JPH10211764A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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Publication number
JPH10211764A
JPH10211764A JP9029527A JP2952797A JPH10211764A JP H10211764 A JPH10211764 A JP H10211764A JP 9029527 A JP9029527 A JP 9029527A JP 2952797 A JP2952797 A JP 2952797A JP H10211764 A JPH10211764 A JP H10211764A
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JP
Japan
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receiving layer
polymer
weight
ink
jet recording
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP9029527A
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English (en)
Inventor
Kozo Nagata
幸三 永田
Katsuki Suzuki
勝喜 鈴木
Takashi Kobayashi
孝史 小林
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10211764A publication Critical patent/JPH10211764A/ja
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録により画像を形成するこ
とができ、高い透明性を有し、画像を形成した場合、得
られた画像はインク写りの発生も、高湿下でのインク滲
みの発生も見られず、また保存後の画像にブロンズ様の
光沢の発生がほとんど見られないインクジェット記録用
シートを提供する。 【解決手段】 支持体及びその上に設けられた色材受容
層からなる記録用シートであって、該色材受容層が、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びビニル
ピロリドンとビニルピロリドンと共重合可能な他のモノ
マーとの共重合体の少なくとも一種のポリマー、及びイ
ミダゾール基を有するビニルモノマーの単独重合体及び
イミダゾール基を有するビニルモノマーと該ビニルモノ
マーと共重合可能な他のモノマーとの共重合体の少なく
とも一種のポリマーの混合物からなり、かつ該色材受容
層が表面層であることを特徴とするインクジェット記録
用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録により画像シートを形成するためのインクジェット記
録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報産業の急速な発展に伴い、種
々の情報処理システムが開発され、また、それぞれの情
報システムに適した記録方法及び装置も開発され、採用
されている。このような記録方法の中で、インキを噴射
して記録するインクジェット記録、及び溶融型色材ある
いは昇華型色材を用いた感熱転写記録においては、使用
する装置が、軽量かつコンパクト化され、騒音もなく、
操作性、保守性にも優れたものとなっている。さらに、
インクジェット記録で使用される装置はカラー化も容易
であるため、最近では、インクジェット記録カラープリ
ンターが広く使用されている。
【0003】カラー画像形成用のインクジェット記録方
式は、各種の方式が開発されているが、物性的には大き
く分けて水溶性色素又は微粒子顔料を含む色材溶液(水
性インク)を用いる方法、及び油溶性色素を含む色素溶
液(油性インク)を用いる方法、そして色素を含有した
低融点固形ワックス(ワックスインク)を熱溶融させて
用いる方法の三種がある。主流は水性インクを使用する
タイプである。何れにしてもインクジェット記録用シー
ト上に液状の微粒滴を吐出させて画像を形成する方法で
ある。
【0004】上記のインクジェット記録による画像の形
成は、通常の紙に行なわれるほか、次のような用途で
は、透明シートを使用する必要があり、多くは表面に色
材受容(吸収)層を設けた透明フィルムを用いて、上記
のように画像形成して画像を有する記録シートを作成す
る。例えば、会議等でスライドに代わり使用される機会
が増えているOHPフィルム、印刷ポスターや表示板の
代わりに使用される機会が増えているバックライトディ
スプレイ用フィルム、及び第二原図用フィルム等を挙げ
ることができる。またインクジェット記録用シートに画
像を形成したハードコピーは、精細な画像を有すると共
に、通常の紙に形成されたもの以上の高い光沢度も要求
される場合がある。即ち、ハードコピーの理想である銀
塩写真を考えた場合、高い光沢度は達成すべき重要な課
題である。
【0005】従って、インクジェット記録においては、
精細な画像を得る上で液状インクを早く吸収し、インク
写り性(印字されたインク画像に紙を押し当てた時に紙
に転写されるインクの濃度の程度)が良好でインク滲み
等が発生しない色材受容層、さらに上記のような透明陽
画あるいは高光沢の画像シートを形成するには、透明性
の高い色材受容層が要求される。従来の樹脂を主成分と
する色材受容層は、透明性に優れているが、インクによ
り膨潤あるいは溶解して粘着性を帯び易いので、インク
写り性(インク移行性)が余り良好とは言えない。
【0006】インクジェット記録の場合、例えば、特開
昭56−80489号公報には溶解性又は膨潤性物質の
使用が提案され、また多数のポリマー系(ポリビニルア
ルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PV
P)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、カルボキシ
メチルセルロース(CMC))が提案されている。しか
