JP2000343815A - 校正用インクジェット記録シート - Google Patents

校正用インクジェット記録シート

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JP2000343815A
JP2000343815A JP11213171A JP21317199A JP2000343815A JP 2000343815 A JP2000343815 A JP 2000343815A JP 11213171 A JP11213171 A JP 11213171A JP 21317199 A JP21317199 A JP 21317199A JP 2000343815 A JP2000343815 A JP 2000343815A
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Japan
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jet recording
ink jet
ink
jis
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JP11213171A
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English (en)
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Kazuhisa Nakao
和久 中尾
Koji Igarashi
宏二 五十嵐
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高精細な画像の印刷に適し、かつ優れた印刷校
正機能を持ったインクジェット記録シートを提供するこ
とにある。 【解決手段】支持体上に1層以上のインク受容層を設け
てなるインクジェット記録シートにおいて、その表層の
JIS−Z8722で規定される測定方法に従い、JI
S−Z8729で規定される明度指数(L*)及び知覚
色度指数(a*、b *)の値、及びJIS−P8142で
規定される75度鏡面光沢度(Gs)の値と、校正対象
の印刷用紙の明度指数(L*)及び知覚色度指数(a*
*)の値及び75度鏡面光沢度(Gs)の値の差が、
JIS−Z8730で規定される色差(ΔE*)≦2、
及び75度鏡面光沢度差の絶対値(|ΔGs|)≦15の
条件を満たし、かつインク受容層が多孔質顔料を含有す
る校正用インクジェット記録シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
方式を利用した、印刷校正用に使用されるインクジェッ
ト記録シートである。更に詳しくは、対象の印刷用紙に
色調、光沢及び手触り感を類似させた、印刷校正用に適
したインクジェット記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンターやプロ
ッターの目ざましい進歩により、フルカラーでしかも高
精細な画像が容易に得られるようになってきた。
【0003】インクジェット記録方式は、種々の作動原
理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シー
トに付着させ、画像・文字等の記録を行なうものであ
る。インクジェットプリンターやプロッターはコンピュ
ーターにより作成した文字や各種図形等の画像情報のハ
ードコピー作成装置として、種々の用途に於いて近年急
速に普及している。特に多色インクジェット方式により
形成されるカラー画像は製版方式による多色印刷やカラ
ー写真方式による印画に比較しても遜色のない記録を得
ることが可能であり、更に作成部数が少ない用途に於い
ては、印刷技術や写真技術によるよりも安価で済むこと
から広く応用されつつある。
【0004】近年、インクジェット記録方式を利用した
記録シートを使用して、印刷物の仕上がりを事前に確認
する為に印刷色校正用として利用されることも多くなっ
てきた。最近のプリンターでは印刷色校正用専用機とし
た製品も市場に出てきており、それに対応した記録シー
トの商品化が望まれていた。ここで印刷校正用として使
用されるインクジェット記録シートは、印刷用紙の色や
質感を忠実に再現することが最も重要である。
【0005】一般に印刷に用いられる印刷用紙の色合い
は、純粋な白ではなく、目的に応じて色合いを持たせて
いるのが一般的である。一方インクジェット用紙は、イ
ンク吸収性、色彩再現性などを要求され、使用する顔料
や接着剤及び各種添加剤に工夫がなされている。顔料と
しては吸収性を得るために多孔性の合成顔料を使用する
ことが多く、しかもインクジェット画像の色彩性を鮮明
にするために、その色合いは独特の白さのものとなる。
更にその顔料の性質上、光沢を出すことが難しく、通常
マット調と言われる無光沢のものが多い。光沢を得るた
めに、キャスト加工したインクジェット用紙もあるが、
この場合もその白さは顔料に由来した独特の白さであ
る。
【0006】上述の如く、既存のインクジェット記録シ
ートに於いては、印刷校正用として利用するにはインク
ジェット記録シートの明度、色度が大きく異なっていた
り、印刷用紙との光沢感や質感の違いが大きな問題とな
り、印刷校正用として利用した場合には印刷仕上がりを
再現するものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、印刷
校正に適し、インク吸収性に優れたインクジェット記録
シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、既存のイ
