JPH1111002A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JPH1111002A
JPH1111002A JP9166065A JP16606597A JPH1111002A JP H1111002 A JPH1111002 A JP H1111002A JP 9166065 A JP9166065 A JP 9166065A JP 16606597 A JP16606597 A JP 16606597A JP H1111002 A JPH1111002 A JP H1111002A
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JP
Japan
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ink
resin
weight
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JP9166065A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Nemoto
浩幸 根本
Koichi Yasui
広一 保井
Shiyunichirou Mukouyoshi
俊一郎 向吉
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吸収性やインク乾燥性が良好で、ニジ
ミが少なく、光沢があり、ドットの再現が良好で高精細
な印刷が得られ、フルカラーの印刷に適し、耐水性のあ
るOHP用或いは光沢タイプのインクジェット記録用シ
ートを提供する。 【解決手段】 支持体にインク受容層を設けたインクジ
ェット記録用シートにおいて、該インク受容層がウレタ
ン系ポリマー水性樹脂分散体、ポリビニルアルコール類
及びカチオン性樹脂を含有する組成物或いはこれらの反
応生成物を含有することを特徴とするインクジェット記
録用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精細な画像が得
られ、フルカラー画像の記録に適し、耐水性に優れるイ
ンクジェット記録用シートに関し、特に表面光沢に優れ
るインクジェット記録用シート、或いはオーバーヘッド
プロジェクター等に用いられる光透過性のインクジェッ
ト記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は種々の方法で
インクの小液滴をノズルより飛翔させ、被記録シートに
インク液滴を付着吸収させて記録を行う方式である。こ
の方式は騒音が少なく高速で記録することが可能であ
り、またカラー化にも対応できるなどの特徴を有してお
り、種々の用途で利用されている。近年パーソナルコン
ピューターの高性能化や、マルチメディアの普及によ
り、カラーを含む文書や、フルカラー画像などを、オフ
ィスや家庭でも印刷したいという要望が高まり、インク
吸収性やインク乾燥性が良好でフルカラー画像の印刷出
力を高速で行うことができ、ニジミが少なくドット再現
が良好で、高精細の印刷画像が得られ、コンベンショナ
ルの銀塩写真に匹敵する光沢が得られるインクジェット
記録用シートが求められている。また、講演あるいは発
表会などのプレゼンテーションの場面で、カラー印刷し
たOHPシートを使用する機会が増加し、こうした用途
に適した光透過性のインクジェット記録用シートが求め
られている。更にサインディスプレイやショーウィンド
ウなどでも、インクジェット記録方式で記録された光透
過性あるいは半透明の記録用シートが使用される機会が
増加し、これら用途に適した記録用シートの出現が要望
されている。
【0003】従来より、一般的なインクジェット記録用
シートとしては、紙シートに、水溶性樹脂(例えば、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキ
シルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ゼラチンなど)あるいは各種ラテックスエマルジョン
(例えば、スチレンブタジエン共重合体ラテックスエマ
ルジョン、アクリルエマルジョンなど)と、無機顔料
(例えば、シリカ、炭酸カルシウム、サチン、コロイダ
ルシリカ、アルミナなど)などを含む塗料を塗工してイ
ンク受容層を設けたものが使用されている。あるいは光
沢を高めるために、これらにカレンダーや、あるいはキ
ャスト法により光沢性を付与したインクジェット記録用
シートも使用されている。しかし一般的に言って、紙支
持体にインク受容層を塗工したインクジェット記録用シ
ートは、インク吸収性やインク乾燥性は良好なものの、
光沢性や、インクドットの再現、すなわち高精細画像の
再現性が劣るという問題があった。また紙支持体ばかり
でなく、インク受容層も光透過性が乏しいために、OH
P用途には使用できなかった。
【0004】光沢性や高精細画像の再現性を高めるため
に、支持体に白色ポリエステルフィルムや、あるいは原
紙にポリエチレンと白色顔料から成る樹脂組成物を被覆
したラミネートシートを用い、インク受容層として、水
溶性樹脂(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロースなど)を主体に、これに少
量の薬剤(例えば、耐水性向上のための架橋剤、ブロッ
キング防止のための無機顔料、インク定着性改善のため
のカチオン性樹脂など)を加えて調製した塗料を塗工し
たインクジェット記録用シートも試みられている。しか
し、これらの方法では、光沢性や高精細画像の再現性は
改善される反面、こうしたインクジェット記録用シート
では、シート状支持体はインク吸収性を持たないため
に、インク全量をインク受容層に吸収させる必要がある
が、水溶性樹脂を主体とするインク受容層は、インクを
吸収し膨潤した後ゆっくりとインク溶媒が蒸発して乾燥
するため、吸収性の無機顔料を有するインク受容層に比
較してインク吸収性やインク乾燥性が劣るとの問題があ
った。
【0005】紙支持体を用いたインクジェット記録用シ
ートのように、吸収性を有する無機顔料をインク受容層
に配合する試みもなされているが、インク吸収性を有す
る無機顔料は、粒子径が数μmと比較的大きいものがほ
とんどで、インク吸収性は改善されても、インク受容層
の透明性が低下する、あるいは表面がざらざらになり光
沢を有するインク受容層が得られなかった。
【0006】また、オーバーヘッドプロジェクター用の
光透過性のインクジェット記録用シートは、一般的に透
明ポリエステルフィルムなどの光透過性フィルムに、イ
ンク受容層として、水溶性樹脂(例えば、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースな
ど)を主体に、これに少量の薬剤(例えば、耐水性向上
のための架橋剤、ブロッキング防止のための無機顔料、
インク定着性改善のためのカチオン性樹脂など)を加え
て調製した塗料を塗工したインクジェット記録用シート
が使用されている。しかしこうしたインクジェット記録
用シートは、透明性を維持するために、シリカなどの吸
収の高い無機顔料は極く少量しか配合できず、インク吸
収性やインク乾燥性が劣る問題がある。また擬ベーマイ
トのような微細顔料を主体とするインク受容層を有した
OHP用インクジェット記録用シートも試みられている
が、透明性が樹脂主体のインクジェット記録用シートに
比べて劣る、経時的にインクが滲んで画像がぼやける、
あるいは高価であるなどの問題点があった。特開昭60
−168651号公報には、支持体表面にポリビニルア
ルコールおよびポリアクリル酸系水溶性高分子とを含有
する被覆層を有することを特徴とする液体吸収性のシー
トが開示されている。特開昭60−145879号公報
には、透明な支持体の少なくとも片面に鹸化度75%以
上のポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンの混
合物からなる皮膜を形成させていることを特徴とする記
録シートが開示されている。しかしながらポリビニルア
ルコールと水溶性高分子の組み合わせでは、インク乾燥
性が遅いほか、耐水性が劣るとの問題があった。
