JP4034488B2 - 校正用インクジェット記録シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録方式を利用した、印刷校正用に使用されるインクジェット記録シートである。更に詳しくは、対象の印刷用紙に質感を類似させた、印刷校正用に適したインクジェット記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンターやプロッターの目ざましい進歩により、フルカラーでしかも高精細な画像が容易に得られるようになってきた。
【0003】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シートに付着させ、画像・文字等の記録を行なうものである。インクジェットプリンターやプロッターはコンピューターにより作成した文字や各種図形等の画像情報のハードコピー作成装置として、種々の用途に於いて近年急速に普及している。特に多色インクジェット方式により形成されるカラー画像は製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較しても遜色のない記録を得ることが可能であり、更に作成部数が少ない用途に於いては、印刷技術や写真技術によるよりも安価で済むことから広く応用されつつある。
【0004】
近年、インクジェット記録方式を利用した記録シートを使用して、印刷物の仕上がりを事前に確認する為に印刷校正用として利用されることも多くなってきた。最近のプリンターでは印刷校正用専用機とした製品も市場に出てきており、それに対応した記録シートの商品化が望まれていた。ここで印刷校正用として使用されるインクジェット記録シートは、印刷用紙の色や質感を忠実に再現することが最も重要である。
【0005】
一般に印刷に用いられる印刷用紙の色合いは、純粋な白ではなく、目的に応じて色合いを持たせているのが一般的である。一方インクジェット用紙は、インク吸収性、色彩再現性などを要求され、使用する顔料や接着剤及び各種添加剤に工夫がなされている。顔料としては吸収性を得るために多孔性の合成顔料を使用することが多く、しかもインクジェット画像の色彩性を鮮明にするために、その色合いは顔料に由来した独特の白さのものとなる。
【0006】
またインクジェット記録用紙は、記録画像の色彩性を更に鮮明にするため、印刷用紙よりも蛍光増白剤が多く使用されている。蛍光増白剤は、紫外領域の波長の光を青紫色の波長の光に変えて反射することで見た目の白さを向上させるが、一方、光照射により増白効果が低減することも知られており、そのため、蛍光増白剤を多量に使用しているインクジェット記録シートの場合、光照射による経時での褪色が大きく、印刷校正用としての使用には問題があった。
【0007】
前述したように蛍光増白剤は、紫外領域の波長の光を可視領域の青紫色の波長の光に変えて反射することで、見た目の白さを向上させている。そのため光源の違い、つまり光源に含まれる紫外領域波長の強度により色相が変動する。特にインクジェット記録シートのように蛍光増白剤が多量に使用されていると、光源の違いにより見た目の色相が大きく異なる場合がある。
【0008】
上述の如く、既存のインクジェット記録シートは、印刷校正用として利用するには、対象とする印刷用紙と該シートの明度、色度が大きく異なっており、また、光源の違いによる色相の変動、経時での光による褪色が大きいといった問題から、満足する品質を得ることは難しかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、印刷校正に適し、光による経時褪色、色相変動の少ない、インク吸収性に優れたインクジェット記録シートを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、既存のインクジェット記録シートをそのまま印刷校正用に利用すると印刷用紙との色相や質感の違いが大きく、また、光による経時褪色や、光源変化時の色相変動が大きいことから、既存のインクジェット記録シートは印刷校正用として利用するに適さないことを見出した。
【0011】
そこで本発明者らはインクジェット記録シートと印刷用紙との種々の物性について鋭意検討した結果、インクジェット記録に適した顔料を使用しても、その表面の明度、色度を染料や着色顔料で対象とする印刷用紙の明度、色度に類似させ、且つ、光源の違いによる色相変動や、光による褪色の少ない、印刷校正用に適したインクジェット記録シートを作製出来ることを見出した。
【0012】
