JP2003054121A - インクジェット記録材料 - Google Patents

インクジェット記録材料

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JP2003054121A
JP2003054121A JP2001248181A JP2001248181A JP2003054121A JP 2003054121 A JP2003054121 A JP 2003054121A JP 2001248181 A JP2001248181 A JP 2001248181A JP 2001248181 A JP2001248181 A JP 2001248181A JP 2003054121 A JP2003054121 A JP 2003054121A
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JP2001248181A
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Takaaki Komatsu
孝章 小松
Nobumasa Miyaji
宣昌 宮地
Daichi Miyake
大地 三宅
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い光沢性と、優れたインク吸収性を有するイ
ンクジェット記録材料を提供する。 【解決手段】支持体上に無機微粒子分散物を含有する塗
布組成物を塗布してインク受容層を設けたインクジェッ
ト記録材料において、該無機微粒子分散物が親水性バイ
ンダー水溶液中に親水性バインダーの固形分に対して3
00〜1200質量%の無機微粒子の粉体を添加して予
備分散した後にビーズミル処理により得られたものであ
り、好ましくは無機微粒子分散物がカチオン性ポリマー
を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の分散方法で
得られた無機微粒子分散物を含有する塗布組成物により
インク受容層を設けた、光沢性とインク吸収性に優れた
インクジェット記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、インクの微
小な液滴を紙等の記録材料に飛ばして付着させ、記録す
る方式である。高速、低騒音、多色記録の容易性、安価
等の長所を有している。記録材料に要求される特性は、
印字濃度、色調の鮮明性、インク吸収性、インク乾燥性
等である。
【0003】インクジェット記録方式に使用される記録
材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称さ
れる支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニルアル
コール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク吸
収層を設けてなる記録材料が知られている。
【0004】例えば、特開昭55−51583号、同5
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、及び同64−11877号公報等に開示のごと
く、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支
持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0005】また、特公平3−56552号、特開平2
−188287号、同平10−81064号、同平10
−119423号、同平10−175365号、同平1
0−193776号、同10−203006号、同10
−217601号、同平11−20300号、同平11
−20306号、同平11−34481号公報等公報に
は、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリ
カと称す)を用いることが開示されている。この気相法
シリカは、一次粒子の平均粒径が数nm〜数十nmの超
微粒子であり、高い光沢が得られるという特徴がある。
近年、フォトライクの記録シートが要望される中、益々
光沢性が重要視されてきており、ポリオレフィン樹脂被
覆紙(紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂
をラミネートしたもの)やポリエステルフィルム等の耐
水性支持体上に気相法シリカを主体とするインク受容層
が塗設された記録材料が提案されている。
【0006】また、特開昭62−174183号、特開
平2−276670号、同5−32037号、同6−1
99034号、同7−68919号、同7−89221
号公報等にアルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料
が開示されている。
【0007】従来から一般的に用いられてきた紙支持体
は、それ自体がインク吸収層としての役割を有していた
が、前述したポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持
体は、紙支持体と違ってインクを吸収することができな
いため、支持体上に設けられたインク受容層のインク吸
収性が重要であり、インク受容層の空隙率を高める必要
がある。従って、気相法シリカ等の塗布量を多くし、更
に、バインダーの比率を低減する必要があった。
【0008】しかしながら耐水性支持体上に気相法シリ
カのような非晶質シリカの多孔質インク吸収層を設ける
のに用いる塗布液は、非晶質シリカの分散方法、処理方
法によって得られるインクジェット記録材料の特性に大
きく影響し、特に記録材料表面の光沢性、インク吸収性
への影響は多大である。
【0009】無機微粒子の分散方法としては特開平11
−321079号、特開2000−94830号公報に
無機微粒子分散液とカチオン性ポリマー含有液とを混合
することが提案されているが、得られた無機微粒子分散
物にバインダー水溶液を後で添加するために塗布液濃度
が低下するので塗布して得られるインクジェット記録材
料の光沢とインク吸収性が低下しやすい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、無機微粒子の分散方法、及び無機微粒子分散物含有
の塗布組成物の塗布方法を選択することにより高光沢で
インク吸収性に優れたインクジェット記録材料を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、無
機微粒子の分散条件を検討した結果、主として以下の方
法で得られた無機微粒子散物を用いることにより光沢、
インク吸収性に優れたインクジェット記録材料が得られ
た。
【0012】(1)支持体上に無機微粒子分散物を含有
する塗布組成物を塗布してインク受容層を設けたインク
