JP4195769B2 - インクジェット記録用光沢紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録用光沢紙に関し、特に印字面の光沢が高く、写真画質に近い印字品位の高い記録用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、インクの液滴を吐出し、記録紙上に付着させることによりドットを形成し記録を行う方式である。近年、インクジェットプリンター、インク、記録媒体の技術的進歩により、印字品質の高い記録が可能になってきている。インクジェット記録媒体に求められる要素としては、
▲1▼インクの吸収、乾燥が速いこと
▲2▼印字濃度が高いこと
▲3▼ドットの広がりやひげ状のにじみが無いこと
等があげられる。一般の普通紙でも一定以上のサイズ性があれば、滲みも少なくある程度の印字品質が期待できる。
【0003】
一方、より高い印字品質を求める場合には記録媒体上にインクジェットプリンターのインクに対して適性のあるインク受容層を各種基材上に設けた専用の媒体が使用される。これらインクジェット記録専用の記録媒体としては紙やフィルムを支持体として、顔料とバインダーを主成分とする顔料塗工層または顔料を含まない樹脂塗工層を表面に設けたものが多く使用される。インクジェット専用記録媒体はさらに表面状態からマット調媒体と光沢媒体に分類される。銀塩写真により近い画像品質を要求する場合には後者の光沢媒体が使用される。
【0004】
これら光沢媒体に要求される特性としては前記した特性以外に
▲4▼ドットの真円性が高く、画像再現性が良好なこと
▲5▼耐水性、耐光性が良好であること
▲6▼画像領域、白紙部分の光沢感が高いこと
等があげられる。
【0005】
光沢媒体の製法としては▲1▼のインク吸収性、乾燥性を維持しながら▲2▼〜▲6▼の特性を維持するために、各種の方法が提案されているが、一般的方法はキャスト法によりインク受容層を形成し表面に光沢を付与する方法と印画紙用基材上にインク受容層を形成する方法である。一般には前者は▲1▼のインク吸収性が後者に比べ制御しやすいが、▲4▼のドット真円性、画像再現性、▲6▼の画像領域、白紙部分の光沢感、品位では後者に比べ劣っている。
【0006】
印画紙用基材は一般にRC紙(レジンコート紙)といわれるように、紙の基材上にポリエチレンのフィルム層が形成されているためにインク受容層をその表面に形成した場合、フィルム面が平滑であることからインク受容層表面も平滑で、光沢ある表面が形成しやすい。
【0007】
しかし、インク吸収性をあげるために塗工量を多くする必要があり、また基材そのものが紙よりも高価であることから全体のコストは前者のキャスト法による光沢媒体に比べ高いものとなる。
【0008】
また、廃棄する場合には複合素材であることからリサイクルがきかないといった問題もある。キャスト法によるインクジェット記録用光沢紙についてはこの点有利であるが、前記した品質面での問題があり、これらの課題を解決するために各種の提案がなされいる。特開平6−72017号公報には記録層表面の平均粗さ、光沢度及び記録紙の透気度を規定することで表面の平滑性が高く、画質の高級感に優れるインクジェット記録用紙が得られるとの提案がある。
【0009】
また特開平11−348416号公報には記録層表面の亀裂の大きさ及び個数を規定することによって優れた光沢感及びインク受容性を有するインクジェット記録用紙が得られるとの提案もあるが、亀裂数が少なすぎると光沢感が増す一方インク吸収性が低下するという問題点もある。いずれにせよ、キャスト法によって製造されたインクジェット記録用光沢紙において、印画紙基材あるいはフィルム基材を用いて製造された媒体を超える画質と均一な光沢感を有する記録媒体は無いのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はキャスト法によるインクジェット記録用光沢紙において、上記従来技術の問題点である、画像品質の改良、特に印字した場合の画像再現性と密接に関連するドット真円性の向上とインク受容層表面の光沢感の均一性を改善し、印画紙基材あるいはフィルム基材を用いて製造された媒体に匹敵する画質と均一な光沢感を有し、かつリサイクル可能な記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0011】
本発明者等はこれらの課題を解決するために、キャスト法で製造されたインクジェット記録用光沢紙の表面状態を顕微鏡下で観察した結果、微視的表面状態と肉眼で観察される表面光沢の均一性、印字した場合のドット真円性の間に密接な関連があることを見出した。
【0012】
