JP3712952B2 - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種のインクジェット記録方式の機器で使用される記録用紙材料に関するもので、更に詳しくは、画像鮮明性低下、濃度低下、色調変化等の記録画像劣化現象が生じにくいインクジェット記録用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンターは、記録の鮮明さ、音の静かさ、カラー化の容易さ等の特徴を有するため、近年その普及はますます増大している。
インクジェットプリンターは、インクの乾燥によるジェットノズルのつまりを防止するため、乾燥しにくいインクを使用する必要がある。この特性を有するインクとして一般には、結着剤、染料、溶媒、添加剤等を水に溶解または分散した水溶性のインクが使用されている。
しかし、水溶性インクを使用して記録用紙上に形成した文字、画像等は、耐光性という観点からみると顔料系の油性インクによる印刷物や銀塩写真のそれには残念ながら劣っているのが現状である。
近年、インクジェットプリンターが安価になり、身近になるにしたがい、その鮮明性や色彩性、画像保存性などに対する要求は次第に高く、厳しくなる一方である。従って、これら画像の保存環境による記録画像劣化をより防止することが今やインクジェット記録用紙に高く要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この現状を鑑み、インクジェット記録用紙の保存環境による記録画像劣化の防止が検討されてきており、例えば、インク受容層に種々の媒染剤を添加することによって保存環境性による記録画像劣化を防止するという多くの提案がされている。しかしながら、これらの媒染剤添加では効果が十分でないばかりか、一般に、画像鮮明性の低下などの弊害の方が大きい。
しかし、このような強力な媒染剤などの添加により保存環境による記録画像劣化の防止効果に比べて、画像鮮明性の低下などの弊害の方が大きいことが懸念されるものの、現状でのアプローチは依然として添加剤によるものが中心であり、記録画像劣化防止効果を有する樹脂組成物からの検討はあまり行われていない。
【0004】
また、一般的なインクジェット記録用紙は、室内環境下における記録画像劣化防止の検討が行われているものの、耐光性を考慮に入れた高温高湿度下においての検討は未だ不十分であり、満足のいく記録画像劣化防止効果を有するものは得られていない。
【0005】
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、画像保存性、即ち、特に高温高湿度下における画像鮮明性の低下、濃度低下、色調変化などの記録画像劣化防止に優れた効果を有するインクジェット記録用紙を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、インク受容層に使用する樹脂組成物について種々の検討を重ねた結果、特定の水溶性樹脂組成物をインクジェット記録用紙のインク受容層に使用することによって、極めて効果的に、高温高湿度下における画像鮮明性低下、濃度低下、色調変化などの記録画像劣化が防止されることを見いだし、本発明の完成に至った。
本発明のインクジェット記録用紙は、基材上にインク受容層を設けたインクジェット記録用紙において、
少なくともアクリルアミド、アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの4種類の単量体を含み、
さらにジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドの中から選択される1種類以上の単量体を含む合計5成分以上を単量体成分とした共重合体を含有するインク受容層を有することを特徴とするものである。
ここで、共重合体中、ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドの合計の含有量は、20〜60重量%であることが望ましい。
また、インク受容層は複数層形成することができる。
その際、最も外側に形成されているインク受容層は顔料を含有し、前記共重合体と該顔料の配合割合が、重量比で5:95〜30:70であることが望ましい。
また、最も外側に形成されているインク受容層中に、コロイダルシリカまたはコロイダルアルミナを含有させて光沢度調整層とすることが望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェット記録用紙は、基材上にインク受容層を塗布法等の積層手段により設けてなる層構成であり、インク受容層は2層あるいは3層以上あってもよい。インク受容層の最表面は、鏡面光沢度を調整して所望の光沢度を有するインク受容層、つまり光沢度調整層であってもよい。なお、インク受容層が複数層からなる場合は、少なくとも何れか1層に本発明における共重合体が含有されていればよい。
【0008】
[基材]
本発明に用いられるインク受容層が塗設される基材は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ、等の木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、バインダおよびサイズ剤や定着剤、歩留り向上剤、紙力増強剤等の通常抄紙に使用されている各種添加剤を必要に応じて用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の各種装置で製造された原紙、さらに原紙に、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙等の塗工紙も含まれる。このような原紙および塗工紙にそのままインク受容層を設けても良いし、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を使用しても良い。
【0009】
また、基材としては、上記原紙上にポリオレフィン樹脂層を設けても良いし、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、ポリウレタン等の合成樹脂やこれらの混合物のフィルム材や、これらの合成樹脂を繊維化して成形した媒体材も用いることができる。
【0010】
[インク受容層]
・バインダ樹脂
本発明のインクジェット記録用紙では、バインダ樹脂として特定の共重合体を含有するインク受容層を少なくとも1層有する。
