JP2001277702A - 校正用インクジェット記録シート - Google Patents

校正用インクジェット記録シート

Info

Publication number
JP2001277702A
JP2001277702A JP2000092326A JP2000092326A JP2001277702A JP 2001277702 A JP2001277702 A JP 2001277702A JP 2000092326 A JP2000092326 A JP 2000092326A JP 2000092326 A JP2000092326 A JP 2000092326A JP 2001277702 A JP2001277702 A JP 2001277702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording sheet
ink jet
jet recording
ink
jis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000092326A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhisa Nakao
和久 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2000092326A priority Critical patent/JP2001277702A/ja
Publication of JP2001277702A publication Critical patent/JP2001277702A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高精細な画像の印刷に適し、かつ優れた色調と
質感を有する印刷校正機能を持ったインクジェット記録
シートを提供することにある。 【解決手段】支持体上に1層以上の多孔質顔料を含有す
るインク受容層を設けてなり、その表層がJIS−Z8
722で規定される測定法方に従い、JIS−Z872
9で規定される明度指数(L*)が70≦L*≦100の
範囲にし、知覚色度指数(a*、b*)の値がa*が1以
上、a*が−1以下、b*が1以上、b*が−1以下から
選ばれる少なくとも1つの条件を満たし、かつa*が−
10≦a*≦10、及びb*が−10≦b*≦10の範囲
にあり、かつその表層の75度鏡面光沢度の値が30%
〜80%の範囲にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
方式を利用した、印刷校正用に使用されるインクジェッ
ト記録シートである。更に詳しくは、対象の印刷用紙に
色調、光沢を類似させた、印刷校正用に適したインクジ
ェット記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンターやプロ
ッターの目ざましい進歩により、フルカラーでしかも高
精細な画像が容易に得られるようになってきた。
【0003】インクジェット記録方式は、種々の作動原
理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シー
トに付着させ、画像・文字等の記録を行なうものであ
る。インクジェットプリンターやプロッターはコンピュ
ーターにより作成した文字や各種図形等の画像情報のハ
ードコピー作成装置として、種々の用途に於いて近年急
速に普及している。特に多色インクジェット方式により
形成されるカラー画像は製版方式による多色印刷やカラ
ー写真方式による印画に比較しても遜色のない記録を得
ることが可能であり、更に作成部数が少ない用途に於い
ては、印刷技術や写真技術によるよりも安価で済むこと
から広く応用されつつある。
【0004】近年、インクジェット記録方式を利用した
記録シートを使用して、印刷物の仕上がりを事前に確認
する為に印刷色校正用として利用されることも多くなっ
てきた。最近のプリンターでは印刷色校正用専用機とし
た製品も市場に出てきており、それに対応した記録シー
トの商品化が望まれていた。ここで印刷校正用として使
用されるインクジェット記録シートは、印刷用紙の色や
質感を忠実に再現することが最も重要である。
【0005】一般に印刷に用いられる印刷用紙の色合い
は、純粋な白ではなく、目的に応じて色合いを持たせて
いるのが一般的である。一方インクジェット用紙は、イ
ンク吸収性、色彩再現性などを要求され、使用する顔料
や接着剤及び各種添加剤に工夫がなされている。顔料と
しては吸収性を得るために多孔性の合成顔料を使用する
ことが多く、しかもインクジェット画像の色彩性を鮮明
にするために、その色合いは独特の白さのものとなる。
更にその顔料の性質上、光沢を出すことが難しく、通常
マット調と言われる無光沢のものが多い。光沢を得るた
めに、キャスト加工したインクジェット用紙もあるが、
この場合もその白さは顔料に由来した色である。
【0006】上述の如く、既存のインクジェット記録シ
ートに於いては、印刷校正用として利用するにはインク
ジェット記録シートの明度、色度が大きく異なっていた
り、印刷用記録シートとの光沢感や質感の違いが大きな
問題となり、印刷校正用として利用した場合には印刷仕
