JP2000071603A - インクジェット記録用シート及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録用シート及びその製造方法

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JP2000071603A
JP2000071603A JP10240836A JP24083698A JP2000071603A JP 2000071603 A JP2000071603 A JP 2000071603A JP 10240836 A JP10240836 A JP 10240836A JP 24083698 A JP24083698 A JP 24083698A JP 2000071603 A JP2000071603 A JP 2000071603A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビーディングの発生がない高鮮明な印画画質
を形成し得るインクジェット記録用シートを提供するこ
と、また、インク吸収性、印画部の耐水性、平滑性が良
好であり、しかも、光沢の優れたインクジェット記録シ
ートを提供することである。 【解決手段】 支持体と、その上に、架橋剤により架橋
されている水溶性樹脂と、無機微粒子と、分子量が1.
0×103 〜8.0×103 であるカチオン性または塩
基性オリゴマーとを含有するインク受容層とを有するイ
ンクジェット記録用シートである。支持体が紙支持体の
場合は、表面に幅5〜30μmで、かつ、長さ30〜2
00μmの亀裂を30〜500個/mm2 有するのが好
ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットプリ
ンタによる記録に好適なインクジェット記録用シート
(以下、適宜、「インクジェット記録シート」と称す
る)及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタによる記録は、
高速記録が可能であり、騒音もなく、操作性、保守性が
優れており、かつ、多色化が容易なために多方面で利用
されている。インクジェット記録シートとしては、表面
にインク受容層を形成した塗工紙等が用いられている。
インク受容層は、通常、インク吸収性が良好となるよう
に、空隙率を高くしたり、あるいは大きな空隙を有する
ように工夫されている。しかし、このようなインク受容
層は、インク受容性に富むものの、層表面での光の散
乱、光透過性の低下などにより、空隙に浸透したインク
に光が到達しにくく、画像が白っぽくなったり、色相の
鮮やかさや色濃度が低下する傾向がある。また、インク
吸収性を改善するために、顔料等を含有するインク受容
層が設けられたインクジェット記録用シートもあるが、
このようなインク受容層は、多孔質な表面となることこ
とから、高い光沢を望むことは難しい。
【0003】一方、用紙に高い光沢を付与することは、
外観上好ましく、例えば、用紙表面に光沢を付与する方
法としては、表面に樹脂層を設ける方法や、加熱したロ
ール間に加圧して通紙することで塗層表面を平滑化、高
光沢化する方法等が知られている。樹脂被覆紙や樹脂フ
ィルム上に水溶性ポリマーを塗設し、膨潤・溶解により
インクを吸収させる記録紙、フィルム等があるが、この
ような樹脂被覆紙や樹脂フィルムに水溶性ポリマーを塗
設したものは、光沢は得られるものの、インクの吸収、
乾燥が遅く、インク転写による汚れやにじみが発生す
る。また、顔料コート紙を高温・高圧でカレンダー処理
を行うと、光沢は向上するが、塗層の空隙が減少し、イ
ンクの吸収が遅くなり、印画後の乾燥が遅れる傾向があ
る。また、吸収容量の減少からインクが溢れ、いわゆる
ビーディング(印画後に、画像中に視覚的に認識される
ビーズ玉程度の大きさの色ムラのこと)が発生し、イン
クジェット記録シートとしては好ましくない。このこと
から、カレンダー処理が許容されるインク吸収容量の範
囲内で条件を選択せざるを得ず、インクジェット記録用
シートにおいて、高吸収性と高光沢性を同時に達成する
ことは困難である。
【0004】前記以外の表面光沢の高い用紙としては、
原紙に板状顔料を含有する塗布液を塗布し、湿潤状態で
加熱された鏡面ドラム面に圧着、乾燥することにより、
その鏡面を写しとることによって得られる、いわゆるキ
ャストコート紙が知られている。例えば、US5275
846号に開示されているような従来のキャストコート
紙は、その塗布層を構成する顔料組成物中のバインダー
等の成膜性物質がキャストコーターの鏡面ドラム面を写
し取ることにより、高い光沢を得ている。このキャスト
コート紙は、インクジェット記録紙に使用した場合、こ
の成膜性物質の存在によって塗布層の多孔性が減少し、
記録時のインクの吸収を極端に低下させる等の問題があ
る。キャストコート層のインク受容性を向上させるため
に、キャストコート層を多孔質化することも考えられる
が、空隙を多数設けるには、成膜性物質の量を減らす必
要がある。しかしながら、成膜性物質の量を減少する
と、成膜性の低下や、光沢の低下を招く。さらに、表面
を多孔質化すると、入射光の散乱や、画像濃度の低下を
生ずるおそれがある。以上のように、キャストコート紙
の表面光沢と、インクジェット記録適性の両方を同時に
満足させることは困難であった。
【0005】外観や光沢に優れるキャストコート紙の改
良として、例えば、特開昭61−209189号公報に
は、インク吸収性向上のためカチオン性高分子電解質を
含む水溶液で処理した後にキャストする方法が、特開平
2−274587号公報には光沢向上のためにコロイダ
ルシリカを用い、カチオン性高分子電解質を含む水溶液
で処理した後にキャスト仕上げ方法が、特開平7−89
220号公報には、顔料および接着剤を主成分とする下
塗層を設けた原紙上に、エチレン性不飽和結合を有する
モノマーを重合させてなる40℃以上のガラス転移点を
有する共重合体樹脂を主成分とする塗液を用いる方法
が、それぞれ提案されている。しかし、近年インクジェ
ット記録の高速化、記録画像の高精細化、フルカラー化
といった用途の拡大に伴い、上記提案により得られたイ
ンクジェット記録シートでは、記録適性、色相の鮮明性
等が不十分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決し、ビーディングの発生がない高鮮明な印画画質
を形成し得るインクジェット記録用シートを提供するこ
とを目的とする。また、インク吸収性、印画部の耐水
性、平滑性が良好であり、しかも、光沢の優れたインク
ジェット記録シートを提供することを目的とする。ま
た、本発明のさらなる目的は、インク吸収性、印画部の
耐水性、平滑性及び光沢の優れたインクジェット記録シ
ートの作業性の良好な製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明のインクジェット記録用シートは、支持体
と、その上に、架橋剤により架橋されている水溶性樹脂
と、無機微粒子と、分子量が1.0×103 〜8.0×
103 であるカチオン性または塩基性オリゴマーとを含
有するインク受容層とを有する構成である。本発明の好
ましい態様は、カチオン性または塩基性オリゴマーが、
下記式(a)から下記式(e)までのいずれかの式で表
わされる構造を構成単位とするオリゴマーである。
【0008】
【化5】
【0009】
【化6】
【0010】また、前記支持体が紙の場合は、その表面
