JP4582975B2 - インクジェット記録用光沢紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録用光沢紙に関し、特に印字面の光沢が高く、写真画質に近い印字品位の高い記録用紙に関するもので更に粉落ちが少なく後加工適性にも優れたのもある。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、インクの液滴を吐出し、記録紙上に付着させることによりドットを形成し記録を行う方式である。近年、インクジェットプリンター、インク、記録媒体の技術的進歩により、印字品質の高い記録が可能になってきている。インクジェット記録媒体に求められる要素としては、
▲1▼インクの吸収、乾燥が速いこと
▲2▼印字濃度が高いこと
▲3▼ドットの広がりやひげ状のにじみが無いこと
等があげられる。一般の普通紙でも一定以上のサイズ性があれば、滲みも少なくある程度の印字品質が期待できる。一方、より高い印字品質を求める場合には媒体上にインクジェットプリンターのインクに対して適性のあるインク受容層を各種基材上に設けた専用の媒体が使用される。これらインクジェット記録専用の媒体としては紙やフィルムを支持体として、顔料とバインダーを主成分とする顔料塗工層または顔料を含まない樹脂塗工層を表面に設けたものが多く使用される。
インクジェット専用媒体はさらに表面状態からマット調媒体と光沢媒体に分類される。銀塩写真により近い画像品質を要求する場合には後者の光沢媒体が使用される。これら光沢媒体に要求される特性としては前記した特性以外に
▲4▼ドットの真円性が高く、画像再現性が良好なこと
▲5▼耐水性、耐光性が良好であること
▲6▼画像領域、白紙部分の光沢感が高いこと
等があげられる。光沢媒体の製法としては▲1▼のインク吸収性、乾燥性を維持しながら▲2▼〜▲6▼の特性を維持するために、各種の方法が提案されているが、一般的方法はキャスト法によりインク受容層を形成し表面に光沢を付与する方法と印画紙用基材上にインク受容層を形成する方法である。一般には前者は▲1▼のインク吸収性が後者に比べ制御しやすいが、▲4▼のドット真円性、画像再現性、▲6▼の画像領域、白紙部分の光沢感、品位では後者に比べ劣っている。印画紙用基材は一般にRC紙(レジンコート紙)といわれるように、紙の基材上にポリエチレンのフィルム層が形成されているためにインク受容層をその表面に形成した場合、フィルム面が平滑であることからインク受容層表面も平滑で、光沢ある表面が形成しやすい。しかし、インク吸収性をあげるために塗工量を多くする必要があり、また基材そのものが紙よりも高価であることから全体のコストは前者のキャスト法による光沢媒体に比べ高いものとなる。また、廃棄する場合には複合素材であることからリサイクルがきかないといった問題もある。キャスト法によるインクジェット記録用光沢紙についてはこの点有利であるが、前記した品質面での問題があり、これらの課題を解決するために各種の提案がなされいる。特開平6−72017には記録層表面の平均粗さ、光沢度及び記録紙の透気度を規定することで表面の平滑性が高く、画質の高級感に優れるインクジェット記録用紙が得られるとの提案がある。しかしながら、キャスト法によって製造されたインクジェット記録用光沢紙において、印画紙基材あるいはフィルム基材を用いて製造された媒体を超える画質と均一な光沢感を有する記録媒体は無いのが現状である。
【0003】
また、近年では、デジタルカメラの普及に伴い写真の代替として一般家庭でも使用されるケースが多くなり、インクジェット用光沢紙はミシン目加工や様々なカッティング等の後加工適性も重要になってきている。顔料と結着剤からなるインクジェット記録用紙は、結着剤成分を減ずることでインク吸収性を向上することが出来るが、その一方で結着剤が少なすぎるとインク受容層の強度が低下して、粉落ちの発生や、記録紙を折りたたんだ個所で記録層の折れ割れが生じるなどの問題も生じ易いということに加え、キャスト塗被紙の場合には結着剤成分が少ないと十分な光沢を得ることが出来ないという問題も出てくる。粉落ちの発生は、製造工程でのカッター断裁やギロチン断裁や後加工でのミシン目加工などで問題となることもある。
【0004】
以上のごとく、キャスト法によって製造されたインクジェット記録用紙において、光沢感に優れながら、粉落ちの発生が少なく後加工適性が良好で更には良好なインクジェット適性という特性全てを満足させることは極めて困難であるのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はキャスト法によるインクジェット記録用光沢紙において、上記従来技術の問題点である、画像品質の改良と光沢感の均一性を改善し、印画紙基材あるいはフィルム基材を用いて製造された媒体に匹敵する画質と均一な光沢感を有しかつ粉落ち率が少なく後加工適性にも優れた記録媒体を提供することが目的である。本発明者等はこれらの課題を解決するために鋭意検討した結果、支持体上に下塗り層を設け、下塗り層の上に光沢発現層をキャスト法で設けたインクジェット記録用光沢紙において、下塗り層の構成が良好な光沢感と良好な印字性能と粉落ち率の改善を満足させる上で密接な関連があることを見出し本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明の対象は、
