JP2000211247A - インクジェット記録体 - Google Patents
インクジェット記録体Info
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- JP2000211247A JP2000211247A JP1465899A JP1465899A JP2000211247A JP 2000211247 A JP2000211247 A JP 2000211247A JP 1465899 A JP1465899 A JP 1465899A JP 1465899 A JP1465899 A JP 1465899A JP 2000211247 A JP2000211247 A JP 2000211247A
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Abstract
よび記録体表面の光沢性に優れ、銀塩写真に匹敵する高
解像度、高精細な画像、銀塩写真ライクな風合い(手触
り、視感白色度、剛度など)をもつインクジェット記録
体を提供する。 【解決手段】支持体に少なくとも1層の記録層を設けて
なるインクジェット記録体において、記録層の少なくと
も1層が、着色剤と蛍光染料のうち少なくとも一種及び
平均粒径が1μm以下の顔料を含有し且つ不透明度が5
0%以下であることを特徴とするインクジェット記録
体。
Description
インク吸収性、印字品位、および記録体表面の光沢性に
優れ、銀塩写真に匹敵する高解像度、高精細な画像、銀
塩写真ライクな風合い(手触り、視感白色度、剛度な
ど)をもち、かつ印字後の耐湿、耐水性そして耐光性、
長期保存性などに優れた画像の形成が可能なインクジェ
ット記録体及びその製造方法に関する。
体に飛翔させ、直接付着させて記録を行う記録方式であ
る。インクジェットプリンターは、容易に多色記録を行
うことができるため、コンピューターからの文字や各種
図形の出力機として、近年、一般用およびオフィス用と
して急速に普及している。インクジェットによる多色記
録は、複雑な画像を正確かつ迅速に形成することがで
き、形成されるカラー画像も、製版方式による多色印刷
やカラー写真方式による印画と比較して、優るとも劣ら
ない記録を得ることが可能である。印字部数が少ない用
途に用いる場合は、印刷技術や写真技術よりも低コスト
で利用できるというメリットも持ち合わせている。
及、フォトインクを搭載した高精細な画像が出力可能で
安価なインクジェットプリンターが入手可能なことなど
より、銀塩写真に匹敵する画像を出力する被記録体の需
要が高まっている。プリンターの高精細化、高速化、フ
ルカラー化に伴い、被記録体に対してもより高度な特性
が要求されるようになった。特に銀塩写真に匹敵する画
像、風合いをもたせるため、高インク吸収速度及び吸収
容量、ドットの真円性、画像の高濃度化、表面の高光沢
化、高平滑化以外に銀塩写真ライクな風合い(手触り、
視感白色度、剛度など)、特に人間が見たときにより白
く感ずる白さ(視感白色度)に優れる記録体が強く求め
られている。
量、ドットの真円性、画像の高濃度化、表面の高光沢
化、高平滑化を得るために、(特開平9−286165
号公報、特開平10−86510号公報、特開平10−
181184号公報)に示すように、記録層に平均粒径
3〜40nmの1次粒子により構成される平均粒径10
〜300nmの2次微細粒子を使用することや記録層を
成形面に塗工し、支持体に転写する転写法を提案してき
た。これらの方法で得られた記録体はインクの吸収性、
ドットの真円性、印字濃度、光沢性に優れ、銀塩写真に
劣らず良好であるが、視感白色度が低く、銀塩写真との
視覚差があった。従来より支持体あるいは支持体表面に
着色剤、蛍光染料を含有するインクジェット記録体が提
案されている。例えば、特開平4−219266号公報
では、支持体表面に蛍光染料、支持体裏面に紫外線吸収
剤を含有するインクジェット記録体が記載されている
が、この発明は被記録体の表裏の判別を容易にするもの
である。しかし、この被記録媒体は、表裏の判別は容易
であるが、記録層に使用する顔料の粒径が大きく、記録
層の平滑性や透明性がなく、印字濃度、ドットの真円
性、記録体の光沢性が劣る問題があり、銀塩写真には程
遠いものであった。
変色のないインクジェット記録体を得るため、擬ベーマ
イト記録層上に蛍光増白剤を塗布する報告があった(特
開平7−68920号公報)。しかし蛍光増白剤の塗布
濃度が低いと視感白色度が向上せず、蛍光増白剤の塗布
濃度を高くするとインク吸収性が著しく低下するだけで
なく、記録層の不透明度が高くなり、高印字濃度が得ら
れない。さらに、特開平8−207422号公報では、
被記録体の装飾性、印字した文字や画像の視認性を目的
とし、記録層の明度指数L、および視覚色度指数a,b
を規定、記録層中に着色剤を含有することが報告されて
いるが、着色したインクジェット記録シートを提供する
ことにより装飾、画像の視認性を向上させるもので、視
