200nm、インク受容層Bのシリカの平均二次粒子径は100nmであった。
(比較例1)
実施例1のプロピレングリコールを添加しなかった以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を得た。
(比較例2)
実施例1のプロピレングリコールをエチレングリコールに変えた以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を得た。
(比較例3)
実施例1のプロピレングリコールをへキシレングリコール(2−メチル−2,4−ペンタンジオール)に変えた以外は実施例1と同様にして比較例3のインクジェット記録材料を得た。
(比較例4)
実施例1のプロピレングリコールをオクチレングリコール(2−エチル−1,3−ヘキサンジオール)に変えた以外は実施例1と同様にして比較例4のインクジェット記録材料を作製しようとしたが、ハジキが多数発生し得られなかった。
(比較例5)
実施例1のプロピレングリコールをポリプロピレングリコール(平均分子量1,000)に変えた以外は実施例1と同様にして比較例5のインクジェット記録材料を作製しようとしたが、表面亀裂が多数発生し得られなかった。
(比較例6)
実施例1のプロピレングリコールをジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルに変えた以外は実施例1と同様にして比較例6のインクジェット記録材料を得た。
(比較例7)
実施例1のプロピレングリコールをグリセリンに変えた以外は実施例1と同様にして比較例7のインクジェット記録材料を得た。
(比較例8)
実施例5のインク受容層Aにプロピレングリコールを添加しなかった以外は実施例5と同様にして比較例8のインクジェット記録材料を得た。
上記のようにして作製したインクジェット記録材料について下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
<塗布面の表面亀裂及び塗布欠陥の評価>
塗布・乾燥したインク受容層の塗布面を観察し、以下の基準で評価した。
◎:表面亀裂やハジキ、凝集物が全くなく、均一な塗布面である。
○:僅かに表面亀裂やハジキ、凝集物が発生しているが、印字に支障はない。
△:一部に表面亀裂やハジキ、凝集物が発生している。
×:印字できないほどの表面亀裂やハジキ、凝集物が発生している。
<モットリング改良度合い>
市販のインクジェットプリンタ(セイコーエプソン(株)製、PM−980C)にてレッド、グリーン、ブルー、ブラックのベタ印字を行い、印字直後にベタ部のインクの吸収状態、画像の濃淡むら(モットリング)の程度を目視で観察した。下記の基準で評価した
◎:速やかにインクが吸収され、画像の濃淡ムラもみられない。
○:僅かに画像の濃淡ムラがみられるが、実用上問題ない。
△:印字面にインクがやや溢れ、画像の濃淡ムラが少しみられる。
×:印字面にインクがあふれ、強い濃淡ムラが発生。
<発色性>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、PM−980C)にて、ブラックのベタ印字を行い、ブラックの発色濃度を目視で観察した。下記の基準で評価した
◎:くすみがなく、発色性が良好。
○:僅かにくすみがみられるが、発色性は比較的良好といえる。
△:ややくすみがみられ、発色性に劣る。
×:強いくすみの発生がみられ、発色性に劣る
<耐水性>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、PM−980C)にて黒ベタに白抜け文字印字したサンプルに蒸留水を一滴滴下し、画像の滲みを目視にて観察し、下記の基準で判定した。
◎:滲みがない、または僅かに滲みが認められるが実用上問題ない。
○:僅かに滲みが認められる。
△:滲みが認められる
×:著しく滲んでいる
<高湿滲み>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、PM−980C)にてレッド、グリーン、ブルー、ブラックの各細線を印字後、35℃80%RHの環境下に3日間保管したサンプルを目視にて観察し、下記の基準で判定した。
◎:滲みがない。
○:僅かに滲みが認められるが実用上問題ない。
△:滲みが認められる。
×:著しく滲んでいる。
Figure 2006247940
表1の結果、本発明の構成(実施例1〜5)により、フォトライクな高い光沢、発色性と滲み耐性を損なうことなく、モットリングを改良することができる。比較例1〜8は、本発明の効果を得ることができなかった。

Claims (3)

  1. 支持体上に、無機微粒子を主体に含有する少なくとも1層のインク受容層を有するインクジェット記録材料において、該インク受容層が無機微粒子として少なくとも湿式法シリカを水性媒体中で平均2次粒子径500nm以下に粉砕した微粒子を含有し、かつ炭素数3〜5のアルカンジオール及びジプロピレングリコールの中から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
  2. 前記インク受容層が、水溶性多価金属化合物を含有する請求項1に記載のインクジェット記録材料。
  3. 前記水溶性多価金属化合物が、水溶性アルミニウム化合物及び水溶性ジルコニウム化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載のインクジェット記録材料。
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