JP4303740B2 - インクジェット記録シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高い光沢を保持し、染料インクと顔料インクの両方に優れた画像再現性を持ち、かつ、コストパフォーマンスに優れたインクジェット記録シート及びその製造方法に関する。
近年、コンピューター技術の飛躍的な進歩とその低価格化によってデジタル画像の取り扱いが極めて容易になり、それに伴って高性能なパーソナルプリンタが開発されて広く普及しており、フルカラー印刷を手軽に行うことが可能になった。現在、パーソナルプリンタとして最も普及しているのはインクジェット方式のプリンタであり、インクジェット方式の利点としては、多色化が容易なこと、高速印刷が可能であること、非接触型で低騒音であること、装置が小型で安価なことが挙げられる。
インクジェット方式の画像形成システムは、次のとおりである。すなわち、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなどの各色の染料又は顔料インクを、サーマル方式、ピエゾ方式などによってノズルから微小な液滴として吐出し、インクジェット記録用媒体上に画像を形成せしめる。
インクジェット記録用媒体に要求される特性としては、インク吸収容量が大きくインク吸収速度が速いこと、発色が鮮やかで均一であること、滲みが少なく解像度が高いことなどが挙げられる。
前記の適性を得るため、インクジェット記録用紙においては、合成非晶質シリカを主成分とした、数μmから数十μm厚までのインク吸収層を基材上に形成させることで、より大きなインク吸収容量と鮮やかな発色性を実現した、いわゆるインクジェット専用紙が主流となっている。
また、デジタルカメラに代表されるデジタル画像技術の飛躍的な進歩に伴い、フォト画像をインクジェットプリンタによって印刷することが一般的となったが、このときには、銀塩写真と同等の高級感と印刷精細感を得るために、表面にナノオーダーの極微細粒子からなる光沢層を設けた、いわゆる光沢タイプのインクジェット記録用媒体も普及している。
また近年、パーソナル用途のインクジェットプリンタで顔料インクを用いる機種が普及している。しかし、顔料インクの吸収特性が染料インクとは異なるため、それらの適性を両立するインクジェット記録用媒体には、よりハイレベルな技術が必要となる。
例えば、インクジェット記録用媒体の記録層に用いる顔料としては、珪酸アルカリを鉱酸で中和又はゲル化して得られる湿式シリカが公知である(例えば、特許文献1又は2参照。)。
また、光沢インクジェット記録用媒体に好適に用いられる顔料として、アルミナの水和物又はアルミナのγ結晶体も従来知られている(例えば、特許文献3又は4参照。)。
また、珪素ハロゲン化物を炎中で酸化して得られるいわゆる乾式シリカ又は気相法シリカと呼ばれるシリカ粉体は、その優れたインク吸収能及び透明性並びに比較的安いコストによって近年光沢インクジェット記録用媒体の顔料として注目を集めている(例えば、特許文献5参照。)。
さらに、湿式シリカを粉砕機によって数百nmまで粉砕し、光沢発現能を高める技術が提案されている(例えば、特許文献6参照。)。
また、特に顔料インクに対する適性を向上させる方法として、光沢面表面の亀裂面積率を規定することが提案されている(例えば、特許文献7参照。)。
特公平5−071394号公報 特公平2−1764号公報 特開昭60−245588号公報 特許第3733283号公報 特公平3−56552号公報 特開2004−243740号公報 特開2006−15632号公報
しかしながら、特許文献1又は2に記載のように、記録層に用いる顔料として珪酸アルカリを鉱酸で中和又はゲル化して得られる湿式シリカを用いることは公知ではあるが、通常、市販されている湿式沈降法シリカ粉体(例えば、株式会社トクヤマ製ファインシール又は東ソー・シリカ株式会社製ニップシル。)又は湿式ゲル法シリカ粉体(例えば、グレースデビソン社製サイロジェット又は水澤化学工業株式会社製ミズカシル。)を単に水中に分散してインクジェット光沢層に用いた場合、1μm以上という大きな粒子径ゆえに、十分な表面光沢性が得られなかった。
また、特許文献3又は4に記載のように、顔料としてアルミナの水和物又はアルミナのγ結晶体を使用することは公知であるが、酸化アルミニウムは、原料ソースがアルミニウムであるがゆえに、コストが高いという基本的な弱点を回避することができない。
また、特許文献5で使用する気相法シリカは、非常に嵩高く取り扱うときの粉塵発生が著しく、溶媒への分散に非常に手間がかかり非効率的であることに加え、コスト面においても、まだ湿式製法によるシリカに及ばない。
また、特許文献6の提案では、湿式シリカを各種のミルで粉砕する必要があるが、実際にはこの工程は、非常に時間とエネルギーが必要で、コストアップの大きな要因となる。
さらに特許文献7の提案の中では、実際の技術的課題である、亀裂面積をコントロールする具体的な方法について記述がなく、解決策となりえないものである。
上述の如く、染料インク及び顔料インクの両方に優れた画像再現性を持ち、かつ、コストパフォーマンスに優れた光沢タイプのインクジェット記録シートはまだ存在しない。本発明は、上記課題を解決することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、支持体上少なくとも1層以上の記録層を設けたインクジェット記録シートにおいて、インクジェット記録層の最上層が微細顔料とバインダーとを主成分とした光沢インク受容層であり、該微細顔料中に、粒子の形成から塗布直前に至るまで一度も乾燥状態を経ていない湿式シリカを含有せしめることで、高い光沢を保持し、染料及び顔料インク共に高い画像再現性を持ち、かつ、コストパフォーマンスに優れたインクジェット記録シートを得ることに成功した。
具体的には、本発明に係るインクジェット記録シートの製造方法によって得られたインクジェット記録シートは、基材上の少なくとも片面に、1層以上のインクジェット記録層を設けたインクジェット記録シートにおいて、前記インクジェット記録層の最上層が微細顔料とバインダーとを主成分とした光沢インク受容層であり、該光沢インク受容層の下に1層以上の下層インク受容層が設けられており、前記光沢インク受容層の乾燥塗工量が2〜40g/mであり、前記光沢インク受容層がキャスト法によって形成されており、前記微細顔料は、その30〜100質量%が、平均二次粒子径が3μm〜30μmで前記下層インク受容層の表面への塗布直前まで一度も乾燥状態を経ておらず、かつ、粉砕工程を経ていない沈降法シリカであり、該沈降法シリカのBET比表面積が180〜300m/gであり、かつ、JIS Z 8741:1997「鏡面光沢度−測定方法」に準じて測定した20度鏡面光沢度が10%以上であることを特徴とする。湿式シリカのBET比表面積を上記範囲とすることで、インク吸収能に優れ、かつ、所望の表面光沢が得られやすい。また、光沢インク受容層の乾燥塗工量を上記範囲とすることで、十分な表面平滑性と所望の表面光沢性が得られやすく、かつ、塗工層の粉落ち及び/又は塗工層の脱落がし難い。さらに、光沢インク受容層をキャスト法で形成するが、これは、高い圧力で塗工層を鏡面に押し付けるキャスト法が、比較的粒子径が大きく、柔らかい粒子を用いて高光沢を得るという本発明の主旨に良く合致するためである。さらに、沈降法シリカは、直接シリカ粒子が生成して得られ、その上、得られる粒子が柔らかく、粉砕工程が無くとも比較的高い光沢を得ることができる。
