JP5468828B2 - インクジェット記録用光沢紙 - Google Patents

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本発明は、インクジェット記録用光沢紙に関し、特に銀塩写真並の光沢感を有し、写真画質に近い印字品位を有し、かつ、光沢発現層を設けた面の反対面に凸版印刷などを施す場合にも印刷インキの着肉性に優れ、かつ、光沢発現層の変形を極力抑制できるインクジェット記録用光沢紙に関する。
インクジェット記録方式は、インクの液滴を吐出し、記録媒体上に付着させることによってドットを形成し、記録を行う方式である。近年、インクジェットプリンター、インク、記録媒体の技術的進歩によって、印字品質の高い記録が可能になってきている。インクジェット記録媒体に求められる要素としては、
(a)インクの吸収、乾燥が速いこと
(b)印字濃度が高いこと
(c)ドットの広がり及び/又はひげ状の滲みが無いこと
などがあげられる。一般の普通紙でも一定以上のサイズ性があれば、滲みも少なくある程度の印字品質が期待できる。一方、より高い印字品質を求める場合には、媒体上にインクジェットプリンターのインクに対して適性のあるインク受容層を各種基材上に設けた専用の媒体が使用される。これらインクジェット記録専用の媒体としては、紙及び/又はフィルムを支持体として、顔料と結着剤を主成分とする顔料塗工層又は顔料を含まない樹脂塗工層を表面に設けたものが多く使用される。
インクジェット専用媒体は、更に表面状態からマット調媒体と光沢媒体に分類される。銀塩写真により近い画像品質を要求する場合には、後者の光沢媒体が使用される。これら光沢媒体に要求される特性としては。前記した特性以外に
(d)ドットの真円性が高く、画像再現性が良好なこと
(e)耐水性、耐光性が良好であること
(f)画像領域、白紙部分の光沢感が高いこと
などがあげられる。
光沢媒体の製法としては、(a)のインク吸収性、乾燥性を維持しながら(b)〜(f)の各特性を維持するために、各種の方法が提案されているが、一般的方法はキャストコート法によってインク受容層を形成し表面に光沢を付与する方法と、印画紙用基材上に多層塗工方式などによるインク受容層及び光沢発現層を形成する方法とがある。
一般には、前者は、(a)のインク吸収性が後者に比べ制御しやすいが、(d)のドット真円性、画像再現性、(f)の画像領域、白紙部分の光沢感、品位では後者に比べ劣っている。印画紙用基材は、一般にRC紙(レジンコート紙)といわれるように、紙の基材上にポリエチレンのフィルム層が形成されているためにインク受容層をその表面に形成した場合、フィルム面が平滑であることからインク受容層表面も平滑で、光沢のある表面が形成しやすい。
しかし、全体のコストは、インク吸収性をあげるために塗工量を多くする必要があり、また基材そのものが紙よりも高価であることから前者のキャストコート法による光沢媒体に比べ高いものとなる。また、廃棄する場合には、複合素材であることからリサイクルができないといった問題もある。
キャストコート法によるインクジェット記録用光沢紙については、この点有利であるが、前記した品質面での問題があり、これらの課題を解決するために各種の提案がなされている。
例えば、記録層表面の平均粗さ、光沢度及び記録紙の透気度を規定することで表面の平滑性が高く、画質の高級感に優れるインクジェット記録用紙が得られるとの提案がある(例えば、特許文献1を参照。)。
また、記録層表面の亀裂の大きさ及び個数を規定することによって優れた光沢感及びインク受容性を有するインクジェット記録用紙が得られるとの提案もある(例えば、特許文献2を参照。)。しかしこの場合には、亀裂数が少なすぎると光沢感が増す一方インク吸収性が低下するという問題点もある。
さらに、パールネックレス状のコロイダルシリカを含むインクジェット記録シートの提案もある(例えば、特許文献3を参照。)。この場合には、パールネックレス状のコロイダルシリカを使用することで印字品質、特にインク吸収性向上に効果があるとされている。
さらに、近年インク吸収速度が速く、銀塩写真並の光沢感を有するインクジェット記録用光沢紙として、アルミナ水和物を水溶性バインダーと混合して塗工した用紙が提案されている(例えば、特許文献4を参照。)。
前記文献のごとき銀塩写真に非常に近い光沢感を有するインクジェット記録用媒体は銀塩写真の代替として提案されているが、葉書用途として使用される場合も多くなってきている。葉書用途の場合、光沢発現層が設けられている面とは反対面に郵便枠などのデザイン画をオフセット印刷することが多い。また、例えば年賀葉書用途の場合、お年玉くじのナンバーを印刷するときには凸版印刷が施されることが多く、この印字部が光沢発現層表面に凹凸のパターンとして浮き出てしまって欠点となる問題がある。以下、光沢発現層表面に凹凸パターンが浮き出る現象を「エンボス」と略称する。
このような問題を解決する先行技術として、インクジェット記録用光沢紙の光沢発現層を設けた面と反対面の厚さ方向の圧縮率を規定することでエンボスを抑制するという技術が開示されている(例えば、特許文献5を参照。)。
特開平06−072017号公報 特開平11−348416号公報 特開2000−108506号公報 特開平06−055829号公報 特開2008−114602号公報
前記のようなエンボスは、いわゆるマット調インクジェット記録用媒体と比較して銀塩写真代替を狙った光沢発現層を有するインクジェット記録用光沢紙の方が顕著である傾向が強い。この理由は、光沢発現層に使用される顔料が、いわゆるマット調インクジェット記録用紙に使用される顔料より小粒子径であることが多く、よって、必然的に表面が高平滑かつ高光沢になるために僅かな凹凸でも人間の目には見えてしまうという現象による。よって、このエンボス問題については、光沢発現層を有するインクジェット記録用紙の方が、その他のインクジェット記録用紙よりも深刻であるといえる。
また、光沢発現層が設けられている面とは反対面にお年玉くじなどのナンバーを凸版印刷する場合、前記エンボス現象を極力抑制するために凸版印刷の印圧を下げることがある。このような場合に、ナンバー画線部に欠けが生じてしまい、着肉不良の欠点となることが多い。よって、光沢発現層を設けた面の反対面に印刷を施す用途のインクジェット記録用光沢紙の場合には、この反対面に優れた着肉性も同時に要求されることが多い。以下、光沢発現層が設けられた面の反対面の印刷インキの着肉性を単に「着肉性」と略称する。
インクジェット記録用光沢紙に関しては、エンボスの抑制と着肉性の両立が非常に重要であるが、実際は困難であるのが現状である。例えば、特許文献5に記載された技術は、エンボスを抑制できるというが、エンボスの抑制と着肉性との両立に対しての具体性がなく不満足である。
以上のように、銀塩写真代替を狙った光沢感が高いインクジェット記録用光沢紙については、マット調インクジェット用紙などの光沢が低いインクジェット記録用紙と比較した場合、銀塩写真並みの光沢感を有しつつ、エンボスの抑制と着肉性を両立することが非常に困難であり、技術的課題として残っている。
