JPH09156211A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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Publication number
JPH09156211A
JPH09156211A JP8271732A JP27173296A JPH09156211A JP H09156211 A JPH09156211 A JP H09156211A JP 8271732 A JP8271732 A JP 8271732A JP 27173296 A JP27173296 A JP 27173296A JP H09156211 A JPH09156211 A JP H09156211A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording sheet
ink
weight
receiving layer
ink jet
Prior art date
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Pending
Application number
JP8271732A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Kobayashi
孝史 小林
Tatsuya Nomura
達也 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP8271732A priority Critical patent/JPH09156211A/ja
Publication of JPH09156211A publication Critical patent/JPH09156211A/ja
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はインクジェット記録により画像を形
成することができ、高い透明性を有し、インキ画像を形
成した場合にインキ写りの発生も、高湿下でのインキ滲
みの発生も見られないインクジェット記録用シートを提
供する。 【解決手段】 透明支持体およびその上に設けられた色
材受容層からなる記録用シートであって、該色材受容層
が平均粒子径が200nm以下の架橋されたポリマー微
粒子と水溶性樹脂とからなり、かつ該記録用シートの透
過率が80%以上であるインクジェット記録用シート;
及びに透明支持体の代わりに高光沢の不透明支持体下塗
層を用い、70%以上の光沢度を有するインクジェット
記録用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録により画像シートを形成するためのインクジェット記
録用シートに関する。特に、インクジェット記録により
透明陽画あるいは高光沢の画像シートを形成するための
インクジェット記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報産業の急速な発展に伴い、種
々の情報処理システムが開発され、また、それぞれの情
報システムに適した記録方法及び装置も開発され、採用
されている。このような記録方法の中で、インキを噴射
して記録するインクジェット記録、及び溶融型色材ある
いは昇華型色材を用いた感熱転写記録においては、使用
する装置が、軽量かつコンパクト化され、騒音もなく、
操作性、保守性にも優れたものとなっている。さらに、
インクジェット記録で使用される装置はカラー化も容易
であることから、最近広く使用されている。
【0003】インクジェット記録方式は各種の方式が開
発されているが、物性的には大きく分けて水溶性色素を
含む色素溶液(水性インク)を用いる方法、及び油溶性
色素を含む色素溶液(油性インク)を用いる方法、そし
て色素を含有した低融点固形ワックス(ワックスイン
ク)を熱溶融させて用いる方法の三種がある。主流は水
性インクを使用するタイプである。何れにしてもインク
ジェット記録用シート上に液状の微粒滴を吐出させて画
像を形成する方法である。
【0004】上記のインクジェット記録による画像の形
成は、通常の紙に行なわれるほか、次のような用途で
は、透明シートを使用する必要があり、多くは表面に色
材受容(吸収)層を設けた透明フイルムを用いて、上記
のように画像形成して記録シートを作成する。例えば、
会議等でスライドに代わり使用される機会が増えている
OHPフイルム、印刷ポスターや表示板の代わりに使用
される機会が増えているバックライトディスプレイ用フ
イルム、及び第二原図用フイルム等を挙げることができ
る。またインクジェット記録用シートに画像を形成した
ハードコピーは、精細な画像を有すると共に、通常の紙
に形成されたもの以上の高い光沢度も要求される場合が
ある。即ち、ハードコピーの理想である銀塩写真を考え
た場合、高い光沢度は達成すべき重要な課題である。
【0005】従って、インクジェット記録においては、
精細な画像を得る上で液状インクを早く吸収し、インク
写り性が良好で、インク滲み等が発生しない色材受容
層、さらに上記のような透明陽画あるいは高光沢の画像
シートを形成するには、透明性の高い色材受容層が要求
される。従来の樹脂を主成分とする色材受容層は透明性
に優れているが、インクにより膨潤あるいは溶解して粘
着性を帯び易いので、インク写り性(印字されたインク
画像に紙を押し当てた時に紙に転写されるインクの濃度
の程度)が良好とは言えない。
【0006】例えば、インクジェット記録の場合、特開
昭56−80489号公報には溶解性又は膨潤性物質の
使用が提案され、また多数のポリマー系(ポリビニルア
ルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PV
P)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、カルボキシ
メチルセルロース(CMC))が提案されている。しか
しながら、このようなポリマーの色材受容層は透明性に
は優れているが、インク吸収性、インク写り性は満足で
きるものではない。即ち、このような色材受容層は、上
記ポリマーの親水性基あるいは解離性基による水性イン
クの浸透効果を利用したものであり、膜を厚くした場合
でも十分なインク吸収性が充分とは言えず、当然インク
写り性も満足できるものではない。特開平3−1046