本発明に係るインクジェット記録シートの製造方法は、基材上の少なくとも片面に、インクジェット記録層用塗工液を塗布して1層以上のインクジェット記録層を設けたインクジェット記録シートの製造方法において、前記基材の表面に1層以上の下層インク受容層を設け、該下層インク受容層の上に、前記インクジェット記録層の最上層となる光沢インク受容層用のインクジェット記録層用塗工液として、微細顔料とバインダーとを主成分として含有し、前記微細顔料の30〜100質量%が平均二次粒子径3μm〜30μmで前記基材への塗布直前まで一度も乾燥状態を経ておらず、かつ、粉砕工程を経ていない、BET比表面積が180〜300m/gの沈降法シリカである塗工液を使用して、乾燥塗工量が2〜40g/mとなるように、キャスト法によって光沢インク受容層を形成し、JIS Z 8741:1997「鏡面光沢度−測定方法」に準じて測定した20度鏡面光沢度が10%以上の表面に仕上げることを特徴とする。比較的粒子径が大きく、柔らかい粒子の使用と、高い圧力で塗工層を鏡面に押し付けるキャスト法の採用との組み合わせによって、高光沢を得ることができる。
本発明によって、高い光沢を保持し、インクジェット印刷において、染料インク及び顔料インク共に高いインク吸収性と画像再現性とを保ちつつ、かつ、コストパフォーマンスに優れるインクジェット記録シートを得ることができた。
以下、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。本実施形態に係るインクジェット記録シートの製造方法によって得られたインクジェット記録シートは、基材上の少なくとも片面に、1層以上のインクジェット記録層を設けたインクジェット記録シートにおいて、前記インクジェット記録層の最上層が微細顔料とバインダーとを主成分とした光沢インク受容層であり、該光沢インク受容層の下に1層以上の下層インク受容層が設けられており、前記光沢インク受容層の乾燥塗工量が2〜40g/mであり、前記光沢インク受容層がキャスト法によって形成されており、前記微細顔料は、その30〜100質量%が、平均二次粒子径が3μm〜30μmで前記下層インク受容層の表面への塗布直前まで一度も乾燥状態を経ておらず、かつ、粉砕工程を経ていない沈降法シリカであり、該沈降法シリカのBET比表面積が180〜300m/gであり、かつ、JIS Z 8741:1997「鏡面光沢度−測定方法」に準じて測定した20度鏡面光沢度が10%以上である。
本発明に係るインクジェット記録シートは、微細顔料中に、粒子の形成から塗布直前に至るまで一度も乾燥状態を経ていない湿式シリカを含有しているので、高い光沢を保持し、染料及び顔料インク共に高い画像再現性を持ち、かつ、コストパフォーマンスに優れている。本発明者らは、これについて次のように推測する。つまり、乾燥状態を経たシリカ粒子は、密で硬い粒子となるため、溶媒への再分散後に粉砕工程を経ない場合、粗粒子の影響で十分な表面平滑を得られず所望の表面光沢性を得られない。これに対して、乾燥状態を経ていないシリカ粒子は、非常にポーラスで柔らかく、圧力によって容易に変形するため、粗粒子があっても十分な表面平滑性を得ることができ、結果として粉砕工程なしで高い光沢面を得ることができる。また、顔料インク適性が優れる理由については定かではないが、おそらくシリカが乾燥状態を経ていないために塗工膜乾燥時の収縮力が弱く、塗工面にひび割れを形成しにくいものと推測される。
本実施形態に係るインクジェット記録シートにおいて使用する基材は、例えば、酸性又は中性の上質紙、中質紙及び板紙、不織布、樹脂被覆紙、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの合成樹脂フィルムなどが挙げられ、本発明では限定されないが、塗工基材として平滑性及び塗工液の塗工適性を具備したものを使用することが好ましい。また、キャスト法を用いて光沢インク受容層及び光沢保護層を設ける場合には、透気性のある基材を用いることが必要であり、樹脂被覆紙いわゆるRC(レジンコート)ペーパー又は樹脂フィルムは使用しない。
紙の原料としては、木材パルプが最も好適に用いられるが、その他の天然パルプ、古紙パルプ、合成パルプなどを必要に応じて適宜組み合わせて用いても構わない。天然パルプは、塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素漂白などの通常の漂白処理又はアルカリ抽出若しくはアルカリ処理及び必要に応じた過酸化水素、オゾン漂白などの酸化漂白処理又はその組み合わせ処理を施した広葉樹パルプ、針葉樹パルプ若しくはその混合パルプが望ましく、更に、ソーダパルプ、機械パルプなども用いることができる。古紙パルプは、その原料、脱墨方法及び漂白方法を問わないが、紙の強度を損なわない程度の配合量としなければならない。合成パルプも、各種のものを用いることができ、特にポリオレフィンからなるパルプ状多分岐繊維は、本発明において好適に用いることができる。
前記のパルプは、ディスク型、コニカル型などの各種の叩解機によって適当なフリーネスとなるように必要に応じて叩解する。フリーネスは、紙の強度を決定する重要な要因であり叩解が進むほどに強度が増すが、透気性、不透明度、嵩などの低下をもたらすため、一般的には400〜550mlCSF(カナダ標準ろ水度)程度で、本実施形態においてもこの範疇でコントロールすることが好ましいが、これに限定されるものではない。
紙料中には、前記のパルプ以外に、紙力剤、白色顔料、硫酸バンド、歩留まり向上剤、サイズ剤、染料、蛍光染料などの各種抄紙用薬品が適宜用いられる。紙力剤としては、カチオンでんぷん、両性でんぷん、ポリアクリルアマイドなどが用いられる。歩留まり向上剤は、コロイダルシリカ、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンイミンなどが用いられる。染料及び蛍光染料は、紙の色相を調整するために添加され、直接染料、塩基性染料、酸性染料などが用いられる。サイズ剤としては、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、中性ロジン、強化ロジン、鹸化ロジンなどが抄紙pHなどに応じて適宜選択される。この他、嵩高剤も繊維間結合強度の低下が問題とならない程度に添加することが可能である。
本実施形態において、基材上に設けられるインクジェット記録層は、単層でも多層でも構わず、更に、記録層最上層となる光沢インク受容層も単層又は多層を問わない。キャスト法によって光沢インク受容層を形成する場合には、単層のキャスト塗工層の塗工量があまりにも多すぎると乾燥効率の点から生産効率が低下してしまうことから、及び光沢層の下となる層の平滑性の影響を比較的受けにくいことから、基材上にまずコストパフォーマンスに優れた下層のインクジェット記録層としてのインク受容層(以下「下層インク受容層」という。)を設け、該下層インク受容層の上に湿式シリカを含有した光沢インク受容層を設けることが望ましい。また、キャスト法以外で光沢インク受容層を設ける場合は、該光沢インク受容層の下層の表面平滑度が仕上がり光沢面の平滑性に大きな影響を及ぼすため、下層インク受容層も光沢インク受容層と同等の表面平滑性を発現しうる顔料を用いることが望ましい。
