JP5439232B2 - インクジェット記録用光沢紙 - Google Patents
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(紙基材の形成)
広葉樹漂白クラフトパルプ(カナダ標準ろ水度520mlCSF)100部に対して、乾燥質量でグラフト化澱粉(DG4204、グラフト成分の自家変性タピオカ澱粉と幹成分のアニオン架橋ポリアミドとが1:1でグラフト重合された分子量200万のグラフト化澱粉共重合体:星光PMC社製)1.00部と、酸性ロジンサイズ剤0.20部と、液体硫酸バンド1.00部と、灰分5%になるように添加量を調整したタルク(タルクNTL:日本タルク社製)と、を配合して紙料を得た。この紙料を長網抄紙機にて抄造し、紙匹を得た。その後、サイズ液として酸化澱粉(型番MS#3800:日本食品化工社製)を前記紙匹の両面に乾燥塗布量が片面当たり1.5g/m2となるようにサイズプレスで塗布し、シリンダードライヤーで乾燥した。その後、スチールカレンダーを用いて線圧40kg/cm、25℃、2ニップ1パスの条件で表面処理を行い、坪量180g/m2の上質紙をインクジェット用紙基材とした。
顔料として合成シリカ(ニップジェルBY−001:東ソー・シリカ社製)100部と、結着剤としてポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)10.0部と、エチレン−酢酸ビニル(ポリゾールEVA AD−10:昭和高分子社製)45.0部と、カチオン性ポリマー(ジェットフィックス110:里田化工社製)20.0部とを配合し、工業用水で固形分濃度22%に調整してインク受容層用塗工液を得た。このインク受容層用塗工液をエアナイフコーターで絶乾塗工量12g/m2となるように前記紙基材の片面に塗工・乾燥してインク受容層を形成した。
次いで、光沢発現層塗工液の顔料として気相法シリカ(レオロシールQS−30、BET比表面積300m2/g:トクヤマ社製)70.0部と、球状コロイダルシリカ(スノーテックスAK−YL、平均粒子径120nm:日産化学工業社製)30.0部と、結着剤としてシラノール変性ポリビニルアルコール(PVA−R2105:クラレ社製)5.00部と、ポリビニルアルコール(PVA−235、鹸化度87mol%:クラレ社製)5.00部と、カチオン性ポリウレタン樹脂(スーパーフレックス600:第一工業製薬社製)10.0部と、インク定着剤としてカチオン性ポリマー(スミレーズレジン1001:住友化学工業社製)10.0部と、結着剤の架橋剤としてヒドロキシ塩化ジルコニウム(ジルコゾールZC−2:第一稀元素化学工業社製)5.00部(ZrO2換算)とを配合し、工業用水で固形分濃度20%に調整して光沢発現層用塗工液を得た。この光沢発現層用塗工液をエアナイフコーターで絶乾塗工量10g/m2となるように前記基紙のインク受容層形成面に塗工し、次いで、凝固剤としてホウ酸を1%及びホウ酸ナトリウムを1%と、潤滑剤として高級脂肪酸塩であるオレイン酸カリウム0.1%及びポリエチレンエマルジョン(ポリレンN−20、融点105℃:大京化学社製)0.1%と、を含む水溶液を凝固液(凝固液の濃度は2.2%)としてディップコーターで絶乾塗布量1.0g/m2となるように塗布して凝固処理を行った後、得られた塗工層表面が湿潤状態にあるうちに表面温度105℃のキャストドラムに圧着し、インクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層塗工液の顔料として気相法シリカ(レオロシールQS−102、BET比表面積200m2/g:トクヤマ社製)70.0部と、球状コロイダルシリカ(スノーテックスAK−YL、平均粒子径120nm:日産化学工業社製)30.0部とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層塗工液の顔料として気相法シリカ(レオロシールQS−40、BET比表面積380m2/g:トクヤマ社製)70.0部と、球状コロイダルシリカ(スノーテックスAK−YL、平均粒子径120nm:日産化学工業社製)30.0部とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層塗工液の結着剤としてシラノール変性ポリビニルアルコール(PVA−R2105:クラレ社製)5.00部と、ポリビニルアルコール(PVA−420、鹸化度78mol%:クラレ社製)5.00部と、カチオン性ポリウレタン樹脂(スーパーフレックス600:第一工業製薬社製)10.0部とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層塗工液の結着剤としてシラノール変性ポリビニルアルコール(PVA−R2105:クラレ社製)5.00部と、ポリビニルアルコール(PVA−617、鹸化度95mol%:クラレ社製)5.00部と、カチオン性ポリウレタン樹脂(スーパーフレックス600:第一工業製薬社製)10.0部とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層塗工液の結着剤としてシラノール変性ポリビニルアルコール(PVA−R2105:クラレ社製)5.00部と、ポリビニルアルコール(PVA−235、鹸化度87mol%:クラレ社製)5.00部と、カチオン性アクリル樹脂(ビニブラン2580:日信化学工業社製)10.0部とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、結着剤の架橋剤としてヒドロキシ塩化ジルコニウム(ジルコゾールZC−2:第一稀元素化学工業社製)0.10部(ZrO2換算)とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