しながら、このようなポリマーの色材受容層は透明性に
は優れているが、インク吸収性、インク写り性は満足で
きるものではない。即ち、このような色材受容層は、上
記ポリマーの親水性基あるいは解離性基による水性イン
クの浸透効果を利用したものであり、膜を厚くした場合
でもインク吸収性が充分とは言えず、当然インク写り性
も満足できるものではない。特開平3−104683号
公報には、色材受容層の材料に架橋されたポリビニルピ
ロリドンを使用することが提案されている。このような
色材受容層を用いることによりインク写り性は幾分改善
されるが、満足できるものではない。即ち、架橋が進み
過ぎるとインク吸収性は低下し、インク写り性も悪化す
る。
【0007】特開昭63−307979号公報には、支
持体上に、ゼラチン、親水性ポリマー媒染剤および−C
OOM又は−SO3 Mを有するビニルモノマー単位を有
する重合体の三種の混合物からなる層(色材受容層に相
当)が設けられ、更に、その上にゼラチンの表面層が設
けられたインクジェット記録用シートが提案されてい
る。親水性ポリマー媒染剤の例としては、アミノ基、イ
ミダゾール基あるいはシアノ基を有するポリマーが挙げ
られている。このような特定のポリマーの組み合わせを
用いることにより、インクジェット記録により形成され
る画像は、解像力が向上しており、インク写りの発生、
高湿下でのインク滲みの発生も抑えられるているが、充
分とは言えない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者の検討による
と、色材受容層の主材料である水溶性樹脂としては、イ
ンク写りの発生が少ないことからポリビニルアルコール
(PVA)が好ましい。しかしながら、PVAを主成分
とする色材受容層に、インクジェットにより画像を形成
して、保存した場合、インク滲みが発生しやすく、また
画像にブロンズ光沢が発生する場合があることが明らか
となった。更に、本発明者が検討を重ねたところ、前記
特開昭63−307979号公報に記載の親水性ポリマ
ー媒染剤の内でイミダゾール基を有するポリマーをPV
Aと共に使用したところ、インク滲みについてさらに改
善されると共に、ブロンズ光沢の発生もある程度抑えら
れことが判明した。更に他の特性を低下させずに、ブロ
ンズ光沢の発生を抑えるようにするため検討を重ねたと
ころ、イミダゾール基を有するポリマーとPVAの系
に、さらにポリビニルピロリドンを加えることにより達
成することができることが明らかとなり、本発明に到達
したものである。
【0009】本発明はインクジェット記録により画像を
形成することができ、高い透明性を有し、画像を形成し
た場合、得られた画像はインク写りの発生も、高湿下で
のインク滲みの発生も見られず、また保存後の画像にブ
ロンズ様の光沢の発生がほとんど見られないインクジェ
ット記録用シートを提供することを目的とする。また本
発明はインクジェット記録により画像を形成することが
でき、高い透明性又は高い光沢度を有し、画像を形成し
た場合、インク写りの発生も、高湿下でのインク滲みの
発生も見られず、また保存後の画像にブロンズ様の光沢
の発生がほとんど見られないインクジェット記録用シー
トを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体及びそ
の上に設けられた色材受容層からなる記録用シートであ
って、該色材受容層が、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン及びビニルピロリドンとビニルピロリド
ンと共重合可能な他のモノマーとの共重合体からなる群
から選ばれる少なくとも一種のポリマー、及びイミダゾ
ール基を有するビニルモノマーの単独重合体及びイミダ
ゾール基を有するビニルモノマーと該ビニルモノマーと
共重合可能な他のモノマーとの共重合体からなる群から
選ばれる少なくとも一種のポリマーの混合物からなり、
かつ該色材受容層が表面層であることを特徴とするイン
クジェット記録用シートにある。
【0011】本発明のインクジェット記録用シートの好
ましい態様は下記のとおりである。 1)色材受容層が、ポリビニルアルコールを全ポリマー
の20〜80重量%の範囲で含む。 2)色材受容層が、ポリビニルピロリドン及びビニルピ
ロリドンとビニルピロリドンと共重合可能な他のモノマ
ーとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種
のポリマー(以下、ビニルピロリドン系ポリマーとも言
う)を、全ポリマーの5〜50重量%の範囲で含む。 3)色材受容層が、及びイミダゾール基を有するビニル
モノマーの単独重合体及びイミダゾール基を有するビニ
ルモノマーと該ビニルモノマーと共重合可能な他のモノ
マーとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一
種のポリマー(以下、イミダゾール基含有ポリマーとも
言う)を全ポリマーの1〜60重量%の範囲で含む。 4)色材受容層が、ポリビニルアルコール、ビニルピロ
リドン系ポリマー及びイミダゾール基含有ポリマーを、
重量比で20〜80:5〜50:1〜60(但し、三種
のポリマーの合計が100である)の割合で含む。 5)色材受容層の水溶性樹脂が、架橋されている。 6)支持体が、白色のポリエステルフィルムである。 7)支持体が、ポリエステルからなる透明フィルムであ
る。 8)上記6)で、記録シートの平行光線透過率が83%
以上(特に85%以上)である。 9)上記7)で、記録シートの光沢度が75%以上(特
に、80%以上)である。 10)色材受容層が、さらにマット剤を0.01〜5重
量%含んでいる。 11)インクジェット記録に使用されるインクが、水性
インク(溶媒の50重量%以上が水のもの)である。 12)支持体と色材受容層との間に、下塗層が設けられ
ている。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用シ
ートは、支持体及び支持体の一方の表面に設けられた色
材受容層とからなる基本構成を有する。色材受容層は支
持体の両面に設けても良い。
【0013】本発明のインクジェット記録用シートは、
例えば下記のようにして製造することができる。本発明