下層インク受容層に用いる顔料としては、例えば、非晶質シリカ、非晶質アルミナ、カオリン、クレー、焼成クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、珪酸リチウム、珪藻土、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、マイカ、天然ゼオライト、合成ゼオライト、擬ベーマイト、ハイドロキシアパタイト、層間化合物などの無機顔料があり、或いは、アクリル/メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ブタジエン系樹脂、シリコン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などの単量体又は共重合体からなる球状若しくは不定形の有機顔料がある。また、これらの顔料にカップリング剤又は有機物による表面改質など、或いは、金属イオン交換法、気相蒸着法又は液相析出法による表面処理など、多元的な機能性を付与させるための表面処理を施してもかまわない。また、これらを二種類以上組み合わせて使用してもよい。
光沢インク受容層には、微細顔料とバインダーとが主成分として含有される。微細顔料として、粒子の形成から塗工液の調製、塗布の直前に至るまで乾燥工程を経ていない湿式シリカが必須成分として含有される。該湿式シリカの平均二次粒子径を1μm〜30μmとし、微細顔料のうち湿式シリカの比率を30〜100質量%とすることで本発明の効果を最大限に得ることができる。平均二次粒子径は、1μm〜20μmであることがより好ましい。湿式シリカの平均二次粒子径1μm〜30μmという範囲は、特別な粉砕装置を用いた工程及び/又は分級工程を経ていない通常の湿式シリカの粒子径である。平均二次粒子径が1μm未満である場合、多孔性が不足しインク吸収性が低下し、30μmを超える場合、得られる光沢面の品質が低下する。なお、本実施形態における平均二次粒子径とは、レーザー回折式粒度分布測定機によって測定されるメジアン径のことを指す。微細顔料に占める湿式シリカの含有量は、より好ましくは50〜100質量%である。30質量%未満である場合、顔料インクの印字濃度が低下し、鮮明な画像が得られず、またコスト上の有利性も減少する。その他の微細顔料としては、微細顔料の平均二次粒子径を、好ましくは5〜1000nm、より好ましくは10〜500nmとし、優れた表面平滑性を得るために極微細顔料を用いることが望ましい。例えば、気相法シリカ、γ、θ、δなどの結晶構造をもつアルミナの極微粒子、コロイダルシリカ、ベーマイト、擬ベーマイトなどのコロイド製法による懸濁物、ゲル化法若しくは沈降法による非晶質シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタンなどの白色顔料、カオリン、タルク、珪藻土などの天然鉱物の粉砕若しくは分級された極微粒子又はこれらの無機微細顔料に表面処理を施したもの、更に、ポリスチレン、メチルメタクリレート、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機微細顔料がある。前記の極微細顔料を二種以上組み合わせて使用することも可能である。
本実施形態でいう湿式シリカは、沈降法シリカ及びゲル法シリカの二種類に大別され、どちらの製法のシリカであっても用いることは可能であるが、最終的にシリカスラリーを得ることの容易さ、コスト面から沈降法シリカが好適に用いられる。沈降法シリカは、直接シリカ粒子が生成する上、得られる粒子が柔らかく、粉砕工程が無くとも比較的高い光沢を得ることが可能である。
本実施形態において、沈降法シリカの製造方法は、特に限定されるものではないが、その代表的な製造方法としては、珪酸アルカリ水溶液中に、反応系をアルカリ性サイドに保ちつつ鉱酸を添加して、シリカ粒子を中和沈殿せしめる方法が挙げられる。その例を次に示すが、本本実施形態はこれに限定されるものではない。
前記の沈降法シリカ製造方法で用いる珪酸アルカリ水溶液は、工業製品として市販される珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウムなどを使用することができるが、珪酸ナトリウムがコストの面から好ましい。珪酸アルカリ水溶液中に溶解しているシリカとアルカリとのモル比SiO:MO(Mは、アルカリ金属を表す。)は、2:1〜4:1のものが好ましい。より好ましくは、2.5:1〜3.5:1である。反応に使用するときの濃度は、SiO濃度で3〜30質量%程度、より好ましくは3〜20質量%に水で希釈して用いることが望ましい。
反応に用いる鉱酸は、珪酸アルカリと中和反応を起こすものであれば特に限定されず、硫酸、塩酸、硝酸などを用いることができ、これらの混合物を用いることも可能である。反応に使用するときには、鉱酸の濃度を10〜60質量%程度、より好ましくは10〜30質量%に希釈して使用することが好ましい。
反応を進めるときの鉱酸の供給方法は、特に限定されず、添加時の反応系の温度、pH及び反応液中のシリカ濃度をコントロールできればよい。また、反応中は、系内が均一な状態を保つように、各種の攪拌装置を用いて均一に攪拌することが望ましい。反応中の系内の温度は40〜70℃、かつ、pHは8〜11の範囲が好ましい。
生成したシリカ粒子が凝集粒子を形成したのち、系内を90〜100℃に昇温して熟成安定時間を一定の間、与える。しかるのち、反応液が弱酸性になるまで鉱酸を添加して中和反応を終了させる。この時点での系内のシリカ濃度は、2〜10質量%程度となっていることが望ましい。
以上のようにして得られた沈降法シリカを濾過・洗浄したのち、所望の濃度のシリカスラリーとする。このとき、通常の沈降法シリカと異なり、乾燥工程を経て粉体とする工程がないことが、本実施形態の要件である。このことによってシリカ粒子の光沢発現能を高めることが可能となった。
また、湿式シリカの製造方法としては、ゲル法を用いることも可能である。珪酸アルカリ水溶液中に鉱酸を添加して、反応を酸性サイドで進行させることによって酸性シリカゾルを生成し、これをシリカゲルとして固化させたのち洗浄・湿式粉砕工程を経ることでゲル法シリカ粒子を得ることができる。
前記のゲル法シリカ製造方法で用いる珪酸アルカリ水溶液及び鉱酸は、沈降法シリカ製造方法と同様のものを用いることができる。珪酸ナトリウム及び硫酸の組み合わせがコストの点から有利である。
反応を進めるときの鉱酸の供給方法は、特に限定されない。沈降法と異なり、中和反応終了まで鉱酸を添加して、酸性シリカゲルを生成する。反応中は、系内が均一な状態を保つように、各種の攪拌装置を用いて均一に攪拌することが望ましい。反応中の系内の温度は、10〜80℃の範囲が好ましい。
生成した酸性シリカゲルは、反応副生成物としての塩が多量に含有されているため、まずゲルを破砕したのち十分に塩の含有率が低下するまで純水又は酸洗浄水で洗浄し、しかるのち湿式粉砕ミル、例えばビーズミルで湿式粉砕して所望の粒度分布をもつシリカスラリーを得る。この間、一般的なゲル法シリカ製造方法のようにシリカゲルの含水率が40%以下となるような乾燥工程を経ずに、シリカゲルをスラリー化することが本実施形態の要件である。得られるシリカ粒子を軟らかく保つことができるので、所望の光沢度を得ることができる。
