JP2023127134A - インクジェット記録材料 - Google Patents

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【課題】両面に印字する際にインクジェット記録用紙同士が擦れることによって生じるインク吸収不良が軽減されたインクジェット記録材料を提供する。【解決手段】基紙の両面に樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙支持体の両面に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体として含有するインク受容層、およびヤング率が165N/mm2以下の非反応型ウレタン樹脂を含有する保護層を該樹脂被覆紙支持体側からこの順に有する。【選択図】なし

Description

本発明は、両面に印字する際にインクジェット記録用紙同士が擦れることによって生じるインク吸収不良が軽減されたインクジェット記録材料に関する。
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録材料と称される記録媒体が知られており、後者のインクジェット記録材料としては、支持体上に水溶性ポリマーを主成分とする膨潤型のインク受容層を有する記録材料、あるいは支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる空隙型のインク受容層を有する記録材料が知られている。
また近年、空隙型のインク受容層として極微細な無機微粒子を使用し、フォトライクな光沢を有するインクジェット記録材料が知られている。そのような極微細な無機微粒子として、二次粒子径を500nm以下まで粉砕・分散した気相法シリカや湿式法シリカ等の無機微粒子をインク受容層の顔料成分として用いることが知られており、例えば、特開平10-119423号公報、特開2000-211235号公報、特開2000-309157号公報に気相法シリカの使用例が、特開平9-286165号公報、特開平10-181190号公報に粉砕沈降法シリカの使用例が、特開2001-277712号公報に粉砕ゲル法シリカの使用例が開示されている。また、特開昭62-174183号公報、特開平2-276670号公報、特開平5-32037号公報、特開平6-199034号公報等にアルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が開示されている。特に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有する多孔質なインク受容層を有するインクジェット記録材料は、高光沢でかつ、優れたインク吸収性が得られる。
このような多孔質なインク受容層を支持体の両面に有するインクジェット記録材料としては、例えば特開2002-103793号公報(特許文献1)には、支持体上に特定の吸油量と平均二次粒子径を有する無機顔料、および高分子接着剤を含むインク受容層を支持体の両面に有するインクジェット被記録媒体が記載されており、かかる支持体の一例として樹脂被覆紙が記載されている。また、特開2010-58347号公報(特許文献2)には、原紙の両面がポリオレフィン樹脂で被覆されたポリオレフィン樹脂被覆紙の両面に、該樹脂被覆紙側から順に、カオリンを含有する第1のインク受容層と、シリカを含有する第2のインク受容層を有するインクジェット記録媒体が記載されている。
一方、特開2013-59939号公報(特許文献3)には、基紙の少なくとも片面に気相法シリカを含む光沢発現層を設け、該光沢発現層上に球状のコロイダルシリカと炭化水素系界面活性剤とを含有する保護層を設けることで、プリンターでの搬送性及び搬送時の耐傷性に優れたインクジェット記録材料を得られることが記載されている。しかしながらプリンターで両面印字する場合、下カセットにセットされたインクジェット記録用紙同士が擦れることでインク吸収不良が発生するという問題があり、改善が求められていた。
他方、特開2011-126018号公報(特許文献4)には、耐擦過性に優れるインクジェット記録材料として、無機微粒子、ヤング率が2.0Pa以上12Pa以下(2×10-6N/mm以上1.2×10-5N/mm以下)のカチオン性ディスパージョン粒子および水溶性樹脂を含むインク受容層を有するインクジェット記録材料が記載されている。
特開2002-103793号公報 特開2010-58347号公報 特開2013-59939号公報 特開2011-126018号公報
本発明の目的は、両面に印字する際にインクジェット記録用紙同士が擦れることによって生じるインク吸収不良が軽減されたインクジェット記録材料を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成される。
基紙の両面に樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙支持体の両面に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体として含有するインク受容層、およびヤング率が165N/mm以下の非反応型ウレタン樹脂を含有する保護層を該樹脂被覆紙支持体側からこの順に有することを特徴とするインクジェット記録材料。
本発明によれば、両面に印字する際にインクジェット記録用紙同士が擦れることによって生じるインク吸収不良が軽減されたインクジェット記録材料を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録材料が有する樹脂被覆紙支持体は、基紙の両面に樹脂被覆層を有する。かかる樹脂被覆紙支持体の合計の厚みは100~250μmであることが好ましい。
上記した樹脂被覆紙支持体の含水率は5~9質量%であることが好ましい。これにより耐カール性が良好なインクジェット記録材料が得られる。樹脂被覆紙支持体の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
樹脂被覆紙支持体を構成する基紙は特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
