JP2005104028A - 染顔両用インクジェット記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、インク受容層にアルミナ微粒子と気相法シリカの少なくとも2種類の無機微粒子を同一層に含有する少なくとも一層のインク受容層を設けた染顔両用インクジェット用記録材料に関し、特に染料、顔料両インクいずれで印字した際でも、インク吸収性が高く、発色性が優れており、染料印字部においてブロンジングを発生することもなく、耐水性も良好である染顔両用インクジェット記録材料を提供することにある。
【解決手段】本発明の上記目的は、支持体上にアルミナ微粒子と気相法シリカの少なくとも2種類の無機微粒子を同一層に含有する少なくとも一層のインク受容層を設け、該インク受容層中のアルミナ微粒子と気相法シリカの固形分比が質量比でアルミナ微粒子:気相法シリカ=9:1〜7:3であることを特徴とする染顔両用インクジェット記録材料によって達成された。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インク受容層にアルミナ微粒子と気相法シリカの少なくとも2種類の無機微粒子を同一層に含有する少なくとも一層のインク受容層を有する染顔両用インクジェット記録材料に関し、特に染料インク、顔料インクいずれのインクで印字した際でも、インク吸収性が高く、発色性が優れており、染料インクにて印字した際、インクがインク受容層表面にて凝集を起こす(以後この現象を「ブロンジング」と呼ぶ)こともなく、耐水性も良好である染料インク及び顔料インク両用インクジェット記録材料(以下染顔両用インクジェット記録材料と呼ぶ)に関するものである。
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に気相法シリカ等の無機微粒子とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク受容層を設けてなる記録材料が知られている。
例えば、特開昭55−51583号、同昭56−157号、同昭57−107879号、同昭57−107880号、同昭59−230787号、同昭62−160277号、同昭62−184879号、同昭62−183382号、及び同昭64−11877号公報等に開示のごとく、シリカ等の含珪素無機微粒子を水系バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
また、フォトライクの記録材料が要望される中、益々光沢性が重要視されてきており、ポリオレフィン樹脂被覆紙(紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートしたもの)やポリエステルフィルム等の耐水性支持体上に超微粒子シリカを主体とするインク受容層が塗設された記録材料が提案されている。
インクジェットプリンターは近年、益々高品質化への工夫がなされており、画像の発色性と堅牢性とを同時に満足させるために顔料インクによるフォト品質の印字が始まっている。これらの顔料インクは、従来より光やガスに対する堅牢性が高いことは知られていたが、発色性においては染料インクに比べて見劣りするものが多かった。
近年、顔料インク中の色剤の分散粒径を小さくすることにより顔料インクの発色性は向上してきている。しかし染料インクと比較した場合、まだ劣っているのが現状である。さらに気相法シリカからなるインク受容層に印字した場合、新たな問題が生じることが判明した。印字部の表面にヘイズがかかったようになり結果的に発色性が低下してしまう。
また支持体上にアルミナ微粒子とポリビニルアルコール等の親水性バインダーからなる多孔質のインク受容層を設けてなる記録材料も知られている。
例えば、特開平2−276670号、特開平2−276671号に開示されているが、この場合上記のように気相法シリカからなるインク受容層に顔料インクを印字したときに起こる表面にヘイズがかかる現象は見られないが、染料インクでの吸収性が充分でなく、さらに吸収性が充分でないためインク印字部でブロンジングを発生しやすいという問題がある。
前述のように顔料インクプリンターの需要が高まりつつあるが、しかしながら染料インクプリンターの需要もまだ充分にあり、顔料インクプリンターと染料インクプリンターがここ数年は混在する可能性が高く、染顔両用インクジェット記録材料の必要性が高いものとなってきている。
特開平1−97678号、同6−48016号(特許文献1)、特開2001−1630号(特許文献2)には、インク受容層に、アルミナ微粒子と多孔質シリカの少なくとも2種類の無機微粒子を同一層に含有するインクジェット記録材料が提案されている。しかしながらいずれにおいても、顔料インク適性に関する記載は一切無く、また多孔質シリカに対するアルミナ微粒子の比率は50%以下であり、この場合、インク吸収性は充分であるが、顔料インクでの発色性は不充分である。また多孔質シリカの比率が高い時に、染料インクプリンターにて印字した場合、耐水性を持たせるため、カチオン性のポリマーや水溶性の金属化合物が一般に使用されるが、これらを使用した場合、染料インクでの発色性も充分でなくなりさらに顔料インクでの発色性はさらに不充分な結果となる。このように染顔いずれのインクで印字した場合でも、吸収性、発色性、耐水性の問題を充分に満足できるものはなく、染顔両用インクジェット記録材料の開発改良が望まれていた。