係る特定の共重合体とは、アクリルアミド、アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの4種類の単量体と、さらにジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドの中から選択される1種類以上を含む合計5成分以上を単量体成分とした共重合体である。
【0011】
アクリルアミドは水溶性および分散性に優れたバインダ樹脂とするために必要な成分の1つであり、顔料の混和性の維持にも効果を有するものである。
【0012】
アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートは、共重合体の水溶性および透明性を付与すると考えられる。アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートとしては、特に限定されるものではないが、ジメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0013】
これらの化合物においては、ポリエチレングリコール部位の分子量が200〜2000のものが好ましい。該分子量が2000よりも大きくなると、合成した共重合体の水溶性が悪化しワックス状となるため画像の鮮明性に悪影響をおよぼしてしまう。また、この分子量が200よりも小さいと共重合体自体の強度が弱くなり、層強度の低下を生じるおそれがある。分子量は500〜1500のものがより好ましい。よって、アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートとしては、特に、ジメトキシポリエチレングリコール#1000(メタ)アクリレート、ジエトキシポリエチレングリコール#1000(メタ)アクリレート、ジプロポキシポリエチレングリコール#1000(メタ)アクリレートが最適である。
【0014】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートも同様に共重合体に透明性を付与すると考えられる。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、特に限定されるものではないが、1−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの化合物の中で、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが水溶性の度合いおよび透明性の点で最も好適である。
【0015】
(メタ)アクリル酸エステルは、高温高湿度下における記録画像劣化の防止効果があると考えられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、エステル部位の置換基が、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられるが、中でもシクロアルキル基であることが好ましい。
【0016】
当該共重合体は、その単量体として、上記アクリルアミド、アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの4種類の単量体を必須成分として含み、さらに、ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドの中から選択される1種類以上を単量体として含む。
これらの単量体を含有する共重合体であることにより、透明性の高い水溶性アクリル樹脂が得られ、インク受容層に含有することで画像保存性、特に高温高湿度下における画像鮮明性や濃度の低下を抑えることができ、色調変化の少ないなどの記録画像劣化防止に優れた効果を発揮する。
【0017】
本発明の目的を十分達成するための各共重合成分の共重合比は、アクリルアミドは2〜7%重量%が好ましく、さらには3〜5重量%、最も好適なのは3.5〜4.5重量%である。アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレーは5〜65重量%、さらには7〜60重量%、最も好適なのは20〜45重量%である。(メタ)アクリル酸エステルは5〜25重量%、さらには7〜22重量%、7〜15%重量が最も好適である。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは5〜55重量%、最も好適なのは20〜40重量%である。
また、ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドから選択された1種以上の合計は20〜60重量%、好ましくは25〜55重量%、さらに好ましくは25〜45重量%である。
【0018】
共重合体の調製は、一般的な公知の装置を用いて行うことができ、各々の単量体成分を重合溶媒に溶解し、ここに重合開始剤を添加し、60〜100℃、好ましくは80〜90℃に加熱することにより、重量平均分子量が数千〜100000、好ましくは10000〜20000の共重合体を調製する。加熱温度が低すぎる場合には、重量平均分子量が非常に大きくなり、インク吸収性等の悪影響をおよぼし、高すぎる場合には、正常な重合反応が起こらず、副生成物が生じてしまう。
【0019】
前記重合溶媒としては、水、アルコール、水溶性ケトンおよびこれらの混合溶媒が挙げられ、水/アルコールの混合溶媒が好ましく、特に水/イソプロパノールが好適である。また、これらの混合比は、水/アルコールの重量比で4/1〜1/1が好ましく、さらには2/1が好適である。
【0020】
前記重合開始剤としては、公知の水溶性アクリル樹脂のラジカル重合開始剤を使用することができる。具体的には、2,2'−アゾビス−イソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、1,1'−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート、2,2'−アゾビス−(2−アミジノプロパン)−2塩酸塩等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、こはく酸パーオキサイド等の過酸化物系開始剤が挙げられる。これらの重合開始剤の半減期温度は、60〜90℃が好ましく、さらには、65〜80℃が好適である。
【0021】