、結着剤の架橋剤としてヒドロキシ塩化ジルコニウム(ジルコゾールZC−2:第一稀元素化学工業社製)10.0部(ZrO2換算)とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、結着剤の架橋剤として硝酸ジルコニウム(ジルコゾールZN:第一稀元素化学工業社製)5.00部(ZrO2換算)とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、結着剤の架橋剤として酢酸ジルコニウム(日本軽金属社製)5.00部(ZrO2換算)とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、凝固剤としてホウ酸を1%及びホウ酸ナトリウムを1%と、潤滑剤として高級脂肪酸塩であるオレイン酸アンモニウム0.1%及びポリエチレンエマルジョン(ポリレンN−20、融点105℃:大京化学社製)0.1%と、を含む水溶液を凝固液とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、凝固剤としてホウ酸1%及びホウ酸ナトリウム1%と、潤滑剤として高級脂肪酸塩であるラウリン酸ナトリウム0.1%及びポリエチレンエマルジョン(ポリレンN−20、融点105℃:大京化学社製)0.1%と、を含む水溶液を凝固液とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、凝固剤としてホウ酸1%及びホウ酸ナトリウム1%と、潤滑剤として高級脂肪酸塩であるパルミチン酸カリウム0.1%及びポリエチレンエマルジョン(ポリレンN−20、融点105℃:大京化学社製)0.1%と、を含む水溶液を凝固液とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層塗工液の顔料として気相法シリカ(レオロシールQS−30、BET比表面積300m2/g:トクヤマ社製)40.0部と、球状コロイダルシリカ(スノーテックスAK−YL、平均粒子径120nm:日産化学工業社製)60.0部とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、凝固液に潤滑剤としての高級脂肪酸塩及びポリエチレンエマルジョンを無添加とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層塗工液の顔料として気相法シリカ(レオロシールQS−30、BET比表面積300m2/g:トクヤマ社製)100部とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層塗工液の結着剤としてシラノール変性ポリビニルアルコール(PVA−R2105:クラレ社製)5.00部と、ポリビニルアルコール(PVA−117、鹸化度98mol%:クラレ社製)5.00部と、カチオン性ポリウレタン樹脂(スーパーフレックス600:第一工業製薬社製)10.0部とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層塗工液の顔料として気相法シリカ(レオロシールQS−10、BET比表面積140m2/g:トクヤマ社製)70.0部と、球状コロイダルシリカ(スノーテックスAK−YL、平均粒子径120nm:日産化学工業社製)30.0部とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層塗工液の結着剤としてポリビニルアルコール(PVA−117、鹸化度98mol%:クラレ社製)10.0部と、カチオン性ポリウレタン樹脂(スーパーフレックス600:第一工業製薬社製)10.0部とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層塗工液の結着剤としてポリビニルアルコール(PVA−235、鹸化度87mol%:クラレ社製)10.0部と、カチオン性ポリウレタン樹脂(スーパーフレックス600:第一工業製薬社製)10.0部とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例3において、光沢発現層塗工液の結着剤の架橋剤としてのジルコニウム化合物を無添加とした以外は、実施例3に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層塗工液の顔料として球状コロイダルシリカ(スノーテックスAK−YL、平均粒子径120nm:日産化学工業社製)100部とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層用塗工液に含有させる顔料として、球状コロイダルシリカが複数個パールネックレス状に連結した非球状コロイダルシリカ(スノーテックスPS−MO、1次粒子径18〜25nm、2次粒子径80〜150nm:日産化学工業社製)100部とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
実施例1において、光沢発現層塗工液の結着剤としてシラノール変性ポリビニルアルコール(PVA−R2105:クラレ社製)5.00部と、ポリビニルアルコール(型番PVA−505、鹸化度73mol%:クラレ社製)5.00部と、カチオン性ポリウレタン樹脂(スーパーフレックス600:第一工業製薬社製)10.0部とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙の光沢発現層表面の鏡面性を評価するために写像性を測定した。写像性は、JIS H 8686−2:1999「アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の写像性試験方法−第2部:機器測定法」に準じて、光学くし幅2mmにて入反射角度60°とし、写像性測定器(ICM−1T:スガ試験機社製)にて測定した。評価としては、次のとおりである。
