JP2007253335A - インクジェット記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】巻き取りカール性、給紙性、白紙部の平面性に優れ、ヘッド擦れが抑制されるインクジェット記録材料に関するものである。
【解決手段】原紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した樹脂被覆紙支持体上に少なくとも1層のインク受容層を設けたインクジェット記録材料において、原紙に含有される無機顔料がパルプに対して6〜14質量%であり、該原紙の抄紙工程におけるパルプ含有液の速度(J)と、ワイヤー速度(W)との比(J/W比)が0.9〜1.1であり、更にシェーキング処理された原紙用いることを特徴とするインクジェット記録材料。
【選択図】なし。

Description

本発明は、従来のインクジェット記録材料に比して、巻き取りカール性、給紙性、白紙部の平面性に優れ、ヘッド擦れが抑制されるインクジェット記録材料に関するものである。
近年、デジタルカメラの普及によってデジタル写真画像が身近になり、デジタル写真画像の出力に適したインクジェットプリンタも急速に普及している。デジタル写真画像の出力に適した記録材料として、ポリオレフィン樹脂被覆紙(基紙の両面をポリエチレン等のポリオレフィン樹脂でラミネートしたもの)からなる支持体上に、微細な無機微粒子あるいは水溶性樹脂を主体とするインク受容層が設けられたインクジェット記録材料が知られており、市販されている。しかしながら、より優れた写真画質を出力するため、より平面性の高い記録材料が要望されている。
一方、インクジェットプリンタの高速化及び高画質化にともなって、インクの着弾精度を向上させるため、プリンタヘッド部分と記録材料のクリアランスが狭くなり、プリンタヘッド部分と記録材料との擦れによる汚れ(以下、ヘッド擦れと記載する)が発生するという問題が発生した。
また、微細な無機微粒子あるいは水溶性樹脂を主体とするインク受容層は、インク受容層を塗布し乾燥する過程において、あるいは裁断等を行いシート状に放置した際、温湿度の環境変化により、伸縮あるいは膨潤する。ポリオレフィン樹脂被覆紙のような樹脂被覆支持体は、水分の吸放出がほとんどないために伸縮あるいは膨潤が起こりにくい。したがって、ポリオレフィン樹脂被覆紙上にインク受容層を設けた記録材料は、温湿度の環境変化により、カールが変動しやすくなり、給紙不良が発生した。更に、インク受容層を塗布乾燥し巻き取った際、巻き取りの最も上巻き部分と最も下巻きの部分等の、巻き取りの位置によってカール性が異なる(以下、巻き取りカール性と記載する)という問題も発生した。
ヘッド擦れのないインクジェット記録シートを提供する技術として、インク受容層が平均一次粒径が30nm以下の無機微粒子及び親水性バインダーを含有し、且つ前記シート状インクジェット記録材料の長辺方向がインク受容層塗布時の流れ方向と直角になるように裁断されてなることを特徴とするインクジェット記録シートが、特開2003−145922号公報(特許文献1)に開示されている。給紙性に優れ、ヘッド擦れのないインクジェット記録シートを提供する技術として、ポリオレフィン樹脂層で被覆された支持体上に無機微粒子と親水性バインダーを含有するインク受容層が塗設されてなる記録シートにおいて、インク受容層を外巻きにしてなるロールから裁断して製造され、該シートの流れ方向がプリンターへの給紙方向であるインクジェット記録シートが、特開2004−216667号公報(特許文献2)に開示されている。一方、抄紙工程において、パルプ含有液速度(J)と、ワイヤー速度(W)との比(J/W比)を0.9〜1.1として抄紙する抄紙工程を含む画像記録材料用支持体の製造方法が、特開2005−187981号公報(特許文献3)に開示されている。
しかしながら、上記特許文献に記載されたインクジェット記録シート及び画像記録材料用支持体は、前述した本発明が目的とする、巻き取りカール性、給紙性、白紙部の平面性、ヘッド擦れを十分に満足するものではなかった。
特開2003−145922号公報 特開2004−216667号公報 特開2005−187981号公報
本発明の目的は、巻き取りカール性、給紙性、白紙部の平面性に優れ、ヘッド擦れが抑制されるインクジェット記録材料に関するものである。
本発明の上記目的は、以下の発明によって達成された。
1)原紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した樹脂被覆紙支持体上に少なくとも1層のインク受容層を設けたインクジェット記録材料において、原紙に含有される無機顔料がパルプに対して6〜14質量%であり、該原紙の抄紙工程におけるパルプ含有液の速度(J)と、ワイヤー速度(W)との比(J/W比)が0.9〜1.1であり、更にシェーキング処理された原紙を用いることを特徴とするインクジェット記録材料。
2)前記インク受容層は平均二次粒径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有することを特徴とする上記1)に記載のインクジェット記録材料。
3)前記インク受容層のバインダーの質量が、無機微粒子の質量に対して5〜25質量%であり、且つ、インク受容層の乾燥固形分塗布量が5〜40g/m2であることを特徴とする上記1)または2)に記載のインクジェット記録材料。
