JP2002292330A - インクジェット記録材料の製造方法 - Google Patents

インクジェット記録材料の製造方法

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JP2002292330A
JP2002292330A JP2001098834A JP2001098834A JP2002292330A JP 2002292330 A JP2002292330 A JP 2002292330A JP 2001098834 A JP2001098834 A JP 2001098834A JP 2001098834 A JP2001098834 A JP 2001098834A JP 2002292330 A JP2002292330 A JP 2002292330A
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Takaaki Komatsu
孝章 小松
Daichi Miyake
大地 三宅
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無機微粒子分散工程に要する時間を短縮し、且
つ高光沢と高いインク吸収性を有するインクジェット記
録材料を提供する。 【解決手段】少なくとも水、無機微粒子、及び分散助剤
の3成分をスクリーンが可動型であるローター/スクリ
ーン型分散機を用いて分散した無機微粒子分散物を含有
する塗布組成物を支持体に塗布したインクジェット記録
材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録材料の製造方法であり、特定の分散方法で得た無機微
粒子の水系分散物を用いた、光沢性とインク吸収性に優
れたインクジェット記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、インクの微
小な液滴を紙等の記録材料に飛ばして付着させ、記録す
る方式である。高速、低騒音、多色記録の容易性、安価
等の長所を有している。記録材料に要求される特性は、
印字濃度、色調の鮮明性、ハジキやムラからインク吸収
性、汚れからインク乾燥性等である。
【0003】インクジェット記録方式に使用される記録
材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称さ
れる支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニルアル
コール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク吸
収層を設けてなる記録材料が知られている。
【0004】例えば、特開昭55−51583号、同5
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、及び同64−11877号公報等に開示のごと
く、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支
持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0005】また、特公平3−56552号、特開平2
−188287号、同平10−81064号、同平10
−119423号、同平10−175365号、同平1
0−193776号、同10−203006号、同10
−217601号、同平11−20300号、同平11
−20306号、同平11−34481号公報等公報に
は、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリ
カと称す)を用いることが開示されている。この気相法
シリカは、一次粒子の平均粒径が数nm〜数十nmの超
微粒子であり、高い光沢が得られるという特徴がある。
近年、フォトライクの記録シートが要望される中、益々
光沢性が重要視されてきており、ポリオレフィン樹脂被
覆紙(紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂
をラミネートしたもの)やポリエステルフィルム等の耐
水性支持体上に気相法シリカを主体とするインク受容層
が塗設された記録材料が提案されている。
【0006】また、特開昭62−174183号、特開
平2−276670号、特開平5−32037号、特開
平6−199034号公報等にアルミナやアルミナ水和
物を用いた記録材料が開示されている。しかし、白紙光
沢性は良好であるがインク吸収性が不十分であった。
【0007】また、特開平10−86509号にはイン
ク受容層に1次粒子が3〜40nmの非晶質シリカ及び
/またはアルミナシリケートで2次凝集粒子が平均粒径
10〜200nmであり、且つインク受容層のヘイズ度
が4〜65%であるインクジェット記録体が開示されて
いる。
【0008】従来から一般的に用いられてきた紙支持体
は、それ自体がインク吸収層としての役割を有していた
が、前述したポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持
体は、紙支持体と違ってインクを吸収することができな
いため、支持体上に設けられたインク受容層のインク吸
収性が重要であり、インク受容層の空隙率を高める必要
がある。従って、気相法シリカ等の塗布量を多くし、更
に、バインダーの比率を低減する必要があった。
【0009】しかしながら耐水性支持体上に気相法シリ
カのような非晶質シリカやアルミナ水和物等の多孔質イ
ンク吸収層を設けるのに用いる塗布液は、非晶質シリカ
やアルミナ水和物等の分散方法、処理方法によって得ら
れるインクジェット記録材料の特性に大きく影響し、特
に記録材料表面の光沢性、インク吸収性への影響は多大
である。
【0010】無機微粒子の分散方法には特開平11−3
21079号、特開2000−94830号公報に分散
助剤を添加しないで作製した無機微粒子分散液とカチオ
ン性ポリマー含有液とを混合することが提案されている
が、無機微粒子分散液の分散方法についての詳細な記載
はされていない。
【0011】本発明者等はこれまでに、水系で無機微粒
子を分散する際、混練機を用いて粗分散物を得る一次分
散工程と、一次分散工程で得られた粗分散物を高圧ホモ
ジナイザー、超音波分散機、薄膜施回型分散機等を適宜
用いて微細分散して粒径分布を整える二次分散工程の少
なくとも二工程からなるインクジェット記録材料用無機
微粒子の分散方法を提案した(特願2000−3772
96号公報)。
【0012】この方法に従ってもインクジェット記録材
料用途に好適に用いることができる無機微粒子の水系分
散物を得ることが可能であったが、一次分散工程と二次
分散工程を要するため、工程を一段階として歩留まりや
工程時間を短縮することが望まれていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、分散における工程数を減らし生産性に優れた無機微
粒子の分散方法の提供であり、その水系分散物を用いた
高光沢と高いインク吸収性を有するインクジェット記録
材料を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、無