ンクジェット記録シートをそのまま印刷校正用に利用す
ると印刷用紙との光沢感や質感の違いが大きく、印刷校
正用として利用するに適さないことを見出した。
【0009】そこで本発明者らはインクジェット記録シ
ートと印刷用紙との種々の物性について鋭意検討した結
果、インクジェット記録に適した顔料を使用しても、そ
の表面の明度、色度を染料や着色顔料で対象とする印刷
用紙の明度、色度に類似させ、かつその光沢も類似させ
ることで、印刷校正用に適したインクジェット記録シー
トを作製出来ることを見出した。
【0010】即ち、本発明のインクジェット記録シート
は支持体上に1層以上のインク受容層を設けてなるイン
クジェット記録シートにおいて、その表層のJIS−Z
8722で規定される測定方法に従い、JIS−Z87
29で規定される明度指数(L*)及び知覚色度指数
(a*、b*)の値、及びJIS−P8142で規定され
る75度鏡面光沢度(Gs)の値と、校正対象の印刷用
紙の明度指数(L*)及び知覚色度指数(a*、b*)の
値及び75度鏡面光沢度(Gs)の値の差が、JIS−
Z8730で規定される色差(ΔE*)≦2、及び75
度鏡面光沢度差の絶対値(|ΔGs|)≦15の条件を満
たし、かつインク受容層が多孔質顔料を含有する校正用
インクジェット記録シートである。
【0011】また該インクジェット記録シートの坪量
(g/m2)を、該校正対象の印刷用紙の坪量−10%
〜坪量+50%の範囲にすることでより効果的である。
【0012】また、該インクジェット記録シートの該イ
ンク受容層が、表側のみならず支持体を介した反対側に
も設けられていてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインクジェット記
録シートを詳細に説明する。
【0014】本発明でいう色差は、JIS−Z872
2、並びにJIS−Z8720で規定される色の測定方
法及び測定光源に従って測定され、JIS−Z8729
で規定される明度指数(L*)及び知覚色度指数(a*
*)の値と、校正対象の印刷用紙の明度指数(L*)及
び知覚色度指数(a*、b*)の値から、JIS−Z87
30で規定される色差(ΔE*)を計算したものであ
る。更に具体的には、測定条件はD-n P、(JIS
−Z8722中の6.3.2参照)、光源を標準の光D
65を用いて行っている。
【0015】本発明のインクジェット記録シートに於い
て、インク受容層表面と対象印刷用紙表面との色差(Δ
*)をΔE*≦2の範囲内になるようにするためには、
インクジェット記録シートの支持体またはインク受容層
の少なくとも一方に各種着色剤を添加することで達成さ
れる。特にインク受容層中に着色剤を含有させた場合
に、色の明度、色度をコントロールし易く、本発明の効
果が更に高くなる。
【0016】また、本発明のインクジェット記録シート
における着色剤としては、染料系着色剤および顔料系着
色剤を使用可能であるが、記録シートの色調の保存性の
観点から顔料系着色剤を使用することが特に好ましい。
【0017】添加される着色剤としては、例えば、アゾ
化合物(ジチゾン、ホルマザン)、キノン系(ナフトキ
ノン、アントラキノン、アクリドン、アントアントロ
ン、インダントレン、ピレンジオン、ビオラントロ
ン)、キノンイミン(アジン、オキサジン、チアジ
ン)、インジゴ染料(インジルビン、オキシインジゴ、
チオインジゴ)、硫化染料、ジフェニルメタン、トリフ
ェニルメタン(フルオラン、フルオレセイン、ローダミ
ン)、フェロセン、フルオレノン、フルギド、ペリレ
ン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン(カロテ
ン、マレイン酸誘導体、ピロラゾン、スチルベン、スチ
リル)、ポリメチン(シアニン、ピリジニウム、ピリリ
ウム、キノリニウム、ローダニン)、キサンテン、アリ
ザリン、アクリジン、アクリジノン、カルボスチリル、
クマリン、ジフェニルアミン、キナクリドン、キノフタ
ロン、フェノキサジン、フタロペリノン、ポルフィン、
クロロフィル、フタロシアニン、クラウン化合物、スク
アリリウム、チアフルバレン、チアゾール、ニトロ染
料、ニトロソ染料、発色後のロイコ染料などの染料系着
色剤、またはチタンブラック、チタニウムイエロー、群
青、紺青、コバルト青、カーボンブラック、鉄黒、酸化
亜鉛、酸化コバルト、酸化珪素、水酸化アルミニウム、
アゾ顔料、フタロシアニン顔料、染色レーキ、澱粉、尿
素−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂などの合成樹脂粒
子、シリコーン粒子などの顔料系着色剤およびスチルベ
ン系、ジスチルベン系、ベンゾオキサゾール系、クマリ
ン系、イミダゾール系、ベンゾイミダゾール系、ピラゾ
リン系などの蛍光染料が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0018】また以上の着色剤の明度及び色度の調整の
為に、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、タルク、カオ
リン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、二酸化チタン、二酸化チタン被覆雲母、硫酸バリウ
ム、モリブデンホワイト、亜鉛華、リトポン、硫化亜
鉛、石膏、鉛白等の白色顔料を併用することも可能であ
る。
【0019】これらの着色剤は、単独あるいは2種類以
上併用することもできる。また、染料と顔料の混合比率
は、色むらが生じない限り、いかなる比率で用いても良
い。
【0020】更に、着色剤の濃度は所望の色合いが出せ
るものであれば、いかなる濃度で用いてもよいが、支持
