JP2006110771A - インクジェット記録材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水性染料インクで印字したときインク吸収性、耐水性、発色性に優れ、ブロンジングの発生を防止し、高湿環境下での滲みの発生が少ないインクジェット用記録材料を提供する。
【解決手段】支持体上に微粒子シリカを主体に含有するインク受容層を少なくとも2層有するインクジェット記録材料において、支持体から離れたインク受容層が水溶性ジルコニウム化合物を含有し、かつインク受容層全体における水溶性アルミニウム化合物の分布が不均一であって、支持体に近い部分により多く分布していることを特徴とするインクジェット記録材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録材料に関し、特に水性染料インクで印字したときインク吸収性、耐水性、発色性に優れ、ブロンジングの発生を防止し、高湿環境下での滲みの発生が少ないインクジェット記録材料及びその製造方法に関する。
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク受容層を設けてなる記録材料が知られている。
例えば、特開昭55−51583号、同56−157号、同57−107879号、同57−107880号、同59−230787号、同62−160277号、同62−184879号、同62−183382号、及び同64−11877号公報等に開示のごとく、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
また、特公平3−56552号、特開平2−188287号、同平10−81064号、同平10−119423号、同平10−175365号、同10−203006号、同10−217601号、同平11−20300号、同平11−20306号、同平11−34481号、同2000−211235号公報等には、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと記す)を用いた記録材料が開示されている。
ジルコニウム化合物やアルミニウム化合物をインクジェット記録材料に用いることは既に知られている。例えば、特開2000−309157号(特許文献1)、同2002−160442号(特許文献2)および同2004−1240号(特許文献3)には、水溶性アルミニウム化合物、水溶性ジルコニウム化合物を含有するインクジェット記録材料が開示されているが、インク吸収性、耐水性、発色性、ブロンジングおよび高湿環境下における滲みの全てを十分満足するレベルには至っていない。
特開2000−309157号公報(第2〜4頁) 特開2002−160442号公報(第2〜4頁) 特開2004−1240号公報 (第2〜4頁)
本発明の目的は、特に水性染料インクで印字したときインク吸収性、耐水性、発色性に優れ、ブロンジングの発生を防止し、高湿環境下での滲みの発生が少ないインクジェット記録材料及びその製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成される。
1)支持体上に微粒子シリカを主体に含有するインク受容層を少なくとも2層有するインクジェット記録材料において、支持体から離れたインク受容層が水溶性ジルコニウム化合物を含有し、かつインク受容層全体における水溶性アルミニウム化合物の分布が不均一であって、支持体に近い部分により多く分布していることを特徴とするインクジェット記録材料。
2)前記インク受容層が親水性バインダーを含有し、支持体から離れたインク受容層における親水性バインダーと微粒子シリカの質量比(B/P)が、支持体に近いインク受容層における前記質量比(B/P)より小さいことを特徴とする上記1)に記載のインクジェット記録材料。
3)上記1)に記載のインクジェット記録材料の製造方法であって、前記シリカ微粒子を主体に含有するインク受容層の少なくとも2層を支持体上に塗布するに際し、水溶性アルミニウム化合物を含有するインク受容層を支持体に近い側に、水溶性ジルコニウム化合物を含有するインク受容層を支持体から離れた側に配置して塗布することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
4)前記水溶性アルミニウム化合物を含有するインク受容層の乾燥塗布量が12g/m2以上で、前記水溶性ジルコニウム化合物を含有するインク受容層の乾燥塗布量が8g/m2以下となるように塗布する上記3)に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
本発明のインクジェット記録材料において、特に水性染料インクで印字したときインク吸収性、耐水性、発色性に優れ、ブロンジングの発生を防止し、高湿環境下での滲み(高湿滲み)の抑制効果が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインク受容層は、微粒子シリカを主体に含有する。ここで主体に含有するとは、インク受容層を構成する全固形分に対して微粒子シリカを60質量%以上含有することであり、好ましくは65質量%以上含有することであり、更に70質量%以上含有することである。上限は95質量%程度である。微粒子シリカとして合成シリカである気相法シリカ、湿式法シリカの少なくとも1種が使用される。インク吸収性及び発色性の観点から、気相法シリカがより好ましい。
本発明のインク受容層は2層以上から構成され、支持体から離れたインク受容層は水溶性ジルコニウム化合物を含有し、かつ2層以上から構成されるインク受容層全体における水溶性アルミニウム化合物の分布が不均一であって、支持体に近い部分により多く分布していることを特徴とする。
上述した本発明のインクジェット記録材料を得るための製造方法としては、支持体上に微粒子シリカを含有するインク受容層を少なくとも2層塗布するに際し、水溶性アルミニウム化合物を含有するインク受容層を支持体に近い側に、水溶性ジルコニウム化合物を含有するインク受容層を支持体から離れた側に配置して塗布する製造方法が好ましく用いられる。以降、支持体に近いインク受容層をインク受容層A、支持体から離れたインク受容層をインク受容層Bと称す。
本発明において、上記したように水溶性ジルコニウム化合物は、インク受容層Bに含有させて塗布するのが好ましいが、インク受容層Bを塗布した後に水溶性ジルコニウム化合物を含有する水溶液を上から塗布してもよい。