に亀裂を有していると、インク吸収性がさらに改善され
るので好ましく、幅5〜30μmで、かつ、長さ30〜
200μmの亀裂を30〜500個/1mm2 有するの
が特に好ましい。
【0011】本発明のインクジェット記録用シートの製
造方法は、紙支持体を用いる場合、(1)紙支持体上
に、水溶性樹脂と無機微粒子とを含有する塗布液を塗布
する工程と、(2)該支持体の塗布液の塗布面に、架橋
剤と分子量が1.0×103 〜8.0×103 であるカ
チオン性または塩基性オリゴマーとを含有するゲル化液
を塗布する工程と、(3)塗布液およびゲル化液が塗布
された前記支持体を鏡面ロールに圧接し、乾燥する工程
とを含む構成である。また、本発明のインクジェット記
録用シートの製造方法は、非吸液性支持体を用いる場
合、(1)’非吸液性支持体上に、水溶性樹脂と無機微
粒子とを含有する塗布液を塗布する工程と、(2)’該
支持体の塗布液が塗布された面に、架橋剤と分子量が
1.0×103 〜8.0×103 であるカチオン性また
は塩基性オリゴマーとを含有するゲル化液を塗布する工
程と、(3)’塗布液およびゲル化液が塗布された前記
支持体を乾燥する工程とを含む構成である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について、実施の
形態を挙げてさらに詳細に説明する。本発明のインクジ
ェット記録用シートは、支持体と、その上に、架橋剤に
より架橋されている水溶性樹脂と、無機微粒子と、分子
量が1.0×103 〜8.0×103 であるカチオン性
または塩基性オリゴマーとを含有するインク受容層とを
有する構成である。
【0013】インク受容層に含有されるカチオン性オリ
ゴマーまたは塩基性オリゴマーは、分子量が1.0×1
3 〜8.0×103 のオリゴマーである。好ましくは
分子量が2.0×103 〜7.0×103 である。分子
量が1.0×103 未満のオリゴマーでは、インク受容
層の耐水性の向上効果が不十分となる。一方、分子量が
8.0×103 を超えるオリゴマーやポリマーでは、画
像中にビーデイングが発生することがある。含有される
オリゴマーの分子量とビーディング発生のメカニズムと
の関係については明確ではないが、例えば、本発明のイ
ンクジェット記録用シートのインク受容層を、支持体上
に、水溶性樹脂と無機微粒子とを含有する塗布液を塗布
し、その後、オリゴマーを含有するゲル化液を塗布面に
塗布して、ゲル化液を塗布液の塗布層に浸透させて形成
する場合、オリゴマーの分子量が8.0×103 を超え
る場合は、ゲル化液の粘度が高くなるため、塗布液の塗
布層への浸透が少なく、オリゴマーが上層に残ることに
なる。その結果、印画時に、インクの吸収速度が遅くな
りインク滴の重なりによりビーデイングが悪化すると考
えられる。オリゴマーはインク受容層の固形分量中、
0.3%〜10%の範囲で含有されているのが好まし
く、0.5%〜5%の範囲で含有されているのが特に好
ましい。
【0014】カチオン性オリゴマーまたは塩基性オリゴ
マーとしては、分子内にアミド基、イミド基、1級アミ
ノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、1級アンモニウム
塩基、2級アンモニウム塩基、3級アンモニウム塩基、
4級アンモニウム塩基から選ばれる少なくとも1種のカ
チオン性基を有するオリゴマーが挙げられる。具体的に
は、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド
のオリゴマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロライ
ドのオリゴマー、メタクリロイルオキシエチル−β−ヒ
ドロキシエチルジメチルアンモニウムクロライドのオリ
ゴマー、ジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩の
オリゴマー、アミド−アミンオリゴマー、カチオン化澱
粉、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2
−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩オリゴマー等が挙
げられる。特に下記式(a)〜下記式(e)のいずれか
の式で表される構造を構成単位とするカチオン性又は塩
基性オリゴマーであることが好ましい。
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】インク受容層に含有される架橋剤により架
橋されている水溶性樹脂は、親水性構造単位あるいはカ
ルボキシル基等の解離性基を有する線状樹脂が架橋剤に
より架橋されている構造を有するものである。水溶性樹
脂としては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシ
ル基を有する樹脂であるポリビニルアルコール(PV
A)、セルロース系樹脂(メチルセルロース(MC)、
エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロー
ス(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)
等)、キチン類、及びデンプン;エーテル結合を有する
樹脂であるポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプ
ロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコー
ル(PEG)及びポリビニルエーテル(PVE);アミ
ド基またはアミド結合を有する樹脂であるポリアクリル
アミド(PAAM)およびポリビニルピロリドン(PV
P)等を挙げることができる。また、解離性基としてカ
ルボキシル基を有するポリアクリル酸塩、マレイン酸樹
脂、アルギン酸塩及びゼラチン類;スルホン基を有する
ポリスチレンスルホン酸塩;アミノ基、イミノ基、第3
アミン及び第4級アンモニウム塩を有するポリアリルア
ミン(PAA)、ポリエチレンイミン(PEI)、エポ
キシ化ポリアミド(EPAm)、ポリビニルピリジン及
びゼラチン類を挙げることができる。
【0018】前記水溶性樹脂が架橋剤により架橋される
ことにより、インク受容層の膜強度が向上する。架橋剤
としては、用いる水溶性樹脂と速やかに反応し、架橋構
造を形成できるものを広く用いることができる。例え
ば、ポリビニルアルコールと組み合わせて使用すること
により速やかに架橋反応を起こすものとして、硼素化合
物が挙げられる。硼素化合物としては、硼酸、硼酸塩
(例、オルト硼酸塩、InBO3 、ScBO3 、YBO
3 、LaBO3 、Mg3 (BO3 2 、Co3 (B
3 )、二硼酸塩(例、Mg2 2 5 、Co2 2
5 )、メタ硼酸塩(例、LiBO2 、Ca(B
2 2 、NaBO2 、KBO2 )、四硼酸塩(例、N
2 4 7 、10H2 O)、五硼酸塩(例、KB5
8 ・4H2 O、Ca2 611、7H2 O、CsB5
5 )等を挙げることができる。その他、アルデヒド類
(例、ホルムアルデヒド、グリオキザール及びグルタル
アルデヒド)、N−メチロール化合物(例、ジメチロー
ル尿素及びメチロールジメチルヒダントイン)、ジオキ
サン誘導体(例、2,3−ジヒドロキシジオキサン)、
カルボキシル基を活性化することにより作用する化合物
(例、カルベニウム、2−ナフタレンスルホナート、