本発明により、巻き取りカール性、給紙性、白紙部の平面性に優れ、ヘッド擦れが抑制されるインクジェット記録材料が得られる。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明では、原紙に含有される無機顔料がパルプに対して6〜14質量%である。ここで無機顔料とは、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、白土、タルク、酸化チタン、珪藻土、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムであり、巻き取りカール性、給紙性に優れ、ヘッド擦れを抑制させるためには、炭酸カルシウム、クレー、カオリンを用いることが好ましい。
本発明で使用できるパルプは、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹サルファイトパルプ(LBSP)である。カール性の観点から広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を使用することが好ましい。また、パルプ繊維は、繊維長のもともと短い広葉樹パルプを主体に使用することが好適あり、パルプの叩解には、ビータやリファイナー等を使用できる。
本発明においては、原紙に含有される無機顔料がパルプに対して6〜14質量%である。好ましくは7.5〜12.5質量%であり、より好ましくは8.5〜11.5質量%である。上記範囲では、給紙性が優れ、ヘッド擦れが抑制される。
パルプを叩解した後に得られるパルプ含有液には必要に応じて、各種添加剤、例えば、サイズ剤、紙力増強剤、定着剤、pH調整剤、アンカー剤、その他の薬剤を添加することができる。
前記サイズ剤としては、例えば、脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体、パラフィンワックス、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、エポキシ化脂肪酸アミド等の高級脂肪酸を含有する化合物、等が挙げられる。
前記紙力増強剤としては、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤がある。乾燥紙力増強剤としては、例えば、カチオン化澱粉、カチオン化ポリアクリルアミド、アニオン化ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、等が挙げられる。また、湿潤紙力増強剤としては、例えば、ポリアミンポリアミドエピクロロヒドリン、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂、等が挙げられる。
前記定着剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩、カチオン化澱粉等のカチオン性ポリマー等が挙げられ、前記pH調整剤としては、例えば、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、等が挙げられる。前記その他の薬剤としては、例えば、消泡剤、染料、スライムコントロール剤、蛍光増白剤、柔軟化剤等が挙げられる。
本発明において、パルプ含有液の速度(J)とはヘッドボックスのスライスからの流出速度であり、ワイヤー速度(W)とはワイヤーの走行速度である。パルプ含有液の速度(J)と、ワイヤー速度(W)との比(J/W比)は0.9〜1.1である。より好ましくは0.96〜1.04である。上記範囲では、巻き取りカール性、白紙部の平面性が優れる。その場合、上記範囲内においてパルプ含有液の速度(J)は90〜120m/minが好ましく、100〜110m/minがより好ましい。ワイヤー速度(W)は80〜130m/minが好ましく、90〜120m/minがより好ましい。
本発明の原紙の抄紙工程においては、シェーキング処理を行う。長網ワイヤーはブレストロールに張られた状態で抱かれている。ブレストロールは樹脂板により支えられており、シェーキング装置により、駆動側ジャーナルの先端を流れ方向と水平且つ直角に動かされる。その動きに合わせて樹脂板が前後に動くことにより、ブレストロールも前後に運動する。その運動に合わせて、張られた状態でブレストロールに抱かれている長網ワイヤーがシェーキングされ、そのシェーキングされている長網ワイヤー上にヘッドボックスからパルプ含有液が供給される。
シェーキングの振動数は300〜400回/minの範囲が好ましく、320〜380回/minの範囲がより好ましい。その際の振幅は5〜25mmの範囲が好ましく、10〜20mmの範囲がより好ましい。上記範囲では、白紙部の平面性が優れる。
本発明において、原紙の厚みに関しては特に制限はないが、抄紙工程中または抄紙後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。原紙の含水率は特に限定しないが、カール性に観点から、5〜9%の範囲が好ましく、6〜9%の範囲がより好ましい。原紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができ、例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