【0007】特公平3−25352号公報は、表面光沢
度が80%以上のキャストコート紙または、ハンター白
色度が80%以上のプラスチックシートなどのシート上
に、鹸化度が50〜90モル%であるポリビニルアルコ
ールと対ポリビニルアルコール5〜50重量%の架橋剤
を含有する皮膜を形成したことを特徴とする強光沢を有
するインクジェット記録体を開示している。更に、特開
平6−72015号公報にはフィルムシートの少なくと
も片面に、三次元粗さ計で測定したSRaが1.0〜
2.0μmの範囲にある耐水性を有したインク受理層が
設けられたことを特徴とする透明度70%以上のインク
ジェット記録用マットフィルムが開示されている。基材
の白色度や粗さなどを特定の値にすることにより、出来
上がったインクジェット記録用シートの外観を高めるこ
とはできるが、ポリビニルアルコールなどの水溶性樹脂
類にグリオキザールなどの架橋剤を加えて調製したイン
ク受容層ではインク乾燥性と耐水性とを両立することは
困難であった。特開平7−137431号公報には、ベ
ック平滑度が1000秒以上の非吸収体をシート状支持
体とし、インク受容層に粒径0.1μm未満のカチオン
無機微粒子と、鹸化度85〜95モル%で重合度400
0以上のポリビニルアルコールを使用するインクジェッ
ト記録体を開示している。しかしカチオン無機微粒子を
配合するだけではインク乾燥性は改善できなかった。
【0008】特開昭57−107880号公報では、支
持体表面に、無機顔料および水性高分子接着層を含有す
る被覆層を設けてなる第二原図用記録シートが開示され
ている。だが、インク受容層に無機顔料を配合する場合
には、少量ではインク乾燥性の改善効果が発揮されない
ばかりか、インク受容層が不透明になり、OHPタイプ
のインクジェット記録用シートや光沢タイプのインクジ
ェット記録用に求められる透明なインク受容層を得るこ
とは困難であった。インク受容層に各種ラテックスエマ
ルジョンなどの水系樹脂分散体を使用する試みも行われ
ている。例えば、特開昭56−99694号公報は、支
持体表面に、互いに独立した粒子状態にあるラテックス
またはワックスの層を形成したことを特徴とするインク
ジェット記録用記録媒体を開示している。特開平3−2
95681号公報には、透明なプラスチックフィルムか
ら成る基材の少なくとも片面に、変性アクリルエマルジ
ョンとコロイダルシリカとを主成分とする塗工液を塗布
してインク定着層を設けてなることを特徴とする透明印
刷用紙が開示されている。
【0009】特開平7−257055号公報には、数平
均分子量500〜8000、ガラス転移点温度15℃以
上のポリエステルポリオール、有機ジイソシアネートお
よび活性水素基を有する鎖延長剤を、活性水素基/イソ
シアネート基>1.0(当量比)で反応して得られるポ
リウレタン樹脂を含む、画像記録媒体用樹脂組成物が開
示されている。特開平7−25133号公報は、シート
状支持体として中心線平均粗さが0.4μm未満である
樹脂被覆紙またはポリエステルフィルムを使用し、イン
ク受容層に粒子径5〜15μmの球状微粒子ポリマーを
配合し、塗工量が5〜30mg/m2 であるインクジェ
ット記録体を開示している。しかしながら、単にインク
受容層に水系樹脂分散体を用いるだけでは、インク受容
層のインク吸収性が不足する、あるいは透明性や光沢が
低下する、塗膜耐水性が劣るなどの問題あった。また印
刷後にインク受容層に水が付着するとインクジェットイ
ンクの染料が溶けだして、ニジミを生じて印刷が不鮮明
になるなどの欠点があった。
【0010】特開平1−146785号公報には、透明
な支持体の少なくとも片面に水溶性ポリマーとフッ素系
界面活性剤および両性界面活性剤を含有する層を設ける
ことを特徴とするインクジェット記録用シートが開示さ
れている。特開平3−146389号公報には、非多孔
質支持体上にバインダー樹脂と、皮膜全重量に対して5
〜20重量%のフッ素系界面活性剤を含有する皮膜を形
成してなることを特徴とする被記録材が開示されてい
る。しかしながらインク受容層にフッ素系界面活性剤を
配合しても、インク乾燥性は改善されなかった。すなわ
ちインク乾燥性はインク受容層の水溶性樹脂(例えばポ
リビニルアルコール、ゼラチン、ヒドロキシエチルセル
ロース)などの影響を受けるため、上述のごとくインク
乾燥性と耐水性を満足することはできなかった。特開平
2ー276670号公報はフィルムシートにコロナ処理
あるいはプレコートを施し、インク受容層として擬ベー
マイト含有層を形成したインクジェット記録用シートが
開示されている。擬ベーマイトとしては、半径が40〜
100オングストローム、細孔の全容積は0.1〜0.
4cc/gのものを使用する。しかし、インク吸収性は
良好なものの、保存中に空気中の湿気を吸ったり、ある
いは水滴が付着すると、インクが滲んで、印刷がぼやけ
るとの問題があった。また擬ベーマイトなどの微細顔料
は一般に高価である。あるいは微細顔料をOHPシート
に使用する試みもなされているが、上述の問題のほか、
微細顔料を用いたインク受容層は透明にすることが難し
く、投影したとき像が暗くなったり、不鮮明になりがち
であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決し、インク吸収性やインク乾燥性が良好で、ニジミ
が少なく、高精細な印刷に適し、光沢性と耐水性の良好
なインク受容層を有する各種インクジェット記録用シー
トを提供するものである。本発明はフルカラー画像の印
刷に適し、耐水性を兼ね備えた、オーバーヘッドプロジ
ェクター用の光透過性のインクジェット記録用シートを
提供する。本発明は、銀塩写真並の優れたフルカラー画
像の記録に適し、耐水性を兼ね備えた光沢タイプのイン
クジェット記録用シートを提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の態様を含
む。 [1] 支持体にインク受容層を設けたインクジェット
記録用シートにおいて、該インク受容層がウレタン系ポ
リマー水性樹脂分散体、ポリビニルアルコール類及びカ
チオン性樹脂を含有する組成物或いはこれらの反応生成
物を含有することを特徴とするインクジェット記録用シ
ート。 [2] インク受容層がフッ素系界面活性剤を含有する
ことを特徴とする[1]記載のインクジェット記録用シ
ート。 [3] 支持体が、原紙に樹脂組成物を被覆した樹脂被
覆紙、原紙に放射線硬化性樹脂を硬化させてなる層を設
けた支持体、透明プラスチックフィルム、半透明プラス
チックフィルム、または白色プラスチックフィルムであ
ることを特徴とする[1]または[2]記載のインクジ
ェット記録用シート。
【0013】[4]ウレタン系ポリマーが少なくともポ
リエステルポリウレタンポリマー,アクリルウレタンポ
リマーまたはポリカーボネートウレタンポリマーを含む
[1]〜[3]のいずれかに記載のインクジェット記録
用シート。 [5]支持体が透明プラスチックフィルムである[3]
記載のインクジェット記録用シート。 [6]支持体が半透明プラスチックフィルムである
[3]記載のインクジェット記録用シート。 [7]支持体が、白色ポリエステルフィルムである
[3]記載のインクジェット記録用シート。
【0014】[8] 支持体が、原紙に樹脂組成物を被
覆し、その被覆表面に成形面を押しあてた樹脂被覆紙で
あることを特徴とする[3]記載のインクジェット記録
用シート。 [9]支持体が、原紙と、その少なくとも1面をポリオ
レフィン樹脂組成物で被覆してなり、その樹脂被覆層が
溶融押し出し塗工法により形成され表面がクーリングロ
ールを押しあてて表面を冷却固化された[8]記載のイ
ンクジェット記録用シート。 [10]支持体が、原紙の少なくとも1面を放射線硬化性
樹脂を含む樹脂組成物で被覆してなり、その樹脂被覆層
表面に形成面を押しあてながら放射線を照射し硬化させ
てなる[3]記載のインクジェット記録用シート。
【0015】〔11〕 支持体が透明支持体でありインク
ジェット記録用シートの全光線透過率が85%以上、か
つヘイズ度(JIS−K−7105)が10%以下であ
ることを特徴とする〔1〕から〔5〕のいずれかに記載
のインクジェット記録用シート。なおヘイズ度は拡散透