よって、本発明者等による研究結果から、前記各提案内容では光沢発現層を有するインクジェット記録用紙に関して、エンボスの抑制と着肉性の両立への要求に対して完全に満足できるものがないとの結論に至った。このような現状を鑑みると、光沢発現層を有するインクジェット記録用光沢紙において、優れた画質と銀塩写真並みの光沢感を有し、かつ、非常に優れた耐エンボス性と着肉性を併せもつ記録用紙は全くないのが現状である。
本発明の目的は、インクジェット記録用光沢紙において、前記従来技術の問題点である、良好なインク吸収性をもちながら、銀塩写真並の高光沢感を有し、写真画質に近い印字品位を有し、かつ、光沢発現層を設けた面の反対面に凸版印刷を施しても印刷インキの着肉性に優れ、かつ、光沢発現層の変形を抑制できるインクジェット記録用光沢紙を提供することである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、インクジェット記録用光沢紙の比容積、厚さ及び光沢発現層を設けた面の反対面の平滑性を所定範囲にすることで前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係るインクジェット記録用光沢紙は、透気性を有する紙基材の片面に1層以上のインク受容層が設けられ、該インク受容層上に顔料と結着剤とを含有する光沢発現層がキャストコート法によって設けられたインクジェット記録用光沢紙であって、前記紙基材が、3層以上の多層抄きで抄紙されており、かつ、紙基材のパルプが古紙パルプを含まず、かつ、紙基材が填料として二酸化チタンを含まず、該インクジェット記録用光沢紙の比容積が1.20〜1.30cm/gであり、かつ、該インクジェット記録用光沢紙の厚さが150〜300μmであり、かつ、前記光沢発現層を設けた面の反対面に、プリズムの平坦面を3.4MPaの押し圧で押し当て、0.16mm未満の面積を有する微小非接触部を含む接触部と0.16mm以上の面積を有する非接触部とに分類したとき、測定部面積に対する前記非接触部の合計面積の割合を示す「非接触部の合計面積率」が5.0%以下であることを特徴とする。
また、本発明に係るインクジェット記録用光沢紙では、前記光沢発現層を設けた面の反対面の上方から先端径10mmの金属製圧子を0.20mm/秒の速度で試料の厚さ方向に5〜800gf/cmの範囲の圧力で連続加圧して押し込んだときの圧縮硬さが0.38以上であることが好ましい。よりエンボス抑制効果に優れたものにすることが可能となる。
また、本発明に係るインクジェット記録用光沢紙では、前記紙基材に使用されるパルプのカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)が450〜600mlであることが好ましい。比容積が高くなりやすいため、よりエンボスを抑制することが可能となる。
また、本発明に係るインクジェット記録用光沢紙では、前記キャストコート法が凝固法であることが好ましい。特に生産性に優れ、光沢感及び画像鮮明性に優れる。
また、本発明に係るインクジェット記録用光沢紙では、前記光沢発現層が、前記顔料として、平均二次粒子径が500nm以下であるシリカ若しくはアルミナのいずれか一方又はそれら両方を含有することが好ましい。特に光沢感及びインク吸収性に優れる。
また、本発明に係るインクジェット記録用光沢紙は、葉書用途の製品又は葉書状加工品であることが好ましい。葉書用途の製品としては、例えば裁断前の巻き取り製品である。着肉性に優れ、かつ、エンボス現象が大きく抑制されたインクジェット記録用光沢紙は特に葉書用途として使用されるのが好適である。また、光沢発現層を設けた面の反対面が凸版印刷される葉書としての用途が更に好適である。
本発明のインクジェット記録用光沢紙は、表面光沢感及びインク吸収性を高いレベルで両立させながら、かつ、着肉性と耐エンボス性を両立させるものである。特に、高い光沢感のあるインクジェット記録用光沢紙は葉書用途で使用されることも多く、凸版印刷加工時の生産性の観点から、着肉性と耐エンボス性の両立に対する要求は益々レベルが上がっていくものと容易に推察されることから、本発明の有意性は大きいと考えられる。
圧縮硬さの測定方法を説明するためのグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、これらの記載に限定して解釈されず、発明の効果を奏する限り、実施形態を変形してもよい。
通常光沢のあるインクジェット記録用光沢紙の光沢発現層塗工液顔料としては、球状コロイダルシリカ、球状コロイダルシリカが複数個結合した凝集体コロイダルシリカ、気相法シリカ、アルミナなどを使用するのが一般的である。これら顔料は光沢を高くすることを目的として使用されるため、選定される顔料は概ね平均二次粒子径が1μm未満の小粒子である場合が極めて多い。一方で、光沢のないインクジェット記録用紙、いわゆるマット調インクジェット記録用紙のインク受容層に使用される顔料は、光沢を高くする必要が無いことから平均二次粒子径として1μm〜30μm程度の比較的大粒子が使用される。よって、必然的に光沢を有するインクジェット記録用媒体の塗工層は、マット調用紙と比較すると高平滑性を有し、僅かな凹凸でも人間の目に見えやすい傾向にある。
よって、インクジェット記録用光沢紙に関していえば、耐エンボス性能を向上させることが極めて困難であるために、通常は光沢発現層を設けた面の反対面に凸版印刷を施す場合は印圧を下げ気味にする。故に必然的に着肉性が低下してしまう。よって、インクジェット記録用光沢紙に関しては、エンボス抑制技術と同時に着肉性の向上が技術的に必要であった。
本発明においては前記目的を達成するために、透気性を有する紙基材の少なくとも片面に1層以上のインク受容層が設けられ、該インク受容層上に顔料と結着剤とを含有する光沢発現層がキャストコート法によって設けられたインクジェット記録用光沢紙であって、前記紙基材が、3層以上の多層抄きで抄紙されており、かつ、紙基材のパルプが古紙パルプを含まず、かつ、紙基材が填料として二酸化チタンを含まず、該インクジェット記録用光沢紙の比容積が1.20〜1.30cm/gであり、かつ、該インクジェット記録用光沢紙の厚さが150〜300μmであり、かつ、前記光沢発現層を設けた面の反対面に、プリズムの平坦面を3.4MPaの押し圧で押し当て、0.16mm未満の面積を有する微小非接触部を含む接触部と0.16mm以上の面積を有する非接触部とに分類したとき、測定部面積に対する前記非接触部の合計面積の割合を示す「非接触部の合計面積率」が5.0%以下であるインクジェット記録用光沢紙を作製した。
本発明者等の研究結果によると、インクジェット記録用光沢紙の比容積がエンボスに影響を及ぼすことが判明した。ここでいう比容積は、次の(数1)の計算で求める。
(数1)比容積(cm/g)=厚さ(μm)÷坪量(g/m