83号公報には、色材受容層の材料に架橋されたポリビ
ニルピロリドンを使用することが提案されている。この
ような色材受容層を用いることによりインク写り性は幾
分改善されるが、満足できるものではない。即ち、架橋
が進み過ぎるとインク吸収性は低下し、インク写り性も
悪化する。
【0007】上記インク吸収性、インク写り性を改善す
るため、透明支持体とその上に設けられたコロイダルシ
リカと水溶性樹脂の透明層からなる記録用シートが提案
されている。上記透明層は、空隙率が大きくないため、
記録用シートはインク吸収性については改善されている
が充分とは言えず、当然インク写り性も問題がある。ま
た、擬ベーマイト微粒子から形成された細孔を有する色
材受容層を具備した記録用シートが開示されている。こ
の記録用シートはインク吸収性、インク写り性は向上す
るものの、屈折率が高く充分に高い透明度が得られな
い。また、特公昭61−53598号公報には、支持体
と、その上に設けられた合成シリカ、屈折率1.44〜
1.55の微粒子及び水溶性樹脂からなる透明層からな
る記録用シートが開示されている。合成シリカは、通常
10nmを超える一次粒子径を有し、更に二次粒子は数
100nmの粒径となる。このような二次粒子は、光を
散乱し易く、従ってこのような粒子を含む記録用シート
は、充分に高い光線透過率を示さない。
【0008】一方、特公昭62−11678号公報に
は、特定の塩基性ラテックスポリマーを用いた、インク
吸収性が優れ且つインク保持性にも優れたインクジェッ
ト記録用シートが開示されている。この塩基性ラテック
スポリマーは、第3級アミノ基又は第4級アンモニウム
基を有するモノマー、2個以上のエチレン性不飽和基含
むモノマー及びこれら以外のモノマーから得られるもの
である。この塩基性ラテックスポリマーを含む色材受容
層は、上記インク吸収性等は優れているが、粒子径が通
常ラテックスの場合0.5μm前後で大きいため、充分
に高い透明性が得られない。また、実施例では、通常の
紙上に塩基性ラテックスポリマーを含む色材受容層を設
けたシート、透明なフィルム上には塩基性ラテックスポ
リマーと多量の炭酸カルシウムを含む色材受容層を設け
たシートが作製されており、透明性に優れたシートは開
示されていない。従って、前述したOHP用シート等の
透明性が要求される用途、あるいは高光沢が要求される
用途に好適な記録用シートは得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はインクジェッ
ト記録により画像を形成することができ、高い透明性を
有し、画像を形成した場合、インク写りの発生も、高湿
下でのインク滲みの発生も見られないインクジェット記
録用シートを提供することを目的とする。また本発明は
インクジェット記録により画像を形成することができ、
高い光沢度を有し、画像を形成した場合インク写りの発
生も、高湿下でのインク滲みの発生も見られないインク
ジェット記録用シートを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明支持体お
よびその上に設けられた色材受容層からなる記録用シー
トであって、該色材受容層が平均粒子径が200nm以
下の架橋されたポリマー微粒子と水溶性樹脂とからな
り、かつ該記録用シートの透過率が80%以上であるこ
とを特徴とするインクジェット記録用シート;及び高光
沢の表面を有する不透明支持体およびその上に設けられ
た色材受容層からなる記録用シートであって、該色材受
容層が平均粒子径が200nm以下の架橋されたポリマ
ー微粒子と水溶性樹脂とからなり、かつ該記録用シート
の光沢度が70%以上であることを特徴とするインクジ
ェット記録用シートにある。上記透過率は、ヘイズメー
ター(HGM−2DP;スガ試験機(株)製)を用い可
視光の平行光線透過率を測定した値である。用いられる
可視光の波長は、380〜800nmである。上記光沢
度は、JIS P−8142(紙及び板紙の75度鏡面
光沢度試験方法)に記載の方法に従って測定した値であ
る。
【0011】本発明のインクジェット記録用シートの好
ましい態様は下記のとおりである。 1)該架橋されたポリマー微粒子が、アニオン性又はカ
チオン性である。 2)架橋されたポリマー微粒子が、アクリル酸アルキル
エステル、メタクリル酸アルキルエステル、スチレン及
びスチレン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一
種のモノマーを、分子中に炭素炭素二重結合を1個又は
2個以上有する乳化剤(好ましくは2個以上有する乳化
剤)を用いて乳化重合することにより得られるミクロゲ
ルである。 3)架橋されたポリマー微粒子が、カチオン性である
(好ましくは、カチオン性を示す基が、4級アンモニウ
ム塩基である)。 4)架橋されたポリマー微粒子の平均粒子径が1〜10
0nmである。 5)水溶性樹脂が、架橋されている。 6)水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールである。 7)架橋されたポリマー微粒子及び水溶性樹脂との重量
比が、1:1〜1:10の範囲(ポリマー微粒子:水溶
性樹脂)にある。 8)色材受容層が、さらにマット剤を0.01〜5重量
%含んでいる。 9)透過率が83%以上(特に85%以上)である。 10)400nmの光の透過率が80%以上(特に83
%以上)である。 11)光沢度が75%以上(特に80%以上)である。 12)インクジェット記録に使用されるインクが、水性
インク(溶媒の50重量%以上が水のもの)ある。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用シ
ートは、透明支持体または高光沢の不透明支持体及び支
持体の一方の表面に設けられた色材受容層とからなる基
本構成を有する。色材受容層は支持体の両面に設けても
良い。本発明のインクジェット記録用シートは、例えば
下記のようにして製造することができる。本発明では、
支持体としては、透明支持体あるいは高光沢の不透明支
持体が使用される。透明支持体として使用できる材料と
しては、透明でOHPあるいはバックライトディスプレ
イで使用される時の輻射熱に耐える性質を有する材料が
好ましい。このような材料としては、ポリエチレンテレ
フタレート等のポリエステル類;ニトロセルロース、セ
ルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート
等のセルロースエステル類、更にポリスルホン、ポリフ
ェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、
ポリアミド等を挙げることができる。これらの中で、ポ
リエチレンフタレートが好ましい。透明支持体の厚さ
は、特に制限はないが、50〜200μmのものが取り
扱い易く好ましい。また透明支持体として、コロナ放電
処理、火炎処理、紫外線照射処理を施したものを使用し
てもよい。
【0013】高光沢の不透明支持体としては、色材受容
層の設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有する
ものが好ましい。上記光沢度は、JIS P−8142
(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方
法に従って測定することにより求められる値である。高
光沢の不透明支持体の例としては、アート紙、コート
紙、キャストコート紙、銀塩写真用支持体等に使用され
るバライタ紙等の高光沢の紙;ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)等のポリエステル類、ニトロセルロー
ス、セルロースアセテート及びセルロースアセテートブ
チレート等のセルロースエステル類、更にポリスルホ
ン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカー
ボネート、ポリアミド等のプラスチックフィルムで、こ
のフィルムに白色顔料等を含有させて不透明にした高光
沢の(表面カレンダー処理等を行なって)フィルム、あ
るいは上記各種紙、上記透明プラスチックフィルムまた
は白色顔料等含有プラスチックの表面に、白色顔料を含
有するあるいは含有しないポリオレフィンの被覆層が設
けられた支持体等を挙げることができる。更に、白色顔
料含有発泡ポリエステルフィルム(例、ポリオレフィン
微粒子を含有させ、延伸により空隙を形成した炭酸カル
シウム含有発泡PET)も挙げることができる。また銀
塩写真用支持体として使用されているポリオレフィンコ
ート紙(表面に白色顔料含有ポリオレフィン層が設けら
れた紙支持体等のポリオレフィンの被覆層が設けられた
支持体の一種)、あるいは金属蒸着層等が設けられた特
種紙等を、好適に使用することができる。特に、白色顔
料含有ポリオレフィン層が設けられた紙支持体、白色顔
料含有ポリオレフィン層が設けられたポリエステル(好
ましくはPET)フィルム、白色顔料含有ポリエステル
フィルムあるいは白色顔料含有発泡ポリエステルフィル
ムが好ましい。支持体の厚さは、特に制限はないが、5
0〜200μmのものが取り扱い易く好ましい。
【0014】本発明の色材受容層は下記のように形成す
ることができる。平均粒子径が200nm以下の架橋さ
れたポリマー微粒子を水溶性樹脂溶液に分散した塗布液
を、支持体の表面に塗布、乾燥することにより、色材受
容層を形成することができる。水溶性樹脂の例として
は、親水性構造単位としてヒドロキシル基を有する樹脂
として、ポリビニルアルコール(PVA)、セルロース
系樹脂(メチルセルロース(MC)、エチルセルロース
(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カ
ルボキシメチルセルロース(CMC)等)、キチン類及
びデンプンを;エーテル結合を有する樹脂としてポリエ
チレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイ
ド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)及び
ポリビニルエーテル(PVE)を;そしてアミド基また
はアミド結合を有する樹脂としてポリアクリルアミド
(PAAM)およびポリビニルピロリドン(PVP)を
挙げることができる。また、解離性基としてカルボキシ
ル基を有するポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アル
ギン酸塩及びゼラチン類を;スルホン基を有するポリス
チレンスルホン酸塩、アミノ基、イミノ基、第3アミン
及び第4アンモニウム塩を有するポリアリルアミン(P
AA)、ポリエチレンイミン(PEI)、エポキシ化ポ
リアミド(EPAm)、ポリビニルピリジン及びゼラチ
ン類を挙げることができる。
【0015】上記水溶性樹脂は、色材受容層の耐水性を
改善するために、架橋剤により架橋されることが好まし
い。すなわち、水溶性樹脂と架橋されたポリマー微粒子
を含有する塗布液に架橋剤を添加して、支持体に塗布
し、加熱乾燥する(架橋させる)ことにより、色材受容
層を形成することが好ましい。上記架橋剤としては、例
えば、アルデヒド類(例、ホルムアルデヒド、グリオキ
ザール及びグルタルアルデヒド)、N−メチロール化合
物(例、ジメチロール尿素及びメチロールジメチルヒダ
ントイン)、ジオキサン誘導体(例、2,3−ジヒドロ
キシジオキサン)、カルボキシル基を活性化することに
より作用する化合物(例、カルベニウム、2−ナフタレ
ンスルホナート、1,1−ビスピロリジノ−1−クロロ
ピリジニウム及び1−モルホリノカルボニル−3−(ス
ルホナトアミノメチル))、活性ビニル化合物(例、
1、3、5−トリアクロイル−ヘキサヒドロ−s−トリ
アジン、ビス(ビニルスルホン)メタン及びN,N’−
メチレンビス−[βー(ビニルスルホニル)プロピオン
アミド])、活性ハロゲン化合物(例、2,4−ジクロ
ロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン)、イソオキサゾ
ール類、メラミン樹脂、イソシアネート化合物及びジア
ルデヒド澱粉、などを挙げることができる。これらは、
単独または組み合せて用いることができる。生産性を考
慮した場合、反応活性の高いグルタルアルデヒド等のア
ルデヒド類またはメラミン樹脂の使用が好ましい。上記
架橋剤と組み合わせて用いられる好ましい水溶性樹脂と
しては、ポリビニルアルコールを挙げることができる。
架橋剤の添加量は、水溶性樹脂に対して、0.1〜20
重量%が好ましく、特に0.5〜15重量%が好まし
い。
【0016】本発明の平均粒子径200nm以下の架橋
されたポリマー微粒子は、アニオン性又はカチオン性で
