JP4515480B2 - インクジェット記録用シート - Google Patents
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広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)からなるパルプスラリー中の絶乾パルプ100%に対し、炭酸カルシウム(タマパールTP−121:奥多摩工業社製)5%、カチオン化でん粉(ケート308:日本NSC社製)0.8%、中性ロジンサイズ剤(NT−85:荒川化学社製)0.4%の配合で抄紙し、坪量105g/m2の原紙を抄造した。
[インク受理層下層を形成]
インク受理層下層は、支持体である前記原紙の表面に塗工し、形成した。インク受理層下層の塗工組成物は、平均粒子径12μmの合成非晶質シリカ(ミズカシルP−78D:水澤化学工業社製)100部、ポリビニルアルコール(PVA―117:クラレ社製)35部、硝酸ジルコニウム(ジルコゾールZN:第一稀元素化学工業社製)2部を用い、固形分濃度15%として、これらを調液した。この液を絶乾塗工量15g/m2となるように塗工した。
[インク受理層上層を形成]
インク受理層上層は、前記インク受理層下層の表面に塗工し、形成した。該インク受理層の塗工組成物は、平均粒子径6μmの合成非晶質シリカ(ミズカシルP−78A:水澤化学工業社製)100部、ポリビニルアルコール(PVA―117:クラレ社製)35部、硝酸ジルコニウム(ジルコゾールZN:第一稀元素化学工業社製)2部を用い、固形分濃度15%として、これらを調液した。この液を絶乾塗工量15g/m2となるように塗工した。
[光沢発現層を形成]
光沢発現層は、前記インク受理層の表面に塗工した。光沢発現層の塗工組成物は、無機微粒子である有機カチオン処理されたコロイダルヒュームドシリカ(Cab−O−Sperse PG022(平均粒子径150nm:キャボット・スペシャリティ・ケミカルズ・インク社製)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ社製)5部、カチオン性染料定着剤(スミレッズレジン1001:住友化学社製)5部を用い、固形分濃度15%としてこれらを調液した。この液を絶乾塗工量8g/m2となるように塗工した。該光沢発現層塗工面がチルドロールに接するように、線圧100kg/cmの条件でカレンダー処理を行って形成し、インクジェット記録用シートを得た。
〔バック層の形成〕
平均粒子径7.7μmのタルク(LMS−100:イメリス ミネラルズ・ジャパン社製)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ社製)20部と水を混合し、固形分35%の塗工液を得た。該バック層の塗工液を絶乾塗工量12g/m2となるように、インク受理層と反対側の支持体裏面に塗工して、バック層を形成した。
実施例1において、インク受理層下層の合成非晶質シリカを平均粒子径18μmの合成非晶質シリカ(ミズカシルP−78F:水澤化学工業社製)100部とした以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録用シートを得た。
実施例1において、インク受理層下層の絶乾塗工量を10g/m2とした以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記録用シートを得た。
実施例3において、インク受理層下層の合成非晶質シリカを平均粒子径18μmの合成非晶質シリカ(ミズカシルP−78F:水澤化学工業社製)100部とした以外は実施例3と同様にして実施例4のインクジェット記録用シートを得た。
実施例1において、インク受理層上層の絶乾塗工量を10g/m2及びインク受理層下層の絶乾塗工量を10g/m2とした以外は実施例1と同様にして実施例5のインクジェット記録用シートを得た。
実施例5において、インク受理層下層の合成非晶質シリカを平均粒子径18μmの合成非晶質シリカ(ミズカシルP−78F:水澤化学工業社製)100部とした以外は実施例5と同様にして実施例6のインクジェット記録用シートを得た。
実施例1において、インク受理層下層の絶乾塗工量を20g/m2及びインク受理層上層の絶乾塗工量を20g/m2とした以外は実施例1と同様にして実施例7のインクジェット記録用シートを得た。
実施例2において、インク受理層下層の絶乾塗工量を20g/m2及びインク受理層上層の絶乾塗工量を20g/m2とした以外は実施例2と同様にして実施例8のインクジェット記録用シートを得た。
実施例1において、光沢発現層の絶乾塗工量を15g/m2とした以外は実施例1と同様にして実施例9のインクジェット記録用シートを得た。
実施例2において、光沢発現層の絶乾塗工量を15g/m2とした以外は実施例2と同様にして実施例10のインクジェット記録用シートを得た。
実施例1において、インク受理層下層の硝酸ジルコニウム及びインク受理層上層の硝酸ジルコニウムを酢酸ジルコニウム(ジルコゾールZA−30:第一稀元素化学工業社製)としたこと以外は実施例1と同様にして実施例11のインクジェット記録用シートを得た。
