JP2002144701A - インクジェット用記録材料 - Google Patents

インクジェット用記録材料

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JP2002144701A JP2000340182A JP2000340182A JP2002144701A JP 2002144701 A JP2002144701 A JP 2002144701A JP 2000340182 A JP2000340182 A JP 2000340182A JP 2000340182 A JP2000340182 A JP 2000340182A JP 2002144701 A JP2002144701 A JP 2002144701A
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宣昌 宮地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インク吸収性及び光沢性が高く、印字濃度や印
字部光沢性に優れた、ひび割れの無いインクジェット用
記録材料を得る。 【解決手段】水系溶媒にアルカリ性化合物と平均一次粒
子径が5〜30nmの気相法シリカを添加、分散して得
られたpHが7〜13の気相法シリカの水分散液組成物
Aを用いて支持体上に気相法シリカと親水性バインダー
を含有するインク受容層を塗設したインクジェット用記
録材料であり、好ましくは気相法シリカの水分散液組成
物Aに酸性化合物を混合、分散してpHを3〜6にした
水分散液組成物Bをインク受容層に用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク受容層に気
相法シリカを用いたインクジェット用記録材料に関し、
特に高光沢でインク吸収性が高く、高い印字濃度、印字
部光沢でひび割れ等の欠陥の無いインクジェット用記録
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式に使用される記
録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称
される支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルア
ルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク
吸収層を設けてなる記録材料が知られている。
【0003】例えば、特開昭55−51583号、同5
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、及び同64−11877号公報等に開示のごと
く、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支
持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】また、特公平3−56552号、特開平2
−188287号、同平8−132728号、同平10
−81064号、同平10−119423号、同平10
−175365号、同10−203006号、同10−
217601号、同平11−20300号、同平11−
20306号、同平11−34481号公報には、気相
法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと称
す)を用いた記録材料が開示されている。
【0005】また、特開平10−86509号にはイン
ク受容層に1次粒子が3〜40nmの非晶質シリカ及び
/またはアルミナシリケートで2次凝集粒子が平均粒径
10〜200nmであり、且つインク受容層のヘイズ度
が4〜65%であるインクジェット記録体が開示されて
いる。
【0006】前記微細な気相法シリカやアルミナシリケ
ートは、微粒子であるが故に高い光沢性、インク吸収性
及び透明性が得られやすいが凝集しやすく、十分な分散
を行わないと表面性が悪化し、良好な光沢性、インク吸
収性、印字濃度を得るのが難しくなる。
【0007】特開平9−188925号公報にはカチオ
ン媒染剤を含有し、膜面pHが3〜5とするインク吸収
層を有する提案がなされ、特開2000−211241
号公報には、pH1.0〜4.5の気相法シリカ分散液
が開示されている。又、特開平10−324058号公
報には非晶質シリカとアルカリによりpHが6.0〜1
1.6の分散スラリーに調整された分散スラリーを用い
た記録シートが開示されているが湿式法シリカについて
のみ記載されており、目的もインク受理層の強度と耐水
性の改良であり、微細な一次粒子径を有し、湿式法シリ
カとは特性の異なる気相法シリカについての記載は無
い。元来気相法シリカの分散液は酸性であり、その分散
性は十分ではなかった。特開2000−119572号
公報には表面pHが6以上の記録材料が開示されている
が、後工程で表面のpH調整をしても元の微細粒子の分
散性が十分ではなかったので得られる記録材料はインク
吸収性、光沢性に関しては不十分であった。
【0008】又、インクジェットプリンターは益々高速
化されており、記録材料への更に高いインク吸収性の要
求に対応するには気相法シリカの塗布量を多くし、かつ
気相法シリカに対するバインダー比を小さくする必要が
あるが、この構成は、透明性を低下させ、表面強度を悪
化させていた。従って、光沢が高く、高いインク吸収性
及び印字濃度を同時に満足させ、表面強度の良好なイン
クジェット用記録材料の改良が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、分散
性が良好な気相法シリカの水分散液組成物を用いた、イ
ンク吸収性及び印字濃度、印字部光沢性に優れ、高光沢
でひび割れ等の欠陥の無いインクジェット用記録材料を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、誠
意検討の結果、下記の手段によって達成されることが判
明した。
【0011】(1)支持体上に気相法シリカと親水性バ
インダーを含有する少なくとも1層のインク受容層を塗
設したインクジェット用記録材料において、該インク受
容層が、水系溶媒にアルカリ性化合物と平均一次粒子径
が5〜30nmの気相法シリカの存在下で分散して得ら
れたpHが7〜13の気相法シリカの水分散液組成物
(A)を用いて塗設されたことを特徴とするインクジェ
ット用記録材料。
【0012】(2)支持体上に気相法シリカと親水性バ
インダーを含有する少なくとも1層のインク受容層を塗
設したインクジェット用記録材料において、該インク受
容層が、水系溶媒にアルカリ性化合物と平均一次粒子径
が5〜30nmの気相法シリカの存在下で分散して得ら
れたpHが7〜13の気相法シリカの水分散液組成物と
酸性化合物を混合して得られたpHが3〜6の気相法シ
リカの水分散液組成物(B)を用いて塗設されたことを
特徴とするインクジェット用記録材料。
【0013】(3)前記気相法シリカの水分散液組成物
Aの気相法シリカの重量平均二次粒子径が50〜350
nmであることを特徴とする前記1に記載のインクジェ
ット用記録材料。
【0014】(4)前記気相法シリカの水分散液組成物
Bの気相法シリカの重量平均二次粒子径が50〜350
nmである前記2に記載のインクジェット用記録材料。