あることが好ましい。このようなポリマー微粒子は、通
常アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキル
エステル、スチレン及びスチレン誘導体からなる群より
選ばれる少なくとも一種のモノマーを、分子中に炭素炭
素二重結合を1個又は2個以上(好ましくは2個以上)
有する乳化剤を用いて乳化重合することにより得ること
ができる。このようなポリマー微粒子としては、特開平
5−254251号公報に記載されているミクロゲルを
好適に使用することができる。なお、この公報には、ミ
クロゲルを感熱記録紙に使用することが記載されている
が、感熱記録は、本発明のようにインクを記録シートに
噴射することにより印字するのではなく、加熱により印
字するものであり、異なる技術分野に属する。
【0017】アクリル酸アルキルエステルおよびメタク
リル酸アルキルエステルの例としては、アルキルの炭素
原子数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルが好ましく、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピ
ル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)ア
クリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸ステアリルを挙げることができる。スチレン
及びスチレン誘導体の例としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン及びビニルトルエンを挙げることができる。
【0018】上記モノマー以外に、上記モノマーと共重
合可能なモノマーを全モノマー量の50重量%以下の量
で使用しても良い。例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、無水マレイン、スチレンスルホン酸、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸のアニオン性ビ
ニルモノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよ
び第4級アンモニウム塩を有するビニルモノマー等のカ
チオン性ビニルモノマー;及び(メタ)アクリル酸2−
ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
プロピルおよび(メタ)アクリロイルオキシフォスフェ
ート等のノニオン性ビニルモノマーを挙げることができ
る。
【0019】上記モノマーに加えて更に、架橋性ビニル
モノマーを全モノマー量の5重量%以下の量で使用して
も良い。例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジビ
ニルベンゼン等の二官能性モノマー;1,3,5−トリ
アクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン及びトリア
リルイソシアヌレート等の三官能性モノマー;テトラメ
チロールメタンテトラアクリレート及びN,N,N’,
N’−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン等の四官
能性モノマーを挙げることができる。
【0020】上記分子中に炭素炭素二重結合を1個又は
2個以上有する乳化剤の、その炭素炭素二重結合の例と
しては、(メタ)アリル基、1−プロペニル基、2−メ
チル−1−プロペニル基、ビニル基、イソプロペニル基
及び(メタ)アクリロイル基を挙げることができる。こ
れらの中で(メタ)アクリロイル基が好ましい。上記乳
化剤の、疎水基と共に乳化作用を示すためのカチオン性
基またはアニオン性基(親水性基)を有している。カチ
オン性基は、インクを保持する機能が大きいため、色材
受容層の耐水性が向上するので好ましい。カチオン性基
またはアニオン性基(親水性基)としては、−COO
H、−COOM、−OSO3 M、−N(R1 )(R2
(R3 )、−OH、−PO(OM)2 、(−O)3 P、
(−O)2 P(OH)−、−OP(OH)2 、−OPO
(OM)2 、(−O)2 PO(OM)、(−O)3 PO
及び−(0R)−[但し、MはNaまたはKを表わし、
1 、R2 及びR3 はそれぞれ独立に水素原子、アルキ
ル、アラルキル又はヒドロキシアルキルを表わし、そし
てRはエチレンまたはプロピレンを表わす]を挙げるこ
とができる。これらの中で、−N(R1 )(R2 )(R
3 )[R1 、R 2 及びR3 はそれぞれ独立に水素原子、
アルキル又はヒドロキシアルキルを表わし、少なくとも
一個の基はアルキル又はヒドロキシアルキルである]で
表されるカチオン性基が好ましい。上記乳化剤は、通常
の乳化剤の役割と重合性(架橋性)モノマーの役割を担
っており、したがって得られる架橋されたポリマー微粒
子の表面は上記のようなカチオン性基またはアニオン性
基が存在している。勿論ポリマー微粒子の内部に存在す
る場合もある。
【0021】乳化剤の例としては、上記炭素炭素二重結
合を分子中に2個以上有するポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルのスルホコハク酸エステル塩、上記炭素炭素
二重結合を分子中に2個以上有するポリオキシエチレン
アルキルエーテルの硫酸エステル塩、上記炭素炭素二重
結合を分子中に2個以上有するポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテルのスルホコハク酸塩、上記炭素炭
素二重結合を分子中に2個以上有するポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、酸性リ
ン酸(メタ)アクリル酸エステル系分散剤、オリゴエス
テル(メタ)アクリレートのリン酸エステルもしくはそ
のアルカリ塩、及び親水性アルキレンオキサイド基を有
するポリアルキレングリコール誘導体のオリゴエステル
ポリ(メタ)アクリレートを挙げることができる。これ
らの市販されている製品としては、KAYAMER P
M−2(日本化薬(株)製)、ニューフロンティアA−
229E(第一工業製薬(株)製)、ニューフロンティ
アN−250Z(第一工業製薬(株)製)等を挙げるこ
とができる。