ジェット記録材料において、該無機微粒子分散物が親水
性バインダー水溶液中に親水性バインダーの固形分に対
して300〜1200質量%の無機微粒子の粉体を添加
して予備分散した後にビーズミル処理により得られたも
のであることを特徴とするインクジェット記録材料。
【0013】(2)前記無機微粒子分散物がカチオン性
ポリマー、またはカチオン性金属化合物の少なくとも1
種を含有することを特徴とする前記(1)に記載のイン
クジェット記録材料。
【0014】(3)前記支持体が耐水性支持体である前
記(1)または(2)に記載のインクジェット記録材
料。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる無機微粒子は、一次粒子の平均粒径
が0.1μm以下であり、シリカ、アルミナ、アルミナ
水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等公知の各
種微粒子が挙げられるが、特に気相法シリカ、アルミ
ナ、およびアルミナ水和物の少なくとも1種が好まし
い。
【0016】合成シリカには、湿式法によるものと気相
法によるものがある。湿式法シリカとしては、ケイ酸
ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を
通して得られるシリカゾル、またはこのシリカゾルを
加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、シリカゾル
をゲル化させ、その生成条件を変えることによって数ミ
クロンから10ミクロン位の一次粒子がシロキサン結合
をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更には
シリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウ
ム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主
体とする合成ケイ酸化合物等がある。本発明の無機微粒
子は、気相法シリカが好ましく、本発明の分散方法と気
相法シリカとの組み合わせにより更に効果的に本発明の
目的が達成される。
【0017】気相法シリカは、乾式法とも呼ばれ、一般
的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四
塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一
般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチル
トリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、
単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用すること
ができる。気相法シリカは日本アエロジル株式会社から
アエロジル、株式会社トクヤマからレオロシールQSタ
イプとして市販されており入手することができる。光沢
性からは好ましくは一次粒子の平均粒径が5〜50nm
のものが使用される。
【0018】本発明のアルミナとしては酸化アルミニウ
ムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδ
グループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を1
0nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常
は、数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホ
モジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で5〜50
nm以下まで粉砕したものが好ましく使用出来る。
【0019】本発明のアルミナ水和物はAl23・nH
2O(n=1〜3)の構成式で表される。nが1の場合
がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より
大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和
物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニ
ウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカ
リによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造
方法により得られる。光沢性とインク吸収性からは好ま
しい一次粒子の平均粒径は5〜50nmであり、より好
ましくはアスペクト比が2〜7のものが使用される。
【0020】本発明でインク受容層に用いられるアルミ
ナ水和物またはアルミナは表面がカチオン性を有するた
めにインクに使用されている染料等の着色剤の定着効果
が大きく、カチオン性ポリマー等の媒染剤の添加量を減
らしたり抜くことが可能となるのでインク吸収性、耐光
性等からは好ましい。
【0021】本発明の無機微粒子のBET法による比表
面積は10m2/g以上、好ましくは20m2/g以上であ
る。特に好ましくはBET法による比表面積は80m2
g以上であり、より高い光沢を得るためにはBET法に
よる比表面積が130m2/g以上、特に200m2/g以
上のものを用いることである。本発明で云うBET法と
は、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであ
り、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比
表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒
素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、また
は容積の変化から測定する方法が最も多く用いられてい
る。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、
Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ば
れ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づい
て吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛
けて、表面積が得られる。
【0022】本発明において、無機微粒子の分散時に用
いられる親水性バインダーとしては、公知のポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラ
ール、プルラン、ポリエチレングリコール、澱粉、デキ
ストラン、デキストリン、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン等やそれら
の誘導体等が使用されるが、透明性が高くインクの初期
の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要
であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親
水性バインダーが好ましい。特に部分または完全ケン化
したポリビニルアルコールやカチオン変性ポリビニルア
ルコールが好ましい。
【0023】ポリビニルアルコールの中でも好ましいの
は、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化した
ものである。平均重合度は200〜5000のものが好
ましい。
【0024】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号に記載のよ
うな、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポ
リビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリ
ビニルアルコールである。
【0025】本発明においては、親水性バインダーの水
溶液中に無機微粒子を添加し、のこぎり歯状ブレード型
分散機やプロペラ羽根型分散機等の分散装置の少なくと
も1つを用いて予備分散液を得る。好ましくは更にカチ
オン性ポリマー、およびカチオン性金属化合物の少なく
とも1種を添加し、必要であれば更に適度の低沸点溶剤
等を添加してもよい。本発明では親水性バインダーに対
する無機微粒子の固形分質量比率は300〜1200質
量%であり、400〜1000質量%が好ましい。30
0質量%より少ないと得られるインク受容層のインク吸
収性が低下し、1200質量%より多いと無機微粒子の
分散性が低下するので得られるインク受容層の光沢性が
低下する。無機微粒子の予備分散物の固形分濃度は一般
的には15質量%以上であり、好ましくは20質量%以
上である。
【0026】上記の方法で得られた無機微粒子の予備分
散物はビーズミルで処理される。ビーズミルとは、内部
に撹拌装置を有する容器中にビーズを内填し、容器中に
液状物を入れて撹拌装置を回転させてビーズ同士を衝突
させることで液状物にせん断力を与えて処理する装置で
ある。ビーズの粒径は0.1〜10mmが一般的である
が、好ましくは0.2〜1mm、より好ましくは0.3
〜0.6mmである。ビーズが小さすぎるとビーズ1個
当たりのエネルギーが小さいために分散効率が悪く、大
きすぎるとビーズの衝突回数が減るので分散効率が劣り
均一な分散が得られにくい。ビーズにはガラスビーズ、
セラミックスビーズ、金属ビーズ等が有るが、耐摩耗性
および分散効率からはジルコニアビーズが好ましい。容
器中のビーズの添加充填率は一般的には40〜80容量
%であり、好ましくは55〜78容量%である。充填率
が低すぎると分散効果が低下し、高すぎるとビーズの摩
耗が大きくなるほか過度にせん断がかかるために微粒子
が破壊され、凝集しやすくなる。予備分散物を連続で処
理する場合には通し回数が1回では粗粒が残りやすいの
で2回以上処理するほうが好ましい。ビーズミル処理終
了時の無機微粒子分散物の固形分濃度は一般的には15
質量%以上であり、好ましくは20〜40質量%であ
る。濃度が低すぎると分散効果が少なく、高すぎると微
粒子が破壊され再凝集で粗粒が出来やすい。市販のビー
ズミルとしては浅田鉄工社製のナノミル、アイメックス
社製のウルトラビスコミル、およびマツボー社製のアミ
ュラー型OBミル、シンマルエンタープライゼス社製の
ダイノミル等が挙げられる。
【0027】本発明の予備分散工程で使用する場合の低
沸点溶剤の例としては、メチルアルコール、エチルアル
コール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコ
ール、酢酸メチル、酢酸エチル等が挙げられる。低沸点
溶剤の添加により、無機微粒子分散物の粘度が低下する
ほか、乾燥工程での蒸発速度が向上するので好ましい。
【0028】本発明において、好ましくはビーズミル処
理で得られた無機微粒子分散物を数千mPa・s以下の
粘度に調整し、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、及
び薄膜施回型分散機から選ばれる少なくとも1つにより
処理することで更に分散性が向上し、得られるインクジ
ェット記録材料の光沢性、インク吸収性が向上する。
【0029】本発明において、無機微粒子、特に気相法
シリカの分散物は、40℃以上の温度条件で30分以
上、好ましくは60℃以上で30分以上の加温処理を施
すのが好ましい。理由は不明であるが、加温処理した分
散物を用いるとインクジェット記録材料のインク吸収性
が向上する。加温処理で無機微粒子、特に気相法シリカ
の分散安定性が向上し、それを用いたインク受容層が安
定な空隙構造を取りやすいためと予想される。
【0030】本発明で親水性バインダーとともに好まし
く用いられるカチオン性ポリマーとしては、ポリエチレ
ンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、ア
ルキルアミン重合物、特開昭59−20696号、同5
9−33176号、同59−33177号、同59−1
55088号、同60−11389号、同60−838
82号、同60−109894号、同62−19849
3号、同63−49478号、同63−115780
号、同63−280681号、特開平1−40371
号、同6−234268号、同7−125411号、同
10−193776号、特開2000−94830号、
特開2000−211235号公報等に記載された1〜
3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマー
等が好ましく用いられる。これらのカチオン性ポリマー
の分子量は、3,000以上が好ましく、更に5,00
0〜10万程度が好ましい。
【0031】本発明で無機微粒子分散物の分散時に好ま
しく用いられるカチオン性金属化合物としては、例えば
水溶性の多価金属塩が挙げられる。カルシウム、バリウ
ム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウ
ム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、
タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩
が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩
化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸
バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガ
ン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガ
ンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウ
ム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシア
ン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、
塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニ
ッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水
和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫
酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニ
ウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一
鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二
鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜
鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩
化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒド
ロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫
酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸
マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウ
ム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストり
ん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリ
ブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
【0032】本発明において、特に水溶性アルミニウム
化合物あるいは周期表4A族元素を含む水溶性化合物が
好ましい。水溶性アルミニウム化合物は、例えば無機塩
としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アル
ミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等
が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチ
オンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合
物がある。特に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物
が好ましい。
【0033】前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物
とは、主成分が下記の一般式1、2又は3で示され、例
えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+
[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等
のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含ん
でいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
【0034】 [Al2(OH)nCl6-nm 式1 [Al(OH)3nAlCl3 式2 Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n 式3
【0035】これらのものは多木化学(株)よりポリ塩
化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田
化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の
名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの
名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市
されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本
発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、
pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調
節して用いることも可能である。
【0036】本発明に用いられる周期表4A族元素を含
む水溶性化合物は水溶性で有れば特に制限はないがチタ
ンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物が好ましい。
例えばチタンを含む水溶性化合物としては塩化チタン、
硫酸チタンが、ジルコニウムを含む水溶性化合物として
は酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジ
ルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコ
ニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウ
ム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウ
ム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム
化合物等が知られている。これらの化合物はpHが不適
当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用い
ることも可能である。本発明に於いて、水溶性とは常温
常圧下で水に1重量%以上溶解することを目安とする。
