JP3299723B2 - インクジェット記録用媒体 - Google Patents

インクジェット記録用媒体

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JP3299723B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録用媒体に係
り、特に、インク吸収性に優れ、表面強度が良好で、直
射日光(太陽光)あるいは室内光に対する濃度低下・色
調変化が無く、併せてインク吸収速度が速く、将来の高
速印字にも十分対応可能であるインクジェット記録用媒
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタは、記録の鮮明
さ、音の静かさ、カラー化の容易さ等の特徴を有するた
め、近年その普及はますます増大している。このインク
ジェットプリンタでは、インクの乾燥によるノズルのつ
まりを防止するため、乾燥しにくいインクを使用する必
要がある。この特性を有するインクとして一般には、染
料、溶媒、添加剤等を水に溶解または分散した水溶性イ
ンクが使用されている。しかしながら、水溶性インクを
使用して記録用媒体上に形成した文字・画像等は、顔料
系のインクによる印刷物や銀塩写真に比べ、耐水性、耐
湿性(高温高湿下に放置しても変色・褪色しない)、室
内保存性や直射日光に対する保存性という耐光性の観点
からみると劣っているのが現状である。
【0003】近年、インクジェットプリンタが安価にな
り、その鮮明性や色彩性が身近なものとなるに従い、記
録画像の耐光性やインクジェット記録用媒体の表面強度
などの諸特性に対する要求は次第に高く、厳しくなる一
方である。したがって、これらの耐光性および表面強度
などの諸特性を完全に確保することが今やインクジェッ
ト記録用媒体の必須条件となっているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のイン
クジェット記録用媒体では、文字・画像等の記録、特に
フルカラー記録の耐光性について改善の提案がなされて
いるものの、未だ不十分である。また、記録用媒体には
インク吸収性に優れた顔料成分を多く含有するインク受
容層が形成されており、フルカラー記録に使用するイン
ク量が多くなるために該インク受容層の強度が低下し、
表面を擦ったり折り曲げる等により顔料が脱落したりイ
ンク受容層が剥がれてしまうといった表面強度に対する
問題があった。よって、本発明は従来技術における上記
した実情に鑑みてなされたもので、良好なインクジェッ
ト記録特性を有するとともに、従来にない優れた耐光性
と、記録画像が剥がれにくい優れた表面強度を有するイ
ンクジェット記録用媒体を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、インクジェ
ット記録用媒体について種々の検討を重ねた結果、ジア
ルキルアミノアルキルメタクリレート、アクリルアミ
ド、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、酸化防
止性モノマーおよび/または紫外線吸収性モノマーをモ
ノマー成分とした共重合体を含有する表面層を設けるこ
とにより、インクジェット記録用媒体の耐光性および表
面強度の向上に極めて効果的であることを見出した。よ
って、本発明のインクジェット記録用媒体は、上記知見
に基づいてなされたもので、基材上に直接またはインク
受容層を介して表面層を設けたインクジェット記録用媒
体であって、この表面層は、少なくともA成分:ジアル
キルアミノアルキルメタクリレートおよびアクリルアミ
ド、B成分:ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト、C成分:酸化防止性モノマーおよび/または紫外線
吸収性モノマーの3成分をモノマー成分とした共重合体
を含有することを特徴としている。以下、本発明の好適
な実施の形態について詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用媒
体は、基材の少なくとも片面に直接あるいはインク受容
層を介して表面層を塗布法等の積層手段により少なくと
も1層設けた層構成であり、そのインク受容層および表
面層は複数あっても良い。以下、基材および表面層を構
成する材料を説明する。
【0007】(1)基材 本発明に用いられるインク受容層または表面層が塗設さ
れる基材としては、LBKP、NBKP等の化学パル
プ、GP、PGW、RNP、TMP、CTMP、CM
P、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の
木材パルプや、ポリエチレン繊維等の合成繊維パルプを
主成分として、顔料およびサイズ剤や定着剤、歩留まり
向上剤、紙力増強剤等の通常抄紙に使用されている各種
添加剤を必要に応じて混合し、長網抄紙機、円網抄紙
機、ツインワイヤ抄紙機等の各種装置で製造された原
紙、さらに原紙に澱粉、ポリビニルアルコール等でのサ
イズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それら
の上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャスト
コート紙等の塗工紙を用いることができる。このような
原紙および塗工紙にそのままインク受容層あるいは表面