【0015】(5)前記気相法シリカの水分散液組成物
Bがカチオン性ポリマーを含有していることを特徴とす
る前記2または4に記載のインクジェット用記録材料。
【0016】(6)前記インク受容層が気相法シリカと
して10〜30g/m2塗設されていることを特徴とする
前記1〜5の何れか1項に記載のインクジェット用記録
材料。
【0017】(7)前記支持体が耐水性支持体である前
記1〜6の何れか1項に記載のインクジェット用記録材
料。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
合成シリカには、湿式法によるものと気相法によるもの
がある。通常シリカ微粒子といえば湿式法シリカを指す
場合が多い。湿式法シリカとしては、ケイ酸ナトリウ
ムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得
られるシリカゾル、またはこのシリカゾルを加熱熟成
して得られるコロイダルシリカ、シリカゾルをゲル化
させ、その生成条件を変えることによって数μmから1
0μm位の一次粒子がシロキサン結合をした三次元的な
二次粒子となったシリカゲル、更にはシリカゾル、ケ
イ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等を加熱生成さ
せて得られるもののようなケイ酸を主体とする合成ケイ
酸化合物等がある。
【0019】本発明に用いられる気相法シリカは、湿式
法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解
法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及
び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られている
が、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランや
トリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケ
イ素と混合した状態で使用することができる。気相法シ
リカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、トクヤ
マ(株)からQSタイプとして市販されており入手する
ことができる。一般的に気相法シリカの分散液は酸性で
あり、湿式法シリカよりもアルカリに対する安定性は高
く、溶解しにくい。
【0020】本発明の気相法シリカの平均一次粒子径と
は、分散されたシリカの電子顕微鏡観察により一定面積
内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円
の直径を粒子の粒径として平均粒子径を求めた。本発明
の気相法シリカは平均一次粒子径は5〜30nmであ
る。30nmより大きいと良好な表面光沢性が得られに
くい。5nmより小さいものは製造が難しく分散も難し
くなる。
【0021】本発明の気相法シリカの重量平均二次粒子
径とは、遠心沈降方式の粒度分布計により得られたデー
タから重量基準の平均を求めた値である。装置としては
ディスク式高速遠心沈降法(日機装社製BI−DCP
等)が挙げられる。本発明の気相法シリカの重量平均二
次粒子径は一般的には30〜500nmであり、好まし
くは50〜350nmである。30nmより小さくする
のは難しく、不安定で短期間で大きくなりやすい。50
0nmより大きいと表面にひび割れが発生しやすい。
尚、重量平均を用いることでひび割れに悪影響を及ぼす
粗粒子の存在がはっきりするので好ましい。
【0022】前記アルカリ性化合物は、各種無機、有機
の化合物が利用できるが、好ましくは水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸アンモニウム、モノエタノールアミン、イソプ
ロピルアミン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、
ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミ
ン、トリエタノールアミン、ピペラジン、2−メチルピ
ペラジン、N−メチルピペラジン、2−ピペリジンエタ
ノール、及びアミノエチルエタノールアミンの少なくと
も1種が使用される。
【0023】水系溶媒にアルカリ性化合物と気相法シリ
カを添加する方法としては、予め水分散液組成物Aのp
Hが7〜13になるようなアルカリ性化合物の量を水系
溶媒に添加しておいてから気相法シリカを添加、撹拌す
る方法が好ましいが、水系溶媒に気相法シリカを添加、
撹拌しながらアルカリ性化合物かその水溶液を添加する
方法等が有る。
【0024】本発明で気相法シリカの水分散液組成物B
の作成時に使用する酸性化合物は水溶液が酸性を示す各
種、有機、無機の化合物が利用でき、例えば、塩酸、硫
酸、硝酸、リン酸等の無機化合物やそれらの弱アルカリ
塩、各種脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸、蟻酸、
酢酸、安息香酸、マレイン酸、クエン酸等のカルボン酸
等の有機化合物やそれらの弱酸塩が挙げられる。
【0025】pHが7〜10の気相法シリカの水分散液
組成物と酸性化合物を混合する方法は、水分散組成物に
酸性化合物やその水溶液を添加する方法や酸性化合物の
水溶液に気相法シリカの水分散液組成物Aを撹拌しなが
ら添加する方法があるが後者が好ましい。水分散液組成
物に酸性化合物を混合してから分散装置を用いて再度分
散することで気相法シリカの分散性が向上するので好ま
しい。
【0026】本発明では気相法シリカの水分散液組成物
A、または水分散液組成物Bの作成時にカチオン性ポリ
マーを添加することにより気相法シリカの分散性が更に
向上する。添加時の凝集性の防止からは気相法シリカの
水分散液組成物B製造時に添加するほうが好ましい。
【0027】気相法シリカの分散時に好ましく添加され
るカチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、
ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、特開昭59−
20696号、同59−33176号、同59−331
77号、同59−155088号、同60−11389
号、同60−49990号、同60−83882号、同
60−109894号、同62−198493号、同6
3−49478号、同63−115780号、同63−
280681号、特開平1−40371号、同6−23
4268号、同7−125411号、同10−1937
76号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アン
モニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。
これらのカチオンポリマーの分子量は、5,000〜1
0万程度が好ましい。
【0028】これらのカチオン性ポリマーの使用量は気
相法シリカに対して0.5〜10重量%、好ましくは1
〜7重量%である。多すぎると白紙部のカチオン性が強
すぎるので印字部に白抜けが発生しやすくなる。
【0029】本発明では、平均一次粒子径が5〜30n
mの気相法シリカをアルカリ性の水系溶媒で分散した、