機微粒子の水系分散物を含有する塗布組成物を支持体に
塗布したインクジェット記録材料であり、該無機微粒子
の水系分散物が少なくとも水、無機微粒子、及び分散助
剤の3成分をスクリーンが可動型であるローター/スク
リーン型分散機を用いて分散したものであることを特徴
とするインクジェット記録材料の製造方法によって達成
された。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる無機微粒子としては、平均一次粒径
が1μm以下であり、シリカ、アルミナ、アルミナ水和
物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等公知の各種微
粒子が挙げられるが、特に合成シリカ、アルミナ水和物
が好ましい。インク受容層には、無機微粒子を8g/m2
以上含有するのが好ましく、10〜35g/m2の範囲で
用いるのがより好ましい。この範囲より少ないと、イン
ク吸収性が劣り、多すぎると強度が劣る傾向である。親
水性バインダー量は、無機微粒子に対して40重量%以
下、好ましくは30重量%以下である。このように親水
性バインダーの比率を小さくすることによって、インク
吸収性は向上するが、ひび割れや粉落ちが発生しやす
く、下限は8重量%である。
【0016】本発明において、無機微粒子は、インク受
容層の主たる割合、すなわちインク吸収層の全固形分に
対して無機微粒子を50重量%以上、好ましくは60重
量%以上、より好ましくは65重量%以上含有すること
が好ましい。
【0017】合成シリカには、湿式法によるものと気相
法によるものがある。湿式法シリカとしては、ケイ酸
ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を
通して得られるシリカゾル、またはこのシリカゾルを
加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、シリカゾル
をゲル化させ、その生成条件を変えることによって数ミ
クロンから10ミクロン位の一次粒子がシロキサン結合
をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更には
シリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウ
ム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主
体とする合成ケイ酸化合物等がある。本発明の無機微粒
子は、気相法シリカが好ましく、本発明の分散方法と気
相法シリカとの組み合わせにより更に効果的に本発明の
目的が達成される。
【0018】気相法シリカは、乾式法シリカ、或いはヒ
ュームドシリカとも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法
によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び
酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られている
が、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランや
トリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケ
イ素と混合した状態で使用することができる。気相法シ
リカは日本アエロジル株式会社からアエロジル、株式会
社トクヤマからレオロシールQSタイプとして市販され
ており入手することができる。気相法シリカの平均一次
粒径は5〜50nmであることが好ましい。
【0019】本発明の無機微粒子、特に表面がアニオン
性の合成シリカ等の分散助剤としては好ましくはカチオ
ン性化合物を用いる。かかるカチオン性化合物として
は、カチオン性ポリマーや水溶性金属化合物が挙げられ
る。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミ
ン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキル
アミン重合物、特開昭59−20696号、同59−3
3176号、同59−33177号、同59−1550
88号、同60−11389号、同60−83882
号、同60−109894号、同62−198493
号、同63−49478号、同63−115780号、
同63−280681号、特開平1−40371号、同
6−234268号、同7−125411号、同10−
193776号、特開2000−211235号公報等
に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基
を有するポリマーが好ましく用いられる。これらのカチ
オンポリマーの分子量は、3,000以上が好ましく、
更に5,000〜10万程度が好ましい。分散助剤の添
加量は、無機微粒子の0.1〜15重量%、好ましくは
1〜10重量%である。多すぎると最終のインクジェッ
ト記録材料表面にひび割れが発生しやすく、少なすぎる
と分散安定性の効果が得られない。
【0020】本発明のインク受容層に好ましく含有され
るアルミナ、及びアルミナ水和物は、酸化アルミニウム
やその含水物であり、結晶質でも非晶質でもよく、不定
形や、球状、板状等の形態を有しているものが使用され
る。両者の何れかを使用してもよいし、併用してもよ
い。特にアスペクト比2以上の板状アルミナ水和物が好
ましい。
【0021】本発明のアルミナとしては酸化アルミニウ
ムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδ
グループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を1
0nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常
は、数千から数万nmの二次粒子結晶を50〜300n
m程度まで粉砕したものが好ましく使用出来る。
【0022】本発明のアルミナ水和物はAl23・nH
2O (n=1〜3)の構成式で表される。nが1の場合
がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より
大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和
物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニ
ウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカ
リによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造
方法により得られる。アルミナ水和物の平均一次粒径は
5〜50nmであることが好ましい。
【0023】本発明のアルミナまたはアルミナ水和物の
分散助剤は、乳酸、酢酸、蟻酸、硝酸、塩酸、臭化水素
酸、塩化アルミニウム等の酸が使用されるが、無機酸が
低温粘度がより高くなり、好ましい。本発明の一般的な
