JPH10147056A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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Publication number
JPH10147056A
JPH10147056A JP8322320A JP32232096A JPH10147056A JP H10147056 A JPH10147056 A JP H10147056A JP 8322320 A JP8322320 A JP 8322320A JP 32232096 A JP32232096 A JP 32232096A JP H10147056 A JPH10147056 A JP H10147056A
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JP
Japan
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ink
recording sheet
receiving layer
monomer unit
jet recording
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP8322320A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Kobayashi
孝史 小林
Tatsuya Nomura
達也 野村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication of JPH10147056A publication Critical patent/JPH10147056A/ja
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録により画像を形成するこ
とができ、高い透明性または高い光沢を有し、画像を形
成した場合、得られた画像はインク写りの発生も、高湿
下でのインク滲みの発生も見られず、また画像の耐水性
にも優れたインクジェット記録用シートを提供するこ
と。 【解決手段】 透明支持体及びその上に設けられた色材
受容層からなる記録用シートであって、該色材受容層が
特定の塩基性ポリマーのラテックスと水溶性樹脂とから
なり、さらに該記録用シートの透過率が80%以上であ
るインクジェット記録用シート;及びに透明支持体の代
わりに高光沢の不透明支持体を用い、70%以上の光沢
度を有するインクジェット記録用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録により画像シートを形成するためのインクジェット記
録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報産業の急速な発展に伴い、種
々の情報処理システムが開発され、また、それぞれの情
報システムに適した記録方法及び装置も開発され、採用
されている。このような記録方法の中で、インクを噴射
して記録するインクジェット記録、及び溶融型色材ある
いは昇華型色材を用いた感熱転写記録においては、使用
する装置が、軽量かつコンパクト化され、騒音もなく、
操作性、保守性にも優れたものとなっている。さらに、
インクジェット記録で使用される装置はカラー化も容易
であることから、最近広く使用されている。
【0003】カラー画像形成用のインクジェット記録方
式は、各種の方式が開発されているが、物性的には大き
く分けて水溶性色素を含む色素溶液(水性インク)を用
いる方法、及び油溶性色素を含む色素溶液(油性イン
ク)を用いる方法、そして色素を含有した低融点固形ワ
ックス(ワックスインク)を熱溶融させて用いる方法の
三種がある。主流は水性インクを使用するタイプであ
る。何れにしてもインクジェット記録用シート上に液状
の微粒滴を吐出させて画像を形成する方法である。
【0004】上記のインクジェット記録による画像の形
成は、通常の紙に行なわれるほか、次のような用途で
は、透明シートを使用する必要があり、多くは表面に色
材受容(吸収)層を設けた透明フィルムを用いて、上記
のように画像形成して画像を有する記録シートを作成す
る。例えば、会議等でスライドに代わり使用される機会
が増えているOHPフィルム、印刷ポスターや表示板の
代わりに使用される機会が増えているバックライトディ
スプレイ用フィルム、及び第二原図用フィルム等を挙げ
ることができる。またインクジェット記録用シートに画
像を形成したハードコピーは、精細な画像を有すると共
に、通常の紙に形成されたもの以上の高い光沢度も要求
される場合がある。即ち、ハードコピーの理想である銀
塩写真を考えた場合、高い光沢度は達成すべき重要な課
題である。
【0005】従って、インクジェット記録においては、
精細な画像を得る上で液状インクを早く吸収し、インク
写り性(印字されたインク画像に紙を押し当てた時に紙
に転写されるインクの濃度の程度)が良好でインク滲み
等が発生せず、さらには水の付着によりインク画像が滲
まない良好な耐水性を有する色材受容層、さらに上記の
ような透明陽画あるいは高光沢の画像シートを形成する
には、透明性の高い色材受容層が要求される。従来の樹
脂を主成分とする色材受容層は、透明性に優れている
が、インクにより膨潤あるいは溶解して粘着性を帯び易
いので、インク写り性、耐水性が良好とは言えない。
【0006】例えば、インクジェット記録の場合、特開
昭56−80489号公報には溶解性又は膨潤性物質の
使用が提案され、また多数のポリマー系(ポリビニルア
ルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PV
P)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、カルボキシ
メチルセルロース(CMC))が提案されている。しか
しながら、このようなポリマーの色材受容層は透明性に
は優れているが、インク吸収性、インク写り性は満足で
きるものではない。即ち、このような色材受容層は、上
記ポリマーの親水性基あるいは解離性基による水性イン
クの浸透効果を利用したものであり、膜を厚くした場合
でもインク吸収性が充分とは言えず、当然インク写り性
も満足できるものではない。特開平3−104683号
公報には、色材受容層の材料に架橋されたポリビニルピ
ロリドンを使用することが提案されている。このような
色材受容層を用いることによりインク写り性は幾分改善
されるが、満足できるものではない。即ち、架橋が進み