1,1−ビスピロリジノ−1−クロロピリジニウム及び
1−モルホリノカルボニル−3−(スルホナトアミノメ
チル))、活性ビニル化合物(例、1,3,5−トリア
クロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニ
ルスルホン)メタン及びN,N’−メチレンビス−[β
−(ビニルスルホニル)プロピオンアミド])、活性ハ
ロゲン化合物(例、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ
−s−トリアジン)、エポキシ基を有する化合物(例、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、バーサティック酸グ
リシジルエステル、フェニルグリシジルエーテル)、イ
ソオキサゾール類、メラミン樹脂、イソシアネート化合
物及びジアルデヒド澱粉、などを挙げることができる。
これらは、単独または組み合わせて用いることができ
る。
【0019】架橋剤により架橋されている水溶性樹脂は
インク受容層の固形分重量中、9%〜40%の範囲で含
有されているのが好ましく、17%〜33%の範囲で含
有されているのが特に好ましい。
【0020】無機微粒子としては、シリカ微粒子、コロ
イダルシリカ、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナ
イト、ハロイサイト、白雲母、タルク、炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、ベーマイト、擬ベーマイト等を広
く用いることができる。中でも、シリカ微粒子が好まし
い。無機微粒子としてシリカ微粒子を用いると、表面の
シラノール基による水素結合により粒子同士が付着しや
すくなり、特に、平均一次粒子径が10nm以下のシリ
カ微粒子を用いると、空隙率の大さい構造を形成するこ
とができるため、インク吸収特性の向上に有効である。
【0021】シリカ微粒子の製造方法としては、湿式法
と乾式法に大別できる。湿式法では、ケイ酸塩の酸分解
により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集
沈降させ含水シリカを得る方法が主流である。一方の乾
式法シリカは、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解によ
る方法(火炎加水分解法)、ケイ砂とコークスを電気炉
中でアークにより加熱還元気化し、これを空気で酸化す
る方法(アーク法)で無水シリカを得る方法が主流であ
る。これらの含水シリカ及び無水シリカは、表面のシラ
ノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、それぞれ
異なった性質を示すが、無水珪酸(無水シリカ)の場合
に特に空隙率が高い三次元構造を形成することが知られ
ており、本発明に用いるのに好ましい。この理由は明ら
かではないが、含水シリカの場合には表面のシラノール
基の密度が5〜8個/nm2 と多く、粒子が密に凝集し
易いのに比較して、無水シリカの場合は2〜3個/nm
2と少ない為、粗な軟凝集体を形成しやすく、空隙率が
高い構造になると推定される。無機微粒子はインク受容
層の固形分重量中、60%〜91%の範囲で含有されて
いるのが好ましく、67%〜83%の範囲で含有されて
いるのが特に好ましい。
【0022】無機微粒子の屈折率および大きさは、イン
ク受容層の透明性に影響するので、インクジェット記録
用シートの白色度として、支持体の白色度を維持したい
場合は、インク受容層の透明性が低下しない範囲の屈折
率および大きさを有する無機微粒子を用いるのが好まし
い。インク受容層の透明性を低下させない範囲の無機微
粒子の屈折率は、一般的には、1.40〜1.60の範
囲にあり、特に、屈折率1.45付近である。また無機
微粒子の平均一次粒子径は透明性の観点から、30nm
以下が一般的であり、好ましくは15nm以下、特に好
ましくは3〜10nm程度である。尚、インク受容層
は、インク受容層を透明フイルム上に形成した場合、イ
ンク受容層のヘイズ値が30%以下、好ましくはヘイズ
値が20%以下であると高い透明性を有する。
【0023】また、インク受容層の透明性は、用いる水
溶性樹脂と無機微粒子との組み合わせによっても変化す
る。無機微粒子として好ましい無水シリカ微粒子を用い
る場合を例にとると、高い透明性を有するインク受容層
を形成するためには、水溶性樹脂としてポリビニルアル
コール(PVA)を用いることが好ましく、なかでも、
特に低鹸化度、具体的には、鹸化度70〜90%のポリ
ビニルアルコールが光透過性の点で好適である。PVA
の構造単位中に含まれる水酸基と、シリカ微粒子表面の
シラノール基とが水素結合を形成して、シリカ微粒子の
二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造を形成し易く
し、これにより、空隙率の高い構造のインク受容層が得
られると考えられる。三次元網目構造を有するインク受
容層は、インクジェット記録において、毛細管現象によ
って急速にインクを吸収し、且つ、インクにじみやイン
ク溜まりの無い精細な記録を可能とする。それととも
に、感熱記録における色材、そして電子写真記録におけ
るトナーを強固に接着できる。即ち、色材やトナーが多
孔質層の細孔内に浸入することによって、三次元網目構
造に起因する形状的なアンカー効果が発生し、色材等が
強固に固定される。また、インク受容層を構成する無機
微粒子の割合が多い為、耐熱性が高く、耐エンボス性も
高いという特徴がある。
【0024】インク受容層がさらに、カチオン性無機粒
子、カチオン性シランカップリング剤等のカチオン性物
質等を含有すると、さらに画像の耐水性が向上すると共
に、画像の鮮明性が向上するので好ましい。カチオン性
無機微粒子としては、平均粒子径0.1μm以下の粒子
径を有する超微粒子酸化亜鉛、超微粒子硫酸バリウム、
酸化ジルコニウム、アルミナゾル、コロイダルシリカ等
が好ましい。カチオン性シランカップリング剤として
は、第四級アンモニウム塩とジまたはトリアルコキシシ
ラニル基とを有する化合物が好ましい。好ましいシラン
カップリング剤の例としては、(1)3−(トリメトキ
シシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウム
クロライド、(2)N−β−(N−ビニルベンジルアミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
(3)3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルヒ
ドロキシエチルアンモニウムクロライド及び(4)イミ
ダゾール基を有するシランカップリング剤等を挙げるこ
とができる。上記シランカップリング剤の硬化は、複数
のアルコキシシラニル基が水(空気中の水分で可能)の
存在下にシラノール基に変化し、シランカップリング剤
同士が、(好ましくは加熱により)シラノール基間の縮
合反応により結合して、架橋構造を形成することにより
行われる。
【0025】インク受容層は、所望によりさらに界面活
性剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、着色
剤、耐水化剤、湿潤剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、筆