特開平6−48016号公報 特開2001−1630号公報
本発明の目的は、インク受容層にアルミナ微粒子と気相法シリカの少なくとも2種類の無機微粒子を同一層に含有する少なくとも一層のインク受容層を設けた染顔両用インクジェット用記録材料に関し、特に染料インク、顔料インクいずれのインクで印字した際でも、インク吸収性が高く、発色性が優れており、染料インクで印字した場合、インク印字部においてブロンジングを発生することもなく、耐水性も良好である染顔両用インクジェット記録材料を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記(1)〜(3)の染顔両用インクジェット記録材料によって達成された。
(1)支持体上にアルミナ微粒子と気相法シリカの少なくとも2種類の無機微粒子を同一層に含有する少なくとも一層のインク受容層を設け、該インク受容層中のアルミナ微粒子と気相法シリカの固形分比が質量比でアルミナ微粒子:気相法シリカ=9:1〜7:3であることを特徴とする染顔両用インクジェット記録材料。
(2)前記インク受容層中の無機微粒子である気相法シリカ、アルミナ微粒子の平均一次粒径が3〜50nmであることを特徴とする前記(1)に記載の染顔両用インクジェット記録材料。
(3)前記支持体が耐水性支持体である前記(1)または(2)に記載の染顔両用インクジェット記録材料。
本発明の染顔両用インクジェット記録材料は、染料インク、顔料インクいずれのインクで印字した際でも、インク吸収性が高く、発色性が優れており、染料インクのインク印字部においてブロンジングを発生することもなく、耐水性も良好である染顔両用インクジェット記録材料が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる支持体としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、セロファン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のフィルム、樹脂被覆紙等の耐水性支持体、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙等の吸水性支持体等が用いられる。印字後のコックリング(シワの発生)防止の面で耐水性支持体を用いることが好ましい。ここで耐水性支持体を使用する場合には、インク受容層のみでインクを吸収する必要があり、より高いインク吸収性が要求されるため、インク吸収性が良好なインク受容層を用いる本発明においては、特に好ましい。特にこれらの支持体の厚みは、約50〜250μm程度のものが好ましく使用される。
本発明において好ましく用いられる樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
一般的に用いられる合成シリカには、湿式法によるものと気相法によるものがある。通常シリカ微粒子といえば湿式法シリカを指す場合が多い。湿式法シリカとしては、(1)ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾル、または(2)このシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、(3)シリカゾルをゲル化させ、その生成条件を変えることによって数μmから10μm位の一次粒子がシロキサン結合をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更には(4)シリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主体とする合成ケイ酸化合物等がある。
本発明に用いられる気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、トクヤマ(株)からQSタイプとして市販されており入手することができる。
本発明の気相法シリカの平均一次粒径は、3〜50nmが好ましく、より高い光沢を得るためには、3〜20nmでかつBET法による比表面積が90〜500m2/gのものを用いるのが好ましい。本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
上記気相法シリカを無機微粒子として単独で用いてインク受容層を形成し、顔料インクにて印字した場合、発色性は不充分となるほか、染料インクでの耐水性も若干悪化する。また気相法シリカを無機微粒子として単独で用いてインク受容層を形成した場合、染料インクでは耐水性を保持させるためにカチオンポリマーや水溶性金属化合物が一般に用いられる。この場合は、染料インクにて印字した時も発色性は不充分となり、顔料インクで印字した際にはさらに発色性が不充分となる。