さらに基紙には、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
また、基紙は抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものであってもよく、その坪量は80~250g/mが好ましい。
基紙の両面を被覆する樹脂被覆層は、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン-プロピレン共重合体などの2つ以上のオレフィンの共重合体およびそれらの混合物を含有することができ、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
また樹脂被覆紙支持体の樹脂被覆層は、二酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩などの滑剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて含有することができる。
樹脂被覆紙支持体の製造方法としては、走行する基紙上に樹脂被覆層を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法が挙げられ、基紙の両面が樹脂により被覆される。また、樹脂を基紙に被覆する前に基紙の片面あるいは両面にコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。
本発明において樹脂被覆紙支持体は基紙の両面に樹脂被覆層を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造されることが好ましい。この際、クーリングロールは樹脂被覆層の表面形状の形成に使用され、上記クーリングロールの形状を加工することにより、樹脂被覆紙支持体表面の中心線平均粗さRa75値を両面とも0.5~1.5μmとすることが好ましい。さらに好ましくは、両面のRa75値はそれぞれ0.6~1.2μmの範囲である。樹脂被覆紙支持体表面の中心線平均粗さRa75値はJIS-B-0601 2013の規定に定められるカットオフ値0.8mmにおける測定によって求められる。
本発明において、樹脂被覆紙支持体が有する樹脂被覆層の厚さは、表裏ともそれぞれ15~40μmであることが好ましい。
<インク受容層>
以下、インク受容層について詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録材料は、前記した樹脂被覆紙支持体の両面に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体として含有するインク受容層を有する。該インク受容層は、2層以上から構成されていてもよく、この場合、それらのインク受容層の構成はお互いに同じであっても異なっていてもよい。なお本発明において無機微粒子を主体に含有するとは、インク受容層における無機微粒子の占める割合が全固形分の50質量%以上であることを意味し、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。上限は85質量%以下であることが好ましい。これにより高いインク吸収性に加え、極めて優れた光沢性が得られることから、フォトライクな画像を記録するのに好適なインクジェット記録材料を得ることができる。
<無機微粒子>
インク受容層が含有する平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子としては、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等公知の各種微粒子が挙げられるが、得られる画像の印字濃度や、画像の鮮明性の点で非晶質合成シリカ、アルミナまたはアルミナ水和物が好ましい。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカはケイ酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシール(登録商標)として、丸尾カルシウム(株)からトクシール(登録商標)、ファインシール(登録商標)として、水澤化学工業(株)からミズカシル(登録商標)として市販されている。ゲル法シリカはケイ酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。ゲル法シリカとしては、例えば、東ソー・シリカ(株)からニップゲル(登録商標)として、GCPジャパン(株)からシロイド(登録商標)、シロジェット(登録商標)として、水澤化学工業(株)からミズカシルとして市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学(株)からスノーテックス(登録商標)として市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル(登録商標)、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明には、気相法シリカが好ましく使用できる。本発明に用いられる気相法シリカの平均一次粒子径は30nm以下が好ましい。更に好ましくは平均一次粒子径が3~15nm(特に3~10nm)でかつBET法による比表面積が200m/g以上(好ましくは250~500m/g)のものを用いることである。なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、(微)粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径としてその平均値を求めたものである。また本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散したものが好ましく使用できる。気相法シリカの平均二次粒子径は500nm以下であり、より好ましくは10~300nmである。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。なお、本発明でいう平均二次粒子径とは、レーザー散乱式の粒度分布計(例えば(株)堀場製作所製LA920)を用いて、個数メジアン径として測定したものを指す。