記性改良剤、帯電防止剤、媒染剤等の公知の添加剤を本
発明の効果を損なわない範囲で含有していてもよい。
【0026】本発明に用いる支持体としては、特に限定
されるものではなく、原紙、コート紙、樹脂被覆紙、樹
脂フィルム等を広く用いることができ、インクジェット
記録用シートの用途や、製造方法に応じて適宜選択すれ
ばよい。例えば、本発明の製造方法により紙支持体を用
いてインクジェット記録用シートを製造する場合は、支
持体は通気性の高いものが好ましい。また、本発明のイ
ンクジェット記録用シートに高い光沢性、および高い平
滑性を付与したい場合には、樹脂層を紙表面に設けた樹
脂被覆紙や、樹脂フィルム等の非吸液性支持体を用いる
のが好ましい。
【0027】原紙としては、具体的には、LBKP、N
BKP、LBSP、NBSP等の化学パルプ、GP、P
GW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の
機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプに、
サイズ剤、填料、定着剤、歩留り向上剤、紙力増強剤、
カチオン化剤、白色度向上剤、ブルーイング剤、消泡剤
等の従来公知の各種添加剤を適宜配合して、混合し、長
網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー紙機等の各種装
置で製造された中性紙、酸性紙等の原紙を広く用いるこ
とができる。また原紙を、澱粉、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチン等でサイズプレスしたものを用いると表面
平滑性が向上するので好ましい。ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエステル、レーヨン、ポリウレタン等の
合成樹脂を繊維化した後にシート状に形成した不織布用
のシートあるいは合成紙等でもよい。
【0028】紙支持体の中で、高光沢性を有するものと
しては、アート紙、コート紙、キャストコート紙等が挙
げられる。非吸液性支持体の中で、高光沢性を有するも
のとしては、銀塩写真用支持体等に使用されるバライタ
紙等の高光沢の紙;ポリエチレンテレフタレート(PE
T)等のポリエステル類;ニトロセルロース、セルロー
スアセテート及びセルロースアセテートブチレート等の
セルロースエステル類;ポリスルホン、ポリフェニレン
オキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミ
ド等のプラスチックフィルムで、このフィルムに白色顔
料等を含有させて不透明にした高光沢のフィルム;ある
いは上記各種紙、上記透明プラスチックフィルムまたは
白色顔料等含有プラスチックの表面に、白色顔料を含有
するか、あるいは含有しないポリオレフィンの被覆層が
設けられたフィルム等を挙げることができる。さらに、
白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム(例、ポリオレ
フィン微粒子、炭酸カルシウム微粒子等を含有させ、延
伸により空隙を形成したボイド含有発泡PET)も挙げ
ることができる。また銀塩写真用支持体として一般的に
使用されているポリオレフィン被覆紙(紙支持体の表面
に白色顔料含有ポリオレフィン層が設けられた支持体の
一種)、あるいは金属蒸着層等が設けられた特種紙等
を、好適に使用することができる。特に白色顔料含有ポ
リオレフィン層が設けられた紙支持体、白色顔料含有ポ
リオレフィン層が設けられたポリエステル(好ましくは
PET)フィルム、白色顔料含有ポリエステルフィルム
あるいは白色顔料含有発泡ポリエステルフィルムが好ま
しい。光沢度はJIS P−8142(紙及び板紙の7
5度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法に従って測定す
ることができるが、インク受容層が設けられる側の支持
体表面が、該測定方法で測定した場合に、40%以上の
光沢度を有しているのが好ましい。
【0029】支持体の厚さは、特に制限はないが、50
〜300μmのものが取り扱い易く好ましい。また支持
体はコロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理を施し
たものを使用してもよい。
【0030】紙支持体を用いる場合は、インクジェット
記録用シートの表面(即ち、インク受容層の表面)に、
亀裂があると、インクの吸収が促進されるので好まし
い。特に、幅5〜30μmで、かつ、長さ30〜200
μm程度の亀裂を、30〜500個/1mm2 有するの
が好ましい。製造時の諸条件を調節することによって、
インクジェット記録用シート表面に亀裂を設けることが
できる。例えば、後に説明する、本発明のインクジェッ
ト記録用シートの製造方法では、塗布液に含有される無
機微粒子(好ましくはシリカ微粒子)と水溶樹性脂の比
率(PB比:水溶性樹脂の重量1に対する無機粒子の重
量)および塗布液の塗布量を調節することによって、亀
裂の大きさや数を好ましい範囲にすることができる。紙
支持体を用いる本発明のインクジェット記録用シートの
製造方法では、前記好ましい大きさの亀裂を、前記好ま
しい割合で表面に設けるためには、PB比は1.5〜1
0の範囲が好適であり、特に2〜5の範囲にあることが
好ましい。尚、インクジェット記録用シート表面の亀裂
は、実際には、線状のもの以外に、分岐しているもの
や、線状の亀裂が交差しているもの等も含まれる。従っ
て、ここにいう「亀裂の長さ」とは、線状の亀裂の場合
はその長さを、枝分かれや交差した亀裂の場合には、そ
の枝分かれあるいは交差した部分からの長さを示すもの
とする。
【0031】前記PB比は、インク受容層のその他の膜
特性にも影響を与える。前記PB比が大きくなると、空
隙率、細孔容積、表面積(単位重量あたり)が大きくな
る。PB比が10を超えると、膜強度が低下する。一
方、1.5未満では空隙が樹脂で塞がれ易く、空隙率が
減少し、又、紙支持体を有するインクジェット用記録シ
ートの場合、前記したように表面の亀裂が減少し、イン
ク吸収性能が低下する。インク受容層の空隙率は、40
〜80%であるのが好ましく、細孔径はメジアン径で5
〜30nmであるのが好ましい。尚、インク受容層の空
隙率および細孔径は、種々の方法で測定することができ
るが、前記好ましい値は、インク受容層を透明フィルム
上に形成し、水銀ポロシメーター(「ポアサイザー93
20−PC2」、島津製作所社製)を用いて測定した場
合の値である。
【0032】インク受容層の表面平滑性を向上させるに
は、水溶性樹脂の架橋は、支持体上の水溶性樹脂を含有
する塗布層内に架橋剤を浸透させ、その後架橋反応を進
行させるのが好ましい。また、ビーディングの発生を防
止するには、オリゴマーは架橋剤と共に塗布層内に浸透
させるのが好ましい。従って、本発明のインクジェット
用記録シートを製造するには、水溶性樹脂と無機微粒子
を含有する塗布液を支持体上に塗布し、その後、該塗布
液の塗布層に、架橋剤とオリゴマーを含有するゲル化剤
を塗布すること等により浸透させ、これを乾燥させてイ
ンク受容層を形成するのが好ましい。
【0033】特に、本発明のインクジェット用記録シー
トは、支持体が紙支持体の場合は、以下の(1)〜
(3)の工程で、支持体が非吸液性支持体の場合は、以
下の(1)’〜(3)’の工程を経る方法により製造さ
れるのが好ましい。即ち、(1)紙支持体上に、水溶性