上がりを再現するものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、印刷
校正用に適し、インク吸収性に優れたインクジェット記
録シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、既存のイ
ンクジェット記録シートをそのまま印刷校正用に利用す
ると印刷用紙との光沢感や質感の違いが大きく、印刷校
正用として利用するのに適さないことを見出した。
【0009】そこで本発明者らはインクジェット記録シ
ートと印刷用紙との種々の物性について鋭意検討した結
果、インクジェット記録に適した顔料を使用しても、そ
の表面の明度、色度を染料や着色顔料で対象とする印刷
用紙の明度、色度に類似させ、かつその光沢も類似させ
ることで、印刷校正用に適したインクジェット記録シー
トを作製出来ることを見出した。
【0010】即ち、本発明のインクジェット記録シート
は、支持体上に1層以上の多孔質顔料を含有するインク
受容層を設けてなり、その表層がJIS−Z8722で
規定される測定方法に従い、JIS−Z8729で規定
される明度指数(L*)が70≦L*の範囲であり、知覚
色度指数(a*、b*)の値がa*が1以上、a*が−1以
下、b*が1以上、b*が−1以下から選ばれる少なくと
も1つの条件を満たし、かつa*が−10≦a*≦10、
及びb*が−10≦b*≦10の範囲にあり、かつその表
層の75度鏡面光沢度の値が30%〜80%の範囲にあ
る校正用インクジェット記録シートである。
【0011】また該インクジェット記録シートを、JI
S−Z8729で規定される知覚色度指数(a*、b*
の値がa*が2以上、a*が−2以下、b*が2以上、b*
が−2以下から選ばれる少なくとも1つの条件を満た
し、かつa*が−5≦a*≦5、及びb*が−5≦b*≦5
の範囲にすることで、更に印刷用紙の色合いに類似させ
ることができるため好ましい。
【0012】また、該インクジェット記録シートのイン
ク受容層が、表側のみならず支持体を介した反対側にも
設けられてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインクジェット記
録シートを詳細に説明する。
【0014】本発明の校正用インクジェット記録シート
は、支持体上に1層以上のインク受容層を設けてなり、
その表層がJIS−Z8722の測定方法に従い、JI
S−Z8729で規定される明度指数(L*)、及び知
覚色度指数(a*、b*)、その表層の75度鏡面光沢度
のそれぞれの値の範囲を定め、そしてインク受容層が多
孔質顔料を含有することを特徴としている。
【0015】ここで本発明中の明度指数(L*)、及び
知覚色度指数(a*、b*)は、JIS−Z8722で規
定される色の測定方法により測定したものであり、その
測定条件はD−n P(JIS−Z8722中の6.
3.2参照)、光源を標準の光D65(JIS−Z872
0参照)を用いて行っている。
【0016】本発明に於いて、インク受容層表面の明度
指数L*、知覚色度指数a*及びb*は、JIS− Z87
22及びJIS−Z8729に規定される方法で得ら
れ、これらの規定によればL*、a*、b*の3つの値に
よって測定対象物の色調が表される。ここで、L*は明
度を表し、この数値が大きいほど明度が高いことを表
す。また、a*は赤味を表し、a*の値が大きいほど赤色
味が強く、小さいほど緑色味が強くなる。更に、b*
黄色味を表し、b*値が大きいほど黄色味が強く、小さ
いほど青色味が強くなる。
【0017】本発明のインクジェット記録シートに於い
て、インク受容層表面のL*、a*、b*の値が本発明の
範囲内になるようにする(即ち対象印刷用紙表面の
*、a*、b*各値は、請求項1記載の請求範囲内にあ
り、該請求範囲に該インク受容層表面のL*、a*、b*
値を収める)ためには、インクジェット記録シートの支
持体またはインク受容層の少なくとも一方に、各種着色
剤を添加することで達成される。特にインク受容層中に
着色剤を含有させた場合に、色の明度、色度をコントロ
ールし易く、本発明の効果が更に高くなる。
【0018】また、本発明のインクジェット記録シート
における着色剤としては、染料系着色剤および顔料系着
色剤を使用することが可能であるが、記録シートの色調
の保存性の観点から顔料系着色剤を使用することが特に
好ましい。
【0019】添加される着色剤としては、例えば、アゾ
化合物(ジチゾン、ホルマザン)、キノン系(ナフトキ
ノン、アントラキノン、アクリドン、アントアントロ
ン、インダントレン、ピレンジオン、ビオラントロ
ン)、キノンイミン(アジン、オキサジン、チアジ
ン)、インジゴ染料(インジルビン、オキシインジゴ、
チオインジゴ)、硫化染料、ジフェニルメタン、トリフ
ェニルメタン(フルオラン、フルオレセイン、ローダミ
ン)、フェロセン、フルオレノン、フルギド、ペリレ
ン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン(カロテ
ン、マレイン酸誘導体、ピロラゾン、スチルベン、スチ
リル)、ポリメチン(シアニン、ピリジニウム、ピリリ
ウム、キノリニウム、ローダニン)、キサンテン、アリ
ザリン、アクリジン、アクリジノン、カルボスチリル、
クマリン、ジフェニルアミン、キナクリドン、キノフタ