層を設けても良く、マシンカレンダー、TGカレンダ
ー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を用いて、イ
ンク受容層あるいは表面層塗工前の段階で平滑化したも
のを使用しても良い。
【0008】また、基材としては、上記原紙上にポリオ
レフィン樹脂層を設けても良く、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、ポリウ
レタン等の合成樹脂やこれらの混合物のフィルム材や、
これらの合成樹脂を繊維化して成型した媒体材も用いる
ことができる。
【0009】(2)インク受容層 本発明においては、より優れたインクジェット記録特性
を達成するために、基材と後述の表面層との間にインク
受容層を設けることが好ましい。インク受容層は、バイ
ンダー樹脂、顔料、必要に応じてその他の添加剤を含有
して形成される。 (a)バインダー樹脂 本発明においてインク受容層に含有されるバインダー樹
脂としては、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、酸化
澱粉、エーテル化澱粉、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋
白、カルボキシル変性等の変性ポリビニルアルコール、
カルボキシメチルセルロース;ヒドロキシエチルセルロ
ース等のセルロース誘導体、無水マレイン酸樹脂;スチ
レン−ブタジエン共重合体;メチルメタクリレート−ブ
タジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテック
ス、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの
重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテック
ス、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラ
テックス、あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル
基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテッ
クス、メラミン樹脂;尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の
水性接着剤、ポリメチルメタクリレート;ポリウレタン
樹脂;不飽和ポリエステル樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体;ポリビニルブチラール;アルキッド樹脂等
の合成樹脂系接着剤等が挙げられ、これらは単独でも複
数組み合わせて使用することも可能である。
【0010】(b)顔料 本発明においてインク受容層には、一般的に使用されて
いる水に不溶もしくは難溶性の顔料を1種類以上用いる
ことができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸
カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜
鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸
カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コ
ロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、
水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライ
ト、加水ハロサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネ
シウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグ
メント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチ
レン、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げら
れる。
【0011】上記の中でもインク受容層に主成分として
含有する白色顔料としては、インクジェットインクの乾
燥性や吸収性などに優れていることから、多孔性無機顔
料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔質炭酸マ
グネシウム、多孔質アルミナ等が挙げられる。これらの
中で本発明では、印刷品質と保存性(耐水性、耐摩耗
性、耐光性、室内保存性、直射日光に対する保存性)の
両方を満足する比表面積200〜600g/m程度の
沈降タイプおよびゲルタイプの多孔性非晶質シリカを使
用することが好適である。また、インク受容層における
顔料とバインダー樹脂の配合割合は、重量比でバインダ
ー樹脂:顔料=1:1〜1:15が好ましく、さらには
1:2〜1:10が好適である。
【0012】(c)添加物 インク受容層には、画像の耐光性および諸特性を向上さ
せるために、水溶性の2価以上の金属塩化合物を添加す
ることができる。具体的には、塩化マグネシウム、塩化
カルシウム、塩化バリウム、塩化スズ、塩化鉛、硫酸マ