【0037】本発明において、カチオン性ポリマー、お
よびカチオン性金属化合物の添加量は、一般的には無機
微粒子の0.1〜15質量%であり、更に好ましくは1
〜10質量%である。
【0038】本発明のインク受容層には、無機微粒子を
8g/m2以上含有するのが好ましく、10〜35g/m2
の範囲で用いるのがより好ましい。この範囲より少ない
と、インク吸収性が劣り、多すぎると強度が劣る傾向で
ある。インク受容層中の無機微粒子の量は、親水性バイ
ンダーの固形分に対して300〜1200質量%が一般
的であり、400〜1000質量%が好ましい。上記の
範囲で無機微粒子分散物に親水性バインダーを更に添加
してインク受容層の強度を上げてもよい。無機微粒子の
比率が低すぎるとインク吸収性が低下し、比率を高くす
ることによってインク吸収性は向上するが、粉落ちや傷
が発生しやすい。
【0039】本発明の塗布組成物には架橋剤(硬膜剤)
を用いることが好ましい。架橋剤の具体的な例として
は、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアル
デヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの
如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2
−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジ
ン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性
のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特
許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィ
ンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載
の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,
437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,
017,280号、同2,983,611号記載の如き
アジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号
記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,
091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロ
ル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロ
キシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ば
ん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機
架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わ
せて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸
またはほう酸塩が好ましい。架橋剤の好ましい添加時期
は、添加により一般的には無機微粒子分散液が増粘した
りビーズミル処理で架橋剤が変質するのでビーズミルで
の処理が終了した後である。
【0040】本発明において、無機微微粒子を含有する
インク受容層の膜面pHが2〜6であることが好まし
く、特に3〜5が好ましい。インク受容層の膜面pH
は、J.TAPPI紙パルプ試験方法N0.49に記載
の方法に従って、蒸留水を用い、30秒後に測定した表
面pHである。
【0041】インク受容層のpHは、塗布液の段階で調
整するのが好ましいが、塗布液のpHと塗布乾燥された
状態での膜面pHとは必ずしも一致しないため、塗布液
と膜面pHとの関係を予め実験等によって求めておくこ
とが所定の膜面pHにするために必要である。インク受
容層塗布液のpHは、酸またはアルカリを適当に組み合
わせて行われる。酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン
酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸が
用いられ、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、アン
モニア水、炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、または
弱アルカリとして、酢酸ナトリウム等の弱酸のアルカリ
金属塩が用いられる。
【0042】本発明のインク受容層は、更に皮膜の脆弱
性を改良するために各種油滴を含有することができる。
そのような油滴としては室温における水に対する溶解性
が0.01重量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例え
ば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレ
ジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子
(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベ
ンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒
子)を含有させることができる。そのような油滴は好ま
しくは親水性バインダーに対して10〜50重量%の範
囲で用いることができる。
【0043】本発明において、インク受容層に界面活性
剤を添加することができる。用いられる界面活性剤はア
ニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいず
れのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のも
のでもよい。1種もしくは2種以上界面活性剤をインク
受理層塗液中に添加するが、2種以上の界面活性剤を組
み合わせて使用する場合は、アニオン系のものとカチオ
ン系のものとを組み合わせて用いることは好ましくな
い。界面活性剤の添加量はインク受容層を構成するバイ
ンダー100gに対して0.001〜5gが好ましく、
より好ましくは0.01〜3gである。
【0044】本発明において、インク受容層には更に、
着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング
剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤など