感白色度を改良するものではなかった。また、記録層に
使用する顔料が大きく、記録層の透明性が劣り、高印字
濃度や平滑性を得ることが困難である。
解決し、視感白色性に優れ、印字濃度が高く、インク吸
収性、印字品位、および記録体表面の光沢性に優れ、銀
塩写真に匹敵する高解像度、高精細な画像、銀塩写真ラ
イクな風合い(手触り、剛度など)を有するインクジェ
ット記録体を提供することを目的としている。
決するために鋭意検討を重ねた結果、記録層を有するイ
ンクジェット記録体において、少なくとも1層が平均粒
径1μm以下の顔料、及び着色剤と蛍光染料のうち少な
くとも一方を含有し、且つ該層の不透明度が50%以下
にすることで上記の問題を解決されることを見出した。
このように不透明度を50%以下にすることにより、結
果的に画質、印字濃度を向上させ、また記録体表面の平
滑性を改良することができる。
性を得るため、顔料の主成分は平均粒径3〜40nmの
1次粒子より構成される平均粒径10〜500nmの2
次超微細粒子であり、該超微細粒子はシリカ、アルミナ
シリケートから選ばれることが好ましい。視感白色度を
より銀塩写真に近づけるために、着色剤、蛍光染料の含
有量は顔料100部に対して1部以下に調整される。着
色剤、蛍光染料のうち染料系は光によって分解されやす
いため顔料系着色剤が好ましく選択され、その中でも視
感白色度の点からジオキサジン系化合物、フタロシアニ
ン系化合物が最も良好である。さらに、記録層表面が成
形面により光沢処理されると銀塩写真以上に高光沢、高
平滑のインクジェット記録体が得られる。
限るものではない。 [1]支持体に少なくとも1層の記録層を設けてなるイ
ンクジェット記録体において、記録層の少なくとも1層
が、着色剤と蛍光染料のうち少なくとも一種及び平均粒
径が1μm以下の顔料を含有し且つ不透明度が50%以
下であることを特徴とするインクジェット記録体。 [2]記録層全体の不透明度が70%以下であることを
特徴とする[1]記載のインクジェット記録体。 [3]平均粒径が1μm以下の顔料が、平均粒径3〜4
0nmの1次粒子より構成される凝集粒子顔料であり凝
集粒子の平均粒径が10〜500nmであり、且つシリ
カとアルミナシリケートから選ばれる少なくとも1種の
顔料であることを特徴とする[1]または[2]記載の
インクジェット記録体。 [4]記録層の少なくとも1層が、顔料系着色剤及び平
均粒径が1μm以下の顔料を含有し且つ不透明度が50
%以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれ
かに記載のインクジェット記録体。 [5]顔料系着色剤がジオキサジン系化合物とフタロシ
アニン系化合物から選ばれる少なくとも1種である
[4]記載のインクジェット記録体。
に着色剤と蛍光染料のうち少なくとも一種及び平均粒径
が1μm以下の顔料を含有し且つ不透明度が50%以下
である記録層(着色層ともいう)を有し、更に上層の記
録層を有する[1]記載のインクジェット記録体。 [7] 上層の記録層の不透明度が35%以下であること
を特徴とする[6]記載のインクジェット記録体。 [8] 上層の記録層が平均粒径3〜40nmの1次粒子
より構成される平均粒径10〜500nmの2次粒子
(凝集粒子)顔料であり、且つシリカとアルミナシリケ
ートから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とす
る[6]または[7]記載のインクジェット記録体。 [9] 着色剤と蛍光染料の少なくとも1種の含有量が顔
料100重量部に対して1重量部以下であることを特徴
とする[1]記載のインクジェット記録体。 [10] 記録層がカチオン系化合物を含有することを特
徴とする前記いずれかに記載のインクジェット記録体。 [11] 記録層に紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化
剤より選ばれる耐光性向上剤を含有することを特徴とす
る前記いずれかに記載のインクジェット記録体。 [12]記録層表面が成形面により光沢処理されることを
特徴とする前記いずれかに記載のインクジェット記録
体。 [13] いずれかの記録層(多層構成の記録層の場合好
ましくは少なくと上層の記録層)は成形面に塗被成膜し
た後、支持体に(他の記録層を有する場合はその記録層
に)転写してなることを特徴とする[12]記載のインク
ジェット記録体。 [14] 上層の記録層及び着色層が平均粒径3〜40nm
の1次粒子より構成される平均粒径10〜500nmの
2次粒子(凝集粒子)顔料であり、且つシリカとアルミ
ナシリケートから選ばれる少なくとも1種であることを
特徴とする[6]または[7]記載のインクジェット記録
体。
ェット記録体において、少なくとも1層が顔料、及び着
色剤、蛍光染料のうち少なくとも一方を含有し、且つ該
層(以下、着色層と称する)の不透明度が50%以下で
あることを特徴とするインクジェット記録体を提供する