即ち、本発明のインクジェット記録シートは支持体上にインク受理層を有するインクジェット記録シートにおいて、インク受理層が多層構成であり、該インク受理層の何れか1層に、少なくとも2種類以上の着色剤と1種類以上の蛍光増白剤を、含有されるインク受理層の全固形分重量に対してそれぞれ0.001〜1重量%含有してなり、且つ該記録シートのインク受理層面の校正対象印刷用紙に対するJIS Z8730で規定される明度指数(L*)及び知覚色度指数(a*、b*)の差の絶対値が、それぞれ1.5以下であり、かつ、該インクジェット記録シートのJIS P8148 特性Bで規定される方法において測定された白色度と、同方法で紫外光除去フィルターを使用して測定した白色度の差で示される蛍光強度が、3以下であることを特徴とする校正用インクジェット記録シートである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェット記録シートを詳細に説明する。
【0015】
本発明でいう明度指数(L*)及び知覚色度指数(a*、b*)は、JIS−Z8722、並びにJIS−Z8720で規定される色の測定方法及び測定光源に従って測定され、JIS−Z8729で規定される値である。そして、インクジェット記録シートのインク受理層面の明度指数(L*)及び知覚色度指数(a*、b*)の値と、校正対象の印刷用紙の明度指数(L*)及び知覚色度指数(a*、b*)の値から、JIS−Z8730で規定される色差(ΔL*、Δa*、Δb*)を計算したものである。更に具体的には、測定条件はD-n P、(JIS−Z8722中の6.3.2参照)、光源を標準の光D65を用いて行っている。
【0016】
本発明のインクジェット記録シートに於いて、インク受理層表面と対象印刷用紙表面との色差(ΔL*、Δa*、Δb*)の絶対値をそれぞれ1.5以下にするためには、インクジェット記録シートのインク受理層の少なくとも一層に各種着色剤を添加することで達成される。インク受理層中に着色剤を含有させると、色の明度、色度をコントロールし易く、本発明の効果が高くなる。また、支持体にも着色剤を添加することができる。
【0017】
また、本発明のインクジェット記録シートにおいて、インク受理層に含有させる着色剤は2種類以上であることが必要である。前述したように、インクジェット記録シートはインクの吸収性、色彩再現性を高めるために工夫がなされているため、一般の印刷用紙とはかなり色相が異なる。故に着色剤1種では印刷用紙にその色を合致させることは難しい。2種類以上の着色剤を用いることでより精密な色合わせを行うことが可能となり、本発明の効果をより確実なものとできる。
【0018】
本発明のインクジェット記録シートは、JIS P8148 特性Bで規定される方法において測定された白色度と、同方法で紫外光除去フィルターを使用して測定した白色度の差で示される蛍光強度が3以下であることが好ましい。ここで云う蛍光強度とは、JIS P8148に規定される白色度を、紫外光除去フィルター有無の条件で測定し、通常条件(紫外光あり)で測定した白色度から紫外光フィルター使用条件(紫外光なし)で測定した白色度を減じた数値を指す。ここで、紫外光除去フィルターとは、波長390nm以下の光を任意の割合でカットするものである。蛍光増白剤等の蛍光物質は、紫外領域の波長の光を可視光に変化させる特性があることから、紫外光の有無で測定することにより、蛍光増白剤に由来する白色度の変化、即ち蛍光強度として捉えることが可能となる。
【0019】
前述したように、インクジェット記録シートは記録画像の色彩性をより鮮明にするため、蛍光増白剤の量が一般の印刷用紙などに比べると多い。一般的に蛍光増白剤は光照射により失活し、増白効果が低減してしまう。そのため従来のインクジェット記録シートは、光照射による色相変動が大きく、校正用紙としては適当でなかった。
【0020】
また前述の通り、蛍光増白剤は紫外領域の波長の光を可視光に変化させるため、照射される光源により色相が変動する。特に蛍光増白剤を多量に使用するインクジェット記録シートの場合、照明光源が変わることでその色相が大きく変動する場合が多い。照明光源による色相変動が大きいと、その仕上がりを確認する場所の光源によっては、校正対象用紙と色相が大きく異なることから正確な校正が困難となる。
【0021】
そこで本発明者らは、照明光源による色相変動の低減、光褪色の減少を行うべく鋭意検討を行った。その結果、JIS P8148 特性Bで規定される方法において測定された白色度と、同方法で紫外光除去フィルターを使用して測定した白色度の差で示される蛍光強度が3以下であれば、照明光源が変化しても校正対象用紙との色相差が広がらず、且つ光による該記録シートの褪色を抑制できることを見いだした。ここで蛍光強度が3を超えると、照明光源の変化で色相が変動しやすく、また経時での光による蛍光増白剤失活の影響で、色相の変動が大きくなる。
【0022】
本発明において、着色剤としては染料系着色剤および顔料系着色剤を使用可能であるが、記録シートの色調の保存性の観点から顔料系着色剤を使用することが特に好ましい。
【0023】