樹脂と無機微粒子とを含有する塗布液を塗布する工程
と、(2)該支持体の塗布液が塗布された面に、分子量
が1.0×103 〜8.0×103 であるカチオン性ま
たは塩基性オリゴマーを含有するゲル化液を塗布する工
程と、(3)塗布液およびゲル化液が塗布された前記支
持体を、鏡面ロールに圧接し、乾燥する工程とを含む製
造方法により製造されるのが好ましい。また、(1)’
非吸液性支持体上に、水溶性樹脂と無機微粒子とを含有
する塗布液を塗布する工程と、(2)’該支持体の塗布
液が塗布された面に、架橋剤と分子量が1.0×103
〜8.0×103 であるカチオン性または塩基性オリゴ
マーとを含有するゲル化液を塗布する工程と、(3)’
塗布液およびゲル化液が塗布された前記支持体を乾燥す
る工程とを含む製造方法により製造されるのが好まし
い。以下、各々の工程を説明する。
【0034】(1)および(1)’の工程に用いられる
水溶性樹脂と無機微粒子を含有する塗布液の調製方法に
ついて、好ましい無機微粒子であるシリカ微粒子を例に
挙げて説明する。ここに記載の濃度は一般的なものであ
り、用いる微粒子や必要なインク受容層の厚み等により
適宜変更し得る値である。平均一次粒子径10nm以下
のシリカ微粒子を、10〜15重量%水中に添加して、
例えば、クレアミックス(エム・テクニック(株)製)
等の高速回転湿式コロイドミルを用いて、好ましくは5
000〜20000rpm程度の高速回転の条件で10
〜30分間、均一分散が完了するまで分散させた後、シ
リカ微粒子に対し、所定のPB比となるような量のポリ
ビニルアルコール有効量を含有する水溶液を加え、更に
同様な条件で分散を行うことによりインク受容層用の塗
布液を調製することができる。このようにして得られた
塗布液は、均一ゾルであり、これを下記の塗布方法によ
り、支持体上に形成することにより、三次元網目構造を
有する透明のインク受容層を得ることができる。インク
受容層を主として構成する無機微粒子と水溶性樹脂は、
それぞれ単一素材でもよいし、複数の素材の混合系であ
ってもよい。さらに、インク受容層は2層以上から構成
されていてもよく、この場合、それらのインク受容層の
構成は、前記範囲であれば互いに異なる構成のものの組
み合わせであってもよい。
【0035】塗布液の溶媒としては、水が用いられる
が、水溶性樹脂の溶解特性および無機微粒子の分散性に
応じて、適宜、有機溶媒を併用してもよい。有機溶媒と
しては、各材料が溶解するものを使用すれば良く、例え
ば、メタノール、イソプロピルアルコール等のアルコー
ル;メチルエチルケトン等のケトン;酢酸エチル等のエ
ステル;トルエン等の芳香俗溶剤;テトラヒドロフラン
等のエーテル及びジクロロメタン等のハロゲン化溶剤等
が挙げられる。(2)および(2)’の工程に用いられ
るゲル化液の溶媒についても同様であり、水を主成分と
し、オリゴマーおよび架橋剤の溶解特性に応じて同様な
有機溶媒を併用してもよい。
【0036】塗布液の調製の際、塗布液のpHを調製す
るとシリカ微粒子と水溶性樹脂との水素結合性を好適な
条件に制御し得る。塗布液のpHを8〜10に調整する
と、作製されるインク受容層の膜特性が良好になるので
好ましい。塗布液のpH調製は、アルカリ剤を添加する
ことにより行うことができる。用いるアルカリ剤は、塗
布液の乾燥工程で塗布層中から容易に除去されるよう
な、アンモニアを用いることが好ましい。
【0037】塗布液の支持体への塗布は、公知の方法に
より行うことができ、例えばエクストルージョンダイコ
ーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、
ロツドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、
リバースロールコーター、バーコーター等を用いて行な
うことができる。
【0038】支持体として原紙及び塗布紙を用いる場合
は、そのまま塗布液を塗布してもよいし、平坦化をコン
トロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダ
ー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を使用しても
よい。支持体の平滑度が高い程、キャスト仕上げ後の平
坦性がよくなる。紙基材のベック平滑度は80秒以上あ
ることが望ましく、120秒以上であることがより好ま
しい。また、キャストドラム上での乾燥性、汚れ、操業
性から透気度は120秒以下が望ましく、90秒以下で
あることが更に望ましい。支持体の坪量としては、通常
40〜300g/m2 のものが汎用されるが、特に制限
されるものではなく、目的に応じて選択し得る。
【0039】インク受容層の塗布量は10〜30g/m
2 の範囲が好適である。塗布量が10g/m2 未満であ
ると、形成されるインク受容層のインク受容量が不足す
ることがあり、ビーデイングの発生や、インク乾燥性の
悪化等を招くことがある。塗布量を30g/m2 を超え
る量にしても、印画性能やインク乾燥性向上の効果には
に大きな影響を与えず、操業性を悪化させ、コストを上
げることになる。従って、インク受容層の塗布量は10
〜30g/m2 の範囲が好適である。
【0040】(2)および(2)’の工程に用いられる
ゲル化液は、少なくとも分子量1.0×103 〜8.0
×103 のカチオン性または塩基性オリゴマーと、塗布
液中に含有される水溶性樹脂の架橋剤として機能する化
合物を含有する。塗布液の塗布層上に、このゲル化液を
塗布すると、該ゲル化液が塗布層内に浸透し、架橋剤と
水溶性樹脂が速やかに反応する。このことによって、水
溶性樹脂は高分子化(硬化)し、塗布層の膜強度が即時
に大幅に向上する。
【0041】ゲル化液中のオリゴマーの濃度は、0.5
重量%〜5重量%であるのが好ましく、1重量%〜3重
量%であるのが特に好ましい。また、ゲル化液中の架橋
剤の濃度は、0.05〜10重量%であるのが好まし
く、特に0.1〜7重量%であるのが好ましい。
【0042】ゲル化液中に、さらにカチオン性無機粒
子、カチオン性シランカップリング剤等のカチオン性物
質等を添加すると、インク受容層の耐水性が向上すると
共に、インク受容層上に形成される画像の鮮明性も向上
するので好ましい。これらのカチオン性物質は、前記塗
布液中に含有させてもよいが、カチオン性物質がシリカ
等の無機微粒子の表面のアニオン電荷と相互作用して凝
集を生じることがある。ゲル化液中に含有させると、か
かる問題は生じず、有効量を添加してインク受容層の膜
質の向上に効果を挙げることができるので好ましい。
【0043】支持体として紙支持体を用いる場合の
(2)の工程において、塗布層の水分量を低下させた
後、ゲル化液を塗布するのが好ましい。塗布層の水分量
は30〜50%、好ましくは35〜45%になるまで乾
燥を行うのが好ましい。水分量が30%未満になるまで
乾燥させてからゲル化液を塗布すると、得られるインク
受容層の光沢が外観上充分でない場合があり、塗布層の
水分量が50%を超える状態でゲル化液を塗布すると、
塗布面状が乱れインク受容層の均一性が低下するので好
ましくない。塗布層の乾燥は公知の方法で行うことがで
き、水分量を非接触型の水分計等で測定しながら乾燥を
行ってもよい。また、予め、乾燥ゾーン内の温度、温風
の条件と、乾燥ゾーン内における滞留時間(シートの搬
送条件)を定めて、同じ条件で連続的に乾燥処理を行っ
てもよい。乾燥条件は、塗布液の塗布量により異なる