では、支持体としては、透明支持体、高光沢の不透明支
持体及び光沢の低い不透明支持体のいずれも使用するこ
とができる。透明支持体として使用できる材料として
は、透明でOHPあるいはバックライトディスプレイで
使用される時の輻射熱に耐える性質を有する材料が好ま
しい。このような材料としては、ポリエチレンテレフタ
レート等のポリエステル類;ニトロセルロース、セルロ
ースアセテート、セルロースアセテートブチレート等の
セルロースエステル類、更にポリスルホン、ポリフェニ
レンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリ
アミド等を挙げることができる。これらの中で、ポリエ
ステル類が好ましく、特にポリエチレンフタレートが好
ましい。高光沢の不透明支持体としては、色材受容層の
設けられる側の表面が20%以上の光沢度を有するもの
が好ましい。上記光沢度は、各支持体の45度鏡面光沢
度である。
【0014】高光沢の不透明支持体の例としては、アー
ト紙、コート紙、キャストコート紙、銀塩写真用支持体
等に使用されるバライタ紙等の高光沢の紙;ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)等のポリエステル類、ニト
ロセルロース、セルロースアセテート及びセルロースア
セテートブチレート等のセルロースエステル類、更にポ
リスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、
ポリカーボネート、ポリアミド等のプラスチックフィル
ムで、このフィルムに白色顔料等を含有させて不透明に
した高光沢の(表面カレンダー処理等を行なってもよ
い)フィルム、あるいは上記各種紙、上記透明プラスチ
ックフィルムまたは白色顔料等含有プラスチックの表面
に、白色顔料を含有するあるいは含有しないポリオレフ
ィンの被覆層が設けられたフィルム等を挙げることがで
きる。更に、白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム
(例、ポリオレフィン微粒子を含有させ延伸により空隙
を形成したカルシウム含有発泡PET、硫酸バリウムを
含有させ延伸により空隙を形成したフィルム)も挙げる
ことができる。また銀塩写真用支持体として使用されて
いるポリオレフィンコート紙(表面に白色顔料含有ポリ
オレフィン層が設けられた紙支持体等のポリオレフィン
の被覆層が設けられた支持体の一種)、あるいは金属蒸
着層等が設けられた特種紙等を、好適に使用することが
できる。本発明では、上記のような白色顔料を含有する
白色のプラスチックフィルム(特にポリエステルフィル
ム)が好ましい。特に、白色顔料含有ポリオレフィン層
が設けられた紙支持体、白色顔料含有ポリオレフィン層
が設けられたポリエステル(好ましくはPET)フィル
ム、白色顔料含有ポリエステルフィルムあるいは白色顔
料含有発泡ポリエステルフィルムが好ましい。光沢の低
い不透明支持体の例として、一般の紙を挙げることがで
きる。支持体の厚さは、特に制限はないが、50〜20
0μmのものが取り扱い易く好ましい。
【0015】支持体上には下塗層を設けることが好まし
い。下塗層はポリマーからなる層である。ポリマーの例
としては、スチレン・ブタジエン系共重合体、塩化ビニ
リデン系重合体、塩化ビニル系重合体、酢酸ビニル系重
合体、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、
弗化ビニリデン系重合体、弗化ビニリデン系重合体、ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂及びアクリル樹脂を挙
げることができる。スチレン・ブタジエン系共重合体、
塩化ビニリデン系重合体、弗化ビニリデン系重合体、弗
化ビニリデン系重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂及びアクリル樹脂が好ましく、特に、スチレン・ブ
タジエン系共重合体及び塩化ビニリデン系重合体が好ま
しい。上記ポリマーは、共重合成分を導入する等により
水酸基、カルボキシル基、アミノ基、カルボニルジオキ
シ基を有することが好ましい。また下塗層は、上記ポリ
マーのラテックスから形成されることが好ましい。特
に、スチレン・ブタジエン系ラテックス又は塩化ビニリ
デン系ラテックスから形成されることが好ましい。スチ
レン・ブタジエン系ラテックスおよび塩化ビニリデン系
ラテックスは、他の共重合成分として、水酸基を有する
(メタ)アクリルモノマー(例、ヒドロキシエチルアク
リレート)、(メタ)アクリル酸エステルモノマー
(例、メチルアクリレート、メチルメタクリレート)、
アクリロニトリル、カルボキシル基を有する(メタ)ア
クリルモノマー(例、アクリル酸)、多官能モノマー
(例、ジビニルベンゼン)等を20モル%以下の量で一
般に含んでいる。
【0016】下塗層は、架橋剤(接着力付与剤としても
機能する)を含んでいることが好ましい。上記架橋剤と
しては、例えば、アルデヒド類(例、ホルムアルデヒ
ド、グリオキザール及びグルタルアルデヒド)、N−メ
チロール化合物(例、ジメチロール尿素及びメチロール
ジメチルヒダントイン)、ジオキサン誘導体(例、2,
3−ジヒドロキシジオキサン)、カルボキシル基を活性
化することにより作用する化合物(例、カルベニウム、
2−ナフタレンスルホナート、1,1−ビスピロリジノ
−1−クロロピリジニウム及び1−モルホリノカルボニ
ル−3−(スルホナトアミノメチル))、活性ビニル化
合物(例、1、3、5−トリアクロイル−ヘキサヒドロ
−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホン)メタン及び
N,N’−メチレンビス−[βー(ビニルスルホニル)
プロピオンアミド])、トリアジン誘導体(例、2,4
−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン)、エポ
キシ基を有する化合物(例、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、バーサティック酸グリシジルエステル、フェニ
ルグリシジルエーテル)、イソオキサゾール類、メラミ
ン樹脂、イソシアネート化合物及びジアルデヒド澱粉、
