JP2022126276A - インクジェット記録材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】両面に印字した際のローラー痕が低減され、かつ低湿度環境下で両面に印字した際のヘッド擦れの発生が抑制されたインクジェット記録材料を提供する。【解決手段】基紙の両面を樹脂層で被覆した樹脂被覆紙支持体の両面に、アルミナあるいはアルミナ水和物を主体として含有するインク吸収層(A)、非晶質合成シリカを主体として含有するインク吸収層(B)、及びコロイダルシリカを含有する保護層(C)をそれぞれこの順で有する。【選択図】なし
Description
本発明は、両面に印字した際のローラー痕が低減され、かつ低湿度環境下において両面に印字した際のヘッド擦れの発生が抑制されたインクジェット記録材料に関する。
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録材料と称される記録媒体が知られており、後者のインクジェット記録材料としては、支持体上に水溶性ポリマーを主成分とする膨潤型のインク吸収層を有する記録材料、あるいは支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる空隙型のインク吸収層を有する記録材料が知られている。
また近年、空隙型のインク吸収層として極微細な無機微粒子を使用し、フォトライクな光沢を有するインクジェット記録材料が知られている。そのような極微細な無機微粒子として、二次粒子径を500nm以下まで粉砕・分散した気相法シリカや湿式法シリカ等の無機微粒子をインク吸収層の顔料成分として用いることが知られており、例えば、特開平10-119423号公報、特開2000-211235号公報、特開2000-309157号公報に気相法シリカの使用例が、特開平9-286165号公報、特開平10-181190号公報に粉砕沈降法シリカの使用例が、特開2001-277712号公報に粉砕ゲル法シリカの使用例が開示されている。また、特開昭62-174183号公報、特開平2-276670号公報、特開平5-32037号公報、特開平6-199034号公報等にアルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が開示されている。特に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有する多孔質なインク吸収層を有するインクジェット記録材料は、高光沢でかつ、優れたインク吸収性が得られる。
このような多孔質なインク吸収層を支持体の両面に有するインクジェット記録材料としては、例えば特開2002-103793号公報(特許文献1)には、支持体上に特定の吸油量と平均二次粒子径を有する無機顔料、および高分子接着剤を含んでなるインク吸収層を支持体の両面に有するインクジェット被記録媒体が記載されており、かかる支持体の一例として樹脂被覆紙が記載されている。また、特開2010-58347号公報(特許文献2)には、原紙の両面がポリオレフィン樹脂で被覆されたポリオレフィン樹脂被覆紙の両面に、該樹脂被覆紙側から順に、カオリンを含有する第1のインク吸収層と、シリカを含有する第2のインク吸収層を少なくとも有するインクジェット記録媒体が記載されている。
しかしながら樹脂被覆紙支持体の両面に、顔料として極微細な無機微粒子を含有するインク吸収層を有するインクジェット記録材料にプリンターで両面印字する場合、最初に印字された記録面に対し紙送りローラーが直ちに接するため、ローラー痕が極めて目立ちやすいという問題があった。また一方の面ともう一方の面に印字するインク量に大きな差が生じた場合、プリンターの印字ヘッドとインクジェット記録材料との間でヘッド擦れが発生する場合があり、かかるヘッド擦れは低湿度環境下で両面印字した際にとりわけ顕著に発生することから、改善が求められていた。
一方、特開2004-195867号公報(特許文献3)には、支持体の一方の面側に、気相法シリカを主体として含有するインク吸収層(A)、アルミナあるいはアルミナ水和物を主体として含有するインク吸収層(B)、およびコロイダルシリカを主体として含有するインク吸収層(C)を支持体側から順に設け、且つ他方の面側に気相法シリカを主体として含有するインク吸収層(D)、および平均粒子径が1~10μmの湿式シリカを主体として含有するインク吸収層(E)を支持体側から順に設けた、はがき用インクジェット記録材料によって、プリンター連続搬送性が改善できることが記載されている。また特開2013-59939号公報(特許文献4)には、基紙の少なくとも片面に気相法シリカを含む光沢発現層を設け、該光沢発現層上に球状のコロイダルシリカと炭化水素系界面活性剤とを含有する保護層が設けることで、プリンターでの搬送性及び搬送時の耐傷性に優れたインクジェット記録材料を得られることが記載されている。しかしながら、低湿度環境下で両面印字した際のヘッド擦れに伴う画像不良に関し、十分満足することはできず、改善が求められていた。
他方、特開2007-276446号公報(特許文献5)には、支持体に近いインク吸収層Aは気相法シリカ、沈降法シリカ、ゲル法シリカおよびアルミナ系微粒子から選ばれる少なくとも1種の無機微粒子を主体に含有するインク吸収層A、該インク吸収層Aよりも支持体から離れたインク吸収層Bは平均一次粒子径6nm以下の気相法シリカを主体に含有し、該インク吸収層Bのさらに支持体から離れた側に平均一次粒子径100nm以下のコロイド状粒子を含有するオーバー層を有するインクジェット記録材料が記載されている。また特開2005-205764号公報(特許文献6)には、樹脂被覆紙支持体上に、気相法シリカを主体として含有するインク吸収層(A)、アルミナあるいはアルミナ水和物を主体として含有するインク吸収層(B)、およびコロイダルシリカを主体として含有するインク吸収層(C)を支持体側から順に設けた、顔料インク用インクジェット記録材料が記載されている。