体中に添加する場合、パルプに対して通常0.001〜
1重量%使用され、インク受容層中に添加する場合、イ
ンク受容層中の全固形分重量に対して通常0.001〜
1%使用される。
【0021】本発明のインクジェット記録シートは、支
持体上に1層以上のインク受容層を設けてなり、その表
層と対象印刷用紙表面との色差の他に、JIS−P81
42で定められた、75度鏡面光沢度の測定法によって
測定した75度鏡面光沢度と印刷用紙の75度鏡面光沢
度との差(ΔGs)を±15%の範囲にしている。より
好ましくはΔGsが±10%の範囲である。
【0022】75度鏡面光沢度の差(ΔGs)が±15
%以上あると、校正印刷が本番印刷の仕上がりとはかな
り異なった感じになり、校正用として適当でない。
【0023】光沢化処理には、スーパーカレンダー、グ
ロスカレンダー等の加工装置を用い圧力をかけたロール
間を通紙することで、塗層表面を平滑化する方法が一般
的である。また、湿潤塗層を鏡面を有する加熱ドラム面
に圧着し、その後乾燥、離型することによりその鏡面を
写し取ることによって得られる、いわゆるキャスト処理
も光沢化には有効である。その他、各種塗工液を各塗工
方式で塗工するだけで、後処理を行わずとも光沢化する
ことも可能である。本発明に於いては、以上のいずれの
光沢化処理を用いても、また以上の方法以外の公知の光
沢化処理を用いてもかまわないが、対象印刷用紙表面の
75度鏡面光沢度と本発明の校正用インクジェット記録
シートの75度鏡面光沢度との差が±15%の範囲にな
ればよい。
【0024】本発明のインク受容層には多孔性顔料を含
有する。本発明でいう多孔性顔料とは、例えば合成シリ
カ(コロイダルシリカ、湿式法非晶質シリカ、気相法非
晶質シリカ)、アルミナ(気相法アルミナ、γアルミ
ナ)或はアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルア
ルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和
物、擬ベーマイト等)で、超微粒の一次粒子あるいはこ
れらが凝集した粒子径0.01μm〜20μmの二次粒
子を指し、塗工層を形成した時、一次粒子間の空隙が多
数構成されて多孔性となる顔料をいう。これらの顔料を
1種以上用いることができる。
【0025】本発明に用いられる多孔性顔料を含む塗工
層には、他の無機あるいは有機の微粒子を、多孔性顔料
100部に対して40部以内で配合することも出来る。
また、バインダーを含有することも好ましい。
【0026】無機あるいは有機の微粒子としては、従来
公知の各種顔料を用いることができる。例えば、例え
ば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜
鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、
珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化
マグネシウムなどの白色無機顔料、スチレン系プラスチ
ックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、
ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン
樹脂などの有機顔料などが挙げられる。
【0027】また、バインダーとしては、酸化澱粉、エ
ーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導
体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチ
ン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールまたはその誘導
体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチ
レン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブ
タジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテック
ス;アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの
重合体または共重合体などのアクリル系重合体などのア
クリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合
体などのビニル系重合体ラテックス;或はこれら各種重
合体のカルボキシ基などの官能基含有単量体による官能
基変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂など
の熱硬化合成樹脂などの水性接着剤;ポリメチルメタク
リレートなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸エス
テルの重合体または共重合体樹脂;ポリウレタン樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポ
リマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの
合成樹脂系接着剤などを挙げることができる。
【0028】バインダーの配合量としては、多孔質顔料
及び必要ならその他の顔料との総和100重量部に対し
て、3〜70重量部、好ましくは、5〜50重量部であ
り、3重量部未満ではインク受容層の塗層強度が不足す
るし、70重量部を超えるとインク吸収性が低下する。