pHが7〜13の水分散液組成物Aを用いたインク受容
層塗布液のpHはインク吸収性、印字部光沢性、及び印
字濃度が良好なインクジェット用記録材料が得られる。
アルカリ性溶媒中で分散することで酸性状態で分散する
よりも気相法シリカの分散性、安定性が良好となる。特
に気相法シリカは湿式シリカよりもアルカリで安定であ
り、分散性がより良好になる9〜13のpHでも溶解し
にくい安定なスラリーが得られる。
【0030】本発明では、平均一次粒子径が5〜30n
mの気相法シリカをアルカリ性の水系溶媒で分散した上
記のpHが7〜13の水分散液組成物を用いた後はどの
ようなpHのインク受容層を設けても良いが、更にpH
が3〜6になるように酸性物質を添加した水分散液組成
物Bを用いてインク受容層を設けても良好な光沢、イン
ク吸収性、印字濃度、及び印字光沢が得られる。
【0031】本発明により気相法シリカの分散性が良好
になる理由は不明であるが、水分散液組成物Aのアルカ
リ状態では気相法シリカの表面はアニオンに帯電してお
り、分散性が安定で良好であり、再凝集しにくい分散液
組成物が得られると予想される。更に酸性としてもシリ
カの分散性、安定性は良好であり、表面にカチオン性の
部分が発現し、特にカチオン性ポリマーを気相法シリカ
の水分散液組成物Bの作成時に添加することでシリカ表
面のカチオン性が高くなるためと予想される。
【0032】本発明で気相法シリカの分散に使用される
装置としては、好ましくは高圧ホモジナイザー、超音波
ホモジナイザー、及び対向衝突ジェット粉砕機等が挙げ
られる。予備混合としてホモミキサーやホモディスパー
等を用いて撹拌しながら気相法シリカ粉体等を水系媒体
に添加して混合液にしてから前記の装置で分散する方が
分散性からは好ましい。
【0033】本発明で使用される気相法シリカの水分散
液組成物の固形分濃度は5〜40重量%であり、好まし
くは10〜35重量%である。気相法シリカの分散性か
らは分散液濃度は濃い状態で処理した方が好ましいが、
分散装置の処理能力の限界や分散液の粘度が高くなりす
ぎると取り扱い上問題となるので、40重量%程度が上
限となる。5重量%より薄いとインク受容層塗設時の塗
布性や乾燥効率が低下し、得られるインクジェット用記
録材料の表面性が低下するので好ましくない。
【0034】本発明で使用される水分散液組成物A、及
びB中の気相法シリカの重量平均二次粒子径は、ひび割
れ、インク受容層の透明性、表面の光沢性からは小さい
方が好ましいが、安定的に得られる実施可能な範囲は5
0〜350nmである。
【0035】本発明のインクジェット用記録材料に用い
られる支持体としてはポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニル、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹
脂、セロファン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート等のフィルム、ポリ
オレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持体、上質紙、アー
ト紙、コート紙、キャスト塗被紙等の吸水性支持体が用
いられる。白紙面や印字面のしわや光沢から好ましくは
耐水性支持体が用いられる。より好ましくは、紙の両面
にポリオレフィン樹脂をラミネートした樹脂被覆紙が挙
げられる。本発明に用いられる支持体の厚みは、約50
〜300μm程度が好ましい。
【0036】本発明において好ましく用いられる樹脂被
覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いら
れている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真
用支持体に用いられているような平滑な原紙が好まし
い。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パ
ルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用
いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサ
イズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、
染料等の添加剤が配合される。
【0037】本発明のインクジェット用記録材料のイン
ク受容層は単層でも2層以上でもよい。2層以上の場合
には全ての層に本発明の気相法シリカの水分散液組成物
AまたはBを用いるのが好ましいが、少なくともインク
定着性に主として寄与するインク受容層に本発明の気相
法シリカの水分散液組成物を使用する。最表層にも本発
明の気相法シリカの水分散液組成物AまたはBを用いる
ことで良好な光沢性が得られる。
【0038】本発明において、インク受容層に含有させ
る気相法シリカの総量は8〜35g/m2が好ましく、1
0〜30g/m2の範囲がより好ましい。8g/m2より少
ないとインク吸収性が低下し、多すぎるとインク受容層
の強度が低下し、コストも高くなるので好ましくない。
気相法シリカを含有するインク受容層は、皮膜としての
特性を維持するためにバインダーを含有する。このバイ
ンダーとしては、公知の各種バインダーを用いることが
できるが、透明性が高くインクのより高い浸透性が得ら
れる親水性バインダーが好ましく用いられる。親水性バ
インダーの使用に当たっては、親水性バインダーがイン
クの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないこ
とが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性
の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。特に好
ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリ
ビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコ
ールである。
【0039】ポリビニルアルコールの中でも特に好まし
いのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化
したものである。平均重合度500〜5000のポリビ
ニルアルコールが好ましい。
【0040】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号に記載のよ
うな、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポ
リビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリ
ビニルアルコールである。
【0041】また、他の親水性バインダーも併用するこ
とができるが、ポリビニルアルコールに対して20重量
%以下であることが好ましい。
【0042】本発明のインク受容層には、気相法シリカ
の水分散液作成時に分散性向上目的で好ましく使用され
るカチオン性ポリマー以外に更にカチオン性化合物を含
有させることで印字部の耐水性が更に向上する。本発明
に用いられるカチオン性化合物としては、カチオン性ポ
リマー、水溶性金属化合物が挙げられる。カチオン性ポ