過率と全光線透過率との比である。 〔12〕支持体が半透明若しくは不透明支持体であり、イ
ンクジェット記録用シートの記録を行う面の75度光沢
度(JIS−P−8142)が85%以上であることを
特徴とする〔1〕から〔4〕または〔6〕から〔10〕
のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
【0016】
【発明の実施の形態】まず、本発明の支持体について説
明する。支持体としてはシート状支持体が用いられる。
インクジェット記録用シートがOHP用等に使用される
透明タイプの態様では透明プラスチックシートが使用さ
れる。透明プラスチックシートとしてはポリエステルシ
ート、あるいはポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネ
ートフィルム、ポリイミドフィルム、ジアセテートフィ
ルム、トリアセテートフィルム、ポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、
アクリルフィルム、セロファン、セルロイド、などが例
示される。あるいはガラス板を使用する事も可能であ
る。透過光により観察する記録シートの態様において、
透明プラスチックシートはOHPで投影したとき、十分
な明るさが得られれば、材質に制限はなく、上記フィル
ムのほか各種共重合体プラスチックや、あるいは2種類
以上のプラスチックを混合して溶融延伸したフィルムで
あってもよい。あるいは、プラスチックフィルムには、
加工性あるいはプリンターでの取り扱いを容易にする目
的で、少量の顔料フィラーや、帯電防止剤、滑剤、防曇
剤などを添加することが出来る。あるいは、サインディ
スプレーなどの用途では、半透明のプラスチックフィル
ムまたは、紙支持体に樹脂組成物を被覆した半透明性の
シート状支持体を使用して、透過光により印刷物を観察
することもできる。
【0017】インクジェット記録用シートが印刷物とし
て反射光で観察する態様では、シート状支持体は、白色
プラスチックフィルムまたは、紙支持体に樹脂組成物を
被覆したシート状支持体、あるいは各種紙シートが例示
される。白色プラスチックフィルムとしては、二酸化チ
タンや硫酸バリウムなどの白色顔料の1種または2種類
以上をポリエステル、あるいはポリ塩化ビニル、ポリカ
ーボネート、ポリイミド、ポリアセテート、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどに混合分散した
フィルムが例示され、公知の方法により(例えば溶融延
伸法により)製造されたものである。これらの白色プラ
スチックフィルムは上述の透明プラスチックフィルムと
同様に、各種共重合体プラスチックや、あるいは2種類
以上のプラスチックを混合して溶融延伸したフィルムで
あってもよく、少量の帯電防止剤や、滑剤、防曇剤など
を添加することができる。
【0018】原紙に樹脂組成物を被覆して形成したシー
ト状支持体としては、原紙と、その少なくとも一方の面
(インクジェット記録が施される側)に、ポリオレフィ
ン等の熱可塑性樹脂に白色顔料を混合分散した樹脂組成
物を、溶融押し出し法により塗工した樹脂被覆紙が例示
される。なかでも表面に鏡面を有する冷却ロールを押し
あてて冷却固化した樹脂被覆紙が表面性と光沢性から好
ましい。あるいは被覆層は2層以上の多層であってもよ
い。ポリオレフィン樹脂としては、エチレン、α−オレ
フィン類、例えばプロピレンなどの単独重合体、あるい
は前記オレフィンの少なくとも2種類の共重合体、およ
びこれらの各種重合体の混合物などから選ぶ事ができ
る。
【0019】好ましいポリオレフィン樹脂は、低密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチ
レン、ポリプロピレンおよびこれらの混合物である。ポ
リオレフィン樹脂の分子量に特に制限はないが、20,
000〜200,000の範囲のものが通常使用でき
る。ポリエチレン樹脂としては市販品から適宜選択して
使用する事ができるが、その密度は0.915〜0.9
60、メルトインデックスは2〜20g/10分である
ことが好ましい(JIS K−676)。さらにポリオ
レフィン樹脂には顔料を配合することが、白色度、鮮明
性の点から好ましい。顔料としては、アナターゼ型二酸
化チタン、ルチル型二酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、
炭酸カルシウム、アルミナ、シリカ、合成ゼオライトな
どから適宜選択して、その1種または2種類以上を混合
して使用する事ができ、特に光沢と白色度の点からアナ
ターゼ型二酸化チタンが好ましい。さらに樹脂被覆層に
は添加剤として、有色顔料、染料、蛍光増白剤、酸化防
止剤、可塑剤、および分散剤などを必要に応じて添加す
ることもできる。樹脂被覆層は、公知の溶融押し出し塗
工法により紙支持体に塗工形成される。溶融押し出し塗
工を実施するには、通常ポリオレフィン樹脂を顔料と溶
融混練し、走行するシート状紙支持体の上に押し出し機
のスリットダイからフィルム状に押し出し塗工する、通
常押し出し温度は150〜350℃であることが好まし
い。また表面を冷却固化する際にはクロームメッキなど
で鏡面仕上げされたクーリングロールを使用する事が好
ましい。
【0020】あるいは、原紙に樹脂組成物を被覆したシ
ート状支持体としては、原紙と、その少なくとも一方の
面に、放射線硬化性の不飽和有機化合物と二酸化チタン
や硫酸バリウムなどの白色顔料を混合分散して調製した
樹脂組成物を塗工し、これに平滑な表面を有する光沢形
成面をおしあてながら紫外線や電子線などの放射線を照
射してこれを硬化させたのち、光沢形成面を剥がした樹
脂被覆紙を例示する事ができる。あるいはいったん樹脂
組成物を光沢形成面に塗工し、これに紫外線や電子線な
どの放射線を照射して塗膜を硬化させた後、これを紙支
持体に接着層を介して接合一体化した樹脂被覆紙を使用
することもできる。シート状支持体の厚さはインクジェ
ット記録用シートとして使用できれば特に制限はない
が、25〜500μmが好ましく、より好ましくは50
〜300μmである。薄いと、シートの剛度が不足し、
プリンターでの給紙走行性や取り扱いに不都合が生じる
恐れがある。一方、厚いと支持体は剛直になりプリンタ
ーでの給紙走行性のトラブルを生じる恐れがあり、また
コストを無用に引き上げる。上記の範囲では反射で観察
する場合にも適度な白色度や不透明度が得られ好まし
い。
【0021】支持体には、インク受容層との親和性を高
めるために下引層を設けることができる。下引層は支持
体の製造工程(フィルムの延伸工程)で設けることもで
き、また支持体の製造後、あらためて塗設する事もでき
る。下引層として使用する材料としては、インク受容層
と親和性のある樹脂類、例えば、水溶性樹脂(例えば、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボ
キシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ゼラチンなど)あるいは各種ラテックスエマルジョ
ン(例えば、スチレンブタジエン共重合体ラテックスエ
マルジョン、アクリルエマルジョン、ポリエステルエマ
ルジョンなど)、あるいはポリエステル系樹脂分散体な
どを例示することができる。また下引層には必要に応じ
て種々の界面活性剤を適宜配合することもできる。これ
により塗液のハジキを防止し、均一な塗工層を得ること
ができる。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン
性、ノニオン性の各種界面活性剤やフッ素系の界面活性
剤を例示することができる。あるいはコロナ放電処理、
火炎処理などの公知の表面活性化処理をほどこしてシー
ト状支持体とインク受容層との親和性を高めることもで
きる。また下引層と表面活性化処理とを併用することも
できる。
【0022】またシート状支持体の裏面に、インクジェ
ット記録用シートのカールを抑制する目的で、あるいは
プリンターでの走行性を改善する目的で、あるいは静電
気発生蓄積の防止・筆記性付与・汚れ付着防止等の目的
で、裏面層を設けることもできる。裏面塗工層の構成お