本発明において、インク受容層Bに水溶性ジルコニウム化合物を含有させることが重要であって、インク受容層Aには水溶性ジルコニム化合物を含有させてもよいし、あるいは含有させなくてもよい。しかし、水溶性アルミニウム化合物については、支持体上に塗設されたインク受容層全体において、その分布状態が不均一であって、支持体に近い部分により多く分布することが必須である。従って、インク受容層Bには水溶性アルミニウム化合物は含有させないのが好ましいが、上記分布状態を満足する範囲においては微量添加することは可能である。
水溶性アルミニウム化合物のインク受容層における分布は、例えば、ミクロトームなどにより作製したインク受容層の断面試料について、EMPA(Electron Probe Micro Analyser)などにより、インク受容層の厚さ方向にアルミニウム元素またはジルコニウム元素の測定を行うことで評価される。
本発明において、水溶性ジルコニウム化合物は、少なくとも支持体から離れた部分、即ちインク受容層全体の表面近傍に多く含有させるのが好ましい。このためには、インク受容層Bの膜厚を小さくして、水溶性ジルコニウム化合物を表面近傍に高い密度で効率よく含有させるのが好ましく、インク受容層Bの乾燥塗布量は8g/m2以下とするのが好ましく、特に1〜7g/m2の範囲が好ましい。
また、インク受容層Aはインクの吸収速度及び吸収容量を確保するために、膜厚を大きくすることが好ましく、インク受容層Aの乾燥塗布量は12g/m2以上が好ましく、特に15g/m2以上が好ましい。上限は30g/m2程度である。
インク受容層Bにおける水溶性ジルコニウム化合物の含有量は、微粒子シリカに対して0.5〜15質量%の範囲が好ましく、1〜10質量%の範囲がより好ましく、特に4〜10質量%の範囲が好ましい。また、インク受容層Aにおける水溶性アルミニウム化合物の含有量は、微粒子シリカに対して0.5〜15質量%の範囲が好ましく、1〜10質量%の範囲がより好ましい。
本発明は、支持体から離れたインク受容層Bに水溶性ジルコニウム化合物を含有させること、即ち、表面近傍に水溶性ジルコニウム化合物を存在させること、及び水溶性アルミニウム化合物を支持体に近い部分により多く分布させること、の両者の組み合わせによってブロンジングの発生を伴うことなく、発色性、高湿にじみ、耐水性、及びインク吸収性が同時に改良されることを見いだした。
インク受容層の表面近傍で水溶性ジルコニウム化合物によって定着された染料は、高湿滲み耐性に優れ、発色性も良好である。一方、水溶性アルミニウム化合物を表面近傍に多く分布させるとブロンジングの発生及び発色性の低下を招く。しかし、水溶性アルミニウム化合物を支持体に近い部分により多く分布させることによって、水付着等による耐水性が改良され、更にインク吸収性の向上に寄与する。これらの効果を更に高いレベルで得るためには、上述したように、支持体から離れたインク受容層Bの膜厚みを比較的小さくし、かつ支持体に近いインク受容層Aの膜厚みを比較的大きくすることが好ましい。
本発明に用いられる水溶性アルミニウム化合物および水溶性ジルコニウム化合物について説明する。
水溶性アルミニウム化合物および水溶性ジルコニウム化合物は、無機塩や有機酸の単塩および複塩、金属錯体などのいずれであっても良い。
本発明に用いられる水溶性アルミニウム化合物は、例えば、無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られている。
これらの水溶性アルミニウム化合物の中でも、インク受容層を形成する塗布液に安定に添加できるものが好ましく、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の式1、2又は3で示され、例えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al2(OH)nCl6-nm ・・式1
[Al(OH)3nAlCl3 ・・式2
Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n ・・式3
これらのものは、多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できる。
本発明に用いられる水溶性ジルコニウム化合物は、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウムなどが挙げられる。
これらの水溶性ジルコニウム化合物の中でも、インク受容層を形成する塗布液に安定に添加できるものが好ましく、酢酸ジルコニウム(酢酸ジルコニル)、オキシ塩化ジルコニウムは特に好ましい。
これらのものは、第一稀元素化学工業(株)からジルコゾールZA−20、同ZC−2等、または日本軽金属(株)等から市販されている。
本発明に用いられる合成シリカは、製造法によって気相法シリカ、湿式法シリカに大別することができる。
気相法シリカは、乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって製造される。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されており入手することができる。
本発明に用いられる気相法シリカは、平均一次粒子径が5〜50nmのものが好ましい。より高い光沢を得るためには、5〜20nmでかつBET法による比表面積が90〜400m2/gの気相法シリカが好ましい。本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
上記のようにして気相法シリカは、数nm〜数十nmの一次粒子が網目構造あるいは鎖状につながりあって二次的に凝集した状態で存在する。この凝集粒子(二次粒子)の平均粒径が500nm以下になるまで分散されるのが好ましく、より好ましくは300nm以下になるまで分散される。下限の粒子径は50nm程度である。ここで、凝集粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡による写真撮影で求めることができるが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば、堀場製作所製、LA910)を用いて、個数メジアン径として測定することができる。