リマーは、気相法シリカと組み合わせて用いた場合、透
明性を低下させる傾向にあり、水溶性金属化合物は逆に
透明性が向上する。後者がインク受容層に発生する微細
な亀裂を抑える為と推定される。
【0043】カチオン性ポリマーは、気相法シリカの水
分散時に使用されるものと同様のカチオン性ポリマーが
用いられる。
【0044】これらのカチオン性ポリマーの使用量は気
相法シリカに対して1〜10重量%、好ましくは2〜7
重量%である。
【0045】水溶性金属化合物として、例えば水溶性の
多価金属塩が挙げられる。カルシウム、バリウム、マン
ガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜
鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステ
ン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられ
る。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウ
ム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、
硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マ
ンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニ
ウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)
ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバル
ト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケ
ル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアン
モニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸
アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニ
ウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和
物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一
鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、
塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニ
ウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和
物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸ク
ロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、
クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナ
トリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タング
ストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩
化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられ
る。中でも透明性、耐水性改良効果の高いジルコニウム
系化合物が好ましい。
【0046】また、カチオン性化合物として、無機系の
含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸
化アルミニウム化合物が挙げられる。塩基性ポリ水酸化
アルミニウム化合物とは、主成分が下記の一般式1、2
又は3で示され、例えば[Al6(OH)153+、[A
8(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al
21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮
合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミ
ニウムである。
【0047】 [Al2(OH)nCl6-nm ・・式1 [Al(OH)3nAlCl3 ・・式2 Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n ・・式3
【0048】これらのものは多木化学(株)よりポリ塩
化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田
化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の
名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの
名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市
されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本
発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、
pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調
節して用いることも可能である。
【0049】本発明において、上記水溶性の金属化合物
のインク受容層中の含有量は、0.1g/m2〜10g/
m2、好ましくは0.2g/m2〜5g/m2である。
【0050】上記したカチオン性化合物は2種以上を併
用することができる。例えば、カチオン性ポリマーと水
溶性金属化合物を併用してもよい。
【0051】本発明のインクジェット用記録材料のイン
ク受容層にはコストや製造効率向上、印字時の搬送性、
インク吸収性等の向上目的で一次粒子の平均粒径が5〜
30nmの気相法シリカ以外に合成シリカ、アルミナ、
アルミナ水和物、アルミノシリケート、炭酸カルシウム
等の無機微粒子を気相法シリカの30重量%程度以下で
使用することも可能である。
【0052】本発明におけるインク受容層には、皮膜の
脆弱性を改良するために各種油滴を含有することが好ま
しいが、そのような油滴としては室温における水に対す
る溶解性が0.01重量%以下の疎水性高沸点有機溶媒
(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、ト
リクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体
粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニ
ルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させ
た粒子)を含有させることができる。そのような油滴は
好ましくは親水性バインダーに対して10〜50重量%
の範囲で用いることができる。