本発明においては、原紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆する。原紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。カール性の観点から、インク受容層を設ける面(P1)には低密度ポリエチレンを全樹脂の90質量%以上用いることが好ましく、95質量%以上用いることがより好ましい。インク受容層とは反対側の面(P2)には高密度ポリエチレンを全樹脂の30質量%以上用いることが好ましく、50質量%以上用いることがより好ましい。上記範囲内において、インク受容層を設ける面(P1)の塗布量と、インク受容層とは反対側の面(P2)の塗布量の比(P1/P2比)は、1/2〜3/2の範囲が好ましく、樹脂の厚みとしては、5〜50μmの範囲が好ましい。
ポリオレフィン樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
原紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した樹脂被覆紙支持体の主な製造方法としては、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、原紙の両面が樹脂により被覆される。樹脂被覆後の裏面は通常無光沢面であり、必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施し、他の層を設けることができる。
本発明において、インク受容層は所望の印字適性が得られれば、無機微粒子を主体に含有するインク受容層でも、水溶性樹脂を主体に含有するインク受容層でも良い。しかしながら、巻き取りカール性、ヘッド擦れ、給紙性の観点から、無機微粒子を主体に含有するインク受容層を含有することがより好ましい。
水溶性樹脂を主体に含有するインク受容層においては、水溶性樹脂がインク受容層の乾燥固形分量に対して90質量%以上を含有することがことが好ましく、95質量%以上含有することがより好ましい。含有される水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、カチオン化ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、変性ポリビニルピロリドン、ゼラチン、変性ゼラチン、カゼイン、大豆カゼイン、変性大豆カゼイン、澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの各種澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体類、ラテックス類が好ましい。優れたインクを吸収性を有するという観点から、ポリビニルアルコール、カチオン化ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールがより好ましい。また、乾燥固形分塗布量は5〜40g/m2の範囲が好ましく、10〜35g/m2の範囲がより好ましい。
無機微粒子を主体に含有するインク受容層においては、平均二次粒径が500nm以下の無機微粒子であることが好ましい。インク受容層に含有する無機微粒子は、インク受容層の乾燥固形分塗布量に対して無機微粒子を50質量%以上含有することが好ましく、60質量%以上含有することがより好ましい。また、無機微粒子としては、合成シリカ、アルミナあるいはアルミナ水和物を用いることが好ましい。
合成シリカは製造方法によって、気相法シリカあるいは湿式法シリカに大別される。本発明に用いられる合成シリカは、気相法シリカであっても湿式法シリカであっても良い。
無機微粒子を主体に含有するインク受容層の無機微粒子として用いられる上記気相法シリカは、火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素および酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されており、入手することができる。
気相法シリカの平均一次粒径は30nm以下で平均二次粒径が400nm以下であることが好ましい。より高い発色性を得るためには、平均一次粒径は3nm〜20nmで、平均二次粒径が30nm〜300nmであることが好ましい。
本発明の無機微粒子の平均一次粒径は、一次粒径が判別できる程度まで分散された粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒径として求めた平均粒径のことである。平均二次粒径は希薄分散液をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定して求めた値のことである。
気相法シリカはカチオン性化合物の存在下で分散することが好ましい。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。
気相法シリカの分散に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーまたは水溶性多価金属化合物を使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号、同昭59−33176号、同昭59−33177号、同昭59−155088号、同昭60−11389号、同昭60−49990号、同昭60−83882号、同昭60−109894号、同昭62−198493号、同昭63−49478号、同昭63−115780号、同昭63−280681号、同平1−40371号、同平6−234268号、同平7−125411号、同平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。これらのカチオンポリマーの分子量は、2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。分子量が10万よりも大きくなると、分散液が高粘度となりすぎるため好ましくない。