ロン、フェノキサジン、フタロペリノン、ポルフィン、
クロロフィル、フタロシアニン、クラウン化合物、スク
アリリウム、チアフルバレン、チアゾール、ニトロ染
料、ニトロソ染料、発色後のロイコ染料などの染料系着
色剤、またはチタンブラック、チタニウムイエロー、群
青、紺青、コバルト青、カーボンブラック、鉄黒、酸化
亜鉛、酸化コバルト、酸化珪素、水酸化アルミニウム、
アゾ顔料、フタロシアニン顔料、染色レーキ、澱粉、尿
素−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂などの合成樹脂粒
子、シリコーン粒子などの顔料系着色剤およびスチルベ
ン系、ジスチルベン系、ベンゾオキサゾール系、クマリ
ン系、イミダゾール系、ベンゾイミダゾール系、ピラゾ
リン系などの蛍光染料が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0020】また以上の着色剤の明度及び色度の調整の
為に、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、タルク、カオ
リン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、二酸化チタン、二酸化チタン被覆雲母、硫酸バリウ
ム、モリブデンホワイト、亜鉛華、リトポン、硫化亜
鉛、石膏、鉛白等の白色顔料を併用することも可能であ
る。
【0021】これらの着色剤は、単独或いは2種類以上
併用することもできる。また、染料と顔料の混合比率
は、色むらが生じない限り、いかなる比率で用いても良
い。
【0022】更に、着色剤の濃度は所望の色合いが出せ
るものであれば、いかなる濃度で用いてもよいが、支持
体中に添加する場合、パルプに対して通常0.001〜
1重量%使用され、インク受容層中に添加する場合、イ
ンク受容層中の全固形分重量に対して通常0.001〜
1重量%使用される。
【0023】本発明のインクジェット記録シートは、支
持体上に1層以上のインク受容層を設けてなり、その表
層の明度及び色度の他に、JIS−P8142で定めら
れた、75度鏡面光沢度測定法によって測定した光沢度
の範囲を30〜80%の範囲内に入るように規定してい
る。
【0024】この光沢度が80%を越えた高光沢度の場
合、校正印字後の印刷物を見たときに照明条件、つまり
照明光源の反射によって眩しさを感じることがあり好ま
しくない。また、30%より低い低光沢度の場合、印刷
物に対する高級感が失われ、校正印刷が本番印刷の仕上
がりとはかなり異なった感じになり、校正用として適当
でない。
【0025】光沢化処理には、スーパーカレンダー、グ
ロスカレンダー等の加工装置を用い圧力をかけたロール
間を通紙することで、塗層表面を平滑化する方法が一般
的である。また、湿潤塗層の鏡面を有する加熱ドラム面
に圧着し、その後乾燥、離型することによりその鏡面を
写し取ることによって得られる、いわゆるキャスト処理
も光沢化には有効である。その他、各種塗工液を各塗工
方式で塗工するだけで、後処理を行わずとも光沢化する
ことも可能である。本発明に於いては、以上のいずれの
光沢化処理を用いても、また以上の方法以外の公知の光
沢化処理を用いてもかまわないが、本発明の校正用イン
クジェット記録シートの75度鏡面光沢度が30〜80
%の範囲になればよい。
【0026】本発明のインク受容層には、多孔性顔料を
含有する。本発明でいう多孔性顔料とは、例えば合成シ
リカ(コロイダルシリカ、湿式法非晶質シリカ、気相法
非晶質シリカ)、アルミナ(気相法アルミナ、γアルミ
ナ)或いはアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダル
アルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和
物、擬ベーマイト等)で、超微粒の一次粒子或いはこれ
らが凝集した粒子径0.01μm〜20μmの二次粒子
を指し、塗工層を形成したとき、一次粒子間あるいは二
次粒子間の空隙が多数形成されて多孔性となる顔料をい
う。これらの顔料を1種以上用いることができる。
【0027】本発明に用いられる多孔性顔料を含む塗工
層には、他の無機或いは有機の微粒子を、多孔性顔料1
00部に対して40部以内で配合することも出来る。ま
た、バインダーを含有することも好ましい。
【0028】無機或いは有機の微粒子としては、従来公
知の各種顔料を用いることができる。例えば、軽質炭酸
カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二
酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホ
ワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、リトポ
ン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウ
ムなどの白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメ
ント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレ
ン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂などの
有機顔料などが挙げられる。
【0029】また、バインダーとしては、酸化澱粉、エ
ーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導
体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチ
ン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールまたはその誘導
体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチ
レン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブ
タジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテック
ス;アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの
重合体または共重合体などのアクリル系重合体などのア
クリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合
体などのビニル系重合体ラテックス;或はこれら各種重
合体のカルボキシ基などの官能基含有単量体による官能
基変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂など
の熱硬化合成樹脂などの水性接着剤;ポリメチルメタク
リレートなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸エス
テルの重合体または共重合体樹脂;ポリウレタン樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポ
リマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの
合成樹脂系接着剤などを挙げることができる。
【0030】バインダーの配合量としては、多孔質顔料
及び必要ならその他の顔料との総和100重量部に対し
て、3〜70重量部、好ましくは、5〜50重量部であ
り、3重量部未満ではインク受容層の塗層強度が不足す
るし、70重量部を超えるとインク吸収性が低下する。
【0031】更に、インク受容層には、添加剤として、
染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡
剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、蛍光増白剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化
剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜配合す
ることもできる。
【0032】特に、水性インクの染料分である水溶性直
接染料や水溶性酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシ
ル基、アミノ基などと不溶な塩を形成する2級アミン、
3級アミン、4級アンモニウム塩からなるカチオン性染
料定着剤を配合すると、インク受容層にて染料が捕獲さ
れるために、色彩性の向上や不溶な塩の形成により水の
滴下や吸湿によるインクの流れだしや滲みだしを抑制す
るので好ましい。
【0033】本発明のインクジェット記録シートに於い
ては、インク受容層を多層構成とし表面に光沢発現層を
設けることも出来る。
【0034】本発明に於ける、インク受容層および光沢
発現層を設ける方法としては、オンマシンコーター、オ
フマシンコーターのいづれでも良い。例えば、従来公知
のエアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコー
ター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バー
コーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレ
ードコーター、ショートドエルブレードコーター、サイ
ズプレスなどの各種装置をオンマシン或いはオフマシン
で用いることができる。また、塗工後には、マシンカレ
ンダー、TGカレンダー、スーパカレンダー、ソフトカ
レンダーなどのカレンダー装置を用いて仕上げることも
可能である。
【0035】本発明における、インク受容層の塗工量は
特に制限はないが、1〜30g/m 2が好ましい。塗工
量が1g/m2未満であると十分な印字濃度およびイン
ク吸収性が得られないため好ましくなく、塗工量が30
g/m2を超えると記録シートのカール性が悪化するた
め好ましくない。また、インク受容層はある一定の塗工
量を数回に分けて塗設することも可能である。
【0036】本発明で使用される支持体としては、LB
KP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、RM
P、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パル