などを挙げることができる。これらは、単独または組み
合せて用いることができる。これらの中で、トリアジン
誘導体が好ましい。架橋剤の添加量は、ポリマーに対し
て、0.1〜20重量%が好ましく、特に0.5〜15
重量%が好ましい。
【0017】この下塗層を主として構成するポリマー
は、それぞれ単一素材でも良いし複数の素材の混合系で
もよい。また下塗層は、主として上記ポリマー以外に上
記架橋剤、さらに塗布適性や表面品質を高める目的で各
種の界面活性剤を使用してもよい。上記下塗層の形成
は、例えば、上記ポリマーラテックス、所望により架橋
剤を含む水分散液(塗布液)を、支持体上に塗布、加熱
乾燥することにより実施することができる。塗布は、例
えば、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロ
ッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リ
バースロールコーター、ワイヤーバーコーター、バーコ
ーター等の公知の塗布方法で行なうことができる。乾燥
は、熱風乾燥機により通常50〜180℃で、1〜20
分間乾燥するが、90〜150℃で2〜15分間乾燥す
ることが好ましい。このように形成される下塗層の層厚
は、一般に0.05〜10μmの範囲であり、0.1〜
5μmの範囲が好ましい。また、下塗層が形成される側
の支持体表面は、支持体と下塗層の接着性を更に向上さ
せるために、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処
理、紫外線照射処理等の表面処理を行なうことが好まし
い。
【0018】上記支持体上又は下塗層の上には、本発明
の色材受容層が形成される。本発明の色材受容層は、表
面層であり、この層の上にはいかなる層も設けられるこ
とは無い。色材受容層は、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン及びビニルピロリドンとビニルピロリ
ドンと共重合可能な他のモノマーとの共重合体からなる
群から選ばれる少なくとも一種のポリマー(ビニルピロ
リドン系ポリマー)、及びイミダゾール基を有するビニ
ルモノマーの単独重合体及びイミダゾール基を有するビ
ニルモノマーと該ビニルモノマーと共重合可能な他のモ
ノマーとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも
一種のポリマー(イミダゾール基含有ポリマー)の混合
物からなる。例えば、この混合物(あるいはそれぞれの
ポリマー)を水(適宜親水性溶剤を使用して)に溶解し
て得た水溶性樹脂溶液を、支持体上又は支持体上に設け
られた下塗層の表面に塗布、乾燥することにより、色材
受容層を形成することができる。
【0019】上記ポリビニルアルコールとしては、未変
性のポリビニルアルコール、及びエチレン変性ポリビニ
ルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、ア
ニオン変性ポリビニルアルコール及びシラノール変性ポ
リビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールを挙
げることができる。未変性のポリビニルアルコールが好
ましい。鹸化度は、60〜99.9の範囲が一般的であ
り、70〜99が好ましい。重合度は、100〜300
0の範囲が一般的で、500〜3000が好ましい。
【0020】更に、色材受容層の材料として、ビニルピ
ロリドン系ポリマー(即ち、ポリビニルピロリドン及び
ビニルピロリドンとビニルピロリドンと共重合可能な他
のモノマーとの共重合体の少なくとも一種)が使用され
る。ビニルピロリドンと共重合可能な他のモノマーとし
ては、酢酸ビニル、スチレン、各種アクリル系モノマー
(例、メチルメタクリレート)、無水マレイン酸、塩化
ビニル、エチレン等を挙げることができる。酢酸ビニル
が好ましい。このようなビニルピロリドン系ポリマーと
しては、ポリビニルピロリドン又はビニルピロリドン/
酢酸ビニル共重合体が好ましい。特に、ポリビニルピロ
リドンが好ましい。ビニルピロリドンと他のモノマーと
の比は、99/1〜50/50(モル比)の範囲が好ま
しい。
【0021】更に、色材受容層の材料として、イミダゾ
ール基含有ポリマー(即ち、イミダゾール基を有するビ
ニルモノマーの単独重合体及びイミダゾール基を有する
ビニルモノマーと該ビニルモノマーと共重合可能な他の
モノマーとの共重合体からなる群から選ばれる少なくと
も一種のポリマー)が使用される。このようなビニルポ
リマーとしては、イミダゾール基を有するビニルモノマ
ー(例、ビニルイミダゾール、1−ビニル−3−メチル
イミダゾール塩、イミダゾリノメチレンスチレン、1−
ビニル−3−ヒドロキシエチルイミダゾール塩、1−ビ
ニル−2−メチルイミダゾール)の単独重合体;及びイ
ミダゾール基を有するビニルモノマーとこのビニルモノ
マーと共重合可能な少なくとも一種の他のモノマー
(例、ビニルピロリドン、p−スチレンスルホン酸塩、
p−スチレンスルフィン酸塩、アクリロニトリル、スチ
レン、メチルメタクリレート)の共重合体を挙げること
ができる。イミダゾール基を有するビニルモノマーとし
ては、無置換のイミダゾール基を有するビニルモノマー
が好ましく、特にビニルイミダゾールが好ましい。また
共重合可能な他のモノマーとしては、ビニルピロリド
ン、p−スチレンスルホン酸塩、p−スチレンスルフィ
ン酸塩が好ましい。上記重合体中に、イミダゾール基を
有するビニルモノマー単位を少なくとも30モル%有す
ることが好ましく、少なくとも40モル%が好ましい。
【0022】上記イミダゾール基含有ポリマーの好まし
い例を下記に示す。
【0023】
【化1】
【0024】
【化2】
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】上記の中で、特にa)〜f)のポリマーが
好ましい。
【0028】本発明の色材受容層は、前記ポリビニルア
ルコールを全ポリマーの20〜80重量%の範囲で含む
ことが好ましく、特に30〜70重量%が好ましい。ま
たビニルピロリドン系ポリマーを、全ポリマーの5〜5
0重量%の範囲で含むことが好ましく、特に5〜30重