過ぎるとインク吸収性は低下し、インク写り性も悪化す
る。
【0007】上記インク吸収性、インク写り性を改善す
るため、透明支持体とその上に設けられたコロイダルシ
リカと水溶性樹脂の透明層からなる記録用シートが提案
されている。上記透明層は、空隙率が大きくないため、
記録用シートはインク吸収性については改善されている
が充分とは言えず、当然インク写り性も問題がある。ま
た、擬ベーマイト微粒子から形成された細孔を有する色
材受容層を具備した記録用シートが開示されている。こ
の記録用シートはインク吸収性、インク写り性は向上す
るものの、屈折率が高く充分に高い透明度が得られな
い。また、特公昭61−53598号公報には、支持体
と、その上に設けられた合成シリカ、屈折率1.44〜
1.55の微粒子及び水溶性樹脂からなる透明層からな
る記録用シートが開示されている。合成シリカは、通常
10nmを超える一次粒子径を有し、更に二次粒子は数
100nmの粒径となる。このような二次粒子は、光を
散乱し易く、従ってこのような粒子を含む記録用シート
は、充分に高い光線透過率を示さない。
【0008】一方、特公昭62−11678号公報に
は、特定の塩基性ラテックスポリマーを用いた、インク
吸収性が優れ且つインク保持性にも優れたインクジェッ
ト記録用シートが開示されている。この塩基性ラテック
スポリマーは、第3級アミノ基又は第4級アンモニウム
基を有するモノマー、2個以上のエチレン性不飽和基含
むモノマー及びこれら以外のモノマーから得られるもの
である。しかしながら、実施例では、通常の紙上に塩基
性ラテックスポリマーを含む色材受容層を設けたシー
ト、透明なフィルム上には塩基性ラテックスポリマーと
多量の炭酸カルシウムを含む色材受容層を設けたシート
が作製されており、透明性に優れたシートは開示されて
いない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、高い透明
性あるいは高い光沢を有し、画像を形成した場合、イン
ク写りの発生も、高湿下でのインク滲みの発生も見られ
ないインクジェット記録用シートを得るため、検討を重
ねてきた。特に、種々のポリマーラテックスを用いて検
討した結果、上記特公昭62−11678号公報に記載
されているような特定の塩基性ラテックスポリマーを水
溶性樹脂と共に使用することにより、透明で且つ鮮鋭な
画像が得られると共に滲みの発生がなく、耐水性(イン
ク画像に水が付着した場合に画像が滲むか否か)にも優
れていることが明らかとなった。本発明はインクジェッ
ト記録により画像を形成することができ、高い透明性を
有し、画像を形成した場合、得られた画像はインク写り
の発生も、高湿下でのインク滲みの発生も見られず、ま
た耐水性にも優れたインクジェット記録用シートを提供
することを目的とする。また本発明はインクジェット記
録により画像を形成することができ、高い光沢度を有
し、画像を形成した場合インク写りの発生も、高湿下で
のインク滲みの発生も見られず、また耐水性にも優れた
インクジェット記録用シートを提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明支持体及
びその上に設けられた色材受容層からなる記録用シート
であって、該色材受容層が、下記の一般式(I):
【0011】
【化3】
【0012】[但し、Aは、第3級アミノ基又は第4級
アンモニウム塩基及びエチレン性不飽和二重結合を有す
るモノマー単位を表わし、Bは、少なくとも2個のエチ
レン性不飽和二重結合を有するモノマー単位を表わし、
Cは、上記A及びBのモノマー単位以外のエチレン性不
飽和二重結合を有するモノマー単位を表わし、xは10
〜90モル%の範囲にあり、yは0〜10モル%の範囲
にあり、そしてzは0〜90モル%の範囲である。]で
表わされる塩基性ポリマーのラテックスと、水溶性樹脂
とから形成され、かつ該記録用シートの透過率が80%
以上であることを特徴とするインクジェット記録用シー
ト;及び高光沢の表面を有する不透明支持体及びその上
に設けられた色材受容層からなる記録用シートであっ
て、該色材受容層が、上記一般式(I)で表わされる塩
基性ポリマーのラテックスと、水溶性樹脂とから形成さ
れ、かつ該記録用シートの光沢度が70%以上であるこ
とを特徴とするインクジェット記録用シートにある。上
記透過率は、ヘイズメーター(HGM−2DP;スガ試
験機(株)製)を用い可視光の平行光線透過率を測定し
たである。用いられる可視光の波長は、380〜800
nmである。上記光沢度は、JIS P−8142(紙
及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法に
従って測定した値である。
【0013】本発明のインクジェット記録用シートの好
ましい態様は下記のとおりである。 1)一般式(I)のAが、第4級アンモニウム塩基及び
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー単位を表わ
す。 2)水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールからなる。 3)透明支持体が、ポリエステルからなる。 4)色材受容層の水溶性樹脂が、架橋されている。 5)上記一般式(I)で表わされる塩基性ポリマーのラ
テックスと水溶性樹脂との重量比が、5:5〜1:9の
範囲(ラテックス:水溶性樹脂)にある(特に4:6〜
1:9の範囲が好ましい)。 6)塩基性ポリマーの平均粒子径が0.1μmを超えて
5.0μm以下の範囲(特に0.3〜2.0μmの範
囲)にある。 7)色材受容層が、さらにマット剤を0.01〜5重量
%含んでいる。 8)透明支持体が、ポリエステルからなる。 9)透過率が83%以上である。 10)光沢度が75%以上(特に80%以上)である。 11)xは30〜90モル%の範囲にあり、yは1〜8
モル%の範囲にあり、そしてzは10〜80モル%の範
囲にある。 12)インクジェット記録に使用されるインクが、水性
インク(溶媒の50重量%以上が水のもの)である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用シ
ートは、支持体およびその一方の表面に設けられた色材
受容層からなる基本構成を有する。図1に、本発明のイ
ンクジェット記録用シートの基本構成の断面図を示す。
支持体11、その一方の表面に設けられた下塗層12、
そして下塗層上に設けられた色材受容層13からなる。
支持体11は、透明支持体または高光沢の不透明支持体
であり、色材受容層13も透明性の高い層である。下塗
層12は、支持体と色材受容層との接着力(密着力)が