湿式シリカは、BET窒素吸着法、すなわちJIS Z 8830:2001「気体吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」によって測定される比表面積が180m/g〜300m/gの範囲であることが好ましく、より好ましくは200m/g〜300m/gである。比表面積が180m/g未満である場合には、インク吸収能に劣り、比表面積が300m/gを超える場合には、所望の表面光沢を得難い。なお、本実施形態で使用する湿式シリカは、乾燥状態を経ずに用いることを特徴とするが、ここでいうBET比表面積は、乾燥させた粉体の状態での測定値である。
インクジェット記録層(下層インク受容層及び光沢インク受容層)には、次のようなバインダーを用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、でんぷん、変性でんぷん、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、カゼイン、ゼラチン、テルペンなどの水溶性バインダー、又は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリビスクロロメチルオキサシクロブタン、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリ−p−キシリレン、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、変性スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル共重合体などのエマルジョン型バインダーである。これらのバインダーの重合度、ケン化度、Tg、MFTなどは、限定されない。また、これらの分子鎖中に架橋性の官能基を付加しても構わない。インクジェット記録層のバインダー含有量は、本実施形態では規定しないが、通常顔料100質量部に対して5〜80質量部が適当量である。より好ましくは5〜40質量部とする。バインダーが5質量部未満のとき、塗膜強度が不足し、80質量部を超えると、インク吸収性が低下する場合がある。
インクジェット記録層は、インクジェットインクの定着性と発色性を向上させるために、カチオン性高分子を主成分とするインク定着剤を含有することが好ましい。カチオン性高分子としては、例えばポリアミド、ポリアクリルアミド、アミドエピクロロヒドリン樹脂、ポリエチレンイミン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアルキレンイミン、ポリアルキレンポリアミン、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン、水溶性アニリン樹脂及びその塩、ポリチオ尿素及びその塩、水溶性カチオン性アミノ樹脂、ポリビニルピリジン及びその塩、ジアリルジメチルアンモニウム化合物、ジメチルアミノエチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートなどに代表される1級アミン、2級アミン、3級アミン又は4級アンモニウム塩の高分子を適宜選択して使用する。これらの種類と添加量については、本実施形態では限定されない。
インクジェット記録層の塗工液には、必要に応じて分散剤、消泡剤、pH調整剤、湿潤剤、保水剤、増粘剤、架橋剤、離型剤、潤滑剤、防腐剤、柔軟剤、ワックス、導電防止剤、帯電防止剤、サイズ剤、耐水化剤、可塑剤、蛍光増白剤、着色顔料、着色染料、還元剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、香料、脱臭剤などの各種助剤を適宜選定して添加することができる。さらに、該助剤を顔料スラリーに含有させてなる及び/又はバインダーに含有させてなる複合物、また該助剤及び/又は該複合物を添加する場所、方法については限定されない。
下層インク受容層は、このようにして調製された塗工液を一般の塗工機、例えば、ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、ロッドコーター、リップコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、ダイコーター、チャンブレックスコーターなどによってオフマシン又はオンマシンで、単層若しくは多層で、片面若しくは両面を塗布する。
塗布後の乾燥方式としては、熱風乾燥、赤外乾燥、ドラム乾燥などが挙げられるが、光沢インク受容層を塗布・形成する前の、下層インク受容層を塗布・形成するときには、特に限定されない。
光沢インク受容層を形成する方法としては、光沢インク受容層塗工液を塗布後、鏡面ドラムに圧着乾燥してドラムの鏡面を写し取る、いわゆるキャスト法によることが望ましい。これは、高い圧力で塗工層を鏡面に押し付けるキャスト法が、比較的粒子径が大きく、柔らかい粒子を用いて高光沢を得るという本発明の主旨によく合致するためである。キャスト法としては、塗工層が湿潤状態にあるうちに、塗工液をゲル化する成分を含有する処理液すなわちゲル化液を塗布又は含浸して塗工層をゲル化させた後ドラムに圧着乾燥させるいわゆるゲル化キャスト法、塗工層が湿潤状態にあるうちにドラムに圧着乾燥するウェットキャスト法、塗工液を塗布したのち乾燥ゾーンで乾燥させた後に再湿潤液を塗布してドラムに圧着乾燥させるいわゆるリウェットキャスト法などを用いることができる。この中で、いわゆるゲル化キャスト法が本実施形態において好適に用いられる。
ここでいう塗工層をゲル化させる成分とは、無機架橋剤、例えば蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸などの各種酸とそのカルシウム、マグネシウム、アルミニウムなどとの金属塩、ホウ砂、ホウ酸などのホウ素化合物、塩化ジルコニル、硝酸ジルコニルなどのジルコニウム化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物などが使用できる。また、有機架橋剤、例えばヒドラジド系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、N−メチロール系架橋剤、ビニルスルホン系架橋剤、アクリロイル系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、エチレンイミノ系架橋剤も使用できる。インク受容層のバインダーがポリビニルアルコール又はポリビニルアセタールの場合には、ホウ酸又はホウ砂との組み合わせが好適である。また、カゼインなどの蛋白系を用いている場合には、有機酸の金属塩が好適であるが、本実施形態では、特に限定されない。
また、キャスト法として、ゲル化キャスト法でなく、塗工液の塗布後一旦乾燥させた光沢インク受容層を、水又は塗工層を再膨潤させる成分を含有する処理液すなわちリウェット液で再膨潤させて、鏡面ドラムを写し取るリウェットキャスト法を用いてもよい。リウェットキャスト法を用いる理由の一つとして、リウェットキャスト法は、その原理上、生産速度を高くし易く、かつ、高い生産効率が得られることが挙げられる。