【0029】更に、インク受容層には、添加剤として、
染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡
剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、蛍光増白剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化
剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜配合す
ることもできる。
【0030】特に、水性インクの染料分である水溶性直
接染料や水溶性酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシ
ル基、アミノ基などと不溶な塩を形成する2級アミン、
3級アミン、4級アンモニウム塩からなるカチオン性染
料定着剤を配合すると、インク受容層にて染料が捕獲さ
れるために、色彩性の向上や不溶な塩の形成により水の
滴下や吸湿によるインクの流れだしや滲みだしを抑制す
るので好ましい。
【0031】本発明のインクジェット記録シートに於い
ては、インク受容層を多層構成とし表面に光沢発現層を
設けることも出来る。
【0032】本発明に於ける、インク受容層および光沢
発現層を設ける方法としては、オンマシンコーター、オ
フマシンコーターのいずれでも良い。例えば、従来公知
のエアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコー
ター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バー
コーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレ
ードコーター、ショートドエルブレードコーター、サイ
ズプレスなどの各種装置をオンマシン或いはオフマシン
で用いることができる。また、塗工後には、マシンカレ
ンダー、TGカレンダー、スーパカレンダー、ソフトカ
レンダーなどのカレンダー装置を用いて仕上げることも
可能である。
【0033】本発明における、インク受容層の塗工量は
特に制限はないが、1〜30g/m 2が好ましい。塗工
量が1g/m2未満であると十分な印字濃度およびイン
ク吸収性が得られないため好ましくなく、塗工量が30
g/m2を超えると記録シートのカール性が悪化するた
め好ましくない。また、インク受容層はある一定の塗工
量を数回に分けて塗設することも可能である。
【0034】本発明で使用される支持体としては、LB
KP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、RM
P、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パル
プ、DIPなどの古紙パルプなどの木材パルプと従来公
知の顔料を主成分として、バインダーおよびサイズ剤や
定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤な
どの各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、
円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製
造された原紙、更に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコー
ルなどでのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原
紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート
紙、キャストコート紙などの塗工紙も含まれる。この様
な原紙および塗工紙に、そのまま本発明に係る塗層を設
けても良いし、平坦化をコントロールする目的で、マシ
ンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダーなど
のカレンダー装置を使用しても良い。
【0035】また、該支持体の坪量としては、インク受
容層を設けた後の坪量が、対象とする印刷用紙の坪量−
10%〜坪量+50%の範囲であるに入るように選択さ
れることが好ましい。これは、インクジェット記録が水
性インクを使うことが多く、水性インクで画像を印刷す
るとインクジェット記録シートが多量のインク溶媒を含
むことになり、印刷物がくたくたになったり、コックリ
ングしたりして油性インクによる印刷とは異なる印象を
与えるためである。インクジェット記録シートを印刷用
紙との坪量差を少なくするか、むしろ厚めにしておくこ
とが好ましい。また、支持体を挟んだインク受容層の反
対面には、カール適性を付与するために、バックコート
層を塗設することも可能であり、その際の顔料として
は、平板状顔料や加水ハロイサイトが好ましい。
【0036】本発明はインク受容層が両面に設けられた
態様も包含している。この場合、対象とする印刷用紙が
両面同じ構成ならば、インクジェット記録シートも同じ
構成とし、また片面ずつ異なる構成ならばインクジェッ
ト記録シートもその各々の面に合わせた構成とするのが
好ましい。こうすることで印刷校正用途として両面を使
えることとなり、経済的に安価で済むこと、実際の印刷
物に近い構成をとれること、手触り等の感触が近くなる
など利点がある。
【0037】本発明で云うインクとは、下記の着色剤、
液媒体、その他の添加剤からなる記録液体である。
【0038】着色剤としては、例えば直接染料、酸性染
料、塩基性染料、反応性染料或は食品用色素などの水溶
