JP2003165269A - インクジェット用記録材料、およびその製造方法 - Google Patents

インクジェット用記録材料、およびその製造方法

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JP2003165269A
JP2003165269A JP2001367460A JP2001367460A JP2003165269A JP 2003165269 A JP2003165269 A JP 2003165269A JP 2001367460 A JP2001367460 A JP 2001367460A JP 2001367460 A JP2001367460 A JP 2001367460A JP 2003165269 A JP2003165269 A JP 2003165269A
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water
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Hanae Nakatani
華枝 中谷
Yukihiro Suzuki
幸浩 鈴木
Yukio Tokunaga
幸雄 徳永
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フォトライクな高光沢と高いインク吸収性、お
よび高湿ひび割れが良好で印字画像の滲みや画像の経時
でのひび割れが改良されたインクジェット用記録材料を
提供する。 【解決手段】耐水性支持体上に1層以上のインク受容層
を有するインクジェット用記録材料において、該インク
受容層の少なくとも1層が、無機微粒子、含ホウ素化合
物、水溶性金属化合物、メチロールアミノ系化合物、お
よびポリビニルアルコールを含有することを特徴とする
インクジェット用記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用
記録材料に関し、更に詳しくは、高い光沢を有し、イン
ク吸収性や高湿ひび割れに優れ、印字画像の滲み、経時
での画像のひび割れが改良されたインクジェット用記録
材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式に使用される記
録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称
される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニルア
ルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク
吸収層を設けてなる記録材料が知られている。
【0003】例えば、特開昭55−51583号、同5
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、及び同64−11877号公報等に開示のごと
く、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支
持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】また、特公平3−56552号、特開平2
−188287号、同平10−81064号、同平10
−119423号、同平10−175365号、同平1
0−193776号、同10−203006号、同10
−217601号、同平11−20300号、同平11
−20306号、同平11−34481号公報等公報に
は、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリ
カと称す)を用いることが開示されている。また、特開
昭62−174183号、特開平2−276670号、
特開平5−32037号、特開平6−199034号公
報等にアルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が開
示されている。開示されているアルミナ水和物、アルミ
ナ、および気相法シリカは、一次粒子の平均粒径が数十
nm以下の超微粒子であり、高い光沢と高いインク吸収
性が得られるという特徴がある。近年、フォトライクの
記録シートが要望される中、益々光沢性が重要視されて
きており、ポリオレフィン樹脂被覆紙(紙の両面にポリ
エチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートしたも
の)やポリエステルフィルム等の耐水性支持体上に気相
法シリカやアルミナ水和物を主体とするインク受容層が
塗設された記録材料が提案されている。
【0005】従来から一般的に用いられてきた紙支持体
は、それ自体がインク吸収層としての役割を有していた
が、前述したポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持
体は、紙支持体と違ってインクを吸収することができな
いため、支持体上に設けられたインク受容層のインク吸
収性が重要であり、インク受容層の空隙率を高める必要
がある。従って、気相法シリカ等の無機微粒子の塗布量
を多くし、更に、無機微粒子に対するバインダーの比率
を低減する必要があった。
【0006】しかしながら、耐水性支持体に気相法シリ
カのような無機微粒子を多量に塗布し、バインダーの比
率が低い多孔質記録材料は、記録材料を高湿の環境で保
管する場合や、水が掛かった場合には未印字の記録材料
表面にひび割れが発生する問題が有った。また、印字画
像の経時でのひび割れが発生しやすいという問題を有し
ている。
【0007】特開平9−22139号、特開平11−1
15308号、特開2001−146069号公報には
微粒子と親水性バインダー含有のインク受容層上に、イ
ンク受容層塗工と同時、乾燥中、または乾燥後に架橋剤
溶液を塗布してインク吸収ムラ、乾燥時ひび割れ、脆弱
性を改良する提案がされており、特開2001−146
068号公報には無機微粒子とポリビニルアルコール含
有の多孔質インク吸収層に無機系硬化剤と有機系硬化剤
を含有させることで脆弱性を改良する提案がされている
が、何れも印字画像の経時ひび割れに関する記載や、イ
ンク受容層にメチロールアミノ系架橋剤、含ホウ素化合
物、および水溶性金属化合物を添加することによる改良
に関する記載はされていない。特開2001−3013
10号公報には高密度で60度光沢が10%以上の紙基
材にラミネート層を設けた基体に無機顔料微粒子、水溶
性樹脂、媒染剤と架橋剤を含有する色剤受容層を積層し
た、光沢感が良好なインクジェット記録用シートが提案
されているが、画像の経時ひび割れについての記載は無
い。特開平9−86035号公報には、ベーマイト構造
を有するアルミナ水和物とバインダーを主成分とする多
孔質インク受容層を備えた被記録媒体でインク吸収速
度、染料吸着能、および染料吸着速度指数を特定範囲と
することで画像濃度と色調鮮明性を改良する提案が有
り、水酸基を架橋し得る材料をインク受容層に添加する
ことでインク吸収時間、インク吸収性、光学濃度、にじ
み、ビーディング、およびハジキが改良される実施例が