向上するように設けられている。下塗層及び/又は色材
受容層を支持体のもう一方の面にも設けても良い。下塗
層は、設けなくても良い。
【0015】本発明のインクジェット記録用シートは、
例えば下記のようにして製造することができる。本発明
では、支持体としては、透明支持体または高光沢の不透
明支持体が使用される。透明支持体として使用できる材
料としては、透明でOHPあるいはバックライトディス
プレイで使用される時の輻射熱に耐える性質を有する材
料が好ましい。このような材料としては、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル類;ニトロセルロー
ス、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチ
レート等のセルロースエステル類、更にポリスルホン、
ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネ
ート、ポリアミド等を挙げることができる。これらの中
で、ポリエステル類が好ましく、特にポリエチレンテレ
フタレートが好ましい。透明支持体の厚さは、特に制限
はないが、50〜200μmのものが取り扱い易く好ま
しい。
【0016】高光沢の不透明支持体としては、色材受容
層の設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有する
ものが好ましい。上記光沢度は、JIS P−8142
(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方
法に従って測定することにより求められる値である。高
光沢の不透明支持体の例としては、アート紙、コート
紙、キャストコート紙、銀塩写真用支持体等に使用され
るバライタ紙等の高光沢の紙;ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)等のポリエステル類、ニトロセルロー
ス、セルロースアセテート及びセルロースアセテートブ
チレート等のセルロースエステル類、更にポリスルホ
ン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカー
ボネート、ポリアミド等のプラスチックフィルムで、こ
のフィルムに白色顔料等を含有させて不透明にした高光
沢の(表面カレンダー処理等を行なって)フィルム、あ
るいは上記各種紙、上記透明プラスチックフィルムまた
は白色顔料等含有プラスチックの表面に、白色顔料を含
有するあるいは含有しないポリオレフィンの被覆層が設
けられたフィルム等を挙げることができる。更に、白色
顔料含有発泡ポリエステルフィルム(例、ポリオレフィ
ン微粒子を含有させ、延伸により空隙を形成した炭酸カ
ルシウム含有発泡PET)も挙げることができる。また
銀塩写真用支持体として使用されているポリオレフィン
コート紙(表面に白色顔料含有ポリオレフィン層が設け
られた紙支持体等のポリオレフィンの被覆層が設けられ
た支持体の一種)、あるいは金属蒸着層等が設けられた
特種紙等を、好適に使用することができる。特に白色顔
料含有ポリオレフィン層が設けられた紙支持体、白色顔
料含有ポリオレフィン層が設けられたポリエステル(好
ましくはPET)フィルム、白色顔料含有ポリエステル
フィルムあるいは白色顔料含有発泡ポリエステルフィル
ムが好ましい。支持体の厚さは、特に制限はないが、5
0〜200μmのものが取り扱い易く好ましい。
【0017】支持体上には、下塗層を設けることが好ま
しい。下塗層はポリマーからなる層である。ポリマーの
例としては、スチレン・ブタジエン系共重合体、塩化ビ
ニリデン系重合体、塩化ビニル系重合体、酢酸ビニル系
重合体、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラー
ル、弗化ビニリデン系重合体、弗化ビニリデン系重合
体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂及びアクリル樹
脂を挙げることができる。スチレン・ブタジエン系共重
合体、塩化ビニリデン系重合体、弗化ビニリデン系重合
体、弗化ビニリデン系重合体、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂及びアクリル樹脂が好ましく、特に、スチレ
ン・ブタジエン系共重合体及び塩化ビニリデン系重合体
が好ましい。上記ポリマーは、共重合成分を導入する等
により、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、カルボニ
ルジオキシ基を有することが好ましい。また下塗層は、
上記ポリマーのラテックスから形成されることが好まし
い。特に、スチレン・ブタジエン系ラテックス又は塩化
ビニリデン系ラテックスから形成されることが好まし
い。下塗層は、トリアジン誘導体(例、2,4−ジクロ
ロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン)等の架橋剤(接
着力付与剤としても機能する)を含んでいることが好ま
しい。下塗層又は下記の色材受容層が形成される側の支
持体表面は、支持体と下塗層の接着性を更に向上させる
ために、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、紫
外線照射処理等の表面処理を行なうことが好ましい。
【0018】支持体又は下塗層の上には、本発明の色材
受容層が形成される。例えば、上記一般式(I)で表わ
される塩基性ポリマーのラテックスと水溶性樹脂溶液と
混合した塗布液を、支持体上または下塗層の表面に塗
布、乾燥することにより、色材受容層を形成することが
できる。水溶性樹脂の例としては、親水性構造単位とし
てヒドロキシル基を有する樹脂として、ポリビニルアル
コール(PVA)、エチレン変性ポリビニルアルコー
ル、セルロース系樹脂(メチルセルロース(MC)、エ
チルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース
(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)
等)、キチン類及びデンプンを;エーテル結合を有する
樹脂としてポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプ
ロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコー
ル(PEG)及びポリビニルエーテル(PVE)を;そ
してアミド基またはアミド結合を有する樹脂としてポリ