(1)酸化アルミニウムを含有し、塗工面のベック平滑度が25秒以上の下塗り層を支持体上に設け、かつ、前記下塗り層の顔料が合成シリカ:水酸化アルミニウム=70:30〜98:2重量部であり、かつ、前記下塗り層の結着剤が顔料100重量部に対し20〜50重量部であり、該支持体上に設けられた該下塗り層の上に、更に平均粒子径が0.5μm以下の顔料と結着剤を含有する光沢発現層を塗布し、前記光沢発現層が、湿潤状態にあるうちに加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥してキャスト仕上げされてなるインクジェット記録用光沢紙であって、該記録用紙0.03m2 当り8個所をカットした後の重量(A)がカット前の重量(B)に対して、(B−A)/B×100%≦0.25%であることを特徴とするインクジェット記録用光沢紙である。
【0008】
また、本発明の特に有利な一つの別の実施態様においては、前記光沢発現層の顔料は平均粒子径0.5μm以下の合成シリカ、アルミナ、アルミナドープシリカ、コロイダルシリカよりなる群より選ばれる1種以上である。
【0009】
本発明の特に有利な更に別の一つの実施態様においては、前記光沢発現層の結着剤がポリビニールアルコール及びポリビニルアセタール又はそのいずれかを含有し、光沢発現層を塗布した後、ホウ素化合物含有水溶液にて凝固処理を行い、湿潤状態にあるうちに加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥することでキャスト仕上げする。
【0010】
更に別の本発明の特に有利な一つの実施態様においては、凝固処理液中にカチオン性高分子電解質を含有する。
【0011】
本発明で用いる下塗り層は、水酸化アルミニウムを含有し、その塗工層を設けた後のベック平滑度が25秒以上としたものである。
【0012】
本発明に用いる水酸化アルミニウムは、ボーキサイトを原料とし、バイヤー法により製造されるものであり、化学式Al(OH)3 又はAl2 3 ・3H2 Oで表されるものである。本発明に用いる水酸化アルミニウムは6角板状の単一粒子で優れた平滑性を得ることが出来る。このため、比較的少量の配合で塗工層の平滑度を向上させることが出来て、その結果、光沢発現層を塗工した場合に良好な光沢面を得やすい。
【0013】
本発明においては、水酸化アルミニウムの他に合成シリカを顔料として使用することが望ましい。
【0014】
使用する合成シリカは、ゲル法、沈降法、乾式法等いずれの方法で製造されたものでも良く、また、これら製造方法の異なる合成シリカを組み合わせて使用することも可能である。合成シリカの粒子径としては、粒子径が小さいものは塗工層が密になりやすいため、平滑度も高くなるが空隙が少なくインク吸収が比較的遅い。これに対し、粒子径が大きくなると、塗工層の空隙が大きくなりインク吸収が早くなる反面、平滑度が低くなりやすい。平滑度が必要以上に低いと、光沢発現層を塗工した時に良好な光沢面が得られにくくなる。合成シリカの粒子径は特に限定されるものではないが、1〜15μmが好ましい範囲であるが、平滑度を見ながら適宜粒子径を選定する必要がある。本発明においては、1種類の粒子径のシリカを使用しても良いが、粒子径の異なるものを2種以上混合して使用することも出来る。
【0015】
合成シリカと水酸化アルミニウムの配合量としては、顔料100重量部中に合成シリカ:水酸化アルミニウム=70:30〜98:2重量部が好ましい範囲である。水酸化アルミニウムが2重量部より少ないと平滑性向上効果が得られない。また30重量部より多くなるとインク吸収性を損ねてしまったり、印字濃度が低下するという悪影響が出る恐れがある。また、水酸化アルミニウムを使用することで、顔料として合成シリカ単独で用いた場合よりも塗工層強度が向上する効果を得ることも出来る。このため、結着剤の使用量を低減することが可能となり、少ない結着剤量で平滑性が高く、インク吸収性に優れ、強度の高い塗工層を得ることが出来る。下塗り層の平滑性が高く、インク吸収性が良好で、高い塗工層強度になることで光沢発現層を塗工した後の塗工紙は、光沢感が良好となり、高いインク吸収性を有していながら、粉落ち率の少ない記録用紙を得ることが出来るようになる。
【0016】