グネシウム、硫酸カリウム、塩素酸マグネシウム、リン
酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウム、硝
酸カルシウム等が挙げられる。これらの金属塩の含有量
は、インク受容層の総固形分に対して1.0〜40.0
重量%が好ましく、さらには5.0〜20.0重量%が
好適である。
【0013】また、その他の添加物として、顔料分散
剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、
発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、酸
化防止性モノマー、紫外線吸収性モノマー、防腐剤、耐
水化剤、硬化剤等を必要に応じて適宜配合することがで
きる。
【0014】(d)インク受容層の形成 インク受容層の形成は、層を形成する上記の材料を水ま
たは材料が溶解するアルコール等の適当な溶媒に溶解も
しくは分散させて塗工液を調製し、これを各種ブレード
コータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコー
タ、ロッドブレードコータ、サイズプレス等の各種装置
をオンマシンあるいはオフマシンで適宜使用して、基材
上に塗布して形成する。インク受容層の塗布量は、例え
ば、1層タイプでは5〜30g/mが好適である。ま
た、基材上に第1インク受容層を積層し、この第1イン
ク受容層の上に第2インク受容層を積層して2層タイプ
とする場合、第1インク受容層の塗布量は5〜30g/
が好ましく、特に、5〜20g/mが好ましい。
また、第2インク受容層の塗布量は5〜15g/m
好ましく、特に5〜10g/mが好ましい。この範囲
より塗布量が少ないとインク吸収性や定着性が十分得ら
れない場合があり、多いと粉落ち等の問題の発生、生産
性の低下やコストアップを招く。特に、第2インク受容
層の塗布量が15g/mよりも多いと第2インク受容
層中をインクが通過することが困難になり、滲みを生じ
て画像の鮮明性が損なわれる場合がある。このように積
層するインク受容層の数によってインク受容層の塗布量
をコントロールすることが好ましい。また、インク受容
層の塗工後にはマシンカレンダー、TGカレンダー、ス
ーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを
用いて仕上げても良い。
【0015】(3)表面層 本発明における表面層は、基材の少なくとも片面に直接
もしくは前述のインク受容層上に設けられる。表面層を
形成するバインダー樹脂には、少なくともA成分:ジア
ルキルアミノアルキルメタクリレートおよびアクリルア
ミド、B成分:ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト、C成分:酸化防止性モノマーおよび/または紫外線
吸収性モノマーの3成分をモノマー成分とした共重合体
が含まれていることが必須である。また、インク吸収性
等の記録特性を向上させるために、前述のインク受容層
に用いる顔料を上記共重合体と共に表面層に用いること
が好ましく、中でもコロイダルシリカは分散性に優れ、
塗料の安定性を向上させ、生産性も向上させる効果が得
られることから、特に好適である。なお、表面層には必
要に応じてインク受容層の組成と同様の材料を使用する
ことができる。
【0016】(a)共重合体のモノマー成分 前記A成分のジアルキルアミノアルキルメタクリレート
は、膜強度、顔料との混和性、塗料の安定性等に効果を
もたらす成分であり、下記化1で表される化合物を使用
することができる。共重合体におけるジアルキルアミノ
アルキルメタクリレートの含有量は、30〜60モル%
が好ましく、さらには40〜50モル%が好適である。
なお、式中Rは炭素数1〜6のアルキレン基、R
炭素数1〜6のアルキル基を表すが、本発明において
は、高温高湿下に記録画像を放置しても画像の変色や褪
色を生じない優れた耐湿性が得られ、また、共重合体の
調製の際に均一な溶液が得られることから、ジメチルア
ミノエチルメタクリレートが好適である。
【0017】
【化1】
【0018】前記A成分のアクリルアミドは、バインダ
ー樹脂を水溶性および分散性に優れたものとするために
必要な成分の1つであり、顔料との混和性の維持にも効
果のある成分である。また、共重合体におけるアクリル
アミドの含有量は、2〜7モル%であることが好まし
い。これよりも含有量が多い場合には、耐光性を損なう
原因となる。より好ましくは3.5〜4.5モル%が好
適である。
【0019】前記B成分のヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレートは、下記化2で表される化合物を使用する
ことができる。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
トは、共重合体の水溶性および分散性を高め、さらに、
画像の鮮明性、耐光性を向上させる効果がある。また、
共重合体におけるB成分の含有量は、15〜50モル%
であることが好ましく、さらには20〜40モル%が好
適である。このB成分の含有量が50モル%よりも多く
なると耐水性が劣るといった問題が生じる。なお、式中
は水素原子またはメチル基、Rは置換基として水
酸基を有する炭素数1〜6のアルキル基を表し、該水酸
基は末端にあることが好ましい。本発明においては、こ