また、塗工液の塗布後、ただちに鏡面ドラムに圧着乾燥する、ウェットキャスト法を用いてもよい。このウェットキャスト法の特長として、塗工層表面に非常に高い光沢性を与えることができる。
また、キャスト法の一つとして、鏡面ドラムでなく、表面に鏡面光沢を有するフィルム又は金属シートを用いた方法も、本実施形態におけるキャスト法の範疇に含まれる。
インクジェット記録層の塗工量は、本発明においては2〜40g/mが望ましく、より好ましくは4〜20g/mである。塗工量が2g/m未満の場合には、十分なインク吸収性及び表面光沢性が得られず、一方40g/mを超える場合には、塗工層強度が不足して、断裁時及び/又は使用時の折り曲げによる粉落ちの問題、及び/又は、断裁時及び/又は使用時の折り曲げによる塗工層の脱落の問題が生じやすく、また、折れ割れ強度の低下といった悪影響をもたらす場合がある。
インクジェット記録シートに、別の機能を付与する加工を行ってもよい。例えば、風合いを持たせるためにエンボス加工を行っても構わない。また、片面だけに記録層を設ける場合には、記録層の裏面に機能性の加工、例えば帯電防止加工、粘着加工、貼合加工、樹脂被覆加工、滑り性付与などを行っても構わない。
本実施形態に係るインクジェット記録シートでは、インクジェット記録面のJIS Z8741:1997「鏡面光沢度−測定方法」で規定される20度光沢度を10%以上とする。20度光沢度が10%未満の場合、所望の表面質感が得られない。最終製品のインクジェット記録面のJIS Z 8741:1997「鏡面光沢度−測定方法」で規定される20度光沢度を10%以上とすると、使用者の目に映えて美しい光沢タイプのインクジェット記録シートとなる。そこで、得られたインクジェット記録シートの記録層表面及び裏面の平滑性を制御する目的で、必要に応じてキャレンダー処理を行ってもよい。キャレンダーは、スーパーキャレンダー、マシンキャレンダー、ソフトキャレンダーなどの方式が挙げられるが、これらの方式に特に限定されない。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。また、例中の「%」は、特に断らない限り「乾燥質量%」を表し、「部」は「乾燥質量部」を表す。
(実施例1)
<原紙の作製>
ECF(無塩素漂白)処理されたLBKP(広葉樹晒しパルプ、CSF=500ml)のパルプスラリーに、パルプに対し、カチオンでんぷん(商品名;ネオタック40T、日本食品加工社製)1.0%、軽質炭酸カルシウム(商品名;TP121、奥多摩工業社製)5.0%、中性ロジンサイズ剤(商品名;AS261、星光PMC社製)0.25%を添加し調製した紙料を長網式抄紙機で抄造し、坪量150g/mの原紙を得た。
<下層インク受容層用塗工液の調製>
純水に、平均粒子径9μmの合成非晶質シリカ(商品名:サイロジェットP409、グレースデビソン社製)100部とpH調整剤として工業用酢酸0.2部とを添加し、セリエミキサーで30分攪拌して固形分濃度20%の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに、ケン化度98%、重合度2400のポリビニルアルコール水溶液(商品名:PVA−124、クラレ社製)12.5部及び蛍光増白剤(商品名;カヤホールPASQリキッド、日本化薬社製)0.4部を加えて10分攪拌した後、インク定着剤(商品名;SR1001、住友化学社製)10部及びポリエチレン酢酸ビニルバインダー(商品名;ポリゾールEVA AD−10、昭和高分子社製)40部を添加したのち30分攪拌し、更に純水を加えて固形分濃度20%の下層インク受容層用塗工液を得た。
<下層インク受容層の形成>
前記原紙の片面に、下層インク受容層用塗工液を片面乾燥塗工量が12g/mとなるようにエアナイフコーターで塗布し、エアドライヤで熱風乾燥した。さらに、ソフトカレンダーを用いて線圧30kg/cm、25℃、2ニップ1パスの条件で表面処理を行い、下層インク受容層形成基紙を得た。
<光沢インク受容層用湿式シリカスラリーAの調製>
純水に、珪酸ナトリウムを添加して10%水溶液とし、反応層の温度を40℃に保ちながら攪拌し、硫酸20%水溶液を添加して中和率25%となるまで反応を進めた。凝集体が生成したことを確認したのち、温度を95℃に昇温して攪拌を続けて安定化させ、しかるのち前記硫酸を再度添加して中和反応を終了した。このシリカスラリーを濾過・洗浄して固形分濃度18%の光沢インク受容層用湿式シリカスラリーAを得た。この湿式シリカスラリーA中の沈降法シリカ粒子の二次粒子径をレーザー回折式粒度分布測定機(商品名:HORIBA LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、メジアン径10μmであった。また、オーブン乾燥機で120℃1時間乾燥させた後、BET比表面積を測定したところ200m/gであった。
<光沢インク受容層用塗工液1の調製>
純水に、前記湿式シリカスラリーAを100部、耐水化剤としてポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(以下、「p−DADMAC」と略す。商品名:ユニセンスCP−102、センカ社製)6部及びポリビニルアルコール用架橋剤として塩化ジルコニル1部を投入してセリエミキサーで10分混合した後、ケン化度88%、重合度3500のポリビニルアルコール水溶液(商品名;PVA235、クラレ社製)10部を添加し10分攪拌した後、ウレタンバインダー(商品名;スーパーフレックス620、第一工業製薬社製)12部と潤滑剤としてポリエチレンエマルジョン(商品名;メイカテックスHP70C、明成化学工業社製)3部とを加えて30分攪拌し、固形分濃度16%の光沢インク受容層用塗工液1を得た。
<光沢インク受容層用ゲル化液Aの調製>
純水969.88kgに、界面活性剤(商品名;オルフィンPD002W、日信化学工業社製)0.12kgを加え攪拌した後、硼砂10kgと硼酸20kgとを添加して1時間攪拌し、光沢インク受容層用ゲル化液Aを得た。
<光沢インク受容層の形成>
前記光沢インク受容層用塗工液1を、前記下層インク受容層形成基紙に片面乾燥塗工量が10g/mとなるようにエアナイフコーターで塗布し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、前記光沢インク受容層用ゲル化液Aを塗布してゲル化させたのち、表面温度105℃のキャストドラムに圧着乾燥し、実施例1のインクジェット記録シート1を得た。
(実施例2)
<光沢インク受容層用湿式シリカスラリーBの調製>
純水に、珪酸ナトリウムを添加して10%水溶液とし、反応層の温度を40℃に保ちながら攪拌し、硫酸20%水溶液を添加して中和率50%となるまで反応を進めた。凝集体が生成したことを確認したのち、温度を95℃に昇温して攪拌を続けて安定化させ、しかるのち前記硫酸を再度添加して中和反応を終了した。このシリカスラリーを濾過・洗浄して固形分濃度18%の光沢インク受容層用湿式シリカスラリーBを得た。この湿式シリカスラリーB中の沈降法シリカ粒子の二次粒子径をレーザー回折式粒度分布測定機(商品名:HORIBA LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、メジアン径7μmであった。また、オーブン乾燥機で120℃1時間乾燥させた後、BET比表面積を測定したところ、270m/gであった。