量%が好ましい。更に、イミダゾール基含有ポリマーを
全ポリマーの1〜60重量%の範囲で含むことが好まし
く、特に2〜50重量%が好ましい。また上記色材受容
層は、ポリビニルアルコール、ビニルピロリドン系ポリ
マー及びイミダゾール基含有ポリマーを、重量比で20
〜80:5〜50:1〜60(但し、三種のポリマーの
合計が100である)の割合で含むことが好ましく、特
に30〜70:5〜30:2〜50の割合で含むことが
好ましい。上記のように、水溶性樹脂として上記PVA
と共にビニルピロリドン系ポリマーを使用し、更に上記
イミダゾール基含有ポリマーを併用することにより、イ
ンク滲み、インク移り性に優れ、かつブロンズ光沢の発
生がほとんどない色材受容層を得ることができる。また
ビニルピロリドン系ポリマーは、色材受容層を塗布によ
り形成する際の塗布性(レベリング)の向上にも寄与す
る。
【0029】上記三種のポリマーに加えて、他の水溶性
樹脂を使用してもよい。このような水溶性樹脂の例とし
ては、親水性構造単位としてヒドロキシル基を有する樹
脂として、セルロース系樹脂(メチルセルロース(M
C)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセ
ルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(C
MC)等)、キチン類及びデンプンを;エーテル結合を
有する樹脂としてポリエチレンオキサイド(PEO)、
ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレング
リコール(PEG)及びポリビニルエーテル(PVE)
を;そしてアミド基またはアミド結合を有する樹脂とし
てポリアクリルアミド(PAAM)を挙げることができ
る。また、解離性基としてカルボキシル基を有するポリ
アクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩及びゼラ
チン類を;スルホン基を有するポリスチレンスルホン酸
塩、アミノ基、イミノ基、第3アミン及び第4アンモニ
ウム塩を有するポリアリルアミン(PAA)、ポリエチ
レンイミン(PEI)、エポキシ化ポリアミド(EPA
m)、ポリビニルピリジン及びゼラチン類を挙げること
ができる。
【0030】上記水溶性樹脂は、色材受容層の耐水性を
改善するために、架橋剤により架橋されることが好まし
い。すなわち、水溶性樹脂と架橋されたポリマー微粒子
を含有する塗布液に架橋剤を添加して、支持体に塗布
し、加熱乾燥する(架橋させる)ことにより、色材受容
層を形成することが好ましい。上記架橋剤としては、例
えば、アルデヒド類(例、ホルムアルデヒド、グリオキ
ザール及びグルタルアルデヒド)、N−メチロール化合
物(例、ジメチロール尿素及びメチロールジメチルヒダ
ントイン)、ジオキサン誘導体(例、2,3−ジヒドロ
キシジオキサン)、カルボキシル基を活性化することに
より作用する化合物(例、カルベニウム、2−ナフタレ
ンスルホナート、1,1−ビスピロリジノ−1−クロロ
ピリジニウム及び1−モルホリノカルボニル−3−(ス
ルホナトアミノメチル))、活性ビニル化合物(例、
1、3、5−トリアクロイル−ヘキサヒドロ−s−トリ
アジン、ビス(ビニルスルホン)メタン及びN,N’−
メチレンビス−[βー(ビニルスルホニル)プロピオン
アミド])、活性ハロゲン化合物(例、2,4−ジクロ
ロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン)、エポキシ基を
有する化合物(例、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
バーサティック酸グリシジルエステル、フェニルグリシ
ジルエーテル)、イソオキサゾール類、メラミン樹脂、
イソシアネート化合物及びジアルデヒド澱粉、などを挙
げることができる。これらは、単独または組み合せて用
いることができる。生産性を考慮した場合、反応活性の
高いグルタルアルデヒド等のアルデヒド類またはメラミ
ン樹脂の使用が好ましい。上記架橋剤は、特にポリビニ
ルアルコールに対して有効である。架橋剤の添加量は、
水溶性樹脂に対して、0.1〜20重量%が好ましく、
特に0.5〜15重量%が好ましい。
【0031】本発明の色材受容層には、上記3種の樹脂
に加えて、インクジェット記録用シートの走行性及び耐
ブロッキング性を改善するためマット剤として、シリ
カ、コロイダルシリカ、珪酸カルシウム、ゼオライト、
カオリナイト、ハロイサイト、白雲母、タルク、炭酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、ベーマイト等の無機微粒
子、あるいはポリメチルメタクリレート微粒子、ポリス
チレン微粒子およびポリエチレン微粒子等の有機微粒子
を含有させても良い。無機微粒子としては、シリカ、コ
ロイダルシリカが好ましく、有機微粒子としてはポリメ
チルメタクリレート微粒子が好ましい。マット剤の色材
受容層中の含有量は、0.01〜5重量%の範囲が好ま
しい。
【0032】この色材受容層を主として構成する上記各
樹脂は、それぞれ単一素材でも良いし複数の素材の混合
系でもよい。また色材受容層は主として上記なるがそれ
以外に粒子の分散性を高める為に各種の無機塩類、PH
調整剤として酸、アルカリを含んでいてもよい。また塗
布適性や表面品質を高める目的で各種の界面活性剤を使
用してもよい。さらに、インクジェット記録に於いて色
素を固定し耐水性を高める目的で媒染剤を使用してもよ
い。また表面の摩擦特性を低減する目的で各種のマット
剤を含んでいてもよい。また色材の劣化を抑制する目的
で各種の酸化防止剤、紫外線吸収剤を含んでいてもよ
い。さらに、蛍光増白剤を含んでいても良い。
【0033】上記色材受容層の形成は、例えば、上記樹
脂等を含む水溶液(塗布液)を透明支持体上に塗布、加
熱乾燥することにより実施することができる。塗布は、
例えばエアードクターコーター、ブレッドコーター、ロ
ッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リ
バースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方
法で行なうことができる。上記水溶液は、溶媒として水