本発明では、湿式法シリカも好ましく使用できる。ここで用いられる湿式法シリカとしては沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましく、特に沈降法シリカが好ましい。本発明に用いられる湿式法シリカ粒子としては、平均一次粒子径50nm以下、好ましくは3~40nmであり、かつ平均二次粒子径が500nm以下である湿式法シリカ粒子である。平均二次粒子径が20~300nmである湿式法シリカ微粒子を使用することがより好ましい。
湿式法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散・粉砕することが好ましい。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。本発明に用いられる湿式法シリカ微粒子を粉砕する好ましい方法について説明する。まず、水を主体とする分散媒中にシリカ粒子とカチオン性化合物を混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも一つを用いてシリカ予備分散液を得る。必要であれば水分散媒中に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。シリカ予備分散液の固形分濃度は高い方が好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては15~40質量%、より好ましくは20~35質量%である。次に、シリカ予備分散液をより強い剪断力を持つ機械的手段にかけてシリカ粒子を粉砕し、湿式法シリカ微粒子分散液が得られる。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
上記気相法シリカ及び湿式法シリカの分散に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーを好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59-20696号公報、特開昭59-33176号公報、特開昭59-33177号公報、特開昭59-155088号公報、特開昭60-11389号公報、特開昭60-49990号公報、特開昭60-83882号公報、特開昭60-109894号公報、特開昭62-198493号公報、特開昭63-49478号公報、特開昭63-115780号公報、特開昭63-280681号公報、特開平1-40371号公報、特開平6-234268号公報、特開平7-125411号公報、特開平10-193776号公報等に記載された1~3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性及び分散液粘度の面で、これらのカチオン性ポリマーの質量平均分子量は2000~10万が好ましく、特に2000~3万が好ましい。
本発明では、アルミナも好ましく使用できる。インク受容層が含有するアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ-アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ-アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で粉砕したものが使用できる。アルミナの平均二次粒子径は500nm以下であり、20~300nmであることがより好ましい。
また、本発明では、アルミナ水和物も好ましく使用できる。インク受容層が含有するアルミナ水和物はAl・nHO(n=1~3)の構成式で表される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より大きく3未満の場合が疑ベーマイト構造のアルミナ水和物を表す。アルミナ水和物はアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下であり、20~300nmであることがより好ましい。
上記したアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の解膠剤によって分散されたものが好ましく用いられる。
上記した無機微粒子の中から2種以上の無機微粒子を併用することもできる。例えば、微粉砕した湿式法シリカと気相法シリカとの併用やアルミナ水和物と気相法シリカとの併用が挙げられるが、インク吸収容量や耐スクラッチ性の点で無機微粒子として非晶質合成シリカを単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることがより好ましい。
<親水性バインダー>
本発明においてインク受容層は、皮膜としての特性を維持するためと、透明性が高くインクのより高い浸透性を得るために親水性バインダーを含有することが好ましい。親水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルエステル系やそれらの誘導体が使用されるが、特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。また平均重合度が500~5000のポリビニルアルコールが好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61-10483号公報に記載されているような、第1級~第3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールが例示される。
インク受容層における親水性バインダーの含有量は無機微粒子に対して5~50質量%の範囲が好ましく、10~30質量%がより好ましい。