アクリルアミド(PAAM)およびポリビニルピロリド
ン(PVP)を挙げることができる。また、解離性基と
してカルボキシル基を有するポリアクリル酸塩、マレイ
ン酸樹脂、アルギン酸塩及びゼラチン類を;スルホン基
を有するポリスチレンスルホン酸塩、アミノ基、イミノ
基、第3アミン及び第4アンモニウム塩を有するポリア
リルアミン(PAA)、ポリエチレンイミン(PE
I)、エポキシ化ポリアミド(EPAm)、ポリビニル
ピリジン及びゼラチン類を挙げることができる。上記の
中では、ポリビニルアルコール(PVA)が好ましく、
特にその鹸化度が70〜90モル%のものが好ましい。
【0019】上記水溶性樹脂は、色材受容層の耐水性を
改善するために、架橋剤により架橋されることが好まし
い。すなわち、水溶性樹脂と塩基性ポリマーのラテック
スを含有する塗布液に架橋剤を添加して、支持体に塗布
し、加熱乾燥する(架橋させる)ことにより、色材受容
層を形成することが好ましい。上記架橋剤としては、例
えば、アルデヒド類(例、ホルムアルデヒド、グリオキ
ザール及びグルタルアルデヒド)、N−メチロール化合
物(例、ジメチロール尿素及びメチロールジメチルヒダ
ントイン)、ジオキサン誘導体(例、2,3−ジヒドロ
キシジオキサン)、カルボキシル基を活性化することに
より作用する化合物(例、カルベニウム、2−ナフタレ
ンスルホナート、1,1−ビスピロリジノ−1−クロロ
ピリジニウム及び1−モルホリノカルボニル−3−(ス
ルホナトアミノメチル))、活性ビニル化合物(例、
1、3、5−トリアクロイル−ヘキサヒドロ−s−トリ
アジン、ビス(ビニルスルホン)メタン及びN,N’−
メチレンビス−[βー(ビニルスルホニル)プロピオン
アミド])、活性ハロゲン化合物(例、2,4−ジクロ
ロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン)、エポキシ基を
有する化合物(例、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
バーサティック酸グリシジルエステル、フェニルグリシ
ジルエーテル)、イソオキサゾール類、メラミン樹脂、
イソシアネート化合物及びジアルデヒド澱粉、などを挙
げることができる。これらは、単独または組み合せて用
いることができる。生産性を考慮した場合、反応活性の
高いグルタルアルデヒド等のアルデヒド類またはメラミ
ン樹脂の使用が好ましい。上記架橋剤と組み合わせて用
いられる好ましい水溶性樹脂としては、ポリビニルアル
コールを挙げることができる。架橋剤の添加量は、水溶
性樹脂に対して、0.1〜20重量%が好ましく、特に
0.5〜15重量%が好ましい。
【0020】上記色材受容層を形成するのに使用される
塩基性ポリマーのラテックスは、下記の一般式(I):
【0021】
【化4】
【0022】[但し、Aは、第3級アミノ基または第4
級アンモニウム塩基及びエチレン性不飽和二重結合を有
するモノマー単位を表わし、Bは、少なくとも2個のエ
チレン性不飽和二重結合を有するモノマー単位を表わ
し、Cは、上記A及びBのモノマー単位以外のエチレン
性不飽和二重結合を有するモノマー単位を表わし、xは
10〜90モル%の範囲にあり、yは0〜10モル%の
範囲にあり、そしてzは0〜90モル%の範囲であ
る。]で表わされる塩基性ポリマーのラテックスであ
る。
【0023】一般式(I)のAで表わされるモノマー単
位は、一般に第4級アンモニウム塩基及びエチレン性不
飽和二重結合を有するモノマー単位であり、下記の一般
式(II)、(III) 又は(IV)で表わされる単位であることが
好ましい。
【0024】
【化5】
【0025】上記一般式(II)に於て、R1 は、水素原子
又は炭素原子数1〜6のアルキル基(例、メチル、エチ
ル、n−ヘキシル)を表わす。R1 は水素原子が好まし
い。
【0026】上記一般式(II)に於て、R2 、R3 及びR
4 は、それぞれ独立に炭素原子数1〜6のアルキル基又
は炭素原子数7〜10のアラルキル基を表わし、あるい
はR2 、R3 及びR4 の少なくとも二個の基が、窒素原
子と共に互いに連結して環を形成しても良い。上記アル
キル基及びアラルキル基は置換基を有していても良い。
アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピ
ル及びn−ヘキシルを挙げることができ、置換アルキル
基の例としては、ヒドロキシアルキル基(例、2−ヒド
ロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、3−クロロ−
2−ヒドロキシプロピル)、アルコキシアルキル基
(例、メトキシメチル、2−メトキシエチル)、シアノ
アルキル基(例、2−シアノエチル)、ハロゲン化アル
キル基(例、2−クロロエチル)、アリル、2−ブテニ
ル及びプロパギルを挙げることができる。
【0027】アラルキル基の例としては、ベンジル、フ
ェネチルおよびジフェニルメチルを挙げることができ、
置換アラルキル基の例としては、アルキルアラルキル基
(例、4−メチルベンジル、2,5−ジメチルベンジ
ル)、アルコキシアラルキル基(例、4−メトキシベン
ジル)、シアノアラルキル基(4−シアノベンジル)及
びハロゲン化アラルキル基(例、4−クロルベンジル)
を挙げることができる。R2 及びR3 により形成される
環の例としては、ピロリジン、ピペリジン及びモリホリ
ンを挙げることができる。R2 、R3 及びR4 により形
成される環の例としては、イミダゾール、2−メチルイ
ミダゾール、トリアゾール、ピリジン、2−メチルピリ
ジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン及びキ
ヌクリジンを挙げることができる。
【0028】上記R2 、R3 及びR4 は、炭素原子数1
〜3の無置換又はヒドロキシルを有するアルキル基、上
記アラルキル基、あるいはR2 及びR3 がピペリジンを
形成しかつR4 が炭素原子数1〜3の無置換又はヒドロ
キシルを有するアルキル基もしくはアラルキル基を表す
ことが好ましい。特にR2 及びR3 がピペリジンを形成
しかつR4 が炭素原子数1〜3の無置換又はヒドロキシ
ルを有するアルキル基を表すことが好ましい。
【0029】上記一般式(II)に於て、X1 -は陰イオンを
表わす。陰イオンの例としては、ハロゲンイオン(例、
塩素イオン、臭素イオン)、アルキル硫酸イオン(例、
メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン)、アルキルある
いはアリールスルホン酸イオン(例、メタンスルホン酸