プ、DIPなどの古紙パルプなどの木材パルプと従来公
知の顔料を主成分として、バインダーおよびサイズ剤や
定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤な
どの各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、
円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製
造された原紙、更に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコー
ルなどでのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原
紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート
紙、キャストコート紙などの塗工紙も含まれる。この様
な原紙および塗工紙に、そのまま本発明に係る塗層を設
けても良いし、平坦化をコントロールする目的で、マシ
ンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダーなど
のカレンダー装置を使用しても良い。
【0037】また、支持体を挟んだインク受容層の反対
面には、カール適性を付与するために、顔料とバインダ
ーを含有するバックコート層を塗設することも可能であ
り、その際顔料としては、平板状顔料や加水ハロイサイ
トが好ましい。
【0038】本発明はインク受容層が両面に設けられた
態様も包含している。この場合、対象とする印刷用紙が
両面同じ構成ならばインクジェット記録シートもその各
々の面に合わせた構成とすることが好ましい。この様に
することで印刷校正用途として両面を使えることとな
り、経済的に安価で済むこと、実際の印刷物に近い構成
をとれること、手触り等の感触が近くなるなど利点があ
る。
【0039】本発明で云うインクとは、下記の着色剤、
液媒体、その他の添加剤からなる記録液体である。
【0040】着色剤としては、例えば直接染料、酸性染
料、塩基性染料、反応性染料或は食品用色素などの水溶
性染料が挙げられる。
【0041】インクの溶媒としては、例えば水および水
溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピル
アルコール、n−ブチルアルコール、 sec−ブチル
アルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチル
アルコールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール
類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど
のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコールなどのケ
トンまたはケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、
ジオキサンなどのエーテル類;ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレング
リコール類;エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、
ヘキシレングリコール、ジエチレングリコールなどのア
ルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール類;グリ
セリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエ
チレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコ
ールの低級アルキルエーテル類などが挙げられる。これ
らの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコ
ールなどの多価アルコール、トリエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチル
エーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル
が好ましい。
【0042】その他の添加剤としては、例えば、PH調
節剤、金属封鎖剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整
剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、および防錆
剤などが挙げられる。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明の内容はこれらに限定されるものではない。
また、実施例において示す「部」および「%」は、特に
明示しない限り重量部および重量%を示す。
【0044】<支持体の作製>支持体は、LBKP(濾
水度400mlcsf)80部とNBKP(濾水度48
0mlcsf)20部から成る木材パルプ100部に対
して、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タル