ものである。
不透湿性のいずれも選ばない。例えば、セロハン、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、ポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリスチレンなどのプラ
スチックフィルム類、上質紙、アート紙、コート紙、キ
ャスト塗工紙、箔紙、クラフト紙、ポリエチレンラミネ
ート紙、含浸紙、蒸着紙、水溶性紙等の紙類、金属フォ
イル、合成紙などが適宜使用される。特に、セロハン、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどの不
透湿性プラスチックフィルム類は、その表面が平滑であ
るため、表面平滑性、表面光沢性により優れた高品位イ
ンクジェット記録体を得ることが可能である。また、被
記録体の装飾性のため、着色された支持体を用いること
もできる。支持体には予め塗工層を設けて、記録層の接
着性を良くしたり、他の目的で予め下塗り層を設けるこ
ともできる。
などによるカチオン変性シリカを含む)、アルミナシリ
ケート、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸
化スズ、硫酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化
アルミニウム、擬ベーマイト、炭酸カルシウム、サチン
ホワイト、ケイ酸アルミニウム、スメクタイト、ゼオラ
イト、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マ
グネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメン
ト、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナ
ミン系プラスチックピグメントなど、一般に塗工紙分野
で公知公用の各種顔料が適宜使用される。その中でも非
晶質シリカ(アルミナなどにより表面処理を行ったカチ
オン変性シリカを含む)、アルミナシリケート、ゼオラ
イト、炭酸カルシウムが好ましく、特に非晶質シリカ、
アルミナシリケートが好ましく、とりわけ非晶質シリカ
が好ましく使用される。
ともいう)の不透明度を50%以下に制御することによ
り光沢性、高印字濃度が得られるが、このためには顔料
の平均粒径が1μm以下とする。さらに、優れた印字濃
度、高平滑性を得るため、本発明の顔料の主成分は平均
粒径3〜40nmの1次粒子より構成される平均粒径1
0〜500nmの2次粒子(凝集粒子)であることが好
ましい。2次粒子(凝集粒子)の平均粒子径は好ましく
は10〜400nmである。平均粒径3〜40nmの1
次粒子より構成される平均粒径10〜500nmの2次
粒子は、例えば数μmの直径を有する凝集粒子を機械的
手段により粉砕、分散すること、つまりbreakin
g down法(塊状原料を細分化する方法)により得
られる。機械的手段としては、超音波ホモジナイザー、
高速回転ミル、サンドグラインダー、圧力式ホモジナイ
ザーなどの利用があげられる。本発明における平均粒径
は電子顕微鏡(TEM、SEM)で観察した値である
(「微粒子ハンドブック」、朝倉書店、p52参照)。
系着色剤としてはアゾ化合物(ジチゾン、ホルマザ
ン)、キノン系(ナフトキノン、アントラキノン、アク
リドン、アントアントロン、インダントレン、ピレンジ
オン、ビオラントロン)、キノンイミン(アジン、オキ
サジン、チアジン)、インジゴ染料(インジルビン、オ
キシインジゴ、チオインジゴ)、硫化染料、ジフェニル
メタン、トリフェニルメタン(フルオラン、フルオレセ
イン、ローダミン)、フェロセン、フルオレイン、フル
ギド、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエ
ン(カロテン、マレイン酸誘導体、ピロラゾン、スチル
ベン、スチリル)、ポリメチン(シアニン、ピリジニウ
ム、ピリリウム、キノリニウム、ローダニン)、キサン
テン、アリザリン、アクリジン、アクリジノン、カルボ
スチリル、クマリン、ジフェニルアミン、キナクリド
ン、キノフタロン、フェノキサジン、フタロペリノン、
ポルフィン、クロロフィル、フタロシアニン、クラウン
化合物、スクラリリウム、チアフルバレン、ニトロ染
料、ニトロソ染料、発色後のロイコ染料などが挙げられ
る;
物、ペリノン系化合物、チオインジコ系化合物、イソイ
ンドリノン系化合物、ジオキサジン系化合物、キナクリ
ドン系化合物、フタロシアニン系化合物、染色レーキ等
が挙げられる;
柄、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、黄鉛、チ
タンブラック、チタンイエロー、硫酸バリウム、モリブ
デンホワイト、モリブデンレッド、亜鉛華、リトポン、
硫化亜鉛、鉛白、ブロンズ粉、フェロシアン化系紺群