さらに、インク受容層に含有されるバインダ樹脂として、本発明の共重合体に水溶性または水分散性樹脂を併用できる。例えば、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、シリル変性ポリビニルアルコール等;無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル系エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水性接着剤;ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤が挙げられ、1種以上で使用される。
【0022】
・顔料
本発明に用いられる原紙およびインク受容層には、公知の顔料を1種以上用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックセグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
【0023】
上記の中でもインク受容層に主成分として含有する白色顔料としては、インクジェットインクの乾燥性や吸収性などが優れていることから、多孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔質炭酸マグネシウム、多孔質アルミナ等が挙げられる。これらの中で、本発明では印刷品質と保存安定性(耐水性、耐摩耗性、耐光性、耐環境ガス性、室内保存性、直射日光に対する保存性)の両方を満足する、比表面積200〜600g/m2程度の沈降タイプおよびゲルタイプの多孔性非晶質シリカを使用することが好適である。最も外側に形成されているインク受容層を光沢度調整層とする場合には、顔料としてコロイダルシリカまたはコロイダルアルミナを用いることが最も好適である。
インク受容層において、バインダ樹脂と顔料の配合割合は5:95〜50:50であることが好ましく、さらに10:90から35:65が好適である。
また、インク受容層が光沢度調整層である場合は5:95〜30:70、特に5:95〜20:80が好ましい。バインダ樹脂が5重量%未満であると、バインダ樹脂の接着力不足のために層破壊を生じ、50重量%よりも多くなるとインク吸収性、インク乾燥性等が悪くなり画像記録品位の低下を生じるという問題がある。
【0024】
・添加剤
インク受容層には、画像の耐光性および諸特性を向上させるために、水溶性の2価以上の金属塩化合物を添加することができる。具体的には、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化スズ、塩化鉛、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、塩素酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウム、硝酸カルシウム等が挙げられる。これらの金属塩の含有量は、インク受容層の総固形分に対して1.0〜40.0重量%が好ましく、さらには5.0〜20.0重量%が好適である。
また、その他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発砲剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤等を必要に応じて適宣配合することもできる。
【0025】
・インク受容層の形成
インク受容層の形成は、層を形成するための材料を水または適当な溶媒中に溶解もしくは分散させて調製した塗工液を、各種ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドブレードコータ、ショートドウェルコータ、サイズプレス等の各種装置をオンマシンあるいはオフマシンで適宣使用して、基材上に塗布して形成する。
【0026】
インク受容層の塗布量としては、一層当たり、5〜20g/m2が好適である。また、基材上に第1インク受容層を積層し、この第1インク受容層の上に第2インク受容層を積層する場合、第1インク受容層の塗布量は5〜30g/m2が好ましく、特に5〜20g/m2が好ましい。また、第2インク受容層の塗布量は5〜15g/m2が好ましく、特に5〜10g/m2が好ましい。かかる範囲より塗布量が少ないとインク吸収性や定着性が十分得られない場合があり、多いと生産性の低下やコストアップを招く。特に、第2インク受容層の塗布量が15g/m2を超えて多いと、第2インク受容層中をインクが通過することが困難になり、滲みを生じて画像の鮮明性が損なわれる場合がある。このように積層するインク受容層の数によってインクの受容層の塗布量をコントロールすることが好ましい。また、インク受容層の塗工後にはマシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて仕上げても良い。
【0027】
上記インク受容層を複数設ける場合において、表面側のインク受容層に鏡面光沢度が10以上の光沢度を付与し、光沢度調整層として設けることができる。その際、上記共重合体を光沢度調整層に含有した本発明のインクジェット記録用紙によれば、従来のものに比べて光沢度が向上し、さらにインクの吸収性が損なわれることなく、記録用紙の耐水性の向上という効果も得ることができる。
光沢度は、塗工方法、乾燥方法、組成等を調整することによって付与でき、無光沢から強光沢までの任意の光沢度に調整できる。
最も外側に形成するインク受容層を光沢度調整層とする場合も、所定の材料を溶解する水またはアルコール等の適当な溶媒中に分散させて塗工液を調製し、インク受容層と同様な操作により、インク受容層上に塗布して光沢度調整層を形成すればよい。光沢度調整層においても、この塗布量が15g/m2よりも多いとインクが通過することが困難になり、滲みを生じて画像の鮮明性が損なわれる場合がある。塗工後にマシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて仕上げても良い。
【0028】
【実施例】
次に、本発明に基づく実施例と、比較例とを示し、本発明の効果をより明らかにする。
1.本発明および比較例の共重合体の調製
表1に示す組成(重量%)の共重合体1〜16を以下の溶液重合法にしたがい調製した。
(1)1リットルの4つ口フラスコに水溶性溶媒(重合溶媒)を仕込み、攪拌装置、温度計、冷却管、滴下ビンをセットして反応温度まで昇温した。