添加量はアルミナまたはアルミナ水和物に対して0.1
〜5重量%である。酸で分散されたアルミナ、またはア
ルミナ水和物を使用することでほう酸、またはほう酸塩
を使用しても塗布液特性が良好であり、塗布性も良好と
なる結果、白紙部光沢性、インク吸収性が良好となるの
で好ましい。
【0024】本発明の無機微粒子のBET法による比表
面積は10m2/g以上、好ましくは20m2/g以上であ
る。特に好ましく用いられる気相法シリカのBET法に
よる比表面積は80m2/g以上であり、より高い光沢を
得るためにはBET法による比表面積が130m2/g以
上、特に200m2/g以上のものを用いることである。
本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表
面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の
持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常
吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を
被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が
最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すの
に最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式で
あってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられてい
る。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が
表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
【0025】本発明における無機微粒子の分散工程で
は、水や水と低沸点溶剤中に無機微粒子を添加し、スク
リーンが可動型であるローター/スクリーン型分散機を
用いて無機微粒子の分散を行うが、分散助剤は予め水中
に添加していても分散時に添加してもよく、両方で添加
してもよい。分散物は、必要であれば更に適度の水、低
沸点溶剤等を添加して濃度や粘度の調整を行ってもよ
い。
【0026】本発明において、スクリーンが可動型であ
るローター/スクリーン型分散機を用いることで高いせ
ん断力が無機微粒子に加わるので、無機微粒子の投入か
ら粗分散物の生成を経て粗分散物の微粒化まで一工程の
操作で行うことができ、良好な分散物が得られる。スク
リーンが固定型であるいわゆるローター/ステーター型
の分散機では無機微粒子に加わるせん断力が不足するた
めか1μmより大きい粒径を有する二次凝集粒子の残存
が避けられないため好ましくない。分散方式はバッチ方
式、連続方式の何れも可能であるが、微粒化や整粒の制
御を行いやすいバッチ方式の方が好ましい。この様なス
クリーンが可動型であるローター/スクリーン型分散機
は、例えばエム・テクニック社よりクレアミックスダブ
ルモーションとして市販されている。図1は本発明に使
用するスクリーンが可動型のローター/スクリーン型分
散機を示す概略構成図である。スクリーン部(2)が上
昇してローター部(1)と雄雌の関係ではまり込み、互
いに逆方向に回転する際に高いせん断力が与えられる。
【0027】ローターの周速は無機微粒子の種類や濃度
に従って適宜選ばれ、特に制限されるものではないが、
周速18m/秒以上で処理するのが好ましい。それより
遅い場合には分散所要時間が長引いたり、1μmより大
きい粗大粒子が残存する場合がある。図2に本発明に使
用するスクリーンが可動型のローター/スクリーン型分
散機のローター部を示す斜視図を示した。
【0028】スクリーンのスリット幅やスリット本数は
無機微粒子の種類や濃度に従って適宜選ばれ、特に制限
されない。スクリーンはローターとは逆の方向に回転す
る。スクリーンの回転速度は10000〜23000r
pmで処理するのが好ましい。10000rpmより遅
い場合には分散所要時間が長引いたり、1μmより大き
い粗大粒子が残存する場合があり、23000rpm秒
より速い場合には分散効果があまり変わらない割には動
力が徒に大きくなる。図3に本発明に使用するスクリー
ンが可動型のローター/スクリーン型分散機のスクリー
ン部を示す斜視図を示した。
【0029】本発明において、最終的な無機微粒子の分
散液は、一次粒子の平均粒径の数倍〜30倍以下程度の
粒径の凝集物が水及び分散助剤と混合分散された状態で
あり、一般的には分散物の固形分濃度は10〜40重量
%程度であり、好ましい粘度は概略10〜1000mP
a・sである。
【0030】本発明の分散工程の粘度調整で使用する場
合の低沸点溶剤の例としては、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピル
アルコール、酢酸メチル、酢酸エチル等が挙げられる。
低沸点溶剤の添加により、無機微粒子分散物の粘度が低
下するほか、塗布後の乾燥工程での蒸発速度が向上する
ので好ましい。
【0031】本発明において、無機微粒子、特に気相法
シリカの分散物は、40℃以上の温度条件で30分以
上、好ましくは60℃以上で30分以上の加温処理を施
すのが好ましい。理由は不明であるが、加温処理した分
散物を用いるとインクジェット記録材料のインク吸収性
が向上する。加温処理で無機微粒子、特に気相法シリカ
の分散安定性が向上し、それを用いたインク受容層が安
定な空隙構造を取りやすいためと予想される。
【0032】本発明の無機微粒子、特に気相法シリカ等
の表面がアニオン性の微粒子の分散助剤としては好まし
くはカチオン性化合物を用いるが、インク受容層にイン
ク定着用の媒染剤としてカチオン性化合物を添加するほ
うが好ましい。
【0033】かかるカチオン性化合物としては、カチオ
ン性ポリマーや水溶性金属化合物が挙げられる。カチオ
ン性ポリマーとしては、前記の分散助剤で使用されるの
と同様のポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、1
〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマ
ーが好ましく用いられる。
【0034】本発明に用いられる水溶性金属化合物とし
て、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられる。カルシウ
ム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、ア
ルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネ
シウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の
水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシ
ウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩
化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫
酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化ア
ンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、
チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六
水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和
物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニ
ッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウ
ム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝
酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、
臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫
酸第二鉄、フェノールスルホン酸亜鉛、臭化亜鉛、塩化
亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウ
ム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和
物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸ク
ロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、
クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナ
トリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タング
ストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩
化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられ
る。
【0035】本発明において、特に水溶性アルミニウム
化合物あるいは周期表4A族元素を含む水溶性化合物が
好ましい。水溶性アルミニウム化合物は、例えば無機塩
としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アル
ミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等
が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチ
オンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合
物がある。特に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物
が好ましい。
【0036】前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物
とは、主成分が下記の一般式1、2又は3で示され、例
えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+
[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等
のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含ん
でいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
【0037】 [Al2(OH)nCl6-nm 式1 [Al(OH)3nAlCl3 式2 Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n 式3
【0038】これらのものは多木化学(株)よりポリ塩
化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田
化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の
名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの
名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市
されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本
発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、
pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調
節して用いることも可能である。
【0039】本発明に用いられる周期表4A族元素を含
む水溶性化合物は水溶性で有れば特に制限はないがチタ
ンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物が好ましい。
例えばチタンを含む水溶性化合物としては塩化チタン、
硫酸チタンが、ジルコニウムを含む水溶性化合物として
は酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジ
ルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコ
ニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウ
ム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウ
ム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム
化合物等が知られている。これらの化合物はpHが不適
当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用い
ることも可能である。本発明に於いて、水溶性とは常温
常圧下で水に1重量%以上溶解することを目安とする。
【0040】本発明において、無機微粒子、特に気相法
シリカの分散助剤としてはカチオン性ポリマーが好まし
く、一般的には無機微粒子の0.1〜15重量%であ
り、更に好ましくは1〜10重量%である。インクの媒
染剤として使用するカチオン性化合物の添加量は無機微
粒子の1〜10重量%が好ましい。
【0041】上記したカチオン性化合物は2種以上を併
用することができる。例えば媒染剤として使用の場合に
は、カチオン性ポリマーと水溶性金属化合物を併用する
のが好ましい。
【0042】本発明において、無機微粒子とともに用い
られる親水性バインダーとしては、公知の各種バインダ
ーを用いることができるが、透明性が高くインクのより