添加される着色剤・蛍光増白剤としては、例えば、アゾ化合物(ジチゾン、ホルマザン)、キノン系(ナフトキノン、アントラキノン、アクリドン、アントアントロン、インダントレン、ピレンジオン、ビオラントロン)、キノンイミン(アジン、オキサジン、チアジン)、インジゴ染料(インジルビン、オキシインジゴ、チオインジゴ)、硫化染料、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン(フルオラン、フルオレセイン、ローダミン)、フェロセン、フルオレノン、フルギド、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン(カロテン、マレイン酸誘導体、ピロラゾン、スチルベン、スチリル)、ポリメチン(シアニン、ピリジニウム、ピリリウム、キノリニウム、ローダニン)、キサンテン、アリザリン、アクリジン、アクリジノン、カルボスチリル、クマリン、ジフェニルアミン、キナクリドン、キノフタロン、フェノキサジン、フタロペリノン、ポルフィン、クロロフィル、フタロシアニン、クラウン化合物、スクアリリウム、チアフルバレン、チアゾール、ニトロ染料、ニトロソ染料、発色後のロイコ染料などの染料系着色剤、またはチタンブラック、チタニウムイエロー、群青、紺青、コバルト青、カーボンブラック、鉄黒、酸化亜鉛、酸化コバルト、酸化珪素、水酸化アルミニウム、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、染色レーキ、澱粉、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂などの合成樹脂粒子、シリコーン粒子などの顔料系着色剤およびスチルベン系、ジスチルベン系、ベンゾオキサゾール系、クマリン系、イミダゾール系、ベンゾイミダゾール系、ピラゾリン系などの蛍光増白剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
また上記の着色剤の明度及び色度の調整の為に、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、二酸化チタン被覆雲母、硫酸バリウム、モリブデンホワイト、亜鉛華、リトポン、硫化亜鉛、石膏、鉛白等の白色顔料を併用することも可能である。
【0025】
これら着色剤については2種類以上の併用が好ましく、蛍光増白剤については、単独あるいは2種類以上併用することもできる。また、染料と顔料の混合比率は、色むらが生じない限り、いかなる比率で用いても良い。
【0026】
また、着色剤及び蛍光増白剤の使用量は、インク受理層中の全固形分重量に対して通常0.001〜1重量%使用される。但しインクジェット記録シートの蛍光強度が3を超えると、照明光源による色相変動や経時での光による褪色が大きくなるため、蛍光強度が3以下となるような使用量とすることが好ましい。また、インク受理層が多層である場合、着色剤や蛍光増白剤は該層の何れか1層に使用されていればよい。
【0027】
本発明において、インク受理層の塗設量は特に限定されるものではないが、あまり少ないとノンコートタイプインクジェット記録用紙と同様にインクの吸収性は良いものの、画像濃度・色彩性・鮮明性が低く、インクが原紙の面方向に拡散して、鳥の羽状にギザギザしたフェザリングと呼ばれるドット形状の悪化が発生し、良好な品質の画像が得られない。また、あまり塗設量が多いと、塗工又は含浸後の乾燥工程における乾燥負荷が高まり、塗工又は含浸速度の低下に伴う生産性の低下ばかりでなく、高負荷での乾燥では、インク受理層を構成する塗被組成物中のバインダーが、蒸発する溶媒と共にインク受理層表面に移動して、その表面の空隙量を低下させるために、記録時に地汚れなどの発生がある。該塗設量の範囲は1〜30g/m2、より好ましくは4〜20g/m2である。
【0028】
塗工量の多いインク受理層で生じる問題は、要求される品質に合わせて、インク受理層を複数に分けて設けることも可能であり、1層当たりのインク受理層の塗設量は塗被組成物の濃度や乾燥工程の能力に影響されるが、望ましくは、1〜30g/m2さらに好ましくは4〜20g/m2である。
【0029】
又、光沢を有するインクジェット記録シートについても上述のインク受理層と同じように、要求される品質に合わせた塗設量を設定すればよい。本発明で云う光沢を有するインクジェット記録シートとは、原紙上にインク受理層を設けスーパーカレンダー、ソフトカレンダー、TGカレンダー等でカレンダー処理したもの或いはキャスト処理したもの、最表層にコロイダルシリカやアルミナゾル等のコロイド粒子を塗設したもの或いはこれらをカレンダー処理、キャスト処理したもの、フィルムや工程紙上にインク受理層を予め塗設し、原紙或いは原紙に塗工層を設けた基材と貼り合わせたもの等、原紙を基材とし、表層に光沢を有するものを指す。
【0030】