湿式法シリカは、製造方法によって更に沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは、珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造される。製造過程で粒子成長したシリカ粒子は、凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカの二次粒子は緩やかな凝集粒子となり、比較的粉砕し易い粒子が得られる。沈降法シリカとしては、例えば東ソーシリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして市販されている。
ゲル法シリカは、珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造される。この場合、熟成中に小さなシリカ粒子が溶解し、大きな粒子の一次粒子間に一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、水澤化学工業(株)からミズカシルとして、グレースジャパン(株)からサイロジェットとして市販されている。
ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる。例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
本発明で用いられる湿式法シリカとしては、沈降法シリカあるいはゲル法シリカである。これらの湿式法シリカの平均粒径(平均二次粒子径)は、通常1μm以上である。本発明は、これらの湿式法シリカを、平均粒径が500nm以下になるまで粉砕する。好ましくは、平均粒径が300nm以下になるまで粉砕する。下限の粒子径は50nm程度である。粉砕された湿式法シリカの粒子径は、前述したように透過型電子顕微鏡あるいはレーザー散乱式の粒度分布計で求めることができる。
湿式法シリカの粉砕工程は、分散媒にシリカ微粒子を添加し混合(予備分散)する一次分散工程と、該一次分散工程で得られた粗分散液中のシリカを粉砕する二次分散工程からなる。一次分散工程における予備分散は、通常のプロペラ撹拌、歯状ブレード型分散機、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌、超音波撹拌等で行うことができる。湿式法シリカの粉砕方法としては、分散媒中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。湿式分散機としては、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜施回型分散機等を使用することができるが、本発明では特にビーズミル等のメディアミルが好ましく用いられる。
本発明に用いられる湿式法シリカは、平均粒子径(平均二次粒子径)が5μm以上のものが好ましい。比較的大きな粒子径のシリカを粉砕することによって、より高濃度での分散が可能となる。本発明に用いられる湿式法シリカの平均粒子径の上限は特に制限されないが、通常湿式法シリカの平均粒子径は200μm以下である。
本発明のインク受容層に用いられる湿式法シリカとしては、沈降法シリカが好ましい。前述したように、沈降法シリカは、その二次粒子が緩やかな凝集粒子であるので、粉砕するのに好適である。
本発明において、微粒子シリカはカチオン性ポリマーを添加してカチオン化することが好ましい。上述した分散あるいは粉砕工程で、カチオン性ポリマーを含有させておくのが好ましい。
本発明に用いられるカチオン性ポリマーとしては、4級アンモニウム基、ホスホニウム基、あるいは1〜3級アミンの酸付加物を有する水溶性カチオン性ポリマーが挙げられる。例えば、ポリエチレンイミン、ポリジアルキルジアリルアミン、ポリアリルアミン、アリキルアミンエピクロルヒドリン重縮合物、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号、WO99/64248号公報等に記載されたカチオン性ポリマーが挙げられる。本発明に用いられるカチオン性ポリマーの重量平均分子量は10万以下が好ましく、より好ましくは5万以下であり、特に好ましくは2千〜3万程度である。
本発明において、カチオン性ポリマーの使用量は微粒子シリカに対して1〜10質重%の範囲が好ましい。
本発明のインク受容層は、皮膜としての特性を維持するためと、透明性が高くインクのより高い浸透性を得るために親水性バインダーを用いることが好ましい。親水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロースやそれらの誘導体が使用されるが、特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度は500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
インク受容層における親水性バインダーと微粒子シリカの質量比(B/P)は、5〜30質量%の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜25質量%である。本発明において、支持体から離れたインク受容層Bから支持体に近いインク受容層Aにスムーズにインクを通過させるためには、上記質量比(B/P)の関係が、インク受容層Aに比べてインク受容層Bの方を小さくするのが好ましい。
本発明のインク受容層には、前述の微粒子シリカをカチオン化に使用されるものと同様のカチオン性ポリマーを、更に添加剤として使用しても良い。
本発明において、インク受容層に皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することができる。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくは親水性バインダーに対して10〜50質量%の範囲で用いることができる。
本発明において、インク受容層には、親水性バインダーとともに硬膜剤を含有するのが好ましい。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好ましい。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する有機バインダーに対して、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