高い浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用い
られる。親水性バインダーの使用に当たっては、親水性
バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞
いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的
室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用
いられる。特に好ましい親水性バインダーは完全または
部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性
ポリビニルアルコールである。
【0043】ポリビニルアルコールの中でも特に好まし
いのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化
したものである。平均重合度200〜5000のものが
好ましい。
【0044】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号に記載され
ているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有
するポリビニルアルコールである。
【0045】本発明は、上記親水性バインダーと共に架
橋剤(硬膜剤)を用いることが好ましい。架橋剤の具体
的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒ
ドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペン
タンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチ
ル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,
3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記
載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルス
ルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反
応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,73
2,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特
許第3,103,437号記載の如きイソシアナート
類、米国特許第3,017,280号、同2,983,
611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第
3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合
物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポ
キシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシア
ルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン
誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及び
ほう酸塩の如き無機架橋剤等があり、これらを1種また
は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの
中でも、特にほう酸またはほう酸塩が好ましい。
【0046】本発明は、上記親水性バインダーと共に架
橋剤(硬膜剤)を用いることが好ましい。架橋剤の具体
的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒ
ドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペン
タンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチ
ル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,
3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記
載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルス
ルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反
応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,73
2,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特
許第3,103,437号記載の如きイソシアナート
類、米国特許第3,017,280号、同2,983,
611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第
3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合
物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポ
キシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシア
ルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン
誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及び
ほう酸塩の如き無機架橋剤等があり、これらを1種また
は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの
中でも、特にほう酸またはほう酸塩が好ましい。
【0047】本発明において、無機微粒子を含有するイ
ンク受容層の膜面pHが2〜6であることが好ましく、
特に3〜5が好ましい。インク受容層の膜面pHは、
J.TAPPI紙パルプ試験方法N0.49に記載の方
法に従って、蒸留水を用い、30秒後に測定した表面p
Hである。
【0048】インク受容層のpHは、塗布液の段階で調
整するのが好ましいが、塗布液のpHと塗布乾燥された
状態での膜面pHとは必ずしも一致しないため、塗布液
と膜面pHとの関係を予め実験等によって求めておくこ
とが所定の膜面pHにするために必要である。インク受
容層塗布液のpHは、酸またはアルカリを適当に組み合
わせて行われる。酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン
酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸が
用いられ、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、アン