写像性が50%以上:反射した像が鮮明に写り、光沢感に優れ、実用できる。
写像性が50%未満:反射した像が不鮮明に写り、光沢感に劣り、光沢紙として実用上問題がある。
ISO標準画像(ISO/JIS−SCID高精細カラーデジタル標準画像データ、画像の名称:ポートレート、画像の識別番号:N1)をセイコーエプソン社製染料インク専用インクジェットプリンター「EP−801A」を用い、得られたインクジェット記録用紙に印字した。印字した画像を目視によって評価した。
◎:記録画像が非常に鮮明でコントラストがはっきりしており、実用できる。
○:記録画像が鮮明でコントラストがはっきりしており、実用できる。
△:記録画像が鮮明であるがコントラストがはっきりしなく、色が沈んでおり、実用上問題がある。
×:記録画像が不鮮明で、色が沈んでおり、実用上不可。
セイコーエプソン社製染料インク専用インクジェットプリンター「EP−801A」を用い、CMYKの各インク並びにRGB(Red−Green−Blue)のベタ(100%濃度)及び文字を得られたインクジェット記録用紙に印字した。ベタ部の各色の境界及び文字のにじみの程度を目視によって評価した。
◎:境界がくっきりしてにじみが全く無く、文字が鮮明であり、実用できる。
○:境界のにじみが目立たず、文字が鮮明であり、実用できる。
△:境界のにじみが目立ち、文字が不鮮明で実用上問題がある。
×:境界のにじみがひどく、文字が判別できなくなり実用上不可。
ISO標準画像(ISO/JIS−SCID高精細カラーデジタル標準画像データ、画像の名称:ポートレート、画像の識別番号:N1)をセイコーエプソン社製顔料インク専用インクジェットプリンター「PX−5800」を用い、得られたインクジェット記録用紙に印字した。印字した画像を目視によって評価した。
◎:記録画像が非常に鮮明でコントラストがはっきりしており、実用できる。
○:記録画像が鮮明でコントラストがはっきりしており、実用できる。
△:記録画像が鮮明であるがコントラストがはっきりしなく、色が沈んでおり、実用上問題がある。
×:記録画像が不鮮明で、色が沈んでおり、実用上不可。
セイコーエプソン社製顔料インク専用インクジェットプリンター「PX−5800」を用い、CMYKの各インク並びにRGB(Red−Green−Blue)のベタ(100%濃度)及び文字を得られたインクジェット記録用紙に印字した。ベタ部の各色の境界及び文字のにじみの程度を目視によって評価した。
◎:境界がくっきりしてにじみが全く無く、文字が鮮明であり、実用できる。
○:境界のにじみが目立たず、文字が鮮明であり、実用できる。
△:境界のにじみが目立ち、文字が不鮮明で実用上問題がある。
×:境界のにじみがひどく、文字が判別できなくなり実用上不可。
ISO標準画像(ISO/JIS−SCID高精細カラーデジタル標準画像データ、画像の名称:ポートレート、画像の識別番号:N1)をセイコーエプソン社製染料インク専用インクジェットプリンター「EP−801A」を用い、得られたインクジェット記録用紙に印字したときの、光沢発現層表面の擦り傷の度合いを目視評価した。
◎:擦り傷が全く無く良好であり、実用できる。
○:擦り傷が僅かに認められるが目立たず、実用できる。
△:擦り傷が明らかに認められ、実用上問題がある。
×:擦り傷が著しく認められ、実用上不可。
Claims (6)
- 紙基材の少なくとも片面に1層以上のインク受容層が設けられ、該インク受容層の最表層上に、顔料と結着剤とを含有する光沢発現層がキャストコート法によって設けられたインクジェット記録用光沢紙であって、
前記光沢発現層が、前記顔料としてBET比表面積が200〜400m2/gである気相法シリカと球状コロイダルシリカとだけを含有し、
球状コロイダルシリカの含有量が、気相法シリカ及び球状コロイダルシリカの合計質量100質量部に対して、20〜70質量部であり、
かつ、前記結着剤としてシラノール変性ポリビニルアルコールと鹸化度が78〜95mol%であるポリビニルアルコールとを含有し、
かつ、ジルコニウム化合物を含有し、
かつ、潤滑剤として高級脂肪酸塩とポリエチレンエマルジョンとを含有することを特徴とするインクジェット記録用光沢紙。 - 前記ジルコニウム化合物の含有量が、前記光沢発現層に含有される前記顔料100質量部に対してZrO2換算で0.10〜10.0質量部であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用光沢紙。
- 前記光沢発現層が、結着剤として更にカチオン性ポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用光沢紙。
- 前記光沢発現層を形成するキャストコート法が凝固法であり、かつ、凝固液が、高級脂肪酸塩とポリエチレンエマルジョンとを含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のインクジェット記録用光沢紙。
- 前記高級脂肪酸塩は、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、オレイン酸塩のうち、いずれか1種以上であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録用光沢紙。
- 前記凝固液は、凝固剤としてホウ酸ナトリウム若しくはホウ酸のいずれか一方又はその両方を含有することを特徴とする請求項4又は5に記載のインクジェット記録用光沢紙。
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