下塗り層に用いられる結着剤としては、特に限定されないが、水性及び/または水分散性の高分子物質が適宜使用できる。例えば、カチオン化澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、酵素変性澱粉等の澱粉類、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白等の蛋白質類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の天然又は半合成高分子類、完全又は部分ケン化のポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、カチオン化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキッド樹脂、エピクロルヒドリン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポチビニルブチラール樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸又はその共重合体、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリル酸エステル共重合体等のアクリル系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス及びこれらの各種共重合体ラテックスをアニオン性基及び/又はカチオン性基が付与された官能基含有変性共重合体ラテックス類等が挙げられる。中でも、本発明においては、塗工層強度、インク吸収性を考慮するとポリビニルアルコール類、アクリル系共重合体ラテックス、ビニル系共重合体ラテックスを使用することが好ましい。
【0017】
結着剤の割合としては、顔料100重量部に対し、20〜50重量部が好ましい範囲である。結着剤が20重量部より少ないとインク吸収性は良好となるが、塗工層強度が不十分となるだけでなく、光沢発現層塗工後の表面光沢感が損なわれやすく好ましくない。一方、50重量部より多くなると、光沢発現層塗工後の光沢感は良好となり、塗工層強度も向上するが、インク吸収性が低下したり、画像濃度の低下を招く等インクジェット適性が低下するため好ましくない。
下塗り層の塗工量は特に限定されないが、5〜30g/m2 が好ましい。これより少ないとインク吸収性が劣り、これより厚いと作業性が悪くなる恐れがある。
本発明において下塗り層には本発明の特性を損なわない範囲で公知の添加剤、例えば、消泡剤、分散剤、PH調整剤、湿潤剤、帯電防止剤、酸化防止剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、カチオン性インク定着剤、耐候性向上剤、防腐剤、増粘剤、保水剤等を含有せしめても良い。
【0018】
下塗り層の塗工方法は特に限定されるものではなく、公知のコーティング方法によって塗工される。例えば、グラビアコーター、ダイコーター、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター、ロールコーター、リバ−スロールコーター、コンマコーター、リップコーター等のコーターが適宜使用できる。
【0019】
本発明は更に上記のごとくして得られた下塗り層を設けた原紙に光沢発現層を設け、光沢発現層が湿潤状態にあるうちに加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して光沢仕上げするウエットキャスト法、光沢発現層を塗布乾燥後に再湿潤液によりその塗布表面を湿潤可塑化させて加熱ドラムに圧接してなるリウエットキャスト法、更には湿潤状態の光沢発現層塗布層を凝固処理により凝固させてから加熱ドラムに圧接する凝固法等の一般に知られているキャスト法によって光沢発現層を形成させることで、記録紙の表面に強光沢を付与したインクジェット記録用紙として仕上げることが出来る。本発明においては、キャスト法として凝固法が好ましい。
【0020】
本発明の光沢発現層を形成する塗料は顔料、バインダーと必要に応じてインク定着剤、離型剤を含有する。本発明で用いられる顔料としては、0.5μm以下の合成シリカ、アルミナ、アルミナドープシリカ、コロイダルシリカより選ばれる1種以上を用いることが好ましい。これらを2 種以上組み合わせて用いても良い。合成シリカとしては、ゲル法、沈降法、気相法により製造されたいずれのものでも良く、これら製造方法の違うシリカを組み合わせても良い。アルミナとしてはγ−アルミナ、δ−アルミナ、η−アルミナ、θ−アルミナが挙げられる。
アルミナドープシリカは、シリカ粒子表面がアルミナでドープされたものであり、シリカ粒子とアルミナとしての両方の特性を併せ持つものである。コロイダルシリカとしては、球状または非球状タイプが例示できるがいずれも使用可能である。
【0021】