水溶性多価金属化合物としては、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられる。カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、チタン、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、p−フェノールスルホン酸亜鉛、塩化チタン、硫酸チタン、乳酸チタン、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
上記の水溶性多価金属化合物の中でも、アルミニウムもしくは周期律表4A族金属(例えばジルコニウム、チタン)からなる化合物が好ましい。特に好ましくは水溶性アルミニウム化合物である。水溶性アルミニウム化合物としては、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られており、好ましく用いられる。
前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の一般式1、2、または3で示され、例えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al2(OH)nCl6-nm 一般式1
[Al(OH)3nAlCl3 一般式2
Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n 一般式3
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上梓されており、各種グレードの物が容易に入手できる。
本発明に用いられる周期表4A族元素を含む水溶性化合物としては、チタンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物がより好ましい。チタンを含む水溶性化合物としては、塩化チタン、硫酸チタンが挙げられる。ジルコニウムを含む水溶性化合物としては、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、乳酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が挙げられる。本発明に於いて、水溶性とは常温常圧下で水に1重量%以上溶解することを目安とする。
本発明の無機微粒子を主体に含有するインク受容層の無機微粒子として用いられる湿式法シリカは、さらに製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカ二次粒子は緩やかな凝集粒子となり、比較的粉砕し易い粒子が得られる。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして市販されている。
ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。この場合、熟成中に小さなシリカ粒子が溶解し、大きな粒子の一次粒子間に一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、水澤化学工業(株)からミズカシルとして、グレースジャパン(株)からサイロジェットとして市販されている。
沈降法シリカあるいはゲル法シリカは、通常、1μm以上の平均二次粒径を有している。本発明では、平均二次粒径が500nm以下になるまで粉砕される。平均二次粒径が300nm以下になるまで粉砕すると好ましい。
湿式法シリカの粉砕は、気相法シリカと同様のカチオン性化合物の存在下で行うことが好ましい。水中に分散されたシリカにカチオン性化合物を添加すると凝集物が発生することが多いが、これを粉砕処理することによって、水のみに分散するよりも高濃度分散が可能となり、その結果、分散効率が上昇し、より微粒子に粉砕することができる。更に高濃度分散液を使用することによって、塗布液調製時に塗布液の高濃度化が可能になり、生産効率が向上する等の利点がある。特にこの際平均二次粒径が5μm以上の沈降法シリカを使用すると、初期の凝集物発生による粘度上昇が抑制され、より高濃度での分散が可能となるため、さらに有利である。通常湿式法シリカの平均二次粒径はインク吸収性の観点から200μm以下が好ましい。
平均二次粒径が500nm以下の湿式法シリカ微粒子を得る具体的な方法としては、まず水中にシリカとカチオン性化合物の少なくとも1種を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも1つを用いて予備分散液を得る。必要であれば更に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。カチオン性ポリマーまたは水溶性多価金属化合物の量は、シリカに対して0.5〜20質量%、好ましくは2〜10質量%である。この範囲にすることによって、シリカ予備分散液の粘度が高くなりすぎず、固形分濃度を高くする事ができる。本発明のシリカ予備分散物の固形分濃度は高いほうが好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。