以外に親水性溶媒(例、メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、n−ブタノール)を併用してもよ
い。乾燥は、熱風乾燥機により通常50〜180℃で1
〜20分間乾燥するが、90〜150℃で2〜15分間
乾燥することが好ましい。また、塗布、乾燥後、例えば
スーパーカレンダー、グロスカレンダー等で加熱、加圧
下にロールニップ間を通すことにより、表面平滑性、透
明性及び塗膜強度を向上させることが可能である。
【0034】このようにして得られる色材受容層では、
画像を形成した場合、得られた画像はインク写りの発生
も、高湿下でのインク滲みの発生も見られず、また保存
後の画像にブロンズ様の光沢の発生もほとんど見られな
い。色材受容層を構成する樹脂の内、ポリビニルアルコ
ール(PVA)はインクの吸収する機能を有し、イミダ
ゾール基含有ポリマーは特にインクとの親和性が良好で
インク滲み性等を向上させ、ブロンズ様の光沢の発生を
抑える機能もある程度有する。さらにビニルピロリドン
系ポリマーは特にブロンズ様の光沢の発生を抑えると共
に、塗布性も向上させるので、平滑塗布面が得られるの
で、上記のような優れた特性を有するインクジェット記
録用シートを得ることができる。上記イミダゾール基含
有ポリマーとビニルピロリドン系ポリマーは、色材受容
層上の画像を形成しているインク中の染料の結晶化を防
止することができることから、得られた画像を長期保存
しても、画像にブロンズ様の光沢が発生することがな
く、長期間画質の優れた画像を与える上で効果があると
考えられる。またPVAとイミダゾール基含有ポリマー
の塗布液は、塗布性が良好とは言えず、ビニルピロリド
ン系ポリマーを併用することにより良好な塗布性が得ら
れ、平滑塗布面が得られる。かくして、上記三種の樹脂
から形成される色材受容層は、上記のような優れた特性
を有する。
【0035】また、本発明の色材受容層は通常インク写
り性の改善に用いられる無機微粒子も使用する必要がな
いので、色材受容層の透明性も高く、OHP用シートの
作成に好適に使用することができる。あるいは、高い光
沢度を有する支持体上に、本発明の透明性の高い色材受
容層を設けた場合も、支持体の高光沢を損なうことな
く、高い画質のインク画像を形成することができる。上
記色材受容層が透明支持体上に設けられたインクジェッ
ト記録用シートは、色材受容層の透過率が高いので、シ
ート自身も一般に80%以上の透過率を有する。83%
以上が好ましく、特に85%以上が好ましい。また上記
色材受容層が高光沢の不透明支持体上に設けられたイン
クジェット記録用シートは、シート表面の光沢率が一般
に70%以上であり、75%以上が好ましく、特に80
%以上が好ましい。
【0036】
【実施例】
【0037】[実施例1] 色材受容層形成用塗布液の組成 ポリビニルアルコール20重量%水溶液 31.9重量部 (鹸化度:81;PVA405、クラレ(株)製) ポリビニルピロリドン10重量%水溶液 22.8重量部 (PVPK−90、ISP社製) イミダゾール基含有ポリマー10重量%水溶液 4.6重量部 (前記ポリマー例の(d)のポリマー) マット剤 0.7重量部 (MX−1000(PMMA粒子)4重量%水分散液、 綜研化学(株)製) メラミン樹脂 4.1重量部 (スミレーズ#613の10重量%水分散液、 住友化学工業(株)製) アミン塩酸塩 0.8重量部 (ACX−Pの5重量%水分散液、 住友化学工業(株)製) 界面活性剤 1.8重量部 (F−144Dの10重量%水溶液、 大日本インキ化学工業(株)製) 水 33.3重量部 上記組成の材料を混合して色材受容層形成用塗布液を得
た。
【0038】この塗布液を、白色のポリエチレンテレフ
タレートフィルム(D534、ICIジャパン社製)の
表面に、バーコーターを用いて塗布し、熱風乾燥機によ
り120℃で10分間乾燥した。これにより乾燥膜厚が
10μmの色材受容層を形成した。こうして白色のポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に、色材受容層が設
けられたインクジェット記録用シートを得た。
【0039】[実施例2]実施例1において、色材受容
層形成用塗布液のイミダゾール基含有ポリマーを前記ポ
リマー例の(d)のポリマーから(e)のポリマーに変
えた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用
シートを作成した。
【0040】[実施例3]実施例1において、色材受容
層形成用塗布液のイミダゾール基含有ポリマーを前記ポ
リマー例の(d)のポリマーから(b)のポリマーに変
えた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用
シートを作成した。
【0041】[実施例4]実施例1において、白色のポ
リエステルフィルムを表面がコロナ放電処理されたポリ
エチレンテレフタレートフィルム(厚さ100μm)に
変えた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録
用シートを作成した。
【0042】[実施例5]実施例1において、色材受容
層形成用塗布液におけるポリビニルアルコール20重量
%水溶液を31.9重量部から25.5重量部に変え、
ポリビニルピロリドン10重量%水溶液を22.8重量
部から4.6重量部に変え、そしてイミダゾール基含有
ポリマー10重量%水溶液を4.6重量部から32.2
重量に変えた以外は実施例1と同様にしてインクジェッ
ト記録用シートを作成した。
【0043】[実施例6]実施例1において、色材受容
層形成用塗布液におけるポリビニルアルコール20重量
%水溶液を31.9重量部から21.3重量部に変え、
ポリビニルピロリドン10重量%水溶液を22.8重量
部から4.6重量部に変え、そしてイミダゾール基含有
ポリマー10重量%水溶液を4.6重量部から41.4
重量に変えた以外は実施例1と同様にしてインクジェッ
ト記録用シートを作成した。
【0044】[実施例7]実施例1において、色材受容
層形成用塗布液におけるポリビニルアルコール20重量
%水溶液を31.9重量部から21.3重量部に変え、
そしてポリビニルピロリドン10重量%水溶液を22.