記載されているが、印字画像の経時ひび割れに関する記
載や、メチロールアミノ系化合物、含ホウ素化合物、お
よび水溶性金属化合物の使用による改良の記載は無い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高光沢性と高いインク吸収性を有し、高湿ひび割れ
が良好で、印字画像の滲みや経時での画像ひび割れが改
良されたインクジェット用記録材料を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について種々検討した結果、主として下記の手段により
本発明の目的が達成された。
【0010】(1)耐水性支持体上に1層以上のインク
受容層を有するインクジェット用記録材料において、該
インク受容層の少なくとも1層が、無機微粒子、含ホウ
素化合物、水溶性金属化合物、メチロールアミノ系化合
物、およびポリビニルアルコールを含有することを特徴
とするインクジェット用記録材料。
【0011】(2)前記メチロールアミノ系化合物がメ
チロールメラミン系化合物である前記(1)に記載のイ
ンクジェット用記録材料。
【0012】(3)前記無機微粒子が平均一次粒径5〜
30nmである、気相法シリカおよびアルミナ水和物の
少なくとも1種である前記(1)または(2)に記載の
インクジェット用記録材料。
【0013】(4)前記耐水性支持体が、インク受容層
を設ける面のJIS−B0601で規定されるカットオ
トフ値0.8mmでの中心線平均粗さが0.1〜4μm
であることを特徴とする前記(1)〜(3)の何れか1
項に記載のインクジェット用記録材料。
【0014】(5)前記(1)〜(4)の何れかに記載
のインクジェット用記録材料の製造方法であり、該イン
ク受容層を設けるための塗工液が、無機微粒子、含ホウ
素化合物、水溶性金属化合物、およびポリビニルアルコ
ールを含有する液にメチロールアミノ系化合物を含有す
る液を塗工の直前にインラインで添加、混合してなるこ
とを特徴とするインクジェット用記録材料の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる耐水性支持体としては、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート
樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハ
ン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、および
紙の少なくとも片面にポリオレフィン樹脂をラミネート
した樹脂被覆紙が挙げられる。本発明に用いられる耐水
性支持体の厚みは、約50〜300μm程度が好まし
い。
【0016】本発明において好ましく用いられる樹脂被
覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いら
れている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真
用支持体に用いられているような平滑な原紙が好まし
い。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パ
ルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用
いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサ
イズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、
染料等の添加剤が配合される。
【0017】さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布さ
れていてもよい。
【0018】また、原紙の厚みに関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ま
しく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。ただ
し、原紙の密度は剛直性のためには1.10g/cm3
以下、好ましくは0.6〜1.05g/cm3である。
密度が小さすぎると樹脂被覆を行っても均一な表面平滑
性が得られにくい。
【0019】樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィ
ン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレ
ン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上か
らなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密
度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独
にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0020】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0021】本発明において好ましく用いられる支持体
である樹脂被覆紙は、ポリオレフィン樹脂の場合は、走
行する原紙上に加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる
押出コーティング法により製造され、そのおもて面また
は両面が樹脂により被覆される。また、電子線により硬
化する樹脂の場合は、グラビアコーター、ブレードコー
ターなど一般に用いられるコーターにより樹脂を塗布し
た後、電子線を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。ま
た、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処
理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。
支持体のインク受容層が塗布される面(おもて面)は、
その用途に応じて光沢面、マット面などに加工される。
裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点か
ら樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面で
あり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放
電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。
また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はないが、一
般に片面5〜50μmの厚みに表面または表裏両面にコ
ーティングされる。特に、樹脂被覆時に樹脂層表面を型
付けされたクーリングロールに押圧することや樹脂被覆
紙を型付けロールで後加工すること等により樹脂被覆紙
のインク受容層を設ける面のJIS−B0601で規定