<光沢インク受容層用塗工液2の調製>
純水に、前記湿式シリカスラリーB100部、p−DADMAC(商品名:ユニセンスCP−102、センカ社製)6部及び塩化ジルコニル1部を投入してセリエミキサーで10分混合した後、ケン化度88%、重合度3500のポリビニルアルコール水溶液(商品名;PVA235、クラレ社製)10部を添加し10分攪拌した。その後、ウレタンバインダー(商品名;スーパーフレックス620、第一工業製薬社製)12部とポリエチレンエマルジョン(商品名;メイカテックスHP70C、明成化学工業社製)3部とを加えて30分攪拌し、固形分濃度16%の光沢インク受容層用塗工液2を得た。
<光沢インク受容層の形成>
前記光沢インク受容層用塗工液2を、実施例1と同様の下層インク受容層形成基紙に片面乾燥塗工量が10g/mとなるようにエアナイフコーターで塗布し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、前記光沢インク受容層用ゲル化液Aを塗布してゲル化させたのち、表面温度105℃のキャストドラムに圧着乾燥し、実施例2のインクジェット記録シート2を得た。
(実施例3)
<気相法シリカスラリーAの調製>
純水に、気相法シリカ(商品名;レオロシールQS−30、トクヤマ社製)100部とp−DADMAC(商品名;ユニセンスCP−102、センカ社製)6部とを投入してカウレス分散機で混合した後、高圧噴射衝突式粉砕機(商品名;アルティマイザー、スギノマシン社製)にて湿式粉砕処理し、固形分濃度20%の気相法シリカスラリーAを得た。粉砕後のシリカの二次粒子径をレーザー回折式粒度分布測定器(商品名:HORIBA LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、メジアン径110nmであった。
<光沢インク受容層用塗工液3の調製>
純水に、前記湿式シリカスラリーA50部、前記気相法シリカスラリーA50部、p−DADMAC(商品名:ユニセンスCP−102、センカ社製)3部及び塩化ジルコニル1部を投入してセリエミキサーで10分混合した後、ケン化度88%、重合度3500のポリビニルアルコール水溶液(商品名;PVA235、クラレ社製)10部を添加し10分攪拌した。その後、ウレタンバインダー(商品名;スーパーフレックス620、第一工業製薬社製)12部とポリエチレンエマルジョン(商品名;メイカテックスHP70C、明成化学工業社製)3部とを加えて30分攪拌し、固形分濃度16%の光沢インク受容層用塗工液3を得た。
<光沢インク受容層の形成>
前記光沢インク受容層用塗工液3を、実施例1と同様の下層インク受容層形成基紙に片面乾燥塗工量が10g/mとなるようにエアナイフコーターで塗布し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、前記光沢インク受容層用ゲル化液Aを塗布してゲル化させたのち、表面温度105℃のキャストドラムに圧着乾燥し、実施例3のインクジェット記録シート3を得た。
(実施例4)
<光沢インク受容層用塗工液4の調製>
純水に、前記湿式シリカスラリーA30部、前記気相法シリカスラリーA70部、p−DADMAC(商品名:ユニセンスCP−102、センカ社製)1.8部及び塩化ジルコニル1部を投入してセリエミキサーで10分混合した後、ケン化度88%、重合度3500のポリビニルアルコール水溶液(商品名;PVA235、クラレ社製)10部を添加し10分攪拌した。その後、ウレタンバインダー(商品名;スーパーフレックス620、第一工業製薬社製)12部とポリエチレンエマルジョン(商品名;メイカテックスHP70C、明成化学工業社製)3部とを加えて30分攪拌し、固形分濃度16%の光沢インク受容層用塗工液4を得た。
<光沢インク受容層の形成>
前記光沢インク受容層用塗工液4を、実施例1と同様の下層インク受容層形成基紙に片面乾燥塗工量が10g/mとなるようにエアナイフコーターで塗布し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、前記光沢インク受容層用ゲル化液Aを塗布してゲル化させたのち、表面温度105℃のキャストドラムに圧着乾燥し、実施例4のインクジェット記録シート4を得た。
参考例1
<光沢インク受容層用湿式シリカスラリーCの調製>
純水に、珪酸ナトリウムを添加して10%水溶液とし、反応層の温度を30℃に保ちながら攪拌し、硫酸20%水溶液を添加してpH1.5の酸性シリカゾルを生成させた。これを1時間放置して固化させシリカゲルとしたのち、小片に破砕して洗浄した。これをビーズミルで湿式粉砕し、固形分濃度18%の光沢インク受容層用湿式シリカスラリーCを得た。このゲル法シリカスラリーC中のゲル法シリカ粒子の二次粒子径をレーザー回折式粒度分布測定機(商品名:HORIBA LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、メジアン径3μmであった。また、オーブン乾燥機で120℃1時間乾燥させた後、BET比表面積を測定したところ290m/gであった。
<光沢インク受容層用塗工液5の調製>
純水に、前記湿式シリカスラリーC100部、p−DADMAC(商品名:ユニセンスCP−102、センカ社製)6部及び塩化ジルコニル1部を投入してセリエミキサーで10分混合した後、ケン化度88%、重合度3500のポリビニルアルコール水溶液(商品名;PVA235、クラレ社製)10部を添加し10分攪拌した。その後、ウレタンバインダー(商品名;スーパーフレックス620、第一工業製薬社製)12部とポリエチレンエマルジョン(商品名;メイカテックスHP70C、明成化学工業社製)3部とを加えて30分攪拌し、固形分濃度16%の光沢インク受容層用塗工液5を得た。
<光沢インク受容層の形成>
前記光沢インク受容層用塗工液5を、実施例1と同様の下層インク受容層形成基紙に片面乾燥塗工量が10g/mとなるようにエアナイフコーターで塗布し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、前記光沢インク受容層用ゲル化液Aを塗布してゲル化させたのち、表面温度105℃のキャストドラムに圧着乾燥し、参考例1のインクジェット記録シート5を得た。
実施例5
<光沢インク受容層用湿式シリカスラリーDの調製>
純水に、珪酸ナトリウムを添加して10%水溶液とし、反応層の温度を40℃に保ちながら攪拌し、硫酸20%水溶液を添加して中和率20%となるまで反応を進めた。凝集体が生成したことを確認したのち、温度を95℃に昇温して攪拌を続けて安定化させ、しかるのち前記硫酸を再度添加して中和反応を終了した。このシリカスラリーを濾過・洗浄して固形分濃度18%の光沢インク受容層用湿式シリカスラリーDを得た。この湿式シリカスラリーD中の沈降法シリカ粒子の二次粒子径をレーザー回折式粒度分布測定機(商品名:HORIBA LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、メジアン径11μmであった。また、オーブン乾燥機で120℃1時間乾燥させた後、BET比表面積を測定したところ160m/gであった。
<光沢インク受容層用塗工液6の調製>