本発明のアルミナ微粒子としては、アルミナまたはアルミナ水和物を用いることができ、その中でアルミナとしては酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能である。
本発明で使用されるアルミナ水和物は、Al23・nH2O(n=1〜3)の構成式で表される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。
本発明に用いられるアルミナ微粒子の平均一次粒径は、3〜50nmが好ましく、より高い光沢を得るためには、3〜20nmでかつ平均アスペクト比(平均厚さに対する平均粒径の比)が2以上で比表面積40〜500m2/gの平板状の粒子を用いるのが好ましい。
上記アルミナ微粒子をインク受容層に用いる無機微粒子として単独で用いた場合、顔料インクで印字した際は、気相法シリカを主として用いた場合に、起こりやすかった表面にヘイズがかかり、発色性を悪化させることはなかったが、染料インクで印字した際、充分なインク吸収性が得られず、結果的にブロンジングを発生し、染顔両用のインクジェット記録材料とはなり得なかった。
本発明におけるインク受容層において、アルミナ微粒子と気相法シリカの固形分比が質量比で、アルミナ微粒子:気相法シリカ=9:1〜7:3である。この範囲よりアルミナ微粒子が多くなるとインク吸収性が不充分となり、気相法シリカが多くなると顔料インクで印字した際の発色性が不充分となり、染料インクで印字した際の耐水性も若干悪化する。この場合カチオンポリマーや水溶性金属化合物を耐水性を持たせるために使用できることが一般に知られているが、この場合染料インクで印字した際の発色性が不充分となり、さらに顔料インクで印字した際はさらに不充分となることがあるため、使用する場合には、本発明の効果を損なわない範囲で使用することが好ましい。
本発明において、インク受容層の乾燥塗布量の範囲は、8〜40g/m2であり、好ましくは10〜35g/m2である。
本発明のインク受容層には、皮膜としての特性を維持するためと、透明性が高くインクのより高い浸透性が得られる親水性バインダーが用いられる。親水性バインダーの使用に当たっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。ポリビニルアルコール系化合物、ポリエチレングリコール系化合物、澱粉類、デキストリン、カルボキシメチルセルロース等やそれらの誘導体が使用されるが、特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度200〜5000のものが好ましい。
本発明において用いられるポリビニルアルコールにおいて、2種類以上のケン化度や重合度の異なるポリビニルアルコールを併用して用いることができる。例えば平均重合度の3500のものと4500のものとを適宜併用することにより、表面の割れが起こらない状態でインク吸収性を良化することができる。
本発明において用いられるポリビニルアルコールの含有量は、無機微粒子に対して5〜30質量%が好ましく、より好ましくは8〜20質量%である。前記範囲より少ない場合は、表面強度や表面の割れなどが充分でなくなり、前記範囲より多い場合は、インク吸収性が充分でなくなる。
本発明は、ポリビニルアルコールと共に架橋剤(硬膜剤)を用いることが好ましい。架橋剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、乳酸ジルコニウムアンモニウム、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ砂の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にホウ酸、またはホウ酸塩、が好ましい。本発明で使用されるホウ酸は、オルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸等が、ホウ酸塩としてはそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
また、本発明のインク受容層において、ポリビニルアルコールに対する、ホウ酸またはホウ酸塩の含有率は、0.1〜20質量%で、特に0.2〜10質量%がインク吸収性及び耐折り割れ性の面で好ましい。
本発明のアルミナまたはアルミナ水和物かつ気相法シリカの少なくとも2種類の無機微粒子を同一層に含有するインク受容層において、必要に応じて適宜その他無機微粒子を併用して用いることもできる。例えば、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、クレー、カオリン、タルク等が挙げられる。
本発明の染顔両用インクジェット記録材料は、アルミナまたはアルミナ水和物かつ気相法シリカの少なくとも2種類の無機微粒子を同一層に含有するインク受容層を設けるが、該インク受容層に加え、必要に応じて適宜さらにインク吸収層、インク定着層、中間層、保護層等を設けてもよい。例えば、下層に湿式粉砕シリカ層を設けた場合、さらに少ない塗布量にてより高いインク吸収性を確保することができる。