イオン、ベンゼンスルホン酸イオン)、酢酸イオン及び
硫酸イオンを挙げることができる。これらの中で、ハロ
ゲンイオン(例、塩素イオン)、アルキル硫酸イオン
(例、エチル硫酸イオン)及び酢酸イオンが好ましい。
上記一般式(II)に於て、nは0、1又は2を表わす。
【0030】上記一般式(III) において、R11、R12
13及びR14は、それぞれ順にR1、R2 、R3 及びR4
と同義である。Qは、炭素原子数1〜20の二価の基
であり、その例としては、アルキレン基(例、メチレ
ン、エチレン)、アリーレン基(例、−Ph−R−[た
だし、Phは1,4−フェニレン基を表わし、Rは炭素
原子数1〜6のアルキレン基または単結合を表わす]、
−OR’−[ただし、R’は炭素原子数1〜6のアルキ
レン基を表わす(例、オキシエチレン、オキシトリメチ
レン)]、−O−Ph−R−、−Ph−O−R−[ただ
し、Phは上記と同義である]、−NHR’−、−N
(R”)R’−[ただし、R’は上記と同義であり、
R”は炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数7
〜12のアラルキル基を表わす]、−NH−Ph−R’
−、−Ph−NH−R’−N(R”)−Ph−R−[た
だし、R、R’及びR”は上記と同義である]を挙げる
ことができる。一般式(III) のX2 -は、X1 -と同義であ
る。R11は水素原子又はメチル基であることが好まし
い。
【0031】R12、R13及びR14は、炭素原子数1〜3
の無置換又はヒドロキシルを有するアルキル基、あるい
はR12及びR13がピペリジンを形成しかつR4 が炭素原
子数1〜3の無置換又はヒドロキシルを有するアルキル
基もしくは上記アラルキル基を表すことが好ましい。Q
は、−OR’−又は−NHR’−[ただし、R’はエチ
レン、プロピレンを表わす]が好ましい。
【0032】上記一般式(IV)において、R25は、炭素原
子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数7〜12のア
ラルキル基を表わす。上記アルキル基及びアラルキル基
は置換基を有していても良い。アルキル基及びアラルキ
ル基の例としては、前記R2 、R3 及びR4 の例で示し
たものと同じものを挙げることができる。一般式(IV)の
3 -は、X1 -と同義である。R25は、炭素原子数1〜4
の無置換又はヒドトキシルを有するアルキル基又は炭素
原子数7〜9のアラルキル基であることが好ましい。R
26は、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基
(例、メチル、エチル)を表わし、水素原子又はメチル
であることが好ましい。
【0033】前記一般式(I)のBで表わされるモノマ
ー単位は、下記の一般式(V)で表わされる単位である
ことが好ましい。
【0034】
【化6】
【0035】上記一般式(V)において、R37は水素原
子又はメチル基を表わし、Pはビニル基((CH2=CR37)
m-) 間の連結基を表わし、mは2〜4の整数を表わす。
Pで表される連結基の例としては、アミド基(例、スル
ホンアミド)、エステル基(例、スルホン酸エステ
ル)、アルキレン基(例、メチレン、エチレン、トリメ
チレン)、アリーレン基(例、フェニレン)及びアリー
レンオキシカルボニル基(例、フェニレンオキシカルボ
ニル)等を挙げることができる。上記一般式(V)のモ
ノマー単位を形成するモノマーの例としては、ジビニル
ベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、プロ
ピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリ
コールジメタクリレート、テトラメチレングリコールジ
アクリレートおよびトリメチロールプロパントリアクリ
レートを挙げることができる。これらの中で、ジビニル
ベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート及びプ
ロピレングリコールジメタクリレートが好ましい。
【0036】前記一般式(I)のCで表わされるモノマ
ー単位は、上記A及びBのモノマー単位以外のエチレン
性不飽和二重結合を有するモノマー単位であり、公知の
エチレン性不飽和二重結合を一個有するモノマーから形
成される。上記モノマー単位を形成することができるモ
ノマーの例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、イソブテン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニト
リル、脂肪酸のエチレン性不飽和二重結合を1個有する
基とのエステル(例、酢酸ビニル、酢酸アリル)、エチ
レン性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸又はジカ
ルボン酸のエステル(例、メチルメタクリレート、エチ
ルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ヘキ
シルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、ベン
ジルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2
−エチルヘキシルメタクリレート)、及びジエン類
(例、ブタジエン、イソプレン)を挙げることができ
る。これらの中で、スチレン、シクロヘキシルメタクリ
レート及びメチルメタクリレートが好ましい。上記Cで
表わされるモノマー単位は、上記モノマー2種以上から
形成されても良い。
【0037】また前記一般式(I)に於て、xは30〜
99モル%の範囲にあり、yは1〜8モル%の範囲にあ
り、そしてzは10〜80モル%の範囲にあることが好
ましい。
【0038】本発明の一般式(I)で表される塩基性ポ
リマーの好ましい構造を、下記に示す。例示したポリマ
ーの各繰り返し単位の右下付きの数字は、それぞれの含
有割合(モル%)を示す。
【0039】
【化7】
【0040】
【化8】
【0041】
【化9】
【0042】
【化10】
【0043】上記塩基性ポリマーラテックスは、通常の
乳化重合により合成することができる。すなわち、ポリ
マーを構成するためのモノマーを、アニオン系又はカチ
オン系界面活性剤あるいはノニオン界面活性剤、及びラ
ジカル重合開始剤(例、過硫酸カリウムと亜硫酸水素カ
リウムの併用)の存在下に乳化重合することにより得ら
れる。上記合成法の詳細は、特公昭62−11678号
公報第8〜9頁に記載されている。