が、通常は40〜100℃で行われる。
【0044】支持体として非吸液性支持体を用いる場合
の(2)’の工程においては、塗布層が減率乾燥速度を
示すようになる前に、塗布層中の固形分濃度が15〜4
0重量%の範囲となるように乾燥させて水分量を調整す
る第1の乾燥工程を実施するのが好ましく、塗布層中の
固形分濃度が20〜35重量%の範囲まで第1の乾燥工
程を実施するのが特に好ましい。塗布層が固形分濃度が
15重量%未満である程度に水分量を多く含有する状態
でゲル化液を塗布すると、最終的に得られたインク受容
層の表面がユズ肌状態となり、外観が損なわれ、透明性
も低下する。一方、塗布層の固形分濃度が40重量%を
超えるまで乾燥させてからゲル化液を塗布すると、イン
ク受容層の表面に外観上好ましくない大きなひび割れが
生じる虞がある。尚、ここにいう「塗布層が減率乾燥速
度を示すようになる前」とは、通常、塗布液を支持体に
塗布した直後から数分の間であり、この間においては、
塗布層中の溶剤の含有量が時間に比例して減少する現象
である恒率乾燥速度を示す。このような恒率乾燥速度を
示す期間については、化学工学便覧(707〜712
頁、丸善株式会社発行、昭和55年10月25日)に記
載されている。
【0045】第1の乾燥工程は公知の方法で実施するこ
とができる。水分量を接触型、あるいは非接触型の水分
計等で測定しながら乾燥を行ってもよい。また、予め、
乾燥ゾーン内の温度、温風の条件と、乾燥ゾーン内にお
ける滞留時間(シートの搬送条件)を定めて、同じ条件
で連続的に乾燥処理を行ってもよい。乾燥条件は、塗布
液の塗布量により異なるが、通常は40〜150℃の温
風を乾燥ゾーン内で吹き付けて行い、0.5〜5分間程
度行われる。
【0046】(2)および(2)’の工程において、ゲ
ル化液は、塗布層表面に、ディップコート、スプレーコ
ート等の方法により付与してもよいが、他の公知の塗布
方法で付与することもできる。例えば、カーテンフロー
コーター、エクストルージョンダイコーター、エアード
クターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、
ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコ
ーター、バーコーター等が挙げられるが、エクストリュ
ージョンダイーコーター、カーテンフローコーター、バ
ーコーター等を用いて塗布層にコーターが直接接触しな
い方法を利用することが好ましい。
【0047】ゲル化液の塗布量としては、オリゴマーが
支持体の単位面積当たり0.01〜5g/m2 となるよ
うに塗布するのが好ましく、0.1〜2g/m2 となる
のがさらに好ましい。また、架橋剤が支持体の単位面積
当たり0.01g/m2 〜5g/m2 程度となるように
塗布するのが好ましい。
【0048】支持体として紙支持体を用いる場合の
(3)の工程では、紙支持体の塗布面を鏡面ロールに圧
接し乾燥する。鏡面ロールは、通常のキャストコート紙
の製造に用いる鏡面ロールを使用することができる。鏡
面ロール(キャストドラム)の表面は、そのままインク
受容層に転写され、インク受容層面を形成することにな
るので、完全な鏡面であることが好ましい。硬さ、耐蝕
性、耐薬品性、耐摩耗性の観点から、厚くクロムメッキ
を施し、加温処理の後、表面研磨を施して、厚さ80〜
100μmのメッキ面に仕上げたものが好ましい。
【0049】支持体を鏡面に圧接する際、鏡面ロールは
加熱されているのが好ましい。但し、加熱温度が高すぎ
ると、表面で塗布液の沸騰が起こり塗布層が破壊され
て、光沢が出なくなる虞がある。一般的には、加熱温度
は80〜120℃程度が好ましい。
【0050】圧接は弾性体のニップロール等によって行
われ、圧力は30〜150kg/cm2 程度が好まし
い。ゲル化液が付与された塗布層は鏡面ロールにより加
熱されることにより、水分が除去されるとともに、鏡面
ロール表面が転写されることにより高度に平滑化され、
優れた光沢を有するインク受容層が形成される。インク
受容層の水分量は最終的に3.5%前後になるのが好ま
しいが、水分量をこの程度まで落とすと、シートがカー
ルして、取り扱い上不都合が生じる場合がある。従っ
て、キャストドラムで圧接する直前に、支持体裏面(支
持体の塗布液が塗布された面の反対側の面)に水を付与
したり、鏡面ロールから離型した後に、支持体裏面に水
を付与したり、または両面へスチームによって加湿する
のが好ましい。
【0051】(3)の工程の乾燥、圧接中にインク受容
層表面に、微細な亀裂が多数発生する。この亀裂は幅が
極めて狭く、短いクラックである。公知の方法により形
成される空孔(例えば、無機微粒子の凹凸や無機微粒子
間に形成される空隙に起因する不定形の空孔)と異な
り、インク受容層の強光沢面における光散乱を起こしに
くく、表面光沢への影響が極めて少ないものである。こ
の方法によれば、容易に、幅5〜30μm、長さ30〜
200μmの亀裂を30〜500個/1mm2 の割合で
インク受容層表面に発生させることができる。
【0052】支持体の塗布層面を鏡面ロールに圧接し、
乾燥処理する際に、塗布層から蒸気が発生する。この蒸
気が発散されないと、仕上がり表面の光沢が低下した
り、原紙が蒸気で裂けたり等の問題が生じることがあ
る。支持体として通気性あるいは透気性のよい原紙や塗
工紙を用いると、塗布層から発生する蒸気を裏面に移動
させ蒸気を裏面から発散させることができるので好まし
い。透気性或いは通気性を有しているものであれば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨ
ン、ポリウレタン等の合成樹脂を繊維化した後にシート
状に形成した不織布用のシートあるいは合成紙等も好ま
しい。
【0053】支持体として非吸液性支持体を用いる場合
の(3)’の工程の、ゲル化液塗布後の乾燥について
は、公知の乾燥方法により行うことができる。
【0054】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を
「%」は「重量%」を意味する。
【0055】インクジェット記録用シートの作製 (実施例1) [紙基体の作製]LBKP100部からなる木材パルプ
をダブルディスクリファイナーによりカナディアンフリ
ーネス300mlまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミ
ド0.5部、アニオン性ポリアクリルアミド1.0部、
ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カ
チオン性ポリアクリルアミド0.5部をいずれもパルプ
に対する絶乾重量比で添加し、長網抄紙機により坪量1
50g/m2 の原紙を抄造、ポリビニルアルコールに蛍
光増白剤(住友化学工業製、商品名:WhitexB
B)を0.04%添加し、0.5g/m2 絶乾重量で表
面サイズし、キャレンダー処理により密度0.9、ベッ
ク平滑度100秒、透気度を81秒に調整して紙基体を
得た。
【0056】[塗布液の調整]平均一次粒子径7nmの
無水シリカ微粒子(日本アエロジル製、アエロジル30
0)12部を水を88部添加し、高速回転式コロイドミ
ル(エム・テクニック社製クレアミクス)を用いて10
000回転の条件で20分間分散後、シリカ分散液8
2.5部に対し、1Nのアンモニア水を5.3部添加
し、更に鹸化度82%、重合度2000のポリビニルア
ルコール(クラレ製、PVA−420)9%液を31.