上記で使用される湿式粉砕シリカとは、平均分散粒子径が好ましくは500nm以下、より好ましくは50〜300nmになるまで粉砕された湿式法シリカ(以下、湿式粉砕シリカ)の水性媒体分散液組成物を含有する。通常の方法で製造された湿式法シリカは、1μm以上の平均二次粒子径を有するため、これを微粉砕して使用する。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。湿式分散機としては、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜施回型分散機等を使用することができるが、本発明では特にビーズミル等のメディアミルの使用が好ましい。
また本発明の染顔両用インクジェット記録材料は、アルミナまたはアルミナ水和物を主体としており、この場合耐傷性に若干の問題があることが知られている。その場合、最上層にコロイダルシリカ層を耐傷改良保護層として設けることもできる。
上記で使用されるコロイダルシリカは、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる二酸化珪素をコロイド状に水中に分散させたものであり、平均一次粒径は5〜100nm、好ましくは10〜60nm、より好ましくは20〜60nmがインク吸収性、透明性、から望ましい。また光沢性、耐傷性を両立するために平均一次粒径が異なる2種類のコロイダルシリカを混合することもできる。市販の球状のものとしては、日産化学社製、スノーテックス20、スノーテックスAK−L等、触媒化成工業社製、カタロイドUSB等が挙げられ、鎖状のものとしては、日産化学社製、スノーテックスUP、スノーテックスOUP等が挙げられ、パールネックレス状のものとして日産化学社製、スノーテックスPS−M等が使用出来る。
本発明におけるインク受容層には、皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することができる。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくは親水性バインダーに対して10〜50質量%の範囲で用いることができる。
本発明において、塗布方法は特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ケッドバーコーティング方式等がある。特に多層を同時に塗布できるスライドビード方式が好ましい。
フィルム支持体にインク受容層の塗布液を塗布する場合、塗布に先立って、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、プラズマ処理等が行われる。
本発明は、支持体、特にフィルムや樹脂被覆紙を使用する場合には、インク受容層を設ける面上に天然高分子化合物や合成樹脂を主体とするプライマー層を設けるのが好ましい。該プライマー層の上に、無機微粒子からなるインク受容層を塗布した後、冷却し、比較的低温で乾燥することによって、更にインク受容層の透明性が向上し、印字濃度が良化する。
支持体上に設けられるプライマー層はゼラチンやカゼイン等の天然高分子化合物や合成樹脂を主体とする。係る合成樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
上記プライマー層は、支持体上に0.01〜5μmの膜厚(乾燥膜厚)で設けられる。好ましくは0.05〜5μmの範囲である。
本発明における支持体には筆記性、帯電防止性、搬送性、カール防止性などのために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、顔料、硬化剤、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
本発明の染料インクとは、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素などが挙げられ、一般に水に溶解した状態である。また染料は数nmの小さい分子ミセルで存在するため光や熱のエネルギーを吸収しやすく、耐光性、耐ガス性が課題となり、インク自身また記録材料での改良が行われてきた。近年ではインク自身での堅牢度が向上しており耐光性、耐ガス性は向上しているが、耐水性については、インク自身での改良があまり進んでおらず、記録材料での改良が避けられないのが現状である。さらに小ドロップ化や淡色インクの搭載によって銀塩写真並みの画像が実現される中、画像印字時の総消費インク量は多くなり、記録材料での高い吸収性が要求されている。さらに銀塩写真並みが要求される中、さらなる発色性の向上や吸収速度不足によるブロンジングの抑制などが重要な課題となってきている。