モニア水、炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、または
弱アルカリとして、酢酸ナトリウム等の弱酸のアルカリ
金属塩が用いられる。
【0049】本発明のインク受容層は、更に皮膜の脆弱
性を改良するために各種油滴を含有することができる。
そのような油滴としては室温における水に対する溶解性
が0.01重量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例え
ば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレ
ジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子
(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベ
ンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒
子)を含有させることができる。そのような油滴は好ま
しくは親水性バインダーに対して10〜50重量%の範
囲で用いることができる。
【0050】本発明において、インク受容層に界面活性
剤を添加することができる。用いられる界面活性剤はア
ニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいず
れのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のも
のでもよい。1種もしくは2種以上界面活性剤をインク
受理層塗液中に添加するが、2種以上の界面活性剤を組
み合わせて使用する場合は、アニオン系のものとカチオ
ン系のものとを組み合わせて用いることは好ましくな
い。界面活性剤の添加量はインク受容層を構成するバイ
ンダー100gに対して0.001〜5gが好ましく、
より好ましくは0.01〜3gである。
【0051】本発明において、インク受容層には更に、
着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング
剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤など
の公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0052】本発明に用いられる支持体としては、一般
紙、アート紙、コート紙等の吸水性支持体、合成紙、ポ
リエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジア
セテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹
脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィル
ム、及び紙の両面にポリオレフィン樹脂をラミネートし
た樹脂被覆紙等の耐水性支持体が挙げられる。特に樹脂
被覆紙が好ましく用いられる。
【0053】本発明において好ましく用いられる樹脂被
覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いら
れている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真
用支持体に用いられているような平滑な原紙が好まし
い。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パ
ルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用
いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサ
イズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、
染料等の添加剤が配合される。
【0054】さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布さ
れていてもよい。
【0055】また、原紙の厚みに関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ま
しく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0056】樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリエチレン
(低密度、中密度、高密度、線状低密度ポリエチレ
ン)、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポ
リトリメチルペンテン、ポリエステル、ポリスチレン、
ポリアミド、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエ
チルアクリレート共重合体、エチレンアクリル酸共重合
体、エチレンアクリル酸メチル共重合体、エチレンビニ
ルアルコール共重合体、エチレンメタアクリル酸共重合
体およびその塩、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アイオ
ノマーなどの熱可塑性樹脂を単独で、あるいは混合して
用いることができる。
【0057】また樹脂被覆紙の樹脂として、アクリレー
ト系、メタアクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエス
テル/スチレン系のモノマー、オリゴマー、プレポリマ
ー等の電子線/紫外線硬化型樹脂を単独であるいは混合
して用いることができる。
【0058】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0059】本発明において好ましく用いられる支持体
である樹脂被覆紙は、熱可塑性樹脂の場合は走行する原
紙上に一般の溶融押し出しダイ、Tダイ、あるいは多層
同時押し出しダイを用いて加熱溶融した樹脂を流延す
る、いわゆる押出コーティング法により製造され、その
両面が樹脂により被覆される。また、電子線や紫外線に
より硬化する樹脂の場合は、グラビアコーター、ブレー
ドコーターなど一般に用いられるコーターにより樹脂を
塗布した後、電子線や紫外線を照射し、樹脂を硬化させ
て被覆する。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙に
コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すこと
が好ましい。支持体のインク受容層が塗布される面(表
面)は、その用途に応じて光沢面、マット面などを有
し、特に光沢面が優位に用いられる。裏面に樹脂を被覆
する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほ
うが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるい
は必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理