上記の方法で得られたシリカ予備分散物をビーズミルで粉砕処理する。ビーズミルとは内部に撹拌装置を有する容器中にビーズを内填し、容器中に液状物を入れて撹拌装置を回転させてビーズ同士を衝突させることで液状物にせん断力を与えて処理する装置である。ビーズの粒径は0.1〜10mmが一般的であるが、好ましくは0.2〜1mm、より好ましくは0.3〜0.6mmである。ビーズにはガラスビーズ、セラミックスビーズ、金属ビーズ等が有るが、耐摩耗性及び分散効率からはジルコニアビーズが好ましい。また、容器中のビーズの添加充填率は一般的には40〜80容量%であり、好ましくは55〜80容量%である。上記分散条件によって、シリカ分散物を効率良く、粗粒残存や凝集物発生もなく、平均二次粒径が500nm以下に粉砕することが可能である。予備分散物を連続で処理する場合で通し回数が1回では粗粒が残りやすい場合には、2回以上処理するほうが好ましい。本発明では粗粒が出来ない範囲で濃度が高い方が、塗布液の高濃度化が可能になり好ましい。本発明のシリカ分散物の固形分濃度の好ましい範囲としては20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。市販のビーズミルとしては浅田鉄工社製のナノミル、アイメックス社製のウルトラビスコミル、及びマツボー社製のアミュラー型OBミル、シンマルエンタープライゼス社製のダイノミル等が挙げられる。
ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる。
コロイダルシリカの一次粒子が単分散状態である場合は、平均一次粒子径が500nm以下であれば良い。一次粒子が凝集構造をとって二次粒子として安定に存在しているものを用いることもでき、その場合は平均二次粒子径が300nm以下であり、平均一次粒子径が20nm以下であることが好ましい。
コロイダルシリカは、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる二酸化珪素をコロイド状に水中に分散させたものであり、平均一次粒子径が数nm〜100nm程度の湿式法合成シリカである。コロイダルシリカとしては、日産化学工業(株)社からスノーテックスST−20、ST−30、ST−40、ST−C、ST−N、ST−20L、ST−O、ST−OL、ST−S、ST−XS、ST−XL、ST−YL、ST−ZL、ST−OZL、ST−UP、ST−OUP、ST−PS−MO等が市販されている。
コロイダルシリカは、光沢性を維持しつつ、インク吸収性を向上させるために平均一次粒子径の異なる2種類以上のコロイダルシリカを併用することができる。また、これら凝集構造をとっているコロイダルシリカとしては上記市販品中ST−UP、ST−OUP、ST−PS−MO等が挙げられる。
上記コロイダルシリカは表面をカチオン性に修飾されていても良く、カチオン性に修飾するためにはポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、そして1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーを用いることができる。
アルミニウム化合物で表面を修飾されたコロイダルシリカを使用して良い。その場合、コロイダルシリカにアルミニウム化合物を添加し修飾させてもよいし、市販のアルミナ修飾コロイダルシリカをそのまま使用してもよい。アルミナ修飾コロイダルシリカとしてはST−AK、ST−AK−L、ST−AK−UP、ST−PS−M−AK等が日産化学工業(株)より市販されている。
本発明の無機微粒子を主体に含有するインク受容層には平均二次粒径は500nm以下アルミナを用いることが好ましい。より高いインク吸収性を得るためには、平均二次粒径が50nm〜300nmで、平均一次粒径が10nm〜100nmであることが好ましい。アルミナとしては酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもγグループ結晶が好ましい。
無機微粒子を主体に含有するインク受容層に好ましく用いられるアルミナ水和物は、Al23・nH2O(n=1〜3)の構成式で表せる。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。
アルミナ水和物の平均二次粒径は500nm以下が好ましく、より高いインク吸収性を得るためには、平均一次粒径が5nm〜50nmであり、且つ平均アスペクト比(平均厚さに対する平均粒径の比)が2以上の平板状の粒子を用いるのが好ましい。
本発明の無機微粒子を主体に含有するインク受容層において、樹脂バインダーの質量は、無機微粒子に対して5〜25質量%であることが好ましく、無機微粒子の種類によって、さらに好ましい範囲が適宜選択される。合成シリカに対しては、10〜30質量%の樹脂バインダーを用いるのが好ましく、特に12〜25質量%用いるのが好ましい。アルミナまたはアルミナ水和物に対しては、5〜25質量%の樹脂バインダーを用いるのが好ましく、特に7〜15質量%用いるのが好ましい。
無機微粒子を主体に含有するインク受容層に使用する樹脂バインダーとしては、透明性が高く、インクの高い浸透性が得られるという観点から親水性バインダーを選択して用いる。親水性バインダーの使用にあたっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの中でも、ケン化度が80%以上の部分ケン化または完全ケン化したものが好ましい。平均重合度500〜5,000のポリビニルアルコールが好ましい。また、カチオン変性ポリビニルアルコールとして、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