【0053】本発明において、インク受容層には、耐水
性、ドット再現性を向上させる目的で適当な硬膜剤で硬
膜することができる。硬膜剤の具体的な例としては、ホ
ルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド
系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケ
トン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒド
ロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米
国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロ
ゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第
3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを
持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如
きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,43
7号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,01
7,280号、同2,983,611号記載の如きアジ
リジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載
の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,09
1,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸
の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシ
ジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫
酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤
等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用
いることができる。硬膜剤の添加量はインク受容層を構
成する水溶性ポリマー100gに対して0.01〜10
gが好ましく、より好ましくは0.1〜5gである。
【0054】本発明において、インク受容層には、更に
界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、インク
染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散
剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度
安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加する
こともできる。
【0055】本発明において、塗布方法は特に限定され
ず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、ス
ライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン
方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ケッ
ドバーコーティング方式等がある。特に多層を同時に塗
布できるスライドビード方式が好ましい。
【0056】フィルム支持体にインク受容層の塗布液を
塗布する場合、塗布に先立って、コロナ放電処理、火炎
処理、紫外線照射処理、プラズマ処理等が行われる。
【0057】本発明は、支持体、特にフィルムや樹脂被
覆紙を使用する場合には、インク受容層を設ける面上に
天然高分子化合物や合成樹脂を主体とするプライマー層
を設けるのが好ましい。該プライマー層の上に、気相法
シリカからなるインク受容層を塗布した後、冷却し、比
較的低温で乾燥することによって、更にインク受容層の
透明性が向上し、印字濃度が良化する。
【0058】支持体上に設けられるプライマー層はゼラ
チンやカゼイン等の天然高分子化合物や合成樹脂を主体
とする。係る合成樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエ
ステル樹脂、塩化ビニリデン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ポリウレタ
ン樹脂等が挙げられる。
【0059】上記プライマー層は、支持体上に0.01
〜5μmの膜厚(乾燥膜厚)で設けられる。好ましくは
0.05〜5μmの範囲である。
【0060】本発明における支持体には筆記性、帯電防
止性、搬送性、カール防止性などのために、各種のバッ
クコート層を塗設することができる。バックコート層に
は無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダ
ー、ラテックス、顔料、硬化剤、界面活性剤などを適宜
組み合わせて含有せしめることができる。
【0061】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
尚、部及び%は重量部、重量%を示す。
【0062】実施例1 <ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の作製>広葉樹晒ク
ラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパル
プ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタン
ダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パ
ルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキ
ルケテンダイマーを対パルプ0.5重量%、強度剤とし
てポリアクリルアミドを対パルプ1.0重量%、カチオ
ン化澱粉を対パルプ2.0重量%、ポリアミドエピクロ
ロヒドリン樹脂を対パルプ0.5重量%添加し、水で希
釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機
で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿して
ポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙
に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン1
00重量%の樹脂に対して、10重量%のアナターゼ型
チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を32
0℃で溶融し、200m/分で厚さ35μmになるよう
に押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロ
ールを用いて押出被覆した。もう一方の面には密度0.