すなわち従来のキャスト法によって製造された記録媒体のインク受容層表面にはいずれも表面に微小なひび割れ状の亀裂が存在している。この表面亀裂はインク吸収速度には有利に作用することはすでに公知であるが(特公昭63−56871号公報)、亀裂の存在密度がある値を超えると印字した場合のドット真円性が低下するとともに、表面の均一な光沢感を阻害し記録紙表面の品位を落とすことを見出し本発明を完成したものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、(1)紙基材上に、インク受容層用の塗料を塗布し、次いで凝固剤を含む凝固液を塗布した後、得られた塗工層表面が湿潤状態にあるうちにキャストドラムに圧着してインク受容層表面が形成された光沢紙であり、前記インク受容層中の樹脂成分としてポリビニルアセタールを含有し、前記インク受容層中の無機顔料としてアルミナを含有し、前記凝固剤が硼酸または硼砂であり、前記凝固剤の量が前記インク受容層中の樹脂成分に対し5質量%以上であることを特徴とするインクジェット記録用光沢紙である。(2)ここで前記インク受容層中の樹脂成分としてさらにポリビニルアルコールを含有してもよい。(3)また、本発明は、紙基材上に、インク受容層用の塗料を塗布し、次いで凝固剤を含む凝固液を塗布した後、得られた塗工層表面が湿潤状態にあるうちにキャストドラムに圧着してインク受容層表面が形成された光沢紙であり、前記インク受容層中の樹脂成分としてポリビニルアルコールを含有し、前記インク受容層中の無機顔料としてアルミナを含有し、前記凝固剤が硼酸または硼砂であり、前記凝固剤の量が前記インク受容層中の樹脂成分に対し5質量%以上であることを特徴とするインクジェット記録用光沢紙である。(4)本発明のインクジェット記録用光沢紙では、前記インク受容層表面において存在する亀裂は、長さ30μm未満、幅5μm未満であり、表面亀裂数が80個/0.1mm 以下であり、(5)また、JIS Z8741に規定する75度鏡面光沢度が50%以上70%未満である
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では長さ30μm未満、幅5μm未満の表面亀裂数が80個/0.1mm以下にすることが不可欠であり、印字した場合、ドットの真円性は極めて高くなるが、さらに亀裂数を減少させることでも真円性の改善効果はより高まっていく。逆にこの値を超えて数が増加すると急激に真円性は低下する。
【0015】
一方、光沢感については、亀裂数が少ないほど好ましいが80個/0.1mm以下であれば十分な均一性が認められるが、この値をこえると徐々に悪化する。本発明の目的であるドット真円性と肉眼でみた光沢感の均一性を両立させるために本発明では80個/0.1mm以下とした。表面の亀裂がドットの真円性に影響する要因としては、亀裂に沿ってインクが平面方向に広がり、亀裂部分がドットの周囲に接触すると周囲の輪郭を崩すためと考えられる。ドットの周囲に接触する亀裂が少ない場合あるいは亀裂がドット径に対し非常に微小な場合には局所的な乱れに留まり、真円度そのものにはほとんど影響はないが、ある値を超えこの数が増加していくとドット周囲の微視的な乱れから、真円性の低下にまで影響する。
【0016】
また本発明においては、亀裂数を制御し亀裂数を極力少なくしてもインク吸収性が低下することはない。従って、亀裂数を最小限にとどめることで光沢感、ドット真円性、インク吸収性の高いインクジェット記録用光沢紙を得ることができるものである。亀裂の長さとしては1μm以下のものから数100μmに及ぶものまで各種存在しており、亀裂の幅に関しては1μm以下のものから数10μmのものまで存在している。本発明では通常のドット径を考慮して、亀裂の長さとして30μmを尺度とした。一方、計器で測定される光沢度はlmm以下の微小凹凸よりもlミクロン以下の表面粗さの影響をより受け易く、本発明で特定する亀裂数は存在密度が低い場合には光沢度にはほとんど影響を与えないものと思われる。また計器で測定される光沢度の値は広い領域の平均的な反射率を示しており、微小領域の反射率の不均一性までは表現できていない。
【0017】
従って、平均的な反射率に影響を及ばさない範囲内では光沢度と亀裂数には相関関係が無く、単に光沢度を何らかの手段で高めたとしても亀裂数そのものの減少にはならないし、光沢感の均一性も改善されない。また接触式表面粗さ計で測定される表面粗さは表面の物理的形状を測定することはできても、触針先端の径より小さな粗さは評価できず、光学的粗さとは直接相関はない。
【0018】
一方、本発明における亀裂数がある値を超えて増加していくと微視的凹凸が肉眼でみた不均一性まで影響し、光沢感の均一性が低下していくものと思われる。
本発明の光沢紙の75度光沢度は50%以上が必要である。
しかしながら光沢感の均一性が優れるため光沢度が70%以下でも肉眼でみた光沢感は満足すべきレベルにあり、あえて70%以上にする必要は無い。