本発明において、インク受容層は上記親水性バインダーと共に架橋剤(硬膜剤)を含有することが好ましく、架橋剤を用いることによって良好な表面光沢、高いインク吸収性が得られ、印字後の滲みが小さくなる。架橋剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロロペンタンジオンの如きケトン化合物、N,N′-ビス(2-クロロエチル尿素)、2-ヒドロキシ-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン、米国特許第3,288,775号明細書記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号明細書記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号明細書記載の如きN-メチロール化合物、米国特許第3,103,437号明細書記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号明細書記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号明細書記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号明細書記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸、ほう酸塩、ほう砂の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸、ほう砂またはほう酸塩が好ましい。ほう酸は、オルトほう酸、メタほう酸等が、ほう酸塩としてはそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。親水性バインダーに対する架橋剤の含有率は、0.02~50質量%が好ましく、0.5~35質量%がより好ましい。
本発明においてインク受容層の乾燥塗布量は、インク吸収性、及び生産性の面で、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子の固形分塗布量として5~35g/mが好ましく、10~30g/mがより好ましい。インク受容層が2層以上から構成される場合は、各層の乾燥塗布量を合計した値が前記した範囲であることが好ましい。
本発明において、インク受容層は、更に界面活性剤、着色染料、着色顔料、インク染料定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を含有することもできる。
<保護層>
本発明のインクジェット記録材料は、樹脂被覆紙支持体の両面のインク受容層上にヤング率が165N/mm以下の非反応型ウレタン樹脂を主体として含有する保護層を有する。ここで主体として含有するとは、該保護層の全固形分に対して非反応型ウレタン樹脂を50質量%以上含有することを意味する。表面層には非反応型ウレタン樹脂以外にその他成分を50質量%未満の範囲で含有させてもよい。非反応型ウレタン樹脂とは、ブロック剤で保護したイソシアネート基を有さないウレタン樹脂に親水性を付与した自己乳化型、あるいは強制的に乳化したものである。このような非反応型ウレタン樹脂としては、例えば第一工業製薬(株)製のスーパーフレックス(登録商標)シリーズが市販されており、インク吸収性に優れたインクジェット記録用紙が得られることから好適に用いることができる。また、非反応型ウレタン樹脂の粒子径は、インク吸収性の観点から、インク受容層の空隙径よりも大きいことが好ましく、0.02~1μmの範囲であることが好ましい。インク受容層が2層以上から構成される場合、該保護層は支持体から最も離れた位置のインク受容層上に設けられる。なお、ヤング率の下限は0.01N/mm以上であることが好ましい。
本発明において、ヤング率が165N/mm以下の非反応型ウレタン樹脂の塗布量は、固形分として0.02~0.3g/mであることが好ましく、0.04~0.15g/mがさらに好ましい。0.3g/mよりも高塗布量になるとインク吸収阻害を生じる可能性がある。
本発明において、インク受容層の塗布方法は、1層ずつ塗布する逐次塗布方法(例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター等)、あるいは多層同時重層塗布方法(例えば、スライドビードコーターやスライドカーテンコーター等)の何れの方法であっても、本発明の効果は得られる。本発明では、ヤング率が165N/mm以下の非反応型ウレタン樹脂を含有する保護層はインク受容層が形成された後、逐次塗布することが好ましい。
本発明において、保護層形成用塗液の塗布方法は、リバースグラビア方式やダイレクトグラビア方式、マイクログラビア方式、スライドホッパー方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロッドバーコーティング方式、及びロールコーティング方式等の通常用いられている塗布方法を用いることができる。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
(実施例1)
<ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これに表面サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、紙力増強剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して0.2質量%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量135g/mになるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の基紙とした。抄造した基紙の両面に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、樹脂被覆層の厚さが17μmになるように押出被覆し、クーリングロールを用いて基紙の両面を一方ずつ押出被覆した。上記のようにして、厚み160μm、含水率6.8質量%のポリオレフィン樹脂被覆紙支持体を作製した。なお、得られたポリオレフィン樹脂被覆層紙支持体表面の中心線平均粗さRa75値(JIS-B-0601 2013に定められるカットオフ値0.8mmにおけるRa75値)は両面ともに1.0μmであった。