962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70重量部
と密度0.918の低密度ポリエチレン樹脂30重量部
のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ
30μmになるように押出コーティングし、粗面加工さ
れたクーリングロールを用いて押出被覆した。
【0063】上記ポリオレフィン樹脂被覆紙表面に高周
波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼ
ラチンが50mg/m2となるように塗布乾燥して支持体
を作成した。
【0064】 <下引き層> 石灰処理ゼラチン 100部 スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部 クロム明ばん 10部
【0065】上記支持体に下記で得られる気相法シリカ
の水分散液組成物A1を用いた下記組成のインク受容層
塗布液(pH9.6)をスライドビード塗布装置で塗布
し乾燥した。下記に示すインク受容層塗布液は、気相法
シリカを9重量%の固形分濃度になるように高圧ホモジ
ナイザーで分散した後調製した。この塗布液を気相法シ
リカの塗布量が固形分で、20g/m2になるように塗
布、乾燥して実施例1のインクジェット用記録材料を得
た。
【0066】<気相法シリカの水分散液組成物A1の作
製>イオン交換水2000gに水酸化カリウム150g
を添加混合した水系溶媒を作製し、気相法シリカ(トク
ヤマ社製QS−20;平均一次粒子径12nm)を40
0g投入し、ホモミキサーで10分間撹拌し、これを高
圧ホモジナイザーで3回処理して重量平均二次粒子径が
205nmでpHが10の気相法シリカの水分散液組成
物A1を得た。
【0067】 <インク受容層塗布液> 気相法シリカの水分散液組成物(固形) 100部 ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 3部 ほう酸 4部 ポリビニルアルコール 20部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 界面活性剤 0.3部 酢酸ジルコニウム 2部
【0068】塗布後の乾燥条件を下記に示す。5℃で3
0秒間冷却後、全固形分濃度が90重量%までを45℃
10%RHで乾燥し、次いで35℃10%RHで乾燥し
た。
【0069】上記のようにして作成したインクジェット
用記録材料について下記の評価を行った。その結果を表
1に示す。尚、実施例1で得られた記録材料は75度白
紙部光沢は60%以上で良好であった。
【0070】<インク吸収性>市販のインクジェットプ
リンター(キャノン社製、BJC−610J)Bl、
C,M,Yをそれぞれ100%で印字して、印字直後に
PPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に
転写したインク量の程度を目視で観察し、下記の基準で
評価した。最も悪い評価結果を採用した。 ○:全く転写しない。 △:やや転写する。 ×:転写が大きく実使用不可。
【0071】<印字濃度>黒ベタ部の印字濃度をマクベ
ス反射濃度計で測定し、5回測定の平均値で示した。
【0072】<印字部光沢性>印字部の光沢感を斜光で
観察し、下記の基準で評価した。 ○:カラー写真並の高い光沢感が有る。 △:アート、コート紙並の光沢感が有る。 ×:上質紙並の沈んだ光沢感が有る。
【0073】<ひび割れ>インクジェット用記録材料の
表面のひび割れの程度を目視で評価した。 ○:全くひび割れ無し。 △:ややひび割れ傾向。 ×:ひび割れひどく実用不可。
【0074】実施例2 実施例1で用いる気相法シリカの水分散液組成物A1を
下記の方法で得られる水分散液組成物B1に代えた以外
は実施例1と同様にしてpH3.4のインク受容層塗布
液を作製し、実施例2のインクジェット用記録材を得
た。評価結果を表1に示す。
【0075】<気相法シリカの水分散液組成物B1の作
製>イオン交換水2000gに水酸化カリウム150g
を添加混合した水系溶媒を作製し、気相法シリカ(トク
ヤマ社製QS−20;平均一次粒子径12nm)を40
0g投入し、ホモミキサーで10分間撹拌し、これを高
圧ホモジナイザーで3回処理して重量平均二次粒子径が
235nmでpHが10の気相法シリカの水分散液組成
物Aを得た。得られた水分散液組成物Aをホモミキサー
で撹拌しながら硝酸液を添加し、高圧ホモジナイザーで
3回処理して平均二次粒子径が193nm、pHが3.