【0022】上記分子中に炭素炭素二重結合を2個以上
有する乳化剤を使用する場合は、分子中に炭素炭素二重
結合を1個有する乳化剤を全乳化剤の60重量%以下の
割合で含んでいても良い。また、上記分子中に炭素炭素
二重結合を1個又は2個以上有する乳化剤は、通常のア
ニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤
を含んでいても良い。上記分子中に炭素炭素二重結合を
1個または2個以上有する乳化剤の添加量は、前記全モ
ノマー量100重量部に対して、通常1〜20重量部で
あり、3〜10重量部が好ましい。
【0023】本発明の架橋されたポリマー微粒子は、上
記材料を用いて、公知の乳化重合法により得ることがで
きる。例えば、反応容器に上記乳化剤及び水を投入し、
これに前記モノマーを加えて乳化した後、ラジカル重合
開始剤を加え、攪拌下に加温してモノマーを重合させる
ことにより上記架橋されたポリマー微粒子を得ることが
できる。ビニルモノマーの添加は、一括滴下、分割滴下
のいずれでも良い。また、このような材料の濃度は、最
終的に得られる反応液(分散液)中の固形分濃度が、通
常20〜50重量%となるように、好ましくは30〜4
5重量%となるように調整される。反応時のpHは3〜
9の範囲が好ましく、反応温度は、重合開始剤が活性化
する温度であれば良く、通常40〜90℃であり、50
〜80℃が好ましい。反応時間は通常30分〜2時間で
ある。
【0024】上記ラジカル重合開始剤としては、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水
素、水溶性のアゾ系の開始剤等の水溶性のラジカル重合
開始剤;あるいは上記過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウ
ム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤とを組み合わせたレ
ドックス系重合開始剤を挙げることができる。レドック
ス系重合開始剤が好ましい。ラジカル重合開始剤の添加
量は、全モノマー量の0.05〜5重量%が好ましく、
特に0.1〜3重量%が好ましい。また得られるポリマ
ー微粒子を透明性の超微粒子にするため、重合促進剤と
して遷移金属イオンの存在下に上記重合を行なうことが
好ましい。このようにして得られる上記乳化剤により架
橋されたポリマー微粒子は、表面に上記乳化剤が存在し
ており、このため、その表面にはアニオン性基、カチオ
ン性基(親水性基)が存在することになる。従って、イ
ンクジェットの水性インクをその表面で容易に吸着する
ことができ、アニオン性基、カチオン性基等が有効に働
くことができる。このような親水性基は、使用する乳化
剤の種類、量、そして反応方法によりポリマー微粒子の
内部にも存在することになる。
【0025】得られる架橋されたポリマー微粒子は、固
形分濃度が、通常20〜50重量%、好ましくは30〜
45重量%の分散物であり、その平均粒子径は、200
nm以下(好ましくは1〜100nmの範囲)である。
またポリマー微粒子の40重量%分散液の粘度は、通常
100〜500cpsである。
【0026】本発明の色材受容層は、主として上記架橋
されたポリマー微粒子及び水溶性樹脂から構成されてい
る。そして、色材受容層中に含まれる架橋されたポリマ
ー微粒子及び水溶性樹脂と比率は、重量比で1:1〜
1:10の範囲(ポリマー微粒子:水溶性樹脂)が好ま
しく、特に1:1〜1:5の範囲が好ましい。
【0027】本発明の色材受容層には、上記水溶性樹脂
と架橋されたポリマー微粒子に加えて、インクジェット
記録用シートの走行性及び耐ブロッキング性を改善する
ため、マット剤として、コロイダルシリカ、珪酸カルシ
ウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、白雲
母、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ベーマ
イト等の無機微粒子、あるいはポリメチルメタクリレー
ト微粒子、ポリスチレン微粒子およびポリエチレン微粒
子等の有機微粒子を含有させても良い。無機微粒子とし
ては、シリカが好ましく、有機微粒子としてはポリメチ
ルメタクリレート微粒子が好ましい。マット剤の色材受
容層中の含有量は、0.01〜5重量%が好ましい。
【0028】この色材受容層を主として構成する架橋さ
れたポリマー微粒子や水溶性樹脂は、それぞれ単一素材
でも良いし複数の素材の混合系でもよい。また色材受容
層は主として上記架橋されたポリマー微粒子と水溶性樹
脂からなるがそれ以外に粒子の分散性を高める為に各種
の無機塩類、PH調整剤として酸アルカリを含んでいて
もよい。また塗布適性や表面品質を高める目的で各種の
界面活性剤を使用してもよい。またインクジェット記録
に於いて色素を固定し耐水性を高める目的で媒染剤を使
用してもよい。また表面の摩擦特性を低減する目的で各
種のマット剤を含んでいてもよい。また色材の劣化を抑
制する目的で各種の酸化防止剤、紫外線吸収剤を含んで
いてもよい。さらに、蛍光増白剤を含んでいても良い。
【0029】上記色材受容層の形成は、例えば、上記樹
脂、ポリマー微粒子等を含む水分散液(塗布液)を支持
体(透明支持体または高光沢の不透明支持体)上に塗
布、加熱乾燥することにより実施することができる。塗
布は、例えばエアードクターコーター、ブレッドコータ
ー、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコータ
ー、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の
塗布方法で行なうことができる。乾燥は、熱風乾燥機に
より通常50〜180℃で1〜20分間乾燥するが、9
0〜150℃で2〜15分間乾燥することが好ましい。
また、塗布、乾燥後、例えばスーパーカレンダー、グロ
スカレンダー等で加熱、加圧下にロールニップ間を通す
ことにより、表面平滑性、透明性及び塗膜強度を向上さ
せることが可能である。
【0030】このようにして得られる本発明の色材受容
層は、平均粒子径が200nm以下の架橋されたポリマ
ー微粒子が水溶性樹脂中に均一に分散されている。この
ため、インクジェット記録により噴射されたインクは、
水溶性樹脂及びポリマー微粒子そして水溶性樹脂とポリ