インクジェット記録用光沢紙の比容積が1.20cm/g未満では耐エンボス性が悪化し、1.30cm/gを超える場合は光沢発現層を設けた面の反対面の表面強度が低下して、宛名面印刷などでオフセット印刷するときに紙ムケなどの欠点が発生する問題がある。ここで、比容積が低い場合に耐エンボス性が悪化する原因は定かではないが、紙基材のクッション性が低下するためと考えられる。好ましくは、1.20〜1.27cm/gであり、更に好ましくは1.20〜1.25cm/gの範囲である。比容積は紙基材からの影響が大きいため、紙基材抄造時に、ソフトキャレンダー処理などの処理を行って、適度な比容積に調整する必要がある。インクジェット記録用光沢紙の比容積を前記範囲とするためには紙基材の比容積が1.05〜1.40cm/gであることが好ましい。更に好ましくは、紙基材の比容積が1.10〜1.30cm/gである。また、インク受容層塗工時若しくは光沢発現層塗工時又はそれら両方の塗工時に適宜キャレンダー処理などの処理によってインクジェット記録用光沢紙の比容積を調節することもできる。
また、本発明においてはインクジェット記録用光沢紙の厚さが150〜300μmであることが必須である。150μm未満では、厚さが薄すぎて耐エンボス性が悪化する。300μmを超える場合は、厚すぎてプリンター搬送性に悪影響を及ぼす。好ましくは170〜280μmである。更に好ましくは180〜250μmである。インクジェット記録用光沢紙の比容積と同様に、厚さは紙基材からの影響が大きいため、紙基材抄造時にソフトキャレンダー処理などの処理を行って、適度な厚さに調整する必要がある。紙基材の厚さが130〜290μmであることが好ましい。更に好ましくは、紙基材の厚さが140〜280μmである。また、インク受容層塗工時若しくは光沢発現層塗工時又はそれら両方の塗工時に適宜キャレンダー処理などの処理によって厚さを調節することもできる。
また、本発明においては光沢発現層を設けた面の反対面に、プリズムの平坦面を3.4MPaの押し圧で押し当て、0.16mm未満の面積を有する微小非接触部を含む接触部と0.16mm以上の面積を有する非接触部とに分類したとき、測定部面積に対する非接触部の合計面積の割合を示す「非接触部の合計面積率」(以下、この面積率の値をMA値と省略する)が5.0%以下であることが必須である。MA値が5.0%を超える場合は、大きな凹みが多いために着肉性が悪化する。好ましくはMA値が3.5%以下である。厚さと比容積と同様に、光沢発現層を設けた面の反対面の平滑性は紙基材からの影響が大きいため、紙基材抄造時にソフトキャレンダー処理などの処理を行って、適度な平滑性に調整する必要がある。紙基材のMA値が5.0%以下であることが好ましい。更に好ましくは、3.5%以下である。また、インク受容層塗工時若しくは光沢発現層塗工時又はそれら両方の塗工時の乾燥工程で塗工面と反対面の平滑度が低下する場合が多いため、適宜キャレンダー処理などの処理によって平滑度を調節することが必要である場合が多い。特にキャストコート法は、乾燥時に蒸気が塗工面の反対面へ抜けていくために、平滑性が低下しやすい傾向にある。MA値を5.0%以下にする具体的手段としては、例えば後述するカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)を特定範囲内に収めること、紙基材抄造時のソフトキャレンダー処理を行うこと、又は、インク受容層塗工時若しくは光沢発現層塗工時又はそれら両方の塗工時に適宜キャレンダー処理などの処理を行うことである。本発明において光沢発現層を設けた面の反対面の平滑性について一定加圧時の非接触面積率で規定した理由は、パーカー・プリント・サーフ(PPS)やベック平滑度などの、いわゆるエアリーク法による平滑度測定法よりも直接的な表面状態を把握できるために、ロトグラビア印刷・オフセット印刷・フレキソ印刷・凸版印刷などの印刷時の平滑性をより再現しやすいという理由による。本発明では、一定加圧時における非接触面積率を測定する手段としてPST2600(FIBRO system ab社製)を使用した。また、本発明においては、測定時の条件としてクランピング時間を0.02秒で行った。以下、測定方法について説明する。
設定クランピング圧力及び設定時間にて紙をクランプし、紙の表面をプリズムに押し当てた状態で斜め上方から光を当てる。反射光を上部CCDカメラにて読み取る。市販パーソナルコンピューターに取り付けた専用画像解析基盤と専用プログラムによって、測定画像からプリズム表面と紙表面の接触/非接触エリアを算出する。非接触エリアは面積に応じて階級分けされるため、着肉不良による画線部の欠けと相関するデータが得られる。面積の大きな非接触部が多いと、印刷インキが定着しにくくなり印画部の欠けの原因となりやすい。以上の原理によって、いわゆるエアリーク法による平滑度測定法よりも直接的な表面状態測定を行うことが可能となる。本発明においては、MA値を次の(数2)の計算で求めた。
(数2)MA値(%)=0.16mm以上の非接触部の合計面積(mm)÷測定部面積(mm)×100
ここで、測定部面積とは、プリズムの押し当て面のうち、光を当てる実際の測定部分の面積である。
本発明においては、光沢発現層を設けた面の反対面の上方から先端径10mmの金属製圧子を0.20mm/秒の速度で試料の厚さ方向に5〜800gf/cmの範囲の圧力で連続加圧して押し込んだ時の圧縮硬さが0.38以上であることが好ましい。本発明者は、インクジェット記録用光沢紙の厚さ方向の圧縮挙動が重要と考えて検討した。その結果として、本発明で規定した圧縮硬さを0.38以上にすることで凸版印刷時の光沢発現層へのエンボスを抑制しやすいことを見出した。この圧縮硬さは、加圧子による加圧される過程の特徴を捉えるのに適しており、厚さ方向に圧縮する力に対してどのように変形するかを示すものである。圧縮硬さの数値が低いものは、圧縮で変形しやすいことを示し、光沢発現層へのエンボスが発生しやすくなると考えられる。また圧縮硬さの数値が高いものは、圧縮過程で変形が少なく抑えられて光沢発現層へのエンボスが発生しにくくなると考えられる。すなわち本発明においては、圧縮硬さが0.38以上に規定することで光沢発現層へのエンボスの発生が更に抑制されて好ましい。圧縮硬さに上限はないが、例えば0.80である。好ましくは0.40以上であり、更に好ましくは0.43以上である。圧縮硬さを0.38以上にする具体的手段としては、例えば後述するカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)を特定範囲内に収めること、紙基材抄造時のソフトキャレンダー処理を行うこと、又は、インク受容層塗工時若しくは光沢発現層塗工時又はそれら両方の塗工時に適宜キャレンダー処理などの処理を行うことである。
本発明における圧縮硬さの測定方法は、金属板上に光沢発現層を設けた面の反対面を上側にした状態で両面テープにて固定し、紙のカールの影響を受けない状態でセットする。前記試料をハンディ圧縮試験機KES−G5(カトーテック株式会社製)の試料台上に固定し、加圧子(直径10mmの金属球を先端とする)を試料の上方から0.20mm/秒の速度で試料に押し込み加圧した。このときの加圧子の圧力が5〜800gf/cmの範囲にある場合の圧力と押し込んだ深さの変化を測定し、図1の曲線BAで示した(Bは5gf/cmの圧力時、Aは800gf/cmの圧力時を示す。)。この曲線BAと直線BC及び直線CAとで囲まれた面積(a)を図1に示す∠BCAを直角とする三角形ABCの面積で除した値を「圧縮硬さ」とした。図1から表すと、(aの面積/△ABCの面積)=圧縮硬さ、となる。この「圧縮硬さ」は、値が1.00に近づくほど圧縮に対して硬いことを示す。なお、この「圧縮硬さ」は、無次元数である。なお、厳密には点B及び点Cは、縦軸が5gf/cmの点となる。