クの比率が10/10/10の顔料20部、市販アルキ
ルケテンダイマー0.10部、市販カチオン系アクリル
アミド0.03部、市販カチオン化澱粉1.0部、硫酸
バンド0.5部を調成後、長網抄紙機で抄造し、坪量8
0g/m2のコート原紙支持体を得た。
【0045】<インク受容層塗被組成物A>インク受容
層は、支持体表面に塗設した。インク受容層の塗被組成
物Aは、BET比表面積270g/m2の合成非晶質シ
リカ(ファインシールX−37B:トクヤマ社製)50
部、アルミナゾル(アルミナゾル−520:日産化学工
業製)30部、ポリビニルアルコール(PVA117:
クラレ製)30部、カチオン性染料定着剤(スミレッズ
レジン1001:住友化学製)20部とし、更に以下の
表1に示した割合で各着色剤を添加しこれらを混合調液
した。
【0046】<インク受容層塗被組成物B>インク受容
層は、支持体表面に塗設した。インク受容層の塗被組成
物Bは、重質炭酸カルシウム(FMT90、ファイマテ
ック社製)50部、カオリン(DBプライム、DRY BRAN
CH KAOLIN社製)50部、SBラテックス(JSR06
23、JSR社製)10部、澱粉(MS4600、日本
食品社製)2.5部とし、これらを混合調液した。ここ
で使用した顔料(重質炭酸カルシウム、カオリン)は、
本発明でいう多孔質顔料ではない。
【0047】実施例1〜12及び比較例1〜6 上記支持体に、表1に示した割合で各着色剤を配合した
インク受容層塗被組成物Aをエアーナイフコーターによ
り、片面乾燥塗布量10g/m2となるように支持体の
片面に塗工・乾燥し、その後線圧190kg/cmでス
ーパーカレンダー処理を行い、実施例1〜12、及び比
較例1〜6のインクジェット記録シートを作製した。
【0048】
【表1】
【0049】実施例13 上記支持体に、表1の実施例1に示した割合で各着色剤
を配合したインク受容層塗被組成物Aの中に、更に黒色
顔料着色剤(Black DP−1731:大日精化
製)を0.005部添加すること以外は、実施例1と同
様にして、実施例13のインクジェット記録シートを作
製した。
【0050】比較例7 上記支持体に、表1の実施例1に示した割合で各着色剤
を配合したインク受容層塗被組成物Aの中に、更に黒色
顔料着色剤(Black DP−1731:大日精化
製)を0.012部添加すること以外は、実施例1と同
様にして、比較例7のインクジェット記録シートを作製
した。
【0051】実施例14 実施例1に於ける、スーパーカレンダー処理時の線圧
を、240kg/cmに変更したこと以外は、実施例1
と同様にして、実施例14のインクジェット記録シート
を作製した。
【0052】実施例15 実施例1に於ける、スーパーカレンダー処理時の線圧
を、140kg/cmに変更したこと以外は、実施例1
と同様にして、実施例15のインクジェット記録シート
を作製した。
【0053】比較例8 実施例1に於ける、スーパーカレンダー処理時の線圧
を、110kg/cmに変更したこと以外は、実施例1
と同様にして、比較例8のインクジェット記録シートを
作製した。
【0054】比較例9 実施例1に於ける、スーパーカレンダー処理時の線圧
を、270kg/cmに変更したこと以外は、実施例1
と同様にして、比較例9のインクジェット記録シートを
作製した。
【0055】比較例10 上記支持体上に、塗布する塗被組成物をインク受容層塗
被組成物Bに変更すること以外は、実施例1と同様にし
て、比較例10のインクジェット記録シートを作製し
た。
【0056】実施例16 片面乾燥塗布量が10g/m2となるように、支持体の
両面に塗工・乾燥すること以外は、実施例1と同様にし
て、実施例16のインクジェット記録シートを作製し
た。
【0057】校正対象の印刷用紙 校正対象の印刷用紙として、三菱製紙製コート紙、オフ
リンパールコートL(坪量81.4g/m2)を使用し
た。
【0058】実施例1〜16及び比較例1〜10の評価
は以下に示す方法により行い、結果を表2、表3に示
す。尚、測定および評価は、JIS−P8111に規定
される環境下で行った。
【0059】1)光沢度 75度鏡面光沢度は、JIS−Z8142−1993に
準じて、日本電色工業製変角光沢度計VGS−1001
DPを用いて得られたインクジェット記録シートを測定
した。
【0060】2)明度及び色度 明度指数L*、知覚色度指数a*及びb*は、JIS−Z
8722−1995に準じて、ミノルタ製色彩色差計C
R−200を使用して、得られたインクジェット記録シ
ートを測定した。
【0061】3)インク吸収性 インク吸収性の評価は、インクジェット記録装置である
キャノン(株)製BJC−420Jを使用し、シアンイ
ンク、マゼンタインクで重色の升目形パターンを印字
し、この印字パターンと未印字部分の境界部分を下記の
基準に従って、目視にて評価した。 ◎:境界部分には滲みが認められない ○:境界部分には殆ど滲みが認められない △:境界部分には滲みが認められる ×:境界部分に顕著に滲みが認められる 尚、良好なインク吸収性を示すのは、◎〜○の評価であ
る。
【0062】4)風合い評価 各記録シートの白紙の手触り、風合い等を感覚的に評価
した。尚、評価では、対象印刷用紙との感覚的違いが極
めて少ないものを◎、感覚的にあまり違和感無く受け入