青、紺青、コバルトブルー、カーボンブラック、鉄黒、
酸化クロム、酸化亜鉛、酸化コバルトなどが挙げられ
る;
誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、イミ
ダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、ピラゾリン誘導
体、ベンジジン誘導体などが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。これらの着色剤、蛍光染料(蛍
光顔料をも含む)は単独或いは2種類以上併用すること
も可能である。
題がない範囲でいかなる比率でも併用することができ
る。被記録体の色調の長期保存性、耐薬品性、耐熱性、
発色性の観点より、顔料系着色剤を使用することが好ま
しい。さらに、視感白色度の向上、被記録体をより彩度
高く装飾するため有機顔料系着色剤がより好ましく、銀
塩写真ライクな風合いを持たせるためジオキサジン系化
合物及びフタロシアニン系化合物が最も好ましい。
の着色剤、蛍光染料の添加量は特に限定しないが、見掛
けの白さを増す目的では顔料100重量部に対して1重
量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5
重量部以下、最も好ましくは0.3重量%以下。含有量
が1重量部を超えると視感白色度が高くなりすぎて着色
層の不透明度が上がり、印字濃度、画質が低下する恐れ
がある。
性染料を使用するものが多く、印字後のインクの耐湿
性、耐水性を向上させるため、記録層中にカチオン樹脂
を含有することが望ましい。カチオン樹脂としては、例
えば、ポリエチレンアミンやポリプロピレンポリアミン
などのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、
第三級アミン基や第四級アンモニウム基を有するアクリ
ル樹脂、ジアクリルアミンなどが挙げられる。カチオン
樹脂の添加量も限定しないが、顔料100重量部に対し
て1〜30重量部、さらには5〜25重量部の範囲で調
製される。
性、長期保存性を向上させるため、記録層に紫外線吸収
剤、酸化防止剤、光安定化剤、多価金属イオン、多価金
属イオン含有カチオン系化合物を含有させることが望ま
しい。紫外線吸収剤としては、有機系、無機系のものが
適宜選択され、有機系の紫外線吸収剤としてはサリチル
酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シア
ノアクリレート系等の公知のものが挙げられる。無機系
の紫外線吸収剤としては酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化
チタン、酸化イットリウム等の遷移金属酸化物が適宜使
用される。本発明では、塗工適性及び印字後の耐光性か
ら有機系ではベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、無機
系では酸化セリウムが有効である。
防止するフェノール系(モノフェノール系、ビスフェノ
ール系、高分子型フェノール系等)、リン系、硫黄系の
酸化防止剤と、HALS(Hindered Amine Light St
abilizer)と呼ばれる新しい光安定剤が挙げられる。
加することにより記録画像の耐光性等を改良することも
できる。多価金属イオンとしてはカルシウム、銅、ニッ
ケル、コバルト、マグネシウム、亜鉛、バリウム等の2
価金属イオンやアルミニウム、鉄、クロムなどの3価金
属イオンが挙げられる。多価金属イオンは塩化物、硫酸
塩、塩素酸塩、硝酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、クロロハイド
レート、マロン酸塩、コハク酸塩及び他の弱い有機酸塩
としてカチオン系化合物と混合し、多価金属含有カチオ
ン系化合物を得ることができる。耐光性の面から、銅、
ニッケル、亜鉛、コバルトがより好ましい。カチオン系
化合物は特に選択されることなく公知公用のカチオン系
化合物がブレンドされ使用され、前記のカチオン樹脂が
例示できるが、特にポリアミン系化合物から選択される
ことが好ましい。多価金属含有カチオン系化合物として
は特に含銅ポリアミン系縮合物、含ニッケルポリアミン
系縮合物等が好ましい。
は特に限定しないが0.001〜5g/m2の範囲に調
節する。好ましくは0.01〜1.0g/m2の範囲で
ある。少ないと効果が得られにくく、多すぎるとインク
吸収性や発色性を阻害する恐れもある。また、記録層中
に含有させる方法は、塗料にブレンドして使用する方法
も可能だが、溶液を塗工層の上に塗布して塗工層に含有
させることも可能である。
料を含有する記録層(着色層)には接着剤(バインダ
ー)を含有させる。接着剤としては、水溶性樹脂(たと
えばポリビニルアルコール(以下PVAとも称す)、カ
チオン性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニル
アルコール等の変性ポリビニルアルコール、カゼイン、
大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメ
チルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導
体)、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリ
レート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテ
ックス、アクリル系重合体ラテックス、スチレン−酢酸
ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックスなどの
一般に塗工紙に用いられている公知の接着剤(バインダ
ー)が単独或いは併用して用いられる。記録層と支持
体、或いは記録層間の接着性を上げるためには、水溶性
樹脂が好ましい。
比は100/2〜100/200、好ましくは100/
5〜100/100の範囲に調節される。接着剤(バイ
ンダー)の添加量が多いと、粒子間の細孔が小さくな
り、インク吸収速度が得られにくい。一方、接着剤(バ
インダー)が少なすぎると記録層に大きなひび割れが起
こり、画質、印字濃度が低下する恐れがある。
散体、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、腐食剤な
どの各種助剤が適宜添加される。記録層は上記の着色剤
または蛍光染料及び顔料を含有する記録層(着色層)の
みにより構成してもよいが、インク吸収性等を上げるた
めに他の記録層を設けてもよい。本発明の着色層の不透
明度(JIS P8138)は、50%以下である。不
透明度は好ましくは40%以下、より好ましくは30%
以下である。50%を超えると記録層の透明性が不足
し、画質の低下、印字濃度の低下を招き、また記録体表
面の目視評価による平滑性やボコツキに劣るため、銀塩
写真並の画質が得られない。
きる。このような態様においては、全記録層の不透明度
が70%以下であることが好ましい。また例えば支持体
上に、前記着色剤若しくは蛍光染料と顔料を含有する記
録層(着色層)を設け、更にその上に記録層を設ける態
様においては、着色層上に設ける記録層(上層)の不透
明度を35%以下に調整することが印字濃度、光沢性、
インク吸収性の点で好ましい。着色層以外の記録層も、
着色層に関して前記した顔料、バインダーなどにより構
成することができるが、上記のように、他の記録層の不
透明度も小さくして優れた表面平滑性、光沢性等を得る
ためには、他の記録層に含有させる顔料の平均粒子径も
小さいものとすることが好ましく、前記のように例えば
平均粒子径1μm以下の微細粒子顔料が好ましく、より
好ましくは一次粒子径の平均値が3〜40nmで2次粒
子(凝集粒子)平均粒径が10〜500nm等前記特定
粒径の顔料を含有させる。
いが、全記録層の塗工量合計が3〜60g/m2、好ま
しくは10〜50g/m2に調整される。
膜させた後、支持体あるいは他の記録層上に転写すると
よりすぐれた光沢が得られる。成形面としてはセロハ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニ
ル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステルなどのプラスチ
ックフィルム類、ポリエチレンラミネート紙、グラシン
紙、含浸紙、蒸着紙等の紙類、金属フォイル、合成紙な
どのシート類及び無機ガラス、金属、プラスチックなど
の高平滑表面を有するドラムや板類が適宜使用される。
より優れた光沢性、平滑性を得るため、成形面に使用さ
れる材料としては、セロハン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポ
リエステルなどのプラスチックフィルム類、無機ガラ
ス、金属、プラスチックなどのドラムや板類など高表面
平滑性を有する材料が好ましい。特に、製造工程及び成
形面と記録層の剥離適性などの観点から、高分子フィル
ム(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルな
ど)、高平滑表面を有する金属ドラムがより好ましい。
では成形面は平滑である方が好ましく、成形面の表面粗
さ(JIS B−0601)は、好ましくはRaが0.5
μm以下、より好ましくは0.05μm以下である。尚、表
面粗さをコントロールして、セミグロス調、マット調な
どの風合いを持たせることが可能である。
支持体(予め塗工層を有する場合も含む)との接着力よ
りも、成形面と記録層との接着力を小さく制御するため
に、成形面にシリコンやフッ素樹脂などの剥離性を有す
る化合物を塗布して使用することも可能である。
他の記録層)が接着さえできれば特に接着方法は限定す
るものではない。接着は圧力(5〜150Kg/cm)