本発明においては、インクジェット記録用光沢紙の紙基材が層以上の多層抄きで抄紙されることが好ましい。単層抄き(1層抄き)と比較して、多層抄きの方が各層別に填料種類、填料比率、紙力剤、カナディアンスタンダードフリーネス(CSF)などの条件が調整可能なため、紙基材の厚さ、比容積、平滑性(MA値)及び圧縮硬さについても調整しやすく好ましい。
本発明においては、インクジェット記録用光沢紙の紙基材に使用されるパルプのカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)が450〜600mlであることが好ましい。CSFが450ml未満では紙基材の透気抵抗度が高くなってキャストコート生産性及び光沢感(写像性)に劣り、600mlを超える場合は紙層強度が低下し、またMA値が高くなって平滑性が低下する恐れがある。好ましくは470〜590mlであり、更に好ましくは480〜580mlである。
本発明においては、キャストコート法が凝固法であることが好ましい。キャストコート法が凝固法であることによって、光沢感とインク吸収性及び画像鮮明性とを高いレベルで両立することがより可能となる。
前述したように、光沢発現層は公知のキャストコート法によって形成する。キャストコート法には、ウエット法、凝固法、リウエット法が知られており、本発明においては凝固法であることが好ましい。凝固法は、光沢発現層を塗布し湿潤状態にあるうちに凝固液を塗布して凝固処理してキャストドラムに圧接する方法である。凝固処理においては、塗工層の結着剤成分と効果的に凝固するものを選定することが重要であり、本発明においてはホウ素化合物が好ましい。より好ましくは、ホウ酸ナトリウム若しくはホウ酸のいずれか一方又はそれらの両方である。また、凝固液濃度が高い場合は、凝固力が強くなり、表面強度がより良化するので好ましい。さらに、凝固液にインクを定着させるためのカチオン性高分子を添加することも可能である。また、塗布から凝固剤を付与するまでの時間、凝固剤を付与してキャストドラムに到達するまでの時間、キャストドラム温度、圧着するときの圧力、ライン速度を調整することによって、光沢度の高い光沢発現層が形成できる。これらの諸条件については、使用する設備、塗工液に応じて最適条件を求めることで適正化する。
光沢発現層は、結着剤としてポリビニルアルコールを含有し、かつ、ホウ素化合物を含有することが好ましい。ポリビニルアルコールとホウ素化合物とを含有することで発色性と表面強度を両立させやすい。光沢発現層のポリビニルアルコールの含有量は、光沢発現層中の顔料100質量部に対して1質量部〜30質量部が好ましい。1質量部未満では表面強度に劣る可能性があり、30質量部を超える場合はインク吸収性に劣る場合がある。更に好ましくは3質量部〜20質量部である。また、本発明で使用できるポリビニルアルコールは、カルボキシル変性ポリビニルアルコールやシラノール変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニルアルコールをも含む。また、ホウ素化合物の含有量は、ポリビニルアルコール100質量部に対して5質量部以上が好ましい。5質量部未満の場合は、表面強度が低下する可能性がある。更に好ましくは10質量部以上である。ホウ素化合物の種類は特に限定されないが、ホウ酸ナトリウム若しくはホウ酸のいずれか一方又はそれらの両方が好ましい。
前記ポリビニルアルコールと併用して用いることができる、光沢発現層に使用できる結着剤としては、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルピロヒドリン系樹脂、ポリアクリル酸又はその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体又は共重合体などのアクリル系重合体ラテックス類、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス類、コロイダルシリカとアクリルの共重合体樹脂、コロイダルシリカとスチレン−アクリルの共重合体樹脂などの樹脂類を例示することができるが、本発明の効果を損なわない範囲であれば、特に限定されるものではない。
本発明においては、光沢発現層にカチオン性高分子を含有させることも可能である。カチオン性高分子を含有することで印画部の耐水性を向上させることが可能である。このようなカチオン性高分子としては、ポリエチレンイミン、エピクロルヒドリン変性ポリアルキルアミン、ポリアミン、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ジメチルアミンアンモニアエピクロルヒドリン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムハライド、ポリジアクリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ポリビニルピリジウムハライド、カチオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリスチレン共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド二酸化硫黄共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドアミド共重合物、ジシアンジアミドホルマリン重縮合物、ジシアンジアミドジエチレントリアミン重縮合物、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミドエポキシ樹脂、メラミン樹脂酸コロイド、尿素系樹脂、カチオン変性PVA、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型化合物、その他第4級アンモニウム塩類などが用いられる。カチオン性高分子の含有量は、光沢発現層の顔料100質量部に対して1質量部〜50質量部が好ましい。1質量部未満の場合は印画部の耐水性が低下する可能性があり、50質量部を超える場合はインク吸収性が低下する可能性がある。
本発明においては、光沢発現層が、平均二次粒子径が500nm以下であるシリカ若しくはアルミナのいずれか一方又はそれら両方を含有することが好ましい。平均二次粒子径が500nm以下であるシリカ若しくはアルミナのいずれか一方又はそれら両方を含有することによって光沢感とインク吸収性及び画像鮮明性とをより高いレベルで両立させることが可能となる。光沢感を更に向上するために、平均二次粒子径が450nm以下であるシリカ若しくはアルミナのいずれか一方又はそれら両方を含有することがより好ましい。シリカとアルミナの両方を用いる場合は、例えば質量比でシリカ:アルミナ=95:5〜5:95、好ましくはシリカ:アルミナ=90:10〜10:90とする。本発明では、平均二次粒子径は、動的散乱法(例えば大塚電子社製、DLS−6500)によって測定した値を用いる。また、球状コロイダルシリカ(凝集体コロイダルシリカを除く。)は、二次粒子を形成せずに一次粒子で存在しているため、本発明ではシリカとして球状コロイダルシリカを用いる場合には、平均二次粒子径が500nm以下のシリカの概念に、平均一次粒子径が500nm以下の球状コロイダルシリカを含むものとして扱う。