よび塗工量は特に限定されないが、カールの発生は湿度
変化に伴うインク受容層の水分の吸放出による収縮によ
るものと考えられるため、インク受容層と類似の構成・
塗工量が効果的である。
【0023】次に本発明のインク受容層について説明す
る。本発明のインク受容層は、ウレタン系ポリマー水性
樹脂分散体と、ポリビニルアルコール類及びカチオン性
樹脂を含有する組成物またはこれらの反応生成物を含有
する。
【0024】ウレタン系ポリマーは、構造中にウレタン
基を含むポリマーであり、その1種類あるいは2種類以
上の混合物であってもよい。なかでもポリエステルポリ
ウレタンポリマー,アクリルウレタンポリマー,ポリカ
ーボネートウレタンポリマーは塗膜強度、耐磨耗性、耐
候性、柔軟性のバランスがよく好ましい。ポリエステル
−ポリウレタン重合体の製法は特に限定しない。例え
ば、ポリエステルポリオールと多価イソシアネートとを
反応させたのち、例えば、鎖延長剤、中和剤を用いて製
造することができる。また脱溶剤することもできる。ポ
リエステルポリオールとしては、グリコール成分とジカ
ルボン酸成分を反応させたものが例示でき、エステル化
反応あるいはエステル交換反応などの公知の方法で製造
される。たとえば、脂肪族ポリエステルポリオール、芳
香族ポリエステルポリオール、脂肪族ポリエーテルポリ
オール、芳香族ポリエーテルポリオールなど、あるい
は、各種グリコール類とジカルボン酸の低級アルキルエ
ステルを使用して合成してもよい。またこれらをカチオ
ン化したものも使用できる。
【0025】多価イソソシアネートとしては、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネ
ート、3,3’−ジメトキシ−4,4’ビフェニレンジ
イソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m
−キシリレンジイソシアネート、1,3−ジイソシアネ
ート−メチルシクロヘキサン、イソホロンジイソシアネ
ート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどのジイソ
シアネートが例示できる。またイソシアネート基を3個
以上含むものであっても良い。鎖延長剤としては、例え
ばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピ
レングリコール、エチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ネオペンチルグリコー
ル、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ト
リシクロデカンジメチロール、1,4−シクロヘキサン
ジオール、あるいはヒドラジン誘導体などがあげられ
る。
【0026】インク受容層に含有させるポリビニルアル
コール類とは、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビ
ニルアルコールを含む概念であり、重合度、鹸化度、変
性度等は特に限定されず、市販のものから適宜選択して
使用できる。ポリビニルアルコールとしては市販の完全
鹸化ポリビニルアルコールまたは不完全鹸化ポリビニル
アルコールを使用することができる。例えば、重合度は
200〜5000、鹸化度は70〜99%である。重合
度が小さいと耐水性が劣る恐れがあり、一方大きくても
粘度が上昇し扱い難くなる。鹸化度が小さいと水溶性が
低下するため水系樹脂分散体との混和が難しくなる恐れ
があり、一方、鹸化度は高いほどインクジェット記録用
シートの経時保存性が劣化する傾向にある。より好まし
い鹸化度の範囲は75〜90モル%である。変性ポリビ
ニルアルコールとしては、共重合変性ポリビニルアルコ
ールや末端基変性ポリビニルアルコールを例示する事が
できる。変性ポリビニルアルコールの重合度、鹸化度は
上述の完全鹸化ポリビニルアルコールと同様の範囲が好
ましい。変性の種類としては、カルボキシル基変性ポリ
ビニルアルコール、スルフォン基変性ポリビニルアルコ
ール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、シ
ラノール変性ポリビニルアルコール、カチオン基変性ポ
リビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコ
ールなどを例示することができる。
【0027】インク受容層に含有させるカチオン樹脂と
しては、インクジェットインクに使用される染料(例え
ば、水性直接染料や水溶性酸性染料)のスルフォン酸
基、カルボキシル基などと不溶な塩を形成する各種樹脂
類、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩など
を含有するカチオン性樹脂が例示できる、例えばポリエ
チレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリジアルキルア
ミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチ
ルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタアク
リルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミ
ド、ポリエポキシアミン、ポリアミドアミン、ジシアン
ジアミド−ホルマリン縮合物、ジシアンジアミドポリア
ルキル−ポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリジメチ
ルジアリルアンモニウムクロライド、ポリビニルアミ
ン、ポリアリルアミンなどの化合物およびこれらの変性
物などが例示される。これらはインク染料と反応して不
溶な塩を形成して、水の滴下でのインクの流れ出しや、
高湿環境でのニジミを抑制する効果がある。
【0028】また本発明ではこれらのウレタン系ポリマ
ー水性樹脂分散体、ポリビニルアルコール類、及びカチ
オン性樹脂との2者または3者の反応生成物を調製して
使用することもできる。例えばポリビニルアルコール類
はウレタンポリマーの生成反応において重付加反応させ
ることができる。またウレタン系ポリマーにカチオン性
樹脂を重合させることもできる。
【0029】本発明のインク受容層のウレタン系ポリマ
ー(A)と、ポリビニルアルコール類(B)との配合比
は配合重量部数で、A:B=20:80〜80:20が
インク吸収性やインク乾燥性のバランスの点で好まし
い。より好ましくは、A:B=30:70〜70:30
の範囲である。カチオン性樹脂(C)は、ウレタン系ポ
リマーとポリビニルアルコール類の合計に対し、下記の
重量部数とすることが好ましい。 (A+B):C=99:1〜70:30。 カチオン性樹脂が少ないと、カチオン性樹脂のインク染
料定着効果が発揮されず耐水性が劣る恐れがある。一
方、多くなると、インク吸収性、インク乾燥性が低下す
る恐れがある。また塗膜の透明性が失われるなどの不都
合が生じる恐れもある。(A+B):C=99:1〜7
0:10がより好ましい範囲である。
【0030】本発明のインク受容層はウレタン系ポリマ
ー水性樹脂分散体、ポリビニルアルコール類とカチオン
性樹脂を併用することにより、これらの内2種類からな
るインク受容層とは、格段の違いのある性能を得る事が
できた。即ちポリビニルアルコールだけを使用してもあ
る程度のインクジェット記録適性を得る事ができるが、
フルカラー印字の多量のインク量に対応するためには、
比較的鹸化度が低いポリビニルアルコールが好ましい
が、印字後インク受容層表面にベタツキが残りやすい、
あるいはインクが固定されないために高湿環境や水滴が
付着した場合にニジミは生じて画像の鮮明性が劣化する
との問題が生じた。しかしながら、本発明によればイン
ク吸収性とベタツキの改良とを両立し、しかもニジミに
よる画像の鮮明性が少ないインクジェット記録用シート
を得る事ができた。
【0031】また本発明の効果を阻害しない範囲で水性
樹脂分散体或いは水溶性樹脂を添加することもできる。
水性樹脂分散体としては、高分子ポリマー樹脂を水系媒
体中で、必要に応じて乳化剤を添加して重合させた、水