【0044】上記一般式(I)で表わされる塩基性ポリ
マーのラテックスの固形分濃度は、通常10〜50重量
%、好ましくは20〜45重量%の分散物であり、その
平均粒子径は、一般に0.1μmを超えて5μm以下の
範囲(好ましくは0.3〜2μmの範囲)である。また
ポリマー微粒子の40重量%分散液の粘度は、通常10
〜500cpsである。本発明の色材受容層は、主とし
て上記塩基性ポリマーのラテックス及び水溶性樹脂から
構成されている。そして、色材受容層中に含まれる塩基
性ポリマーのラテックス及び水溶性樹脂と比率は、重量
比で5:5〜1:9の範囲(ラテックス:水溶性樹脂)
が好ましく、特に4:6〜1:9の範囲が好ましい。
【0045】本発明の色材受容層には、上記水溶性樹脂
と塩基性ポリマーのラテックスに加えて、インクジェッ
ト記録用シートの走行性及び耐ブロッキング性を改善す
るため、マット剤として、コロイダルシリカ、珪酸カル
シウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、白
雲母、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ベー
マイト等の無機微粒子、あるいはポリメチルメタクリレ
ート微粒子、ポリスチレン微粒子およびポリエチレン微
粒子等の有機微粒子を含有させても良い。無機微粒子と
しては、シリカが好ましく、有機微粒子としてはポリメ
チルメタクリレート微粒子が好ましい。マット剤の色材
受容層中の含有量は、0.01〜5重量%が好ましい。
【0046】この色材受容層を主として構成する塩基性
ポリマーのラテックスや水溶性樹脂は、それぞれ単一素
材でも良いし複数の素材の混合系でもよい。また色材受
容層は主として上記塩基性ポリマーのラテックスと水溶
性樹脂からなるがそれ以外に粒子の分散性を高める為に
各種の無機塩類、PH調整剤として酸アルカリを含んで
いてもよい。また塗布適性や表面品質を高める目的で各
種の界面活性剤を使用してもよい。さらに、インクジェ
ット記録に於いて色素を固定し耐水性を高める目的で媒
染剤を使用してもよい。また色材の劣化を抑制する目的
で各種の酸化防止剤、紫外線吸収剤を含んでいてもよ
い。さらに、蛍光増白剤を含んでいても良い。
【0047】上記色材受容層の形成は、例えば、上記樹
脂、塩基性ポリマーのラテックス等を含む水分散液(塗
布液)を支持体(透明支持体または高光沢の不透明支持
体)上に塗布、加熱乾燥することにより実施することが
できる。塗布は、例えばエアードクターコーター、ブレ
ッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スク
イズコーター、リバースロールコーター、バーコーター
等の公知の塗布方法で行なうことができる。乾燥は、熱
風乾燥機により通常50〜180℃で1〜20分間乾燥
するが、90〜150℃で2〜15分間乾燥することが
好ましい。また、塗布、乾燥後、例えばスーパーカレン
ダー、グロスカレンダー等で加熱、加圧下にロールニッ
プ間を通すことにより、表面平滑性、透明性及び塗膜強
度を向上させることが可能である。
【0048】このようにして得られる本発明の色材受容
層は、塩基性ポリマーのラテックスが水溶性樹脂中に均
一に分散されている。このため、インクジェット記録に
より噴射されたインクは、水溶性樹脂及び塩基性ポリマ
ーのラテックス粒子そして水溶性樹脂と塩基性ポリマー
のラテックス粒子の間隙に吸収されると推定される。従
って、水溶性樹脂のみによるインクの吸収の場合は、水
溶性樹脂の色材受容層が、膨潤又は軟化するため紙への
インク写りが大きいが、本発明の色材受容層では水溶性
樹脂が吸収するインクの量は少なくインク写りがほとん
ど発生しない。特に、塩基性ポリマーが、一般式(I)
のB単位、即ち少なくとも2個のエチレン性不飽和二重
結合を有するモノマー単位を含む場合は、ラテックス粒
子が架橋され、耐水性が向上しているのでインク写り性
が向上する。更に、塩基性ポリマーのラテックスが第4
級アンモニウム塩を有する場合も、インクとの親和性が
良好であるので、インク写り性の向上に寄与する。ま
た、第4級アンモニウム塩はインクと塩を形成し易いの
で耐水性も向上する。さらに、通常インク写り性の改善
に用いられる無機微粒子も使用する必要がないので、色
材受容層の透明性も高く、OHP用シートの作成に好適
に使用することができる。あるいは高い光沢度を有する
支持体上に、本発明の透明性の高い色材受容層を設けた
場合も、支持体の高光沢を損なうことなく、高い画質の
インク画像を形成することができる。上記色材受容層が
透明支持体上に設けられた本発明のインクジェット記録
用シートは、色材受容層の透過率が高いので、シート自
身も80%以上の透過率を有する。83%以上が好まし
い。また上記色材受容層が高光沢の不透明支持体上に設
けられた本発明のインクジェット記録用シートは、シー
ト表面の光沢率が70%以上であり、75%以上が好ま
しく、特に80%以上が好ましい。
【0049】
【実施例】
【0050】[実施例1] (1)色材受容層形成用塗布液の組成 ポリビニルアルコール10重量%水溶液 35重量部 (鹸化度:88%、PVA210、クラレ(株)製) 塩基性ポリマーのラテックス 15重量部 (前記ポリマー例(11)のもの、固形分:10重量%) マット剤 0.4重量部 (MX−1000の4重量%水分散液、 綜研化学(株)製) メラミン樹脂 4.5重量部 (スミレーズ#613の10重量%水分散液、 住友化学工業(株)製) アミン塩酸塩 0.45重量部 (ACX−Pの5重量%水分散液、 住友化学工業(株)製) 上記組成の材料を混合して色材受容層形成用塗布液を得
た。
【0051】この塗布液を、表面がコロナ放電処理され
た100μmの厚みの二軸延伸したポリエチレンテレフ
タレートフィルムの表面に、バーコーターを用いて塗布
し、熱風乾燥機により120℃で10分間乾燥した。こ
れにより乾燥膜厚が10μmの色材受容層を形成した。
こうしてポリエチレンテレフタレートに色材受容層が設
けられたインクジェット記録用シートを得た。
【0052】[実施例2]実施例1において、マット剤
としてMX−1000の4重量%水分散液の代わりにサ
イロイド#620の4重量%水分散液(富士デヴィソン
化学(株)製)1重量部を用いて色材受容層形成用塗布
液を調製した以外は実施例1と同様にしてインクジェッ
ト記録用シートを得た。