性染料が挙げられる。
【0039】インクの溶媒としては、例えば水および水
溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピル
アルコール、n−ブチルアルコール、 sec−ブチルアル
コール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ルなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド
類;アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトンまた
はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンなどのエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6 −ヘ
キサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリ
コール、ジエチレングリコールなどのアルキレン基が2
〜6個のアルキレングリコール類;グリセリン、エチレ
ングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメ
チル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコー
ルモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アル
キルエーテル類などが挙げられる。これらの多くの水溶
性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコールなどの多価
アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどの
多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
【0040】その他の添加剤としては、例えば、PH調
節剤、金属封鎖剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整
剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、および防錆
剤などが挙げられる。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明の内容はこれらに限定されるものではない。
また、実施例において示す「部」および「%」は、特に
明示しない限り重量部および重量%を示す。
【0042】<インク受容層塗工液組成A>インク受容
層の塗被組成物は、BET比表面積270m2/gの合
成非晶質シリカ(ファインシールX−37B:トクヤマ
社製)50部、アルミナゾル(アルミナゾル−520:
日産化学工業製)30部、ポリビニルアルコール(PV
A117:クラレ製)30部、カチオン性染料定着剤
(スミレッズレジン1001:住友化学製)20部と
し、更に以下の表1に示した割合で各着色剤を添加しこ
れらを混合調液した。
【0043】<インク受容層塗工液B>インク受容層の
塗被組成物は、重質炭酸カルシウム(FMT90,ファ
イマテック社製)50部、カオリン(DBプライム、DR
Y BRANCH KAOLIN社製)50部、SBラテックス(JS
R0623,JSR社製)10部、澱粉(MS460
0,日本食品社製)2.5部を配合し、更に表1に示し
た割合で各着色剤を添加しこれらを混合調液した。
【0044】実施例1〜11及び比較例1〜3 坪量60g/m2のコート原紙に、表1に示した割合で
各着色剤を配合したインク受容層塗工液Aをエアーナイ
フコーターにより、片面乾燥塗布量10g/m 2となる
ようにコート原紙の両面に塗工・乾燥し、その後表1に
示した線圧でスーパーカレンダー処理を行い、実施例1
〜11及び比較例1〜3のインクジェット記録シートを
作製した。
【0045】実施例12 坪量60g/m2のコート原紙に、表1の実施例7に示
した割合で各着色剤を配合したインク受容層塗工液Aを
エアーナイフコーターにより、乾燥塗布量10g/m2
となるようにコート原紙の片面に塗工・乾燥し、その後
表1に示した線圧でスーパーカレンダー処理を行い、実
施例12のインクジェット記録シートを作製した。
【0046】実施例13 坪量76g/m2のコート原紙に、表1の実施例7に示
した割合で各着色剤を配合したインク受容層塗工液Aを
エアーナイフコーターにより、乾燥塗布量10g/m2
となるようにコート原紙の片面に塗工・乾燥し、その後
表1に示した線圧でスーパーカレンダー処理を行い、実
施例13のインクジェット記録シートを作製した。
【0047】実施例14 坪量76g/m2のコート原紙に、表1の実施例7に示
した割合で各着色剤を配合したインク受容層塗工液Aを
エアーナイフコーターにより、片面乾燥塗布量10g/
2となるようにコート原紙の両面に塗工・乾燥し、そ
の後表1に示した線圧でスーパーカレンダー処理を行
い、実施例14のインクジェット記録シートを作製し
た。
【0048】実施例15 坪量103g/m2のコート原紙に、表1の実施例7に
示した割合で各着色剤を配合したインク受容層塗工液A
をエアーナイフコーターにより、乾燥塗布量10g/m
2となるようにコート原紙の片面に塗工・乾燥し、その
後表1に示した線圧でスーパーカレンダー処理を行い、
実施例15のインクジェット記録シートを作製した。
【0049】実施例16 坪量103g/m2のコート原紙に、表1の実施例7に
示した割合で各着色剤を配合したインク受容層塗工液A
をエアーナイフコーターにより、片面乾燥塗布量10g