(2)表1に示す共重合成分を重合開始剤(AIBN:アゾビスイソブチロニトリル、共重合成分に対し5重量%)とともに上記(1)と同じ溶媒に混合し、溶解した。
(3)上記(1)の溶媒を攪拌しているところに上記(2)の混合物を2時間かけて連続滴下し、滴下終了後、さらに4時間加熱攪拌し反応を行った。
(4)反応終了後、反応混合物を減圧蒸留し、重合溶媒を除去して共重合体の固形物を得た
(5)得られた共重合体を表1、2に示した溶解用溶媒によって、表1、2に示した固形分濃度(重量%)の樹脂溶液に調製し、インクジェット記録用紙におけるバインダ樹脂とした。
尚、表1、2における共重合成分比率は、1Hフーリエ変換核磁気共鳴スペクトルによる置換基のピーク強度の比較により求めた。また、重量平均分子量はTHF溶解液としてゲル浸透クロマトグラフィ法により決定した。
【0029】
【表1】
Figure 0003712952
【0030】
【表2】
Figure 0003712952
【0031】
2.インクジェット記録用紙の作製
坪量80g/m2の上質紙からなる基材の片面に、表3に示す配合のインク受容層の材料を水に溶解・分散した塗液を塗布・乾燥することによってインク受容層を設けた。
次いで、表3に示す光沢度調整層の配合の材料を水に分散ないし溶解した塗液を上記インク受容層上に塗布・乾燥することによって光沢度調整層を積層して、実施例1〜11及び比較例1〜6のインクジェット記録用紙を製造した。塗布量はいずれの層も乾燥後塗布量で10g/m2とした。
【0032】
【表3】
Figure 0003712952
【0033】
3.インクジェット記録用紙の諸特性評価
上記インクジェット記録用紙に、市販のインクジェットプリンタ(セイコーエプソン社製:PM−770C)を使用してシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のカラーパッチやSICD画像などの評価対象物を印刷した。
SICD画像としては、高精細カラーデジタル標準画像で、ISO/JIS−SICD(JIS X9201−1995に準拠)のN1ポートレート画像およびN3果物かご画像を用いた。
何れも良好な印字画像が得られた。
これらの画像を用いて、下記に示すような方法で印字濃度、60度鏡面光沢度、耐光性、画像耐湿性、耐環境ガス性の評価を行い、その結果を表4に示した。
【0034】
【表4】
Figure 0003712952
【0035】
印字濃度は、分光光度計(グレタグマクベス社製:SPM50)を用いて、各色の反射濃度を測定し、画像印字濃度特性を評価した。測定数値2.00以上を○、1.75〜1.99を△、1.75未満を×で示した。
光沢度は、JIS Z8741に規定される測定法に準じて、各色部分の60度鏡面光沢度を測定した。測定数値50以上を○、40〜50を△、40未満を×で示した。
耐光性試験は、キセノンウエザオメータ(アトラス社製:Ci5000)を使用して、ブラックパネル温度63℃、相対湿度50%、340nm紫外線照射強度0.35W/m2の条件で、30kJ/m2の暴露試験を行った。画像の変退色を分光光度計(グレタクマクベス社製:SPM50)で各色の濃度を測定し、最も濃度の低い色の濃度残存率90%以上を○、濃度残存率80〜90%を△、濃度残存率80%未満を×で評価した。
画像耐湿性は、各色を印字したサンプルを40℃・85%の高温高湿度条件に3昼夜放置し、各色の濃色化と輪郭の滲み具合から、判断した。濃色化、輪郭の滲みが全くないものを○、若干程度の滲みがあるものを△、濃色化、輪郭の滲みがはっきりと認めらるものを×で評価した。
耐環境ガス性試験は、オゾンウェザーメータ(スガ試験機社製:OMS−H)を使用して、オゾン濃度10ppm、温度25℃、湿度60%の条件で24時間暴露試験を行った。画像の変退色について分光光度計(グレタグマクベス社製:SPM50)で各色の濃度を測定し、最も濃度の低い色の濃度残存率90%以上を○、濃度残存率80〜90%を△、濃度残存率80%未満を×で評価した。
【0036】
表4から明らかなように、本発明に基づく各実施例のインクジェット記録用紙は、優れたインク吸収性、耐光性、画像耐湿特性、耐環境ガス性を有しているのに対して、各比較例のインクジェット記録用紙は、耐光性、画像耐湿特性、耐環境ガス性等が劣るものであった。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、良好なインク吸収性により滲みのない鮮明な画像が得られる優れたインクジェット記録特性を有し、かつ優れた耐光性を有するインクジェット記録用紙が得られる。加えて、本発明においては、記録特性を高温高湿度下に長時間放置しても画像の変色や褐色を生じないという耐湿性も発揮する。

Claims (5)

  1. 基材上にインク受容層を設けたインクジェット記録用紙において、
    少なくともアクリルアミド、アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの4種類の単量体を含み、
    さらにジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドの中から選択される1種類以上の単量体を含む合計5成分以上を単量体成分とした共重合体を含有するインク受容層を有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 前記共重合体中、ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドの合計の含有量は、20〜60重量%であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用紙。
  3. 前記インク受容層が複数層形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用紙。
  4. 最も外側に形成されているインク受容層は顔料を含有し、前記共重合体と該顔料の配合割合は、重量比で5:95〜30:70であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録用紙。
  5. 最も外側に形成されているインク受容層中に、コロイダルシリカまたはコロイダルアルミナが含有されていることを特徴とする請求項3または4に記載のインクジェット記録用紙。
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