本発明の無機微粒子を主体に含有するインク受容層の乾燥固形分塗布量は5〜40g/m2であることが好ましく、単層であっても2層以上あっても良い。インク受容層の乾燥固形分塗布量は、塗布する無機微粒子によって異なる。気相法シリカおよび湿式法シリカの単層の場合の乾燥固形分塗布量は、5g/m2〜30g/m2が好ましく、10g/m2〜25g/m2の範囲がより好ましい。アルミナおよびアルミナ水和物単層の場合の乾燥固形分塗布量は、10g/m2〜40g/m2が好ましく、15g/m2〜35g/m2がより好ましい。気相法シリカおよび湿式法シリカと、アルミナおよびアルミナ水和物を重層する際の総乾燥固形分量は、10g/m2〜40g/m2が好ましく、15g/m2〜35g/m2がより好ましい。コロイダルシリカ層を設ける場合は、気相法シリカ単層、湿式シリカ単層、アルミナおよびアルミナ水和物単層、気相法シリカとアルミナおよびアルミナ水和物の重層、湿式法シリカとアルミナおよびアルミナ水和物の重層、気相法シリカと湿式法シリカの重層上に塗布することが好ましく、その場合のコロイダルシリカ層乾燥固形分塗布量は、0.1g/m2〜3g/m2が好ましく、0.3g/m2〜2g/m2の範囲がより好ましい。コロイダルシリカ層を設ける際の気相法シリカ層、湿式法シリカ、アルミナおよびアルミナ水和物層、気相法シリカとアルミナおよびアルミナ水和物の重層、湿式法シリカとアルミナおよびアルミナ水和物の重層、気相法シリカと湿式法シリカの重層の乾燥固形分塗布量は、前述の単層である場合と同様であることが好ましい。
インク受容層には、皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することができる。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくは樹脂バインダーに対して10〜50質量%の範囲で用いることができる。
無機微粒子を主体に含有するインク受容層は、樹脂バインダーと共に硬膜剤を含有するのが好ましい。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好ましい。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する親水性バインダーに対して、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
本発明において、インク受容層には染料インクの定着性の観点から、更に前述したカチオン性ポリマーあるいは水溶性多価金属化合物を使用しても良い。無機微粒子に対して2〜15質量%の総カチオン性ポリマーあるいは水溶性多価金属化合物を使用するのが好ましく、5〜10質量%使用するのがより好ましい。
本発明において、インク受容層には、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
樹脂被覆紙支持体のインク受容層が塗設される側には、下塗り層を設けるのが好ましい。この下塗り層は、インク受容層が塗設される前に、予め樹脂被覆支持体の表面に塗布乾燥されたものである。この下塗り層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/m2が好ましく、20〜300mg/m2がより好ましい。更に、下塗り層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有するのが好ましい。支持体に下塗り層を設けることによって、インク受容層塗布時のひび割れ防止に有効に働き、均一な塗布面が得られる。
本発明のインクジェット記録材料においては、インク受容層面とは反対側に、帯電防止性、搬送性等のために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、水溶性ポリマー、ポリマーラテックス、硬化剤、コロイダルシリカ等の顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。バックコート層の乾燥固形分塗布量は、0.5〜2g/m2の範囲が好ましく、1〜1.5g/m2の範囲がより好ましい。
本発明において、インク受容層およびバックコート層を設ける際の塗布方法は特に限定されないが、スライドビードコーター、カーテンコーター、エクストルージョンコーター、エアナイフコーター、ロッドコーター、ブレードコーター、グラビアコーター等の塗布装置を単独および組みあわせて使用できる。また、バックコート層はインク受容層の塗布前、あるいは、塗布後の何れにおいても塗布することができるが、優れた印字品質を持たせるためには、バックコート層を塗布した後、インク受容層を塗布することが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。尚、部とは、固形分あるいは実質成分の質量部を表す。