実施例2において、インク受理層下層の硝酸ジルコニウム及びインク受理層上層の硝酸ジルコニウムを酢酸ジルコニウム(ジルコゾールZA−30:第一稀元素化学工業社製)としたこと以外は実施例2と同様にして実施例12のインクジェット記録用シートを得た。
実施例1において、インク受理層下層の硝酸ジルコニウム及びインク受理層上層の硝酸ジルコニウムを塩化ジルコニウム(ジルコゾールZC:第一稀元素化学工業社製)としたこと以外は実施例1と同様にして実施例13のインクジェット記録用シートを得た。
実施例2において、インク受理層下層の硝酸ジルコニウム及びインク受理層上層の硝酸ジルコニウムを塩化ジルコニウム(ジルコゾールZC:第一稀元素化学工業社製)としたこと以外は実施例2と同様にして実施例14のインクジェット記録用シートを得た。
実施例1において、インク受理層下層の硝酸ジルコニウム及びインク受理層上層の硝酸ジルコニウムを炭酸ジルコニウム(ジルコゾールAC−20:第一稀元素化学工業社製)としたこと以外は実施例1と同様にして実施例15のインクジェット記録用シートを得た。
実施例2において、インク受理層下層の硝酸ジルコニウム及びインク受理層上層の硝酸ジルコニウムを炭酸ジルコニウム(ジルコゾールAC−20:第一稀元素化学工業社製)としたこと以外は実施例2と同様にして実施例16のインクジェット記録用シートを得た。
実施例1において、インク受理層下層の硝酸ジルコニウム及びインク受理層上層の硝酸ジルコニウムを0部とした以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録用シートを得た。
実施例2において、インク受理層下層の硝酸ジルコニウム及びインク受理層上層の硝酸ジルコニウムを0部とした以外は実施例2と同様にして比較例2のインクジェット記録用シートを得た。
比較例1において、インク受理層下層の合成非晶質シリカを平均粒子径6μmの合成非晶質シリカ(ミズカシルP−78A:水澤化学工業社製)100部とした以外は比較例1と同様にして比較例3のインクジェット記録用シートを得た。
比較例3において、インク受理層上層の合成非晶質シリカを平均粒子径12μmの合成非晶質シリカ(ミズカシルP−78D:水澤化学工業社製)100部とした以外は比較例3と同様にして比較例4のインクジェット記録用シートを得た。
比較例3において、インク受理層上層の合成非晶質シリカを平均粒子径18μmの合成非晶質シリカ(ミズカシルP−78F:水澤化学工業社製)100部とした以外は比較例3と同様にして比較例5のインクジェット記録用シートを得た。
比較例2において、インク受理層上層の合成非晶質シリカを平均粒子径18μmの合成非晶質シリカ(ミズカシルP−78F:水澤化学工業社製)100部とした以外は比較例2と同様にして比較例6のインクジェット記録用シートを得た。
実施例1において、光沢発現層の無機微粒子をアニオン性コロイダルシリカ(Cab−O−Sperse PG002:キャボット・スペシャリティ・ケミカルズ・インク社製)100部とした以外は実施例1と同様にして比較例7のインクジェット記録用シートを得た。
実施例1において、光沢発現層の無機微粒子を無機カチオン性コロイダルシリカ(スノーテックスAK−ZL:日産化学工業社製)100部とした以外は実施例1と同様にして比較例8のインクジェット記録用シートを得た。
実施例1において、光沢発現層の絶乾塗工量を3g/m2とした以外は実施例1と同様にして比較例9のインクジェット記録用シートを得た。
実施例2において、光沢発現層の絶乾塗工量を3g/m2とした以外は実施例2と同様にして比較例10のインクジェット記録用シートを得た。
実施例1において、光沢発現層の絶乾塗工量を25g/m2とした以外は実施例1と同様にして比較例11のインクジェット記録用シートを得た。
実施例2において、光沢発現層の絶乾塗工量を25g/m2とした以外は実施例2と同様にして比較例12のインクジェット記録用シートを得た。
実施例11において、光沢発現層に酢酸ジルコニウム(ジルコゾールZA−30:第一稀元素化学工業社製)2部加えたこと以外は実施例11と同様にして比較例13のインクジェット記録用シートを得た。
実施例12において、光沢発現層に酢酸ジルコニウム(ジルコゾールZA−30:第一稀元素化学工業社製)2部加えたこと以外は実施例12と同様にして比較例14のインクジェット記録用シートを得た。
実施例1〜16及び比較例1〜14で得られたインクジェット記録用シートについて光沢度、粉落ち強度、表面強度、静・動摩擦係数、印字画像の鮮明性、インク吸収性、滲み、印字濃度、インクの裏抜け、コックリングを次に示す方法によって評価した。印字画像の鮮明性とインク吸収性及び印字濃度、インクの裏抜け、コックリングに関しては、染料インクのインクジェットプリンターであるエプソン社製のPM−G800機と顔料インクのインクジェットプリンターであるエプソン社製PX−5500機とで記録を行い、評価した。得られた結果については表1から表4に示す。
インクジェット記録用シートの白地部について、JIS P 8142:2005「紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法」による白紙光沢度の方法に準じて、入射角75度の鏡面光沢度を、グロスメーター(村上カラーリサーチラボラトリー社製、GM−26D)で測定した。