インク受容層には、更に着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。また、本発明のインク受容層の塗布液のpHは、3.3〜6.5の範囲が好ましく、特に3.5〜5.5の範囲が好ましい。
また、インク受容層には、チオエーテル化合物、カルボヒドラジドおよびその誘導体を含有させることによって印字後の保存性を著しく改良することができる。
本発明で用いられるカルボヒドラジド誘導体は、同一分子中に同構造を一つまたは二つ以上有する化合物であっても、あるいは同構造を分子主鎖または側鎖に有するポリマーであってもよい。
本発明に用いられるチオエーテル化合物には、硫黄原子の両側に芳香族基が結合した芳香族チオエーテル化合物、硫黄原子を挟んだ両端にアルキル基を有する脂肪族チオエーテル化合物等がある。これらの中でも特に親水性基を有する脂肪族チオエーテル化合物が好ましい。
なおこれらの化合物は既知の合成法や、特開2002−321447号公報、同2003−48372号公報に記載の合成法などを参考に合成できる。また、一部の化合物については、市販の化成品をそのまま使用することができる。
本発明において、インク受容層の塗布方法は、1層ずつ塗布する逐次塗布方法(例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター等)、あるいは多層同時重層塗布方法(例えば、スライドビードコーターやスライドカーテンコーター等)のいずれの方法であっても、本発明の効果は得られる。しかし、多層同時重層塗布方法が好ましく用いられる。
本発明で使用される支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアサテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙と樹脂フィルムを貼り合わせたもの、基紙の両面にポリオレフィン樹脂層を被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持体が好ましい。これらの耐水性支持体の厚みは50〜300μm、好ましくは80〜260μmのものが用いられる。
本発明に好ましく用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙支持体(以降、ポリオレフィン樹脂被覆紙と称す)について詳細に説明する。本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙は、その含水率は特に限定しないが、カール性より好ましくは5.0〜9.0%の範囲であり、より好ましくは6.0〜9.0%の範囲である。ポリオレフィン樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する基紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
また、基紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
基紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
また、ポリオレフィン樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
ポリオレフィン樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行する基紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、基紙の両面が樹脂により被覆される。また、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。樹脂被覆層の厚みとしては、5〜50μmが適当である。
本発明に用いられる耐水性支持体のインク受容層が塗設される側には、下引き層を設けるのが好ましい。この下引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め耐水性支持体の表面に塗布乾燥されたものである。この下引き層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/m2が好ましく、20〜300mg/m2がより好ましい。更に、下引き層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有するのが好ましい。支持体に下引き層を設けることによって、インク受容層塗布時のひび割れ防止に有効に働き、均一な塗布面が得られる。
本発明のインクジェット記録材料のインク吸収性を有する側と支持体に対して反対側には、カール防止や印字直後に重ね合わせた際のくっつきやインク転写を更に向上させるために種々の種類のバック層を設けてもよい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
<ポリオレフィン樹脂被覆紙の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出被覆し、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し表面とした。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70質量部と密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂30質量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し裏面とした。
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが50mg/m2となるように塗布乾燥して支持体を作成した。尚、部とは質量部を表す。
<下引き層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
上記のようにして作製した支持体の下引き層を設けた面に、下記組成のインク受容層塗布液(A−1)を下層(支持体に近い層)として、およびインク受容層塗布液(B−1)を上層(支持体から離れた層)としてスライドビードコーターで同時重層塗布した。インク受容層(A−1)の乾燥塗布量は20g/m2であり、インク受容層(B−1)の乾燥塗布量は5g/m2である。塗布後の乾燥条件は、10℃で20秒間冷却後、30〜55℃の加熱空気を吹き付けて乾燥した。