<樹脂被覆支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これに無機顔料である炭酸カルシウムを対パルプ10質量%、サイズ剤とアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して1%パルプ含有液とした。このパルプ含有液を、振動数が350回/min、振幅が15mmの条件でシェーキング処理を行いながら、長網抄紙機でJ/W比が0.98になるように制御して抄紙し、乾燥して、坪量200g/m2の原紙の巻き取りを得た。尚、前記のパルプ含有液の速度(J)は、98m/minであり、ワイヤー速度(W)は、100m/minであった。原紙巻き取りは、抄紙工程のワイヤー面が巻き芯側に向くように直径0.2mの巻き芯に巻き取って製造した。得られた原紙は、抄紙工程のフェルト面側がインク受容層を塗設する面になるようにして以下の工程に供した。インク受容層を塗設する面側の原紙については、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/min厚さ30μmになるように、押出コーティングし、微粗面されたクリーニングロールを用いて押出被覆した。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70質量部と密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン30質量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出被覆し支持体を得た。
上記支持体のインク受容層塗布面側に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが50mg/m2となるように塗布乾燥した。尚、以下、部とは固形分あるいは実質成分の質量部を表す。
<下引き層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
上記支持体に下記組成のインク受容層Aを乾燥固形分塗布量が25g/m2になるようにスライドビード塗布装置で塗布し、5℃15秒間冷却後、40℃10%RHで乾燥し、インク受容層側を外側にして巻いて直径0.9m(巻き芯径0.2mも含む)のロールを製造した。そのロールを10日間保管後、最も上巻きの部分(直径0.8〜0.9m 巻き芯0.2mも含む)、中巻きの部分(直径0.5〜0.6m 巻き芯0.2mも含む)、最も下巻きの部分(直径0.2〜0.4m 巻き芯0.2mも含む)から、サンプルの長辺に沿う方向が流れ方向と直角になるようにしてL版サイズのサンプルを裁断して、インクジェット記録材料を得た。
<気相法シリカ分散液の作製>
水にジメチルアルミニウムクロライドポリマー(分子量:9,000)3部と気相法シリカ(平均一次粒径7nm、比表面積300m2/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20質量%の気相法シリカ分散液を作製した。得られた気相法シリカの希薄分散液の平均二次粒径は80nmであった。
<インク受容層A>
気相法シリカ分散液 103部
ホウ酸 5部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度,500)
固形分濃度が12質量%になるように水で調整した。
実施例1の無機顔料である炭酸カルシウムを対パルプ7質量%に変更する以外は、実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1の無機顔料である炭酸カルシウムを対パルプ13質量%に変更する以外は、実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1のJ/W比を0.93に変更する以外は、実施例1と同様にして実施例4のインクジェット記録材料を作製した。尚、パルプ含有液の速度(J)は、93m/minであり、ワイヤー速度(W)は、100m/minであった。
実施例1のJ/W比を1.07に変更する以外は、実施例1と同様にして実施例5のインクジェット記録材料を作製した。尚、パルプ含有液の速度(J)は、107m/minであり、ワイヤー速度(W)は、100m/minであった。
実施例1のインク受容層Aを下記組成のインク受容層Bに変更する以外は、実施例1と同様にして実施例6のインクジェット記録材料を作製した。
<湿式法シリカ分散液>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000、4部)と沈降法シリカ(ニップシールVN3、平均二次粒径23μm、100部)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作成した。次に得られた予備分散物をビーズミルに、直径0.3mmのジルコニアビーズ、充填率80容量%、円盤周速10m/秒の条件で1回通過させて、固形分濃度30質量%の湿式法シリカ分散液を得た。得られた湿式法シリカ分散液の希薄分散液の平均二次粒径は200nmであった。
<インク受容層B>
湿式法シリカ分散液 104部
ほう酸 4部
ポリビニルアルコール 17部
(ケン化度88%、平均重合度3,500)
固形分濃度が12質量%になるように水で調整した。
実施例1のインク受容層Aを下記組成のインク受容層Cに変更する以外は、実施例1と同様にして実施例7のインクジェット記録材料を作製した。
<インク受容層C>
アルミナ水和物 100部
(SASOL社製のDisperal.HP−14、平均二次粒径160nm)
硝酸 1.4部
ホウ酸 0.2部
ポリビニルアルコール 9.5部
(ケン化度88%、平均重合度3,500)
固形分濃度が15質量%になるように水で調整した。得られたアルミナ水和物の希薄分散液の平均二次粒径は160nmであった。
実施例1のインク受容層Aを下記組成のインク受容層Dに変更する以外は、実施例1と同様にして実施例8のインクジェット記録材料を作製した。