【0019】
本発明の光沢紙は紙を基材として公知のキャストコート法によって製造される。キャストコート法には光沢面を形成する方法によりウエット法、リウエット法、凝固法に分類できるが、光沢面の亀裂数制御の観点からは凝固法がもっとも好ましい。
【0020】
亀裂数制御には凝固の仕方と乾燥条件が重要である。凝固法ではインク受容層で用いるバインダーに対応した凝固剤の選択、凝固剤の量が重要である。凝固剤としては蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸等のカルシウム、亜鉛、バリウム、鉛、マグネシウム、カドミウム、アルミニウム等の塩や硫酸カリウム、クエン酸カリウム、硼砂、硼酸を使用できるが、インク受容層のバインダーがポリビニルアルコール及びポリビニルアセタールの場合には棚酸または棚砂の組み合わせが好適である。インクの吸収性を考慮すると後者の組み合わせが前者よりも優れている。凝固剤の量は印字面塗工層中の樹脂成分に対し5重量%以上であることが必要である。5重量%より低い場合には十分な光沢面が得られず亀裂数が大幅に増加する。
【0021】
本発明のインク受容層を形成する塗料は顔料、バインダーと必要に応じてインク定着剤、離型剤を含有する。
本発明で用いられる顔料は無機顔料として軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、ゼオライト、珪藻土、水酸化マグネシウム等の白色顔料を用いることができる。
【0022】
本発明ではインク受容層の亀裂が極端に少ないことから、インク吸収速度が低下する場合にはアルミナを使用すると好ましい結果が得られる。アルミナの具体例としてはγ−アルミナ、δ−アルミナ、η−アルミナ、θ−アルミナが挙げられる。無機顔料の粒径は大きくとも1μm以下であり、好ましくは0.01〜0.5μmである。1μmを超えるとインク吸収性が良すぎて受容層深部にインクが入り込むために色濃度が著しく低下し、0.01μm以下ではインク受容層表面に亀裂が入りやすくなると同時にインク吸収性が悪くなる。
また無機顔料と併用して有機顔料を添加することも可能である。
【0023】
本発明で用いられるバインダーはポリビニルアルコールポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルピロヒドリン系樹脂、ポリアクリル酸またはその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス類、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス類の樹脂類が例示され、単独または併用して用いられる。
【0024】
特に好ましいバインダーはポリビニルアルコールポリビニルアセタール、カゼインであり、これら単独または上記樹脂類と併用して用いられる。ポリビニルアルコール及びポリビニルアセタールをバインダーとして用いた場合には、前記したように、凝固剤として硼酸または硼砂を使用することで、インク受容層の表面亀裂の減少に効果がある。
【0025】
バインダーの使用量は、記録媒体の印字適性、インク受容層の強度、塗料液性を考慮して決定される。通常、顔料重量に対しl〜200重量%、好ましくは5〜100重量%程度の範囲で添加される。
本発明において、上記、顔料、バインダー類以外にカチオン性の高分子電解質を添加することが好ましい。カチオン性高分子電解質を添加することで、インク中に使用されている染料中のアニオン成分と反応し水に不溶な塩を形成することから、記録画像の耐水性が向上する。
【0026】
このようなカチオン性高分子電解質としてはポリエチレンイミン、エピクロルヒドリン変性ポリアルキルアミン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムハライド、ポリジアクリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ポリビニルピリジウムハライド、その他第4級アンモニウム塩類及びポリアミン等が用いられる。
カチオン性高分子電解質はインク受容層を構成する塗料液または凝固液に添加することができる。
添加量は全バインダー重量に対し1〜50重量%の範囲で使用される。とくに好ましい添加範囲は5〜30重量%である。その他の添加剤としては、必要に応じて消泡剤、潤滑剤、分散剤、湿潤剤等を使用できる。
【0027】
本発明のインク受容層を形成する塗料の塗工法としてはエアーナイフ、ロールコーター、バーコ―ター、コンマコーター、ブレードコーター等の公知の塗工機が用いられる。塗工量は固形分換算で5〜40g/m、好ましくは7〜30g/mの範囲が好ましい。塗工量が40g/mを超えるとインク受容層表面に亀裂が入りやすく、塗工量が5g/mより少ない場合には十分な光沢面が形成しづらい。