系エマルジョン樹脂類、あるいは高分子ポリマー樹脂を
必要に応じて親水性基を付与したのち水系媒体に強制分
散させた水系樹脂分散体などが例示される。水系樹脂分
散体の高分子ポリマー成分としては、スチレン−ブタジ
エン系共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共
重合体などの共役ジエン系重合体、アクリル酸エステル
およびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体な
どのアクリル系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体
などのビニル系重合体、ポリエステル系重合体、あるい
はこれらの各種重合体を変性した官能基変性重合体類な
どが例示できる。あるいは、これらの1種類または2種
類以上を適宜選択して混合して使用することもできる。
【0032】本発明のインク受容層の塗工量は、乾燥重
量で3〜50g/m2 が好ましく、より好ましくは10
〜25g/m2 である。少ないとインク吸収性が不足し
て、カラーインクジェットプリンターのインクを吸収で
きない、あるいは光沢が低下するなどの不都合が生じる
恐れがある。また多くても、できあがったインクジェッ
ト記録用シートはカールが強くなりプリンターでの給紙
走行に不都合が生じる恐れがあり、厚ぼったくなり、ま
たコストを無用に引き上げることになる。本発明のイン
ク受容層には印字品質および、塗工性を改善する目的
で、各種界面活性剤を配合することができる。アニオン
系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面
活性剤のほか、特にフッ素系界面活性剤を配合すること
が印字品質改善効果の点から好ましい。またこれらの各
種界面活性剤を混合して使用することもできる。
【0033】本発明で使用されるフッ素系界面活性剤
は、分子中にフッ素原子を含有する界面活性剤であり、
アニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のい
ずれのタイプのものでもよく、また低分子のものでも、
高分子のものでも差し支えない。例えば、パーフルオロ
アルキルスルフォン酸塩、パーフルオロアルキルカルボ
ン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加
物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、
パーフルオロアルキルアミノスルフォン酸塩、パーフル
オロアルキル基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル
燐酸エステルなどが例示でき、適宜選択して、あるいは
混合して使用することもできる。本発明のインク受容層
に配合される界面活性剤の配合量は、重量部でインク受
容層100重量部に対して0.05〜10重量部である
ことが好ましい。少ないと効果の発現が難しく、多くて
も耐水性が劣化する、あるいは塗料調製時の泡立ちが大
きくなり実用的でないなどの問題が生じる恐れがある。
支持体が疎水性である場合、すなわちポリエステルフィ
ルムやあるいは樹脂被覆紙である場合、インク受容層を
塗工する際にハジキが発生しやすく、塗工欠陥や、レベ
リング不良による光沢低下が生じやすいとの問題があ
る。しかしながら種々の界面活性剤を適宜配合すること
によりこれらの問題を抑制することができる。なかでも
前記フッ素系界面活性剤はこれらの効果が高く、塗工欠
陥がなく、光沢の高いインクジェット記録用シートを得
る事ができる。
【0034】更に必要に応じて、本発明のインク受容層
には消泡剤、成膜助剤、有機溶剤、防腐剤、防黴剤、p
H調節剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、無機顔料、有機
顔料、スペース剤、摩擦調整剤、色調調整のための染
料、着色顔料、蛍光染料、分散剤、膨潤剤、粘度調整
剤、耐水化剤、架橋剤、架橋助剤、水溶性樹脂などを適
宜配合添加しても差し支えない。本発明のインク受容層
は公知の方法により塗工することができる。例えば、ブ
レードコーター、エアナイフコーター、ロールコータ
ー、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレード
コーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコ
ーターなどの各種塗工方法が例示できる。なお上記塗工
に際しては1回で塗工することはもちろん、数回に分け
て重ね塗りすることもできる。さらに必要に応じて、塗
工表面をスーパーカレンダーで平滑化したり、あるいは
キャストなどの方法で平滑化することもできる。
【0035】本発明のインクジェット記録用シートは、
シート状支持体として透明プラスチックフィルムなどの
透明支持体を使う態様では得られるインクジェット記録
用シートはOHP用等に使用される。インクジェット記
録用シートの全光透過率が85%以上、かつ拡散透過率
と全光線透過率との比であらわされるヘイズが10%以
下であることが好ましい。これらの値はJIS−K−7
105に記載された方法により測定される。全光透過率
が85%以上、あるいはヘイズ度が10%以下とする
と、OHPプロジェックターで投影した際に画面が明る
くなり、特に鮮明な画像が得られる。全光線透過率は9
0%以上であることがより好ましい。またヘイズは5%
以下であることがより好ましい。
【0036】本発明のインクジェット記録用シートは、
シート状支持体として、原紙に樹脂組成物を被覆した樹
脂被服紙や、原紙に放射線硬化性樹脂や、半透明プラス
チックフィルム、白色プラスチックフィルム等半透明若
しくは不透明支持体が使用される態様では、インクジェ
ット記録物が反射光で観察される。この態様では、イン
クジェット記録用のシートの75度光沢度が85%以上
であることが望ましい。光沢度が高いと光沢感に優れ、
コンベンショナルな銀塩写真と同等の優れた質感を得る
ことができる。
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもちろんこれらに限定されるもの
ではない。重量部は特に断らない限り固形分のみの重量
部を示す。 実施例1 厚さ100μmの透明ポリエステルフィルム(商標:メ
リネックスD535、ICIジャパン製)の片面に、下
記のインク受容層用の塗料を、乾燥重量で10g/m2
になるように、バーコーターで塗工乾燥して、OHP用
インクジェット記録用シートを完成させた。インク受容層用塗工液1 ウレタン系水性樹脂分散体(商標:ハイドランHW−9
50、大日本インキ化学工業製)60重量部、ポリビニ
ルアルコール(商標:ポバール420、クラレ製、重合
度2000、鹸化度80モル%)40重量部、カチオン
性樹脂としてポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(商
標:WS−535、日本PCM製)10重量部、フッ素
系界面活性剤(商標:メガファックF−142D、大日
本インク化学工業製) 0.1重量部、顔料として澱粉
(商標:エースA、王子コーンスターチ製) 1重量
部。
【0037】実施例2 厚さ75μmの透明ポリエステルフィルム(商標:ルミ
ラーTタイプ、東レ製)の片面に、下記の下引き層用塗
料を、乾燥重量で1g/m2 になるように、バーコータ
ーで塗工乾燥した。下引き層用塗工液1 変性ポリエステル樹脂分散体(商標:ペスレジンA−5
15G、高松油脂製)100重量部、フッ素系界面活性
剤(商標:メガファックF−116、大日本インキ化学
工業製)0.5重量部。ついで、下引き層を設けたのと
反対の面に、下記組成の裏面層用の塗料を乾燥重量で1
5g/m2 になるようにバーコーターで塗工した。裏面層用塗工液1 ポリビニルアルコール(商標:ポバール117、クラレ
製) 100重量部、界面活性剤(商標:ネオコールS
W、第一工業製薬製) 2重量部、帯電防止剤(商標:
ケミスタット6120、三洋化成製) 3重量部、フィ
ラーとしてコロイダルシリカ(商標:スノーテックス
C、日産化学製) 10重量部。さらに下記組成のイン
