JP2004058674A - インク記録要素およびインク印刷物の形成方法 - Google Patents

インク記録要素およびインク印刷物の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インク取込み速度が改善され、印刷時に優れた画質と安定性とを有する受容層を備えたインク記録要素を提供する。
【解決手段】支持体とインク受容層とを含んでなるインク記録要素であって、前記インク受容層が、少なくとも1つの皺を含む表面を有している粒子を含む少なくとも1つの層を含むインク記録要素。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皺付き粒子を利用したインク記録要素に関する。
【0002】
【従来の技術】
典型的なインクジェット記録システムまたは印刷システムの場合、インク滴がノズルから記録要素または記録媒体に向かって高速で射出され、これによりこの媒体上に画像を形成する。インク滴または記録液は一般には記録剤、例えば色素または顔料と、大量の溶剤とを含む。溶剤またはキャリヤ液は典型的には、水、有機材料、例えば1価アルコール、多価アルコールまたはこれらの混合物から形成される。
【0003】
インク記録要素は典型的には支持体を含み、この支持体は少なくともその一方の表面上にインク受容層または画像形成層を有しており、さらに、反射光で記録内容を見るように意図された不透明な支持体、および、透過光によって記録内容を見るように意図された透明な支持体を含む。
ほとんど瞬間的なインク乾燥時間と、良好な品質とを同時に提供するインク記録要素が望ましい。しかし、記録要素が受容する必要のある広範囲なインク組成物およびインク容積を考えると、インクジェット記録媒体のこれらの要件を同時に達成することは難しい。
【0004】
多孔質または無孔質の単層塗膜または多層塗膜を採用するインクジェット記録要素が知られている。これらの塗膜は多孔質または無孔質支持体の一方の面または両面上で好適なインク受容層として作用する。無孔質塗膜を使用する記録要素は、良好な画質および安定性を有するが、しかし、これらが示すインク乾燥時間は不良である。多孔質塗膜を使用する記録要素は、典型的にはコロイド粒子を含有し、これらの画像安定性は無孔質塗膜を使用する記録要素よりも不良ではあるが、しかし、より優れた乾燥時間を示す。
【0005】
インクジェット印刷と共に使用するための多種多様なタイプの多孔質画像記録要素が知られてはいるものの、技術的に未解決な問題が多数あり、また、周知の製品には、これらの商業的有用性を著しく制限する多くの欠陥がある。多孔質画像記録層の構成上の主要な課題は、良好な品質と、亀裂のない塗膜とを得ることを可能にすることである。インクジェット記録要素上へ印刷することにより製造されるインクジェット印刷物は、環境的な劣化を被る。これらの印刷物は特に光、および空気中の気体状不純物、例えばオゾンや窒素酸化物により退色しやすい。高膨潤可能な親水性の層は、乾燥するのに望ましくないほどに長い時間がかかることがあり、印刷速度が遅くなる。多孔質層は、インクビヒクルの吸収速度を高くはするが、しかししばしば光沢が不十分となり、色素が著しく退色してしまう。多孔質層はまた、亀裂を生じさせずに塗被するのが難しい。
【0006】
不規則的に成形された微粒子が当業者に知られてはいるものの、これらの粒子は、粒度または組成または製造上の固有の難しさにより、特定の画像形成用途にはあまり適していない。国際公開第92/1655号パンフレットおよび同第03/19099号パンフレットには、エチレン系不飽和カルボン酸含有モノマーから成る架橋された皺付粒子が報告されている。しかしこれらの粒子は、粒度が大きく(>75μm)、ひいては薄い塗膜における使用には適していない。さらに、このモノマー組成物は化学的に攻撃的であり、ゲスト色素および着色剤の退色を促進することになり、従ってこれらの粒子を或る特定の画像形成用途には不適切にする。最後に、これらの材料の液体取込み量は極端に多い。これらの粒子は、液体を吸収すると、そのサイズが劇的に増大する。従って、このような高吸収性物質から成る塗膜は、液体を吸収すると、粒子の寸法が大きく変化することにより、湿潤凝集力を失うことになる。ボウル形の架橋ビニル微粒子が米国特許第5,559,202号明細書に報告されている。しかしこれらの粒子の化学組成は、吸着された色素および着色剤に対する安定性の利点をもたらすことはなく、従ってこれらの粒子はインクジェット受容媒体において使用するには不適切になる。メタクリレートモノマーを含む、皺を有する不規則に成形された粒子がポリマー科学ジャーナル(Journal of Polymer Science)、A章「ポリマー化学」、第38巻、2000年、pp. 4038−4056に開示されている。同様に、これらの粒子の化学組成は、吸着された色素および着色剤に対する安定性の利点をもたらすことはなく、従ってこれらの粒子もインクジェット受容媒体における使用には不適切になる。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第5,559,202号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,851,651号明細書
【特許文献3】
国際公開WO92/16565号公報
【特許文献4】
国際公開WO93/19099号公報
【非特許文献1】
スマリータオンスリー(Sumalee Tawonsree)等著、ポリマー科学ジャーナル(Journal of Polymer Science)、A章「ポリマー化学」、第3
8巻、2000年、pp. 4038−4056
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
インク取込み速度が改善されたインク記録要素を提供することが必要である。印刷が施された時に優れた画質と安定性とを有する受容層を備えたインク記録要素を提供する必要が依然として残っている。
【0009】
【課題を解決しようとする手段】
本発明は支持体を含むインク記録要素であって、この支持体がその上に少なくとも1つのインク受容層を有しており、このインク受容層が皺付粒子を含む、インク記録要素を含む。別の実施態様の場合、本発明は、支持体を含むインク記録要素であって、この支持体がその上に少なくとも1つのインク受容層を有しており、このインク受容層が皺付ポリエステル含有粒子を含む、インク記録要素を含む。本発明はまた、印刷物の形成方法であって、この方法が、インク画像を受容することが可能で、皺付粒子を含む少なくとも1つのインク受容層を含むインク記録要素を用意し、そしてこのインク記録要素上にプリンタを利用して印刷することを含む。
本発明を利用すると、改善されたインク取込み速度を提供し、また印刷時には優れた画質と安定性とを有する記録要素が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の皺付粒子はいかなるポリマー材料から成っていてもよい。皺付粒子は、少なくとも1つの皺を備えた表面を有することになる。本発明の目的では、皺は襞、畝、裂け目、溝またはこれらの組み合わせを含んでよい。襞、畝、裂け目または溝の頂部間の平均距離は0.02〜2μmであってよい。好ましくは平均距離は、0.04〜0.4μmであってよい。これらの「皺付」粒子は、襞、畝、裂け目、溝またはこれらの組み合わせが粒子の表面上に存在し、また粒子内部を通る連続的な通路を形成していない点で「多孔質」粒子とは区別される。これらの粒子は、球形状またはボウル形状を含む任意の形状を有していてよい。粒子が唯1つの皺を有する場合には、粒子は「ボウル形状」と言うことができる。当業者によく知られた典型的な皺付粒子が、米国特許第5,559,202号明細書、国際公開第92/16565号パンフレット、同第93/19099号パンフレット、および、「皺付ポリエステル粒子(Wrinkled Polyester Particles)」と題する、本明細書と同日付で出願されたLeon他による出願番号第10/208,344号明細書(ドケット83814)において論議され、例示されている。
【0011】
本発明の皺付粒子は、水、水混和性有機溶剤、およびこれらの組み合わせにおい容易に分散可能であることが好ましい。これらの皺付粒子は、分散系として保存されてよく、または溶剤を除去することにより乾燥材料をもたらし、この乾燥材料を容易に再分散させることもできる。皺付粒子は、表面に対して可逆的に吸着、固定、または化学結合され得る界面活性剤、コロイド状無機物質、保護コロイドまたはこれらの組み合わせによって安定化されてよい。或いは粒子は、モノマー成分およびポリマー成分内に共有結合された官能基によって安定化されてもよい。これらの成分は反応させられることにより上記粒子を形成する。
【0012】
本発明の皺付ポリマー粒子は、当業者に良く知られたいかなる方法によっても製造することができる。最も良く知られた皺付粒子は、不活性液体の存在において1種または2種以上の1官能価モノマー、および1種または2種以上の多官能価モノマーを必要とする懸濁重合プロセスを介して合成される。この不活性液体は、モノマーと同じ相で存在し、重合相を溶媒和、膨潤または可塑化する。懸濁重合は一般的な水中油滴型であるか、または逆の油中水滴型であってよい。重合メカニズムは付加重合または重縮合であってよい。不活性液体は、逆懸濁系においては水または水混和性溶剤であってよく、一般的な懸濁系においては下記に挙げる水不混和性有機溶剤のうちのいずれかであってよい。ある事例では、モノマー混合物自体が、ポリマー生成物のための膨潤剤として役立つことができ、不活性液体の付加は必要でなくなる。他の事例では、懸濁液の不連続相の個々の小滴の内部とシェルとの間の重合速度に差を設け、これにより個々の粒子内部に応力を形成することにより、懸濁重合中に皺を誘発することができる。さらに他の事例の場合、蒸発または粒子の熱収縮を介して不活性液体を除去することにより、つぶれおよび変形を誘発することができる。
【0013】
皺付粒子を製造するのに使用できるエチレン系不飽和モノマーの一例としては、エチレン系不飽和の置換型および無置換型材料、アミド、例えばアクリルアミド、メタクリルアミドおよびフマルアミド、ならびにこれらのN置換型誘導体、エチレン系不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸およびクロトン酸、およびこれらのエステルおよび塩、ポリカルボン酸、例えばマレイン酸およびフマル酸およびイタコン酸、スチレニクス、ビニルアミン、例えばピリジンおよびビニルモルホリン、およびジアリルアミンが挙げられる。米国特許第4,708,997号明細書において論議されているように、その他の好適なモノマーが、当業者に良く知られている。さらに、好適な皺付粒子を生成するのに使用可能な1官能価および多官能価モノマーを以下に説明する。
【0014】
本発明の好ましい実施態様では、皺付粒子は、皺付ポリエステル含有粒子を含み、これらの粒子は、不飽和型前駆ポリエステルと、エチレン不飽和を含有する1種または2種以上のモノマーとのハイブリッド共重合生成物を含む。前駆ポリエステルは、不飽和基を含有するポリエステルである。このポリエステルは皺付ポリエステル粒子を製造するのに使用される。本発明に有用な皺付ポリエステル含有粒子は、「皺付ポリエステル粒子(Wrinkled Polyester Particles)」と題する、本明細書と同日付で出願されたLeon他による出願番号第10/208,344号明細書(ドケット83814)で説明されている。
【0015】
好ましい実施例の場合、好ましくはポリエステルを含む皺付粒子は、イオン基を含有することになる。イオン基はアニオン基、例えばカルボン酸基、スルホン酸基、硫酸基またはチオ硫酸基、或いは、カチオン基、例えばアンモニウム基、ホスホニウム基またはスルホニウム基であってよい。イオン基は好ましくは粒子に共有結合され、イオン単位1モル当たり1,000〜500,000グラムの粒子のイオン基当量、好ましくは、イオン単位1モル当たり2,400〜50,000グラムの粒子のイオン基当量をもたらすような量で存在することになる。これらのイオン単位は、粒子の親成分(モノマーまたは前駆ポリエステル)上に存在することにより粒子内に導入することができ、或いは、粒子が合成された後で、粒子を化学的に改質することにより粒子に導入することもできる。前者の例として、前駆ポリエステルがスルホン化モノマーまたは反復単位(例えばスルホイソフタレート)を含有する場合、この単位は粒子内に存在することになる。後者の例としては、粒子の製造に使用されるモノマーの1つがクロロメチルスチレンである場合、粒子と第3アミンとが反応することにより、第4アンモニウムイオンで官能化された粒子がもたらされることになる。
【0016】
本発明の皺付ポリエステル粒子を形成するのに使用可能な前駆物質、好ましくはポリエステルは、枝分かれ型または非枝分かれ型であってよく、化学的不飽和を含有してよく、また、水不混和性有機溶剤中または水に可溶であってよい。任意には、前駆ポリエステルはその性質上、水中で自己乳化性であるか、または、両親媒性または界面活性剤様であってよい。前駆ポリエステルはいかなるガラス転移温度を有していてもよいが、ただし、この温度が可溶性要件を満たすことを条件とする。好ましくは数平均分子量(Mn)は1,000〜30,000g/モルである。
【0017】
当業者に良く知られているように、ポリエステルは、多塩基酸または相応の酸と等価の誘導体、例えばエステル、無水物または酸塩化物、および多価アルコールの縮合生成物である。本明細書中で「二酸」または「多酸」に言及する場合、相応の酸と等価の誘導体、例えばエステル、無水物または酸塩化物もこれに含まれることは明らかである。α,β−エチレン不飽和を含有する多塩基酸または多価アルコールを選択することにより、重合可能な不飽和を分子内に導入することができる。例えば、側基不飽和を含有する多価アルコールはグリセロールモノメタクリレートである。しかしほとんどの場合、多塩基酸単位内に不飽和が含有されることになる。任意には、不飽和型多酸に加えて、重縮合技術において一般的な1種または2種以上の多酸を使用することができる。これらのエチレン系不飽和多酸の一例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フェニレンジアクリル酸、シトラコン酸およびメサコン酸が挙げられるがこれらに限定されない。化学的不飽和を含有せず、しかもポリエステルにおいて使用することができる他の付加的な多酸が国際公開第01/00703パンフレットに記載されている。これらの二酸の一例としては、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸およびセバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ナフタレンジカルボン酸、クロレンド酸、トリメリット酸、トリメシン酸およびピロメリット酸の異性体が挙げられるがこれらに限定されない。
【0018】
エチレン不飽和基は、合成改質により前駆ポリエステル中に導入することもできる。例えば、エチレン不飽和単位を導入するために、高アルコール数を有するポリエステルを、アクリル酸またはメタクリル酸の無水物または酸塩化物と反応させることができる。
本発明に適した前駆ポリエステルは、さらに、重縮合技術において良く知られた種々様々な多価アルコールのいずれかから構成することができる。これらの多価アルコールは脂肪族、脂環式またはアラルキルアルコールであってよい。好適な多価アルコールは、国際公開第01/00703号パンフレットにおいて説明されている。これらのアルコールの一例としては、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、ヒドロキノンビス(ヒドロキシエチル)エーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノール、例えばビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシドアダクトおよびプロピレンオキシドアダクト、ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、および、ε−カプロラクトンの開環重合により得られるようなポリエステルポリオールが挙げられるがこれらに限定されない。加えて、ヒドロキシル誘導体官能および酸誘導体官能の双方を含有するA−B型重縮合モノマー、ならびに一酸および一価アルコールを使用することができる。