本発明のインク受理層に含有される多孔性顔料とは、例えば合成シリカ(コロイダルシリカ、湿式法非晶質シリカ、気相法非晶質シリカ)、アルミナ(気相法アルミナ、γアルミナ)或はアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、擬ベーマイト等)で、超微粒の一次粒子あるいはこれらが凝集した粒子径0.01μm〜20μmの二次粒子を指し、塗工層を形成した時、一次粒子間の空隙が多数構成されて多孔性となる顔料をいう。これらの顔料を1種以上用いることができる。
【0031】
本発明に用いられる多孔性顔料を含む塗工層には、他の無機あるいは有機の微粒子を配合することも出来る。また、バインダーを含有することも好ましい。
【0032】
無機あるいは有機の微粒子としては、従来公知の各種顔料を用いることができる。例えば、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン微粒子、マイクロカプセル、尿素樹脂微粒子、メラミン樹脂微粒子などの有機顔料などが挙げられる。
【0033】
また、バインダーとしては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールまたはその誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系重合体などのアクリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス;或はこれら各種重合体のカルボキシ基などの官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水性接着剤;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合体または共重合体樹脂;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂系接着剤などを挙げることができる。
【0034】
バインダーの配合量としては、多孔質顔料及び必要ならその他の顔料との総和100重量部に対して、3〜70重量部、好ましくは、5〜50重量部であり、3重量部未満ではインク受理層の塗層強度が不足するし、70重量部を超えるとインク吸収性が低下する。
【0035】
更に、インク受理層には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜配合することもできる。
【0036】
特に、水性インクの染料分である水溶性直接染料や水溶性酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基などと不溶な塩を形成する2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩からなるカチオン性染料定着剤を配合すると、インク受理層にて染料が捕獲されるために、色彩性の向上や不溶な塩の形成により水の滴下や吸湿によるインクの流れだしや滲みだしを抑制するので好ましい。
【0037】
本発明のインクジェット記録シートに於いては、インク受理層を多層構成とし表面に光沢を発現する層を設けることも出来る。
【0038】
本発明に於ける、インク受理層を設ける方法としては、オンマシンコーター、オフマシンコーターのいずれでも良い。例えば、従来公知のエアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、キャストコーター、サイズプレスなどの各種装置をオンマシン或いはオフマシンで用いることができる。また、塗工後には、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を用いて仕上げることも可能である。
【0039】
本発明で使用される支持体としては、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどの木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、バインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造された原紙、更に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコールなどでのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙などの塗工紙も含まれる。この様な原紙および塗工紙に、そのまま本発明に係る塗層を設けても良いし、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を使用しても良い。
【0040】