されるカットオトフ値0.8mmでの中心線平均粗さを
0.1〜5μm、好ましくは0.1〜4μmとすること
で画像の経時ひび割れが良化される。樹脂被覆層表面が
鏡面の場合よりも上記範囲の中心線平均粗さとすること
でインク受容層と樹脂被覆層とが接する界面の面積が広
くなるのでしみ込んだインクの溶剤が界面全体に広がり
にくくなるために強度低下が少なくなるためと推測され
る。中心線平均粗さが5μmより大きいと手触りや印字
画像の見栄えが低下する。
【0022】本発明における支持体には帯電防止性、搬
送性、カール防止性などのために、各種のバックコート
層を塗設することができる。バックコート層には無機帯
電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテッ
クス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせ
て含有せしめることができる。
【0023】本発明に用いられる無機微粒子としては、
平均一次粒径が1μm以下であり、シリカ、アルミナ、
アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等
公知の各種微粒子が挙げられるが、特にシリカ、アルミ
ナ水和物が好ましい。インク受容層には、無機微粒子を
8g/m2以上含有するのが好ましく、10〜40g/m2
の範囲で用いるのがより好ましい。この範囲より少ない
と、インク吸収性が劣る。ポリビニルアルコール量は、
無機微粒子に対して40質量%以下、好ましくは35質
量%以下であり、特に10〜25質量%が好ましい。こ
のようにポリビニルアルコールの比率を小さくすること
によって、インク吸収性は向上するが、印字画像の経時
でのひび割れが発生しやすくなるが、本発明は、両方の
性能を同時に満足させることを特徴とする。
【0024】本発明において、無機微粒子は、インク吸
収層中の主たる割合、すなわち全固形分に対して無機微
粒子を50質量%以上、好ましくは60質量%以上、よ
り好ましくは65質量%以上含有することが好ましい。
【0025】合成シリカには、湿式法によるものと気相
法によるものがある。湿式法シリカとしては、ケイ酸
ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を
通して得られるシリカゾル、またはこのシリカゾルを
加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、シリカゾル
をゲル化させ、その生成条件を変えることによって数ミ
クロンから10ミクロン位の一次粒子がシロキサン結合
をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更には
シリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウ
ム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主
体とする合成ケイ酸化合物等がある。
【0026】気相法シリカは、湿式法に対して乾式法と
も呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られ
る。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼
して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素
の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン
等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状
態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロ
ジル株式会社からアエロジル、トクヤマ株式会社からQ
Sタイプとして市販されており入手することができる。
【0027】本発明に特に好ましく用いられる気相法シ
リカの一次粒子の平均粒径は、5〜30nmが好まし
く、より高い光沢を得るためには、15nm以下が好ま
しい。更に好ましくは一次粒子の平均粒径が5〜15n
mでかつBET法による比表面積が200m2/g以上の
ものを用いることである。本発明で云うBET法とは、
気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸
着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積
を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガス
が多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積
の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多
分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunau
er、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面
積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着
量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、
表面積が得られる。
【0028】本発明のアルミナとしては酸化アルミニウ
ムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδ
グループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を1
0nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常
は、数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホ
モジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で微細粒子
に粉砕したものが好ましく使用出来る。
【0029】本発明で好ましく使用されるアルミナ水和
物は、Al23・nH2O(n=1〜3)の構成式で表
される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和
物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイ
ト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロ
ポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、ア
ルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加
水分解等の公知の製造方法により得られる。
【0030】本発明に用いられるアルミナ水和物の一次