ク受容層用の塗料を、乾燥重量で15g/m2 になるよ
うに、バーコーターで塗工乾燥して、OHP用インクジ
ェット記録用シートを完成させた。インク受容層用塗工液2 ウレタン系水性樹脂分散体(商標:ハイドランHW−1
40SF、大日本インキ化学工業製) 75重量部、ポ
リビニルアルコール(商標:ゴーセノールNM−11、
日本合成化学工業製、重合度1100、鹸化度99モル
%) 15重量部、アセトアセチル基変性ポリビニルア
ルコール(商標:ゴーセファイマーZ200、日本合成
化学工業製) 10重量部、カチオン性樹脂としてポリ
アミドエピクロルヒドリン樹脂(商標:WS−535、
日本PCM製) 5重量部、フッ素系界面活性剤(商
標:メガファックF−150、大日本インク化学工業
製) 0.1重量部、顔料として澱粉粒子(商標:エー
スA、王子コーンスターチ製)1重量部。
【0038】実施例3 厚さ175μmの白色ポリエステルフィルム(商標:メ
リネックスD329、ICIジャパン製)の片面に、実
施例2と同様にして下引き層用塗料1を乾燥重量で1g
/m2 になるように、また裏面用塗料1を乾燥重量25
g/m2 になるようにして塗工した。引き続いて、下記
組成のインク受容層用塗料を、乾燥重量で25g/m2
になるように、バーコーターで塗工乾燥して、インクジ
ェット記録用シートを完成させた。インク受容層用塗工液3 ウレタン系水系樹脂分散体(商標:スーパーフレックス
190、第一工業製薬製) 30重量部、ポリビニルア
ルコール(商標:ゴーセノールGH−17、日本合成化
学工業製、重合度88モル%、鹸化度1700) 70
重量部、カチオン性樹脂(商標:PAS−H−5L、日
東紡績製) 20重量部、フッ素系界面活性剤(商標:
メガファックF−150、大日本インク化学工業製)
0.1重量部、顔料として澱粉粒子(商標:エースA、
王子コーンスターチ製) 1重量部。
【0039】実施例4 厚さ175μmの白色ポリエステルフィルム(商標:メ
リネックスD329、ICIジャパン製)の片面に、実
施例2と同様にして下引き層用塗料1を乾燥重量で1g
/m2 になるように、また裏面用塗料1を乾燥重量25
g/m2 になるようにして塗工した。引き続いて、下記
組成のインク受容層用塗料を、乾燥重量で30g/m2
になるように、バーコーターで塗工乾燥して、インクジ
ェット記録用シートを完成させた。インク受容層用塗工液4 ウレタン系水系樹脂分散体(商標:ハイドランHW−1
11、大日本インキ化学工業製) 40重量部、ポリビ
ニルアルコール(商標:ゴーセノールGH−17、日本
合成化学工業製、重合度88モル%、鹸化度1700)
60重量部、カチオン性樹脂としてポリアミドエピク
ロルヒドリン樹脂(商標:WS−535、日本PCM
製)10重量部、フッ素系界面活性剤(商標:メガファ
ックF−150、大日本インキ化学工業製) 1重量
部、顔料として非晶質シリカ(商標:ミズカシルP−7
8F、水澤化学工業製) 0.5重量部。
【0040】実施例5 厚さ100μmの半透明ポリエステルフィルム(商標:
ルミラーX21タイプ、東レ製)の片面に、下記の下引
き層用塗料2を、乾燥重量で0.5g/m2 になるよう
に、また下引き層を設けたのと反対の面に、裏面用塗料
2を乾燥重量15g/m2 になるようにバーコーターで
塗工乾燥した。下引き層用塗工液2 変性ポリエステル樹脂分散体(商標:バイロナールMD
1400、東洋紡績製)100重量部、フッ素系界面活
性剤(商標:メガファックF−116、大日本インキ化
学工業製)0.5重量部。裏面層用塗工液2 ウレタン系水性樹脂分散体(商標:ハイドランHW−9
50、大日本インキ化学工業製) 40重量部、ポリビ
ニルアルコール(ポバール420、クラレ製)40重量
部、帯電防止剤(商標:ケミスタット6120、三洋化
成製) 5重量部、フィラーとしてコロイダルシリカ
(商標:スノーテックスC、日産化学製)10重量部、
界面活性剤(商標:メガファックF−116、大日本イ
ンキ化学工業製) 1重量部。さらに下記組成のインク
受容層用塗工液5を、乾燥重量で30g/m2 になるよ
うに、バーコーターで塗工乾燥して、インクジェット記
録用シートを完成させた。インク受容層用塗工液5 ウレタン系水性樹脂分散体(商標:ハイドランHW−1
40SF、大日本インキ化学工業製) 50重量部、ポ
リビニルアルコール(商標:ゴーセノールNM−11、
日本合成化学工業製、重合度99モル%、鹸化度110
0) 30重量部、アセトアセチル基変性ポリビニルア
ルコール(商標:ゴーセファイマーZ200、日本合成
化学工業製、鹸化度99モル%、重合度800) 20
重量部、カチオン化剤としてグリシジルトリメチルアン
モニウムクロライド(商標:GTA、日東化学工業製)
3重量部、反応触媒とし水酸化ナトリウム 0.1重
量部。上記処方の20%溶液を70℃に加温しカチオン
化反応を行った後、硫酸を加えて中和した。次に下記組
成を加えて塗工液を完成させた。カチオン性樹脂として
カチオン性ポリアミン樹脂(商標:ネオフィックスRP
−70、日華化学製)2重量部、顔料としてシリカ(商
標:ミズカシルP−78F、水澤化学工業製)1重量
部、界面活性剤(商標:メガファックF−824、大日
本インキ化学工業製)1重量部。
【0041】実施例6シート状支持体の作製 以下の手順により、原紙を調製し、その一方の面(表
面)にポリエチレンと二酸化チタンを含む樹脂組成物を
被覆し、反対の面(裏面)にポリエチレンを含む樹脂組
成物を被覆して、ポリオレフィン樹脂被覆紙を作製し
た。原紙の調製 針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を叩解度(JIS
P−8121)250mlCSFまで叩解し、また広葉
樹晒クラフトパルプ(LBKP)を叩解度280mlC
SFまで叩解して、重量比2:8の割合で混合し、濃度
0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラ
リー中に下記の製紙用添加剤を、パルプ絶乾重量に対し
下記の添加量で添加し、十分に攪拌して分散させた。カ
チオン化澱粉 2.0%、アルキルケテンダイマー
0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂 0.1
%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂
0.7%。上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄
紙し、ドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダーを
通し、坪量128g/m2 、緊度1.0g/m3 の原紙
を製造した。なお、上記サイズプレス工程に用いたサイ
ズプレス液は、カルボキシル変性ポリビニルアルコール
と塩化ナトリウムとを2:1の重量比で混合し、これを
水に加えて加熱溶解し、濃度5%に調製したもので、こ
れを紙の両面に乾燥重量で1.3g/m2 塗布した。
【0042】ラミネート 上記原紙の両面にコロナ放電処理を施した後、これにバ
ンバリーミキサーで混合分散した下記のポリオレフィン
樹脂組成物1を原紙のフェルト面側に塗工量が25g/
2 になるようにして、T型ダイを有する溶融押し出し
機(溶融温度320℃)で塗布し、その表面を鏡面を有
するクーリングロールで冷却固化した。またポリオレフ
ィン樹脂組成物2(裏面用樹脂組成物)をワイヤー面側
に塗工量が25g/m2 になるように同様の手順で被覆
しシート状支持体を製造した。ポリオレフィン樹脂組成物1 直鎖型低密度ポリエチレン樹脂(密度0.926g/m
3 、メルトインデックス20g/10分)35重量部、
低密度ポリエチレン樹脂(密度0.919g/m3 、メ
ルトインデックス2g/10分)50重量部、アナター
ゼ型二酸化チタン(商標:A−220、石原産業製)1
5重量部、ステアリン酸亜鉛 0.1重量部、酸化防止
剤(商標:Irganox1010、チバガイギー製)
0.03重量部、群青(商標:青口群青No.200
0、第一化成製)0.09重量部、蛍光増白剤(商標:
UVITEXOB、チバガイギー製)0.3重量部。ポリオレフィン樹脂組成物2 高密度ポリエチレン樹脂(密度0.954g/m3 、メ
ルトインデックス20g/10分)65重量部、低密度
ポリエチレン樹脂(密度0.924g/m3 、メルトイ
ンデックス4g/10分)35重量部。ついで、裏面被
覆層上に、下記組成の裏面層用の塗料を乾燥重量で5g
/m2になるようにバーコーターで塗工した。裏面層用塗工液3 スチレンブタジエン系エマルジョン樹脂(商標:Nip
ol LX407F、日本ゼオン製) 60重量部、帯
電防止剤(商標:ケミスタット6120、三洋化成製)
3重量部、顔料として非晶質シリカ(商標:ファイン
シール X−45、トクヤマ製) 40重量部。引き続
き、上記シート状支持体のポリオレフィン樹脂組成物1
を設けた側に、下記のインク受容層用塗工液を、乾燥重
量で20g/m2 になるように、バーコーターで塗工、
乾燥した。インク受容層用塗工液6 ウレタン系水系樹脂分散体(商標:ハイドランHW−1
40SF、大日本インキ化学工業製) 50重量部、ア
セトアセチル基変性ポリビニルアルコール(商標:ゴー
セファイマーZ200、日本合成化学工業製、鹸化度9
9モル%、重合度800) 30重量部、カチオン性樹
脂としてポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(商標:W
S−535、日本PCM製)10重量部、界面活性剤
(商標:メガファックF−824、大日本インキ化学工
業製)2重量部、顔料として非晶質シリカ(商標:ファ
インシールX−45、トクヤマ製)0.3重量部。
【0043】実施例7シート状支持体の作製 以下の手順により、実施例6と同様の手順で原紙を調製
し、その一方の面(表面)に電子線照射により硬化しう
る不飽和有機化合物と白色顔料を主成分とする樹脂組成
物を被覆し、反対の面(裏面)に実施例6と同様にして
にポリエチレンを含む樹脂組成物を被覆して、シート状
支持体を作製した。原紙の調製 坪量を180g/m2 に変更したほかは実施例6と同様
にしての原紙を製造した。樹脂被覆 上記原紙の両面にコロナ放電処理を施した後、これにバ
ンバリーミキサーで混合分散した下記のポリオレフィン
樹脂組成物3を原紙のワイヤー面側に塗工量が50g/
2 になるようにして、T型ダイを有する溶融押し出し
機(溶融温度320℃)で塗布し、その表面をマット加
工を施したクーリングロールで冷却固化した。ポリオレフィン樹脂組成物3 高密度ポリエチレン樹脂(密度0.954g/m3 、メ
ルトインデックス20g/10分)65重量部、低密度
ポリエチレン樹脂(密度0.924g/m3 、メルトイ
ンデックス4g/10分)35重量部。ついで以下の手
順により2層構造を有する表面樹脂被覆層を形成した。
まず、電子線照射により硬化する下記組成の表面被覆用
樹脂組成物1を、ペイントコンデショナーで1時間混合
分散させて調製し、この組成物を、光沢形成面として使
用するクロムメッキを施した金属板の表面上にワイヤー
バーを用いて、硬化後の塗布量が25g/m2 になるよ
うに塗布し、この塗布層に加速電圧165KVで、照射
線量2Mradとなるように電子線を照射し、この塗布
層を硬化させた。
【0044】表面樹脂被覆用組成物1 6官能ポリアクリルオリゴマー(ペンタエリスリトール
オリゴマー、商標:ビームセット700、荒川化学工業
製)80重量部、アナターゼ型二酸化チタン(商標:A
220、石原産業製)20重量部。ついで、下記の表面
樹脂被覆層用組成物2をペイントコンデショナーで1時
間混合分散させて調製し、この組成物を前述の紙支持体
の表面上、すなわち裏面用のポリオレフィン樹脂組成物
がラミネート塗工されていない面(原紙のフェルト面
側)に、ワイヤーバーを用いて、硬化後の塗布量が20
g/m2 になるように塗布し、この塗布層を前述の金属
の形成面上で硬化形成した硬化塗膜に重ね合わせた後、
紙支持体の背面から、加速電圧175KV、照射線量2
Mradの条件で電子線を照射し、積層体を硬化接着し
一体化した。つぎに金属形成面から上記の工程で得られ
た電子線照射により硬化した合計塗布量40g/m2
2層構造を有する表面樹脂被覆層をする支持体を剥離
し、インクジェット記録紙用シート状支持体を得た。表面樹脂被覆層用組成物2 3官能ポリウレタンオリゴマー(分子量1200のウレ
タンアクリレートオリゴマー、商標:ビームセット55
0B、荒川化学工業製) 36重量部、2官能アクリレ
ートモノマー(トリプロピレングリコールジアクリレー
ト、商標:M−220、東亜合成製) 24重量部、ア
ナターゼ型二酸化チタン(商標:A220、石原産業
製)40重量部。
【0045】引き続き、上記シート状支持体の電子線照
射により硬化しうる不飽和有機化合物と白色顔料を主成
分とする樹脂組成物を被覆した面に、コロナ放電処理を
施した後、下記処方の下引き層を乾燥重量で0.5g/
2 になるように塗工した後、実施例6と同じインク受
容層用塗工液を、乾燥重量で30g/m2 になるよう
に、バーコーターで塗工、乾燥した。下引き層用塗工液3 変性ポリエステル樹脂分散体(商標:NT−3、高松油
脂製)100重量部、ノニオン系界面活性剤(ポリオキ
シエチレン誘導体、商標:エマルゲンA−90、花王
製)0.5重量部。
【0046】実施例8シート状支持体の作製 以下の手順により、実施例6と同様の手順で原紙を調製
し、その一方の面(表面)に紫外線照射により硬化しう
る不飽和有機化合物と白色顔料を主成分とする樹脂組成
物を被覆し、反対の面(裏面)に実施例6と同様にして
にポリエチレンを含む樹脂組成物を被覆して、樹脂被覆
紙を作製した。原紙の調製 坪量を150g/m2 に変更したほかは実施例6と同様
にしての原紙を製造した。樹脂被覆 実施例6と同様にして樹脂被覆量50g/m2 の裏面被
覆層を設けた。引き続いてパルプ紙のフェルト面に、下
記の手順により表面樹脂被覆層を形成した。下記組成の
表面被覆用樹脂組成物3を調製し、透明ポリエステルフ
ィルム(商標:ルミラーTタイプ、75μm厚さ、東レ
製)にワイヤーバーを用いて、硬化後の塗工量が10g
/m2 になるように塗工した。ついでこの塗布層を前述
の原紙表面に重ね合わせた後、ポリエステルフィルム側
から、メタルハライドランプ(照射強度80W/cm)
で塗膜が硬化するように紫外線を照射して、樹脂層を原
紙に接着硬化し、ついでポリエステルフィルム光沢成形
面から表面樹脂被覆層を剥離して、インクジェット記録
紙用シート状支持体を得た。表面被覆用樹脂組成物3 無黄変ウレタンアクリレートオリゴマー(商標:R−1
301、第一工業製薬製)70重量部、ジオールアクリ
レートモノマー(商標:L−C9A、第一工業製薬製)
30重量部、光重合開始剤(商標:イルガキュア18
4、チバガイギー製)3重量部。引き続き、上記シート
状支持体の紫外線照射により硬化しうる不飽和有機化合
物を主成分とする樹脂組成物を被覆した面に、実施例6
と同様にして下引き層を設けた後、実施例6と同様にし
て、インク受容層を乾燥重量で30g/m2 になるよう
に、バーコーターで塗工、乾燥した。
【0047】比較例1 実施例6と同様にして坪量150g/m2 、緊度1.0
g/m3 の原紙を調製し、そのフェルト面に下記組成の
インク受容層塗工液を、乾燥重量で3g/m2になるよ
うに、バ−コーターで塗工、乾燥した。インク受容層用塗工液7 ウレタン系樹脂水系分散体(商標:ハイドランHW−9
50、大日本インキ化学工業製)60重量部、ポリビニ
ルアルコール(商標:ポバール420、クラレ製、重合
度2000、鹸化度80モル%)40重量部、顔料とし
て澱粉(商標:エースA、王子コーンスターチ製) 1
重量部。
【0048】比較例2 厚さ100μmの透明ポリエステルフィルム(商標:メ
リネックスD535、ICIジャパン製)の片面に、下
記のインク受容層塗工液を、乾燥重量で15g/m2
なるように、バーコーターで塗工乾燥して、OHP用イ
ンクジェット記録用シートを完成させた。インク受容層用塗工液8 ポリビニルアルコール(商標:ポバール117、クラレ
製)95重量部、カチオン性樹脂としてカチオン性ポリ
アミン樹脂(商標:ネオフィクスRP70、日華化学
製) 5重量部、フッ素系界面活性剤(商標:メガファ
ックF−150、大日本インキ化学工業製) 0.5重