5の気相法シリカの水分散液組成物B1を得た。
【0076】実施例3 実施例1で用いる気相法シリカの水分散液組成物A1を
下記の方法で得られる水分散液組成物B2に代えた以外
は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット用記
録材を得た。評価結果を表1に示す。(インク受容層塗
布液のpHは3.4)
【0077】<気相法シリカの水分散液組成物B2の作
製>イオン交換水2000gに水酸化カリウムを添加混
合した水系溶媒を作製し、気相法シリカ(トクヤマ社製
90G;平均一次粒子径20nm)を350g投入し、ホ
モミキサーで10分間撹拌し、これを高圧ホモジナイザ
ーで3回処理して平均二次粒子径が325nmでpHが
10の気相法シリカの水分散液組成物を得た。得られた
水分散液組成物をホモミキサーで撹拌しながら硝酸液を
添加し、高圧ホモジナイザーで3回処理して重量平均二
次粒子径が318nm、pHが3.5の気相法シリカの
水分散液組成物B2を得た。
【0078】実施例4 実施例2での気相法シリカの水分散液組成物B1の作成
で酸性化合物に加えてジメチルジアリルアンモニウムク
ロライドホモポリマーを気相法シリカの4重量%添加し
た以外は実施例2と同様にして重量平均二次粒子径20
0nm、pH3.5の気相法シリカの水分散液組成物B
3を得た。実施例1で用いる気相法シリカの水分散液組
成物A1を上記で得られた水分散液組成物B3に代えた
以外は実施例1と同様にして実施例4のインクジェット
用記録材を得た。評価結果を表1に示す。(インク受容
層塗布液のpHは3.3)
【0079】実施例5 実施例1で気相法シリカの水分散液組成物A1の作成で
高圧ホモジナイザーの処理を1回として気相法シリカの
重量平均二次粒子径が386nmでpHが10の分散液
組成物とした以外は実施例1と同様にして実施例5のイ
ンクジェット用記録材料を得た。評価結果を表1に示
す。(インク受容層塗布液のpHは9.6)
【0080】実施例6 実施例2で気相法シリカの水分散液組成物B1の作成で
高圧ホモジナイザーの処理を1回として気相法シリカの
重量平均二次粒子径が378nmでpHが3.5の分散
液組成物とした以外は実施例2と同様にして実施例6の
インクジェット用記録材料を得た。評価結果を表1に示
す。(インク受容層塗布液のpHは3.3)
【0081】比較例1 実施例1で用いる気相法シリカの水分散液組成物A1に
代えて下記の気相法シリカの水分散液組成物を用いた以
外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット用
記録材料を得た。評価結果を表1に示す。(インク受容
層塗布液のpHは3.4)
【0082】<気相法シリカの水分散液組成物の作製>
イオン交換水2000gに硝酸を添加混合した水系溶媒
を作製し、気相法シリカ(トクヤマ社製QS−20;平
均一次粒子径12nm)350gを投入し、ホモミキサ
ーで10分間撹拌し、これを高圧ホモジナイザーで6回
処理して重量平均二次粒子径が280nmでpHが3.