の公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0045】本発明に用いられる支持体は、吸水性支持
体として、紙、アート紙、コート紙、不織布、織布等が
挙げられ、耐水性支持体として、合成紙、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹
脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハ
ン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙
の両面にポリオレフィン樹脂をラミネートした樹脂被覆
紙等の耐水性支持体等が挙げられる。特に樹脂被覆紙が
好ましく用いられる。
【0046】本発明において好ましく用いられる樹脂被
覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いら
れている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真
用支持体に用いられているような平滑な原紙が好まし
い。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パ
ルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用
いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサ
イズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、
染料等の添加剤が配合される。
【0047】さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布さ
れていてもよい。
【0048】また、原紙の厚みに関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ま
しく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0049】樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィ
ン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレ
ン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上か
らなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密
度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独
にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0050】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0051】本発明において好ましく用いられる支持体
である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン
樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる
押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂に
より被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場
合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に
用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を
照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙
に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理など
の活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受
容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢
面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられ
る。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の
点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢
面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロ
ナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができ
る。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はない
が、一般に5〜50μmの厚味に表面または表裏両面に
コーティングされる。
【0052】本発明における支持体には帯電防止性、搬
送性、カール防止性などのために、各種の裏塗り層を塗
設することができる。裏塗り層には無機帯電防止剤、有
機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化
剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せし
めることができる。
【0053】本発明において、インク受容層の塗布方法
は任意の方法が用いられ、例えばスライドリップ方式、
カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方
式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング
方式等がある。本発明の無機微粒子の分散方法によって
得られる分散性良好な高濃度塗布液の効果を十分に得る
ためには好ましくはカーテン塗布装置を用いる。カーテ
ン塗布により支持体の表面形状によらない均一な厚さの
インク受容層が得られるのに加えて、乾燥効率が高くな
り、乾燥工程での表面の風紋等の発生が少ないので均一
な表面と優れたインク吸収性のインクジェット記録材料
が得られる。
【0054】本発明でカーテン方式で塗布されるインク
受容層塗布組成物の塗布液粘度は一般的には40〜25
00mPa・sであり、好ましくは100〜2000m
Pa・sである。40mPa・sより低いとカーテン膜
の延伸時の乱れが発生して均一な塗布膜が得られない。