粒子の平均粒径は、5〜50nmが好ましく、より高い
光沢を得るためには、5〜30nmで平均アスペクト比
(平均厚さに対する平均粒径の比)が2以上の平板状の
粒子を用いるのが好ましい。
【0031】本発明のインク受容層は目的別に2層以上
とするのが好ましく、最上層は光沢性と耐傷性の向上を
目的とし、下層には白色度とインク吸収性の向上を目的
とする。特に支持体に近いインク受容層には平均一次粒
径が大きい無機微粒子を用いることで白色度を高くし、
インク溶媒の吸収性を向上させるのが好ましい。支持体
から最も離れた最上層のインク受容層は、一次粒子の平
均粒径が5〜30nm、好ましくは5〜20nmの無機
微粒子を用い、全固形分量を1〜15g/m2とするのが
好ましく、1〜10g/m2の範囲がより好ましい。固形
分量が上記範囲より多くなるとインク吸収性が低下しや
すくなり、また少なくなると光沢性が低くなる傾向であ
る。下層のインク受容層は、一次粒子の平均粒径が5〜
30nm、好ましくは10〜20nmの無機微粒子を用
い、全固形分量を5〜30g/m2とするのが好ましく、
特に10〜25g/m2の範囲が白色度向上効果とインク
吸収性からは好ましい。本発明では少なくとも最上層に
アスペクト比が2以上のアルミナ水和物を用いることで
画像の経時ひび割れが更に改良され、特に下層に平均一
次粒径が5〜30nmの気相法シリカを用いることでイ
ンク吸収性も改良されるので好ましい。平板状アルミナ
水和物使用により画像の経時ひび割れが改良される理由
は、インク受容層が平板状のアルミナ水和物の積層構造
となっているので球状の微粒子と比較して直線状にはひ
び割れが起きにくいためと、ポリビニルアルコールがア
ルミナ水和物の平板状粒子間の界面に集中しやすいため
に結合強度が高くなるためと推測される。
【0032】本発明の無機微粒子の平均粒径は、分散さ
れた粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する
100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子
の粒径として求めた。本発明のアルミナ水和物の一次粒
子の平均粒径は、平板状の場合は平面状態で測定され
る。平板状アルミナ水和物の平均厚さは、アルミナ水和
物をフィルム上に塗布したシートの断裁面の観察より得
られ、アルミナ水和物のアスペクト比は平均厚みに対す
る平均粒径の比で得られる。
【0033】本発明のインク受容層には耐傷性、搬送
性、ブロッキング性の改良のために平均粒径が1〜7μ
mの球状粒子の少なくとも1種と10μm以上の球状粒
子の少なくとも1種を含有させるほうが好ましく、前者
が有機粒子で後者が無機粒子のほうが手触り感からはよ
り好ましい。平均粒径が10μm以上の球状粒子はイン
ク受容層の膜厚よりも大きいことが好ましく、上限は4
0μm程度である。特に表のインク受容層を2層以上と
し、最上層に前記の2種の球状粒子を含有させるほうが
耐傷性、光沢性からは好ましく、10μm以上の粒子の
平均粒径は最上層の膜厚より大きいことが好ましいが、
インク受容層から10μmより大きく突出しないほうが
触感からは好ましい。
【0034】平均一次粒径が1〜7μmと10μm以上
の球状粒子を併用することで各々を単独で用いた場合よ
りも耐傷性、搬送性が良好となる理由は以下のように推
測される。即ち、10μm以上の球状粒子単独でもイン
ク受容層表面に凸部が発生するので耐傷性、ブロッキン
グ性は良化するが、併用する事で1〜7μmの球状粒子
が10μm以上の球状粒子に加わった外力に対する緩衝
剤として働くために耐傷性と搬送性が大幅に向上すると
予測される。
【0035】本発明において、インク受容層で無機微粒
子とともに用いられるポリビニルアルコールとしては、
透明性が高くインクのより高い浸透性が得られ、インク
の初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないこと
が重要であり、この観点から好ましいのは完全または部
分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポ
リビニルアルコールである。
【0036】ポリビニルアルコールの中でも特に好まし
いのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化
したものである。平均重合度200〜5000のものが
好ましい。
【0037】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号に記載され
ているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有
するポリビニルアルコールである。
【0038】本発明では、少なくとも1層のインク受容
層にはメチロールアミノ系化合物を含有する。本発明で
メチロールアミノ系化合物とは、メチロールアミノ系の
モノマーを構成単位として、単体または複数個重合した
化合物であり、アルキル化メチロールアミノ系化合物等
の変性されたメチロールアミノ系化合物も含まれる。メ
チロールアミノ系化合物としては、メチロールメラミン
系化合物、メチロール尿素系化合物等が使用される。具
体例としては、住友化学社製のスミレーズレジン61
3,8%AC、607syrup等のメラミン系化合
物、スミレーズレジン302、636,703、71
2、EU等の尿素系化合物等が挙げられ、それらの中か
ら1種以上が使用される。本発明の画像の経時ひび割れ
防止効果からはメチロールメラミン系化合物が好ましく
使用される。インク受容層への添加量は、ポリビニルア
ルコールの固形分に対して0.5〜50質量%であり、
好ましくは1〜30質量%である。少なすぎると画像の
ひび割れ改良効果が得られず、多すぎるとインク吸収性
が低下する。
【0039】本発明で少なくとも1層のインク受容層に
含有される含ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ酸
塩、およびホウ砂等があり、これらを1種または2種以
上組み合わせて用いることができる。ホウ酸塩として
は、オルトホウ酸塩、メタホウ酸塩、二ホウ酸塩、四ホ
ウ酸塩、五ホウ酸塩等が挙げられる。インク受容層への
添加量は、ポリビニルアルコールの固形分に対して0.
5〜50質量%、好ましくは1〜40質量%である。少
なすぎると画像の経時ひび割れの改良効果が得にくく、
多すぎると塗工した後の乾燥時にインク受容層にひび割
れが発生しやすくなる。
【0040】本発明で少なくとも1層のインク受容層に
用いられる水溶性金属化合物としては、例えば水溶性の
多価金属塩が挙げられる。カルシウム、バリウム、マン
ガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜
鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステ
ン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられ
る。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウ
ム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、
硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マ
ンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニ
ウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)
ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバル
ト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケ
ル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアン
モニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸
アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニ
ウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和
物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一
鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、
塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニ
ウム、硝酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化
ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、
酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグ
ネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、り
んタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタン
グステン、12タングストりん酸n水和物、12タングスト
けい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n
水和物等が挙げられる。
【0041】本発明において、特に水溶性アルミニウム
化合物あるいは周期表4A族元素を含む水溶性化合物が
好ましい。水溶性アルミニウム化合物は、例えば無機塩
としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アル
ミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等
が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチ
オンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合
物がある。特に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物
が好ましい。
【0042】前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物
とは、主成分が下記の一般式1、2または3で示され、
例えば[Al6(OH)153+、[Al8(O
H)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(O
H)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオ
ンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウム
である。
【0043】 [Al2(OH)nCl6-nm 一般式1 [Al(OH)3nAlCl3 一般式2 Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n 一般式3
【0044】これらのものは多木化学(株)よりポリ塩
化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田
化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の
名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの
名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市
されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本
発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、
pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調
節して用いることも可能である。
【0045】本発明に用いられる周期表4A族元素を含
む水溶性化合物は水溶性で有れば特に制限はないがチタ
ンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物が好ましい。
例えばチタンを含む水溶性化合物としては塩化チタン、
硫酸チタンが、ジルコニウムを含む水溶性化合物として
は酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジ
ルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコ
ニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウ
ム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウ
ム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム
化合物等が知られている。これらの化合物はpHが不適
当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用い
ることも可能である。本発明に於いて、水溶性とは常温
常圧下で水に1重量%以上溶解することを目安とする。
【0046】本発明において、上記水溶性金属化合物の
インク受容層中の含有量は、無機微粒子に対して0.1
〜10質量%が好ましく、更に好ましくは1〜5質量%
である。
【0047】本発明のインクジェット用記録材料の製造
方法は、1層以上のインク受容層用の塗工液を耐水性支
持体上に塗工、乾燥してインク受容層を形成する方法が
一般的であり、少なくとも1層のインク受容層は無機微
粒子、ポリビニルアルコール、含ホウ素化合物、水溶性
金属化合物、およびメチロールアミノ系化合物を含有す