ガラス板上で、縦目のA4サイズ(297mm×210mm)サンプルを横方向にカッターで3回切り、切断したサンプルを指でしごき、ガラス板上に粉を落とす。セロハンテープで粉を集め、粉落ちの量を目視評価した。
◎:粉落ちがほとんどなく、非常に良好である。
○:粉落ちが少なく、良好であり、実用レベルにある。
△:粉落ちがややあり、少し劣り、実用に耐えない。
×:粉落ちが多く、非常に劣り、実用に耐えない。
塗工面を指で擦り、粉落ちを評価した。
◎:塗工面の粉落ちがなく、指にも付着せず非常に良好である。
○:塗工面の粉落ちが少なく、指にもあまり付着せず良好であり、実用レベルにある。
△:塗工面の粉落ちがややあり、指に少し付着していて、実用に耐えない。
×:塗工面の粉落ちが多くあり、指にも付着していて、実用に耐えない。
得られた記録シートの記録面同士の静摩擦係数を、ストログラフ(商品名:STROGRAPH−R2、東洋精機社製)を用いて、JIS
P 8147:1994「紙及び板紙の摩擦係数試験方法」(水平条件)に準じて測定した。
印字画像の鮮明度について目視評価した。
◎:印字画像が非常に鮮明でコントラストがはっきりしている。
○:印字画像が鮮明でコントラストがあり、実用レベルにある。
△:印字画像が鮮明であるがコントラストがあまりはっきりしなく、やや白ボケ気味であり、実用に耐えない。
×:印字画像が鮮明でなく、白ボケ気味であり、実用に耐えない。
インク吸収性の評価は、印字直後から1秒毎にプリントした印字面に上質紙を貼り合せ、インクが上質紙に転写するかを観察する。全く転写しなくなるまでの時間を測定する。測定された秒数を以下のように4段階評価した。
◎:印字直後から2秒未満で全く転写しないもの。
○:2秒以上から3秒未満で全く転写しないものであり、実用レベルにある。
△:3秒以上から5秒未満で全く転写しないものであり、実用に耐えない。
×:5秒以上でも転写したものであり、実用に耐えない。
黒ベタ部の印字濃度を反射濃度計(グレタグマクベス社製、RD―918)にて測定した。
印字画像の滲みを目視評価した。
◎:混色印字部の滲みがほとんどなく、非常に明瞭に文字が読み取れる。
○:混色印字部の滲みが少なく、明瞭に文字が読み取れ、実用レベルにある。
△:混色印字部の滲みがややあり、少し文字が読み取りにくく、実用に耐えない。
×:混色印字部の滲みがあり、文字が読み取りにくく、実用に耐えない。
印字した用紙裏面から、インクの裏抜け度合いを評価した。
◎:インクの裏抜けがなく、非常に印字画像の裏抜けが良好である。
○:インクの裏抜けが目立たず、印字画像の裏抜けが良好であり、実用レベルにある。
△:インクの裏抜けが二次色で生ずるなど、印字画像の裏抜けがやや悪く、実用に耐えない。
×:インクの裏抜けが全般に生じ、印字画像の裏抜けが非常に悪く、実用に耐えない。
印字した用紙の波打ち度合いを評価した。
◎:用紙の波打ちがなく、非常にコックリングが良好である。
○:用紙の波打ちが目立たず、コックリングが良好であり、実用レベルにある。
△:用紙の波打ちが二次色で生ずるなど、コックリングがやや悪く、実用に耐えない。
×:用紙の波打ちが全般に生じ、コックリングが非常に悪く、実用に耐えない。
Claims (4)
- 支持体に、ポリビニルアルコールと合成非晶質シリカとを含むインク受理層を設けてなるインクジェット記録用シートにおいて、前記インク受理層の最上層に無機微粒子を主体とする光沢発現層を設け、前記無機微粒子が主として有機カチオン処理されたコロイダルシリカであり、かつ、前記光沢発現層の絶乾塗工量が5〜20g/m2であり、かつ、前記光沢発現層はジルコニウム化合物を含有せずに、前記インク受理層だけがジルコニウム化合物を含有し、かつ、該インク受理層のジルコニウム化合物とポリビニルアルコールとの比率は固形分の質量比で1:100〜1:4であり、かつ、前記ジルコニウム化合物が、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム若しくは炭酸ジルコニウム又はこれらの組み合わせであることを特徴とするインクジェット記録用シート。
- 前記無機微粒子の平均粒子径が5〜500nmであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用シート。
- JIS P 8142:2005「紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験法」に規定する75度鏡面光沢度が20〜70%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用シート。
- 前記光沢発現層の下に形成される前記インク受理層は、少なくともインク受理層下層とインク受理層上層の二層からなり、かつ、前記インク受理層下層は、平均粒子径が11〜20μmの合成非晶質シリカを主体としてなるとともに絶乾塗工量が5〜25g/m2であり、かつ、前記インク受理層上層は、平均粒子径が3〜11μmの合成非晶質シリカを主体としてなるとともに絶乾塗工量が5〜25g/m2であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のインクジェット記録用シート。
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