マー微粒子の間隙に吸収されると推定される。従って、
水溶性樹脂のみによるインクの吸収の場合は、水溶性樹
脂の色材受容層が、膨潤又は軟化するため紙へのインク
写りが大きいが、本発明の色材受容層では水溶性樹脂が
吸収するインクの量は少なくインク写りがほとんど発生
しない。特にポリマー微粒子がカチオン性またはアニオ
ン性(特にカチオン性)である場合はインクとの親和性
が良好でインク写り性等が向上する。また、通常インク
写り性の改善に用いられる無機微粒子も使用する必要が
ないので、色材受容層の透明性も高く、OHP用シート
の作成に好適に使用することができる。あるいは高い光
沢度を有する支持体上に、本発明の透明性の高い色材受
容層を設けた場合も、支持体の高光沢を損なうことな
く、高い画質のインク画像を形成することができる。更
に、本発明の色材受容層に含まれる架橋されたポリマー
微粒子の平均粒子径は、200nm以下と極めて小さい
為、特に可視光の低波長領域(400nm程度)の光を
散乱させることがほとんどないことから、得られる画像
の透明性が向上し画質も優れたものである。上記色材受
容層が透明支持体上に設けられた本発明のインクジェッ
ト記録用シートは、色材受容層の透過率が高いので、シ
ート自身も80%以上の透過率を有する。83%以上が
好ましく、特に85%以上が好ましい。また400nm
の光の透過率の80%以上が一般的で、83%以上が好
ましい。また上記色材受容層が高光沢の不透明支持体上
に設けられた本発明のインクジェット記録用シートは、
シート表面の光沢率が70%以上であり、75%以上が
好ましく、特に80%以上が好ましい。
【0031】
【実施例】
【0032】[実施例1] (1)色材受容層形成用塗布液の組成 ポリビニルアルコール10重量%水溶液 35重量部 (PVA210、クラレ(株)製) アニオン性の架橋されたポリマー微粒子10重量%水分散液 15重量部 (平均粒子径:80nm、 炭素炭素二重結合を2個とリン酸塩基を有する乳化剤 により架橋されたアクリル樹脂微粒子、 荒川化学工業(株)製) マット剤 1重量部 (サイロイド#620の4重量%水分散液、 富士デヴィソン化学(株)製) 界面活性剤 1重量部 (メガファックF−144Dの10重量%水分散液、 大日本インキ化学工業(株)製) 上記組成の材料を混合して色材受容層形成用塗布液を得
た。
【0033】この塗布液を、表面がコロナ放電処理され
た100μmの厚みの二軸延伸したポリエチレンテレフ
タレートフィルムの表面に、バーコーターを用いて塗布
し、熱風乾燥機により120℃で10分間乾燥した。こ
れにより乾燥膜厚が8μmの色材受容層を形成した。こ
うしてポリエチレンテレフタレートに色材受容層が設け
られたインクジェット記録用シートを得た。
【0034】[実施例2]実施例1において、アニオン
性の架橋されたポリマー微粒子10重量%水分散液の代
わりにカチオン性の架橋されたポリマー微粒子10重量
%水分散液(平均粒子径:73nm、炭素炭素二重結合
を2個と4級アンモニウム塩基を有する乳化剤により架
橋されたポリスチレン微粒子、商品名「ミストパールC
−100」荒川化学工業(株)製)を用いて色材受容層
形成用塗布液を調製した以外は実施例1と同様にしてイ
ンクジェット記録用シートを作成した。
【0035】[実施例3]実施例2において、実施例2
の色材受容層形成用塗布液組成に、更にPVAの架橋剤
として下記の材料: メラミン樹脂 4.5重量部 (スミレーズ#613の10重量%水分散液、 住友化学工業(株)製) アミン塩酸塩 0.45重量部 (ACX−Pの5重量%水分散液、 住友化学工業(株)製) を加えて色材受容層形成用塗布液を調製した以外は、実
施例2と同様にしてインクジェット記録用シート作成し
た。
【0036】[比較例1]実施例1において、色材受容
層形成用塗布液として下記の組成のものを使用した以外
は実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを
作成した。 (1)色材受容層形成用塗布液の組成 ポリビニルアルコール10重量%水溶液 150重量部 (PVA210(クラレ(株)製)) 合成シリカ 80重量部 (平均粒子径:20nm) 微粉末ガラス粉 20重量部 水 310重量部 上記組成の材料を混合して色材受容層形成用塗布液を得
た。
【0037】[比較例2]実施例1において、色材受容
層形成用塗布液として下記の組成のものを使用した以外
は実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを
作製した。 (1)色材受容層形成用塗布液の組成 ポリビニルピロリドン 4.5重量部 (PVPK−90(GAF社製)) ジベンジリデンソルビトール 4.5重量部 (ゲルオールD) カチオンポリマー 1.0重量部 (4級アンモニウム塩含有アクリル樹脂、 PQ−10、総研化学(株)製) DMF 90.0重量部 上記組成の材料を混合、溶解して色材受容層形成用塗布
液を得た。
【0038】上記で得られた透明支持体に色材受容層が
設けられたインクジェット記録用シートについて、以下
の測定方法によってそのインクジェット適性を評価し
た。 (1)インク写り性 インクジェットカラープリンター(BJC−600J;
キャノン(株)製)により、記録用シートへの青のベタ
印画し、10秒後にコピー用紙(PPC(電子写真複写
機)用紙WR、富士ゼロックス(株)製)をゴムローラ
で接触押圧(条件:0.6kg/cmの線圧)した。そ
して、コピー用紙に転写されたインキ量を反射濃度計
(X−rite、X−rite Incorporat
ed社製)を用いてそのインキ画像部の反射濃度を測定
することにより評価した。反射濃度の高い程、インキの
転写量は多いことを示す。 (2)平行光線透過率 ヘイズメーター(HGM−2DP;スガ試験機(株)
製)を用い平行光線透過率を測定した。 (3)400nmの光の透過率 分光光度計(瞬間マルチ測光システムMCPD−100
0;大塚電子(株)製)を用い波長400nmの光の透
過率を測定した。 (4)高湿下での画像の滲み (1)と同一のプリンターを用いて、記録用シートに、
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ブルー、グリ
ーン、レッドのベタ印画を行ない、印画した記録用シー
トを28℃、85%RHの環境下に3日間放置した。ベ