【0019】
本発明の1つの実施態様の場合、水溶性、界面活性剤様、または自己乳化性であって、さらに化学的不飽和を含有する前駆ポリエステルを利用することができる。水溶性、界面活性剤様、および自己乳化性のポリエステルは当業者に良く知られており、1つまたは2つ以上のタイプの親水性の化学基、官能基、またはモノマー、例えばカルボン酸塩、アンモニウム、第4アンモニウム、スルホン酸塩、硫酸塩、スルホニウム、ホスホニウム、イミノスルホニル、ポリマーオキシエチレンまたはオリゴマーオキシエチレンのセグメントを含有することになる。本発明において有用な皺付ポリエステル粒子を形成するのに使用される前駆ポリエステルは、さらに1種または2種以上の多酸モノマーまたはポリオールモノマーを含有することになる。これらのモノマーは、上述のようなエチレン不飽和を含有する。本発明の皺付ポリエステル粒子を形成するために使用される水溶性、界面活性剤様、および自己乳化性の前駆ポリエステルは、1種または2種以上の二酸成分またはジオール成分を含有することができる。これらの成分は、親水特性または水溶性を誘発することができる。このことを目的として使用される最も一般的な親水性ジオールはポリエチレングリコールである。さらに、2つまたは3つのヒドロキシアルキル基で置換された第3アミン単位を、前駆ポリエステル中に導入し、アルキル化剤で4級化するか、または酸で中和することによりイオンにすることができる。ポリエステルに親水性を付与するのに使用される一般的なクラスの二酸成分は、スルホン酸塩またはスルホンイミド塩を含有する化合物を含む。いくつかの好適なスルホン化二酸が、米国特許第4,073,656号明細書および同第5,218,042号明細書に記載されている。このような二酸の例は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホブタン酸、およびジ−Meナトリウムイミノビス(スルホニル−m−ベンゾエート)である。ポリエステルの親水化のための別の一般的な方策は、比較的高い酸価を有するポリエステルの酸末端基の中和を要する。好ましくは、酸価は最小10mgのKOH/gポリマーである。最も好ましくは酸価は25mgを上回るKOH/gポリマーである。中和剤は通常、アルカリ金属水酸化物またはアミンである。エチレン不飽和と、中和された酸末端基とを含有するポリエステルを本発明に用いることもできる。好ましくは、不飽和型前駆ポリエステルは、イオン単位1モル当たり200〜20,000グラムポリマーのイオン基等価分子量を有することになる。最も好ましくは、不飽和型前駆ポリエステルは、イオン単位1モル当たり600〜6,000グラムポリマーのイオン基等価分子量を有するであろう。
【0020】
本発明において前駆ポリエステルを架橋するのに有用なエチレン系不飽和モノマーは、付加重合技術において一般的に用いられるモノマーである。皺付粒子は1官能価または多官能価の1種のモノマーと組み合わされたポリエステルから成ることがしばしば可能ではあるが、しかし好ましい実施態様は、少なくとも1種の1官能価モノマーと少なくとも1種の多官能価モノマーとの組み合わせから成ることになる。この実施態様の場合、1官能価モノマーは組み合わせの50〜99%を成す。好ましくは1官能価モノマーは組み合わせの60〜90%を成すことになる。最も好ましくは1官能価モノマーは組み合わせの75〜90%を成すことになる。好ましい実施態様の場合、モノマーのうちの少なくとも1種が1官能価であり、少なくとも1種が多官能価であり、このモノマーは有機可溶性モノマーを含むことがさらに好ましい。
【0021】
前駆ポリエステルは0.5%〜75%の質量%で粒子内に存在することになる。本発明の目的上、粒子のポリエステル含有率は、100%ポリエステルという高含有率から、測定可能な程度の低ポリエステル含有率まで、例えば0.5〜100質量%で変化することができる。1つの実施態様の場合、粒子内のポリエステル質量%は1〜50%となる。別の好ましい実施例の場合、この質量%は1〜33%となる。
【0022】
本発明において有用な1官能価モノマーの一例としては、スチレニクス、アクリレート、メタクリレート、例えばメタクリル酸エステル、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートおよびグリシジルメタクリレート、アクリル酸エステル、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、およびグリシジルアクリレート、スチレニクス、例えばスチレン、α−メチルスチレン、3−および4−クロロメチルスチレン、ハロゲン置換型スチレンおよびアルキル置換型スチレン、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、N−アルキル化アクリルアミドおよびメタクリルアミド、ビニルエステル、例えばビニルアセテートおよびビニルベンゾエート、ビニルエーテル、例えばブチルビニルエーテル、アリルアルコールおよびそのエーテルおよびエステル、および、不飽和型のケトンおよびアルデヒド、例えばアクロレイン、およびメチルビニルケトンおよびアクリロニトリルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0023】
本発明において有用な多官能価モノマーの一例としては、ジビニルベンゼンおよび関連異性体、ジオールジメタクリレート、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルエーテル、例えばシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルおよびエチレングリコールジビニルエーテル、ジビニルエステル、例えばジビニルアジペート、および多官能価アクリレートおよびメタクリレート、例えばトリメチロールプロパントリ(メト)アクリレートが挙げられるがこれらに限定されない。
【0024】
さらに少量(典型的には重合可能な固体の総質量の10%未満)の1種または2種以上の水溶性のエチレン系不飽和モノマーを使用することができる。このようなモノマーの一例としては、スチレニクス、アクリレート、および高極性基で置換されたメタクリレート、不飽和型の炭素およびヘテロ原子の酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸およびこれらの塩、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、ビニルピロリドン、ジビニルアジペート、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、およびビニルピリジンが挙げられるがこれらに限定されない。本発明にとって好ましいモノマー(1官能価および多官能価)はスチレニクス、ビニルエーテルおよびビニルエステルである。特に好ましいモノマーは、スチレニクス、例えばスチレンおよびジビニルベンゼンである。
【0025】
皺付ポリエステル粒子の製造方法は、水不混和性有機溶剤の存在において、水中油滴型エマルジョン中で少なくとも1種の不飽和型ポリエステルを少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマーと架橋させることを含む。架橋反応は、エチレン系不飽和モノマーのラジカル反応開始型重合である。この不飽和型モノマーは、ポリエステル中の不飽和単位と容易に共重合する。ポリエステルは有機溶解性であってよい。この場合、乳化剤の添加が望ましい。この方法の別の実施態様の場合、ポリエステルはその性質上、水溶性、水分散性または両親媒性であってよく、この場合、ポリエステルは乳化種として作用し、乳化剤の添加は任意のものにすぎない。水不混和性有機溶剤を任意の手段、例えば煮沸、蒸発、溶剤抽出、真空乾燥、または透析により除去して、これにより多孔質の架橋されたポリエステル含有粒子を産出することができる。さらに別の方法の場合、不飽和型前駆ポリエステルと、少なくとも1種の有機可溶性のエチレン系不飽和モノマーと、開始剤とを含む、有機相と水性相との混合物を製造し、前記混合物を高エネルギー乳化させ、乳化後に前記ポリエステルの架橋を開始し、さらに前記水混和性有機溶剤を除去して皺付ポリエステル含有粒子を回収することによって、ボウル形の皺付ポリエステル含有粒子を形成することができる。
【0026】
これらの方法は容易に規模拡大することができ、種々様々な不飽和型ポリエステルに適用することができる。これらのポリエステルは、水溶性、水分散性または油溶性であってよい。使用可能なポリエステルはガラス転移温度によって制限されることはなく、多様な皺付粒子形態をこの技術によってもたらすことができる。この方法は、不飽和型ポリエステルと、水不混和性有機溶剤と、少なくとも1種の有機溶解性モノマーと、開始剤と、任意には、添加された界面活性剤、乳化剤、補助界面活性剤または安定剤化合物とを含む、有機相と水性相との混合物を製造することを含む。ポリエステルおよび開始剤は、混合物中に水性相または有機相で存在してよい。混合物は種々の方法、例えば高せん断混合、音波処理、均質化およびマイクロ流動化のいずれかによって高エネルギー乳化させられる。加熱または多成分酸化還元開始系の1つの成分を添加することにより、架橋を開始することができる。好ましい実施態様の場合、加熱は30〜100℃の温度範囲内で、0.5〜16時間にわたって行うことが望ましい。次いで水不混和性有機溶剤を除去することにより、多孔質ポリエステル粒子の水性分散系が得られる。所望の場合には、次いでこれらの粒子を固形物として分離することができる。
【0027】
皺付ポリエステル含有粒子の製造に有用な前駆ポリエステルおよびモノマーは、本明細書中の前項に記載されている。好ましい実施態様の場合、前駆ポリエステルは総二酸単位を基準として、最小20モル%の不飽和型二酸単位を含むことになり、両親媒性、自己乳化性または界面活性剤様になる。また好ましい実施態様において、ポリエステルは、イオン単位1モル当たり600〜6000グラムのポリマーのイオン基等価分子量を提供するのに十分な量で存在することになる。好ましくは、前駆ポリエステルは、スルホン化反復単位を含むことになる。
【0028】
また本発明の好ましい実施態様の場合、モノマーは、少なくとも1種の1官能価モノマーと少なくとも1種の多官能価モノマーとの組み合わせを含むことになる。この場合1官能価モノマーはこの組み合わせの50〜99質量%である。好ましくは、1官能価モノマーはこの組み合わせの60〜90%を含むことになる。最も好ましくは、1官能価モノマーはこの組み合わせの75〜90%を含むことになる。前駆ポリエステルおよび組み合わされたモノマーは、最初の反応混合物中に1:99〜10:1の質量比(前駆ポリエステル:モノマー)で存在することになる。好ましくは、この比は1:19〜1:1となる。最も好ましくは、この比は1:10〜1:2となる。水溶性、水分散性または両親媒性のポリエステルがポリエステル:モノマーの比較的高い比(>1:2)と共に使用される場合、極めて不規則的な表面を有する粒子を得ることができるが、しかし大量のポリエステルがしばしば水性相中に導入されないまま残ってしまう。
【0029】
付加重合技術において良く知られている一般的な水溶性または有機溶解性のフリーラジカル重合開始剤のいずれも、本発明の皺付ポリエステル含有粒子の製造に使用することができる。これらの開始剤の一例としては、アゾ化合物、例えば2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、2−2’−アゾイソブチロニトリル(AIBN)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンジカルボニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、および2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、有機過酸化物、有機ヒドロペルオキシド、過酸エステルおよび過酸、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル、過酸化カプリル、過酸化アセチル、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート、クミルヒドロペルオキシド、過酢酸、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシベンゾエート)、およびp−クロロベンゾイルペルオキシド、過硫酸塩、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムおよび過硫酸アンモニウム、二硫化物、テトラゼン、および酸化還元開始剤系、例えばH/Fe2+、過硫酸塩/亜硫酸水素塩、シュウ酸/Mn3+、チオ尿素/Fe3+、および過酸化ベンゾイル/ジメチルアニリンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0030】
本発明の皺付ポリエステル含有粒子の製造において有用な有機溶剤は、室温以下で液体である水不混和性の炭素含有化合物を含むか、またはこのような化合物として定義される。水不混和性有機溶剤が本発明の有機相に含まれる。この溶剤を選択するための唯一の基準は、この溶剤が水不混和性であり、しかも架橋反応を抑制することがないか、または、かなりの程度で、すなわちこのプロセスを妨害するか、或いは望ましくない副産物または汚染物質を導入するような程度でその他の副反応を被ることがないことである。有機溶解性モノマーおよび有機溶解性ポリエステルがこの溶剤に可溶であることが望ましい。しかし、生成物ポリエステル粒子が、溶剤との高相溶性を有しているか、または溶剤によって容易に膨潤可能であることは必ずしも必要とならない。さらに、溶剤が大気圧または減圧下での蒸発によって容易に除去されるのに十分に低い沸点を有することが望ましいが、しかしこのことは必ずしも必要ではない。本発明の有用な水不混和性有機溶剤の一例としては、トルエン、ベンゼン、アセテートエステル、例えばエチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、四塩化炭素、クロロホルム、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、キシレンおよび関連異性体、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサノール、ブタノール、1−ドデカノール、シクロヘキサノン、クロロホルム、塩化メチレン、1−オクタノール、シクロヘキサノールおよび1,2−ジクロロエタンが挙げられるがこれらに限定されない。トルエン、エチルアセテートおよびプロピルアセテートが好ましい。ポリエステルがモノマー混合物との極めて制限された溶液相溶性を有する場合のこの方法の或る特定の変更形では、水不混和性有機溶剤を省くことにより、ボウル形粒子をもたらすことができる。
【0031】