純水に、前記湿式シリカスラリーD100部、p−DADMAC(商品名:ユニセンスCP−102、センカ社製)6部及び塩化ジルコニル1部を投入してセリエミキサーで10分混合した後、ケン化度88%、重合度3500のポリビニルアルコール水溶液(商品名;PVA235、クラレ社製)10部を添加し10分攪拌した。その後、ウレタンバインダー(商品名;スーパーフレックス620、第一工業製薬社製)12部とポリエチレンエマルジョン(商品名;メイカテックスHP70C、明成化学工業社製)3部とを加えて30分攪拌し、固形分濃度16%の光沢インク受容層用塗工液6を得た。
<光沢インク受容層の形成>
前記光沢インク受容層用塗工液6を、実施例1と同様の下層インク受容層形成基紙に片面乾燥塗工量が10g/mとなるようにエアナイフコーターで塗布し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、前記光沢インク受容層用ゲル化液Aを塗布してゲル化させたのち、表面温度105℃のキャストドラムに圧着乾燥し、実施例5のインクジェット記録シート6を得た。
実施例6
<光沢インク受容層の形成>
前記光沢インク受容層用塗工液1を、実施例1と同様の下層インク受容層形成基紙に片面乾燥塗工量が2g/mとなるようにエアナイフコーターで塗布し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、前記光沢インク受容層用ゲル化液Aを塗布してゲル化させたのち、表面温度105℃のキャストドラムに圧着乾燥し、実施例6のインクジェット記録シート1aを得た。
実施例7
<光沢インク受容層の形成>
前記光沢インク受容層用塗工液1を、実施例1と同様の下層インク受容層形成基紙に片面乾燥塗工量が40g/mとなるようにエアナイフコーターで塗布し、湿潤状態にあるうちに、前記光沢インク受容層用ゲル化液Aを塗布してゲル化させたのち、表面温度105℃のキャストドラムに圧着乾燥し、実施例7のインクジェット記録シート1bを得た。
実施例8
<光沢インク受容層の形成>
前記光沢インク受容層用塗工液1を、実施例1と同様の下層インク受容層形成基紙に片面乾燥塗工量が50g/mとなるようにエアナイフコーターで塗布し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、前記光沢インク受容層用ゲル化液Aを塗布してゲル化させたのち、表面温度105℃のキャストドラムに圧着乾燥し、実施例8のインクジェット記録シート1cを得た。
実施例9
<光沢インク受容層の形成>
前記光沢インク受容層用塗工液1を、実施例1と同様の下層インク受容層形成基紙に片面乾燥塗工量が10g/mとなるようにエアナイフコーターで塗布し、塗工層を熱風ドライヤで一旦乾燥させた後、60℃に加温した純水を塗布して再膨潤させたのち、表面温度120℃のキャストドラムに圧着乾燥し、実施例9のインクジェット記録シート1dを得た。
(比較例1)
<光沢インク受容層用湿式シリカスラリーEの調製>
純水に、珪酸ナトリウムを添加して10%水溶液とし、反応層の温度を40℃に保ちながら攪拌し、硫酸20%水溶液を添加して中和率70%となるまで反応を進めた。凝集体が生成したことを確認したのち、温度を95℃に昇温して攪拌を続けて安定化させ、しかるのち前記硫酸を再度添加して中和反応を終了した。このシリカスラリーを濾過・洗浄して固形分濃度18%の光沢インク受容層用湿式シリカスラリーEを得た。この湿式シリカスラリーE中の沈降法シリカ粒子の二次粒子径をレーザー回折式粒度分布測定機(商品名:HORIBA LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、メジアン径7μmであった。また、オーブン乾燥機で120℃1時間乾燥させた後、BET比表面積を測定したところ330m/gであった。
<光沢インク受容層用塗工液7の調製>
純水に、前記湿式シリカスラリーE100部、p−DADMAC(商品名:ユニセンスCP−102、センカ社製)6部及び塩化ジルコニル1部を投入してセリエミキサーで10分混合した後、ケン化度88%、重合度3500のポリビニルアルコール水溶液(商品名;PVA235、クラレ社製)12部を添加し10分攪拌した。その後、ウレタンバインダー(商品名;スーパーフレックス620、第一工業製薬社製)10部とポリエチレンエマルジョン(商品名;メイカテックスHP70C、明成化学工業社製)3部とを加えて30分攪拌し、固形分濃度16%の光沢インク受容層用塗工液7を得た。
<光沢インク受容層の形成>
前記光沢インク受容層用塗工液7を、実施例1と同様の下層インク受容層形成基紙に片面乾燥塗工量が10g/mとなるようにエアナイフコーターで塗布し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、前記光沢インク受容層用ゲル化液Aを塗布してゲル化させたのち、表面温度105℃のキャストドラムに圧着乾燥し、比較例1のインクジェット記録シート7を得た。
(比較例2)
<光沢インク受容層用湿式シリカスラリーFの調製>
純水に、市販の沈降法シリカ(商品名:ファインシールX70、株式会社トクヤマ製)100部とp−DADMAC(商品名:ユニセンスCP−102、センカ社製)6部を投入し、セリエミキサーで30分分散して固形分濃度20%の光沢インク受容層用湿式シリカスラリーFを得た。このシリカスラリーF中の沈降法シリカ粒子の二次粒子径をレーザー回折式粒度分布測定機(商品名:HORIBA LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、メジアン径3μmであった。また、オーブン乾燥機で120℃1時間乾燥させた後、BET比表面積を測定したところ230m/gであった。
<光沢インク受容層用塗工液8の調製>
純水に、前記湿式シリカスラリーF100部及び塩化ジルコニル1部を投入してセリエミキサーで10分混合した後、ケン化度88%、重合度3500のポリビニルアルコール水溶液(商品名;PVA235、クラレ社製)10部を添加し10分攪拌した。その後、ウレタンバインダー(商品名;スーパーフレックス620、第一工業製薬社製)12部とポリエチレンエマルジョン(商品名;メイカテックスHP70C、明成化学工業社製)3部とを加えて30分攪拌し、固形分濃度16%の光沢インク受容層用塗工液8を得た。
<光沢インク受容層の形成>
前記光沢インク受容層用塗工液8を、実施例1と同様の下層インク受容層形成基紙に片面乾燥塗工量が10g/mとなるようにエアナイフコーターで塗布し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、前記光沢インク受容層用ゲル化液Aを塗布してゲル化させたのち、表面温度105℃のキャストドラムに圧着乾燥し、比較例2のインクジェット記録シート8を得た。
(比較例3)
<光沢インク受容層用湿式シリカスラリーGの調製>
純水に、市販のゲル法シリカ(商品名:ニップジェルAY200、東ソー・シリカ社製)100部とp−DADMAC(商品名:ユニセンスCP−102、センカ社製)6部とを投入し、セリエミキサーで30分分散して固形分濃度20%の光沢インク受容層用湿式シリカスラリーGを得た。このシリカスラリーG中のゲル法シリカ粒子の二次粒子径をレーザー回折式粒度分布測定機(商品名:HORIBA LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、メジアン径4μmであった。また、オーブン乾燥機で120℃1時間乾燥させた後、BET比表面積を測定したところ280m/gであった。