8重量部から41.0重量部に変えた以外は実施例1と
同様にしてインクジェット記録用シートを作成した。
【0045】[比較例1] 色材受容層形成用塗布液の組成 ゼラチン10重量%水溶液 20重量部 −COONaを有するポリマー(A)10重量%溶液 10重量部 (下記のポリマー(A)) イミダゾール基含有ポリマー10重量%水溶液 40重量部 (前記ポリマー例の(b)のポリマー) 水 30重量部
【0046】
【化5】
【0047】上記組成の材料を混合して色材受容層形成
用塗布液を得た。この塗布液を、白色のポリポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(D534、ICIジャパン
社製)の表面に、バーコーターを用いて塗布し、熱風乾
燥機により120℃で10分間乾燥した。これにより乾
燥膜厚が10μmの色材受容層を形成した。この色材受
容層上に、ゼラチン溶液を塗布し、厚さ0.5μmのゼ
ラチン層を形成した。こうして白色のポリポリエチレン
テレフタレートフィルム上に、色材受容層及びゼラチン
層が設けられたインクジェット記録用シートを得た。
【0048】[比較例2] 色材受容層形成用塗布液の組成 ゼラチン10重量%水溶液 30重量部 イミダゾール基含有ポリマー10重量%水溶液 45重量部 (前記ポリマー例の(d)のポリマー) 水 25重量部
【0049】上記組成の材料を混合して色材受容層形成
用塗布液を得た。この塗布液を、白色のポリポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(D534、ICIジャパン
社製)の表面に、バーコーターを用いて塗布し、熱風乾
燥機により120℃で10分間乾燥した。これにより乾
燥膜厚が10μmの色材受容層を形成した。
【0050】 表面層形成用塗布液の組成 −COONaを有するポリマー(A)10重量%溶液 10重量部 (上記のポリマー(A)) 硬膜剤(B)10重量%水溶液 10重量部 水 30重量部
【0051】
【化6】
【0052】上記組成の材料を混合して表面層形成用塗
布液を得た。この塗布液を、上記色材受容層上に塗布
し、厚さ1.0μmの表面層を形成した。こうして白色
のポリポリエチレンテレフタレートフィルム上に、色材
受容層及び表面層が設けられたインクジェット記録用シ
ートを得た。
【0053】上記で得られた透明支持体に下塗層及び色
材受容層が設けられたインクジェット記録用シートにつ
いて、以下の測定方法によってそのインクジェット適性
を評価した。 (1)インク写り性 インクジェットカラープリンター(PM−700C;セ
イコーエプソン(株)製)により、記録用シートへ黄
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のベ
タ印画を行ない、20分後にコピー用紙(PPC(電子
写真複写機)用紙WR、富士ゼロックス(株)製)をゴ
ムローラで接触押圧(条件:0.6kg/cmの線圧)
した。そしてコピー用紙に転写されたインキ量を目視で
評価した。 AA:印画部の転写が全く見られない。 BB:印画部の若干の転写が見られる。 CC:印画部が転写し、色材受容層にも転写により画像が
消失したことを示す跡が見られる。 (2)ブロンズ光沢 上記(1)と同じプリンターを用いて、記録用シートへ
黒のベタ印画を行ない、印画したシートを23℃、65
%RHの雰囲気に24時間放置し、放置後の黒印画部を
目視で下記のように評価した。 AA:ブロンズ様の光沢の発生が見られない。 BB:ブロンズ様の光沢の発生が部分的に見られる。 CC:ブロンズ様の光沢の発生が全面に見られる。 (3)高湿下での画像の滲み (1)と同一のプリンターを用いて、記録用シートに黄
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のベ
タ印画を行ない、印画した記録用シートを28℃、85
%RHの環境下に3日間放置した。ベタ印画部の滲みの
程度を目視で下記のように評価した。 AA:ベタ印画部に滲みが見られない BB:ベタ印画部の一部に滲み見られる CC:ベタ印画部のかなりの部分で滲み見られる (4)光沢度 上記実施例及び比較例で得られた高光沢の不透明支持体
及び記録用シートについて、入射角45度にて下記のよ
うに光沢度を測定した。即ち、それぞれ試験片を6枚作
成し、光沢度計(デジタル変角光沢計、スガ試験機
(株)製)を用いて測定した。得られた測定値の平均値
を光沢度とした。 (5)平行光線透過率 ヘイズメーター(HGM−2DP;スガ試験機(株)
製)を用い平行光線透過率を測定した。
【0054】上記評価結果を下記の表1に示す。
【0055】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 色材受容層 ブロンズ インク 光沢度(%) 高湿下 (組成/比率) 光沢 写り性 支持体 シート 滲み ──────────────────────────────────── 実施例1 PVA/PVP/(d) AA AA 52.6 90.7 AA =63.8/22.8/4.6 実施例2 PVA/PVP/(e) AA AA 52.6 90.7 AA =63.8/22.8/4.6 実施例3 PVA/PVP/(b) AA AA 52.6 91.4 AA =63.8/22.8/4.6 実施例4 PVA/PVP/(d) AA AA -- 89.1 AA =63.8/22.8/4.6 (透過率) ──────────────────────────────────── 