任意には、少量の、典型的には有機相の1〜10質量%から成る補助界面活性剤安定剤を、本発明の皺付ポリエステル含有粒子を製造する際に、有機相に添加することができる。これらの疎水性化合物は、或る特定のタイプの乳化および懸濁重合におけるオストワルト(Ostwald)熟成を阻止することで知られている。補助界面活性剤(cosurfactant)に関する優れた論議が、Peter A LovellおよびMohammed S. El−Aaser著「エマルジョン重合およびエマルジョンポリマー(Emulsion Polymerization and Emulsion Polymer)」(John Wiley and Sons: Chichester,1997,第700−721頁)および米国特許第5,858,634号明細書に記載されている。最も一般的な補助界面活性剤はヘキサデカンおよびヘキサデカノールである。その他の有用な補助界面活性剤も他の役割、例えばモノマーまたは開始剤としての役割を有することができる。前者の例はラウリルメタクリレートである。後者の例は過酸化ラウロイルである。
【0032】
水溶性または水分散性でないポリマー、好ましくはポリエステルを本発明に使用する場合、水溶性または水分散性のポリエステルと並行して乳化剤を使用することができるが、乳化剤は付加的に使用されることが望ましい。乳化剤は水性相に存在することが好ましい。極めて多種多様の乳化剤が当業者に知られているが、これらのほとんどは、3つの基本的なカテゴリー、すなわち界面活性剤、コロイド状無機材料および保護コロイドというカテゴリーに組み込まれる。極めて多数の周知の界面活性剤が存在する。界面活性剤の好ましい照会元は、「Surfactant Handbook」 (GPO: Washington, D.C. 1971)および「McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents」 (Manufacturing Confectioner Publishing Company: GlenRock, 1992)である。本発明において有用な界面活性剤に対して一般的な制限はない。有用な界面活性剤はアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤、中性界面活性剤、低分子量界面活性剤、マクロ分子界面活性剤、合成界面活性剤、または天然源から抽出または誘導された界面活性剤であってよい。いくつかの例としては、ナトリウムドデシルスルフェート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、スルホスクシネートエステル、例えばAEROSOL(商標)という商品名で販売されているエステル、フルオロ界面活性剤、例えばZONYL(商標)およびFLUORAD(商標)という商品名で販売されているフルオロ界面活性剤、エトキシル化アルキルフェノール、例えばTRITON(商標)X−100およびTRITON(商標)X−705、エトキシル化アルキルフェノールスルフェート、例えばRHODAPEX(商標)CO−436、ホスフェートエステル界面活性剤、例えばGAFAC(商標)RE−90、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ポリオキシエチレン化長鎖アミン、およびこれらの四級化誘導体、エトキシル化シリコーン、アルカノールアミン縮合物、ポリエチレンオキシド−コ−ポリプロピレンオキシドのブロックコポリマー、例えばPluronic(商標)およびTECTRONIC(商標)の商品名で販売されているブロックコポリマー、疎水性物質で末端キャップされたオリゴアクリルアミド、例えば米国特許第6,127,453号明細書;同第6,391,537号明細書、およびErdtmann他により2002年4月9日に出願された米国特許出願第10/118,725号明細書「分散剤/界面活性剤により安定化されたポリマー粒子および製造方法(Polymer Particle Stabilized by Dispersant/Surfactant and Method of Preparation)」に記載されたオリゴアクリルアミド、N−アルキルベタイン、N−アルキルアミンオキシドおよびフルオロカーボン−ポリ(エチレンオキシド)ブロック界面活性剤、例えばFLUORAD(商標)FC−430が挙げられるがこれらに限定されない。
【0033】
本発明の皺付粒子の製造に有用な保護コロイドの一例としては、ポリ(エチレンオキシド)、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、スルホン化ポリスチレン、アルギネート、カルボキシメチルセルロース、ジメチルアミノエチルメタクリレートのポリマーおよびコポリマー、エチレンオキシドと尿素とホルムアルデヒドとの水溶性複合樹脂アミン縮合生成物、ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、アルブミン、グルテンおよびキサンタンガムが挙げられるがこれらに限定されない。保護コロイドは、界面活性剤の代わりにまたはこれに加えて使用できる或る種の乳化剤である。これらの保護コロイドは乳化工程に先立って、水性相中に溶解されるかまたは分散させられるのが典型的である。
【0034】
同様に、限定的な凝集プロセスの一部として、コロイド状無機粒子を乳化剤として使用することもできる。コロイド状無機粒子は、界面活性剤または保護コロイドのような上述の他のタイプの乳化剤の代わりに、またはこれに加えて採用することができる。これらのコロイド状無機粒子は、水性相中に分散させることもできる。限定凝集技術は、米国特許第4,833,060号明細書および同第4,965,131号明細書のような多数の特許明細書に記載されている。本発明において特に有用なコロイド状無機材料は、Du Pontによって販売されているLUDOX(商標)である。
【0035】
好ましくは、乳化剤は、疎水性物質で末端キャップされたオリゴアクリルアミド、スルホスクシネートエステルおよびこれらの塩、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルフェノールエトキシレート、PEO−PPOブロックコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルピロリドン)、長鎖アルキルスルホネートの塩、スルホン化アルキル化ジフェニルエーテル、ナフタレンスルホネート塩、アルキルベンゼンスルホネート塩、およびコロイドシリカから成る群から選択される。
【0036】
本発明において有用な皺付粒子内に導入することができる付加的な添加剤は、顔料、色素、殺生剤、防カビ剤、電解質、バッファ、UV吸収剤、酸化防止剤および連鎖移動剤を含む。
本発明の、皺を備えた、好ましくはポリエステルを含有する粒子は、平均直径0.05〜20μmの皺付ポリエステル粒子を含む。10μm未満の平均直径が好ましい。より好ましくは、皺付粒子の平均直径範囲は0.1〜5.0μmであり、最も好ましくは、皺付粒子の平均直径範囲は0.1〜2.0μmである。0.5μm未満の平均直径もより好ましい。粒子の直径は、当業者に知られた任意の方法により測定することができる。1つのこのような方法は、Horiba LTDによって製造されたHoriba LA−920のような商業的に入手可能な機器を用いた、粒子の希釈分散系のレーザー光散乱である。
【0037】
本発明において利用されるインク受容要素は、多数の個別のインク受容層を含んでいてよい。本発明の皺付粒子は、インク受容層のうちの1つまたは2つ以上に存在してよい。各層は異なる組成と、異なる化学的性質を有する粒子の組み合わせと、異なる平均直径および層厚とから成っていてよい。これらの多層構造に関し、本明細書中に使用される「上」、「上側」および「上方」という用語は、他の層に対する相対位置に関連して、支持体からより遠い層を意味する。「ボトム」、「下側」および「下方」という用語は、他の層に対する相対位置に関連して、支持体により近い層を意味する。「最上」という用語は他の全ての層に対して、支持体から最も遠い層を意味する。
【0038】
インク受容層が、画像を受容することができる2つ以上のインク受容層を含む場合、皺付粒子はいずれの受容層に存在していてもよい。皺付粒子が最上層内にある場合、皺付粒子の平均直径範囲は0.1〜0.5μm未満であることが好ましい。より好ましくは、皺付粒子の平均直径範囲は0.2〜0.3μmである。1つの実施態様の場合、最上層はインク受容層を含んでよい。この最上層は粒子、例えば平均直径0.5μm未満の有機粒子または無機粒子を含んでもよい。1つの実施態様の場合、これらの粒子は、ポリエステル含有粒子、スチレン系、アクリル系またはメタクリル系モノマーから誘導されたポリマーを含むラテックス粒子、および無機粒子、例えば二酸化ケイ素粒子、アルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子および硫酸バリウム粒子を含んでよい。好ましい実施態様の場合、最上層はさらに、バインダーポリマーを含む。このバインダーポリマーの一例としてはポリビニルアルコール、ゼラチン、スルホン化ポリエステル、ヒドロゲル、有機ポリマーおよび水分散性ポリウレタンが挙げられる。
【0039】
最上層は、非皺付粒子を実質的に含有していなくてよい。最上層は、いかなるタイプの粒子も実質的に含有していなくてよい。付加的な実施態様では、最上層はインク受容層でなくてよい。
本発明の粒子を含有することができる下側の層(複数可)または最上層の下方の層の最適なインク吸収特性および塗被品質のために、皺付粒子の平均直径は0.5μmを上回ることが好ましく、より好ましくは平均直径1〜10μmであり、最も好ましくは平均直径1〜3μmである。典型的には、皺付粒子の試料は、所定のサイズ分布を有する粒子母集団を含有することになる。このサイズ分布は粒度分布であり、平均直径、標準偏差および変動係数によって特徴づけされる。これらの用語を定義する数学方程式は、統計分析に関する任意の基本テキスト、例えばD.A. SkoogおよびJ.J. Leary著「Principles of Instrumental Analysis(機器分析の原理)(第4版)」Hartcourt Brace College Pulishers, Orlando, FL1971 (補遺A−6)に見出すことができる。平均直径は粒度分布の算術平均である。分布の変動係数(CV)は、平均直径に対するその分布の標準偏差の比をパーセントで表わしたものである。本発明にとって有用な皺付粒子は、1つのモード内で相対的に広い粒度分布を有することができる。粒度の系において、この粒度分布に対して単独のモードまたはピークがあってよく、或いは、それぞれが平均直径、標準偏差および変動係数によって特徴づけされるいくつかのモードがあってよい。例えば、皺付粒子は、平均直径0.5μm未満のモードを有する粒子と、平均直径0.5μm超、好ましくは1〜10μm、最も好ましくは1〜3μmのモードを有する粒子とから成る系であってよい。これらの2つのモードの相対比率は、これらのモードを表わす曲線の下方の相対面積から計算され、合計で100%となるようにする。
【0040】
皺付粒子を含むインク受容層に加えて、インク受容要素はその他の層を含有することもできる。これらの層、ならびに1つまたは複数の皺付粒子含有層に有用な材料は、有機粒子、無機粒子およびポリマーバインダーを含み、或いは、粒子を実質的に含有していない層、特に最上層において、材料は高膨潤可能なポリマー、例えばゼラチンを含む。
【0041】
本発明に有用な層内の有機粒子は、非凝集性ラテックス粒子およびコア・シェルラテックス粒子、例えばアクリリックス、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン)、ポリウレタン、ポリエステルおよびポリエステルを含有するポリ(アクリレート)、ポリ(メタクリレート)、n−ブチルアクリレートとエチルアクリレートとのコポリマー、ビニルアセテートとn−ブチルアクリレート、メチルメタクリレートとナトリウム2−スルホ−1,1−ジメチルエチルアクリルアミドとのコポリマー、エチルアクリレートとビニリデンクロリドとナトリウム2−スルホ−1,1−ジメチルエチルアクリルアミドとのコポリマーまたはこれらの混合物を含むことができる。これらの有機粒子は、内部で架橋されてもされなくてもよい。架橋されていないラテックス粒子は25℃を上回る膜形成温度を有することが好ましい。本発明に有用な有機粒子は、多孔質のアクリル粒子、メタクリル粒子、ポリエステル粒子、またはスチレンポリマー粒子であってもよい。
【0042】
本発明に有用な層内の無機粒子は、シリカ、コロイドシリカ、ヒュームドシリカ、アルミナ、コロイドアルミナ、フュームドアルミナ、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、天然または合成クレイ、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛またはこれらの混合物を含む任意の無機酸化物を含む。有機粒子および無機粒子の混合物を使用することもできる。有機粒子および無機粒子はいかなるサイズをも有していてよいが、しかし、これらの粒子を含有する層が最上層の場合、平均粒子直径は0.5μm未満であることが好ましい。
【0043】
本発明に有用な高膨潤可能なポリマー層は、親水性有機ポリマーと、軽度に架橋されたヒドロゲル、例えばポリビニルピロリドン、およびビニルピロリドン含有コポリマー、ポリエチルオキサゾリンおよびオキサゾリン含有コポリマー、イミダゾール含有ポリマー、ポリアクリルアミドおよびアクリルアミド含有コポリマー、ポリビニルアルコールおよびビニル−アルコール含有コポリマー、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(ビニルエチルエーテル)、ポリ(アルキレンオキシド)、ゼラチン、セルロースエーテル、ポリ(ビニルアセトアミド)、部分加水分解されたポリ(ビニルアセテート/ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、スルホン化またはリン酸処理されたポリエステルおよびポリスチレン、カゼイン、アルブミン、キチン、キトサン、デキストラン、ペクチン、コラーゲン誘導体、コロジオン、寒天、アロールート、グアール、カラゲナン、トラガカント、キサンタン、ラムサン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリ(アルキレンオキシド)および水分散性ポリウレタンを含んでよい。上述の親水性ポリマーの混合物を使用することができる。
【0044】
インク記録要素のインク受容層は、皺付粒子、有機粒子または無機粒子と、インク記録要素に凝集強さを付与するのに十分な量ではあるが、しかし好ましくは多孔質受容層の間隙有孔性を変化させるには不十分な量のバインダーとから成る混合物を、支持体上に塗被し、次いで揮発性成分のほとんど全てを除去するために乾燥させることにより形成することができる。好ましい実施態様の場合、有機バインダーであってよいポリマーバインダーは、親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドンおよびビニルピロリドン含有コポリマー、ポリエチルオキサゾリンおよびオキサゾリン含有コポリマー、イミダゾール含有ポリマー、ポリアクリルアミドおよびアクリルアミド含有コポリマー、ポリビニルアルコールおよびビニル−アルコール含有コポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ポリ(ビニルエチルエーテル)、ポリアルキレンオキシド、ゼラチン、セルロースエーテル、ポリビニルアセトアミド、部分加水分解されたポリ(ビニルアセテート/ビニルアルコール)、ポリアクリル酸、スルホン化またはリン酸処理されたポリエステルおよびポリスチレン、カゼイン、アルブミン、キチン、キトサン、デキストラン、ペクチン、コラーゲン誘導体、コロジオン、寒天、アロールート、グアール、カラゲナン、トラガカント、キサンタン、ラムサンである。本発明の別の好ましい実施態様では親水性ポリマーは、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアルキレンオキシドである。さらに別の好ましい実施態様の場合、ポリマーバインダーは、ラテックス、例えばポリ(スチレン−コ−ブタジエン)、ポリウレタンラテックス、ポリエステルラテックス、ポリ(アクリレート)、ポリ(メタクリレート)、n−ブチルアクリレートとエチルアクリレートとのコポリマー、およびビニルアセテートとn−ブチルアクリレートとのコポリマーである。さらに別の好ましい実施態様の場合、ポリマーバインダーは、水分散性縮合ポリマー、例えばポリウレタンである。さらに別の好ましい実施態様の場合、バインダーは、アルコキシシランまたはその他の金属ゾル、例えばアルミナゾル、チタンゾルまたはジルコニアゾルの縮合物である。上に挙げた親水性ポリマーの混合物を使用することができる。バインダーは、上述の粒子との相溶性を有するように選択されるべきである。