光沢発現層には、離型剤、分散剤、増粘剤、防腐剤、消泡剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、耐水化剤、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を適宜選定して添加することができる。
光沢発現層を形成する塗工液の塗布法としては、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコータ−、バーコーター、コンマコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、同時多層塗工機など公知の塗工機が用いられ、特に制限はない。塗工量は、固形分換算で3〜20g/m、好ましくは5〜15g/mの範囲が好ましい。塗工量が20g/mを超えると生産性が劣り、塗工量が3g/m未満の場合には十分な光沢面が形成しづらい。
本発明においては、本発明によるインクジェット記録用光沢紙が葉書用途の製品又は葉書状加工品であることが好ましい。着肉性に優れ、かつ、エンボス現象が大きく抑制されたインクジェット記録用光沢紙は特に葉書用途として使用されるのが好適である。また、光沢発現層を設けた面の反対面が凸版印刷されて使用されるのが更に好適である。
光沢発現層のJIS H 8686−2:1999「アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の写像性試験方法」に準じ、光学くし幅2mm入反射角度60°による条件の写像性が50%以上であることが光沢感の観点から好ましい。さらに好ましくは、写像性が55%以上を有することである。写像性が60%以上であれば、更に優れた光沢感を有するといえる。ここで、入反射角度を当該JIS記載の45°を60°と変更した理由は、光沢感の差異を評価しやすくするためである。
光沢発現層形成後に、マシンカレンダー、ソフトカレンダー、スーパーカレンダーなどのカレンダー処理を行ってもよいし、カール調整のため、裏面に水、カール調整剤などを塗布したり、加湿したりしてカール調整を行うこともできる。
本発明のインクジェット記録用光沢紙は、光沢発現層の下に1層以上のインク受容層を設ける。インク受容層は、白色顔料と結着剤成分とを主成分とするものである。インク受容層は、1層とし、又は、厚さを得るために2層以上としても良い。インク受容層を2層以上設けても厚さへの影響を除き、1層との性能の差異はない。
インク受容層に用いる顔料としては、公知の白色顔料を1種以上含むものであり、例えば、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪藻土、水酸化アルムニウム、水酸化マグネシウム、サチンホワイト、合成シリカ、コロイダルシリカ、アルミナなどの白色無機顔料又はアクリル‐スチレン、エチレン、塩化ビニル、ナイロンなどの有機顔料があげられる。
インク受容層の結着剤は、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルピロヒドリン系樹脂、ポリアクリル酸若しくはその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体若しくは共重合体などのアクリル系重合体ラテックス類、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス類の樹脂類が例示され、単独又は併用して用いられる。結着剤の使用量は、記録媒体の印字適性、インク受容層の強度、塗工液の液性を考慮して決定される。通常、顔料質量100質量部に対し1〜200質量部の範囲で添加される。好ましくは、5〜100質量部程度の範囲で添加される。1質量部未満であると、塗工層強度が低下する場合がある。200質量部を超えると、インク吸収性が低下する場合がある。
本発明において、インク受容層中にも前記顔料及び結着剤類以外に前記に例示したカチオン性高分子を添加することが好ましい。カチオン性高分子の作用としては、インク中に使用されている染料中のアニオン性の成分と反応し水に不溶な塩を形成することから、インクをインク受容層に、より強固に定着させ、耐水性が向上する。インク受容層中の含有量は、特に限定されないが、顔料100質量部に対し1〜50質量部の範囲で使用される。好ましくは、5〜40質量部程度の範囲で添加される。1質量部未満であると、印画部の耐水性が低下する場合がある。50質量部を超えると、インク吸収性が劣る場合がある。
インク受容層に含有させるその他の添加剤としては、必要に応じて消泡剤、潤滑剤、分散剤、湿潤剤、蛍光増白剤、着色染料、着色顔料、増粘剤、防腐剤、耐水化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを使用できる。
インク受容層を形成する塗工液の塗布法としては、エアーナイフ、ロールコーター、バーコーター、コンマコーター、ブレードコーター、同時多層塗工機など公知の塗工機を用いる。塗工量は、特に限定されないが、塗工量が少なすぎる場合はインク吸収性が劣ることから、固形分換算で5g/m以上とすることが好ましい。また、塗工量が多すぎる場合は光沢発現層塗工時にバインダーマイグレーションが発生し、光沢発現層の表面強度が低下する恐れがあるので25g/m以下が好ましい。より好ましくは、6〜20g/mである。
また、塗工後に一定の平滑性を出すために、インク受容層をスーパーカレンダー、マシンカレンダー、ソフトカレンダーなど公知のカレンダー装置によって処理することも可能である。
透気性を有する紙基材としては、上質紙、中質紙、白板紙などの紙基材を用いることができる。また、酸性紙及び中性紙も使用することが可能である。また、保存時の耐変色性に優れている傾向があることから、使用する紙基材が酸性紙であることが好ましい。ここで記述される酸性紙とは、タルク、カオリンクレーなどの酸性填料と硫酸バンドなどの酸性薬品とが添加されて抄紙される紙のことをいう。また、本発明においては、燃料としてリサイクルされる場合を考慮し原料パルプとしては、塩素含有量の少ないECF(Elemental Chlorine Free)パルプ又はTCF(Totally Chlorine Free)パルプの使用が望ましい。また、使用する填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、合成シリカ、アルミナ、タルク、焼成カオリンクレー、カオリンクレー、ベントナイト、ゼオライト、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛などの公知の顔料を使用することが可能である。