のような化合物の中でも、特に上記の効果が優れている
2−ヒドロキシエチルメタクリレートが好適である。
【0020】
【化2】
【0021】前記C成分の酸化防止性モノマーおよび紫
外線吸収性モノマーとしては、上記A成分やB成分と重
合可能な構造であり、水溶性および分散性に優れた化合
物、例えば下記化3(酸化防止性モノマー)および化4
(紫外線吸収性モノマー)で表される化合物を挙げるこ
とができる。これらの化合物は、それぞれ単独あるいは
複数混合して使用しても良いが、少なくとも1種類は共
重合体に含有されることが必要である。酸化防止剤およ
び/または紫外線吸収剤を単にバインダー樹脂に添加し
た場合や従来の酸化防止性または紫外線吸収性の樹脂を
用いる場合には、塗料化において有機溶媒や界面活性剤
を用いて分散させることが必要であったが、このように
酸化防止性モノマーおよび/または紫外線吸収性モノマ
ーを水溶性の共重合体に組み込むことにより、本発明
は、かかる耐光性低下の原因となりうる溶媒や界面活性
剤を用いる必要がないので、より優れた耐光性を得るこ
とができる。また、共重合体におけるC成分の含有量
は、0.5〜10モル%であることが好ましく、これよ
りも多い場合には、画像特性、特にインク吸着性が悪く
なるなお、式中Rは水素原子または炭素数1〜4の
アルキル基を表し、Rは水素原子、メチル基またはエ
チル基を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、水酸
基、アルキル基、アシル基、アシルオキシ基またはアル
コキシル基を表し、アルキル基、アシル基、アシルオキ
シ基およびアルコキシル基の炭素数は1〜3が好適であ
る。
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】また、上記A、BおよびC成分以外の共重
合体のモノマー成分として、バインダー樹脂の水溶性お
よび分散性を損なわない化合物であれば、インクジェッ
ト記録特性および耐光性・耐摩耗性を向上させる化合物
を適宜添加することができる。例えば、下記化5で表さ
れるジメトキシポリエチレングリコールメタクリレート
を共重合成分として用いると、記録後の表面層がより優
れた耐光性を得ることができて好適である。なお、式中
nは整数を表す。
【0025】
【化5】
【0026】(b)共重合体の調製 共重合体の調製は、一般的な公知の装置を用いて行うこ
とができ、上記のモノマー成分を重合溶媒に溶解し、こ
こに重合開始剤を添加し、60〜100℃、好ましくは
80〜90℃に加熱することにより、重量平均分子量が
数千〜100000、好ましくは10000〜2000
0の共重合体を調製する。加熱温度が低すぎる場合に
は、重量平均分子量が非常に大きくなりインク吸収性等
に悪影響を及ぼし、高すぎる場合には、正常な重合反応
が起こらず、副生成物が生じてしまう。また、重量平均
分子量が小さい重合体では、これを用いた表面層の膜強
度不足を招くこととなる。
【0027】前記重合溶媒としては、水、アルコール、
水溶性ケトンおよびこれらの混合溶液が挙げられ、水/
アルコールの混合溶液が好ましく、特に水/イソプロパ
ノールが好適である。また、この混合比は、水/アルコ
ールの重量比で4/1〜1/1が好ましく、さらには2
/1が好適である。
【0028】前記重合開始剤としては、公知の水溶性ア
クリル樹脂のラジカル重合開始剤を使用することができ
る。具体的には、2,2’−アゾビス−イソブチロニト
リル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリ
ル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニ
トリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレー
ト、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)−
2塩酸塩等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイ
ド、デカノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキ
サイド、こはく酸パーオキサイド等の過酸化物系開始剤
が挙げられる。これらの重合開始剤の半減期温度は、6
0〜90℃が好ましく、さらには65〜80℃が好適で
ある。
【0029】(c)表面層の形成 表面層を形成する材料には、上記共重合体および顔料の
他に、インク受容層で用いられるバインダー樹脂や画像
の耐光性および諸特性を向上させるための添加物を必要
に応じて適宜配合することができる。表面層における共
重合体と顔料の配合割合は、重量比で共重合体:顔料=
5:95〜30:70が好ましく、さらには5:95〜
20:80が好適である。
【0030】この材料を水または材料が溶解するアルコ
ール等の適当な溶媒に溶解もしくは分散させて塗工液を
調製し、インク受容層と同様な操作により、基材あるい
はインク受容層上に塗布して表面層を形成する。表面層
の塗布量は、基材に直接塗布する場合では5〜20g/
が好適である。また、インク受容層上に積層する場
合、塗布量は5〜15g/mが好ましく、特に5〜1
0g/mが好ましい。この塗布量が15g/mより
も多いと表面層中をインクが通過することが困難にな