また、該支持体の坪量としては、インク受理層を設けた後の坪量が、対象とする印刷用紙の坪量に近いか厚めになるよう選択されることが好ましい。これは、インクジェット記録において画像形成に使用される多量のインクにより発生するコックリング等の現象が、通常の印刷物とは異なる印象を与えるためである。よって、インクジェット記録シートを印刷用紙との坪量差を少なくするか、むしろ厚めにしておくことが好ましい。また、支持体を挟んだインク受理層の反対面には、カール適性を付与するために、バックコート層を塗設することも可能であり、その際の顔料としては、前述した無機或いは有機顔料が使用できるが、特に平板状顔料や加水ハロイサイトが好ましい。
【0041】
本発明において、インク受理層は多層構成であり、該層は支持体の片面或いは両面に設けられていても構わない。両面に受理層を設ける場合、対象とする印刷用紙が両面同じ構成ならば、インクジェット記録シートも同じ構成とし、また片面ずつ異なる構成ならばインクジェット記録シートもその各々の面に合わせた構成とすることが可能である。特に両面にインク受理層を設ける態様は、一般の印刷用紙と同様に両面を使えることとなり、実際の印刷物の仕上がりを正確に確認しやすい等の利点があるため好ましい。
【0042】
本発明で云うインクとは、下記の着色剤、液媒体、その他の添加剤からなる記録液体である。
【0043】
着色剤としては、例えば直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料或は食品用色素などの水溶性染料、カーボンブラックやフタロシアニン系等の有機顔料や酸化鉄、亜鉛華等の無機顔料の着色顔料が挙げられる。
【0044】
インクの溶媒としては、例えば水および水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、 sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトンまたはケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6 −ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール類;グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル類などが挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコールなどの多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
【0045】
その他の添加剤としては、例えば、PH調節剤、金属封鎖剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、および防錆剤などが挙げられる。
【0046】
【実施例】
以下に、本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。又、実施例に於いて示す「部」および「%」は、特に明示しない限り重量部及び重量%を示す。
【0047】
<原紙の作製>
濾水度450mlCSFのLBKP70部、濾水度450mlCSFのNBKP30部から成る木材パルプ100部に、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、市販アルキルケテンダイマー0.1部、市販カチオン系アクリルアミド0.03部、市販カチオン化澱粉1.0部、硫酸バンド0.5部を調成後、長網抄紙機を用いて坪量105g/m2で抄造し、市販酸化澱粉をインクラインドサイズプレスで乾燥付着量5g/m2とさせて乾燥して原紙Aを得た。
【0048】
<インク受理層>
上述の原紙上に塗設されるインク受理層は以下のように得た。光沢の低いマット調のインク受理層をインク受理層A、光沢の表面を有するインク受理層をインク受理層Bとした。
【0049】
(インク受理層A)
インク受理層Aの塗被組成物は、合成非晶質シリカ(ファインシールX37B:トクヤマ社製)100部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ株式会社製)30部、カチオン性染料定着剤(スミレーズレジン1001:住友化学工業株式会社製)20部を用い、固形分濃度13%に調整して得た。次いで該組成物を、エアーナイフコーターにより乾燥塗工量9g/m2となるように原紙A上に塗工し、これをスーパーカレンダー処理してインク受理層Aを得た。
【0050】
(インク受理層B)
インク受理層Bは2層からなる。上述のインク受理層Aの該インク受理層面側に、さらに以下の光沢が発現するインク受理層を積層した。該インク受理層の塗被組成物は、コロイダルシリカ(スノーテックスXL:日産化学株式会社製)100部、変性アクリルエマルジョン(モビニール8020:ヘキスト合成株式会社製)15部、アルカリ溶解したカゼイン(ニュージランド製)10部を用い、固形分濃度20%に調整して得た。該塗被組成物をインク受理層A上にエアナイフコーターを用いて乾燥塗工量10g/mとなるように塗工した後に、スーパー