れられるものを○、違いがやや感じられるものを△、違
いが極めて強く感じられるものを×とした。
【0063】5)見栄え評価 得られたインクジェット記録シートに、エプソン製イン
クジェットプリンタ−(PM−750C、専用光沢紙モ
ード)でブラック、シアン、マゼンタ、イエローのベタ
画像とJIS−X9201記載の標準画像N3(果物か
ご)を印字し、印刷物としての見映えを総合的に評価し
た。尚、評価では、対象印刷用紙にオフセット印刷で同
様の印刷を施したものとの比較で評価した。感覚的違い
が極めて少ないものを◎、感覚的にあまり違和感無く受
け入れられるものを○、違いがやや感じられるものを
△、違いが極めて強く感じられるものを×とした。
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】表2及び表3から、L*、a*、b*、光沢
度の各々の値を、対象とする印刷用紙に近づけるため
に、本発明の請求するL*、a*、b*、光沢度の各範囲
内になるように施した実施例1〜16のインクジェット
記録シートは、印刷校正用に使用した場合、その組成が
全く異なるにもかかわらず、本番印刷後の印刷物に極め
て近い感触を実現でき、校正用に適したインクジェット
記録シートであることがわかる。更に対象とする印刷用
紙とのL*、a*、b*、光沢度の各々の値の範囲を近づ
けた実施例7〜12は、特に見映えが良好で印刷用紙に
非常に類似したものであった。本発明の請求範囲から外
れたL*、a*、b*、光沢度の各々の値を持つインクジ
ェット記録シートは、対象との感覚的ずれが大きく校正
用としては不適であった。
【0067】また実施例16で作製したインクジェット
記録シートは、両面が印刷校正用に使用可能であり、経
済的でかつ廃棄時にも同じ校正量で廃棄量の少ない、環
境に配慮した製品となった。
【0068】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明を実施するこ
とにより印刷校正用に適した、インクジェット適性のあ
るインクジェット記録シートを提供することが可能とな
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に1層以上の多孔質顔料を含有
    するインク受容層を設けてなり、その表層がJIS−Z
    8722で規定される測定方法に従い、JIS−Z87
    29で規定される明度指数(L*)が70≦L*の範囲で
    あり、知覚色度指数(a*、b*)の値がa*が1以上、
    *が−1以下、b*が1以上、b*が−1以下から選ば
    れる少なくとも1つの条件を満たし、かつa*が−10
    ≦a*≦10、及びb*が−10≦b*≦10の範囲にあ
    り、かつその表層の75度鏡面光沢度の値が、30%〜
    80%の範囲にある条件を満たすことを特徴とする校正
    用インクジェット記録シート。
  2. 【請求項2】 JIS−Z8729で規定される知覚色
    度指数(a*、b*)の値がa*が2以上、a*が−2以
    下、b*が2以上、b*が−2以下から選ばれる少なくと
    も1つの条件を満たし、かつa*が−5≦a*≦5、及び
    *が−5≦b*≦5の範囲である請求項1記載の校正用
    インクジェット記録シート。
  3. 【請求項3】 該インクジェット記録シートのインク受
    容層が、表側のみならず支持体を介した反対側にも、表
    側同様の層を設けたことを特徴とする請求項1又は2記
    載の校正用インクジェット記録シート。
JP2000092326A 2000-03-29 2000-03-29 校正用インクジェット記録シート Pending JP2001277702A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000092326A JP2001277702A (ja) 2000-03-29 2000-03-29 校正用インクジェット記録シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000092326A JP2001277702A (ja) 2000-03-29 2000-03-29 校正用インクジェット記録シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001277702A true JP2001277702A (ja) 2001-10-10

Family

ID=18607677

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000092326A Pending JP2001277702A (ja) 2000-03-29 2000-03-29 校正用インクジェット記録シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001277702A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004181714A (ja) * 2002-12-02 2004-07-02 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット記録媒体とそれを用いたインクジェット記録方法