り、滲みを生じて画像の鮮明性が損なわれる場合があ
る。さらに、表面層は、光沢層であっても良く、塗工後
にマシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレン
ダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて仕上げ
ても良い。
【0031】
【実施例】次に、本発明に基づく実施例と比較例とを示
し、本発明の効果をより明らかにする。各実施例および
各比較例は、いずれも基材を坪量90g/mの上質紙
とし、塗布量は、インク受容層、表面層ともに10g/
とした。なお、実施例に挙げたものは、乾燥固形分
重量の比率である。 <実施例1>インク受容層の形成 下記配合のインク受容層の材料を水に溶解・分散し、こ
の塗液を基材の片面に塗布・乾燥することによってイン
ク受容層を積層して設けた。 [インク受容層の配合] ・バインダー樹脂 イタコン酸変性PVA 39重量% (商品名:KL−318K、クラレ社製) ・シリカ 39重量% (商品名:ミズカシルP78D、水澤化学社製) ・カチオン性染料定着剤 19.5重量% (商品名:ポリフィックス550、昭和高分子社製) ・塩化マグネシウム 2.5重量% (商品名:塩化マグネシウムS、富田製薬社製)
【0032】共重合体の調製 次に、下記配合の共重合体の材料を水/イソプロピルア
ルコール(2/1)に固形分濃度40重量%となるよう
に溶解し、ここに重合開始剤としてアゾイソブチロニト
リル5.0重量%を添加し、これを80〜90℃で加熱
することにより重量平均分子量15000〜20000
の共重合体を調製した。なお、共重合体の配合について
の比率はモル%で表した。 [共重合体の配合] ・A成分 ジメチルアミノエチルメタクリレート 47.6モル% アクリルアミド 4.0モル% ・B成分 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 23.8モル% 2−ヒドロキシエチルアクリレート 23.6モル% ・C成分 下記化学式の紫外線吸収性モノマー 1.0モル%
【0033】
【化6】
【0034】表面層の形成 次いで、下記配合の塗液を上記インク受容層上に塗布・
乾燥することによって表面層を積層して設け、本発明の
インクジェット記録用媒体とした。 [表面層の配合] ・上記共重合体 10重量% (固形分濃度40重量%) ・コロイダルシリカ 90重量% (商品名:スノーテックUP、日産化学社製、固形分濃度39重量%)
【0035】<実施例2〜9、比較例1〜6>共重合体
の材料を表1に記載の配合に変更した以外は実施例1と
同様にして、本発明の実施例2〜9および比較例1〜6
のインクジェット記録用媒体を得た。なお、実施例およ
び比較例のいくつかに用いた酸化防止性モノマーと、
A、B、C成分以外の共重合体のモノマー成分であるジ
メトキシポリエチレングリコール#1000メタクリレ
ートの化学式をそれぞれ化7および化8に示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】次に、上記実施例1〜9、比較例1〜6の
インクジェット記録用媒体を用いて、市販のインクジェ
ットプリンタ(セイコーエプソン社製、PM700C)
を使用してカラーパッチなどの評価対象物を表面層上に
印刷することにより印字画像を得た。このようにして得
られた画像を用いて、下記に示すような方法で耐光性、
表面強度、インク吸収性についての評価を行った。
【0040】[評価方法]耐光性1(キセノンランプ加速試験) キセノンウエザオメータ(ATLAS社製、Ci−50
00)を使用し、各実施例および各比較例のインクジェ
ット記録用媒体に対して、ブラックパネル温度65℃、
相対湿度50%、340nm紫外線照射強度0.35W
/mで90kJ/mの暴露試験を行った。次いで、
分光光度計(グレタグマクベス社製、GRETAG S
PM50)を用いて、これら記録用媒体のマゼンタの反
射濃度を暴露試験の前後に測定することにより、暴露試
験後の反射濃度の残存率(%)を求めて耐光性を評価し
た。
【0041】耐光性2(蛍光灯加速試験) 蛍光灯加速試験器(ATLAS社製、HPUV)を使用
し、約6W/m(300nmから400nmの紫外線
波長域)で150時間、白色蛍光灯のみの照射により各
実施例および各比較例のインクジェット記録用媒体に対
する暴露試験を行った。次いで、分光光度計(グレタグ
マクベス社製、GRETAG SPM50)を用いて、
これら記録用媒体のマゼンタの反射濃度を耐光性1のキ
セノンランプ加速試験と同様に測定することにより耐光
性を評価した。
【0042】耐光性3(太陽光・実環境試験) 各実施例および各比較例のインクジェット記録用媒体に
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラーパッチ
を印刷し、南向きガラス窓越しにこれらのカラーパッチ
を約1ヶ月間放置し、耐光性1と同様にして各カラーご
との反射濃度の残存率を求め、その平均値により耐光性
の評価を行った。
【0043】表面強度(接着性) 画像が形成された表面層の表面にセロテープ(登録商
標)を貼り付け、それを引き剥がすことによって、表面
強度を下記により評価した。 表面強度の評価 A:実用上全く問題なく優れている (セロテープに全く付着物が見られない) B:実用上問題なく優れている (若干の付着物が見られるが、記録画像の少なくとも一 部が剥がれてしまうようなことは起こらない) C:実用上劣っている。 (記録画像の少なくとも一部が剥がれてしまう)