本発明の目的は、両面に印字した際のローラー痕が低減され、かつ低湿度環境下で両面に印字した際のヘッド擦れの発生が抑制されたインクジェット記録材料を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成される。
基紙の両面を樹脂層で被覆した樹脂被覆紙支持体の両面に、アルミナあるいはアルミナ水和物を主体として含有するインク吸収層(A)、非晶質合成シリカを主体として含有するインク吸収層(B)、及びコロイダルシリカを含有する保護層(C)をそれぞれこの順で有することを特徴とするインクジェット記録材料。
基紙の両面を樹脂層で被覆した樹脂被覆紙支持体の両面に、アルミナあるいはアルミナ水和物を主体として含有するインク吸収層(A)、非晶質合成シリカを主体として含有するインク吸収層(B)、及びコロイダルシリカを含有する保護層(C)をそれぞれこの順で有することを特徴とするインクジェット記録材料。
本発明によれば、両面に印字した際のローラー痕が低減され、かつ低湿度環境下で両面に印字した際のヘッド擦れの発生が抑制されたインクジェット記録材料を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録材料は、基紙の両面を樹脂層で被覆した樹脂被覆紙支持体の両面に、アルミナあるいはアルミナ水和物を主体として含有するインク吸収層(A)、非晶質合成シリカを主体として含有するインク吸収層(B)、及びコロイダルシリカを含有する保護層(C)をそれぞれこの順で有する。
本発明のインクジェット記録材料が有する樹脂被覆紙支持体は、基紙の両面に樹脂被覆層を有する。かかる樹脂被覆紙支持体の合計の厚みは100~250μmであることが好ましい。
上記した樹脂被覆紙支持体の含水率は5~9質量%であることが好ましい。これにより耐カール性が良好なインクジェット記録材料が得られる。樹脂被覆紙支持体の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
樹脂被覆紙支持体を構成する基紙は特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
さらに基紙には、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
また、基紙は抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性のよいものであってもよく、その坪量は80~250g/m2が好ましい。
基紙の両面を被覆する樹脂被覆層には、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン-プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体およびそれらの混合物が使用され、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
また樹脂被覆紙支持体の樹脂被覆層には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
樹脂被覆紙支持体の製造方法としては、走行する基紙上に樹脂被覆層を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法が挙げられ、基紙の両面が樹脂により被覆される。また、樹脂を基紙に被覆する前に基紙の表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。
本発明において樹脂被覆紙支持体は基紙の両面に樹脂被覆層を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造されることが好ましい。この際、クーリングロールは樹脂被覆層の表面形状の形成に使用され、上記クーリングロールの形状を加工することにより、樹脂被覆紙支持体表面の中心線平均粗さRa値が両面とも0.5~1.5μmになるようにすることが好ましい。さらに、好ましくは両面のRa値をそれぞれ0.6~1.2μmの範囲にすることである。支持体表面の中心線平均粗さRa値はJIS-B-0601の規定に定められるカットオフ値0.8mmにおける測定によって求められる。
本発明において、樹脂被覆紙が有する樹脂被覆層の厚さは、表裏ともそれぞれ15~40μmであることが好ましい。
本発明においてインク吸収層(A)はアルミナあるいはアルミナ水和物を主体として含有する。ここで主体として含有するとは、インク吸収層(A)の全固形分に対してアルミナあるいはアルミナ水和物を50質量%以上含有することを意味し、好ましくは65質量%以上である。更にアルミナあるいはアルミナ水和物をインク吸収層(A)の全固形分に対して70質量%以上含有することが好ましい。上限は95質量%以下であることが好ましい。
本発明においてインク吸収層(A)が含有するアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ-アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ-アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で粉砕したものが使用できる。アルミナの平均二次粒子径は500nm以下であることが好ましく、20~300nmであることがより好ましい。
また、本発明においてインク吸収層(A)が含有するアルミナ水和物はAl2O3・nH2O(n=1~3)の構成式で表される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より大きく3未満の場合が疑ベーマイト構造のアルミナ水和物を表す。アルミナ水和物はアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下であることが好ましく、20~300nmであることがより好ましい。