【0028】
本発明における光沢面形成は上記コーターで塗料を塗工した後、凝固液を塗工面に付与し塗料を凝固させキャストドラムに表面を圧着することで行われる。この工程は本発明の表面亀裂の少ない、かつインク吸収性能の高いインク受容層を形成する際に重要な工程である。
使用する凝固剤については上記した通りであるが、加えて凝固剤を付与してキャストドラムに到達するまでの時間、キャストドラム温度、圧着する際の圧力、ライン速度を調整することでより表面亀裂の少ないインク受容層表面が形成できる。これらの諸条件については、使用する設備、塗料に応じて最適条件を求めることで適正化する必要がある。
【0029】
本発明で使用する基材としては、通常の上質紙、中質紙、白板紙等の紙基材が用いられる。燃料としてリサイクルされる場合を考慮し原料パルプとしては塩素含有量の少ないECFパルプまたはTCEパルプの使用が望ましい。
キャストコート時における塗料の過度の浸透を押さえるために、サイズプレスで澱粉、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子を塗工した原紙を使用することが好ましい。
また、基材上に顔料と接着剤からなる下塗り層を設け、この上に本発明のキャストコート層を設けることもできる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」及び「%」は特に明示しない限り固形重量部および固形重量%を示す。
実施例1
顔料として1次粒径13nmであるアルミナ(Aluminum Oxide C:日本アエロジール(株)製の商品名)の分散液(固形分として100重量部)に対しバインダーとしてポリビニルアルコール(PVA117:(株)クラレ製)20重量部、インク定着剤としてカチオン性高分子電解質(パピオゲンP−105:センカ(株)製)10重量部からなる固形分14重量%の塗料を調製した。凝固剤として硼砂を水に溶解した凝固液を調整した。酸化澱粉で表面処理した秤量160g/mの上質紙に上記塗料をロールコーターで塗工量15g/mになるよう塗布し、次いで凝固剤量がポリビニルアルコール重量に対し10重量%になるよう塗布したのち、得られた塗工層表面が湿潤状態にあるうちに表面温度100℃のキャストドラムに圧着し、光沢面の表面亀裂数が最低になるように、圧着時圧力、ラインスピードを調整し、インクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0031】
実施例2
実施例1において凝固剤の量がポリビニルアルコールに対し50重量%になるよう凝固液の固形分を調整し、塗布した以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0032】
実施例3
実施例1において凝固剤の量がポリビニルアルコールに対し80重量%になるよう凝固液の固形分を調整し、塗布した以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0033】
実施例4
実施例1において凝固剤を硼酸としポリビニルアルコールに対し50重量%になるよう凝固液の固形分を調整し、塗布した以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0034】
実施例5
実施例1においてバインダーをポリビニルアセタール(エスレックKX一1:積水化学(株)製)とし、凝固剤として硼砂をポリビニルアセタールに対し50重量%になるように凝固液の固形分を調整し、塗布した以外は実施例lに記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0035】
実施例6
実施例1においてバインダーをポリビニルアルコール10重量部、ポリビニルアセタール10重量部とし、凝固剤として硼砂をポリビニルアルコール及びポリビニルアセタールの総重量部に対し50重量%になるように凝固液の固形分を調整し、塗布した以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0036】
比較例1
実施例1において凝固剤を使用しないで塗布した以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0037】
比較例2
実施例1において凝固剤の量がポリビニルアルコールに対し3重量%になるよう凝固液の固形分を調整し、塗布した以外は実施例lに記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
【0038】
参考例1〜4
インクジェットプリンター用専用光沢紙として市販されている4種の光沢紙(A〜D)を準備した。4種の試料のうちA、B、Cは紙を基材としたものであり、キャスト法によるものと推定される。Dは印画紙用基材を使用したものである。