2500mPa・sより高いとカーテン膜の落下点が下
流に移動するので空気同伴により塗布むらが発生しやす
い。インク受容層塗布組成物の塗布液固形分濃度は、上
記の粘度範囲内に調整されるが、インク吸収性や乾燥効
率からは14質量%以上であり、上限は粘度により制限
されるが、好ましくは35質量%以下である。塗布液を
高濃度で塗布することで乾燥効率が向上するのに加えて
水等が蒸発するときの表面の荒れを抑えることができる
ので好ましい。
【0055】本発明において、インクジェット記録材料
のインク受容層は、無機微粒子を含有する層に加え、さ
らに無機微粒子を含有しない層、および保護層等を設け
てもよい。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。な
お、部とは固形分質量部を意味する。
【0057】実施例1 「シリカの予備分散工程」カチオン性ポリマー(ジアリ
ルジメチルアンモニウムクロライド、分子量9000)
を固形で2kg、ポリビニルアルコール(商品名:PVA2
35、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500)を固
形で5kg、エチルアルコール1kgと純水99kgの
溶液にBET比表面積が300m2/gの気相法シリカ
(トクヤマ社製)25kgを添加しながらのこぎり歯状
ブレード型分散機でブレードの周速が30m/秒で30
分間撹拌して固形分濃度が24質量%のシリカ粗分散物
を得た。 「シリカの分散工程」予備分散工程で得られたシリカ予
備分散物をビーズミル(直径0.5mmのジルコニアビ
ーズ、充填率70容量%)により撹拌装置(デイスク)
の円盤周速が10m/秒で処理量30l/時間の条件で
装置を2回通して25質量%のシリカ分散物を得た。得
られた分散物を60℃で1時間プロペラ羽根型分散機で
低速撹拌しながら保存してシリカ分散物Aを得た。
【0058】耐水性支持体として、LBKP(50部)
とLBSP(50部)のパルプ配合からなる170g/
m2の基紙の表面に低密度ポリエチレン(70部)と高密
度ポリエチレン(20部)と酸化チタン(10部)から
なる樹脂組成物を25g/m2塗 布し、裏面に高密度ポ
リエチレン(50部)と低密度ポリエチレン(50部)
からなる樹脂組成物を25g/m2塗布してなる樹脂被覆
紙を用意した。
【0059】上記支持体上に、下記組成の固形分濃度2
1質量%のインク受容層塗布液を調整し、気相法シリカ
の塗布量が固形分で18g/m2となるようにカーテン塗
布装置で塗布、乾燥して実施例1のインクジェット記録
材料を作成した。尚、インク受容層の膜面pHが4.2
になるように調整した。インク受容層塗液の20℃、6
0rpmのB型粘度は400mPa・sであった。
【0060】 <インク受容層組成> シリカ分散物A(固形分として) 100部 ほう酸 4部 両性界面活性剤 0.3部 (商品名:SWAM AM-2150、日本サーファクタント社製)
【0061】実施例2 シリカの予備分散工程で、カチオン性ポリマーに代えて
塩基性ポリ水酸化アルミニウム(理研グリーン社製、ピ
ュラケムWT)を用いた以外は実施例1と同様にして予
備分散物を得、同様にしてビーズミル処理の分散工程に
より固形分濃度が25質量%のシリカ分散物を得、同様
にして60℃で1時間処理を行ってシリカ分散物Bを得
た。実施例1でシリカ分散物Aに代えてシリカ分散物B
を用いた固形分濃度が21質量%のインク受容層塗布液
を用いた以外は同様にして実施例2のインクジェット記
録材料を得た。
【0062】実施例3 実施例1で加温処理前のシリカ分散物を高圧ホモジナイ
ザーにより処理量40l/時間、圧力100kg/cm
2の条件で1回処理して得られた分散物を60℃で1時
間プロペラ羽根型分散機で低速撹拌しながら保存して固
形分濃度が25質量%のシリカ分散物Cを得た。実施例
1でシリカ分散物Aに代えてシリカ分散物Cを用いた以
外は同様にして固形分濃度が21質量%のインク受容層
塗布液を得、同様にして実施例3のインクジェット記録
材料を得た。
【0063】実施例4 実施例1でシリカの予備分散工程でカチオン性ポリマー
を抜いた以外は同様にして得られた分散物を60℃で1
時間プロペラ羽根型分散機で低速撹拌しながら保存して
固形分濃度が25質量%のシリカ分散物Dを得た。実施
例1でシリカ分散物Aに代えてシリカ分散物Dを用い、
実施例1のインク受容層組成にカチオン性ポリマー(ジ
アリルジメチルアンモニウムクロライド、分子量900
0)を8部添加し、固形分濃度が21質量%に調整した
インク受容層塗布液を用いた以外は同様にして実施例4
のインクジェット記録材料を得た。
【0064】実施例5 実施例1でシリカ予備分散物の固形分濃度を15質量%
とした以外は実施例1と同様にして固形分濃度16質量
%のシリカ分散物Eを得た。実施例1でシリカ分散物A
に代えてシリカ分散物Eを用いた以外は同様にして固形
分濃度が14質量%のインク受容層塗布組成物を得、同
様にして実施例5のインクジェット記録材料を得た。
【0065】実施例6 「アルミナ水和物の予備分散工程」ポリビニルアルコー
ル(商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均
重合度3500)を固形で3kg、エチルアルコール1kg
と純水69kgの溶液に一次粒子の平均粒径が15nm
でアスペクト比が5の板状のアルミナ水和物を25kg
を添加しながらのこぎり歯状ブレード型分散機でブレー
ドの周速が30m/秒で30分間撹拌して固形分が28
質量%のアルミナ水和物粗分散物を得た。 「アルミナ水和物の分散工程」予備分散工程で得られた
アルミナ水和物予備分散物をビーズミル(直径0.3m
mのジルコニアビーズ、充填率60容量%)により処理
量30l/時間の条件で装置を2回通して29質量%の
アルミナ水和物分散物を得た。得られた分散物を60℃
で1時間プロペラ羽根型分散機で低速撹拌しながら保存
してアルミナ水和物分散物Aを得た。
【0066】実施例1で固形分濃度22質量%の下記組
成のインク受容層塗布液を用いた以外は同様にして実施
例6のインクジェット記録材料を得た。
【0067】 <インク受容層組成> アルミナ水和物分散物A(固形分として) 100部 ほう酸 1部 両性界面活性剤 0.3部 (商品名:SWAM AM-2150、日本サーファクタント社製)
【0068】比較例1 「シリカの予備分散工程」カチオン性ポリマー(ジアリ
ルジメチルアンモニウムクロライド、分子量9000)
を固形で2kg、エチルアルコール1kgと純水124
kgの溶液にBET比表面積が300m2/gの気相法シ
リカ(トクヤマ社製)25kgを添加しながらのこぎり
歯状ブレード型分散機でブレードの周速が30m/秒で
30分間撹拌して固形分濃度が18質量%のシリカ粗分
散物を得た。 「シリカの分散工程」得られた予備分散物を高圧ホモジ
ナイザーにより処理量40l/時間、圧力200kg/