上記のようにして作製したポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の一方の面に、下記組成のインク受容層塗布液をスライドビードコーターで塗布した。インク受容層の乾燥塗布量は25.0g/m(無機微粒子の乾燥塗布量として19.2g/m)である。塗布後、10℃で20秒間冷却後、30~55℃の加熱空気を吹き付けて乾燥した。その後、ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体のもう一方の面に、インク受容層塗布液を上記と同様にスライドビードコーターで塗布した。
<気相法シリカ分散液の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(質量平均分子量9000)3部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、BET法による比表面積300m/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザー処理して、固形分濃度20質量%の気相法シリカ分散液を作製した。気相法シリカの平均二次粒子径は100nmであった。
<インク受容層塗布液>
気相法シリカ分散液 (気相法シリカの固形分として)100質量部
ほう酸 4質量部
ポリビニルアルコール 23質量部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
上述のようにして得られた両面のインク受容層上のそれぞれに、下記の保護層塗布液1をグラビアコーターで乾燥塗布量が0.1g/mとなるように塗布し、25~50℃の加熱空気を吹き付けて乾燥させて実施例1のインクジェット記録材料を得た。
<保護層塗布液1>
スーパーフレックス460(第一工業製薬(株)製、ヤング率8.5N/mm、平均粒径0.04μm)を水に加え、固形分濃度が0.5質量%になるように調整した。
(実施例2)
実施例1の保護層塗布液1を下記組成の保護層塗布液2に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録材料を得た。
<保護層塗布液2>
スーパーフレックス470(第一工業製薬(株)製、ヤング率13N/mm、平均粒径0.05μm)を水に加え、固形分濃度が0.5質量%になるように調整した。
(実施例3)
実施例1の保護層塗布液1を下記組成の保護層塗布液3に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記録材料を得た。
<保護層塗布液3>
スーパーフレックスE-2000(第一工業製薬(株)製、ヤング率11N/mm、平均粒径0.7μm)を水に加え、固形分濃度が0.5質量%になるように調整した。
(実施例4)
実施例1の保護層塗布液1を下記組成の保護層塗布液4に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例4のインクジェット記録材料を得た。
<保護層塗布液4>
スーパーフレックスE-4800(第一工業製薬(株)製、ヤング率3.9N/mm、平均粒径0.3μm)を水に加え、固形分濃度が0.5質量%になるように調整した。
(比較例1)
実施例1の保護層塗布液1を下記組成の保護層塗布液5に変更したこと以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を得た。
<保護層塗布液5>
スーパーフレックス170(第一工業製薬(株)製、ヤング率884N/mm、平均粒径0.04μm)を水に加え、固形分濃度が0.5質量%になるように調整した。
(比較例2)
実施例1の保護層塗布液1を下記組成の保護層塗布液6に変更したこと以外は実施例1と同様にして比較例2のインクジェット記録材料を得た。
<保護層塗布液6>
スーパーフレックス420(第一工業製薬(株)製、ヤング率565N/mm、平均粒径0.01μm)を水に加え、固形分濃度が0.5質量%になるように調整した。
(比較例3)
実施例1の保護層塗布液1を下記組成の保護層塗布液7に変更したこと以外は実施例1と同様にして比較例3のインクジェット記録材料を得た。
<保護層塗布液7>
スーパーフレックス500M(第一工業製薬(株)製、ヤング率319N/mm、平均粒径0.14μm)を水に加え、固形分濃度が0.5質量%になるように調整した。
(比較例4)
実施例1の保護層塗布液1を下記組成の保護層塗布液8に変更したこと以外は実施例1と同様にして比較例4のインクジェット記録材料を得た。
<保護層塗布液8>
スーパーフレックス620(第一工業製薬(株)製、ヤング率2654N/mm、平均粒径0.02μm)を水に加え、固形分濃度が0.5質量%になるように調整した。
上記のようにして作製したインクジェット記録材料について下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
<擦れによるインク吸収不良評価>
市販の染料タイプのインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、EP-882A)にて下カセットにインクジェット記録材料を3枚入れて、片面に全面黒の画像を印字し、さらにもう一方の面に全面黒の画像を印字したときの状態を下記の基準に従い目視で評価した。この結果を表1に示す。
○:白抜けが認められない、あるいは僅かに認められるが問題ないレベル。
×:白抜けが点在していて、問題となるレベルである。
表1の結果から明らかなように、本発明によって、両面に印字する際にインクジェット記録用紙同士が擦れることによって生じるインク吸収不良が軽減されたインクジェット記録材料を提供することができる。

Claims (1)

  1. 基紙の両面に樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙支持体の両面に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体として含有するインク受容層、およびヤング率が165N/mm以下の非反応型ウレタン樹脂を含有する保護層を該樹脂被覆紙支持体側からこの順に有することを特徴とするインクジェット記録材料。
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