本発明の光沢発現層で用いられる結着剤はポリビニールアルコール類、ポリビニールアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニールピロヒドリン系樹脂、ポリアクリル酸またはその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニールブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、スチレンーブタジエン共重合体、メチルメタクリレートーブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス類、エチレンー酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス類の樹脂類が例示され、単独または併用して用いられる。特に好ましいバインダーはポリビニールアルコール、ポリビニールアセタールであり、これら単独または上記樹脂類と併用して用いられる。ポリビニールアルコール及びポリビニルアセタールを結着剤として用いて光沢発現層を凝固法で設ける場合、凝固剤として前記結着剤と効果的に凝固する硼素化合物を使用することで、光沢発現層のインク吸収性を損なわずに表面の微細な亀裂を減少させることが出来る。この微細な表面亀裂が少なくなることで、見た目の光沢感が向上し、良好な光沢面を形成することが出来る。また、表面亀裂が少ないと印字されたインクが紙表面に真円状態で吸収定着されるため、ドットの真円性が良好でシャープな画像を形成することも可能となる。結着剤の使用量は、記録媒体の印字適性、インク受容層の強度、塗料液性を考慮して決定される。通常顔料重量に対し1〜200重量%、好ましくは5〜100重量%程度の範囲で添加される。
【0022】
本発明において、上記、顔料、結着剤類以外にカチオン性の高分子電解質を添加することが好ましい。カチオン性高分子電解質を添加することで、インク中に使用されている染料中のアニオン成分と反応し水に不溶な塩を形成することから、記録画像の耐水性が向上する。このようなカチオン性高分子電解質としてはポリエチレンイミン、エピクロルヒドリン変性ポリアルキルアミン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムハライド、ポリジアクリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ポリビニルピリジウムハライド、その他第4級アンモニウム塩類及びポリアミン等が用いられる。
カチオン性高分子電解質はインク受容層を構成する塗料液または凝固液に添加することができる。添加量は全バインダー重量に対し1〜50重量%の範囲で使用される。とくに好ましい添加範囲は5〜30重量%である。
【0023】
また、カチオン性高分子電解質を凝固処理液中に含有させることも可能である。凝固処理液中に含有させることで最表面にカチオン性高分子電解質を分布させて画像濃度の向上効果を得ることが出来るため、好ましい方法である。
その他の添加剤としては、必要に応じて消泡剤、分散剤、PH調整剤、湿潤剤、帯電防止剤、酸化防止剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、耐候性向上剤、防腐剤、増粘剤、保水剤、離型剤、潤滑剤等を使用できる。
【0024】
本発明の光沢発現層を形成する塗料の塗工法としてはグラビアコーター、ダイコーター、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター、ロールコーター、リバ−スロールコーター、コンマコーター等公知の塗工機が用いられる。塗工量は固形分換算で3〜40g/m2 、好ましくは5〜30g/m2 の範囲が好ましい。塗工量が40g/m2 を超えるとインク受容層表面に亀裂が入りやすく、塗工量が3g/m2 より少ない場合には十分な光沢面が形成しづらい。
【0025】
本発明で使用する基材としては、通常の上質紙、中質紙、白板紙等の紙基材が用いられる。燃料としてリサイクルされる場合を考慮し原料パルプとしては塩素含有量の少ないECF パルプまたはTCE パルプの使用が望ましい。キャストコート時における塗料の過度の浸透を押さえるために、サイズプレスで澱粉、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子を塗工した原紙を使用することが好ましい。
【0026】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」及び「%」は特に明示しない限り固形重量部および固形重量%を示す。
【0027】
実施例1:
顔料として平均粒子径3.3μmの合成シリカ(ミズカシルP−78A:水沢化学(株)製)90重量部と平均粒子径1.0μmの水酸化アルミニウム(ハイジライトH−42M:昭和電工(株)製)10重量部の分散液に対し結着剤として部分ケン化ポリビニルアルコール(PVA235:(株)クラレ製)5重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体(ポリゾールEVA AD−6:昭和高分子(株)製)15重量部、アクリル樹脂(ボンロンS−482:三井化学(株)製)15重量部からなる固形分23%の塗料を調整した。酸化澱粉で表面処理した坪量160g/m2 の上質紙に上記塗料をエアーナイフコーターで塗工量15g /m2 になるよう塗布し、次いで100℃にて乾燥し、下塗り原紙を得た。