る。メチロールアミノ系化合物の活性劣化防止や液性の
経時変化防止からは、無機微粒子、含ホウ素化合物、ポ
リビニルアルコール、および水溶性金属化合物を含有す
るインク受容層用の塗工液とメチロールアミノ系化合物
含有液を同時に塗工する方法、メチロールアミノ系化合
物を除いたインク受容層用の塗工液を塗工、乾燥した後
でメチロールアミノ系化合物含有液を塗工する方法、ま
たはメチロールアミノ系化合物を除いたインク受容層用
の主液に塗工直前にメチロールアミノ系化合物含有液を
添加し、混合後に塗工する方法が好ましく、特にインク
受容層用の主液を送液中のインラインでメチロールアミ
ノ系化合物含有液を添加し、混合する方法が、画像の経
時ひび割れがより向上するので好ましい。その理由とし
てはメチロールアミノ系化合物の活性劣化が少なく、塗
工液中に均一混合されるのでメチロールアミノ系化合物
とポリビニルアルコールや無機微粒子との結合数が多く
なり、強くなるためと推測される。ここで塗工直前とは
一般的に塗工する数分前から数秒前である。2液を添加
後に使用する混合装置としては、例えばインラインミキ
サー、スタチックミキサー等がKenics社、Sul
ger社、晃立社、東レ社より市販されている装置が使
用出来る。また、メチロールアミノ系化合物含有の塗工
液を塗工した後の減率乾燥以降の乾燥工程でインク受容
層の表面温度を50℃以上、好ましくは60℃以上にす
ることで高湿ひび割れや印字画像の経時でのひび割れが
更に良化する。乾燥工程でインク受容層の水分が10質
量%程度以下まで乾燥させた後、記録材料原反を巻き取
るまでの工程や、巻き取った後の記録材料原反を別ライ
ンでインク受容層の表面温度が50℃以上になる加温工
程を行うことでも高湿ひび割れや印字画像の経時による
ひび割れが改良される。加温工程の環境温度は加温時間
によるが、記録材料の経時劣化が起きない温度である1
50℃以下、特に100℃程度以下が好ましい。加温す
る時間は温度により変化するが、数秒から数時間が適当
である。乾燥工程直前に冷却工程により塗工されたイン
ク受容層用の塗工液を20℃程度以下、好ましくは15
℃以下に冷却することで乾燥時の風紋の発生を抑えられ
るので好ましい。
【0048】本発明では、インク受容層用の、無機微粒
子、含ホウ素化合物、ポリビニルアルコール、水溶性金
属化合物、およびメチロールアミノ系化合物を含有する
塗工液のpHは、特に限定されないが、好ましくは3〜
5.5とすることで印字画像の経時でのひび割れが更に
良化する。塗布液のpH調整は、酸またはアルカリを適
当に組み合わせて行われる。酸としては、塩酸、硝酸、
硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、コハク酸等
の有機酸が用いられ、アルカリとしては、水酸化ナトリ
ウム、アンモニア水、炭酸カリウム、リン酸三ナトリウ
ム、または弱アルカリとして、酢酸ナトリウム等の弱酸
のアルカリ金属塩が用いられる。
【0049】本発明により印字画像の経時でのひび割れ
が改良される理由は不明であるが、以下のように推測さ
れる。即ち、インク受容層に含ホウ素化合物、水溶性金
属化合物、およびメチロールアミノ系化合物の三者が含
有されないとポリビニルアルコール同士の水素結合や、
無機微粒子とポリビニルアルコールとの緩い結合は空気
中等の水分やインクの溶剤により弱くなってひび割れが
発生する。含ホウ素化合物、およびメチロールアミノ系
化合物が存在すると、ポリビニルアルコールの水酸基や
無機微粒子の活性基に対する反応性が異なるので、お互
いが補完して結合するが、結合数が不十分であり、空気
中等の水分や印字されたインクの溶剤により更に弱くな
り、そのままで、または温度や湿度の変化により解離し
てひび割れが発生する。含ホウ素化合物、およびメチロ
ールアミノ系化合物に加えて更に水溶性金属化合物が存
在することにより、それらの結合数が増加し、結合力が
更に強化されることにより、空気中やインク中の水等の
溶剤により結合力が低下せず、温度や湿度が変化しても
画像にひび割れが発生しにくくなると推測される。特に
メチロールアミノ系化合物としてはメチロールメラミン
系化合物が好ましく、更にインク受容層用の塗工液のp
Hを3.5〜5.5とし、インク受容層に加温処理等で
50℃以上の温度をかけることでメチロール基とポリビ
ニルアルコールや無機微粒子の活性基との反応性が上が
り、インク受容層の未印字部の高湿ひび割れや印字画像
のひび割れが更に良化するために画像の経時ひび割れが
良化すると推測される。
【0050】本発明は、インク受容層に、チオエーテル
化合物、チオウレア系化合物、ジスルフィド系化合物、
メルカプト化合物等の含イオウ有機化合物、糖類、及び
ジシアンジアミド系樹脂等の各種保存剤の少なくとも1
つを含有させることで、印字後の耐光性、耐ガス性等の
保存性が改良される。
【0051】本発明のインク受容層には、画像の耐水性
を改良するためにカチオン性ポリマーを含有させてもよ
い。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミ
ン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキル
アミン重合物、特開昭59−20696号、同59−3
3176号、同59−33177号、同59−1550
88号、同60−11389号、同60−49990
号、同60−83882号、同60−109894号、
同62−198493号、同63−49478号、同6
3−115780号、同63−280681号、特開平
1−40371号、同6−234268号、同7−12
5411号、同10−193776号公報等に記載され
た1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポ
リマーが好ましく用いられる。これらのカチオンポリマ
ーの分子量は、5,000以上が好ましく、更に5,0
00〜10万程度が好ましい。
【0052】これらのカチオン性ポリマーの使用量は画
像のひび割れからは少ない方が好ましく、無機微粒子に
対して1〜7質量%、好ましくは2〜5質量%であり、
水溶性金属化合物との併用が好ましい。
【0053】本発明において、インク受容層には更に、
界面活性剤、着色染料、着色顔料、インク染料の定着
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐水化剤、顔料の分散
剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度
安定剤などの公知の各種添加剤を添加することもでき
る。
【0054】本発明のインク受容層には、更に皮膜の脆
弱性を改良するために各種油滴を含有することができ
る。そのような油滴としては室温における水に対する溶
解性が0.01重量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例
えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリク
レジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子