などの活性処理を施すことができる。また、樹脂被覆層
の厚みとしては特に制限はないが、一般に5〜50μm
の厚味に表面または表裏両面にコーティングされる。
【0060】本発明における支持体には帯電防止性、搬
送性、カール防止性などのために、各種のバックコート
層を塗設することができる。バックコート層には無機帯
電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテッ
クス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせ
て含有せしめることができる。
【0061】本発明において、インク受容層の塗布方法
は任意の方法が用いられ、例えばスライドリップ方式、
カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方
式、ロールコーティング方式、ブレードコーティング方
式、グラビアコーティング方式、コンマコーティング方
式、ダイコーディング方式、ロッドバーコーティング方
式等がある。本発明の無機微粒子の分散性効果が十分に
得られるのは好ましくはカーテン方式である。カーテン
塗布により支持体の表面形状によらない均一なインク受
容層が得られるのに加えて、本発明の無機微粒子分散物
を用いることで分散性に優れた比較的高濃度のインク受
容層塗布液が得られ、乾燥効率が高くなり、乾燥工程で
の表面の風紋等の発生が少ないので均一な表面と優れた
インク吸収性のインクジェット記録材料が得られる。
【0062】本発明でカーテン方式で塗布するインク受
容層塗布組成物の塗液粘度は一般的には40〜2500
mPa・sであり、好ましくは100〜2000mPa
・sである。40mPa・sより低いとカーテン膜の延
伸時の乱れが発生しやすく、塗布膜が不均一になりやす
い。2500mPa・sより高いとカーテン膜の落下点
が下流に移動するので空気同伴により塗布むらが発生し
やすい。インク受容層塗布組成物の塗布液固形分濃度
は、上記の粘度範囲内に調整されるが、一般的には14
〜40重量%である。塗布液を高濃度で塗布することで
乾燥効率が向上するのに加えて水等が蒸発するときの表
面の荒れを抑えることができるので好ましい。
【0063】本発明において、インクジェット記録材料
には、無機微粒子を含有する層に加え、さらにインク吸
収層、インク定着層、中間層、保護層等を設けてもよ
い。
【0064】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。な
お、部とは固形分重量部を意味する。
【0065】実施例1 「シリカの分散工程」平均一次粒径が7nmの気相法シ
リカ(トクヤマ社製、BET比表面積300m2/g)2
kgをカチオン性ポリマー(ジアリルジメチルアンモニ
ウムクロライドポリマー、分子量9000)の1%水溶
液8kgに添加しながらスクリーンが可動型のローター
/スクリーン型分散機(エム・テクニック社製クレアミ
ックスダブルモーション)によりローター周速26m/
秒、スクリーン回転速度12000rpmで100分間
分散して20重量%のシリカ分散物Aを得た。シリカ分
散物Aは使用前に60℃で1時間プロペラ羽根型分散機
で低速撹拌しながら加温処理を施し、アドバンテック東
洋社製No.65の濾紙にて濾過した後に使用した。
【0066】支持体として、LBKP(50部)とLB
SP(50部)のパルプ配合からなる120g/m2の基
紙の表面に低密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリ
エチレン(20部)と酸化チタン(10部)からなる樹
脂組成物を25g/m2塗布し、裏面に高密度ポリエチレ
ン(50部)と低密度ポリエチレン(50部)からなる
樹脂組成物を25g/m2塗布してなる樹脂被覆紙を用意
した。
【0067】上記支持体上に、下記組成の固形分濃度1
3重量%のインク受容層塗液を調整し、気相法シリカの
塗布量が固形分で18g/m2となるようにカーテン塗布
装置で塗布、乾燥して目的とするインクジェット記録材
料を作成した。尚、インク受容層の膜面pHが4.2に
なるように調整した。
【0068】 <インク受容層塗液> シリカ分散物A(固形分として) 100部 ポリビニルアルコール 25部 (商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500) ほう酸 4部 両性界面活性剤 0.3部 (商品名:SWAM AM-2150、日本サーファクタント社製)
【0069】実施例2 実施例1で平均一次粒径7nmの気相法シリカを平均一
次粒径12nmの気相法シリカ(トクヤマ社製、BET
比表面積200m2/g)に代えた以外は実施例1と同様
にしてシリカ分散物Bを得た。実施例1でシリカ分散物
Aに代えてシリカ分散物Bを用いた以外は同様にして目
的とするインクジェット記録材料を得た。
【0070】実施例3 「アルミナ水和物の分散工程」平均一次粒径15nmの
アルミナ水和物(擬ベーマイト、アスペクト比5)2k
gを硝酸の5%水溶液8kgに添加しながらスクリーン
が可動型のローター/スクリーン型分散機(エム・テク
ニック社製クレアミックスダブルモーション)によりロ
ーター周速26m/秒、スクリーン回転速度12000
rpmで80分間分散して20重量%のアルミナ水和物
分散物Aを得た。
【0071】実施例1でシリカ分散物Aに代えてアルミ
ナ水和物分散物Aを用いた濃度15重量%のインク受容
層塗布液を用いた以外は同様にして目的とするインクジ
ェット記録材料を得た。
【0072】比較例1 実施例1で分散機をスクリーンが固定型のローター/ス
クリーン型分散機(エム・テクニック社製クレアミック
スシングルモーション)に変更した以外は実施例1と同
様に分散して20重量%のシリカ分散物Cを得た。ま
た、シリカ分散物Aに代えてシリカ分散物Cを用いた以
外は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料を得
た。
【0073】比較例2 実施例2で分散機をスクリーンが固定型のローター/ス
クリーン型分散機(エム・テクニック社製クレアミック
スシングルモーション)に変更した以外は実施例1と同
様に分散して20重量%のシリカ分散物Dを得た。ま
た、シリカ分散物Bに代えてシリカ分散物Dを用いた以
外は実施例2と同様にしてインクジェット記録材料を得
た。
【0074】比較例3 実施例3で分散機をスクリーンが固定型のローター/ス
クリーン型分散機(エム・テクニック社製クレアミック
スシングルモーション)に変更した以外は実施例3と同
様に分散して20重量%のアルミナ水和物分散物Bを得
た。また、アルミナ水和物分散物Aに代えてアルミナ水
和物分散物Bを用いた以外は実施例3と同様にしてイン
クジェット記録材料を得た。
【0075】比較例4 シリカの分散を以下の二工程に分割して行った。 「シリカの一次分散工程」平均一次粒径が7nmの気相
法シリカ(トクヤマ社製、BET比表面積300m2
g)2kgをカチオン性ポリマー(ジアリルジメチルア
ンモニウムクロライドポリマー、分子量9000)の1
%水溶液8kgに添加しながら1軸ノコギリ歯状ブレー