また、紙料中には前記パルプ、填料以外にも公知の紙力剤、硫酸バンド、歩留まり向上剤、サイズ剤、染料、蛍光染料などの各種抄紙用薬品が適宜用いられる。各紙料の調成方法、配合、各抄紙薬品の添加方法については、本発明の効果を損なうものでなければ特に限定されない。また、前記紙料を用いて円網抄紙機、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの公知の抄紙機又はこれらのコンビネーションを適用して抄造することが可能である。
また、光沢発現層塗工液の過度の浸透を抑えるために、サイズプレスなどで澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどの公知の水溶性高分子を塗布することが好ましい。また、抄紙機のウェットプレス、ソフトキャレンダーなどの設備を用いて適宜処理を施すことによって、所望の比容積、厚さ及びMA値(平滑性)に調整することが可能となる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」及び「%」は、特に明示しない限り固形質量部及び固形質量%を示す。
(実施例1)
(紙基材)
紙基材として、カナディアンスタンダードフリーネス(CSF)490mlに叩解したL−BKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)100部に対して、内添填料としてタルク(商品名:Tライト83、太平タルク社製)5部を添加し、更に硫酸バンド3%、酸性ロジンサイズ剤(商品名:AL−120、星光PMC社製)0.25部、カチオン化澱粉(商品名:マーメイドC−50、敷島スターチ社製)1.1部を添加して紙料を調成し、長網抄紙機で3層抄きにて抄紙した後に酸化澱粉(MS#3600、日本食品化工社製)をサイズプレスにて絶乾塗付量2.0g/mとなるよう表面処理し、次いでソフトキャレンダーにてキャレンダー処理を施して坪量180g/m、厚さ216μm、比容積1.20cm/g、塗工する面とは反対面のMA値が2.8%である上質紙を作製した。
(インク受容層の塗設)
次いで、合成シリカ(ミズカシルP−78A、水澤化学工業社製)100質量部、結着剤としてポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)10質量部、エチレン−酢酸ビニル(ポリゾールEVA AD−10:昭和高分子社製)40質量部、カチオン性高分子(パピオゲンP−105:センカ社製)30質量部を用い、固形分濃度22%の塗工液をエアーナイフコーターで絶乾塗工量10g/mとなるように前記紙基材の塗工する面に塗布・乾燥してインク受容層を塗設した。
(光沢発現層の塗設)
次いで、光沢発現層塗工液の顔料として球状コロイダルシリカ(アデライトAT−20Q、平均一次粒子径10nm:ADEKA社製)100質量部、結着剤としてアクリル樹脂エマルジョン(リカボンドES−63:中央理化工業社製)12質量部、シラノール変性ポリビニルアルコール(PVA−R1130:クラレ社製)3質量部、離型剤としてポリエチレンエマルジョン(ノプコートPEM17:サンノプコ社製)1質量部を用いて固形分濃度18%の塗工液を得た。この塗工液をエアーナイフコーターで絶乾塗工量9.6g/mとなるように前記インク受容層の表面に塗布し、次いでホウ酸ナトリウム1.0%、カチオン性高分子(スミレーズレジン1001:住友化学工業社製)1.0%となる混合水溶液を乾燥塗布量0.4g/mとなるように塗布して凝固処理を行ったのち、得られた塗工層表面が湿潤状態にあるうちに表面温度105℃のキャストドラムに圧着し、乾燥し、光沢発現層を塗設した。その後にキャレンダー処理で厚さを調整してインクジェット記録用光沢紙を作製した。
(インクジェット記録用光沢紙)
作製したインクジェット記録用光沢紙は、坪量200g/m、厚さ240μm、比容積1.20cm/gであった。また、このときの光沢発現層とは反体面のMA値は3.0%であった。
(実施例2)
実施例1において、光沢発現層塗工液として顔料をアルミナ(PG−003、平均二次粒子径150nm、結晶形−γ、θ混合:CABOT社製)60質量部、気相法シリカ(レオロシールQS−102、平均二次粒子径160nm:トクヤマ社製)40質量部とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。なお、ソフトキャレンダー処理及びキャレンダー処理の条件は、実施例1と同じとした。
(実施例3)
実施例1において、光沢発現層塗工液として顔料を複数個の1次粒子がランダムに結合した凝集体形状を有するコロイダルシリカ(スノーテックスHS−M−20、平均二次粒子径278nm:日産化学社製)100質量部とした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。なお、ソフトキャレンダー処理及びキャレンダー処理の条件は、実施例1と同じとした。
参考例4)
実施例1において、抄紙する条件を変更し、かつ、ソフトキャレンダー処理の加圧力を上げて、坪量130g/m、厚さ143μm、比容積1.10cm/g、塗工する面とは反対面のMA値が2.8%の紙基材(上質紙)を作製した。実施例1と同様にインク受容層及び光沢発現層を塗設した後、キャレンダー処理で厚さを調整してインクジェット記録用光沢紙を作製した。作製したインクジェット記録用光沢紙は、坪量150g/m、厚さ165μm、比容積1.10cm/g、光沢発現層とは反体面のMA値が2.9%であった。なお、キャレンダー処理の条件は、実施例1と同じとした。
(実施例5)
実施例1において、抄紙する条件を変更し、かつ、ソフトキャレンダー処理の加圧力を下げて、坪量200g/m、厚さ250μm、比容積1.25cm/g、塗工する面とは反対面のMA値が4.0%の紙基材(上質紙)を作製した。実施例1と同様にインク受容層及び光沢発現層を塗設した後、キャレンダー処理で厚さを調整してインクジェット記録用光沢紙を作製した。作製したインクジェット記録用光沢紙は、坪量220g/m、厚さ275μm、比容積1.25cm/g、光沢発現層とは反体面のMA値が4.2%であった。なお、キャレンダー処理の条件は、実施例1と同じとした。
(実施例6)
実施例1において、紙基材に使用するパルプのCSFを580mlにした以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。なお、ソフトキャレンダー処理及びキャレンダー処理の条件は、実施例1と同じとした。
(実施例7)
実施例1において、紙基材を円網抄紙機にて4層抄きにて作製した以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。なお、ソフトキャレンダー処理及びキャレンダー処理の条件は、実施例1と同じとした。
(実施例8)