上記したアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の解膠剤によって分散されたものが好ましく用いられる。
インク吸収層(A)が含有するアルミナあるいはアルミナ水和物の塗布量は、固形分として18~36g/m2が好ましく、22~28g/m2であることがより好ましい。これにより、低湿度環境下で印字した際のヘッド擦れと両面印字した際のローラー痕がより低減されたインクジェット記録材料を得ることができる。
本発明においてインク吸収層(A)上に位置するインク吸収層(B)は、非晶質合成シリカを主体に含有する。ここで主体として含有するとは、インク吸収層(B)の全固形分に対して非晶質合成シリカを50質量%以上含有することを意味し、好ましくは65質量%以上である。更に非晶質合成シリカをインク吸収層(B)の全固形分に対して70質量%以上含有することが好ましい。上限は85質量%以下であることが好ましい。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカはケイ酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシール(登録商標)として、丸尾カルシウム(株)からトクシール(登録商標)、ファインシール(登録商標)として、水澤化学工業(株)からミズカシル(登録商標)として市販されている。ゲル法シリカはケイ酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。ゲル法シリカとしては、例えば、東ソー・シリカ(株)からニップゲル(登録商標)として、GCPジャパン(株)からシロイド(登録商標)、シロジェット(登録商標)として、水澤化学工業(株)からミズカシルとして市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学(株)からスノーテックス(登録商標)として市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル(登録商標)、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
インク吸収層(B)には、気相法シリカが好ましく使用できる。本発明に用いられる気相法シリカの平均一次粒子径は30nm以下が好ましい。更に好ましくは平均一次粒子径が3~15nm(特に3~10nm)でかつBET法による比表面積が200m2/g以上(好ましくは250~500m2/g)のものを用いることである。なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径としてその平均値を求めたものである。また本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散したものが好ましく使用できる。気相法シリカの平均二次粒子径は500nm以下であることが好ましく、より好ましくは10~300nmである。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。なお、本発明でいう平均二次粒子径とは、得られたインクジェット記録材料のインク受容層を電子顕微鏡による写真撮影で求めることができるが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば(株)堀場製作所製LA920)を用いて、個数メジアン径として測定することができる。
インク吸収層(B)には、湿式法シリカも好ましく使用できる。ここで用いられる湿式法シリカとしては沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましく、特に沈降法シリカが好ましい。本発明に用いられる湿式法シリカ粒子としては、平均一次粒子径50nm以下、好ましくは3~40nmであり、かつ平均二次粒子径が500nm以下である湿式法シリカ粒子である。平均二次粒子径が20~300nmである湿式法シリカ微粒子を使用することがより好ましい。
湿式法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散・粉砕することが好ましい。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。本発明に用いられる湿式法シリカ微粒子を粉砕する好ましい方法について説明する。まず、水を主体とする分散媒中にシリカ粒子とカチオン性化合物を混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも一つを用いてシリカ予備分散液を得る。必要であれば水分散媒中に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。シリカ予備分散液の固形分濃度は高い方が好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては15~40質量%、より好ましくは20~35質量%である。次に、シリカ予備分散液をより強い剪断力を持つ機械的手段にかけてシリカ粒子を粉砕し、湿式法シリカ微粒子分散液が得られる。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