4部添加し、更に前記と同様の高速回転式コロイドミル
を用いて10000回転の条件で20分間分散して1
0.7%の塗布液を得た(シリカ微粒子/ポリビニルア
ルコール比率(PB比):3.5/1)。
【0057】[ゲル化液の調整]硼砂1部に水97.4
部と分子量2000のアリルアミン塩オリゴマー(前記
一般式(1)のオリゴマー)1.4部、および界面活性
剤(大日本インキ化学工業製、F−144D)0.2部
を添加、撹拌しゲル化液を得た。 [塗布紙の作製]前記紙基体に3本リバースコーターを
用いて塗布液を187g/m2 塗布し、60℃のアーチ
ドライヤーでウェット水分量が40%になるように乾燥
した。更に前記ゲル化液を20g/m2 塗布後、110
℃の鏡面ロールに圧接し、乾燥してインクジェット記録
用シートを得た。
【0058】(実施例2)ゲル化液の調製において、オ
リゴマーとして分子量6000のアリルアミン塩酸塩オ
リゴマーを1.4部用いた以外は、実施例1と同様にし
てインクジェット記録用シートを作製した。 (比較例1)ゲル化液の調製において、オリゴマーとし
て分子量500のアリルアミン塩酸塩オリゴマーを1.
4部用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェッ
ト記録用シートを作製した。 (比較例2)ゲル化液の調製において、オリゴマーとし
て分子量10000のアリルアミン塩酸塩オリゴマーを
1.4部用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジ
ェット記録用シートを作製した。
【0059】(実施例3)ゲル化液の調製において、オ
リゴマーとして分子量2600のアリルアミンオリゴマ
ー(一般式(2)のオリゴマー)を1.4部用いた以外
は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シート
を作製した。 (実施例4)ゲル化液の調製において、オリゴマーとし
て分子量6000のアリルアミンオリゴマーを1.4部
用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記
録用シートを作製した。 (比較例3)ゲル化液の調製において、オリゴマーとし
て分子量600のアリルアミンオリゴマーを1.4部用
いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録
用シートを作製した。 (比較例4)ゲル化液の調製において、オリゴマーとし
て分子量10000のアリルアミンオリゴマーを1.4
部用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット
記録用シートを作製した。
【0060】(実施例5)ゲル化液の調製において、オ
リゴマーとして分子量1500のジアリルジメチルアン
モニウムクロライド−二酸化イオウオリゴマー(一般式
(3)のオリゴマー)を1.4部用いた以外は、実施例
1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製し
た。 (実施例6)ゲル化液の調製において、オリゴマーとし
て分子量7500のジアリルジメチルアンモニウムクロ
ライド−二酸化イオウオリゴマーを1.4部用いた以外
は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シート
を作製した。 (比較例5)ゲル化液の調製において、オリゴマーとし
て分子量500のジアリルジメチルアンモニウムクロラ
イド−二酸化イオウオリゴマーを1.4部用いた以外
は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シート
を作製した。 (比較例6)ゲル化液の調製において、オリゴマーとし
て分子量100000のジアリルジメチルアンモニウム
クロライド−二酸化イオウオリゴマーを1.4部用いた
以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シ
ートを作製した。
【0061】(実施例7)ゲル化液の調製において、オ
リゴマーとして分子量2000のジメチルアミノヒドロ
キシプロピレンアンモニウムクロライドオリゴマー(一
般式(4)のオリゴマー)を1.4部用いた以外は、実
施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製
した。 (比較例7)ゲル化液の調製において、オリゴマーとし
て分子量10000のジメチルアミノヒドロキシプロピ
レンアンモニウムクロライドオリゴマー(一般式(4)
のオリゴマー)を1.4部用いた以外は、実施例1と同
様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
【0062】(実施例8)ゲル化液の調製において、オ
リゴマーとして分子量2000のジアリルジメチルアン
モニウムクロライドオリゴマー(一般式(5)のオリゴ
マー)を1.4部用いた以外は、実施例1と同様にして
インクジェット記録用シートを作製した。 (実施例9)ゲル化液の調製において、オリゴマーとし
て分子量6500のジアリルジメチルアンモニウムクロ
ライドオリゴマーを1.4部用いた以外は、実施例1と
同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。 (比較例8)ゲル化液の調製において、オリゴマーとし
て分子量650のジアリルジメチルアンモニウムクロラ
イドオリゴマーを1.4部用いた以外は、実施例1と同
様にしてインクジェット記録用シートを作製した。 (比較例9)ゲル化液の調製において、オリゴマーとし
て分子量40000のジアリルジメチルアンモニウムク
ロライドオリゴマーを1.4部用いた以外は、実施例1
と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
【0063】インクジェット記録用シートの物性 実施例1〜実施例9および比較例1〜比較例9のインク
受容層について、以下の各々の測定法により各物性値を
求めた。物性値を表1および表2に示す。 (1)亀裂 インク受像層を走査型電子顕微鏡で50倍に拡大し亀裂
が枝分かれした部分からの長さが40〜200μmで、
幅が5〜30μmのものが1mm2 中に存在する個数を
数えた。
【0064】(2)ヘイズ ヘイズメーター(HGM−DP;スガ試験機(株)製)
を用い平行光線透過率を測定し、インク受容層のヘイズ
を測定した。尚、ヘイズは、その測定を容易にするため
に、各実施例、比較例において支持体として使用した紙
基体の代わりに厚さ100μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上にインク受容層を形成して得られたイ
ンクジェット記録用シートを用いて測定した。
【0065】(3)空隙率、細孔メジアン径 水銀ポロシメーター(商品名:ボアサイザー9320−
PC2、(株)島津製作所製)を用いてインク受容層の
空隙率、細孔メジアン径を測定した。また、測定を容易
にするためヘイズ測定同様の処理をしたインクジェット
記録用シートで測定した。
【0066】インクジェット記録用シートの記録適性評
実施例1〜実施例9および比較例1〜比較例9のインク
ジェット記録用シートについて、以下の項目についてイ
ンクジェット記録適性を評価した。各項目の評価結果を
表1および表2に示す。 (1)ビーディングの評価 インクジェットプリンタ(商品名:PM−700C、セ
イコーエプソン(株)製)により、記録シートへ、Y
(黄)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)、B
(青)、G(緑)、およびR(赤)のインクによりベタ
印字し、目視により評価した。以下の基準で判定した。 ○:ビーディングが発生しなかった。 ×:ビーディングが発生した。
【0067】(2)画像の耐水性 インクジェットプリンタ(商品名:PM−700C、セ