/m2となるようにコート原紙の両面に塗工・乾燥し、
その後表1に示した線圧でスーパーカレンダー処理を行
い、実施例16のインクジェット記録シートを作製し
た。
【0050】比較例4 坪量60g/m2のコート原紙に、表1に示した割合で
各着色剤を配合したインク受容層塗工液Bをエアーナイ
フコーターにより、乾燥塗布量10g/m2となるよう
にコート原紙の両面に塗工・乾燥し、その後表1に示し
た線圧でスーパーカレンダー処理を行い、比較例4のイ
ンクジェット記録シートを作製した。
【0051】校正対象の印刷用紙 校正対象の印刷用紙として、三菱製紙製コート紙、オフ
リンパールコートL(坪量81.4g/m2)を使用し
た。
【0052】
【表1】
【0053】実施例1〜14及び比較例1〜4と校正対
象の印刷用紙の評価は、以下に示す方法により行い、結
果を表2、表3に示す。尚、測定および評価は、JIS
−P8111に規定される環境下で行った。
【0054】1)光沢度 75度鏡面光沢度は、JIS−P8142−1993に
準じて、日本電色工業製変角光沢度計VGS−1001
DPを用いて得られたインクジェット記録シートを測定
した。ΔGsは印刷用紙との差である。 2)明度、色度及び色差 明度指数L*、知覚色度指数a*及びb*は、JIS−Z
8722−1995に準じて、ミノルタ製色彩色差計C
R−200を使用して、得られたインクジェット記録シ
ートを測定した。色差(ΔE*)は印刷用紙を対象とし
て計算した。 3)インク吸収性 インク吸収性の評価は、インクジェット記録装置である
キャノン(株)製BJC−420Jを使い、シアンイン
ク、マゼンタインクで重色の升目形パターンを印字し、
この印字パターンと未印字部分の境界部分を下記の基準
に従って、目視にて評価した。 ◎:境界部分には滲みが認められない ○:境界部分には殆ど滲みが認められない △:境界部分には滲みが認められる ×:境界部分に顕著に滲みが認められる 良好なインク吸収性を示すのは、◎〜○の評価である。 4)風合い評価 各記録シートの白紙の手触り、風合い等を感覚的に評価
した。尚、評価では、対象印刷用紙との感覚的違いが極
めて少ないものを◎、感覚的にあまり違和感なく受け入
れられるものを○、違いがやや感じられるものを△、違
いが極めて強く感じられるものを×とした。 5)見映え評価 得られたインクジェット記録シートに、エプソン製イン
クジェットプリンタ−(PM−750C、専用光沢紙モ
ード)でブラック、シアン、マゼンタ、イエローのベタ
画像とJIS−X9201記載の標準画像N3(果物か
ご)を印字し、印刷物としての見映えを総合的に評価し
た。尚、評価では、対象印刷用紙にオフセット印刷で同
様の印刷を施したものとの比較で評価した。感覚的違い
が極めて少ないものを◎、感覚的にあまり違和感なく受
け入れられるものを○、違いがやや感じられるものを
△、違いが極めて強く感じられるものを×とした。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】表3から対象とする印刷用紙とのΔE*
2以下で、かつ光沢差ΔGsが±15以内である実施例
1〜16のインクジェット記録シートは、印刷校正用に
使用した場合、その表面の組成が全く異なるにもかかわ
らず本番印刷後の印刷物に極めて近い感触を実現出来、
校正用に適したインクジェット記録シートであることが
分かる。また対象とする印刷用紙と坪量の違いも少ない
方が、良好である。ΔE *が2以内でもΔGsが大きかっ
たり(比較例1、2)、ΔE*が2以上であったり(比
較例3)するものは、対象との感覚的ずれが大きく校正
用としては不適であった。比較例3は着色剤無添加で従
来のインクジェット記録シートに相当する。またインク
受容層にシリカ等多孔性顔料を使用してないもの(比較
例4)はインク吸収性が悪く、インクジェット記録によ
る校正用には不適であった。
【0058】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明を実施するこ
とにより印刷校正用に適した、インクジェット適性のあ
るインクジェット記録シートを提供することが可能とな
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に1層以上のインク受容層を設
    けてなるインクジェット記録シートにおいて、その表層
    のJIS−Z8722で規定される測定方法に従い、J
    IS−Z8729で規定される明度指数(L*)及び知
    覚色度指数(a*、b*)の値、及びJIS−P8142
    で規定される75度鏡面光沢度(Gs)の値と、校正対
    象の印刷用紙の明度指数(L*)及び知覚色度指数
    (a*、b*)の値及び75度鏡面光沢度(Gs)の値の
    差が、JIS−Z8730で規定される色差(ΔE*
    ≦2、及び75度鏡面光沢度差の絶対値(|ΔGs|)≦
    15の条件を満たし、かつインク受容層が多孔質顔料を
    含有することを特徴とする校正用インクジェット記録シ
    ート。
  2. 【請求項2】 該インクジェット記録シートの坪量(g
    /m2)が、該校正対象の印刷用紙の坪量−10%〜坪
    量+50%の範囲である請求項1記載の校正用インクジ
    ェット記録シート。
  3. 【請求項3】 該インクジェット記録シートの該インク
    受容層が、表側のみならず支持体を介した反対側にも設
    けられていることを特徴とする請求項1乃至2記載の校
    正用インクジェット記録シート。
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