【0045】
使用されるポリマーバインダーの量は、インク記録要素に凝集強さを付与するのに十分であるべきであるが、しかしまた、凝集体によって形成された、連続的な間隙の孔構造がバインダーによって埋められないように最小限に抑えられるべきである。本発明の好ましい実施態様の場合、皺付粒子は、個々の層の50〜95質量%の量、75〜90質量%の量で存在する。本発明の好ましい実施態様の場合、ポリマーバインダーは、個々の層の5〜50質量%の量、最も好ましくは10〜25質量%の量に存在する。
【0046】
組み合わされたインク受容層の全厚は、5〜100μm、好ましくは10〜50μmの範囲にあってよい。各層は、その他の層に対して異なる厚さを有していてよい。しかし、最上層は下側の層に対して相対的に薄いのが典型的である。最上層の好ましい厚さは1〜20μm、より好ましくは1〜10μmである。望ましい塗被厚は、塗膜がインク溶剤を吸収するための溜めとして作用する必要性によって、また、塗被面近くにインクを保持する必要性によって決定される。
【0047】
画像記録要素は、他の画像記録物品または画像記録装置の駆動機構または搬送機構と接触することがあるので、充填剤粒子、界面活性剤、滑剤、架橋剤、艶消し粒子のような添加剤を、当該特性を劣化させない程度に要素に添加することができる。
インク受容層には、充填剤粒子、例えば酸化ケイ素、ヒュームドシリカ、例えばNissan Chemical IndustriesおよびDuPont Corpから入手可能な酸化ケイ素分散系、酸化アルミニウム、ヒュームドアルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛との硫酸バリウム混合物、無機粉末、例えば酸化γ−アルミニウム、酸化クロム、酸化鉄、酸化錫、ドープ処理酸化錫、アルミノ−シリケート、二酸化チタン、炭化ケイ素、炭化チタン、および米国特許第5,432,050号明細書に記載されているような微粉のダイヤモンドが使用されてよい。
【0048】
充填剤粒子の分散を容易にするために、分散剤または湿潤剤が存在していてよい。このことは、粒子の凝集を最小化するのを助成する。有用な分散剤の一例としては、脂肪酸アミン、Zeneca, Inc (ICI)によって販売されているSolsperse(商標)のような商業的に利用可能な湿潤剤が挙げられるがこれらに限定されない。好ましい充填剤粒子は酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウムである。好ましくは、これらの充填剤粒子の直径中央値1.0μm未満である。充填剤粒子は、乾燥インク受容層内に総固形分の0〜80%の量、最も好ましくは0〜40%の量で存在することができる。
【0049】
インク記録要素は滑剤を含んでよい。インク受容層または要素のインク受容層とは反対側において有用な滑剤およびワックスの一例としては、ポリエチレン、シリコーンワックス、天然ワックス、例えばカルナバ、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン、シリコーンオイル、例えばポリジメチルシロキサン、フッ素化シリコーン、機能化シリコーン、ステアレート、ポリビニルステアレート、脂肪酸塩およびペルフルオロエーテルが挙げられる。サブミクロンサイズのワックス粒子の水性または非水性分散系、例えばポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、微晶質ワックス、パラフィン、天然ワックス、例えばカルナバワックス、およびChemical Corporation of America (Chemcor), Inc., Michelman Inc., Shamrock Technologies Inc.およびDaniel Products Companyのような企業から入手可能な合成ワックスの分散系として商業的に提供されている粒子が有用である。
【0050】
十分な塗被性を得るために、当業者に良く知られた添加剤、例えば界面活性剤、脱泡剤、アルコールが使用されてよい。塗被助剤および界面活性剤の一例としては、非イオン系フッ化アルキルエステル、例えばMinnesota Mining and Manufacturing Co.によって販売されているFC−430(商標)、FC−431(商標)、FC−10(商標)、FC−171(商標)、Zonyl(商標)フルオロケミカル、例えばDuPont Corp.によって販売されているZonyl−FSN(商標)、Zonyl−FTS(商標)、Zonyl−TBS(商標)、Zonyl−BA(商標)、その他のフッ素化ポリマーまたはコポリマー、例えばNOF Corporationにより販売されているModiper F600(商標)、ポリシロキサン、例えばDow Corning DC 1248(商標)、DC200(商標)、DC510(商標)、DC190(商標)、およびBYK Chemieにより販売されているBYK 320(商標)、BYK 322(商標)、General Electricにより販売されているSF 1079(商標)、SF1023(商標)、SF1054(商標)およびSF1080、およびUnion Carbideにより販売されているSilwet(商標)ポリマー、ポリオキシエチレン−ラウリルエーテル界面活性剤、ソルビタンラウレート、パルミテートおよびステアレート、例えばAldrichにより販売されているSpan(商標)界面活性剤、ポリ(オキシエチレン−コ−オキシプロピレン)界面活性剤、例えばBASFにより販売されているPluronic(商標)群、およびその他のポリオキシエチレン含有界面活性剤、例えばUnion Carbideにより販売されているTriton X(商標)群、イオン系界面活性剤、例えばDuPont Corp.によって販売されているAlkanol(商標)シリーズ、およびDow Chemicalによって販売されているDowfax(商標)群が挙げられる。MCCUTCHEON第1巻:Emulsifiers and Detergents(乳化剤および洗剤)1995年、North American Editionに記載されている。
【0051】
インク受容層は架橋剤を含んでよい。任意の架橋剤を使用できるが、ただしその架橋剤の反応性官能基がバインダー中の特定の化学単位との適切な反応性を有することを条件とする。ルイス塩基性官能基に富んだバインダーを架橋することができるいくつかの一般的な架橋剤の一例としては、例えばカルボジイミド、多価金属カチオン、有機イソシアネート、例えばテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアナトジメチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、米国特許第4,225,665号明細書に教示されているようなアジリジン、エチレンイミン、例えばEIT Industriesによって販売されているXama−7(商標)、ブロックトイソシアネート、例えばCytec Industriesによって販売されているCA BI−12、メラミン、例えば米国特許第5,198,499号明細書に教示されているようなメトキシメチルメラミン、アルコキシランカップリング剤、例えばエポキシ、アミン、ヒドロキシル、イソシアネートまたはビニルの官能基とのアルコキシランカップリング剤、Cytec Industriesによって販売されているCymel(商標)架橋剤、例えばCymel 300(商標)、Cymel 303(商標)、Cymel 1170(商標)、Cymel 1171(商標)、ビス−エポキシド、例えばShellによって販売されているEpon(商標)群が挙げられるがこれらに限定されない。その他の架橋剤は、アリーロイル尿素、アルデヒド、ジアルデヒドおよびブロックトジアルデヒド、クロロトリアジン、カルバモイルピリジニウム、ピリジニウムエーテル、ホルムアミジニウムエーテル、ビニルスルホン、ホウ酸、ジヒドロキシジオキサン、および多官能価アジリジン、例えばCX−100(Zeneca Resins製)のような化合物を含む。このような架橋剤は、米国特許第4,161,407号明細書および引用文献に記載されているような、低分子量の化合物またはポリマーであってよい。
【0052】
着色剤の退色を改善するために、当業者に良く知られているように、UV吸収剤、ラジカルクエンチャーまたは酸化防止剤を添加することもできる。その例としては、ポリアルキレンポリアミン−ジシアノジアミドを基剤とする重縮合生成物、水溶性還元剤、例えばスルフィット、ニトリット、ホスフェート、チオスルフェート、アスコルビン酸またはその塩、ヒドロキシアミン誘導体、およびグルコース、硫黄含有化合物、例えばチオシアネート、チオ尿素、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、5−メルカプト−1−メチル−テトラゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−トリアゾール、2,4,6−トリメルカプトシアヌル酸、チオサリチル酸、チオウラシル、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン、または疎水性酸化防止剤で乳化された分散系、例えばヒンダードフェノールを基剤とする酸化防止剤、ピペリジンを基剤とする酸化防止剤またはヒンダードアミンが挙げられる。UV吸収剤は、特開昭57−74193号公報、同第57−87988号公報および特開平2−261476号公報に記載されているものを含み、退色防止剤は、特開昭57−74192号公報、同第57−87989号公報、同第60−72785号公報、同第61−146591号公報、特開平1−95091号公報および特開平3−13376号公報に記載されているものを含む。
【0053】
インク受容層は、pH調整剤、定着剤、レオロジー改良剤、ラテックス、殺生剤、色素、蛍光増白剤、特開昭59−42993号公報、同第59−52689号公報、同第62−280069号公報、同第61−242871号公報および特開平4−219266号公報に記載された白化剤、および静電防止剤を含んでよい。
本発明のインク受容層は、1種または2種以上の媒染種または媒染ポリマーを含有することができる。媒染ポリマーは、可溶性ポリマー、荷電分子、または架橋された分散微粒子であってよい。媒染剤は、非イオン系、カチオン系またはアニオン系であってよい。媒染剤の例としては、4級化された窒素分を含有するポリマーまたはコポリマー、例えばポリ(スチレン−コ−1−ビニルイミダゾール−コ−1−ビニル−3−ベンジルイミダゾリウムクロリド)、ポリ(スチレン−コ−1−ビニルイミダゾール−コ−1−ビニル−3−ヒドロキシエチル−イミダゾリウムクロリド)、ポリ(スチレン−コ−1−ビニルイミダゾール−コ−1−ビニル−3−ベンジルイミダゾリウムクロリド−コ−1−ビニル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリウムクロリド)、ポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド−コ−ジビニルベンゼン)、ポリ(エチルアクリレート−コ−1−ビニルイミダゾール−コ−1−ビニル−3−ベンジルイミダゾリウムクロリド)またはポリ(スチレン−コ−4−ビニルピリジン−コ−4−ヒドロキシエチル−1−ビニルピリジニウムクロリド)である。本発明の好ましい実施態様の場合、ポリマー中に導入された第4級窒素分は、トリメチルビニルベンジルアンモニウム、ベンジルジメチルビニルベンジルアンモニウム、ジメチルオクタデシルビニルベンジルアンモニウム、グリシジルトリメチルアンモニウム、1−ビニル−3−ベンジルイミダソリウム、1−ビニル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリウムまたは4−ヒドロキシエチル−1−ビニルピリジニウムの塩である。使用可能な好ましい対イオンは、塩化物または米国特許第5,223,338号明細書、同第5,354,813号明細書および同第5,403,955号明細書に開示されているようなその他の対イオンを含む。本発明に適したその他の媒染剤は、ポリマーのカチオン化処理生成物、ポリビニルアルコール、ゼラチン、キトサン、ポリビニルアミン、ポリエチレン−イミン、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ポリアルキレン−ポリアミンジシアンジアミドアンモニウム縮合物、ポリビニルピリジニウムハリド、(メト)アクリロイルオキシアルキル第4アンモニウム塩のポリマー、(メト)アクリルアミドアルキル第4アンモニウム塩のポリマー、ω−クロロ−ポリ(オキシエチレン−ポリメチレン第4アンモニウムアルキレート)、メチルグリコールキトサン、ポリ(ビニルピリジン)、プロピレンオキシドを基剤とした、Jeffamine Tシリーズのトリアミン(Texaco, Inc.製)、第4アクリルコポリマーラテックス、ホスホニウム化合物、スルホンイミド、スルホン化ポリマーおよび分散粒子、およびアルミナ水和物であってよい。本発明に適したその他の媒染剤は、ポリマー、コポリマー、またはカルボン酸を含有するラテックス、スルホン酸、スルホンアミド、スルホンイミドまたはホスホン酸、例えばカルボキシル化およびスルホン化アクリレートまたはメタクリレート、カルボキシル化スチレンブタジエン、スルホン化ナイロン(ポリアミド系樹脂)、ポリエステルおよびポリウレタン、およびこれらの塩であってよい。本発明の好ましい実施例の場合、媒染単位は、ポリエステル粒子の化学構造内に化学的に導入されてよい。例えば、カチオン系色素種のための媒染剤として、皺付ポリエステル構造内のスルホン化モノマーが使用されてよい。同様に、クロロメチルスチレンビニルモノマーを使用してポリエステル粒子を製造し、第3アミンで4級化することにより、アニオン系色素を媒染することができる第4アンモニウム単位を有する粒子を産出することができる。
【0054】