【0028】
次いで、顔料として1次粒径13nmであるアルミナ(Aluminum Oxide C:日本アエロジル(株)製の商品名)の分散液(固形分として100重量部)に対しバインダーとしてポリビニールアルコール(PVA117:(株)クラレ製)20重量部、インク定着剤としてカチオン性高分子電解質(パピオゲンP−105:センカ(株)製)10重量部からなる固形分14重量%の光沢発現層用塗料を調製した。凝固処理剤として固形分3%になる様に硼砂を水に溶解した凝固処理液を調整した。前記下塗り原紙に上記光沢発現層用塗料をエアーナイフコーターで塗工量10g /m2 になるよう塗布し、次いで凝固処理液を塗布したのち、得られた塗工層表面が湿潤状態にあるうちに表面温度100℃のキャストドラムに圧着し、インクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0029】
実施例2:
実施例1の下塗り塗料において、合成シリカ98重量部、水酸化アルミニウム2重量部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0030】
実施例3:
実施例1の下塗り塗料において、合成シリカ70重量部、水酸化アルミニウム30重量部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0031】
実施例4:
実施例1の下塗り塗料において、結着剤を部分ケン化ポリビニルアルコール10重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体40部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0032】
実施例5:
実施例1の下塗り塗料において、結着剤を部分ケン化ポリビニルアルコール5重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体15部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例6.実施例1 において、光沢発現層に使用する凝固処理液を固形分濃度3%の硼砂/カチオン性電解質(パピオゲンP−105:センカ(株))=10/1とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0033】
実施例7:
光沢発現層の顔料として、平均粒子径80nm、アルミナドープ量約0.25%のアルミナドープシリカ(VP3375:日本アエロジル(株)製)の水分散液(固形分として100重量部)に対し、結着剤としてポリビニルアルコール(PVA117:(株)クラレ製)10重量部からなる固形分30%の光沢発現層用塗料を用い、実施例6 と同様な凝固処理液を使用した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0034】
実施例8:
光沢発現層の顔料として、平均粒子径0.3μmの合成シリカ(サイロジェット703C:グレースジャパン(株)製)の水分散液(固形分として100重量部)に対し、結着剤としてポリビニルアルコール(PVA117:(株)クラレ製)20重量部、インク定着剤としてカチオン性高分子電解質(パピオゲンP−105:センカ(株)製)10重量部からなる固形分15%の光沢発現層用塗料を用い、実施例6 と同様な凝固処理液を使用した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0035】
実施例9:
光沢発現層の顔料として、平均粒子径140nmの非球状コロイダルシリカ(スノーテックスPS−M:日産化学(株)製)の水分散液(固形分として100重量部)に対し、結着剤としてポリビニルアルコール(PVA117:(株)クラレ製)20重量部、インク定着剤としてカチオン性高分子電解質(パピオゲンP−105:センカ(株)製)10重量部からなる固形分15%の光沢発現層用塗料を用い、実施例6 と同様な凝固処理液を使用した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0036】
実施例10:
実施例1において、光沢発現層用塗料の結着剤をポリビニルアセタール(エスレックKX−1:積水化学(株)製)とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0037】
実施例11:
実施例1において、光沢発現層用塗料の結着剤をポリビニルアルコール10重量部、ポリビニルアセタール10重量部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0038】
比較例1:
実施例1において、下塗り用塗料の顔料を合成シリカ100重量部、水酸化アルミニウム0重量部とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0039】
比較例2:
実施例1において、下塗り用塗料の顔料を平均粒子径12μmの合成シリカ(サイリシア470:富士シリシア化学(株)製)100重量部、水酸化アルミニウム0重量部とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0040】
比較例3:
実施例1において、下塗り用塗料の顔料を合成シリカ60重量部、水酸化アルミニウム40重量部とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0041】
比較例4:
実施例1の下塗り用塗料において、結着剤を部分ケン化ポリビニルアルコール10重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体50部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0042】
(1) 下塗り層のベック平滑度
下塗り層を塗工後のベック平滑度をJIS P8119に準じて測定した。
(2) 光沢発現層塗工後の75度鏡面光沢度
光沢発現層塗工後の白紙光沢をJIS Z8741に準じて測定した。
(3) 粉落ち率
巾20cm×長さ15cm(0.03m2 )の紙片の巾方向に平行に15mm間隔で8 個所カッターナイフでカットし、カット後の重量(A)とカット前の重量(B)の重量比として下記式により算出した。
(B−A)/B×100%=粉落ち率
粉落ち率が0.25%以下であれば実用上問題の無い範囲と判断される。
(4) 光沢感の均一性
光沢紙表面に対し、横方向より表面状態を肉眼で観察し光沢感の均一性を判定した。均一性がもっとも高いものを◎、均一性がもっとも低いものを×として評価。
(5) にじみ
セイコーエプソン(株)製インクジェットプリンター「PM−770C」を用い印字した。文字及び画像のにじみの程度を目視にて評価。にじみがないものを◎、にじみが部分的にわずかにあるものを○、にじみがあり実用上問題があるものを△、にじみの悪く全く実用性のないものを×とした。
(6)画像濃度
セイコーエプソン(株)製インクジェットプリンター「PM−770C」を用いブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のベタ(100%濃度)を印字し、反射濃度計(DM−400:大日本スクリーン(株)製)にて各色の画像濃度を測定した。
【0044】
【発明の効果】
以上、実施例からも明らかなように、本発明のインクジェット記録用光沢紙はキャスト法によって製造されたインクジェット記録用光沢紙でありながら、高価な印画紙基材を用いた光沢紙に匹敵する表面光沢感の均一性と優れた印字品質を有しているだけでなく、粉落ち率も少ないものである。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】

Claims (4)

  1. キャスト法によって製造されたインクジェット記録用紙において、水酸化アルミニウムを含有する、塗工面のベック平滑度が25秒以上の下塗り層を支持体上に設け、かつ、前記下塗り層の顔料が合成シリカ:水酸化アルミニウム=70:30〜98:2重量部であり、かつ、前記下塗り層の結着剤が顔料100重量部に対し20〜50重量部であり、該支持体上に設けられた該下塗り層の上に、平均粒子径が0.5μm以下の顔料と結着剤を含有する光沢発現層を塗布し、湿潤状態の該光沢発現層をキャスト仕上げして製造された、下記に規定する粉落ち率が≦0.25%である、上記インクジェット記録用光沢紙:
    粉落ち率=(B−A)/B×100%
    A:0.03m2 の記録用紙をほぼ等間隔で8個所カットした後の用紙重量
    B:カット前の重量。
  2. 前記光沢発現層の顔料が平均粒子径0.5μm以下の合成シリカ、アルミナ、アルミナドープシリカ、コロイダルシリカよりなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用光沢紙。
  3. 前記光沢発現層の結着剤がポリビニールアルコール及びポリビニルアセタール又はそのいずれかを含有し、光沢発現層を塗布した後、ホウ素化合物含有水溶液にて凝固処理を行い、湿潤状態にあるうちに加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥してキャスト仕上げされてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用光沢紙。
  4. 凝固処理液中にカチオン性高分子電解質を含有することを特徴とする請求項記載のインクジェット記録用光沢紙。
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