(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベ
ンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒
子)を含有させることができる。そのような油滴は好ま
しくは親水性バインダーに対して10〜50重量%の範
囲で用いることができる。
【0055】本発明において、インク受容層の塗布方法
は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることがで
きる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エ
クストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーテ
ィング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。な
お、部とは固形分質量部を意味する。
【0057】実施例1 支持体として、LBKP(50部)とLBSP(50
部)のパルプ配合からなる120g/m2の基紙の表面に
低密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリエチレン
(20部)と酸化チタン(10部)からなる樹脂組成物
を溶融押し出しにより25g/m2塗布し、クーリングロ
ール処理により樹脂被覆層面の中心線平均粗さを1.0
μmとし、裏面に高密度ポリエチレン(50部)と低密
度ポリエチレン(50部)からなる樹脂組成物を溶融押
し出しにより25g/m2塗布、クーリングロール処理し
て樹脂被覆紙を用意した。
【0058】上記樹脂被覆紙の支持体上に、下記組成の
インク受容層用の塗工液を調整し、気相法シリカの塗布
量が固形分で25g/m2となるようにスライドビード方
式で塗布し、5℃で15秒、35℃で1分、60℃で2
分間乾燥して実施例1のインクジェット用記録材料を作
成した。乾燥工程終了直前でのインク受容層表面の温度
は60℃であった。インクインク受容層用塗工液のpH
は、20℃で4.0になるように調整した。
【0059】 <インク受容層組成> 気相法シリカ(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g) 100部 ポリビニルアルコール 22部 (ケン化度88%、平均重合度3500) ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部 (第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000) 球状粒子 0.5部 (旭硝子社製シリカ粒子H121、平均一次粒径12μm) 球状粒子 1部 (積水化学社製ポリスチレン、SBX−6、平均一次粒径6μm) ほう酸 5部 両性界面活性剤 0.3部 (商品名:SWAM AM-2150、日本サーファクタント製) 塩基性ポリ水酸化アルミニウム 2部 (理研ク゛リーン株製、ピュラケムWT) メチロ−ルメラミン系化合物 2 部 (住友化学社製、スミレーズレジン613)
【0060】実施例2 実施例1でインク受容層組成のメチロールメラミン系化
合物に代えてメチロール尿素系化合物(住友化学社製、
スミレーズレジン636)を用いた以外は実施例1と同
様にして実施例2のインクジェット用記録材料を得た。
【0061】実施例3 実施例1でインク受容層を下記組成の支持体に近い下層
と上層の2層とし、下層の気相法シリカを固形分20g
/m2、上層のアルミナ水和物を固形分5g/m2になるよ
うに同時塗布した以外は実施例1と同様にして実施例3
のインクジェット用記録材料を得た。インク受容層下層
の塗工液の20℃でのpHは4.0、インク受容層上層
の塗工液の20℃でのpHは4.5に調整した。評価結
果を表1に示す。
【0062】 <インク受容層下層組成> 気相法シリカ 100部 (平均一次粒径12nm) ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部 (第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000) ほう酸 3部 ポリビニルアルコール 15部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 界面活性剤 0.3部 メチロールメラミン系化合物 2部 (住友化学社製、スミレーズレジン613)
【0063】 <インク受容層上層組成> アルミナ水和物 100部 (擬ベーマイト、平均一次粒径15nm、アスペクト比5の平板状) 硝酸 2部 球状粒子 0.5部 (旭硝子社製シリカ粒子H121、平均一次粒径12μm) 球状粒子 1部 (積水化学社製ポリスチレン、SBX−6、平均一次粒径6μm) ほう酸 1部 ポリビニルアルコール 12部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 界面活性剤 0.3部 硝酸ジルコニウム 2部 メチロールメラミン系化合物 2部 (住友化学社製、スミレーズレジン613)
【0064】実施例4 実施例1で乾燥を5℃で10秒、35℃で1分、45℃
で3分間乾燥した以外は実施例1と同様にして得られた
記録材料を更に75℃で2分間加温処理して実施例4の
インクジェット用記録材料を得た。乾燥工程終了直前で
のインク受容層表面の温度は43℃であった。
【0065】実施例5 実施例1でインク受容層の塗工液のpHを20℃で6.
0にした以外は実施例1と同様にして実施例5のインク
ジェット用記録材料を得た。
【0066】実施例6 実施例1で、インク受容層組成からメチロールメラミン
系化合物を抜いた塗工液に、メチロールメラミン系化合
物の40質量%含有液を添加し、インラインミキサーで
混合撹拌して得た実施例1の組成のインク受容層用塗工
液を用い、混合撹拌の10秒後に塗工した以外は実施例
1と同様にして実施例6のインクジェット用記録材料を
得た。
【0067】比較例1 実施例1でインク受容層のメチロールメラミン系化合物
を抜いた以外は実施例1と同様にして比較例1のインク
ジェット用記録材料を得た。
【0068】比較例2 実施例1でメチロールメラミン系化合物に代えてグリオ
キザールを用いた以外は実施例1と同様にして比較例2
のインクジェット用記録材料を得た。
【0069】比較例3 実施例1でインク受容層の塩基性ポリ水酸化アルミニウ
ムを抜いた以外は同様にして比較例3のインクジェット
用記録材料を得た。
【0070】比較例4 実施例1でインク受容層のホウ酸を抜いた以外は同様に
して比較例4のインクジェット用記録材料を得た。
【0071】得られた各々のインクジェット用記録材料
について、23℃、55%RHの雰囲気で一昼夜調整
後、白紙部光沢性、インク吸収性、高湿ひび割れ、およ
び印字後の画像の経時ひび割れを評価した。その結果を
表1に示す。
【0072】<白紙部光沢性>記録材料の印字前の白紙
部光沢感を斜光で観察し、下記の基準で評価した。 ○:カラー写真並の高い光沢感が有る。 △:アート、コート紙並の光沢感が有る。 ×:上質紙並の沈んだ光沢感が有る。