イコーエプソン(株)製)を用いて記録用シート上に同
じ印画パターンを形成させ、3時間放置後、水中に一分
間浸し、インクの流れ具合を目視で観察し、下記の基準
により判定した。 ○:染料が全く流れなかった △:全体的に染料が流れ色濃度が薄くなっている ×:染料がほぼ完全に流れている
【0068】(3)インクの吸収性 画像の耐水性評価試験に用いたプリンタにより、記録シ
ートへ、Y(黄)、M(マゼンダ)、C(シアン)、K
(黒)、B(青)、G(緑)及びR(赤)のインクによ
りベタ印字し、その直後(約10秒後)に紙を接触押圧
し、インクの紙への転写の有無を下記の基準により判定
し、インク吸収性を評価した。 ○:紙にインキがまったく転写されなかった。 △:紙にインキの一部が転写された。 ×:紙に多くのインキが転写された。
【0069】(4)画像の鮮やかさ セイコーエプソン製インクジェットプリンターPM−7
00Cにてイエロー、マゼンタ、シアン、黒、青、赤、
緑及び人物を印画し、画像の鮮やかさを目視にて下記の
基準により判定した。 ○:非常に鮮やかである。 △:やや鮮やかである。 ×:鮮やかさに欠ける。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】(実施例10) [塗布液の調整]平均一次粒子径7nmの無水シリカ微
粒子(日本アエロジル製、アエロジル300)9.9部
にイオン交換水72.6部添加し、高速回転式コロイド
ミル(エム・テクニック社製クレアミクス)を用いて1
0000回転の条件で20分間分散後、1Nのアンモニ
ア水を5.3部添加し、更に鹸化度82%、重合度20
00のポリビニルアルコール(クラレ製、PVA−42
0)9%液を31.4部添加し、更に前記と同様の高速
回転式コロイドミルを用いて10000回転の条件で2
0分間分散して塗布液を得た(シリカ微粒子/ポリビニ
ルアルコール比率(PB比):3.5/1)。
【0073】[ゲル化液の調整]硼砂(6%)22.5
部にイオン交換水58.5部、分子量6000のアリル
アミンオリゴマー(一般式(2)のオリゴマー)の20
%水溶液7.2部、界面活性剤(大日本インキ化学工業
製、F−144D)10%水溶液1.8部を添加、撹拌
しゲル化液を得た。
【0074】前記塗布液を230μmの厚みの写真印画
紙用ポリエチレン被覆紙の表面にエクストルージョンダ
イコーターを用いて200cc/m2 の塗布量で塗布
し、熱風乾燥機にて80℃(風速3〜8m/sec)で
塗布層の固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。そ
の後、直ちにゲル化液に浸漬し、80℃で10分間乾燥
した。これにより乾燥膜厚が32μmのインク受容層を
形成し、インクジェット記録用シートを製造した。実施
例10のインクジェット記録用シートについて、実施例
1等と同様にインク記録性を評価した。評価結果を表2
に示す。
【0075】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用シート
は、インク吸収性、印画部の耐水性、平滑性が良好であ
り、高い光沢性を有する。さらに、印画画質にビーディ
ング等の発生がなく、高鮮明な画像を形成し得る。ま
た、本発明のインクジェット記録用シートの製造方法に
よれば、インク吸収性、印画部の耐水性、平滑性及び光
沢の優れたインクジェット記録シートを作業性良く製造
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 和幸 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 鈴木 勝喜 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H086 BA15 BA17 BA21 BA32 BA33 BA35 BA37 4L055 AG18 AG23 AG57 AG64 AG65 AG77 AG93 AH50 AJ04 AJ10 BE02 BE09 EA15 EA30 EA40 FA12 FA14 FA15 FA19 GA09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、その上に、架橋剤により架橋
    されている水溶性樹脂と、無機微粒子と、分子量が1.
    0×103 〜8.0×103 であるカチオン性または塩
    基性オリゴマーとを含有するインク受容層とを有するイ
    ンクジェット記録用シート。
  2. 【請求項2】 前記カチオン性または塩基性オリゴマー
    が、下記式(a)から下記式(e)までのいずれかの式
    で表わされる構造を構成単位とするオリゴマーであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用
    シート。 【化1】 【化2】
  3. 【請求項3】 表面に幅5〜30μmで、かつ、長さ3
    0〜200μmの亀裂を30〜500個/mm2 有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のイン
    クジェット記録用シート。
  4. 【請求項4】 紙支持体上に、水溶性樹脂と無機微粒子
    とを含有する塗布液を塗布し、該支持体の塗布液が塗布
    された面に、架橋剤と分子量が1.0×10 3 〜8.0
    ×103 であるカチオン性または塩基性オリゴマーとを
    含有するゲル化液を塗布し、塗布液およびゲル化液が塗
    布された支持体を、鏡面ロールに圧接し、乾燥してなる
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか
    1項に記載のインクジェット記録用シート。
  5. 【請求項5】 非吸液性支持体上に、水溶性樹脂と無機
    微粒子とを含有する塗布液を塗布し、該支持体の塗布液
    が塗布された面に、架橋剤と分子量が1.0×103
    8.0×103 であるカチオン性または塩基性オリゴマ
    ーとを含有するゲル化液を塗布し、塗布液およびゲル化
    液が塗布された支持体を乾燥してなることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録用
    シート。
  6. 【請求項6】 (1)紙支持体上に、水溶性樹脂と無機
    微粒子とを含有する塗布液を塗布する工程と、(2)該
    支持体の塗布液が塗布された面に、架橋剤と分子量が
    1.0×103 〜8.0×103 であるカチオン性また
    は塩基性オリゴマーとを含有するゲル化液を塗布する工
    程と、(3)塗布液およびゲル化液が塗布された前記支
    持体を、鏡面ロールに圧接し、乾燥する工程とを含むイ
    ンクジェット記録用シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 (1)’非吸液性支持体上に、水溶性樹
    脂と無機微粒子とを含有する塗布液を塗布する工程と、
    (2)’該支持体の塗布液が塗布された面に、架橋剤と
    分子量が1.0×103〜8.0×103 であるカチオ
    ン性または塩基性オリゴマーとを含有するゲル化液を塗
    布する工程と、(3)’塗布液およびゲル化液が塗布さ
    れた前記支持体を乾燥する工程とを含むインクジェット
    記録用シートの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記カチオン性または塩基性オリゴマー
    が、下記式(a)から下記式(e)までのいずれかの式
    で表わされる構造を構成単位とするオリゴマーであるこ
    とを特徴とする請求項6または請求項7に記載のインク
    ジェット記録用シートの製造方法。 【化3】 【化4】
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