【0039】
上記インクジェット記録用光沢紙について以下の試験を実施し、結果を表1に示した。
(1)亀裂数の計測光沢紙表面を走査型電子顕微鏡で500倍に拡大撮影し、200μm×200μmの視野5点について長さ30μm未満、幅5μm未満の亀裂について計数し、0.1mmあたりの個数を求めた。比較例及び参考例において、30μmを超え連続している亀裂については30μm毎に分割し分割した数を個数として数えた。
(2)75度鏡面光沢度JlS Z8741に準じて測定した。
(3)ドット形状係数1mmあたり25個のドット密度になるようにセイコーエプソン(株)製インクジェットプリンター「PM−770C」を用い印字した。次いで印字部分を64倍に拡大し、ドットアナライザーDA−5000(王子計測社製)を用い1mm/1視野×20視野について次式で示されるドット形状係数を測定し、平均値及び標準偏差を求めた。
形状係数=(ドット周囲長)/(4π×面積)
【0040】
(4)光沢感の均一性
光沢紙表面に対し、横方向より表面状態を肉眼で観察し光沢感の均一性を判定した。均一性がもっとも高いものを◎、均一性がもっとも低いものを×として評価。
(5)にじみ
セイコーエプソン(株)製インクジェットプリンター「PM−770C」を用い印字した。文字及び画像のにじみの程度を目視にて評価。にじみがないものを◎、にじみが部分的にわずかにあるものを○、にじみがあるが実用上問題のないものを△、にじみの悪く実用上問題があるものを×とした。
【0041】
【表1】
Figure 0004195769
【0042】
【発明の効果】
以上、実施例からも明らかなように、本発明のインクジェット記録用光沢紙はキャスト法によって製造されたインクジェット記録用光沢紙でありながら、高価な印画紙基材を用いた光沢紙に匹敵する表面光沢感の均一性、印字した場合のドット真円性を有することができる。
【0043】
本発明では紙を基材としていることから、フィルム層を有する印画紙基材に比べ、製造コストも低く、廃棄する場合にはリサイクル可能であり資源の有効利用という観点からも好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわるインクジェット記録用光沢紙の表面電子顕微鏡写真を示す(倍率500倍)。
【図2】参考例1の表面電子顕微鏡写真を示す(倍率500倍)。
【図3】参考例2の表面電子顕微鏡写真を示す(倍率500倍)。
【図4】本発明にかかわるインクジェット記録用光沢紙に印字した場合のドット形状の顕微鏡写真を示す。
【図5】参考例lのドット形状の顕微鏡写真を示す。
【図6】参考例2のドット形状の顕微鏡写真を示す。

Claims (5)

  1. 紙基材上に、インク受容層用の塗料を塗布し、次いで凝固剤を含む凝固液を塗布した後、得られた塗工層表面が湿潤状態にあるうちにキャストドラムに圧着してインク受容層表面が形成された光沢紙であり、
    前記インク受容層中の樹脂成分としてポリビニルアセタールを含有し、
    前記インク受容層中の無機顔料としてアルミナを含有し、
    前記凝固剤が硼酸または硼砂であり、
    前記凝固剤の量が前記インク受容層中の樹脂成分に対し5質量%以上であることを特徴とするインクジェット記録用光沢紙。
  2. 前記インク受容層中の樹脂成分としてさらにポリビニルアルコールを含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用光沢紙。
  3. 紙基材上に、インク受容層用の塗料を塗布し、次いで凝固剤を含む凝固液を塗布した後、得られた塗工層表面が湿潤状態にあるうちにキャストドラムに圧着してインク受容層表面が形成された光沢紙であり、
    前記インク受容層中の樹脂成分としてポリビニルアルコールを含有し、
    前記インク受容層中の無機顔料としてアルミナを含有し、
    前記凝固剤が硼酸または硼砂であり、
    前記凝固剤の量が前記インク受容層中の樹脂成分に対し5質量%以上であることを特徴とするインクジェット記録用光沢紙。
  4. 前記インク受容層表面において存在する亀裂は、長さ30μm未満、幅5μm未満であり、表面亀裂数が80個/0.1mm 以下であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のインクジェット記録用光沢紙。
  5. JIS Z8741に規定する75度鏡面光沢度が50%以上70%未満であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のインクジェット記録用光沢紙。
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