実施例5 PVA/PVP/(d) AA AA 52.6 91.3 AA =51.0/4.6/32.2 実施例6 PVA/PVP/(d) AA AA 52.6 91.6 AA =42.6/4.6/41.4 実施例7 PVA/PVP/(d) AA BB 52.6 91.4 BB =42.6/41.0/4.6 ──────────────────────────────────── 比較例1 gel/(A)/(b) BB CC 52.6 87.5 BB =20/10/40とgel 比較例2 gel/(d)=30/45 と BB CC 52.6 87.0 BB (A)/(B)=10/10 ──────────────────────────────────── 備考) PVA:ポリビニルアルコール PVP:ポリビニルピロリドン gel:ゼラチン (d)(e)(b)(f): イミダゾール基含有ポリマー (A):−COONaを有するポリマー (B):硬膜剤
【0056】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用シートで
は、画像を形成した場合、得られた画像はインク写りの
発生も、高湿下でのインク滲みの発生も見られず、また
保存後の画像にブロンズ様の光沢の発生もほとんど見ら
れない。本発明の記録用シートの色材受容層を構成する
樹脂の内、ポリビニルアルコール(PVA)はインクの
吸収する機能を有し、イミダゾール基含有ポリマーは特
にインクとの親和性が良好でインク滲み性等を向上さ
せ、ブロンズ様の光沢の発生を抑える機能もある程度有
する。さらにビニルピロリドン系ポリマーは特にブロン
ズ様の光沢の発生を抑えると共に、塗布性も向上させる
ので、上記のような優れた特性を有するインクジェット
記録用シートを得ることができる。また、本発明の色材
受容層は透明性についても良好であるので、本発明のイ
ンクジェット記録用シートはOHP用シート等の透明性
が要求される画像シートの作成に好適に使用することが
できる。また、高い光沢度を有する支持体上に本発明の
透明性の高い色材受容層を設けた場合、支持体の高光沢
を損なうことなく、高い画質のインキ画像を形成するこ
とができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体及びその上に設けられた色材受容
    層からなる記録用シートであって、該色材受容層が、ポ
    リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びビニル
    ピロリドンとビニルピロリドンと共重合可能な他のモノ
    マーとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一
    種のポリマー、及びイミダゾール基を有するビニルモノ
    マーの単独重合体及びイミダゾール基を有するビニルモ
    ノマーと該ビニルモノマーと共重合可能な他のモノマー
    との共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種の
    ポリマーの混合物からなり、かつ該色材受容層が表面層
    であることを特徴とするインクジェット記録用シート。
  2. 【請求項2】 該色材受容層が、ポリビニルアルコール
    を全ポリマーの20〜80重量%の範囲で含む請求項1
    に記載のインクジェット記録用シート。
  3. 【請求項3】 該色材受容層が、ポリビニルピロリドン
    及びビニルピロリドンとビニルピロリドンと共重合可能
    な他のモノマーとの共重合体からなる群から選ばれる少
    なくとも一種のポリマーを、全ポリマーの5〜50重量
    %の範囲で含む請求項1に記載のインクジェット記録用
    シート。
  4. 【請求項4】 該色材受容層が、イミダゾール基を有す
    るビニルモノマーと該ビニルモノマーと共重合可能な他
    のモノマーとの共重合体からなる群から選ばれる少なく
    とも一種のポリマーを全ポリマーの1〜60重量%の範
    囲で含む請求項1に記載のインクジェット記録用シー
    ト。
  5. 【請求項5】 該支持体が、白色のポリエステルフィル
    ムである請求項1に記載のインクジェット記録用シー
    ト。
  6. 【請求項6】 該支持体が、ポリエステルからなる透明
    フィルムである請求項1に記載のインクジェット記録用
    シート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999006890A1 (en) * 1997-07-30 1999-02-11 Kodak Polychrome Graphics, L.L.C. Overcoat for light-sensitive materials comprising a (1-vinylimidazole) polymer or copolymer
US6815021B1 (en) 1999-04-02 2004-11-09 Seiko Epson Corporation Recording medium for ink jet printers
JP2007177572A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 建築板

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