カレンダー処理を行いインク受理層Bを得た。
【0052】
実施例1〜4、参考例1及び比較例1〜3
上述した原紙に、表1に示した割合で上記Bのインク受理層下層に各着色剤を配合したインク受理層を設け、実施例1〜4、参考例1及び比較例1〜3のインクジェット記録シートを作製した。
【0053】
校正対象の印刷用紙
校正対象の印刷用紙として、三菱製紙株式会社製マットコート紙、ニューVマット(坪量127g/m2)を使用した。
【0054】
【表1】
Figure 0004034488
【0055】
実施例1〜4、参考例1及び比較例1〜3と校正対象の印刷用紙の評価は、以下に示す方法により行い、結果を表2に示す。尚、測定および評価は、JIS−P8111に規定される環境下で行った。
【0057】
2)明度、色度及び色差
明度指数L*、知覚色度指数a*及びb*は、JIS−Z8722−1995に 準じて、色彩色差計(CR−200:ミノルタ株式会社製)を使用して、得られたインクジェット記録シートを測定した。色差(ΔL*、Δa*、Δb*)は印刷用紙を対象として計算した。
【0058】
3)蛍光強度
蛍光強度は、JIS P8148に準じた分光色彩・白度計(PF−10:日本電色株式会社製)を用いて、得られたインクジェット記録シートを測定した。尚、本測定に使用した機器の紫外光除去フィルターは、390nm以下の波長を50%カットする特性のものである。
【0059】
4)光褪色性評価
インクジェット記録シートの光褪色は、該記録シートをキセノンフェードメーター(Ci35:アトラス株式会社製)にて12時間処理し、処理前後のシートの色差(ΔE*)より光褪色の度合いを評価した。ここで色差ΔE*が3を超えると、シートの変褪色が著しく、実用上問題となる。
【0060】
5)見映え評価
得られたインクジェット記録シートに、インクジェットプリンタ(PM−750C:セイコーエプソン株式会社製)で、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのベタ画像とJIS−X9201記載の標準画像N3(果物かご)を印字し、印刷物としての見映えを総合的に評価した。尚、評価では、対象印刷用紙にオフセット印刷で同様の印刷を施したものとの比較で評価した。感覚的違いが極めて少ないものを◎、感覚的にあまり違和感なく受け入れられるものを○、違いがやや感じられるものを△、違いが極めて強く感じられるものを×とした。
【0061】
6)風合い評価
各記録シートの白紙の手触り、風合い等を感覚的に評価した。尚、評価では、対象印刷用紙との感覚的違いが極めて少ないものを◎、感覚的にあまり違和感なく受け入れられるものを○、違いがやや感じられるものを△、違いが極めて強く感じられるものを×とした。
【0062】
【表2】
Figure 0004034488
【0063】
表2から、対象とする印刷用紙との色差ΔL*、a*、b*が1.5以下である実施例1〜のインクジェット記録シートは、印刷校正用に使用した場合、その表面の組成が全く異なるにもかかわらず、本番印刷後の印刷物に極めて近い感触を実現でき、校正用に適したインクジェット記録シートであることが分かる。また、シートの蛍光強度が3以下であると、シートの光による変褪色が少なく、印刷用紙と比較しても遜色のない褪色性を有することから、校正用に更に適していると云える。印刷用紙との色差ΔL*、a*、b*が1.5を超えるような比較例1〜3では、印刷用紙に近い質感を得られず、特に従来のインクジェット記録シートの色相に近い比較例3では、見映え・風合いとも全く異なり、校正用途には不適であることが判る。
【0064】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明を実施することにより印刷校正用に適した、インクジェット適性のあるインクジェット記録シートを提供することが可能となる。

Claims (1)

  1. 支持体上にインク受理層を有するインクジェット記録シートにおいて、該インク受理層が多層構成であり、該インク受理層の何れか1層に、少なくとも2種類以上の着色剤と1種類以上の蛍光増白剤を、含有されるインク受理層の全固形分重量に対してそれぞれ0.001〜1重量%含有してなり、且つ該記録シートのインク受理層面の校正対象印刷用紙に対するJIS Z8730で規定される明度指数(L*)及び知覚色度指数(a*、b*)の差の絶対値が、それぞれ1.5以下であり、かつ、該インクジェット記録シートのJIS P8148 特性Bで規定される方法において測定された白色度と、同方法で紫外光除去フィルターを使用して測定した白色度の差で示される蛍光強度が、3以下であることを特徴とする校正用インクジェット記録シート。
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