上記気相法シリカ及び湿式法シリカの分散、あるいは粉砕に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーを好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59-20696号公報、特開昭59-33176号公報、特開昭59-33177号公報、特開昭59-155088号公報、特開昭60-11389号公報、特開昭60-49990号公報、特開昭60-83882号公報、特開昭60-109894号公報、特開昭62-198493号公報、特開昭63-49478号公報、特開昭63-115780号公報、特開昭63-280681号公報、特開平1-40371号公報、特開平6-234268号公報、特開平7-125411号公報、特開平10-193776号公報等に記載された1~3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性及び分散液粘度の面で、これらのカチオン性ポリマーの質量平均分子量は2000~10万程度が好ましく、特に2000~3万程度が好ましい。
上記した無機微粒子の中から2種以上の無機微粒子を併用することもできる。例えば、微粉砕した湿式法シリカと気相法シリカとの併用が挙げられる。
インク吸収層(B)が含有する非晶質合成シリカの塗布量は、固形分として0.5~14g/m2が好ましく、4~10g/m2であることがより好ましい。これにより、低湿度環境下で印字した際のヘッド擦れと両面印字した際のローラー痕がより低減されたインクジェット記録材料を得ることができる。
本発明においてインク吸収層(B)上に位置する保護層(C)はコロイダルシリカを含有する。保護層(C)におけるコロイダルシリカの含有量は、保護層(C)の全固形分量に対して35~85質量%であることが好ましい。
コロイダルシリカは、ゾル法によって合成されたシリカであり、本発明ではカチオン性化合物の存在下で分散したものが好ましく使用できる。分散に用いられるカチオン性化合物としては、水溶性金属化合物が好適に使用できる。
水溶性金属化合物としては、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられ、中でもアルミニウムもしくは周期律表4A族金属(例えばジルコニウム、チタン)からなる化合物が好ましい。特に好ましくは水溶性アルミニウム化合物である。水溶性アルミニウム化合物としては、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。更に、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られており、好ましく用いられる。
これらのものは多木化学(株)よりタキバイン(登録商標)の名で、また(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも市販されており、各種グレードのものが容易に入手できる。
本発明の保護層が含有するコロイダルシリカの平均一次粒子径は10~50nmが好ましく、15~45nmがより好ましい。上記範囲では、白紙部の良好な光沢性、およびインク吸収層との優れた接着性が得られる。このようなコロイダルシリカとして、日本化学工業(株)からシリカドール(登録商標)、(株)ADEKAからアデライト(登録商標)AT、触媒化成工業(株)からカタロイド(登録商標)、日産化学(株)からスノーテックス(登録商標)、扶桑化学(株)からクォートロン(登録商標)などが挙げられる。平均一次粒子径とは、一次粒子が判別できる程度まで分散された粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の一次粒子径として求めた平均径のことである。
本発明の保護層(C)に含有されるコロイダルシリカの塗布量は、固形分として0.02~0.5g/m2であることが好ましい。優れた染料インクの発色性、インクジェット記録材料と顔料インクとの接着性、白紙部の光沢性を得るためには、0.05~0.3g/m2の範囲とすることがより好ましい。
本発明において、前述したインク吸収層(A)およびインク吸収層(B)は親水性バインダーを含有することが好ましい。かかる親水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸エステル系やそれらの誘導体が使用されるが、中でも完全ケン化または部分ケン化のポリビニルアルコールが好ましく、特にケン化度が80%以上のものが特に好ましい。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は500~6000が好ましく、1000~5000がより好ましい。
上記したポリビニルアルコールとして、一般的なポリビニルアルコールに加え、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール及びその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においてインク吸収層(A)および(B)は、上記した親水性バインダーに加えて架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、親水性バインダーの架橋剤として公知のものが使用できるが、親水性バインダーとしてポリビニルアルコールを使用する場合には、ほう酸またはほう酸塩が特に好ましい。また、ポリビニルアルコールが活性の高い変性基を含有する場合には、変性基に応じて公知の架橋剤を使用してもよい。架橋剤の添加量は親水性バインダーに対して0.1~40質量%が好ましく、より好ましくは0.5~30質量%である。
本発明において、インク吸収層の塗布方法は、1層ずつ塗布する逐次塗布方法(例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター等)、あるいは多層同時重層塗布方法(例えば、スライドビードコーターやスライドカーテンコーター等)のいずれの方法であっても、本発明の効果は得られる。あるいは逐次塗布方法と多層同時重層塗布方法を組み合わせることも可能である。本発明ではインク吸収層(A)および(B)の塗布は多層同時重層塗布方法が好ましく、コロイダルシリカを主体として含有する保護層(C)はインク吸収層(A)およびインク吸収層(B)が形成された後、逐次塗布することが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