<光沢インク受容層用塗工液9の調製>
純水に、前記湿式シリカスラリーG100部及び塩化ジルコニル1部を投入してセリエミキサーで10分混合した後、ケン化度88%、重合度3500のポリビニルアルコール水溶液(商品名;PVA235、クラレ社製)10部を添加し10分攪拌した。その後、ウレタンバインダー(商品名;スーパーフレックス620、第一工業製薬社製)12部とポリエチレンエマルジョン(商品名;メイカテックスHP70C、明成化学工業社製)3部とを加えて30分攪拌し、固形分濃度16%の光沢インク受容層用塗工液9を得た。
<光沢インク受容層の形成>
前記光沢インク受容層用塗工液9を、実施例1と同様の下層インク受容層形成基紙に片面乾燥塗工量が10g/mとなるようにエアナイフコーターで塗布し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、前記光沢インク受容層用ゲル化液Aを塗布してゲル化させたのち、表面温度105℃のキャストドラムに圧着乾燥し、比較例3のインクジェット記録シート9を得た。
(比較例4)
<光沢インク受容層用塗工液10の調製>
純水に、前記湿式シリカスラリーA20部、前記気相法シリカスラリーA80部、p−DADMAC(商品名:ユニセンスCP−102、センカ社製)1.2部及び塩化ジルコニル1部を投入してセリエミキサーで10分混合した後、ケン化度88%、重合度3500のポリビニルアルコール水溶液(商品名;PVA235、クラレ社製)10部を添加し10分攪拌した。その後、ウレタンバインダー(商品名;スーパーフレックス620、第一工業製薬社製)12部とポリエチレンエマルジョン(商品名;メイカテックスHP70C、明成化学工業社製)3部とを加えて30分攪拌し、固形分濃度16%の光沢インク受容層用塗工液10を得た。
<光沢インク受容層の形成>
前記光沢インク受容層用塗工液10を、実施例1と同様の下層インク受容層形成基紙に片面乾燥塗工量が10g/mとなるようにエアナイフコーターで塗布し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、前記光沢インク受容層用ゲル化液Aを塗布してゲル化させたのち、表面温度105℃のキャストドラムに圧着乾燥し、比較例4のインクジェット記録シート10を得た。
(比較例5)
<光沢インク受容層の形成>
前記光沢インク受容層用塗工液1を、実施例1と同様の下層インク受容層形成基紙に片面乾燥塗工量が1g/mとなるようにエアナイフコーターで塗布し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、前記光沢インク受容層用ゲル化液Aを塗布してゲル化させたのち、表面温度105℃のキャストドラムに圧着乾燥し、比較例5のインクジェット記録シート1eを得た。
以上の実施例及び比較例において得られたインクジェット記録シートについて、表1に表面光沢面質及びインクジェット印刷適性の評価結果を示す。
(評価方法)
得られたインクジェット記録シートは、23℃−50%RH(相対湿度)の恒温恒湿室で24時間調湿後、同環境下でそれぞれ下記の方法によって、評価を行った。
<記録層表面の光沢面質>
得られたインクジェット記録シートの記録層表面の20度鏡面光沢度を、JIS Z 8741:1997「鏡面光沢度−測定方法」に準拠して測定し、光沢面の均一性を視感評価し、総合的に光沢面質を評価した。
<インクジェット印刷適性>
「鮮明性」:市販の染料インクフルカラーインクジェットプリンタ(商品名;PM−G820、セイコーエプソン社製)及び顔料インクフルカラーインクジェットプリンタ(商品名;PX−G900、セイコーエプソン社製)を用いて得られたシートの記録層の光沢面に写真画像をそれぞれ印刷し、画像細部の潰れや境界部の滲み、発色の鮮やかさ及びインク吸収速度を目視観察してインクジェット印刷適性(鮮明性)を評価した。
「印字濃度」:染料及び顔料インク黒のベタ印刷部の印字濃度を、反射濃度計(商品名;DM−400、大日本スクリーン社製)を用いてそれぞれ測定した。染料インク、顔料インクともに印字濃度について次のように評価した。
2.00以上…良好(実用レベル。)、
1.90以上2.00未満…やや劣る(実用下限レベル。)、
1.90未満…劣る(実用に適さない。)。
<粉落ち試験>
得られたシートを10cm×10cmに断裁し、記録層の光沢面を内側に二つ折にした試料を硬く平滑な試験台上に置き、上から質量5kgの金属ロールの自重を用いて往復1回しごき、該試料を開いて折れ部から脱落した塗工層を集めた。これを10回繰り返して、集めた脱落した塗工層の全質量を測定した。粉落ち量について次のように評価した。
5mg以下…優れている、
5mg超10mg以下…良好(実用レベル。)、
10mg超13.0mg以下…やや劣る(実用下限レベル。)。
13mg超…劣る(実用に適さない。)。
以上の物性のうち、目視評価によるものは、下記要領によって記述することにした。
◎…優れている、
○…良い(実用レベル)、
△…やや劣る(実用下限レベル)、
×…劣る(実用に適さない。)。
(評価結果)
Figure 0004303740
実施例1〜のインクジェット記録用シートは、いずれも、20度鏡面光沢度が10%以上であって、光沢面の均一性が良好であった。しかも、染料インク、顔料インク共にインクジェット印刷適性(鮮明性)と印字濃度が実用レベル若しくは実用下限レベルを満足していた。また、粉落ち量について実用レベル若しくは実用下限レベルを満足していた。
一方、比較例1及び5は20度鏡面光沢度が10%未満であり、比較例2及び3は、乾燥状態を経た市販の沈降法シリカを使用したため、20度鏡面光沢度が10%未満であった。また、比較例4は、乾燥状態を経た市販の沈降法シリカを80質量%、乾燥状態を経ていない湿式シリカを20質量%としたため、20度鏡面光沢度が10%以上であったが、顔料インクでの鮮明性と印字濃度が劣った。

Claims (1)

  1. 基材上の少なくとも片面に、インクジェット記録層用塗工液を塗布して1層以上のインクジェット記録層を設けたインクジェット記録シートの製造方法において、
    前記基材の表面に1層以上の下層インク受容層を設け、該下層インク受容層の上に、前記インクジェット記録層の最上層となる光沢インク受容層用のインクジェット記録層用塗工液として、微細顔料とバインダーとを主成分として含有し、前記微細顔料の30〜100質量%が平均二次粒子径3μm〜30μmで前記基材への塗布直前まで一度も乾燥状態を経ておらず、かつ、粉砕工程を経ていない、BET比表面積が180〜300m/gの沈降法シリカである塗工液を使用して、乾燥塗工量が2〜40g/mとなるように、キャスト法によって光沢インク受容層を形成し、JIS Z 8741:1997「鏡面光沢度−測定方法」に準じて測定した20度鏡面光沢度が10%以上の表面に仕上げることを特徴とするインクジェット記録シートの製造方法。
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