5の気相法シリカの水分散液組成物を得た。
【0083】比較例2 比較例1で使用の気相法シリカの水分散液組成物を用い
たインク受容層塗布液に更に水酸化ナトリウムの水溶液
を添加してpHを9.5としたインクジェット以外は実
施例1と同様にして比較例2のインクジェット用記録材
料を得た。評価結果を表1に示す。
【0084】
【表1】 ──────────────────────────────────── インク吸収性 印字濃度 印字部 ひび割れ 光沢性 ──────────────────────────────────── 実施例1 ○ 2.20 △ ○ 実施例2 ○ 2.21 ○ ○ 実施例3 ○ 2.18 ○ ○ 実施例4 ○ 2.35 ○ ○ 実施例5 ○ 2.10 △ △ 実施例6 ○ 2.12 △ △ ──────────────────────────────────── 比較例1 △ 2.00 × △ 比較例2 △ 1.96 × × ────────────────────────────────────
【0085】結果;気相法シリカをアルカリ状態で分散
した組成物を使用した実施例1の記録材料はひび割れが
無く、優れたインク吸収性、印字濃度であり、良好な印
字部光沢性であった。実施例2は実施例1で使用した気
相法シリカの水分散液組成物A1に更に酸性物質を添加
して再分散した水分散液組成物B1を使用した場合であ
るが、ひび割れが無く、インク吸収性、印字濃度が良好
であり、印字部光沢性は実施例1よりも優れていた。気
相法シリカの一次粒子の平均粒径を実施例2の12nm
から20nmに代えた実施例3の記録材料は実施例2よ
りも白紙部光沢性が若干低下したが他は同様の優れた特
性であった。実施例2で使用した気相法シリカの水分散
液組成物A1に酸性物質とカチオン性ポリマーを添加、
分散した水分散液組成物B3を使用した実施例4はひび
割れが無く、実施例2よりも印字濃度が高く、インク吸
収性、印字部光沢性も優れていた。実施例5は実施例1
で気相法シリカの平均二次粒子径を386nmとした場
合であるが、印字濃度、印字部光沢性、及びひび割れが
実施例1より低下したが実用下限であった。実施例6は
実施例2で気相法シリカの平均二次粒子径を378nm
とした場合であるが、実施例2よりも各特性が低下した
が実用可能であった。尚、実施例3の記録材料は75度
白紙部光沢度が56%とやや低かったが他の実施例の記
録材料は60〜65%と良好であった。
【0086】最初から酸性状態で分散した気相法シリカ
の分散液組成物を使用した比較例1の記録材料は一部に
ひび割れが発生し、75度白紙部光沢度が53%と実施
例2よりも低下し、印字濃度、印字部光沢性が悪化し
た。比較例1で塗布液のpHを9.5とした比較例2で
は、ひび割れが多発し、比較例1同様に75度白紙部光
沢度が52%と低下し、実施例1よりもインク吸収性、
印字濃度、及び印字部光沢性が劣った。
【0087】
【発明の効果】上記結果から明らかなように、本発明の
インクジェット記録材料は、ひび割れが無く、高光沢で
インク吸収性が高く、高印字濃度で印字部光沢性に優れ
ている。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に気相法シリカと親水性バイン
    ダーを含有する少なくとも1層のインク受容層を塗設し
    たインクジェット用記録材料において、該インク受容層
    が、水系溶媒にアルカリ性化合物と平均一次粒子径が5
    〜30nmの気相法シリカの存在下で分散して得られた
    pHが7〜13の気相法シリカの水分散液組成物(A)
    を用いて塗設されたことを特徴とするインクジェット用
    記録材料。
  2. 【請求項2】 支持体上に気相法シリカと親水性バイン
    ダーを含有する少なくとも1層のインク受容層を塗設し
    たインクジェット用記録材料において、該インク受容層
    が、水系溶媒にアルカリ性化合物と平均一次粒子径が5
    〜30nmの気相法シリカの存在下で分散して得られた
    pHが7〜13の気相法シリカの水分散液組成物と酸性
    化合物を混合して得られたpHが3〜6の気相法シリカ
    の水分散液組成物(B)を用いて塗設されたことを特徴
    とするインクジェット用記録材料。
  3. 【請求項3】 前記気相法シリカの水分散液組成物Aの
    気相法シリカの重量平均二次粒子径が50〜350nm
    であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
    ト用記録材料。
  4. 【請求項4】 前記気相法シリカの水分散液組成物Bの
    気相法シリカの重量平均二次粒子径が50〜350nm
    である請求項2に記載のインクジェット用記録材料。
  5. 【請求項5】 前記気相法シリカの水分散液組成物Bが
    カチオン性ポリマーを含有していることを特徴とする請
    求項2または4に記載のインクジェット用記録材料。
  6. 【請求項6】 前記インク受容層が気相法シリカとして
    10〜30g/m2塗設されていることを特徴とする請求
    項1〜5の何れか1項に記載のインクジェット用記録材
    料。
  7. 【請求項7】 前記支持体が耐水性支持体である請求項
    1〜6の何れか1項に記載のインクジェット用記録材
    料。
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