(実施例1)
<ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これに表面サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、紙力増強剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して0.2質量%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量135g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙の両面に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、樹脂被覆層の厚さが17μmになるように押出被覆し、クーリングロールを用いて基紙の両面を一方ずつ押出被覆した。上記のようにして、厚み160μm、含水率6.8質量%の樹脂被覆紙支持体を作製した。なお、得られた樹脂被覆紙支持体表面の中心線平均粗さRa値(JIS-B-0601に定められるカットオフ値0.8mmにおけるRa値)は両面ともに1.0μmであった。
<ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これに表面サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、紙力増強剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して0.2質量%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量135g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙の両面に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、樹脂被覆層の厚さが17μmになるように押出被覆し、クーリングロールを用いて基紙の両面を一方ずつ押出被覆した。上記のようにして、厚み160μm、含水率6.8質量%の樹脂被覆紙支持体を作製した。なお、得られた樹脂被覆紙支持体表面の中心線平均粗さRa値(JIS-B-0601に定められるカットオフ値0.8mmにおけるRa値)は両面ともに1.0μmであった。
上記のようにして作製したポリオレフィン樹脂被覆紙の一方の面に、下記組成のインク吸収層塗布液(A)を下層として、また下記組成のインク吸収層塗布液(B)を上層としてスライドビードコーターで同時重層塗布した。インク吸収層(A)の乾燥塗布量は30.0g/m2であり、インク吸収層(B)の乾燥塗布量は3.0g/m2である。塗布後、10℃で20秒間冷却後、30~55℃の加熱空気を吹き付けて乾燥した。その後、ポリオレフィン樹脂被覆紙のもう一方の面に、インク吸収層塗布液(A)を下層、インク吸収層塗布液(B)を上層として上記と同様にスライドビードコーターで同時重層塗布した。
<アルミナ一水和物分散液の作製>
水に解膠剤としてアルミナ一水和物粉体に対して60質量%濃度の硝酸が1質量%になるように予め添加しておき、分散装置(プライミクス(株)製、ハイビスディスパーミックス)により撹拌しながら、60分撹拌を続け、固形分濃度28質量%のアルミナ一水和物分散液を作製した。アルミナ一水和物の平均二次粒子径は109nmであった。
水に解膠剤としてアルミナ一水和物粉体に対して60質量%濃度の硝酸が1質量%になるように予め添加しておき、分散装置(プライミクス(株)製、ハイビスディスパーミックス)により撹拌しながら、60分撹拌を続け、固形分濃度28質量%のアルミナ一水和物分散液を作製した。アルミナ一水和物の平均二次粒子径は109nmであった。
<インク吸収層塗布液(A)>
アルミナ一水和物分散液 (アルミナの固形分として)100質量部
ほう酸 0.2質量部
ポリビニルアルコール 7質量部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
アルミナ一水和物分散液 (アルミナの固形分として)100質量部
ほう酸 0.2質量部
ポリビニルアルコール 7質量部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
<気相法シリカ分散液の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)3質量部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、BET法による比表面積300m2/g)100質量部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザー処理して、固形分濃度20質量%の気相法シリカ分散液を作製した。気相法シリカの平均二次粒子径は100nmであった。
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)3質量部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、BET法による比表面積300m2/g)100質量部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザー処理して、固形分濃度20質量%の気相法シリカ分散液を作製した。気相法シリカの平均二次粒子径は100nmであった。
<インク吸収層塗布液(B)>