量部、顔料としてシリカ(商標:ファインシールX−4
5、トクヤマ製) 1重量部。
【0049】比較例3 インク受容層用の塗料組成を下記組成に代えた他は、比
較例2と同様にしてOHPインクジェット記録用シート
を完成させた。インク受容層用塗工液9 ウレタン系樹脂水性分散体(商標:ハイドランHW−9
50、大日本インキ化学工業製)95重量部、カチオン
性樹脂としてカチオン性ポリアミン樹脂(商標:ネオフ
ィクスRP70、日華化学製) 5重量部、フッ素系界
面活性剤(商標:メガファックF−150、大日本イン
キ化学工業製) 0.5重量部、顔料として非晶質シリ
カ(商標:ファインシールX45、トクヤマ社製) 1
重量部。
【0050】比較例4 実施例6と同様にして、原紙の一方の面(表面)にポリ
エチレンと二酸化チタンを含む樹脂組成物を被覆し、反
対の面(裏面)にポリエチレンを含む樹脂組成物を被覆
して、ポリオレフィン樹脂被覆シート状支持体を作製し
た。ついで表面に下記のインク受容層塗工液を、乾燥重
量で60g/m2 になるように、バーコーターで塗工乾
燥して、インクジェット記録用シートを完成させた。インク受容層用塗工液10 ポリビニルアルコール(商標:ポバール505、クラレ
製、重合度500、鹸化度80モル%) 80重量部、
アクリル樹脂エマルジョン(商標:ヨドゾールCE−5
8、カネボウNSC製) 15重量部、カチオン性樹脂
としてカチオン性ポリアミン樹脂(商標:ネオフィック
スRP70、日華化学化学製)5重量部、顔料としてシ
リカ(商標:ファインシールX45、トクヤマ製) 1
重量部。
【0051】比較例5 インク受容層を下記組成に変更した他は比較例2と同様
にしてOHP用インクジェット記録用シートを完成させ
た。インク受容層用塗工液11 アクリル系水系樹脂分散体(商標:スミカフレックス3
911、住友化学工業製)60重量部、ポリビニルアル
コール(商標:ポバール420、クラレ製、重合度20
00、鹸化度80モル%)40重量部、カチオン性アク
リルアミド系樹脂(商標:スミレーズレジン1001、
住友化学工業製)10重量部、フッ素系界面活性剤(商
標:メガファックF−150、大日本インク化学工業
製) 0.1重量部、顔料として澱粉(商標:エース
A、王子コーンスターチ製) 1重量部。
【0052】〔評価〕上記工程で作製した各実施例およ
び比較例のインクジェット記録用シートの評価を下記の
通りに行った。 (1)インク乾燥性 市販のカラーインクジェットプリンター(商標:MJ−
810C、エプソン製)で黒ベタ印刷を行ったのち、印
刷後2分毎にPPC用紙を押しあて、PPC紙へのイン
ク転写の有無を目視で確認してインク乾燥性を判断し
た。印刷後短時間でインクの転写がなくなるほど、イン
ク乾燥性は良好である。 ◎:印刷後2分で転写が認められないもの ○: 〃 2分以上、6分未満で転写が認められないもの △: 〃 6分以上、10分未満で転写が認められないもの ×: 〃 10分でも転写が認められるもの (2)画質 市販のカラーインクジェットプリンター(商標:MJ−
810C、エプソン製)で、シアン、マゼンタ、イエロ
ー、ブラックの各色でベタ印刷を行い、印刷ムラ(濃淡
ムラ)を目視で評価した。濃淡ムラの少ないほど画質は
良好である。 ◎:印字ムラが認められず良好なレベル ○: 〃 若干あるが実用上問題のないレベル △: 〃 やや目立ち、実用上問題となるレベル ×: 〃 目立ち、実用に耐えないレベル
【0053】(3)ニジミ 市販のカラーインクジェットプリンター(商標:MJ−
810C、エプソン製)で、シアン、マゼンタ、イエロ
ー、ブラックの各色でアルファベット文字を印刷し、拡
大鏡で観察して目視で評価した。文字のインク部分と白
紙部分の境界がクリアで、文字の細部もはっきりと読み
とれるほど良好である。 ◎:文字の境界部分がクリアーでニジミが認められず良好なレベル ○: 〃 が若干ぼやけるが実用上問題のないレベル △: 〃 がぼやけ、一部文字が判読できないレベル ×: 〃 がぼやけ、文字が判読できない、実用に耐えないレベル
【0054】(4)塗膜耐水性 出来上がったインクジェット記録用シートの受容層表面
に水滴を滴下し、10秒後に指で擦り、塗膜のハガレや
樹脂溶出によるヌメリの有無を評価した。塗膜ハガレが
なく、ヌメリのないものほど良好である。 ◎:塗膜ハガレやヌメリがなく良好なレベル ○:塗膜ハガレは無いが、若干ヌメリがあるレベル △:ヌメリがあり、指がべたつくレベル ×:指で擦るとすぐに塗膜が全て溶けるレベル (5)印字耐水性 市販のカラーインクジェットプリンター(商標:MJ−
810C、エプソン製)で、シアン、マゼンタ、イエロ
ー、ブラックの各色でアルファベット文字を印刷し、1
時間後に蒸留水で1分間水洗したあと、乾燥して、水洗
していない物と目視で比較して評価した。水洗後も文字
の印刷濃度が変化せず、またクリヤーに読みとれるほど
良好である。 ◎:インク濃度の低下がなく、文字をクリアーに読みとれるレベル ○: 〃 が若干低下するが、文字読みとりに実用上問題のないレベル △: 〃 が低下し、一部文字が判読できないレベル ×: 〃 がほとんどなくなり、文字が全く判読できないレベル
【0055】(6)光沢度 出来上がったインクジェット記録用シートの受容層表面
の光沢度(75度光沢)を、JIS−P8142により
測定した。光沢タイプのインクジェット記録用シートで
は光沢度が高いほど、良好である。 (7)ヘイズ度 出来上がったインクジェット記録用シートの受容層表面
の透過率とヘイズ度を、反射透過率計(商標:HR−1
00、村上色彩技術研究所製)により測定した。OHP
タイプのインクジェット記録用シートでは透過率が高
く、ヘイズ度が低いほど、投影した際にも画像が明るく
鮮明で良好である(JIS−K7105)。表1の結果
から明らかなように、本発明の各実施例で得られたイン
クジェット記録用シートは、インク乾燥性、ニジミ、塗
膜耐水性、印字耐水性、光沢度、透過率、ヘイズ度が優
れたインクジェット記録用シートである。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用シート
は、インク吸収性、インク乾燥性に優れ、ニジミがな
く、塗膜耐水性、印字耐水性、光沢度、ヘイズが優れた
インクジェット記録用シートである。また高精細な画像
の表現に最適のインクジェット記録用シートである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体にインク受容層を設けたインクジ
    ェット記録用シートにおいて、該インク受容層がウレタ
    ン系ポリマー水性樹脂分散体、ポリビニルアルコール類
    及びカチオン性樹脂を含有する組成物或いはこれらの反
    応生成物を含有することを特徴とするインクジェット記
    録用シート。
  2. 【請求項2】 インク受容層がフッ素系界面活性剤を含
    有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット
    記録用シート。
  3. 【請求項3】 支持体が透明支持体でありインクジェッ
    ト記録用シートの全光線透過率が85%以上、かつヘイ
    ズ度(JIS−K−7105)が10%以下であること
    を特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記
    録用シート。
  4. 【請求項4】 支持体が半透明若しくは不透明支持体で
    あり、インクジェット記録用シートの記録を行う面の7
    5度光沢度(JIS−P−8142)が85%以上であ
    ることを特徴とする請求項1、2または3記載のインク
    ジェット記録用シート。
  5. 【請求項5】 支持体が、原紙に樹脂組成物を被覆した
    樹脂被覆紙、原紙に放射線硬化性樹脂を硬化させてなる
    層を設けた支持体、透明プラスチックフィルム、半透明
    プラスチックフィルム、または白色プラスチックフィル
    ムであることを特徴とする請求項1、2、3または4記
    載のインクジェット記録用シート。
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