実施例1において、抄紙する条件だけを変更し、坪量105g/m、厚さ126μm、比容積1.20cm/g、塗工する面とは反対面のMA値が2.8%の紙基材(上質紙)を作製した。実施例1と同様にインク受容層及び光沢発現層を塗設した後、キャレンダー処理で厚さを調整してインクジェット記録用光沢紙を作製した。作製したインクジェット記録用光沢紙は、坪量125g/m、厚さ150μm、比容積1.20cm/g、光沢発現層とは反体面のMA値が3.0%であった。なお、ソフトキャレンダー処理及びキャレンダー処理の条件は、実施例1と同じとした。
(実施例9)
実施例1において、抄紙する条件だけを変更し、坪量230g/m、厚さ276μm、比容積1.20cm/g、塗工する面とは反対面のMA値が2.9%の紙基材(上質紙)を作製した。実施例1と同様にインク受容層及び光沢発現層を塗設した後、キャレンダー処理で厚さを調整してインクジェット記録用光沢紙を作製した。作製したインクジェット記録用光沢紙は、坪量250g/m、厚さ300μm、比容積1.20cm/g、光沢発現層とは反体面のMA値が3.0%であった。なお、ソフトキャレンダー処理及びキャレンダー処理の条件は、実施例1と同じとした。
参考例10)
実施例1において、抄紙する条件を変更し、かつ、ソフトキャレンダー処理の加圧力を上げて、坪量180g/m、厚さ189μm、比容積1.05cm/g、塗工する面とは反対面のMA値が2.5%の紙基材(上質紙)を作製した。実施例1と同様にインク受容層及び光沢発現層を塗設した後、キャレンダー処理で厚さを調整してインクジェット記録用光沢紙を作製した。作製したインクジェット記録用光沢紙は、坪量200g/m、厚さ210μm、比容積1.05cm/g、光沢発現層とは反体面のMA値が2.7%であった。なお、キャレンダー処理の条件は、実施例1と同じとした。
(実施例11)
実施例1において、抄紙する条件を変更し、かつ、ソフトキャレンダー処理の加圧力を下げて、坪量180g/m、厚さ234μm、比容積1.30cm/g、塗工する面とは反対面のMA値が5.0%の紙基材(上質紙)を作製した。実施例1と同様にインク受容層及び光沢発現層を塗設した後、キャレンダー処理で厚さを調整してインクジェット記録用光沢紙を作製した。作製したインクジェット記録用光沢紙は、坪量200g/m、厚さ260μm、比容積1.30cm/g、光沢発現層とは反体面のMA値が5.0%であった。なお、キャレンダー処理の条件は、実施例1と同じとした。
(比較例1)
実施例1と同様の方法にて、ソフトキャレンダーの条件だけを変更して、坪量180g/m、厚さ180μm、比容積1.00cm/g、塗工する面とは反対面のMA値が2.3%の紙基材(上質紙)を作製した。実施例1と同様にインク受容層及び光沢発現層を塗設した後、キャレンダー処理で厚さを調整してインクジェット記録用光沢紙を作製した。作製したインクジェット記録用光沢紙は、坪量200g/m、厚さ200μm、比容積1.00cm/g、光沢発現層とは反体面のMA値が2.7%であった。
(比較例2)
実施例1において、ソフトキャレンダーの条件だけを変更して、坪量180g/m、厚さ243μm、比容積1.35cm/g、塗工する面とは反対面のMA値が5.5%の紙基材(上質紙)を作製した。実施例1と同様にインク受容層及び光沢発現層を塗設した後、キャレンダー処理で厚さを調整してインクジェット記録用光沢紙を作製した。作製したインクジェット記録用光沢紙は、坪量200g/m、厚さ270μm、比容積1.35cm/g、光沢発現層とは反体面のMA値が6.0%であった。
であった。
(比較例3)
実施例1において、インク受容層を設けなかったこと以外は、実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢紙を作製した。なお、ソフトキャレンダー処理の条件は、実施例1と同じとした。
(比較例4)
実施例2において、ソフトキャレンダーの条件だけを変更して、坪量180g/m、厚さ180μm、比容積1.00cm/g、塗工する面とは反対面のMA値が2.4%の紙基材(上質紙)を作製した。実施例2と同様にインク受容層及び光沢発現層を塗設した後、キャレンダー処理で厚さを調整してインクジェット記録用光沢紙を作製した。作製したインクジェット記録用光沢紙は、坪量200g/m、厚さ200μm、比容積1.00cm/g、光沢発現層とは反体面のMA値が2.6%であった。
(比較例5)
実施例3において、ソフトキャレンダーの条件だけを変更して、坪量180g/m、厚さ180μm、比容積1.00cm/g、塗工する面とは反対面のMA値が2.3%の紙基材(上質紙)を作製した。実施例3と同様にインク受容層及び光沢発現層を塗設した後、キャレンダー処理で厚さを調整してインクジェット記録用光沢紙を作製した。作製したインクジェット記録用光沢紙は、坪量200g/m、厚さ200μm、比容積1.00cm/g、光沢発現層とは反体面のMA値が2.7%であった。
(比較例6)
実施例1において、抄紙する条件を変更し、かつ、ソフトキャレンダー処理の加圧力を上げて、坪量110g/m、厚さ121μm、比容積1.10cm/g、塗工する面とは反対面のMA値が2.7%の紙基材(上質紙)を作製した。実施例1と同様にインク受容層及び光沢発現層を塗設した後、キャレンダー処理で厚さを調整してインクジェット記録用光沢紙を作製した。作製したインクジェット記録用光沢紙は、坪量130g/m、厚さ143μm、比容積1.10cm/g、光沢発現層とは反体面のMA値が2.9%であった。なお、キャレンダー処理の条件は、実施例1と同じとした。
(比較例7)
実施例1と同様の方法にて、抄紙する条件だけを変更して、坪量280g/m、厚さ336μm、比容積1.20cm/g、塗工する面とは反対面のMA値が3.0%の紙基材(上質紙)を作製した。実施例1と同様にインク受容層及び光沢発現層を塗設した後、キャレンダー処理で厚さを調整してインクジェット記録用光沢紙を作製した。作製したインクジェット記録用光沢紙は、坪量300g/m、厚さ360μm、比容積1.20cm/g、光沢発現層とは反体面のMA値が3.2%であった。なお、ソフトキャレンダー処理及びキャレンダー処理の条件は、実施例1と同じとした。
得られたインクジェット記録用光沢紙について、次の試験を実施し、結果を表1及び表2に示した。
Figure 0005468828
Figure 0005468828
(1)MA値の測定
PST2600(FIBRO system ab社製)を使用し、0.16mm以上の非接触部の合計面積の、測定部面積に対する比率をMA値(%)として求めた。また、このときのクランピング圧力条件を3.4MPaとし、クランピング時間を0.02秒で行った。
(2)圧縮硬さの測定
金属板上に光沢発現層を設けた面の反対面を上側にした状態で両面テープにて固定し、紙のカールの影響を受けない状態でセットする。前記試料をハンディ圧縮試験機KES−G5(カトーテック株式会社製)の試料台上に固定し、加圧子(直径10mmの金属球を先端とする)を試料の上方から0.20mm/秒の速度で試料に押し込み加圧した。このときの加圧子の圧力が5〜800gf/cmの範囲にある場合の圧力と押し込んだ深さの変化を測定し、図1の曲線BAで示した(Bは5gf/cmの圧力時、Aは800gf/cmの圧力時を示す。)。この曲線BAと直線BC直線及び直線ACとで囲まれた面積(a)を図1に示す∠BCAを直角とする三角形ABCの面積で除した値を「圧縮硬さ」とした。図1から表すと、aの面積/△ABCの面積=圧縮硬さ、となる。この「圧縮硬さ」は、値が1.00に近づくほど圧縮に対して硬いことを示す。なお、この「圧縮硬さ」は、無次元数である。なお、厳密には点B及び点Cは、縦軸が5gf/cmの点となる。