ド型分散装置(容器径240mm、ノコギリ歯状ブレー
ド羽根径40mm)により、ノコギリ歯状ブレードの周
速が16m/秒で150分間分散して20重量%の気相
法シリカの粗分散物を得た。 「シリカの二次分散工程」一次分散工程で得られたシリ
カ粗分散物を、高圧ホモジナイザーにより処理量50L
/時間、圧力400kg/cm2の条件で2回分散処理
してシリカ分散物Eを得た。
【0076】また、シリカ分散物Aに代えてシリカ分散
物Eを用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェッ
ト記録材料を得た。
【0077】実施例1〜3、比較例1〜4で得られたイ
ンクジェット記録材料用の無機微粒子水系分散物につい
て、分散所要時間、濾過性、及び濾過後の収率を評価し
た。また、実施例1〜3、比較例1〜4で得られたイン
クジェット記録材料についてインク吸収性、及び光沢度
を評価した。その結果を表1に示す。
【0078】<分散所要時間>実施例1〜3、比較例1
〜3について無機微粒子投入開始より分散終了までに要
した時間を測定した。分散終了は堀場製作所製の粒度分
布計LA910を用いて測定したメジアン径(体積基
準)が一定となり変化しなくなった時間とした。比較例
4については一次分散所要時間と二次分散時間の合計を
分散所要時間とした。一次分散の終了は前記と同様の基
準に従ってメジアン径変化にて判定した。
【0079】<濾過性>10kgの無機微粒子水系分散
物をアドバンテック東洋社製No.65の濾紙にて吸引
濾過し、濾紙が目詰まりして分散液が濾過不能になった
状態で濾紙を交換した。濾過終了までに要した濾紙枚数
を濾過性として評価した。使用枚数が少ないほど濾過性
に優れる。
【0080】<濾過後の収率>無機微粒子水系分散物を
濾過した後の収率を重量基準で測定した。
【0081】<インク吸収性>インクジェットプリンタ
ー(セイコーエプソン社製PM−770C)を用いて、
C,M,Yをそれぞれ100%で印字して、印字直後にPP
C用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写
したインク量の程度を目視で観察し、下記の基準で評価
した。 ◎:全く転写しない。 ○:やや転写する。 △:転写するが実使用下限。 ×:転写する。
【0082】<光沢度>JIS P−8142(紙及び
板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法に従っ
て測定した。評価は下記の3段階で行った。 ○:60%より大 △:40%〜60% ×:40%未満
【0083】
【表1】 ─────────────────────────────── 分散所要 濾過性 濾過後 インク 光沢度 時間(分) 収率(%) 吸収性 ─────────────────────────────── 実施例1 100 1 97 ◎〜○ ○ 実施例2 100 1 98 ◎ ○ 実施例3 80 1 98 ◎ ○ ─────────────────────────────── 比較例1 100 3 94 ○〜△ △ 比較例2 100 3 94 ○ △ 比較例3 80 2 95 ○ △ 比較例4 174 1 93 ◎〜○ ○ ───────────────────────────────
【0084】上記結果から明らかなように、本発明のス
クリーンが可動型であるローター/スクリーン型分散機
を用いて分散した実施例1〜4の無機微粒子分散物は、
分散に要する所要時間が短いため工程的に有利である
他、濾過性や収率にも優れている。また、これらの無機
微粒子分散物を用いたインクジェット記録材料は良好な
インク吸収性と光沢度を有する。一方、比較例1〜3は
スクリーンが固定型の分散機を用いた場合であるが、分
散時の微粒化が不十分で粗粒が残存するためと考えられ
るが濾過性が悪く、インクジェット記録材料の光沢も劣
った。比較例4は無機微粒子の分散工程を二段階に分け
たものであるが、インク吸収性や光沢度には優れるもの
の、分散所要時間が長引いたり収率が若干劣る傾向にあ
った。
【0085】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録材料用無機
微粒子分散物の製造方法に従えば、分散物を得るための
工程所要時間を短縮し、かつ優れた濾過性、及び高い収
率で分散物を得ることが可能となる。またこの方法に従
って作製したインクジェット記録材料は、高いインク吸
収性と高光沢が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するスクリーンが可動型のロータ
ー/スクリーン型分散機を示す概略構成図
【図2】本発明に使用するスクリーンが可動型のロータ
ー/スクリーン型分散機のローター部を示す斜視図
【図3】本発明に使用するスクリーンが可動型のロータ
ー/スクリーン型分散機のスクリーン部を示す斜視図
【符号の説明】
1 ローター部 2 スクリーン部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H086 BA02 BA15 BA17 BA19 BA33 BA35 4D075 AC04 AC14 AC22 AC25 AC96 BB16X CA35 CB04 DA03 DB18 DC27 EA06 EA10 EA33 EB02 EC01 EC11 EC31 EC35

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機微粒子の水系分散物を含有する塗布
    組成物を支持体に塗布したインクジェット記録材料であ
    り、該無機微粒子の水系分散物が少なくとも水、無機微
    粒子、及び分散助剤の3成分をスクリーンが可動型であ
    るローター/スクリーン型分散機を用いて分散したもの
    であることを特徴とするインクジェット記録材料の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記無機微粒子が平均一次粒径1μm以
    下の無機微粒子であることを特徴とする請求項1記載の
    インクジェット記録材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記無機微粒子が平均一次粒径5〜50
    nmの気相法シリカである請求項2に記載のインクジェ
    ット記録材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記無機微粒子が平均一次粒径5〜50
    nmのアルミナ水和物である請求項2に記載のインクジ
    ェット記録材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記分散助剤がカチオン性化合物である
    請求項3に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記支持体が耐水性支持体である請求項
    1〜5の何れか1項に記載のインクジェット記録材料の
    製造方法。
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