気相法シリカ分散液 (気相法シリカの固形分として)100質量部
ほう酸 3質量部
ポリビニルアルコール 21質量部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
気相法シリカ分散液 (気相法シリカの固形分として)100質量部
ほう酸 3質量部
ポリビニルアルコール 21質量部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
上述のようにして得られた両面のインク吸収層(B)上のそれぞれに、下記の保護層(C)の塗布液(ポリ塩化アルミニウムの存在下で分散されたコロイダルシリカを含有する塗布液)をグラビアコーターで乾燥塗布量が0.2g/m2となるように塗布し、25~50℃の加熱空気を吹き付けて乾燥させて実施例1のインクジェット記録材料を得た。
<保護層(C)の塗布液>
コロイダルシリカ 100質量部
(扶桑化学(株)製、クォートロンPL-3L、平均一次粒子径35nm)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物 125質量部
(多木化学(株)製、タキバイン#1500、固形分濃度23.5%)
コロイダルシリカ 100質量部
(扶桑化学(株)製、クォートロンPL-3L、平均一次粒子径35nm)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物 125質量部
(多木化学(株)製、タキバイン#1500、固形分濃度23.5%)
(実施例2)
実施例1の両面のインク吸収層塗布液(A)の乾燥塗布量を27.0g/m2、両面のインク吸収層塗布液(B)の乾燥塗布量を6.0g/m2に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2のインクジェット記録材料を得た。
実施例1の両面のインク吸収層塗布液(A)の乾燥塗布量を27.0g/m2、両面のインク吸収層塗布液(B)の乾燥塗布量を6.0g/m2に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2のインクジェット記録材料を得た。
(実施例3)
実施例1の両面のインク吸収層塗布液(A)の乾燥塗布量を24.0g/m2、両面のインク吸収層塗布液(B)の乾燥塗布量を9.0g/m2に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例3のインクジェット記録材料を得た。
実施例1の両面のインク吸収層塗布液(A)の乾燥塗布量を24.0g/m2、両面のインク吸収層塗布液(B)の乾燥塗布量を9.0g/m2に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例3のインクジェット記録材料を得た。
(実施例4)
実施例1の両面のインク吸収層塗布液(A)の乾燥塗布量を21.0g/m2、両面のインク吸収層塗布液(B)の乾燥塗布量を12.0g/m2に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例4のインクジェット記録材料を得た。
実施例1の両面のインク吸収層塗布液(A)の乾燥塗布量を21.0g/m2、両面のインク吸収層塗布液(B)の乾燥塗布量を12.0g/m2に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例4のインクジェット記録材料を得た。
(比較例1)
実施例1において、両面の下層の形成に用いたインク吸収層塗布液(A)をインク吸収層塗布液(B)に変更し、該インク吸収層塗布液(B)の乾燥塗布量を30.0g/m2に変更し、両面の上層の形成に用いたインク吸収層塗布液(B)をインク吸収層塗布液(A)に変更し、該インク吸収層塗布液(A)の乾燥塗布量を3.0g/m2に変更したこと以外は同様にして比較例1のインクジェット記録材料を得た。
実施例1において、両面の下層の形成に用いたインク吸収層塗布液(A)をインク吸収層塗布液(B)に変更し、該インク吸収層塗布液(B)の乾燥塗布量を30.0g/m2に変更し、両面の上層の形成に用いたインク吸収層塗布液(B)をインク吸収層塗布液(A)に変更し、該インク吸収層塗布液(A)の乾燥塗布量を3.0g/m2に変更したこと以外は同様にして比較例1のインクジェット記録材料を得た。
(比較例2)
実施例4において、両面の下層の形成に用いたインク吸収層塗布液(A)をインク吸収層塗布液(B)に変更し、該インク吸収層塗布液(B)の乾燥塗布量を21.0g/m2に変更し、両面の上層の形成に用いたインク吸収層塗布液(B)をインク吸収層塗布液(A)に変更し、該インク吸収層塗布液(A)の乾燥塗布量を12.0g/m2に変更したこと以外は同様にして比較例2のインクジェット記録材料を得た。
実施例4において、両面の下層の形成に用いたインク吸収層塗布液(A)をインク吸収層塗布液(B)に変更し、該インク吸収層塗布液(B)の乾燥塗布量を21.0g/m2に変更し、両面の上層の形成に用いたインク吸収層塗布液(B)をインク吸収層塗布液(A)に変更し、該インク吸収層塗布液(A)の乾燥塗布量を12.0g/m2に変更したこと以外は同様にして比較例2のインクジェット記録材料を得た。
(比較例3)
実施例1において、両面の上層の形成に用いたインク吸収層塗布液(B)を塗布せず、両面の下層をインク吸収層塗布液(A)の乾燥塗布量を33.0g/m2に変更したこと以外は同様にして比較例3のインクジェット記録材料を得た。
実施例1において、両面の上層の形成に用いたインク吸収層塗布液(B)を塗布せず、両面の下層をインク吸収層塗布液(A)の乾燥塗布量を33.0g/m2に変更したこと以外は同様にして比較例3のインクジェット記録材料を得た。
(比較例4)