【0073】<高湿ひび割れ>未印字の記録材料を40
℃、85%RHの雰囲気で一昼夜放置後、23℃、55
%RHで一昼夜放置し、インク受容層表面のひび割れを
下記の基準で評価した。 ○:全くひび割れ無し。 △:一部に微細なひび割れ有るが実使用で問題無し。 ×:全面にひび割れ有り。
【0074】<インク吸収性>インクジェットプリンタ
ー(セイコーエプソン社製、MC2000)にてシア
ン、マゼンタ、イエロー単色100%と、3重色300
%をそれぞれ印字して、印字直後にPPC用紙を印字部
に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の
程度を目視で観察した。下記の基準で総合で評価した。 ○:全く転写しない。 △:やや転写する。 ×:転写が大きく実使用不可。
【0075】<画像の経時ひび割れ>インクジェットプ
リンター(セイコーエプソン社製、MC2000)にて
シアン、マゼンタ、イエローの3重色300%を印字し
たシートを5枚重ねて23℃、55%RHの環境で一昼
夜放置し、取り出した最下部のシートを一昼夜放置後に
印字面のひび割れを下記の基準で評価した。 ○:全くひび割れ無し。 △:一部に微細なひび割れ有るが実使用で問題無し。 ×:全面にひび割れ有り。
【0076】<画像の滲み>インクジェットプリンター
(セイコーエプソン社製、MC2000)にて黒色10
0%を細線印字したシートを35℃、80%RHの雰囲
気で3日間保存し、滲みの程度を目視で判定した。 ○:全く滲み無し。 △:やや滲み有るが問題無し。 ×:滲みが大きい。
【0077】
【表1】 ─────────────────────────────────── 光沢性 高湿 インク吸収性 画像の経時 画像滲み ひび割れ ひび割れ ─────────────────────────────────── 実施例1 ○ ○ ○ ○ ○ 実施例2 ○ △ ○ △ ○ 実施例3 ○ ○ ○ ○ ○ 実施例4 ○ ○ ○ ○ ○ 実施例5 ○ △ ○ △ ○ 実施例6 ○ ○ ○ ○ ○ ─────────────────────────────────── 比較例1 ○ × ○ × ○ 比較例2 ○ △ ○ × ○ 比較例3 ○ △ ○ △ × 比較例4 △ △ ○ × ○ ───────────────────────────────────
【0078】上記結果から明らかなように実施例1〜6
は光沢性、インク吸収性、高湿ひび割れに優れ、印字画
像の滲みおよび経時ひび割れが良好である。特に実施例
6の高湿ひび割れ、および画像の経時ひび割れは過酷な
湿度環境条件での評価では実施例1、3、および4より
も良好であった。比較例1は実施例1でメチロールメラ
ミン系樹脂を抜いた場合であるが、高湿ひび割れと画像
の経時ひび割れに劣った。比較例2は、実施例1でメチ
ロールメラミン系樹脂に代えてグリオキザールを用いた
場合であるが、高湿ひび割れが低下し、画像の経時ひび
割れに劣った。比較例3は、実施例1で塩基性水酸化ア
ルミニウム化合物を抜いた場合であるが、画像の滲みが
劣り、高湿ひび割れと画像の経時ひび割れが低下した。
比較例4は、実施例1でホウ酸を抜いた場合であるが、
インク受容層表面に塗布ムラが発生して光沢性が低下
し、高湿ひび割れが低下し、画像の経時ひび割れも劣っ
た。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、高いインク吸収性、高
光沢で、高湿ひび割れが良好でかつ印字画像の滲みや経
時でのひび割れが改良されたフォトライクなインクジェ
ット用記録材料が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA05 EA13 FB02 FC06 2H086 BA16 BA31 BA33 BA35 BA44 BA46

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐水性支持体上に1層以上のインク受容
    層を有するインクジェット用記録材料において、該イン
    ク受容層の少なくとも1層が、無機微粒子、含ホウ素化
    合物、水溶性金属化合物、メチロールアミノ系化合物、
    およびポリビニルアルコールを含有することを特徴とす
    るインクジェット用記録材料。
  2. 【請求項2】 前記メチロールアミノ系化合物がメチロ
    ールメラミン系化合物である請求項1に記載のインクジ
    ェット用記録材料。
  3. 【請求項3】 前記無機微粒子が平均一次粒径5〜30
    nmである、気相法シリカおよびアルミナ水和物の少な
    くとも1種である請求項1または2に記載のインクジェ
    ット用記録材料。
  4. 【請求項4】 前記インク受容層が2層以上であり、耐
    水性支持体に近い下層が平均一次粒径5〜30nmの気
    相法シリカを含有し、上層が平均一次粒径5〜30nm
    でアスペクト比2以上のアルミナ水和物を含有する請求
    項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット用記録材
    料。
  5. 【請求項5】 前記水溶性金属化合物が水溶性アルミニ
    ウム化合物あるいは周期表4A族元素を含む水溶性化合
    物の少なくとも1種である請求項1〜4の何れか1項に
    記載のインクジェット用記録材料。
  6. 【請求項6】 前記耐水性支持体が、インク受容層を設
    ける面のJIS−B0601で規定されるカットオトフ
    値0.8mmでの中心線平均粗さが0.1〜4μmであ
    ることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の
    インクジェット用記録材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載のインクジ
    ェット用記録材料の製造方法であり、該インク受容層を
    設けるための塗工液を耐水性支持体上に塗工し、乾燥工
    程でインク受容層の表面温度を50℃以上にすることを
    特徴とするインクジェット用記録材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6の何れかに記載のインクジ
    ェット用記録材料の製造方法であり、該インク受容層を
    設けるための塗工液のpHが3〜5.5であるインクジ
    ェット用記録材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6の何れかに記載のインクジ
    ェット用記録材料の製造方法であり、該インク受容層を
    設けるための塗工液が、無機微粒子、含ホウ素化合物、
    水溶性金属化合物、およびポリビニルアルコールを含有
    する液にメチロールアミノ系化合物を含有する液を塗工
    の直前にインラインで添加、混合してなることを特徴と
    するインクジェット用記録材料の製造方法。
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