本発明において使用されるインク記録要素のための支持体は、インクジェット受容体のために通常使用される支持体のいずれであってもよい。支持体は透明または不透明であってよい。不透明支持体は、普通紙、コート紙、樹脂コート紙、例えばポリオレフィン・コート紙、合成紙、写真紙支持体、溶融押出コート紙、ポリオレフィン・ラミネート紙、例えば二軸延伸支持体ラミネートを含む。二軸延伸支持体ラミネートは、米国特許第5,853,965号明細書、同第5,866,282号明細書、同第5,874,205号明細書、同第5,888,643号明細書、同第5,888,681号明細書、同第5,888,683号明細書および同第5,888,714号明細書に記載されている。これらの二軸延伸支持体は、紙ベースと、この紙ベースの一方の面または両面に張り合わされた二軸延伸ポリオレフィンシート、典型的にはポリプロピレンとを含む。支持体は、微孔質材料、例えばTeslin(商標)の商品名でPPG Industries, Inc.(ペンシルベニア州ピッツバーグ)によって販売されているポリエチレンポリマー含有材料、Tyvek(商標)合成紙(DuPont Corp.)、含浸紙、例えばDuraform(商標)およびOPPalyte(商標)フィルム(Mobil Chemical Co.)、および米国特許第5,244,861号明細書に挙げられたその他の複合フィルムから成っていてよい。透明支持体は、ガラス、セルロース誘導体、例えばセルロースエステル、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、例えばポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリ(ブチレンテレフタレート)およびこれらのコポリマー、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、例えばポリエチレンまたはポリプロピレン、ポリスルホン、ポリアクリレート、ポリエーテルイミドおよびこれらの混合物を含む。上述の紙は、高級紙、例えば写真紙から低級紙、例えば新聞印刷用紙に及ぶ広範囲の紙を含む。好ましい実施態様の場合、Eastman Kodak Co.製のエクタカラー(Ektacolor)紙が採用される。本明細書中に使用する「透明」という用語は、有意な偏向または吸収なしに輻射線を通過させることができることを意味する。
【0055】
本発明に使用される支持体は、50〜500μm、好ましくは75〜300μmの厚さを有していてよい。所望の場合には、酸化防止剤、増白剤、静電防止剤、可塑剤およびその他の周知の添加剤を支持体内に導入することができる。
支持体に対するインク受容層の付着力を改善するために、アンダーコーティング層または下塗り層を、支持体の表面に塗布することができる。この層は接着層、例えばハロゲン化フェノール、特に加水分解された塩化ビニル−コ−ビニルアセテートのポリマー、ビニリデンクロリド−メチルアクリレート−イタコン酸のターポリマー、ビニリデンクロリド−アクリロニトリル−アクリル酸のターポリマー、またはグリシジル(メト)アクリレートのポリマーまたはコポリマーであってよい。インク受容層と支持体との良好な結合を示すその他の化学接着剤、例えばポリマー、コポリマー、反応性ポリマーまたはコポリマーを使用することができる。本発明において採用された下塗り層内のポリマーバインダーは、好ましくは水溶性または水分散性ポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、セルロースエーテル、ポリオキサゾリン、ポリビニルアセトアミド、部分加水分解されたポリ(ビニルアセテート/ビニルアルコール)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアルキレンオキシド、スルホン化またはリン酸処理されたポリエステルまたはポリスチレン、カゼイン、ゼイン、アルブミン、キチン、キトサン、デキストラン、ペクチン、コラーゲン誘導体、コロジオン、寒天、アロールート、グアール、カラゲナン、トラガカント、キサンタン、ラムサン、ラテックス、例えばポリ(スチレン−コ−ブタジエン)、ポリウレタンラテックス、ポリエステルラテックス、またはポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミドまたはこれらのコポリマーである。
【0056】
好ましい実施態様において、下塗り層ポリマーバインダーは、スルホン化ポリエステル分散系、例えばAQ29(商標)(Eastman Chemical Co.)、ゼラチン、ポリウレタンまたはポリ(ビニルピロリドン)である。下塗り層のためのポリマーバインダーは好ましくは、1〜50g/m、好ましくは1〜20g/mの量で使用される。
【0057】
本発明のインクジェット記録要素の下塗り層に採用されるホウ酸塩またはホウ酸塩誘導体は、例えばホウ砂、四ホウ酸ナトリウム、ホウ酸、フェニルホウ酸またはブチルホウ酸であってよい。上述のように、ホウ酸塩またはホウ酸塩誘導体は、3〜50g/m、好ましくは3〜10g/mの量で使用されてよい。塗被時には、下塗り層内のホウ酸塩またはホウ酸塩誘導体が画像受容層内に拡散して、これにより画像受容層内の架橋可能なバインダーを架橋すると考えられる。
【0058】
支持体に対する層の付着力を改善するためのその他の方法は、コロナ放電、種々の雰囲気におけるプラズマ処理、支持体に対する層の塗布に先立って行われるUV処理によって、支持体に表面処理を施すことを含む。
本発明の記録要素は、製造中および画像印刷中の望ましくない静電放電を防止するための、1つまたは2つ以上の導電層、例えば静電防止層を含有することができる。この静電防止層は、要素のいずれかの面に付加されてよい。カラーフィルムのために一般的に使用される静電防止層、例えば米国特許第5,147,768号明細書に記載されている層が申し分ないことが判っている。好ましい静電防止剤は、金属酸化物、例えば酸化錫、アンチモンでドーピングされた酸化錫および五酸化バナジウムを含む。これらの静電防止剤は好ましくは塗膜形成バインダー中に分散させられる。
【0059】
当該技術分野で普通に使用される支持体材料上に、一般的な塗被手段によって、上述の層を塗被することができる。塗被の方法の一例としては、巻線ロッド塗布、ナイフ塗布、スロット塗布、スライドホッパー塗布、グラビア塗布、スピン塗布、浸漬被覆、スキム−パン−エア−ナイフ塗布、多層スライドビード、ドクターブレード塗布、グラビア塗布、リバースロール塗布、カーテン塗布、多層カーテン塗布が挙げられる。これらの方法のうちのいくつかは、2つ以上の層を同時に塗被することを可能にする。このことは、2つ以上の層または2つのタイプ以上の層の塗布が必要である場合に、製造コストの点から見て好ましい。周知の塗被方法および乾燥方法は、「リサーチディスクロージャー(Research Disclosure)」第308119号、1989年12月発行、第1007−1008頁にさらに詳細に記載されている。スライド塗布が好ましい。このスライド塗布の場合、いくつかの層を同時に塗布することができる。支持体は定置であってよく、または、塗被された層を直ちに乾燥室内に引き込むことができるように可動であってもよい。塗被後、層は一般に単純な蒸発によって乾燥させられる。この蒸発は対流加熱のような周知の技術によって加速させることができる。
【0060】
塗被用組成物は、一般的な上述の前計量塗被方法または後計量塗被方法によって、1つまたは両方の支持体面に塗布することができる。塗被プロセスの選択は、作業の経済面から決定されることになり、このように選択されたプロセスは、塗被固形分、塗被粘度および塗被速度のような配合仕様を決定することになる。塗被後、インク記録要素にカレンダ処理またはスーパーカレンダ処理を施すことにより、表面平滑度を向上させることができる。本発明の好ましい実施態様において、インク記録要素には、65℃の温度および137.2KPa(14000kg/m)の圧力で、0.15m/秒〜0.3m/秒の速度で、高温ソフトニップ・カレンダ処理を施すことができる。
【0061】
本発明の記録要素を画像形成するのに使用されるインクは、当該技術分野において良く知られている。インクジェット印刷において使用されるインク組成物は、典型的には液体組成物である。これらの液体組成物は、液状溶剤またはキャリヤ液、色素または顔料、湿潤剤、有機溶剤、界面活性剤、増粘剤、防腐剤を含む。溶剤またはキャリヤ液は、単に水であってよく、または、水混和性溶剤、多価アルコールと混合された水であってもよい。多価アルコールのような有機材料を主要なキャリヤ液または液状溶剤として含有するインクも使用することができる。特に有用なのは水と多価アルコールとの混合溶剤である。このような組成物中に使用される色素は、典型的には水溶性の直接型または酸性型の色素である。このような液体組成物は、米国特許第4,381,946号明細書、同第4,239,543号明細書および同第4,781,758号明細書を含む従来技術において幅広く記載されている。
【0062】
「画像形成要素」とも呼ばれる「インク記録要素」という言い方は、画像形成要素上への画像の転写を司る多くの技術に当てはまるように、画像受容層または画像記録層と同様に、上述のような画像形成支持体を含む。このような技術は、熱画像形成材料による色素熱転写、電子写真印刷、またはインクジェット印刷、ならびに写真ハロゲン化銀画像のための支持体を含む。本明細書中に使用される「写真要素」という言い方は、画像の形成に際して感光性ハロゲン化銀を利用する材料を意味する。本発明の安定化された粒子は、単独の技術で使用されてよく、または、1つまたは2つ以上の技術を組み合わせたハイブリッドシステムで使用されてもよい。ハイブリッドシステムの一例としては、写真要素上にインクジェット印刷を適用することが挙げられる。
【0063】
本発明の受容要素または記録要素のサーマルインク画像受容層(または記録層)またはサーマル色素画像受容層(または記録層)は、例えば、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル)、ポリ(カプロラクトン)またはこれらの混合物を含んでよい。インク画像または色素画像の受容層または記録層は、所期の目的にとって効果的な任意の量で存在してよい。さらに、インクまたは色素の受容層または記録層に被さるように、Harrison他の米国特許第4,775,657号明細書に記載されているような上塗り層を塗被することができる。
【0064】
本発明の、インクまたは色素の受容要素または記録要素と共に使用することができるインク供与体要素または色素供与体要素は、従来、インクまたは色素を含有する層を備えた支持体を含む。本発明で採用されるインク供与体または色素供与体には、いかなるインクまたは色素も使用可能であるが、ただし、このインクまたは色素が熱作用によってインクまたは色素の受容層または記録層に転写されることが可能であることを条件とする。本発明における使用に適用可能なインク供与体または色素供与体は、例えば米国特許第号明細書4,916,112号明細書、同第4,927,803号明細書および同第5,023,228号明細書に記載されている。上述のように、インク供与体要素または色素供与体要素は、インクまたは色素の転写画像を形成するのに使用することができる。このようなプロセスは、インク供与体要素または色素供与体要素を像様加熱し、インク画像または色素画像を、上述のようにインクまたは色素の受容要素または記録要素に転写してインクまたは色素の転写画像を形成することを含む。インクまたは色素の熱転写印刷法では、シアン、マゼンタおよびイエローのインクまたは色素の連続的な反復領域が塗被されたポリ(エチレンテレフタレート)支持体を含むインク供与体要素または色素供与体要素が採用されてよく、インクまたは色素の転写ステップを色毎に順次実施することより、3色インクまたは色素の転写画像が得られる。このプロセスが単色に対してだけ実施される場合には、モノクロのインクまたは色素の転写画像が得られる。
【0065】
インク供与体要素または色素供与体要素から、本発明の受容要素または記録要素にインクまたは色素を転写するのに使用可能なサーマル印刷ヘッドは、商業的に入手可能である。例えば、Fujitsuサーマルヘッド(FTP−040 MCS001)、TDKサーマルヘッド F415 HH7−1089、またはRohmサーマルヘッド KE 2008−F3を採用することができる。或いは、インクまたは色素の熱転写のための別の周知のエネルギー源、例えば英国特許第2,083,726号明細書に記載されているようなレーザーが使用されてもよい。
【0066】
サーマルインク転写アセンブリまたはサーマル色素転写集合体は、(a)インク供与体要素または色素供与体要素と、(b)上述のようなインクまたは色素の受容要素または記録要素とを含み、インクまたは色素の受容要素または記録要素は、供与体要素のインク層または色素層が受容要素または記録要素のインク画像または色素画像の受容層または記録層と接触するように、インク供与体要素または色素供与体要素と重なった関係にある。
【0067】
三色画像を得たい場合には、サーマル印刷ヘッドにより熱が加えられている間に三回、上述の集合体を形成することができる。第1の色素が転写されたあと、要素は互いに引き離される。次いで第2の色素供与体要素(または異なる色素領域を有する、供与体要素の別の領域)を色素受容要素または色素記録要素と見当合わせすることができ、この過程が繰り返される。第3の色も同様に得ることができる。
【0068】
電気記録法および電子写真法、およびこれらの方法の個々のステップが従来技術において詳しく記載されている。これらの方法は基本ステップ、すなわち、静電画像を形成するステップと、その画像を荷電着色粒子(トナー)で現像するステップと、任意には、その結果現像された画像を二次的な支持体に転写するステップと、さらに支持体に画像を定着させるステップとを取入れる。これらの方法および基本ステップには多くの変更形があり、乾燥トナーの代わりに液状トナーを使用することは、これらの変更形のうちの1つにすぎない。
【0069】
第1の基本ステップ、つまり静電画像の形成は、種々の方法により達成することができる。1つの形態の場合、複写機の電子写真法は、均一に荷電された光導電体のアナログ露光またはデジタル露光による像様光放電を利用する。光導電体は使い捨てシステムであるか、または、セレンまたは有機光受容体に基づくもののように、再充電可能であり且つ再画像形成可能であってよい。
【0070】
別の電気記録法の場合、静電画像はイオノグラフィーにより形成することができる。潜像は誘電(電荷保持)媒体、すなわち紙またはフィルム上で形成することができる。媒体の全幅にわたって所定の間隔を置いて配置されたスタイラス・アレイから選択された金属スタイラスまたはライティング・ニブに電圧を印加することにより、選択されたスタイラスと媒体との間に空気の絶縁破壊が生じる。イオンが形成され、これらのイオンは媒体上で潜像を形成する。
【0071】
しかし、発生した静電画像は、反対に帯電されたトナー粒子を用いて現像することもできる。液状トナーを用いた現像の場合、液状現像剤は、静電画像と直接的に接触させることができる。通常、流動液が採用され、これにより充分なトナー粒子が現像に利用可能であることが保証される。静電画像により形成された場は、非導電性の液体中に懸濁させられた荷電粒子を、電気泳動法により運動させる。こうして静電潜像の電荷を、反対に帯電された粒子により中和することができる。液状トナーを用いた電気泳動現像の理論および物理学的特性は、多くの文献および刊行物に詳しく記載されている。
【0072】
再画像形成可能な光受容体または電気記録マスターが使用される場合、調色された画像を紙(または他の支持体)に転写することができる。この紙は、トナー粒子を紙に転写させるように選択された極性で、静電的に荷電されてよい。最後に、調色された画像を紙に定着させることができる。自己定着性トナーの場合、残留液を、空気乾燥または加熱により紙から除去することができる。溶剤が蒸発すると、これらのトナーは、紙に結合された膜を形成する。熱融合性トナーの場合、熱可塑性ポリマーを粒子の一部として使用することができる。加熱により、残留液の除去およびトナーの紙への定着の両方が行われる。
【0073】
記録要素または記録媒体は、これをインクジェット画像形成媒体として使用する場合には、少なくとも1つの表面上にインク受容層、インク記録層または画像形成層を有する支持体または支持体材料を含むのが典型的である。所望の場合には、支持体に対するインク受容層の付着性を改善するために、支持体に溶剤吸収層を塗布する前に、支持体の表面にコロナ放電処理を施すことができる。或いは下塗り層、例えばハロゲン化フェノールまたは部分加水分解された塩化ビニル−ビニルアセテートのコポリマーから形成された層が、支持体の表面に塗布されてもよい。インクジェット受容層またはインクジェット記録層は、3〜75μm、好ましくは8〜50μmの範囲の乾燥厚さで、水または水−アルコール溶液から支持体層上に塗被されるのが好ましい。