と熱(30〜100℃)のみで可能だが、より好ましく
は上層及び/または下層に記録層絶乾重量に対して水分
が50〜350%になるように蒸気を当てたり、或いは
水塗りしてカレンダー等により圧着することによって実
現可能である。勿論、支持体に中間層(接着剤、感圧接
着剤など)を予め設け接着することが可能であるが、よ
り有効的な方法としては、中間層をインク吸収性を有す
る記録層にすることである。つまり、支持体に記録層を
塗工し、ウエットの状態で貼り合わせてから乾燥し接着
する。
とにより記録層の乾燥を行うキャスト塗工法により記録
層の平滑化処理を行うこともできる。インクジェット記
録体の記録面側の75°光沢は好ましくは20%以上、
より好ましくは30%以上である。
コーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バー
コーター、グラビアコーター、ロッドブレードコータ
ー、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター
など、公知の各種塗工装置が挙げられる。
れるインクとしては、像を形成させる色素と該色素を溶
解あるいは分散する溶媒を必須成分をし、必要に応じて
各種分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、比抵抗調整剤、
pH調整剤、防かび剤、記録材の溶解あるいは分散安定
化剤などの各種助剤が適宜添加される。
染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素、
分散染料、油性染料及び各種顔料などが挙げられるが、
従来公知の記録剤は特に制限なく使用できる。上記色素
の含有量は、溶媒成分の種類、インクに要求される特性
などにより決定されるが、本発明におけるインクにおい
ても、従来のインク中の配合、つまり0.1〜20wt
%程度の使用で特に問題はない。
は、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアル
コール、エチルアルコール、n―プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、n―ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコ
ール類、アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトン
あるいはケトンアルコール類、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレング
リコール類、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チ
オジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレング
リコールなどのアルキレン基が2〜6個のアルキレング
リコール類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、テ
トラヒドロフランなどのエーテル類、グリセリン、エチ
レングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコール
メチル(エチル)エーテル、トリエチレングリコールモ
ノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキル
エーテル類などがある。
に説明するが、もちろんこれらに限定されるものではな
い。また、例中の部及び%は特に断らない限り、水を除
いた固形分であり、それぞれ重量部及び重量%を示す。 [シリカゾルA]凝集粒子平均粒径3μmの合成無定型
シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil、
HD−2、一次粒径15nm)をサンドグラインダーと
圧力式ホモジナイザーを用いて繰り返し粉砕分散し、凝
集粒子平均粒子径100nmの微細粒子からなる分散液
を調製した。さらに、分散液にカチオン樹脂としてカチ
オン性アクリルアミド樹脂(住友化学工業社製、商品
名:スミレーズレジンSR−1001)15部を添加し
てシリカ分散液を凝集させた後、再度圧力式ホモジナイ
ザーを用いて粉砕分散し、凝集粒子の平均粒子径850
nmの微細粒子からなる12%分散液を調製した。 [シリカゾルB]シリカゾルAをさらに粉砕分散を繰り
返し、凝集粒子の平均粒子径400nmの微細粒子から
なる12%分散液を調製した。 [シリカゾルC]シリカゾルBをさらに粉砕分散を繰り
返し、凝集粒子の平均粒子径150nmの微細粒子から
なる8%分散液を調製した。尚、粉砕分散によって一次
粒径の大きさは変わらない。
ラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:350
0、ケン化度:99%以上)30部、着色剤として顔料