cm2の条件で2回処理して固形分濃度が18質量%の
シリカ分散物を得た。得られた分散物を60℃で1時間
プロペラ羽根型分散機で低速撹拌しながら保存してシリ
カ分散物Fを得た。
【0069】実施例1と同様の支持体上に、下記組成の
固形分濃度12質量%のインク受容層塗布液を調整し、
気相法シリカの塗布量が固形分で18g/m2となるよう
にカーテン塗布装置で塗布、乾燥して比較例1のインク
ジェット記録材料を作成した。尚、インク受容層の膜面
pHが4.2になるように調整した。インク受容層塗液
の20℃、60rpmのB型粘度は84mPa・sであ
った。
【0070】 <インク受容層組成> シリカ分散物F(固形分として) 100部 ポリビニルアルコール 20部 (商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500) ほう酸 4部 両性界面活性剤 0.3部 (商品名:SWAM AM-2150、日本サーファクタント社製)
【0071】実施例1〜6、比較例1で得られたインク
ジェット記録材料について、インク吸収性、及び光沢度
を評価した。その結果を表1に示す。
【0072】<インク吸収性>インクジェットプリンタ
ー(セイコーエプソン社製PM−770C)を用いて、
C、M、Yをそれぞれ100%で印字して、印字直後に
PPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に
転写したインク量の程度を目視で観察し、下記の基準で
評価した。 ◎:全く転写しない。 ○:やや転写する。 △:転写するが実使用下限。 ×:転写する。
【0073】<光沢度>JIS P−8142(紙及び
板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法に従っ
て測定した。評価は下記の3段階で行った。 ○:60%より大 △:40%〜60% ×:40%未満
【0074】
【表1】 ───────────────────────────── インク吸収性 光沢度 ───────────────────────────── 実施例1 ◎〜○ ○ 実施例2 ◎〜○ ○ 実施例3 ◎ ○ 実施例4 ○ ○ 実施例5 ○ ○ 実施例6 ◎ ○ ───────────────────────────── 比較例1 △ △ ─────────────────────────────
【0075】上記結果から明らかなように、本発明のビ
ーズミル処理の分散工程により得られたシリカ分散物を
用いた実施例1〜5、および同様のビーズミル処理され
たアルミナ水和物分散物を用いた実施例6のインクジェ
ット記録材料は良好なインク吸収性と光沢度を有する。
ビーズミル処理後のシリカ分散物を高圧ホモジナイザー
処理した実施例3は最も良好なインク吸収性を示した。
無機微粒子分散物にカチオン性金属化合物を含有させな
かった実施例4、実施例1でシリカ分散物の濃度を16
%で処理した実施例5は実施例1よりもインク吸収性が
若干低下した。ビーズミルを用いず、固形分濃度が12
質量%のインク受容層塗布液を使用した比較例1はイン
ク吸収性、光沢度が実施例1よりも大きく低下した。
【0076】
【発明の効果】本発明で得られる無機微粒子分散物を用
いれば、高いインク吸収性を有する、高光沢なインクジ
ェット記録材料が得られる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FC06 2H086 BA01 BA15 BA17 BA33 BA35 BA37 BA46 4D075 AC14 CA35 CB04 DA04 DB18 DB20 DB36 DB38 DB48 DB53 DC27 EA10 EB07 EB19 EB56 EC02 EC53 EC54

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に無機微粒子分散物を含有する
    塗布組成物を塗布してインク受容層を設けたインクジェ
    ット記録材料において、該無機微粒子分散物が親水性バ
    インダー水溶液中に親水性バインダーの固形分に対して
    300〜1200質量%の無機微粒子の粉体を添加して
    予備分散した後にビーズミル処理により得られたもので
    あることを特徴とするインクジェット記録材料。
  2. 【請求項2】 前記無機微粒子分散物がカチオン性ポリ
    マー、またはカチオン性金属化合物の少なくとも1種を
    含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェ
    ット記録材料。
  3. 【請求項3】 前記無機微粒子が一次粒子の平均粒径5
    〜50nmである、気相法シリカ、アルミナ、またはア
    ルミナ水和物の少なくとも1種であることを特徴とする
    請求項1または2に記載のインクジェット記録材料。
  4. 【請求項4】 前記無機微粒子分散物のビーズミル処理
    終了時の固形分濃度が20〜40質量%であることを特
    徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェ
    ット記録材料。
  5. 【請求項5】 前記無機微粒子分散物を更に高圧ホモジ
    ナイザー、超音波分散機、及び薄膜施回型分散機から選
    ばれる少なくとも1つにより処理することを特徴とする
    請求項1〜4の何れか1項に記載のインクジェット記録
    材料。
  6. 【請求項6】 前記支持体が耐水性支持体である請求項
    1〜5の何れか1項に記載のインクジェット記録材料。
  7. 【請求項7】 前記無機微粒子分散物を含有する塗布組
    成物の固形分濃度が14〜35質量%であり、該塗布組
    成物を耐水性支持体上に塗布するのにカーテン塗布装置
    を用いることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に
    記載のインクジェット記録材料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005087999A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Voith Paper Patent Gmbh 半二重コーティング
JP2007503306A (ja) * 2003-08-22 2007-02-22 セラニーズ・インターナショナル・コーポレーション 基材上の改良されたpvohバリヤー性能
JP2015145318A (ja) * 2014-02-03 2015-08-13 河合石灰工業株式会社 高充填性ベーマイト及びその製造方法

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