【0074】
本発明では、公知のいかなるインクジェット受容層をも使用することができる。例えば、インク受容層またはインク記録層は主として無機酸化物粒子、例えばシリカ、変性シリカ、クレイ、アルミナ、可融性ビーズ、例えば熱可塑性または熱硬化性ポリマーから成るビーズ、非可融性有機ビーズ、または親水性ポリマー、例えば自然発生的な親水性コロイドおよびガム、例えばゼラチン、アルブミン、グアール、キサンタン、アカシア、キトサン、澱粉およびこれらの誘導体、天然ポリマーの誘導体、例えば機能化蛋白質、機能化ガムおよび機能化澱粉、およびセルロースエーテルおよびこれらの誘導体、および合成ポリマー、例えばポリビニルオキサゾリン、ポリビニルメチルオキサゾリン、ポリオキシド、ポリエーテル、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリアクリルアミドおよびポリビニルピロリドンを含むn−ビニルアミド、およびポリビニルアルコール、その誘導体およびコポリマー、およびこれらの材料の組み合わせから成っていてよい。親水性ポリマー、無機酸化物粒子、および有機ビードが支持体上に1つまたは2つ以上の層に、また、層内に種々の組み合わせで存在していてよい。
【0075】
セラミック粒子または硬質ポリマー粒子を添加することにより、または塗被中にフォーム形成するかまたは発泡させることにより、または非溶剤の導入を介して層内の相分離を誘発することにより、親水性ポリマーから成るインク受容層またはインク記録層内に多孔質構造を導入することができる。一般に、ベース層は親水性ではあるが、しかし多孔質でないことが好ましい。このことは、写真品質印刷物に特に当てはまる。写真品質印刷物の場合、多孔性は光沢を失わせるおそれがある。具体的には、インク受容層またはインク記録層は、当該技術分野においてよく知られた添加剤の有無に関わりなく、任意の親水性ポリマーまたはポリマーの組み合わせから成っていてよい。
【0076】
所望の場合には、インク受容層またはインク記録層は、インク透過性の粘着防止層、例えば、セルロース誘導体またはカチオン化処理されたセルロース誘導体、またはこれらの混合物を含む層で上塗りされてよい。特に好ましい上塗りは、ポリβ−1,4−アンヒドロ−グルコース−g−オキシエチレン−g−(2’−ヒドロキシプロピル)−N,N−ジメチル−N−ドデシルアンモニウムクロリドである。この上塗り層は非多孔質であってよいが、しかしインク透過性であり、水性インクで要素上に印刷された画像の光学濃度を改善するのに役立つ。上塗り層は、インク受容層またはインク記録層を摩耗、汚れ、および水による損傷から保護することもできる。一般にこの上塗り層は、乾燥厚さ0.1〜5μm、好ましくは0.25〜3μmで存在してよい。
【0077】
実際には、インク受容層またはインク記録層および上塗り層に、種々の添加剤が採用されてよい。これらの添加剤の一例としては、界面活性剤、例えば塗被性を改善し、乾燥させられた塗膜の表面張力を調整するための界面活性剤、pHをコントロールするための酸または塩基、静電防止剤、懸濁剤、酸化防止剤、塗膜を架橋するための硬化剤、酸化防止剤、UV安定剤、光安定剤が挙げられる。さらに、耐水性を改善するために、媒染剤が少量(ベース層の2〜10質量%)添加されてよい。有用な媒染剤が米国特許第5,474,843号明細書に開示されている。
【0078】
インク受容層またはインク記録層および上塗り層を含めた上述の層は、当該技術分野において広く使用されている透明または不透明な支持体材料上に、一般的なコーティング手段により塗被することができる。塗被方法の一例としては、ブレード塗布、巻線ロッド塗布、スロット塗布、スライドホッパー塗布、グラビア、カーテン塗布が挙げられる。これらの方法のうちのいくつかは、両層を同時に塗被することを可能にする。このことは製造コストの観点から好ましい。
【0079】
IRL(インク受容層または色素受容層)は、つなぎ層(TL)に被さるように塗被されてよい。インクまたは色素の受容層または記録層として有用な多くの周知の配合物がある。主要な要件は、IRLがインクと適合性を有し、これによりIRLが所望の色域および色濃度をもたらすように画像形成されることである。インク滴がIRLを通るのに伴って、インクまたは色素はIRL内に保持されるかまたは媒染剤処理されるのに対し、インク溶剤はIRLを自由に通過し、TLによって速やかに吸収される。さらにIRL配合物は、好ましくは水から塗被され、TLに対する充分な付着性を示し、表面光沢の容易なコントロールを可能にする。
【0080】
例えば、米国特許第4,879,166号明細書、同第5,264,275号明細書、同第5,104,730号明細書、同第4,879,166号明細書および日本国特許第1,095,091号明細書、同第2,276,671号明細書、同第2,276,670号明細書、同第4,267,180号明細書、同第5,024,335号明細書および同第5,016,517号明細書においてMisuda他によって開示された水性IRL配合物は、擬似ベーマイトと或る特定の水溶性樹脂との混合物を含む。米国特許第4,903,040号明細書、同第4,930,041号明細書、同第5,084,338号明細書、同第5,126,194号明細書、同第5,126,195号明細書および同第5,147,717号明細書においてLightによって開示された水性IRL配合物は、ビニルピロリドンポリマーと或る特定の水分散性且つ/または水溶性のポリエステルとの混合物を、他のポリマーおよび添加物と共に含む。米国特許第4,857,386号明細書および同第5,102,717号明細書においてButter他によって開示されたインク吸収性樹脂層は、ビニルピロリドンポリマーと、アクリルポリマーまたはメタクリルポリマーとの混合物を含む。米国特許第5,194,317号明細書においてSato他によって開示され、また米国特許第5,059,983号明細書においてHiguma他によって開示された水性塗被可能なIRL配合物は、ポリビニルアルコールを基剤としている。米国特許第5,208,092号明細書においてIqbalによって開示された水性IRL配合物はビニルコポリマーを含み、このビニルコポリマーは、次いで架橋することができる。これらの例に加えて、IRLの上述の一次的および二次的な要件と合致するその他のIRL配合物も、公知であるかまたは検討することができる。これらのIRL配合物は全て、本発明の思想および範囲内に入る。
【0081】
IRLはまた、光沢、摩擦および/または指紋抵抗をコントロールするための艶消し剤、表面均一性を向上させ、乾燥させられた塗膜の表面張力を調整するための界面活性剤、媒染剤、酸化防止剤、UV吸収化合物、光安定剤を種々のレベルおよびサイズで含有することができる。
画像形成された要素の耐久性を向上させる目的で、IRLに上塗りを施すことが望ましい場合がある。このような上塗り層は、要素への画像形成の前または後に、IRLに塗布されてよい。例えばIRLには、インクが自由に通過するインク透過性層が上塗りされてよい。このタイプの層は、米国特許第4,686,118号明細書、同第5,027,131号明細書および同第5,102,717号明細書に記載されている。或いは、要素が画像形成された後に、上塗り層が付加されてもよい。このことを目的として、周知の貼合せフィルムおよび装置のいずれをも用いることができる。上述の画像形成法に用いられるインクはよく知られており、インク配合物は特定の方法、すなわち連続法、圧電法、感熱法にしばしば密接に関係している。従って、特定のインクプロセスに応じて、インクは、溶剤、着色剤、防腐剤、界面活性剤、湿潤剤を種々異なる量および組み合わせで含有してよい。本発明の画像記録要素との組み合わせにおいて使用するのに好ましいインクは、水性インクである。しかし、所与のインク記録法または所与の商業的供給元に固有のインクと一緒に使用するために配合可能な、上述のような画像記録要素の別の実施態様も、本発明の範囲に入るものとする。
【0082】
1つの好ましい実施態様の場合、写真要素を製造するために、複合支持体シートに1つまたは2つ以上の写真要素がコーティングされてよい。写真要素は単色要素または多色要素であってよい。多色要素は、スペクトルの3つの主要領域のそれぞれに対して感受性を有する画像インク形成ユニットまたは画像色素形成ユニットを含有する。それぞれのユニットは、所与のスペクトル領域に対して感受性を有する単独の乳剤層または複数の乳剤層を含んでよい。画像形成ユニットから成る層を含む、要素の層は、当該技術分野において知られているような種々の順序で配列されてよい。別の形式の場合、スペクトルの3つの主要領域のそれぞれに対して感受性を有する乳剤は、セグメント化された単独の層として配置されてもよい。
【0083】
本発明に有用な写真乳剤は、一般的には、当業者にとって一般的な方法によって、コロイドマトリックス中にハロゲン化銀結晶を沈殿させることにより製造することができる。コロイドは典型的には、親水性塗膜形成剤、例えばゼラチン、アルギン酸、またはこれらの誘導体であってよい。
沈殿ステップにおいて形成された結晶は洗浄し、次いで化学増感および分光増感を施すことができる。この化学増感および分光増感は、分光増感色素および化学増感剤を添加することにより、また、加熱ステップを提供し、この加熱ステップ中に乳剤温度を典型的には40℃から70℃に上昇させ、所定の時間にわたってこれを維持することにより行われる。本発明において採用された乳剤の製造に活用される沈殿法、分光増感法および化学増感法は、当該技術分野において知られた方法であってよい。
【0084】
乳剤の化学増感は典型的には次のような増感剤を採用する:イオウ含有化合物、例えばアリルイソチオシアネート、ナトリウムチオスルフェートおよびアリルチオ尿素、還元剤、例えばポリアミンおよび錫塩、貴金属化合物、例えば金、白金、およびポリマー剤、例えばポリアルキレンオキシド。上述のように、化学増感を完成するのに熱処理が採用されてよい。可視スペクトルまたは赤外スペクトル内の当該波長に対応するように構成された色素の組み合わせで、分光増感が達成されてよい。このような色素は熱処理の前と後の両方に添加することが知られている。
【0085】
分光増感後、乳剤は支持体上にコーティングされてよい。種々のコーティング技術は、浸漬被覆、エアナイフ塗布、カーテン塗布および押出被覆を含む。
本発明において活用されるハロゲン化銀乳剤は、任意のハロゲン化物分布から成っていてよい。従って、これらのハロゲン化銀乳剤は、塩化銀乳剤、臭化銀乳剤、臭塩化銀乳剤、塩臭化銀乳剤、ヨウ塩化銀乳剤、ヨウ臭化銀乳剤、臭ヨウ塩化銀乳剤、塩ヨウ臭化銀乳剤、ヨウ臭塩化銀乳剤およびヨウ塩臭化銀乳剤であってよい。「大部分が塩化銀」というのは、乳剤の粒子が50モル%を上回る塩化銀であることを意味する。好ましくは乳剤の粒子は90モル%を上回る塩化銀であり、最適には95モル%を上回る塩化銀である。
【0086】
ハロゲン化銀乳剤はいかなるサイズおよび形態の粒子を含有してもよい。従って粒子は、立方体、八面体、八面立方体の形状、または立方格子型ハロゲン化銀のその他の自然発生形態を成してよい。さらに、粒子は、球形粒子、平板状粒子またはコア/シェル粒子のように不規則であってよい。平板形態または立方体形態を有する粒子が好ましい。
【0087】
本発明の写真要素は、「The Theory of the Photographic Process」第4版、T. H. James, Macmillan Publishing Company, Inc., 1977, 第151〜152頁に記載されたような乳剤を利用することができる。ハロゲン化銀乳剤の写真感度を改善するために、還元増感が知られている。還元増感されたハロゲン化銀乳剤は一般に良好な写真スピードを示す一方、しばしば望ましくないカブリを被り、保存安定性が不良になる。
【0088】
還元増感剤、つまり銀イオンを還元することにより金属銀原子を形成する化学成分を添加するか、または、高pH(過剰水酸化物イオン)および/または低pAg(過剰銀イオン)のような還元性の環境を提供することにより、意図的に還元増感を実施することができる。ハロゲン化銀乳剤の沈殿中に、例えば乳剤粒子を形成するために硝酸銀またはアルカリ溶液を急速に、またはよく混合せずに添加すると、意図的でない還元増感が発生することがある。また、熟成剤(粒子成長改質剤)、例えばチオエーテル、セレノエーテル、チオ尿素、またはアンモニアの存在においてハロゲン化銀乳剤を沈殿させると、還元増感を容易にする傾向がある。
【0089】
乳剤を還元増感するための沈殿中または分光/化学増感中に用いることができる還元増感剤および還元環境の例としては、米国特許第2,487,850号明細書、同第2,512,925号明細書および英国特許第789,823号明細書に記載されている、アスコルビン酸誘導体、錫化合物、ポリアミン化合物、および二酸化チオ尿素を基剤とする化合物が挙げられる。ジメチルアミンボラン、塩化第一錫、ヒドラジン、高pH(pH8〜11)および低pAg(pAg1〜7)の熟成のような、還元増感剤または還元条件の具体例が、S. CollierによってPhotographic Science and Engineering, 23, 133(1979)で論議されている。意図的に還元増感されたハロゲン化銀乳剤の製法例が、欧州特許出願公開第0348934号明細書(Yamashita)、欧州特許第0369491号明細書(Yamashita)、同第0371388号明細書(Ohashi)、欧州特許出願公開第0396424号明細書(Takada)、同第0404142号明細書(Yamada)および同第0435355号明細書(Makino)に記載されている。
【0090】
本発明の写真要素または写真部材は、Research Disclosure, 1994年9月、第36544項、セクションI,Kenneth Mason Publications, Ltd.発行(Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Hampshire PO10 7DQ, England)に記載されているように、第VII族金属、例えばイリジウム、ロジウム、オスミウムおよび鉄でドーピングされた乳剤を使用することができる。さらに、ハロゲン化銀乳剤の増感においてイリジウムを使用することの一般的な概要が、Carroll, 「Iridium Sensitization: A Literature Review」, (Photographic Science and Engineering第24巻第6号、1980年)に記載されている。イリジウム塩および写真分光増感色素の存在において乳剤を化学増感することにより、ハロゲン化銀乳剤を製造する方法が、米国特許第4,693,965号明細書に記載されている。このようなドーパントを取入れ可能ないくつかの事例において、The British Journal of Photography Annual, 1982, 第201−203頁に記載されているように、カラーリバーサルE−6プロセスで処理されると、乳剤は新しいカブリの増大と、コントラスト感光度測定曲線の低下とを示す。
【0091】
本発明の典型的な多色写真要素は、本発明の積層支持体を含む。この積層支持体は、シアン色素画像形成ユニットと、マゼンタ色素画像形成ユニットと、イエロー色素画像形成ユニットとを担持する。シアン色素画像形成ユニットは、少なくとも1層の赤感性ハロゲン化銀乳剤層と、これと組み合わされた少なくとも1層のシアン色素形成カプラーとを含み、マゼンタ色素画像形成ユニットは、少なくとも1層の緑感性ハロゲン化銀乳剤層と、これと組み合わされた少なくとも1層のマゼンタ色素形成カプラーとを含み、さらに、イエロー色素画像形成ユニットは、少なくとも1層の青感性ハロゲン化銀乳剤層と、これと組み合わされた少なくとも1層のイエロー色素形成カプラーとを含む。この要素は付加的な層、例えばフィルタ層、中間層、上塗り層、下塗り層を含有してよい。本発明と共に使用される支持体は、白黒写真印刷要素に利用することもできる。