タ画像部の滲みの程度を下記のように評価した。 AA:ベタ画像部に滲みが見られない BB:ベタ画像部の一部に滲み見られる CC:ベタ画像部の相当部分で滲み見られる
【0039】上記評価結果を下記の表1に示す。
【0040】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── インク 透過率 400nm 透過 高湿下滲み 写り性 (%) 率(%) ──────────────────────────────────── 実施例1 0.17 86 84 BB 実施例2 0.15 87 85 AA 実施例3 0.15 87 84 AA ──────────────────────────────────── 比較例1 0.20 14 −− CC 比較例2 0.65 82 −− AA ────────────────────────────────────
【0041】以下に支持体として高光沢の不透明支持体
を用いた際の実施例及び比較例を記す。 [実施例4]実施例3において、支持体として下記の高
光沢の不透明支持体を用いた以外は実施例3と同様にし
てインクジェット記録用シート作成した。
【0042】<高光沢の不透明支持体>LBPK70重
量部とNBSP30重量部の混合パルプをダブルディス
クリファイナーによりカナディアンフリーネス300m
lに叩解し、このパルプスラリーに下記の材料を添加し
た後、抄紙して乾燥し、坪量180g/m2 の原紙を得
た。
【0043】 パルプ 100 重量部 エポキシ化ベヘン酸アミド 0.3重量部 アルキルケテンダイマー 0.4重量部 カチオンスターチ 1.0重量部 ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン 0.2重量部 カチオン性ポリアクリルアミド 0.5重量部
【0044】得られた原紙に、下記の組成のサイズ剤
(水溶液)をサイジングプレス処理により、30g/m
2 含浸付着させた。 ポリビニルアルコール 4 重量部 γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.05重量部 蛍光増白剤 0.6 重量部 消泡剤 0.005重量部
【0045】次いで、得られたサイズ剤付着紙を、ソフ
トカレンダーにより厚さ200μmとなるようにカレン
ダー処理し、次いでマシンカレンダーによりカレンダ処
理して厚さを175μmに調整した。その後原紙の裏面
(ワイヤー面)にコロナ放電処理し、密度0.98g/
cm3 のポリエチレンを25μmの厚さにコーティング
し、おもて面(フェルト面)にはコロナ放電処理した
後、10重量%の酸化チタンを含有する密度0.94g
/cm3 のポリエチレンを30μmの厚さにコーティン
グして、不透明支持体を得た。
【0046】[実施例5]実施例3において、支持体と
して下記の高光沢の不透明支持体を用いた以外は実施例
3と同様にしてインクジェット記録用シート作成した。
【0047】<高光沢の不透明支持体>平均粒径0.9
μmの炭酸カルシウムを15重量%含有したポリエステ
ル樹脂(PET)を二軸延伸し、密度0.9g/cm
3 、SRa0.17μmの白色ポリエステルフィルムに
得た。この白色ポリエステルフィルムの両面に、酸化錫
を50重量%混練したポリエステル樹脂の溶剤溶液を固
形分で0.3g/m2 塗布、乾燥した後、表面電気抵抗
を5×108 〜5×109 Ωの帯電防止層を形成した。
【0048】このフィルムの両面にコロナ放電処理を行
なった後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレン(密
度0.960g/cm3 、MI=13g/10分)を樹
脂厚30μmで溶融押出しして、一方の帯電防止層上を
ポリエチレンの樹脂層で被覆した(この面を裏面と呼
ぶ)。次に、樹脂層を設けなかったもう一方の帯電防止
層上に、溶融押出機を用いてアナターゼ型二酸化チタン
15重量%及び微量の群青を含有した低密度ポリエチレ
ン(密度0.923g/cm3 、MI=7g/10分)
を樹脂厚32μmで溶融押出しして、光沢面を有する樹
脂層で被覆した(この面をおもて面と呼ぶ)。
【0049】裏面の高密度ポリエチレン樹脂層面をコロ
ナ放電処理した後、帯電防止剤として酸化アルミニウム
(アルミナゾール−100、日産化学工業(株)製)及
び二酸化珪素(スノーテックス−0、日産化学工業
(株)製)を重量比で1/2(アルミナゾール−100
/スノーテックス−0)で水に分散して、乾燥後の重量
で0.2g/m2 となるように塗布した。上記のように
して、不透明支持体を得た。
【0050】[実施例6]実施例3において、支持体と
して下記の高光沢の不透明支持体を用いた以外は実施例
3と同様にしてインクジェット記録用シート作成した。
【0051】<高光沢の不透明支持体>平均粒径3μm
のシリカを2重量%充填した厚さ25μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを真空蒸着内に配置して真空
度10-4トールの条件で真空蒸着を行なって、フィルム
の表面に膜厚が600Åのアルミニウム蒸着膜を形成し
た。この蒸着膜の表面に、下記の組成の接着剤を酢酸エ
チルで希釈して乾燥後の塗布量が5g/m2 となるよう
に塗布し、100℃で2分間オーブンで乾燥した。 (接着剤組成) 塩化ビニル/塩化ビニリデン/酢酸ビニル/ 56 重量部 無水マレイン酸共重合体 トリレンジイソシアネートの 37 重量部 トリメチロールプロパン付加体 エポキシ化脂肪酸アルキルエステル(分子量約350) 7 重量部 こうして蒸着層付きフィルムを得た。
【0052】LBPK80重量部とNBSP20重量部
の混合パルプをダブルディスクリファイナーによりカナ
ディアンフリーネス300mlに叩解し、このパルプス
ラリーに下記の材料を添加した後、抄紙して乾燥し、坪
量160g/m2 の原紙を得た。密度はアシンキャレン
ダーにより1.0g/cm3 に調整した。
【0053】 パルプ 100 重量部 ステアリン酸ナトリウム 1.0重量部 アニオンポリアクリルアミド 0.5重量部 硫酸アルミニウム 1.5重量部 ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン 0.5重量部 アルキルケテンダイマー 0.5重量部
【0054】得られた原紙の片面をコロナ放電処理した
後、溶融押出機を用いて低密度ポリエチレン(密度0.