【0053】[実施例3] (1)下塗層形成用塗布液の組成 スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス 192重量部 (スチレン:ブタジエン:ヒドロキシエチルアクリレート: ジビニルベンゼン:アクリル酸=63:33:3: 0.5:0.5(モル%)、固形分:43重量%) スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス 54重量部 (スチレン:ブタジエン:ヒドロキシエチルアクリレート: アクリル酸=58:40:1:1(モル%)、 固形分:43重量%) 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン 73重量部 のナトリウム塩(4重量%水溶液) 水 681重量部 上記組成の材料を混合して下塗層形成用塗布液を得た。
【0054】この塗布液を、表面がコロナ放電処理され
た100μmの厚みの二軸延伸したポリエチレンテレフ
タレートフィルムの表面に、#3.2ワイヤーバーコー
ターを用いて塗布し、熱風乾燥機により120℃で5分
間乾燥した。これにより乾燥膜厚が0.6μmの下塗層
を形成した。
【0055】 (2)色材受容層形成用塗布液の組成 ポリビニルアルコール10重量%水溶液 30重量部 (鹸化度:88%、PVA210、クラレ(株)製) ポリビニルピロリドン10重量%水溶液 5重量部 (PVPK−80、ISP社製) 塩基性ポリマーのラテックス 15重量部 (前記ポリマー例(11)のもの、固形分:10重量%) マット剤 0.4重量部 (MX−1000の4重量%水分散液、 綜研化学(株)製) メラミン樹脂 4.5重量部 (スミレーズ#613の10重量%水分散液、 住友化学工業(株)製) アミン塩酸塩 0.45重量部 (ACX−Pの5重量%水分散液、 住友化学工業(株)製) 上記組成の材料を混合して色材受容層形成用塗布液を得
た。この塗布液を、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に形成された下塗層の表面に、バーコーターを用い
て塗布し、熱風乾燥機により120℃で10分間乾燥し
た。これにより乾燥膜厚が10μmの色材受容層を形成
した。こうしてポリエチレンテレフタレート上に、下塗
層及び色材受容層が設けられたインクジェット記録用シ
ートを得た。
【0056】[実施例4]実施例1において、ポリビニ
ルアルコール10重量%水溶液の代わりに、ポリビニル
アルコール10重量%水溶液(鹸化度:78%、PVA
410、クラレ(株)製)を同量用いて色材受容層形成
用塗布液を調製した以外は実施例1と同様にしてインク
ジェット記録用シートを作成した。
【0057】[比較例1]実施例1において、色材受容
層形成用塗布液として下記の組成のものを使用した以外
は実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを
作成した。 (1)色材受容層形成用塗布液の組成 ポリビニルアルコール10重量%水溶液 150重量部 (PVA210(クラレ(株)製)) 合成シリカ 80重量部 (平均粒子径:20nm) 微粉末ガラス粉 20重量部 水 310重量部 上記組成の材料を混合して色材受容層形成用塗布液を得
た。
【0058】[比較例2]実施例1において、色材受容
層形成用塗布液として下記の組成のものを使用した以外
は実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを
作製した。 (1)色材受容層形成用塗布液の組成 ポリビニルピロリドン 4.5重量部 (PVPK−90(GAF社製)) ジベンジリデンソルビトール 4.5重量部 (ゲルオールD) カチオンポリマー 1.0重量部 (4級アンモニウム塩含有アクリル樹脂、 PQ−10、総研化学(株)製) DMF 90.0重量部 上記組成の材料を混合、溶解して色材受容層形成用塗布
液を得た。
【0059】上記で得られた透明支持体に色材受容層が
設けられたインクジェット記録用シートについて、以下
の測定方法によってそのインクジェット適性を評価し
た。 (1)インク写り性 インクジェットカラープリンター(BJC−600J;
キャノン(株)製)により、記録用シートへの青のベタ
印画し、10秒後にコピー用紙(PPC(電子写真複写
機)用紙WR、富士ゼロックス(株)製)をゴムローラ
で接触押圧(条件:0.6kg/cmの線圧)した。そ
して、コピー用紙に転写されたインキ量を反射濃度計
(X−rite、X−rite Incorporat
ed社製)を用いてそのインキ画像部の反射濃度を測定
することにより評価した。反射濃度の高い程、インキの
転写量は多いことを示す。 (2)透過率 ヘイズメーター(HGM−2DP;スガ試験機(株)
製)を用い平行光線透過率を測定した。 (3)耐水性 インクジェットカラープリンター(BJC−600J;
キャノン(株)製)により、記録用シートにイエロー、
マゼンタ、シアン、ブラックのベタ印画を行ない、印画
3分後に記録用シートを水に浸漬し、1分後に取り出し
た。取り出した記録用シートを乾燥後印画部のベタ画像
を目視で観察し、ベタ画像の滲みを下記のように評価し
た。 AA:ベタ画像部に滲みが見られない BB:ベタ画像部の一部に滲みが見られる CC:ベタ画像部の相当部分で滲みが見られる (4)高湿下での画像の滲み (1)と同一のプリンターを用いて、記録用シートに、
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ブルー、グリ
ーン、レッドのベタ印画を行ない、印画した記録用シー
トを28℃、85%RHの環境下に3日間放置した。ベ
タ画像部の滲みの程度を下記のように評価した。 AA:ベタ画像部に滲みが見られない BB:ベタ画像部の一部に滲みが見られる CC:ベタ画像部の相当部分で滲みが見られる
【0060】上記評価結果を下記の表1に示す。
【0061】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── インク 耐水性 透過率 高湿下滲み 写り性 (%) ──────────────────────────────────── 実施例1 0.17 AA 85 AA 実施例2 0.17 AA 83 AA 実施例3 0.19 AA 84 AA 実施例4 0.20 AA 84 AA ──────────────────────────────────── 比較例1 0.20 BB 14 CC 比較例2 0.65 BB −− AA ────────────────────────────────────
【0062】以下に支持体として高光沢の不透明支持体
を用いた際の実施例を記す。 [実施例5]実施例1において、支持体として、層厚1
30μmの炭酸カルシウム含有発泡ポリエチレンテレフ