実施例1において、両面の上層の形成に用いたインク吸収層塗布液(B)を塗布せず、両面の下層のインク吸収層塗布液(A)をインク吸収層塗布液(B)に変更し、該インク吸収層塗布液(B)の乾燥塗布量を33.0g/m2に変更したこと以外は同様にして比較例4のインクジェット記録材料を得た。
実施例1において、両面の上層の形成に用いたインク吸収層塗布液(B)を塗布せず、両面の下層のインク吸収層塗布液(A)をインク吸収層塗布液(B)に変更し、該インク吸収層塗布液(B)の乾燥塗布量を33.0g/m2に変更したこと以外は同様にして比較例4のインクジェット記録材料を得た。
(比較例5)
実施例1において、両面の保護層(C)を塗布しないこと以外は同様にして比較例5のインクジェット記録材料を得た。
実施例1において、両面の保護層(C)を塗布しないこと以外は同様にして比較例5のインクジェット記録材料を得た。
(比較例6)
実施例4において、両面の保護層(C)を塗布しないこと以外は同様にして比較例6のインクジェット記録材料を得た。
実施例4において、両面の保護層(C)を塗布しないこと以外は同様にして比較例6のインクジェット記録材料を得た。
上記のようにして作製したインクジェット記録材料について下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
<ヘッド擦れ評価>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、EP-882A)にて一方の面に全面黒の画像を印字後、すぐに裏返してもう一方の面に幅1mmの黒線を通紙方向の中心に引いた画像を印字したときの、2回目に印字した際のヘッド擦れの頻度を評価した。評価は、35℃20%RHの環境下で行った。この結果を表1に示す。
○:5枚中、全てにおいてヘッド擦れが発生しない。
△:5枚中、1から3枚においてヘッド擦れが発生した。
×:5枚中、全てにおいてヘッド擦れが発生した。
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、EP-882A)にて一方の面に全面黒の画像を印字後、すぐに裏返してもう一方の面に幅1mmの黒線を通紙方向の中心に引いた画像を印字したときの、2回目に印字した際のヘッド擦れの頻度を評価した。評価は、35℃20%RHの環境下で行った。この結果を表1に示す。
○:5枚中、全てにおいてヘッド擦れが発生しない。
△:5枚中、1から3枚においてヘッド擦れが発生した。
×:5枚中、全てにおいてヘッド擦れが発生した。
<ローラー痕評価>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、EP-882A)にて一方の面に全面黒の画像を印字後、すぐに裏返してもう一方の面に幅1mmの黒線を通紙方向の中心に引いた画像を印字したときの1回目に印字した面のローラー痕の状態を下記の基準に従い評価した。この結果を表1に示す。
○:ローラー痕が認められない、あるいはごく僅かに認められた。
△:ローラー痕が認められたが、許容範囲のレベルである。
×:ローラー痕が明らかに認められ、問題となるレベルである。
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、EP-882A)にて一方の面に全面黒の画像を印字後、すぐに裏返してもう一方の面に幅1mmの黒線を通紙方向の中心に引いた画像を印字したときの1回目に印字した面のローラー痕の状態を下記の基準に従い評価した。この結果を表1に示す。
○:ローラー痕が認められない、あるいはごく僅かに認められた。
△:ローラー痕が認められたが、許容範囲のレベルである。
×:ローラー痕が明らかに認められ、問題となるレベルである。
表1の結果から明らかなように、本発明によって、両面で印字した際のローラー痕が低減され、かつ低湿度環境下で両面に印字した際のヘッド擦れの発生が抑制されたインクジェット記録材料を提供することができる。
Claims (1)
- 基紙の両面を樹脂層で被覆した樹脂被覆紙支持体の両面に、アルミナあるいはアルミナ水和物を主体として含有するインク吸収層(A)、非晶質合成シリカを主体として含有するインク吸収層(B)、およびコロイダルシリカを含有する保護層(C)をそれぞれこの順に有することを特徴とするインクジェット記録材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021024260A JP2022126276A (ja) | 2021-02-18 | 2021-02-18 | インクジェット記録材料 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2021024260A JP2022126276A (ja) | 2021-02-18 | 2021-02-18 | インクジェット記録材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022126276A true JP2022126276A (ja) | 2022-08-30 |
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JP2021024260A Pending JP2022126276A (ja) | 2021-02-18 | 2021-02-18 | インクジェット記録材料 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2022126276A (ja) |
-
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- 2021-02-18 JP JP2021024260A patent/JP2022126276A/ja active Pending
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