本発明の顔料インクとは、キナクリドン系顔料、モノアゾ系顔料、銅フタロシアニン系顔料、カーボンブラックなどが挙げられ、一般に水に不溶であり、粒子として分散させた状態である。粒子として存在する顔料は、全ての分子が同一環境にあるわけではなく、透明性も染料と比較すると低いものである。また発色性に関しても関与するのは粒子表面の一部の顔料にすぎず、インク中に存在する顔料の割に発色性は低く、画像もくすんだものとなってしまう。逆にすべての顔料が発色性に関与しているわけでないため、表面の粒子が光などによって破壊されても、さらに下の粒子が発色するため見かけ上退色は起こらず、結果良好な耐光性、耐オゾン性を示す。近年は顔料インクでも粒子のサイズを微小化させることにより発色性を改良させることもなされている。粒子サイズが小さくなり、顔料インクでも銀塩写真並みの画像に近づきつつあるが、この場合は、顔料インクでも高いインク吸収性が必要となってくる。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。尚、部及び%は固形分あるいは実質成分の質量部、質量%を示す。
<ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100%の樹脂に対して、10%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ35μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆した。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/m3の低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆した。
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが50mg/m2となるように塗布乾燥して支持体を作成した。
<下引き層組成>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
上記樹脂被覆紙に高周波コロナ放電処理を施した後下記組成を含有するインク受理層1塗布液をスライドビードテストコーターで塗布量の全固形分が25g/m2になるように塗布、乾燥し実施例1の染顔両用インクジェット用記録材料を得た。
<インク受容層1組成>
アルミナ水和物 80部
(平均一次粒径14nm、アスペクト比5の平板状粒子)
硝酸 0.8部
気相法シリカ 20部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 0.4部
ホウ酸 0.5部
ポリビニルアルコール 12部
(ケン化度88%、平均重合度4500)
界面活性剤 0.3部
実施例1のインク受容層1塗布液のアルミナ水和物量を80部から90部、気相法シリカ量を20部から10部に変更した以外は同様にして、実施例2の染顔両用インクジェット用記録材料を得た。
実施例1のインク受容層1塗布液のアルミナ水和物量を80部から70部、気相法シリカ量を20部から30部に変更した以外は同様にして、実施例3の染顔両用インクジェット用記録材料を得た。
実施例1のインク受容層1塗布液を下層とし、下記組成を含有するインク受容層2塗布液を上層とし、スライドビードテストコーターで下層の塗布量の全固形分が25g/m2に、上層の塗布液の全固形分が1g/m2になるように多層同時塗布、乾燥し実施例4の染顔両用インクジェット用記録材料を得た。
<インク受容層2組成>
コロイダルシリカ 100部
(日産化学社製、スノーテックスAK−L、平均一次粒径45nm)
ポリビニルアルコール 4部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 2部
(比較例1)
実施例1のインク受容層塗布液1のアルミナ水和物量を80部から95部、気相法シリカ量を20部から5部、に変更した以外は同様にして、比較例1のインクジェット用記録材料を得た。
(比較例2)
実施例1のインク受容層1塗布液のアルミナ水和物量を80部から50部、気相法シリカ量を20部から50部に変更した以外は同様にして、比較例2のインクジェット用記録材料を得た。
(比較例3)
実施例1のインク受容層1塗布液のアルミナ水和物量を80部から100部にし、気相法シリカをなくして無機微粒子をアルミナ水和物単独とした以外は同様にして、比較例3のインクジェット用記録材料を得た。
(比較例4)
実施例1のインク受容層1塗布液の気相法シリカ量を20部から100部にし、アルミナ水和物をなくして無機微粒子を気相法シリカ単独とした以外は同様にして、比較例4のインクジェット用記録材料を得た。
(比較例5)
実施例1のインク受容層1塗布液のアルミナ水和物量を80部から50部、気相法シリカ量を20部から50部に変更し、耐水性改良剤としてポリ塩化アルミニウムを2部添加した以外は同様にして、比較例5のインクジェット記録材料を得た。
上記のようにして作製したインクジェット用記録材料について下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
<インク吸収性(染料インク)>