(3)光沢発現層を設けた面の反対面の表面強さの測定
測定方法は、Japan Tappi No.1(2000年度版;A法)に準拠した。実用レベルは、14A以上である。
(4)光沢発現層表面の写像性
得られたインクジェット記録用紙の光沢発現層表面の鏡面性を評価するために写像性を測定した。写像性は、JIS H 8686−2:1999「アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の写像性試験方法」に準じて、光学くし幅2mmにて入反射角度60°とし、写像性測定器(ICM−1T:スガ試験機社製)にて測定した。評価としては、写像性が50%以上は、反射した像が鮮明に写り、光沢感に優れている。50%未満では、反射した像が不鮮明に写り、光沢感に劣る。ここで、入反射角度を当該JIS記載の45°を60°と変更した理由は、光沢感の差異を評価しやすくするためである。
(5)画像鮮明性
ISO標準画像(ISO/JIS−SCID高精細カラーデジタル標準画像データ、画像の名称:ポートレート、画像の識別番号:N1)をセイコーエプソン社製インクジェットプリンター「PM−G820」を用い、得られたインクジェット記録用紙に印字した。印字した画像を目視によって評価した。
◎:記録画像が非常に鮮明でコントラストがはっきりしており、実用できる。
○:記録画像が鮮明でコントラストがはっきりしており、実用できる。
△:記録画像が鮮明であるがコントラストがはっきりしなく、色が沈んでおり、実用上問題がある。
×:記録画像が不鮮明で、色が沈んでおり、実用上不可。
(6)インク吸収性
セイコーエプソン社製インクジェットプリンター「PM−G820」を用い、CMYKの各インクの単色及びRGB(Red−Green−Blue)の三原色について、ベタ(100%濃度)及び文字を、得られたインクジェット記録用紙に印字した。ベタ部の各色の境界及び文字の滲みの程度を目視によって評価した。
◎:境界がくっきりして滲みが全く無く、文字が鮮明であり、実用できる。
○:境界の滲みが目立たず、文字が鮮明であり、実用できる。
△:境界の滲みが目立ち、文字が不鮮明で実用上問題がある。
×:境界の滲みがひどく、文字が判別できなくなり実用上不可。
(7)着肉性の評価
橋本鉄工販売株式会社製の印刷機「JM」にてナンバリングを凸版印刷にて行い、光沢発現層を設けた面の反対面の着肉性を目視評価した。
◎:ナンバリング画線部に欠けがなく、全く問題なし。
○:ナンバリング画線部に欠けがほとんどなく、実用上問題なし。
△:ナンバリング画線部の欠けが目立ち、実用上問題となるレベル。
×:ナンバリング画線部の欠けが著しく目立ち、実用上不可。
(8)光沢発現層のエンボスの評価
橋本鉄工販売株式会社製の印刷機「JM」にてナンバリングを凸版印刷にて行い、光沢発現層表面のエンボスを目視で評価した。
◎:エンボスが極めて目立たず、全く問題なし。
○:エンボスが見えるが、実用上問題なし。
△:エンボスが目立ち、実用上問題となるレベル。
×:エンボスが著しく目立ち、実用上不可。
(9)インクジェットプリンターでの搬送性評価
ヒューレットパッカード社製インクジェットプリンター「Photosmart 2710」にはがきの寸法に裁断したインクジェット記録用光沢紙を10枚セットして搬送性を評価した。
○:紙詰まりが1回も発生せず、全く問題ないレベル。
△:紙詰まりが1回発生し、実用上問題となるレベル。
×:紙詰まりが2回以上発生し、実用上不可。
表1及び表2から明らかなように、実施例1〜3、5〜9、11は、比較例1〜7に比べて印字性能と光沢感に優れ、かつ、光沢発現層を設けた面の反対面の着肉性に優れ、かつ、光沢発現層のエンボス抑制効果に優れ、光沢発現層を設けた面の反対面の表面強度に優れ、更に搬送性にも優れていた。
比較例1、4、5は、比容積が1.05cm/g未満であるためにエンボス抑制効果に劣った。比較例2は、比容積が1.30cm/gを超え、MA値が5.0%を超えたために光沢発現層を設けた面の反対面の着肉性及び表面強度が劣った。比較例3は、インク受容層を設けなかったために、光沢発現層表面の写像性及び印字性能に劣った。比較例6は、厚さが150μm未満であるためにエンボス抑制効果に劣った。比較例7は、厚さが300μmを超えているためにプリンター搬送性に劣った。

Claims (6)

  1. 透気性を有する紙基材の片面に1層以上のインク受容層が設けられ、該インク受容層上に顔料と結着剤とを含有する光沢発現層がキャストコート法によって設けられたインクジェット記録用光沢紙であって、
    前記紙基材が、3層以上の多層抄きで抄紙されており、かつ、紙基材のパルプが古紙パルプを含まず、かつ、紙基材が填料として二酸化チタンを含まず、該インクジェット記録用光沢紙の比容積が1.20〜1.30cm/gであり、かつ、該インクジェット記録用光沢紙の厚さが150〜300μmであり、かつ、前記光沢発現層を設けた面の反対面に、プリズムの平坦面を3.4MPaの押し圧で押し当て、0.16mm未満の面積を有する微小非接触部を含む接触部と0.16mm以上の面積を有する非接触部とに分類したとき、測定部面積に対する前記非接触部の合計面積の割合を示す「非接触部の合計面積率」が5.0%以下であることを特徴とするインクジェット記録用光沢紙。
  2. 前記光沢発現層を設けた面の反対面の上方から先端径10mmの金属製圧子を0.20mm/秒の速度で試料の厚さ方向に5〜800gf/cmの範囲の圧力で連続加圧して押し込んだときの圧縮硬さが0.38以上であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用光沢紙。
  3. 前記紙基材に使用されるパルプのカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)が450〜600mlであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用光沢紙。
  4. 前記キャストコート法が凝固法であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のインクジェット記録用光沢紙。
  5. 前記光沢発現層が、前記顔料として、平均二次粒子径が500nm以下であるシリカ若しくはアルミナのいずれか一方又はそれら両方を含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のインクジェット記録用光沢紙。
  6. 葉書用途の製品又は葉書状加工品であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載のインクジェット記録用光沢紙。
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