【0044】インク吸収性 セイコーエプソン社製の純光沢紙(商品名:スーパー
ファイン専用光沢紙(厚口)フォトプリント紙)のイン
ク吸収性との比較判定を肉眼で行い、インクジェットプ
リンタでの混色ブリードおよび単色での滲み出しを観察
してインク吸収性を評価した。 インク吸収性の評価 A:実用上全く問題なく優れている(同等以上) B:実用上問題なく優れている (若干劣るがSCID画像での差はわからない) C:実用上劣っている。 以上の評価結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】表2の結果から明らかなように、本発明の
インクジェット記録用媒体は、いずれも良好な特性が得
られた。なお、AおよびC成分あるいはC成分の含有量
が好適な範囲ではない実施例8および9では、耐光性、
表面強度、インク吸収性ともに若干の低下が見られた
が、実用上は問題のない程度であった。これに対し、B
および/またはC成分の含有されていない比較例では、
全ての評価項目について劣っており、特に表面強度およ
びインク吸収性についてはインクジェット記録用媒体と
して実用に供し得ないものであった。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、イ
ンクジェット記録用媒体の表面層に少なくともA成分:
ジアルキルアミノアルキルメタクリレートおよびアクリ
ルアミド、B成分:ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート、C成分:酸化防止性モノマーおよび/または紫
外線吸収性モノマーの3成分をモノマー成分とした共重
合体を含有することにより、良好なインク吸収性により
滲みのない鮮明な画像が得られる優れたインクジェット
記録特性を有し、かつ優れた耐光性および表面強度を示
すインクジェット記録用媒体が得られる。加えて、本発
明においては上記の如き特定の共重合体を用いることに
より、記録特性を高温高湿下に長時間放置しても画像の
変色や褪色を生じないという耐湿性も向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 展弘 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会 社巴川製紙所 洋紙事業部内 (72)発明者 小林 進一郎 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会 社巴川製紙所 洋紙事業部内 (72)発明者 岩本 清志 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会 社巴川製紙所 洋紙事業部内 (72)発明者 杉山 淳 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (72)発明者 大西 弘幸 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (72)発明者 佐野 ゆかり 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−29369(JP,A) 特開2000−127614(JP,A) 特開 昭61−242871(JP,A) 特開 平10−235992(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に直接またはインク受容層を介し
    て表面層を設けたインクジェット記録用媒体であって、
    上記表面層は、少なくともA成分:ジアルキルアミノア
    ルキルメタクリレートおよびアクリルアミド、B成分:
    ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、C成分:酸
    化防止性モノマーおよび/または紫外線吸収性モノマー
    の3成分をモノマー成分とした共重合体を含有すること
    を特徴とするインクジェット記録用媒体。
  2. 【請求項2】 前記共重合体におけるC成分の含有量
    は、0.5〜10モル%であることを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェット記録用媒体。
  3. 【請求項3】 前記共重合体におけるA成分のジアルキ
    ルアミノアルキルメタクリレートの含有量は30〜60
    モル%であり、アクリルアミドの含有量は2〜7モル%
    であることを特徴とする請求項1または2に記載のイン
    クジェット記録用媒体。
  4. 【請求項4】 前記共重合体におけるB成分の含有量
    は、15〜50モル%であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用媒体。
  5. 【請求項5】 前記表面層は顔料を含有し、前記共重合
    体および該顔料の配合割合は、重量比で5:95〜3
    0:70であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載のインクジェット記録用媒体。
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