系着色剤であるジオキサジン化合物(商品名:TB−1
500 Violet 3R、大日精化社製)と顔料系
着色剤であるフタロシアニン化合物(商品名:TB−5
20 Blue 2B,大日精化社製)の3:1混合物
を0.2部混合した15%水溶液(以下、塗工液A2)
をメイヤーバーで塗工量が15g/m2となるように市
販原紙(王子製紙社製、商品名:OKプリンス、12
7.9g/m2、配合比:L100%、フリーネス:43
0cc)に塗布して乾燥させた。続いて、シリカゾルA
100部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商
品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化
度:99%以上)30部を混合した15%水溶液(以
下、塗工液A1)をメイヤーバーで塗工量が5g/m 2
となるように塗工することにより本発明のインクジェッ
ト記録体を製造した。
ールX−45、粒径:4.5μm)100部に、ポリビ
ニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−11
7)30部、カチオン樹脂としてカチオン性アクリルア
ミド樹脂(住友化学工業社製、商品名:スミレーズレジ
ンSR−1001)15部を混合した15%水溶液をメ
イヤーバーで塗工量が10g/m2となるように市販原
紙(王子製紙社製、商品名:OKプリンス、127.9
g/m2、配合比:L100%、フリーネス:430c
c)に塗布して乾燥させた。続いて、前記塗工液A2を
メイヤーバーで塗工量が10g/m2となるように塗布
して乾燥させた。さらに、塗工液A1をメイヤーバーで
塗工量が5g/m2となるように塗布して乾燥させるこ
とによりインクジェット記録体を製造した。
更した(以下、塗工液B1と称する)以外は、実施例1
と同様の方法でインクジェット記録体を製造した。 実施例4 塗工液A2に含まれるシリカゾルAをシリカゾルBに変
更した(以下、塗工液B2と称する)以外は、実施例3
と同様の方法でインクジェット記録体を製造した。 実施例5 塗工液B2に含まれる前記着色剤(商品名:TB−15
00 Violet 3R(大日精化社製)と前記着色
剤(商品名:TB−520 Blue 2B、大日精化
社製)の3:1混合物0.2部配合を、蛍光染料(商品
名:ホワイテックス BPS−H、住友化学工業社製)
0.75部配合に変更した以外は、実施例4と同様の方
法でインクジェット記録体を製造した。
るように市販原紙(王子製紙社製、商品名:OKプリン
ス、127.9g/m2、配合比:L100%、フリーネ
ス:430cc)に塗布して乾燥させた、続いて、塗工
液B2をメイヤーバーで塗工量が10g/m2となるよ
うに塗工することにより本発明のインクジェット記録体
を製造した。
るように市販原紙(王子製紙社製、商品名:OKプリン
ス、127.9g/m2、配合比:L100%、フリーネ
ス:430cc)に塗布して乾燥させた、続いて、塗工
液B1をメイヤーバーで塗工量が10g/m2となるよ
うに塗布して乾燥させた、さらにシリカゾルC 100
部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:P
VA−140H、重合度:4000、ケン化度:99%
以上)30部を混合した15%水溶液(以下、塗工液C
と称する)を塗工量が5g/m2となるようにメイヤー
バーで塗布して乾燥させることにより本発明のインクジ
ェット記録体を製造した。
ルミラーT、38μm、Ra=0.02μm)に、塗工
液Cをメイヤーバーで塗工量が5g/m2となるように
塗布して乾燥させた、続いて、塗工液B1をメイヤーバ
ーで塗工量が10g/m2となるように塗布して乾燥さ
せた、さらに塗工液B2をメイヤーバーで塗工量が10
g/m2となるように塗布して乾燥させて記録層を設け
た。さらに、市販原紙(王子製紙社製、商品名:OKプ
リンス、127.9g/m2、配合比:L100%、フリ
ーネス:430cc)に接着剤(日本カーバイト工業
(株)社製、商品名:A−02)をメイヤーバーで塗工量
が5g/m2となるように塗布して接着層を設け、透明
PETフィルムに設けた記録層を貼り合わせて10kg
/cmで加圧し、成形面であるPETフィルムを剥離す
ることにより本発明のインクジェット記録体を製造し
た。
るように市販原紙(王子製紙社製、商品名:OKプリン
ス、127.9g/m2、配合比:L100%、フリーネ
ス:430cc)に塗布して乾燥することによりインク
ジェット記録体を製造した。
ールX−45、粒径:4.5μm)100部に、ポリビ
ニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社
製)30部、カチオン樹脂としてカチオン性アクリルア
ミド樹脂(住友化学工業社製、商品名:スミレーズレジ
ンSRー1001)15部、着色剤として前記ジオキサ
ジン化合物(商品名:TB−1500 Violet