市販の染料インクを用いたインクジェットプリンターにてC、M、Y、K、R、G、Bをそれぞれ最大インク吐出量でベタ印字して、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察し、下記の基準で評価した。最も悪い評価結果を採用した。
○:全く転写しない。
△:やや転写する。
×:転写が大きく実用上問題となる。
<インク吸収性(顔料インク)>
市販の顔料インクを用いたインクジェットプリンターにてC、M、Y、K、R、G、Bをそれぞれ最大インク吐出量でベタ印字して、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察し、下記の基準で評価した。最も悪い評価結果を採用した。
○:全く転写しない。
△:やや転写する。
×:転写が大きく実用上問題となる。
<発色性(染料インク)>
市販の染料インクを用いたインクジェットプリンターにてKを最大インク吐出量でベタ印字して印字濃度をマクベス反射濃度計で測定し、下記の基準で評価した。
○:印字濃度2.3以上で発色性良好である。
△:印字濃度2.11〜2.29で実用上特に問題ない。
×:印字濃度が2.1以下で実用上問題となる。
<発色性(顔料インク)>
市販の顔料インクを用いたインクジェットプリンターにてK(ブラック)を最大インク吐出量でベタ印字して印字濃度をマクベス反射濃度計で測定し、下記の基準で評価した。
○:印字濃度1.6以上で発色性良好である。
△:印字濃度1.46〜1.59で実用上特に問題ない。
×:印字濃度が1.45以下で実用上問題となる。
<ブロンジング>
市販の染料インクを用いたインクジェットプリンターにてC(シアン)を最大インク吐出量でベタ印字し、下記の基準で評価した。
○:印字部にてブロンジングが全く見られない。
△:印字部にて若干ブロンジングが見られるが、実用上問題ない。
×:印字部にてブロンジングが見られ違和感があり、実用上問題がある。
<耐水性>
市販の染料インクを用いたインクジェットプリンターにてC,M,Y,K,R,G,Bを最大インク吐出量でベタ印字して、23℃50%にて一昼夜放置した。その後純水を25μl1滴を滴下し、乾燥するまで放置し、下記の基準で評価した。
○:インクが全く滲んでいない。
△:インクが若干滲んでいるが、実用上問題ない。
×:インクが滲んでおり、実用上問題がある。
Figure 2005104028
上記結果から、支持体上にアルミナ微粒子と気相法シリカの少なくとも2種類の無機微粒子を同一層に含有する少なくとも一層のインク受容層を設けた染顔両用インクジェット記録材料において、該インク受容層中のアルミナ微粒子と気相法シリカの固形分比が質量比でアルミナ微粒子:気相法シリカ=9:1〜7:3とすることによって、染料インク顔料インクいずれのインクで印字した際でも、インク吸収性が高く、発色性が優れており、染料インクにて印字した際のブロンジングの発生もなく、耐水性も良好であることがわかった。
一方、インク受容層中のアルミナ微粒子と気相法シリカの固形分比が質量比でアルミナ微粒子:気相法シリカ=9.5:0.5とした比較例1では、染料インク及び顔料インクでのインク吸収性が不充分で実用上問題となるレベルであった。またインク受容層中のアルミナ微粒子と気相法シリカの固形分比が質量比でアルミナ微粒子:気相法シリカ=5:5とした比較例2では、顔料インクでの発色性が不充分で実用上問題となるレベルであり実用上問題となるレベルであった。またインク受容層中の無機微粒子をアルミナ微粒子単独とした比較例3では、染料インク及び顔料インクでのインク吸収性が実用上問題となるレベルであったほか、染料インクでのブロンジングも実用上問題となるレベルであった。またインク受容層中の無機微粒子を気相法シリカ単独とした比較例4では、顔料インクでの発色性が不充分で実用上問題となるレベルであった。比較例2に耐水性改良剤としてポリ塩化アルミニウムを添加した比較例5では、染料インクでの耐水性は比較例2に比較して良化したが、逆に染料インクでの発色性が悪化し、実用上問題となるレベルであった。

Claims (3)

  1. 支持体上にアルミナ微粒子と気相法シリカの少なくとも2種類の無機微粒子を同一層に含有する少なくとも一層のインク受容層を設け、該インク受容層中のアルミナまたはアルミナ水和物と気相法シリカの固形分比が質量比でアルミナまたはアルミナ水和物:気相法シリカ=9:1〜7:3であることを特徴とする染顔両用インクジェット記録材料。
  2. 前記インク受容層中の無機微粒子である気相法シリカ、アルミナ微粒子の平均一次粒径が3〜50nmであることを特徴とする請求項1に記載の染顔両用インクジェット記録材料。
  3. 前記支持体が耐水性支持体である請求項1または2に記載の染顔両用インクジェット記録材料。
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JP2018052101A (ja) * 2016-04-08 2018-04-05 キヤノン株式会社 記録媒体

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