<気相法シリカ分散液1の作製>
水 430部
変性エタノール 22部
カチオン性ポリマー 3部
(ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー、第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、平均分子量9000)
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)
分散媒の水と変性エタノールの中にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマーを添加し、次いで気相法シリカを添加し予備分散して粗分散液を作製した。次にこの粗分散液を高圧ホモジナイザーで2回処理して、シリカ濃度が20質量%の気相法シリカの分散液を作製した。気相法シリカの平均粒子径は100nmであった。
<インク受容層A−1塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
((株)理研グリーン製、ピュラケムWT)
1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド 2部
界面活性剤 0.1部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
<インク受容層B−1の塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
酢酸ジルコニル 3部
(第一稀元素化学工業社製、ジルコゾールZA−20)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
実施例1のインク受容層B−1の塗布液を下記インク受容層B−2塗布液に変えた以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層B−2塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
酢酸ジルコニル 6部
(第一稀元素化学工業社製、ジルコゾールZA−20)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM)
実施例1のインク受容層B−1の塗布液を下記インク受容層B−3塗布液に変えた以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層B−3塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
オキシ塩化ジルコニウム 3部
(日本軽金属(株)社製)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
<湿式法シリカ分散液1の作製>
水 329部
カチオン性ポリマー 4部
(ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー、第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、平均分子量9000)
沈降法シリカ 100部
(ニップシールVN3、平均二次粒径23μm)
水に、沈降法シリカを添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作成した。次に、この予備分散液をビーズミル(直径0.3mmのジルコニアビーズ、該ビーズの充填率80容量%、円盤周速10m/秒)に1回通過させて、固形分濃度30質量%、平均粒子径200nmの湿式法シリカ分散液1を作製した。
実施例1のインク受容層A−1の塗布液を下記インク受容層A−2塗布液に変えた以外は実施例1と同様にして実施例4のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層A−2塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として) 50部
湿式法シリカ分散液1 (湿式法シリカの固形分として) 50部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
酢酸ジルコニル 3部
(第一希元素化学工業社製、ジルコゾールZA−20)
1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド 2部
界面活性剤 0.1部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
(比較例1)
実施例1のインク受容層B−1塗布液を下記インク受容層B−4塗布液に変えた以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層B−4塗布液>
気相法シリカ分散液2 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
(比較例2)
実施例1のインク受容層A−1の塗布液を下記インク受容層A−3塗布液に、インク受容層B−1の塗布液を下記インク受容層B−5に変えた以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層A−3塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
酢酸ジルコニル 3部
(第一稀元素化学工業社製、ジルコゾールZAー20)
1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド 2部
界面活性剤 0.1部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
<インク受容層B−5塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
((株)理研グリーン製、ピュラケムWT)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
(比較例3)