【0092】
写真要素はまた、透明な磁気記録層、例えば米国特許第4,279,945号明細書および同第4,302,523号明細書に記載されているような、透明支持体の下面に磁気粒子を含有する層を含有してもよい。本発明は、リサーチディスクロージャー(Research Disclosure), 1997年9月、第40145項に開示された材料と共に利用することができる。本発明は、セクションXVIおよびXVIIの材料カラー紙例と共に用いるのに特に適している。セクションIIのカプラーも特に好適である。下記のセクションIIのマゼンタIカプラー、具体的にはM−7、M−10、M−18およびM−18が特に望ましい。下記の表において、(1)リサーチディスクロージャー, 1978年12月、第17643項、(2)リサーチディスクロージャー, 1989年12月、第308119項、および(3)リサーチディスクロージャー, 1994年9月、第36544項(全てKenneth Mason Publications, Ltd., Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Hampshire PO10 7DQ, ENGLAND発行)を参照する。表1および表1に記載した参照事項は、本発明の要素または部材に使用するのに適した具体的な成分を記述したものとして読まれたい。表および表に記載した参照事項はまた、要素および要素中に含有された画像を製造し、露光し、処理して操作する好適な方法を記述している。
【0093】
Figure 2004058674
Figure 2004058674
【0094】
写真要素は、電磁スペクトルの紫外領域、可視領域および赤外領域を包含する種々のエネルギー形態で、また、電子ビーム、ベータ線、ガンマ線、エックス線、アルファ粒子、中性子線、および、粒子状および波状のその他の輻射エネルギー形態で、非コヒーレント(ランダム位相)形またはレーザーによって生成されるようなコヒーレント(同位相)形で露光することができる。写真要素をエックス線によって露光しようと意図する場合には、これらの写真要素は、一般的なエックス線写真要素に見出される構成要件を含んでよい。
【0095】
写真要素は好ましくは、典型的にはスペクトルの可視領域内の化学線による露光を施されることにより潜像を形成し、次いで好ましくは熱処理以外で処理されることによって可視画像を形成する。処理は好ましくは周知のRA−4TM(Eastman Kodak Company)プロセスまたは高塩化物乳剤を現像するのに適したその他の処理システムにおいて実施されてよい。本発明はまた、支持体と、上述のようなハロゲン化銀粒子を含む少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層とを含む写真記録要素に関する。
【0096】
本明細書中に開示された記録要素は、主としてインクプリンタ、好ましくはインクジェットプリンタに有用なものとして言及されているが、これらの記録要素は、ペンプロッタ・アセンブリのための記録媒体として使用することもできる。ペンプロッタは、ペンを使用して記録媒体の表面上に直接的に書くことにより動作する。このペンは、インクリザーバと接触する毛管束から成っている。
【0097】
【実施例】
下記の例により本発明をさらに説明するが、これらの例は本発明を限定するものではない。
ポリエステル粒子PE 1〜PE 6の製造
前駆ポリエステルPP−1の合成
【0098】
【表1】
Figure 2004058674
【0099】
試薬1および4、6および7を500mlの三口フラスコ内で混合した。このフラスコは、ステンレス鋼製攪拌ロッド、窒素取入口およびアームを備えている。このアームは、制御された真空システムに接続されたドライアイス/アセトン凝縮器に延びている。この真空システムはメスシリンダーを備えており、このメスシリンダーは、捕集された凝縮物を測定するために、凝縮器の下方に取り付けられたすりガラスジョイントを備えている。この反応物を、加熱用合金を含有する浴内で加熱した。窒素の定常流を、10分間にわたって反応混合物に通し、次いで僅かに正の流れに減少させた。反応混合物を200℃で120分間加熱し、その時点で既に、透明なプレポリマーが形成され、所期量のメタノール凝縮物が捕集された。残りの試薬を添加し、攪拌を再開した。反応物を50分間にわたって220℃まで徐々に加熱し、220℃で120分間保持し、次いで30分間にわたって250℃まで徐々に加熱した。26.66kPa(200トル)で減圧開始し、66.7Pa(0.5トル)まで20分間にわたって徐々に減圧した。66.7Pa(0.5トル)になってから10分後には、粘度が増大しており、この時点でポリエステルをもはや効果的には攪拌できず、反応は終結した。ポリマーの分子量をサイズ排除クロマトグラフィ(SEC)(ジメチルホルムアミド、PEO当量)によって、Mn=4200およびMw=15,100を有することを見極めた。
【0100】
前駆ポリエステルPP 2の合成
【0101】
【表2】
Figure 2004058674
【0102】
同じ装置を使用して、PP−1の反応と同様の2段階式重縮合反応で、ポリエステルを製造した。ただしこのPP−2の場合、全体的に周囲圧で反応を実施した。試薬1〜4を220〜230℃で、100分間加熱し、その時点で既に、透明なプレポリマーが結果として得られ、所期量のメタノールが捕集された。反応物を加熱浴から取り出し、試薬5を添加した。反応を220℃で持続させ、10〜15分以内に水凝縮物がトラップ内に集まり始めた。反応を220℃でさらに690分間持続させ、次いで終結した。ジメチルホルムアミド溶離剤におけるサイズ排除クロマトグラフィにより、ポリエステルは、Mn=4040およびMw=37,700を有することが見出された。
【0103】
前駆ポリエステルPP 3の合成
【0104】
【表3】
Figure 2004058674
【0105】
同じ装置を使用して、PP−1の反応と同様の2段階式重縮合反応で、ポリエステルを製造した。ただしこのPP−3の場合、全体的に周囲圧で反応を実施した。試薬1〜5を220℃で加熱し、さらに460分間にわたってゆっくりと徐々に250℃まで加熱し、その時点で既に、透明なプレポリマーが結果として得られ、所期量のメタノールが捕集された。反応物を加熱浴から取り出し、試薬6を添加した。反応を220℃で持続させ、10〜15分以内に水凝縮物がトラップ内に集まり始めた。ポリエステルが高粘度になって攪拌できなくなるまで、反応を220℃でさらに400分間持続させた。ジメチルホルムアミド溶離剤におけるサイズ排除クロマトグラフィにより、ポリエステルは、Mn=2720およびMw=6400を有することが見出された。
【0106】
前駆ポリエステルPP 4の合成
前駆ポリエステルPP−4は、前駆ポリエステルPP−1の二重実施試験物であり、同様の手順で1/3の規模で製造された。分子量は僅かに低い(Mn=2520、Mw=8040)ことが判った。
下記の合成製造において、AIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)をエーテルから一度再結晶させた。スチレンおよびジビニルベンゼンを塩基性アルミナの短カラムに通すことにより、阻害物質を除去した。ジビニルベンゼンは、80%のmおよびpジビニルベンゼン異性体から成り、残余はエチルスチレン異性体である。
【0107】
ポリエステル分散系PE 1の製造
【0108】
【表4】
Figure 2004058674
【0109】
前駆ポリエステルPP−1を750.0mlの水中で、〜60℃で1時間加熱し、これにより透明な、僅かに黄色がかった溶液を得た。この溶液を室温に冷却した。試薬3〜7を混合することにより、有機相を生成した。ポリエステル溶液と有機相とを2Lのビーカー内で混合し、Silverson L4Rミキサーを使用して最高速度設定で10分間混合した。その結果得られた分散系を、機械的攪拌器と還流凝縮器と窒素取入口とを備えた2Lの三口丸底フラスコ内に注ぎ入れ、気泡を窒素で10分間脱気させた。次いで反応物をサーモスタット付水浴内で16時間、70℃で加熱し、回転蒸発器を使用してトルエンを水共沸混合物としてストリッピングした。100Kカットオフ・カートリッジを有するMillipore Amicon(商標)限外ろ過システムを使用して、4容量の水を用いたダイアフィルトレーションによって、粒子分散系を精製した。生成物分散系は14.8質量%固形分を有することが判った。Horiba LA−90粒度分析器を使用して、平均粒度は1.35μmであることが見極められた。電子顕微鏡検査により粒子を分析することによって、濃密な皺を有する球体形状が示された。
【0110】
粒子のポリエステル含有率を、下記の方法により測定した。10mlの試料に20mlのメタノールを添加し、この分散系を9000RPMで3時間遠心分離した。透明な上澄みをデカントし、白色固形物を25mlのメタノール中に再分散させ、この手順を繰り返した。その結果得られた固形物を真空炉内で80℃で16時間乾燥させた。精製された試料の燃焼分析は、0.15%の硫黄を与えた。その結果は、粒子が6.38%のポリエステルから成ることを示す。分散系の最終濃度は水中14.8質量%固形分であった。
【0111】
ポリエステルPE 2の製造
【0112】
【表5】
Figure 2004058674
【0113】
粒子の製造および分析をPE−1の製造および分析と同様に行った。ただしこのPE−2の場合、異なる精製手順を使用した。粒子分散系を1時間遠心分離し、透明な上澄みを廃棄した。粒子をメタノール中に再分散させ、再び遠心分離により沈殿させた。このプロセスを合計3回繰り返し、精製された粒子を真空炉内で60℃で16時間乾燥させた。31.45gを回収した。平均粒度は1.845μmであることが見極められた。電子顕微鏡検査により粒子を分析することによって、濃密な皺を有する粒子が示された。粒子は0.05%の硫黄を含有することが判った。このことは3.82%のポリエステル含有率に相当する。
【0114】
ポリエステル分散系PE 3の製造
【0115】
【表6】
Figure 2004058674
【0116】
粒子の製造および分析をPE−1の製造および分析と同様に行った。生成物分散系は12.9質量%固形分を有することが判った。平均粒度は1.408μmであることが見極められた。電子顕微鏡検査により粒子を分析することによって、濃密な皺を有する粒子が示された。粒子は0.33%の硫黄を含有することが判った。このことは6.18%のポリエステル含有率に相当する。
【0117】
ポリエステル分散系PE 4の製造
【0118】
【表7】
Figure 2004058674
【0119】
粒子の製造および分析をPE−3の製造および分析と同様に行った。ただし、このPE−4の場合、異なる乳化手順を採用した。組み合わされた相をSilversonL4Rミキサーを使用して最高速度設定で〜3分間混合し、次いでM−110T Microfluidizer (Microfluidicsにより販売されている)を2度通すことによりマイクロ流動化処理を行った。生成物分散系は19.3質量%固形分を有することが判った。平均粒度は0.378μmであることが見極められた。しかしその分布は、おそらく凝集物に起因すると考えられる、1〜10μmで延びる二次モードを有した。従って実際の平均直径は、おそらく統計モードの値(0.139μm)により近いと考えられる。電子顕微鏡検査により粒子を分析することによって、直径0.050〜0.250μmの、皺を有するボウル形状の粒子が示された。粒子は1.29%の硫黄を含有することが判った。このことは24.16%のポリエステル含有率に相当する。
【0120】
ポリエステル分散系PE 5の製造
【0121】
【表8】
Figure 2004058674
【0122】
粒子の製造および分析を、下記の点以外では、PE−1の製造および分析と同様に行った。10分間Silverson Mixerを使用して乳化を行ったあと、Vibra Cellプローブ音波処理器(Sonics & Materials Inc.)を最高出力設定で7分間使用して音波処理を行った。音波処理中、分散系を氷浴内で冷却することにより、重合開始を回避した。窒素バブリングを行いながら、90℃で4時間分散系を加熱することにより、トルエンを除去した。さらに、粒子にはダイアフィルタリングを施さなかった。生成物分散系は10.15質量%固形分を有することが判った。粒度分析は、平均粒度0.19μmの二項性分布を示した。電子顕微鏡検査による粒子の分析は、不規則的に成形された皺付粒子と、ボウル形皺付粒子とを示した。
【0123】
ポリエステル分散系PE 6の製造
【0124】
【表9】
Figure 2004058674
【0125】
粒子の製造および分析を、PE−5の製造および分析と同様に行った。ただしPE−6の場合、トルエンの代わりに酢酸プロピルを使用した。生成物分散系は9.90質量%固形分を有することが判った。粒度分析は、0.8μmまでテイルが延びる状態で、0.15μmの平均粒度を示した。電子顕微鏡検査による粒子の分析は、不規則的に成形された皺付粒子と、ボウル形皺付粒子とを示した。
【0126】
例1
要素1の製造
77.6質量%の分散系PE−1と、2.0質量%のポリ(ビニルアルコール)PVA(Nippon Gohsei Co.から入手したGohsenol(商標)GH−17)と、20.4質量%の水とから、塗被用組成物を製造した[従って、PVAに対する皺付ポリエステル粒子の相対比率(質量)は85/15である]。予めコロナ放電処理が施されているポリエチレン樹脂コート写真用紙から成るベース支持体上に、較正された塗被用ナイフを使用して溶液を塗被した。そしてこの溶液を乾燥させてほとんど全ての溶剤成分を除去することにより、インク受容層を形成した。乾燥したインク受容層の厚さは約14±2μmと測定された。
【0127】
要素2の製造
14.9質量%の固形ポリエステル粒子PE−2と、2.6質量%のポリ(ビニルアルコール)PVA(Nippon Gohsei Co.から入手したGohsenol(商標)GH−17)と、82.5質量%の水とから、塗被用組成物を製造した[従って、PVAに対する皺付ポリエステル粒子の相対比率(質量)は85/15である]。予めコロナ放電処理が施されているポリエチレン樹脂コート写真用紙から成るベース支持体上に、較正された塗被用ナイフを使用して溶液を塗被した。そしてこの溶液を乾燥させてほとんど全ての溶剤成分を除去することにより、インク受容層を形成した。乾燥したインク受容層の厚さは約40±2μmと測定された。
【0128】
要素3の製造
79.0質量%の分散系粒子PE−3と、1.8質量%のポリ(ビニルアルコール)PVA(Nippon Gohsei Co.から入手したGohsenol(商標)GH−17)と、19.2質量%の水とから、塗被用組成物を製造した[従って、PVAに対する皺付ポリエステル粒子の相対比率(質量)は85/15である]。予めコロナ放電処理が施されているポリエチレン樹脂コート写真用紙から成るベース支持体上に、較正された塗被用ナイフを使用して溶液を塗被した。そしてこの溶液を乾燥させてほとんど全ての溶剤成分を除去することにより、インク受容層を形成した。乾燥したインク受容層の厚さは約10±2μmと測定された。
【0129】
要素4の製造
53.0質量%の分散系粒子PE−4と、1.8質量%のポリ(ビニルアルコール)PVA(Nippon Gohsei Co.から入手したGohsenol(商標)GH−17)と、45.2質量%の水とから、塗被用組成物を製造した[従って、PVAに対する皺付ポリエステル粒子の相対比率(質量)は85/15である]。予めコロナ放電処理が施されているポリエチレン樹脂コート写真用紙から成るベース支持体上に、較正された塗被用ナイフを使用して溶液を塗被した。そしてこの溶液を乾燥させてほとんど全ての溶剤成分を除去することにより、インク受容層を形成した。乾燥したインク受容層の厚さは約10±2μmと測定された。
【0130】