タレートフィルム(商品名:E−68L;東レ(株)
製)の高光沢の不透明支持体を用いた以外は実施例1と
同様にしてインクジェット記録用シート作成した。
【0063】上記で得られた高光沢の不透明支持体に色
材受容層が設けられたインクジェット記録用シートにつ
いて、以下の測定方法によってそのインクジェット適性
を評価した。 (1)インク写り性、(3)耐水性及び(4)高湿下で
の画像の滲みについては、前記と同様にして評価した。 (2)光沢度 上記実施例及び比較例で得られた高光沢の不透明支持体
及び記録用シートについて、JIS P−8142(紙
及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法に
従って、光沢度を測定した。即ち、それぞれ試験片を6
枚作成し、光沢度計(デジタル変角光沢計、スガ試験機
(株)製)を用いて測定した。得られた測定値の平均値
を光沢度とした。
【0064】上記評価結果を下記の表2に示す。
【0065】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── インク 光沢度(%) 耐水性 高湿下滲み 写り性 支持体 記録用シート ──────────────────────────────────── 実施例4 0.16 49 92 AA AA ────────────────────────────────────
【0066】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用シート
は、支持体上に特定の塩基性ポリマーのラテックス及び
水溶性樹脂からなる色材受容層が設けられている。この
色材受容層は、優れたインク吸収能があるのでインク写
り性が良好であり、また形成されたインク画像の耐水性
も良好である。さらに、無機微粒子も使用しなくても、
良好なインク写り性を示すので、この色材受容層を有す
るの本発明のインクジェット記録用シートは透明性も高
い。従って、本発明のインクジェット記録用シートはO
HP用シート等の透明性が要求される画像シートの作成
に好適に使用することができる。また、高い光沢度を有
する支持体上に、本発明の透明性の高い色材受容層を設
けた場合、支持体の高光沢を損なうことなく、高い画質
のインク画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録用シートの基本構
成の断面図である。
【符号の説明】
11 支持体 12 下塗層 13 色材受容層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体及びその上に設けられた色材
    受容層からなる記録用シートであって、該色材受容層
    が、下記の一般式(I): 【化1】 [但し、Aは、第3級アミノ基又は第4級アンモニウム
    塩基及びエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー単
    位を表わし、Bは、少なくとも2個のエチレン性不飽和
    二重結合を有するモノマー単位を表わし、Cは、上記A
    及びBのモノマー単位以外のエチレン性不飽和二重結合
    を有するモノマー単位を表わし、xは10〜90モル%
    の範囲にあり、yは0〜10モル%の範囲にあり、そし
    てzは0〜90モル%の範囲である。]で表わされる塩
    基性ポリマーのラテックスと、水溶性樹脂とから形成さ
    れ、かつ該記録用シートの透過率が80%以上であるこ
    とを特徴とするインクジェット記録用シート。
  2. 【請求項2】 一般式(I)のAが、第4級アンモニウ
    ム塩基及びエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー
    単位を表わす請求項1に記載のインクジェット記録用シ
    ート。
  3. 【請求項3】 水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールか
    らなる請求項1に記載のインクジェット記録用シート。
  4. 【請求項4】 透明支持体が、ポリエステルからなる請
    求項1に記載のインクジェット記録用シート。
  5. 【請求項5】 高光沢の表面を有する不透明支持体及び
    その上に設けられた色材受容層からなる記録用シートで
    あって、該色材受容層が、下記の一般式(I): 【化2】 [但し、Aは、第3級アミノ基又は第4級アンモニウム
    塩基及びエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー単
    位を表わし、Bは、少なくとも2個のエチレン性不飽和
    二重結合を有するモノマー単位を表わし、Cは、上記A
    及びBのモノマー単位以外のエチレン性不飽和二重結合
    を有するモノマー単位を表わし、xは10〜90モル%
    の範囲にあり、yは0〜10モル%の範囲にあり、そし
    てzは0〜90モル%の範囲である。]で表わされる塩
    基性ポリマーのラテックスと、水溶性樹脂とから形成さ
    れ、かつ該記録用シートの光沢度が70%以上であるこ
    とを特徴とするインクジェット記録用シート。
  6. 【請求項6】 一般式(I)のAは、第4級アンモニウ
    ム塩基及びエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー
    単位を表わす請求項5に記載のインクジェット記録用シ
    ート。
  7. 【請求項7】 水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールか
    らなる請求項5に記載のインクジェット記録用シート。
  8. 【請求項8】 不透明支持体が、白色顔料含有発泡ポリ
    エステルフィルム又は白色顔料含有ポリエステルフィル
    ムである請求項5に記載のインクジェット記録用シー
    ト。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999064248A1 (fr) * 1998-06-10 1999-12-16 Konica Corporation Papier d'enregistrement par jet d'encre
JP2002293002A (ja) * 2001-03-28 2002-10-09 Sakata Corp インクジェット記録媒体

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