実施例1のインク受容層A−1の塗布液を下記インク受容層A−4塗布液に変えた以外は実施例1と同様にして比較例3のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層A−4塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド 2部
界面活性剤 0.1部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
(比較例4)
支持体上に実施例1で用いたインク受容層A−1塗布液をインク受容層A−5塗布液に変えて、乾燥塗布量が25g/m2になるように、スライドビード塗布装置で単層塗布し、実施例1と同様に乾燥して比較例4のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層A−5塗布液>
気相法シリカ分散液1 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
酢酸ジルコニル 3部
(第一稀元素化学工業社製、ジルコゾールZA−20)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
((株)理研グリーン製、ピュラケムWT)
1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド 2部
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
上記のようにして作成したインクジェット記録シートについて下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
<インク吸収性>
市販のインクジェットプリンター(キヤノン社製、BJF895PD)にて、レッドとグリーンの重色系のベタ印字を隣接して交互に行い、印字直後にベタ部のインクの吸収状態、モットリング(画像の濃淡むら)及びレッドとグリーンの境界のにじみ具合の程度を目視で観察した。下記の基準で評価した
◎:速やかにインクが吸収され、モットリング及び境界のにじみもみられない。
○:インクの吸収はやや遅く、境界滲みが少しみられるが、実用上問題ない。
△:印字面にインクがやや溢れ、モットリングと境界滲みが少しみられる。
×:印字面にインクがあふれ、強いモットリングと境界滲みが発生。
<発色性>
市販のインクジェットプリンター(ヒューレットパッカード社製、deskjet5550)にて、C,M,Yの混色からなるコンポジットブラックのくすみ具合をC、M、Y各色の発色濃度を目視で観察した。下記の基準で評価した
◎:くすみがなく、発色性が良好。
○:くすみが少しみられるが、発色性良好。
△:ややくすみがみられるが、発色性に劣る。
×:強いくすみの発生がみられ、発色性に劣る
<ブロンジング>
市販のインクジェットプリンター(キヤノン社製、PIXUS990i)にてシアンとブルーとブラックのベタ部を印字しブロンジングの発生の有無を、目視評価した。
◎:ブロンジングの発生なし
○:一部の色に僅かにブロンジングが認められる。
△:一部の色にブロンジングが認められる。
×:全色にブロンジングが発生
<高湿滲み>
市販のインクジェットプリンター(キヤノン社製、PIXUS850i)にてレッド、グリーン、ブルー、コンポジットブラックの各細線を印字後、30℃80%の環境下に保管したサンプルを1週間後に目視にて観察し、下記の基準で判定した。
◎:滲みがない
○:僅かに滲みが認められる
△:滲みが認められる
×:著しく滲んでいる
<耐水性>
市販のインクジェットプリンター(キヤノン社製、PIXUS850i)にて黒ベタ印字部に赤色文字印字したサンプルを20℃の流水に浸漬し画像の滲みを目視にて観察し、下記の基準で判定した。
◎:滲みがない
○:僅かに滲みが認められる
△:滲みが認められる
×:著しく滲んでいる
Figure 2006110771
本発明の実施例1〜4のインクジェット記録材料は、インク受容層のインク吸収性、耐水性、発色性、ブロンジング防止、高湿滲みに優れた結果であった。比較例1は、支持体から離れたインク受容層Bに水溶性ジルコニウム化合物を含有していないため高湿滲み及び発色性が劣る結果となった。比較例2は、水溶性ジルコニウム化合物及び水溶性アルミニウム化合物の分布が本発明とは逆になっており、ブロンジングが発生し、インク吸収性、発色性及び高湿滲みが劣る結果となった。比較例3は、インク受容層Aに水溶性アルミニウム化合物が含有されておらず耐水性、インク吸収性が劣る結果となった。比較例4は、単層で水溶性アルミニウム化合物と水溶性ジルコニウム化合物が共存している場合であるが発色性、ブロンジングで劣る結果であった。

Claims (4)

  1. 支持体上に微粒子シリカを主体に含有するインク受容層を少なくとも2層有するインクジェット記録材料において、支持体から離れたインク受容層が水溶性ジルコニウム化合物を含有し、かつインク受容層全体における水溶性アルミニウム化合物の分布が不均一であって、支持体に近い部分により多く分布していることを特徴とするインクジェット記録材料。
  2. 前記インク受容層が親水性バインダーを含有し、支持体から離れたインク受容層における親水性バインダーと微粒子シリカの質量比(B/P)が、支持体に近いインク受容層における前記質量比(B/P)より小さいことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録材料。
  3. 請求項1に記載のインクジェット記録材料の製造方法であって、前記微粒子シリカを主体に含有するインク受容層の少なくとも2層を支持体上に塗布するに際し、水溶性アルミニウム化合物を含有するインク受容層を支持体に近い側に、水溶性ジルコニウム化合物を含有するインク受容層を支持体から離れた側に配置して塗布することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
  4. 前記水溶性アルミニウム化合物を含有するインク受容層の乾燥塗布量が12g/m2以上で、前記水溶性ジルコニウム化合物を含有するインク受容層の乾燥塗布量が8g/m2以下となるように塗布する請求項3に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
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