要素5の製造
71.0質量%の分散系粒子PE−5と、1.8質量%のポリ(ビニルアルコール)PVA(Nippon Gohsei Co.から入手したGohsenol(商標)GH−23)と、27.2質量%の水とから、塗被用組成物を製造した[従って、PVAに対する皺付ポリエステル粒子の相対比率(質量)は80/20である]。予めコロナ放電処理が施されているポリエチレン樹脂コート写真用紙から成るベース支持体上に、較正された塗被用ナイフを使用して溶液を塗被した。そしてこの溶液を乾燥させてほとんど全ての溶剤成分を除去することにより、インク受容層を形成した。
【0131】
要素6の製造
81.8質量%の分散系粒子PE−5と、0.9質量%のポリ(ビニルアルコール)PVA(Nippon Gohsei Co.から入手したGohsenol(商標)GH−23)と、17.3質量%の水とから、塗被用組成物を製造した[従って、PVAに対する皺付ポリエステル粒子の相対比率(質量)は90/10である]。予めコロナ放電処理が施されているポリエチレン樹脂コート写真用紙から成るベース支持体上に、較正された塗被用ナイフを使用して溶液を塗被した。そしてこの溶液を乾燥させてほとんど全ての溶剤成分を除去することにより、インク受容層を形成した。乾燥したインク受容層の厚さは約 ±2μmと測定された。
【0132】
要素7の製造
77.8質量%の分散系粒子PE−6と、1.3質量%のポリ(ビニルアルコール)PVA(Nippon Gohsei Co.から入手したGohsenol(商標)GH−23)と、20.9質量%の水とから、塗被用組成物を製造した[従って、PVAに対する皺付ポリエステル粒子の相対比率(質量)は85/15である]。予めコロナ放電処理が施されているポリエチレン樹脂コート写真用紙から成るベース支持体上に、較正された塗被用ナイフを使用して溶液を塗被した。そしてこの溶液を乾燥させてほとんど全ての溶剤成分を除去することにより、インク受容層を形成した。
【0133】
対照要素C 1の製造
対照要素C−1は、大量のシリカ微粒子を含有する、Epsonから商業的に入手可能なインクジェット用多孔質受容紙「Epson Premium Glossy Photo Paper」カタログ番号SO41286であった。
対照要素C 2の製造
ヒュームドアルミナ(Cab−O−Sperse(商標)PG003、Cabot Corp.)と、ポリ(ビニルアルコール)(Gohsenol(商標)GH−23A、Nippon Gohsei Co. Ltd)と、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(Clariant Corp.)とを質量比88:10:2で混合して、30質量%固形分の水性塗被用配合物を提供することにより、塗被溶液(溶液S−1)を製造した。
【0134】
ヒュームドアルミナ(Cab−O−Sperse(商標)PG003、Cabot Corp.)と、ポリ(ビニルアルコール)(Gohsenol(商標)GH−23A、Nippon Gohsei Co.)と、(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリドおよびジビニルベンゼンのコポリマー(87:13モル比)とを質量比85:3:12で混合して、10質量%固形分の水性塗被用配合物を提供することにより、塗被溶液(溶液S−2)を製造した。ヒュームドアルミナ粒子は、直径約7〜約40nmの一次粒度を有しており、最大約150nmまで凝集される。界面活性剤Zonyl(商標)FSN(E. I. du Pont de Nemours and Co.)およびOlin(商標)10G (Dixie Chemical Co.)を塗被助剤として少量添加した。
【0135】
両溶液を多重スロット−ダイ塗布装置に計量供給し、予めコロナ放電処理が施されているポリエチレン・コート紙ベースから成るベース支持体上に、溶液S−1が溶液S−2の下方(溶液S−2よりも支持体寄り)に位置する状態で、40℃で同時に塗被した。塗被済の支持体を直ちに塗布機の乾燥区分に入れ、これにより、ほとんど全ての溶剤成分を除去し、2層画像受容要素を形成した。ボトム層は厚さ40μmであり、最上層は厚さ2μmであった。
【0136】
印刷および色素安定性試験
Lexmark Z51インクジェットプリンタと、銅フタロシアニン色素を有する標準的な配合物(Clariant Direct Turquoise Blue FRL−SF)を用いて製造されたシアン・インクジェット用インクと、米国特許第6,001,161号明細書から得られる色素6を有する標準的な配合物を用いて製造されたマゼンタインクとを使用して、例1の上記要素および対照要素に印刷を施した。D−max(最高濃度設定)の赤チャネル濃度(シアン)パッチと、緑チャネル濃度(マゼンタ)パッチとを、X−Rite(商標)820デンシトメータを使用して読み取った。次いで印刷済み要素を、5ppmのオゾンを含有する窒素流に4日間暴露した。X−Rite(商標)820デンシトメータを使用して、暴露試験後にそれぞれのパッチの濃度を読み取った。暴露試験前の濃度に対する暴露試験後の濃度の比として、色素保持率(%)を算出した。シアンおよびマゼンタのD−maxの結果を表11に報告する。
【0137】
【表10】
Figure 2004058674
【0138】
上記結果は、要素の少なくとも1つの層がインクジェット画像を受容することができるインク受容層であって、このインク受容層が皺付ポリエステル含有粒子を含有していると、要素の色素安定性を改善できることを示す。
【0139】
例2
要素8の製造
83.8質量%の分散系粒子PE−5と、1.5質量%のポリ(ビニルアルコール)PVA(Nippon Gohsei Co.から入手したGohsenol(商標)GH−23)と、14.7質量%の水とから、塗被用組成物を製造した[従って、PVAに対する皺付ポリエステル粒子の相対比率(質量)は85/15である]。予めコロナ放電処理が施されているポリエチレン樹脂コート写真用紙から成るベース支持体上に、較正された塗被用ナイフを使用して溶液を塗被した。そしてこの溶液を乾燥させてほとんど全ての溶剤成分を除去することにより、インク受容層を形成した。
【0140】
要素9の製造
85.0質量%の分散系粒子PE−6と、1.5質量%のポリ(ビニルアルコール)PVA(Nippon Gohsei Co.から入手したGohsenol(商標)GH−23)と、13.5質量%の水とから、塗被用組成物を製造した[従って、PVAに対する皺付ポリエステル粒子の相対比率(質量)は85/15である]。予めコロナ放電処理が施されているポリエチレン樹脂コート写真用紙から成るベース支持体上に、較正された塗被用ナイフを使用して溶液を塗被した。そしてこの溶液を乾燥させてほとんど全ての溶剤成分を除去することにより、インク受容層を形成した。
【0141】
印刷および色素安定性試験
Lexmark Z51インクジェットプリンタを使用して、例2の上記要素および対照要素と、例1から得られた対照要素C−1とに印刷を施した。シアン色素を有する標準的な配合物(Bayerから入手したAstra Blue 6GLL)を用いてシアン・インクジェット用インクを製造し、乳酸を添加して色素をプロトン化した。2000年8月22日付けで出願されたShuttleworth他の米国特許出願第09/643,281号明細書から得られる色素12を有する標準的な配合物を用いてマゼンタインクを製造した。D−max(最高濃度設定)の赤チャネル濃度(シアン)パッチと、緑チャネル濃度(マゼンタ)パッチとを、X−Rite(商標)820デンシトメータを使用して読み取った。次いで印刷済み要素を、5ppmのオゾンを含有する窒素流に4日間暴露した。X−Rite(商標)820デンシトメータを使用して、暴露試験後にそれぞれのパッチの濃度を読み取った。暴露試験前の濃度に対する暴露試験後の濃度の比として、色素保持率(%)を算出した。シアンおよびマゼンタのD−maxの結果を表12に報告する。
【0142】
【表11】
Figure 2004058674
【0143】
上記結果は、要素の少なくとも1つの層がインクジェット画像を受容することができるインク受容層であって、このインク受容層が皺付ポリエステル含有粒子を含有していると、要素の色素安定性を改善できることを示す。
【0144】
本発明のその他の特徴
本発明は、支持体とインク受容層とを含んでなるインク記録要素であって、前記インク受容層が、少なくとも1つの皺を含む表面を有している粒子を含む少なくとも1つの層を含むインク記録要素を含む。1つの特徴において、前記皺付粒子の平均直径は10μm未満である。別の特徴において、前記皺付粒子の平均直径は0.1〜5μmの範囲にある。他の特徴において、皺付粒子は、界面活性剤によって安定化されているか、またはコロイド状無機物質によって安定化されているか、または保護コロイドによって安定化されている。他の特徴において、前記皺付粒子は本質的に球形であるか、またはボウル形である。
【0145】
別の特徴において、前記皺付粒子はさらに、少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマーの共重合生成物を含む。別の特徴において、前記エチレン系不飽和モノマーは、スチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルアジペートおよびシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルから成る群から選択される。別の特徴において、前記皺付粒子の平均直径は0.5μm未満である。他の特徴において、前記支持体は紙を含み、透明であって、ポリ(エチレンテレフタレート)を含む。別の特徴において、紙はコート紙、またはポリオレフィン・コート紙を含むコート紙、またはポリオレフィン・ラミネート紙を含む紙、を含む。
【0146】
別の特徴において、前記層はさらにポリマーバインダーを含む。別の特徴において、前記ポリマーバインダーは有機バインダーである。他の特徴において、前記皺付粒子は前記少なくとも1つの層の50〜95質量%、または前記少なくとも1つの層の75〜90質量%を成す。他の特徴において、前記ポリマーバインダーは、ポリビニルアルコール、またはスルホン化ポリエステル、またはゼラチンまたは水分散性ポリウレタンを含む。別の特徴において、前記インク受容層は2つ以上の層を含み、前記皺付粒子は前記インク受容要素の最上層の下方に位置する少なくとも1つの層内に存在する。別の特徴において、前記インク受容層は2つ以上の層を含み、前記皺付粒子は前記インク受容要素の最上層内に存在する。別の特徴において、前記インク記録要素はさらに、前記最上層の下方に位置する少なくとも1つの層を含み、該層は、有機粒子または無機粒子を含む。
【0147】
他の特徴において、無機粒子はシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、クレイまたは硫酸バリウムを含むか、または、前記有機粒子はスチレン−ブタジエンラテックス、ポリウレタンラテックスまたはアクリルラテックスを含む。別の特徴において、前記インク記録要素はさらに、前記最上層の下方に少なくとも1つの層を含み、該層は膨潤可能なポリマーを含む。別の特徴において、前記膨潤可能なポリマーは、ゼラチン、ポリビニルアルコールおよびスルホン化ポリエステルから成る群から選択された少なくとも1種を含む。別の特徴において、前記インク記録要素は、有機粒子または無機粒子をさらに含む最上層を含み、該粒子の平均直径は0.5μm未満である。別の特徴において、前記有機粒子はラテックス粒子を含む。別の特徴において、前記ラテックス粒子は、スチレンモノマー、アクリルモノマーまたはメタクリルモノマーから誘導されたポリマーを含む。別の特徴において、前記有機粒子はポリエステル含有粒子を含む。別の特徴において、前記無機粒子は、二酸化ケイ素粒子、アルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子および硫酸バリウム粒子から成る群から選択される。
【0148】
別の特徴において、最上層はさらにバインダーポリマーを含む。別の特徴において、前記バインダーポリマーは、ポリビニルアルコール、ゼラチン、スルホン化ポリエステルおよび水分散性ポリウレタンから成る群のうちの少なくとも1種から選択されている。他の特徴において、前記最上層は粒子を実質的に含有しないか、または前記最上層はポリビニルアルコールを含むか、または前記最上層はヒドロゲルまたは有機ポリマーを含むか、または前記最上層の厚さは1〜20μmである。別の特徴において、前記インク記録要素の厚さは10〜50μmである。別の特徴において、前記インク記録要素はインクジェット記録要素である。別の特徴において、前記皺付粒子は、ポリエステル含有粒子を含む。別の特徴において、皺付ポリエステル含有粒子は、前駆ポリエステルから形成されている。他の特徴において、前記前駆ポリエステルはさらにスルホン化モノマーを含むか、または前記前駆ポリエステルは、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フェニレンジアクリル酸、シトラコン酸およびメサコン酸から成る群のうちの少なくとも1種を含む。
【0149】
別の特徴において、前記前駆ポリエステルは、少なくとも1種の有機可溶性モノマーを含み、該少なくとも1種の有機可溶性モノマーは、1官能価モノマーと多官能価モノマーとを含む。別の特徴において、前記1官能価モノマーは、有機可溶性モノマー全体の少なくとも60質量%を含む。別の特徴において、前記1官能価モノマーは、スチレニクス、アクリレートおよびメタクリレートから成る群から選択された少なくとも1種を含む。別の特徴において、多官能価モノマーはジビニルベンゼン異性体、エチレングリコール、ジビニルエーテル、ジビニルアジペート、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルおよびエチレングリコールジメタクリレートから成る群から選択された少なくとも1種を含む。別の特徴において、前記皺付ポリエステル含有粒子は、イオン単位1モル当たり600〜6,000グラムのイオン基当量を有する。
【0150】
別の特徴において、前記皺付ポリエステル含有粒子はさらに、少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマーの共重合生成物を含む。別の特徴において、前記エチレン系不飽和モノマーは、スチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルアジペートおよびシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルから成る群から選択される。別の特徴において、前記皺付ポリエステル含有粒子は、最小10mgのKOH/gの酸価を有する。別の特徴において、前記皺付ポリエステル含有粒子は、前記少なくとも1つの層の50〜95質量%を成す。さらに別の特徴において、前記皺付ポリエステル含有粒子は、前記少なくとも1つの層の75〜90質量%を成す。
【0151】
本発明はまた、インク印刷物の形成方法であって、該方法が、皺付粒子を含む少なくとも1つのインク受容層を含むインク記録要素を提供し、そして、インクプリンタを利用して前記インク記録要素上に印刷を施すことを含む、インク印刷物の形成方法を含む。

Claims (2)

  1. 支持体とインク受容層とを含んでなるインク記録要素であって、前記インク受容層が、少なくとも1つの皺を含む表面を有している粒子を含む少なくとも1つの層を含むインク記録要素。
  2. 皺付粒子を含む少なくとも1つのインク受容層を含むインク記録要素を用意し、そして、インクプリンタを使用して前記インク記録要素上に印刷することを含んでなるインク印刷物の形成方法。
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