JP2007015253A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録体
WO2009116678A1 (en) * 2008-03-18 2009-09-24 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording method, inkjet recording medium, and aqueous ink
DE10318874B4 (de) * 2002-04-26 2009-11-05 Mitsubishi Paper Mills Ltd. Tintenstrahl-Aufzeichnungsmaterial für Probeabzüge eines Druckpapiers und dessen Verwendung
JP2014162007A (ja) * 2013-02-21 2014-09-08 Mitsubishi Paper Mills Ltd 校正用インクジェット記録用紙

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10318874B4 (de) * 2002-04-26 2009-11-05 Mitsubishi Paper Mills Ltd. Tintenstrahl-Aufzeichnungsmaterial für Probeabzüge eines Druckpapiers und dessen Verwendung
JP2004181714A (ja) * 2002-12-02 2004-07-02 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット記録媒体とそれを用いたインクジェット記録方法
JP2007015253A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録体
JP4501798B2 (ja) * 2005-07-08 2010-07-14 王子製紙株式会社 インクジェット記録体
WO2009116678A1 (en) * 2008-03-18 2009-09-24 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording method, inkjet recording medium, and aqueous ink
JP2009220529A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Ricoh Co Ltd インクジェット記録方法、そのための記録メディア及び水系インク
US8322839B2 (en) 2008-03-18 2012-12-04 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording method, inkjet recording medium, and aqueous ink
JP2014162007A (ja) * 2013-02-21 2014-09-08 Mitsubishi Paper Mills Ltd 校正用インクジェット記録用紙

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5054777B2 (ja) 増強させた印刷性能のための多機能紙
JPWO2004014659A1 (ja) インクジェットキャストコート紙
JP2001277702A (ja) 校正用インクジェット記録シート
JP5401109B2 (ja) 色付きインクジェット用葉書用紙
JP2008036998A (ja) インクジェット記録用紙
JP2001071635A (ja) 校正用インクジェット記録媒体
JP2000343815A (ja) 校正用インクジェット記録シート
JP4034488B2 (ja) 校正用インクジェット記録シート
JP3631379B2 (ja) インクジェット記録シート
JP2003291504A (ja) 校正用インクジェット記録シート
JP2005280035A (ja) インクジェット記録媒体
JP4488519B2 (ja) インクジェット記録用紙
JP2000280607A (ja) インクジェット記録シート
JP2005238539A (ja) 情報用記録材料の製造方法及び情報記録材料
JP2002316474A (ja) 校正用インクジェット記録シートおよびその製造方法
JP2007268926A (ja) インクジェット記録材料
JPH08207422A (ja) インクジェット記録シート
JP3300680B2 (ja) インクジェット記録用紙
JP3167764B2 (ja) 熱転写用紙及びその製造方法
JPH10278413A (ja) コート層を有する記録媒体
JP2002283705A (ja) インクジェット用光沢記録シート
JP2001088433A (ja) 校正用インクジェット記録媒体
JP2001096908A (ja) インクジェット記録シート
JP2001162921A (ja) インクジェット記録シート
JPH1178216A (ja) インクジェット記録シート