923g/cm3 、MI=7g/10分)を樹脂厚30
μmで溶融押出しして、紙の一方の面(おもて面)をポ
リエチレンの樹脂層で被覆した。次に、樹脂層を設けな
かったもう一方の面をコロナ放電処理した後、溶融押出
機を用いて高密度ポリエチレン(密度0.950g/c
3 、MI=8g/10分)を樹脂厚30μmで溶融押
出しして、樹脂層で被覆した(この面を裏面と呼ぶ)。
こうして両面がポリエチレンでラミネートされた紙を作
製した。
【0055】次に、先に作製した蒸着層付きフィルムの
蒸着層を設けなかった側の表面に下記の組成のポリウレ
タン系二液タイプの接着剤を乾燥後の塗布量が3g/m
2 となるように塗布し、100℃で2分間オーブンで乾
燥した。 (接着剤組成) ポリボンドAY−651A 100 重量部 (三洋化成工業(株)製) ポリボンドAY−651C 15 重量部 (三洋化成工業(株)製) この塗布面と、両面がポリエチレンでラミネートされた
紙の低密度ポリエチレン面とを合わせて、圧力20kg
/cmで加熱圧着した。を作製した。上記のようにして
不透明支持体を得た。蒸着層を有する面がおもて面であ
る。
【0056】[実施例7]実施例3において、支持体と
して、層厚130μmの炭酸カルシウム含有発泡ポリエ
チレンテレフタレートフィルム(商品名:E−68L;
東レ(株)製)の高光沢の不透明支持体を用いた以外は
実施例3と同様にしてインクジェット記録用シート作成
した。
【0057】[比較例3]実施例6の高光沢の不透明支
持体上に、比較例1の色材受容層形成用塗布液を実施例
1と同様に塗布してインクジェット記録用シートを作製
した。
【0058】[比較例4]実施例6の高光沢の不透明支
持体上に、比較例2の色材受容層形成用塗布液を実施例
1と同様に塗布してインクジェット記録用シートを作製
した。
【0059】上記で得られた高光沢の不透明支持体に色
材受容層が設けられたインクジェット記録用シートにつ
いて、以下の測定方法によってそのインクジェット適性
を評価した。 (1)インク写り性及び(3)高湿下での画像の滲みに
ついては、前記と同様にして評価した。 (2)光沢度 上記実施例及び比較例で得られた高光沢の不透明支持体
及び記録用シートについて、JIS P−8142(紙
及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法に
従って、光沢度を測定した。即ち、それぞれ試験片を6
枚作成し、光沢度計(デジタル変角光沢計、スガ試験機
(株)製)を用いて測定した。得られた測定値の平均値
を光沢度とした。
【0060】上記評価結果を下記の表2に示す。
【0061】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── インク 光沢度(%) 高湿下滲み 写り性 支持体 記録用シート ──────────────────────────────────── 実施例4 0.15 87 85 AA 実施例5 0.14 95 93 AA 実施例6 0.16 99 95 AA 実施例7 0.14 49 92 AA ──────────────────────────────────── 比較例3 0.21 99 21 CC 比較例4 0.67 99 92 AA ────────────────────────────────────
【0062】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用シート
は、支持体上に平均粒子径200nm以下の架橋された
ポリマー微粒子及び水溶性樹脂からなる色材受容層が設
けられている。この色材受容層は、優れたインキ吸収能
があるのでインキ写り性が良好である。また、無機微粒
子も使用しなくても、良好なインキ写り性を示すので、
この色材受容層を有するの本発明のインクジェット記録
用シートは透明性も高い。従って、本発明のインクジェ
ット記録用シートはOHP用シート等の透明性が要求さ
れる画像シートの作成に好適に使用することができる。
また、高い光沢度を有する支持体上に、本発明の透明性
の高い色材受容層を設けた場合、支持体の高光沢を損な
うことなく、高い画質のインキ画像を形成することがで
きる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体およびその上に設けられた色
    材受容層からなる記録用シートであって、該色材受容層
    が平均粒子径が200nm以下の架橋されたポリマー微
    粒子と水溶性樹脂とからなり、かつ該記録用シートの透
    過率が80%以上であることを特徴とするインクジェッ
    ト記録用シート。
  2. 【請求項2】 該架橋されたポリマー微粒子が、アニオ
    ン性又はカチオン性である請求項1に記載のインクジェ
    ット記録用シート。
  3. 【請求項3】 該水溶性樹脂が、架橋されている請求項
    1に記載のインクジェット記録用シート。
  4. 【請求項4】 高光沢の表面を有する不透明支持体およ
    びその上に設けられた色材受容層からなる記録用シート
    であって、該色材受容層が平均粒子径が200nm以下
    の架橋されたポリマー微粒子と水溶性樹脂とからなり、
    かつ該記録用シートの光沢度が70%以上であることを
    特徴とするインクジェット記録用シート。
  5. 【請求項5】 該架橋されたポリマー微粒子が、アニオ
    ン性又はカチオン性である請求項4に記載のインクジェ
    ット記録用シート。
  6. 【請求項6】 該水溶性樹脂が、架橋されている請求項
    4に記載のインクジェット記録用シート。
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