3R、大日精化社製)と前記フタロシアニン化合物(商
品名:TB−520 Blue 2B、大日精化社製)
の3:1混合物を0.2部混合した15%水溶液をメイ
ヤーバーで塗工量が20g/m2となるように市販原紙
(王子製紙社製、商品名:OKプリンス、127.9g
/m2、配合比:L100%、フリーネス:430c
c)に塗布して乾燥することによりインクジェット記録
体を製造した。
ンクジェット記録体の印字光沢性、記録層平滑性、吸収
性、インク耐水性及び印字濃度などは以下に示す方法で
評価した。印字光沢性、吸収性、インク耐水性、印字濃
度については市販のインクジェットプリンター(EPS
ON社製、商標:PM−750C)で記録を行った場合
のベタ部分を示す。
して20度の横角度から目視評価した。 ◎:ほとんどボコツキなし ○:わずかにボコツキあり △:ボコツキあり ×:ボコツキが目立つ [記録体の視感白色性]記録体の視感白色性(白さ)を
目視評価した。 ◎:カラー写真以上の視感白色性あり ○:カラー写真並みの視感白色性あり △:一般上質紙レベルよりはよいものの、視感白色性に
劣る ×:一般上質紙レベルの視感白色性
ス反射濃度計(Macbeth,RD−920)を用い
て測定した。表中に示した数字は5回測定の平均値であ
る。 [記録層の不透明度]透明PETフィルム(東レ社製、
ルミラーT、38μm、不透明度5)に不透明度を測定
する記録層を塗工し、不透明度の試験方法(JIS P
−8138)に従って測定した値から、透明PETフィ
ルムの不透明度の数値5を差し引いたものをその記録層
の不透明度とした。
造方法により、印字濃度が高く、インク吸収性、光沢
性、視感白色性ともに優れたインクジェット記録体が得
られる。本発明のインクジェット記録体は、視感白色性
に優れ、表面平滑性、表面光沢性、高印字濃度、印字品
位、高インク吸収容量を兼ね備え、銀塩写真ライクな風
合い(手触り、剛度など)に優れたものである。
Claims (5)
- 【請求項1】支持体に少なくとも1層の記録層を設けて
なるインクジェット記録体において、記録層の少なくと
も1層が、着色剤と蛍光染料のうち少なくとも一種及び
平均粒径が1μm以下の顔料を含有し且つ不透明度が5
0%以下であることを特徴とするインクジェット記録
体。 - 【請求項2】記録層全体の不透明度が70%以下である
ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録
体。 - 【請求項3】平均粒径が1μm以下の顔料が、平均粒径
3〜40nmの1次粒子より構成される凝集粒子顔料で
あり凝集粒子の平均粒径が10〜500nmであり、且
つシリカとアルミナシリケートから選ばれる少なくとも
1種の顔料であることを特徴とする請求項1または2記
載のインクジェット記録体。 - 【請求項4】記録層の少なくとも1層が、顔料系着色剤
及び平均粒径が1μm以下の顔料を含有し且つ不透明度
が50%以下であることを特徴とする請求項1〜3のい
ずれかに記載のインクジェット記録体。 - 【請求項5】顔料系着色剤がジオキサジン系化合物とフ
タロシアニン系化合物から選ばれる少なくとも1種であ
る請求項4記載のインクジェット記録体。
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EP1329330A1 (en) † | 2000-10-24 | 2003-07-23 | Mitsubishi Paper Mills Limited | Recording material for ink-jet |
JP2008206148A (ja) * | 2007-02-20 | 2008-09-04 | Xerox Corp | 基体蛍光マスク |
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1999
- 1999-01-22 JP JP1465899A patent/JP4075182B2/ja not_active Expired - Fee Related
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EP1329330B2 (en) † | 2000-10-24 | 2012-12-26 | Mitsubishi Paper Mills Limited | Recording material for ink-jet |
US8980504B2 (en) | 2006-05-11 | 2015-03-17 | Xerox Corporation | Substrate fluorescence mask utilizing a multiple color overlay for embedding information in printed documents |
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