<インク受容層D>
ポリビニルアルコール 100部
(ケン化度88%、平均重合度3,500)
固形分濃度が8質量%になるように水で調整した。
(比較例1)
実施例1の無機顔料である炭酸カルシウムを対パルプ3質量%に変更する以外は、実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例2)
実施例1の無機顔料である炭酸カルシウムを対パルプ18質量%に変更する以外は、実施例1と同様にして比較例2のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例3)
実施例1のJ/W比を1.15に変更する以外は、実施例1と同様にして比較例3のインクジェット記録材料を作製した。尚、パルプ含有液の速度(J)は、115m/minであり、ワイヤー速度(W)は、100m/minであった。
(比較例4)
実施例1のJ/W比を0.85に変更する以外は、実施例1と同様にして比較例4のインクジェット記録材料を作製した。尚、パルプ含有液の速度(J)は、85m/minであり、ワイヤー速度(W)は、100m/minであった。
(比較例5)
抄紙時にシェーキング処理を行わないこと以外は、実施例1と同様にして比較例5のインクジェット記録材料を作製した。
上記のようにして作製したインクジェット記録材料について、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
<巻き取りカール性>
最も上巻きの部分、最も下巻きの部分からL版サイズに裁断された記録材料を13℃35%RH、13℃65%RH、27℃35%RH、27℃65%RHのそれぞれの環境下で8時間調湿した。その後、上記4種の環境下において、印字面を下にして四辺のカール値を測定、平均化し、最も上巻き部と最も下巻き部のカール値との差を求め、カール値の差の合計値を算出した。
○:カール値の差の合計値が5mm未満であった。
△:カール値の差の合計値が5〜10mmであった。
×:カール値の差の合計値が10mmより多かった。
<白紙部の平面性>
中巻きの部分からL版サイズに裁断された記録材料について、白紙部に蛍光灯を映す込み、蛍光灯の像の鮮明さを目視観察を行い、下記の基準で平面性として評価を行った。
○:像の鮮明さが高く、平面性に問題がない。
×:像の鮮明さが乱れており、明らかに平面性が低い。
<ヘッド擦れ>
中巻きの部分からL版サイズに裁断された記録材料を13℃35%RH、13℃65%RH、27℃35%RH、27℃65%RHのそれぞれの環境下で8時間調湿した。その後、上記4種の環境下においてインクジェットプリンタ(セイコーエプソン(株)製、PM−G700)で5枚を2セット、合計40枚を全面縁無しでマゼンタ印字を行ってヘッド擦れの状況を目視確認し、下記の基準で評価した。
○:4環境下の合計のヘッド擦れの発生率が20%未満であった。
△:4環境下の合計のヘッド擦れの発生率が20〜50%であった。
×:4環境下の合計のヘッド擦れの発生率が50%より多かった。
<給紙性>
中巻きの部分からL版サイズに裁断された記録材料を13℃35%RH、13℃65%RH、27℃35%RH、27℃65%RHのそれぞれの環境下で8時間調湿した。その後、上記4種の環境下において、インクジェットプリンタ(セイコーエプソン(株)製、PM−G700)で20枚を2セット、合計160枚を全面縁無しでマゼンタ印字を行って給紙性の状況を目視確認し、下記の基準で評価した。
○:4環境下の合計の給紙不良の回数が20%未満であった。
△:4環境下の合計の給紙不良の回数が20〜50%であった。
×:4環境下の合計の給紙不良の回数が50%より多かった。
Figure 2007253335
上記の結果から、本発明のインクジェット記録材料は従来の記録材料に比べて、巻き取りカール性、給紙性、白紙部の平面性に優れ、ヘッド擦れの発生が抑制されていることが分かる。抄紙時の無機顔料がパルプに対して適性範囲でない場合(比較例1、2)は、ヘッド擦れ、給紙性が満足できるものではなかった。抄紙時のJ/W比が適性範囲でない場合(比較例3、4)は、巻き取りカール性、白紙部の平面性を満足できるものではなかった。抄紙時にシェーキング処理を行っていない場合(比較例5)は、白紙部の平面性を満足できるものではなかった。

Claims (3)

  1. 原紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した樹脂被覆紙支持体上に少なくとも1層のインク受容層を設けたインクジェット記録材料において、原紙に含有される無機顔料がパルプに対して6〜14質量%であり、該原紙の抄紙工程におけるパルプ含有液の速度(J)と、ワイヤー速度(W)との比(J/W比)が0.9〜1.1であり、更にシェーキング処理された原紙を用いることを特徴とするインクジェット記録材料。
  2. 前記インク受容層は平均二次粒径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録材料。
  3. 前記インク受容層の樹脂バインダーの質量が、無機微粒子の質量に対して5〜25質量%であり、且つ、インク受容層の乾燥固形分塗布量が5〜40g/m2であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録材料。
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